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小規模閉鎖会社における会計監査代替機能

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2018 年 3 月 目次  はじめに 1 これまでの中小会社の区分基準と監査代替機 能をめぐる論点 2 会計参与制度 3 税理士法 33 条の 2 に規定する書面添付制度 4 「事業性評価」 おわりに

はじめに

 本稿では,小規模閉鎖会社における会計監査の 代替機能について検討を行う。金融商品取引法で は,上場会社等に公認会計士監査を義務づけてい る(金商法第 193 条の 2)。ここでは,公認会計 士が企業の財務情報を検証し,その適正性を保証 することによって,投資家は安心して投資活動を 行うことが可能になる。他方,会社法上の会計監 査は,大会社では会計監査人の制度が強制される が(会社法第 328 条),実態論としては,本稿が 取り上げる小規模閉鎖会社(その定義については 後掲)では,会計監査人監査はもとより会計参与 の導入も,ほとんどみられない。ここに小規模閉 鎖会社における会計情報の適正化問題が生じるこ とになる。  ただ実務的には,ある程度適正な会計情報でな ければ,金融機関からの資金調達や新規取引先と の関係が開始できなくなる。現在すでに書面添付 制度や事業性評価などが実務上のものとして実施 されているが,いまだ完成域にあるとは言えない であろう。そこで,小規模閉鎖会社において,財 務情報の信頼性向上のために,そもそもの大小会 社区分立法問題を踏まえ,書面添付制度などの再 検討を行うこととする。  なお,本稿では基本的に「中小会社」の語を使 用するが,文脈によって「中小企業」の語を使用 することがある。

1 これまでの中小会社の区分基準と監査

代替機能をめぐる論点

 現行の会社法や中小企業基本法にみる中小会社 適用の基準等については,周知のところであるか ら,とくに触れないが,昭和 60 年代前後に議論 されてきたいわゆる大小会社区分立法問題に関す る事柄は,現在でも妥当する議論があったように 思われ,このうち,①中小会社自体の区分問題 と,②中小会社の監査代替機能に関する議論のみ 以下に紹介しておこう。  なお,本稿のスタンスは,監査代替機能を発揮 してもらうべき適用対象として,次の条件の会社 を小規模閉鎖会社としている。 ①資本金額 1,000 万円以下 ②負債総額 1 億円未満 ③株式全部についての譲渡制限があること ④従業員 20 人以下 ⑤売上高 10 億円未満   (1)中小会社の区分基準の問題  大小会社の区分の問題は,昭和 50 年 6 月の 「会社法改正に関する問題点」(法務省民事局参事 官室)中で「第七 最低資本金制度及び大小会社 の区分」として取り上げられていた1。昭和 59 年 7 月現在の法務省調査によると,登記簿上現存 の(清算中でない)会社の総数は,約 228 万社

小規模閉鎖会社における会計監査代替機能

宮田 伸一

*

論文

    * 名古屋経済大学大学院会計学研究科会計学専攻博士後 期課程(指導教授 佐藤敏昭)

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(a)種類 A 案 公開株式会社・非公開株式会社・有限会 社 B 案 株式会社(公開,非公開の区分はしな い)・有限会社 C 案 株式会社(公開,非公開の区分はしな い)・有限会社 (b)最低資本金 A 案 公開株式会社は 1 億円(または 5 千万 円)以上 非公開株式会社は 2 千万円以上 有限会社は 1 千万円以上 B 案 株式会社は 2 千万円以上    有限会社は 1 千万円以上 C 案 株式会社は 2 千万円以上    有限会社は 1 千万円以上 (c)名称 A 案 公開株式会社には,商号中に公開株式会 社であることを示す文字(「公開」,「募 集」,「特別」,「一般」等)を用いること ができ,非公開株式会社とは区別する。 非公開株式会社は株式会社の名称を従来 通り使用する。 有限会社は有限会社の名称を従来通り使 用する。 B 案 公開株式会社,非公開株式会社の区分は せずに,株式会社の名称を従来通り使用 する。 有限会社は有限会社の名称を従来通り使 用する。 C 案 公開株式会社,非公開株式会社の区分は せずに,株式会社の名称を従来通り使用 する。 有限会社は有限会社の名称を従来通り使 用する。 (d)監査 A 案 公開株式会社は会計監査人監査を実施す る。 非公開株式会社は一定規模以上のものに 限定的な監査を実施する。 有限会社は一定規模以上のものに限定的 な監査を実施する。 B 案 株式会社は会計監査人監査ないし限定監 査を強制し,外部監査を望まない株式会 で,そのうち株式会社は約 112 万社,有限会社約 105 万社,合名会社約 2 万社,合資会社約 8 万社 となっているが,株式会社のうち資本金 1 億円以 上のものは約 2 万社,であるから全株式会社の約 99% の会社が資本金 1 億円以下の商法特例法上 のいわゆる小会社であった2。さらに,資本金 1,000 万円未満の会社が約 82 万社あり,全株式 会社の約 73% をしめていた3。また,株式会社法 は,経済社会情勢の進展に伴い,しばしば改正が 行われてきたが,その対象として念頭に置かれて いたのは,多人数から株式によって資金を調達し て事業を行う,所有と経営が分離した会社いわば 株式会社らしい株式会社であった4  しかし,全株式会社の約 99% が小規模株式会 社であり,株式会社法が本来的に規制の対象とし ていたような公開性の大規模株式会社と,中小株 式会社とでは,同じ株式会社といっても,企業の 実態もその営む経済的機能の面でも本質的な違い があるので,実態に即して株式会社を区分し,適 用される会社法規もそれぞれに相応しいものに規 定し直すことが必要であると思われる5。わが国 株式会社の大半が閉鎖的な中小会社であるという 現実を無視して,公開性の大規模会社を対象とし て制定されている高度で厳格・複雑な株式会社法 の規定を,中小会社にも一律に適用し続けている と,これらの会社間では,会社法の規定が一般に 遵守されていないという矛盾と,また企業の実態 からみても不相応な法規制を強制していることの 不合理性が,ますます増大することが指摘されて いた6  そこで,昭和 59 年 5 月 9 日に「大小(公開・ 非公開)会社区分立法及び合併に関する問題点 (以下:大小区分立法という。)」が法務省民事局 参事官室より公表された。この問題点のなかに は,本稿の論点に関係する重要論点が含まれてい るので,まずはこの問題点を紹介しておこう。  大小区分立法の問題点は,14 の項目あるが, 本稿では,1 設立に関する問題点(最低資本金), 7 計算・公開に関する問題点(計算書類等の公開, 外部監査)に限定して検討する。公開株式会社と 非公開株式会社の区分の方法について,A 案,B 案,C 案の三案があるが,種類,最低資本金,名 称,監査の概要は以下のようになる7

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等),この「監査」を受けない会社につい ての代償措置(支配的株主・社員・取締役 の責任強化等)及び有限会社の位置付け等 との関連において,なお検討する(十三 B 案参照)。 注2 この専門家「監査」をする際に尽くすべき 注意義務の程度(「監査」(証明)基準の内 容),そのもつ意味を明らかにする「監査」 の内容の表現方法,重要性の原則の導入の 可否等については,なお検討する。 注3 この専門家「監査」と監査役と監査との関 係,監査日程等については,なお検討す る。 注4 この専門家「監査」を行う者は,同一会社 について税務を行う者であってよいとする ことはどうか。これに関連して,この専門 家「監査」の欠格者とすべき特別利害関係 については,なお検討する。 注5 この専門家「監査」を行うことができる税 理士の範囲を限定するかどうか及びその限 定の方法については,なお検討する。 注6 公認会計士等の会計専門家以外の者(例え ば商工会議所・商工会の指導員)の活用が 可能かどうかは,さらに検討する。 注7 この専門家「監査」を強制する基準に達し ない会社についても,その任意採用を認め る。 注8 EC 第 4 指令 5 条 2 項・11 条,フランス会 社法 64 条・65 条,同法施行令 64 条,西 ドイツ「会社法の調整に伴うヨーロッパ共 同体理事会第 4 指令の実施に関する法律草 案」参照。  この中心論点は,本来的な会計監査ではなく, 会計帳簿が適正に作成されているか等の小規模閉 鎖会社の実態に即した,簡易監査を想定されてい たと思われる。  会計帳簿が適正に作成されていることの証明 は,小規模閉鎖会社においても金融機関等からの 借入に際しての重要な事項であると思われるの で,その意味においても簡易監査の議論は有効で あったと思われる。 (b)「商法監査問題研究会報告書」(昭和 61 年) の公表  法制審議会商法部会は外部監査問題を専門的に 社は,有限会社に組織変更が強制され る。 有限会社は一切の外部監査を不要にする が,大規模な有限会社は株式会社に組織 変更が強制される。 C 案 株式会社のうち公開株式会社とそれ以外 の会社とを形式的に区分することが困難 であれば,株式会社に関する規定の中に 非公開会社・小規模会社に適した規定を 設けることによって,実質的に区分し, その規模又は株主の数等の基準により会 計監査人の要否を区分する。 有限会社は,非公開株式会社に統合し (最低資本金と名称はそのまま),その規 模又は株主等の基準により会計監査人の 要否を区分する。 (2)当時の監査代替機能に関する議論  中小会社における会計処理・手続,開示される 計算書類等に対する証明問題は,簡易監査問題と して昭和 59 年から昭和 61 年にかけて盛んに議論 されていた8 (a)昭和 59 年「大小(公開・非公開)会社区分 立法及び合併に関する問題点」の公表  法制審議会商法部会は,昭和 57 年 9 月以降, 最低資本金制度および大小区分立法の検討を行 い,これに合併に関する技術的な問題の検討を加 え,これに基づき,法務省民事局参事官室より, 昭和 59 年 5 月大小区分立法が公表された 。その 「問題点」七「計算・公開に関する問題点」の 5 (専門家による外部「監査」)において,「会計監 査人監査を受けない非公開会社のうち一定規模以 上のものは,会計専門家(公認会計士,監査法 人,会計士補,又は税理士)による会計帳簿の記 載漏れ又は不実記載並びに貸借対照表,損益計算 書及び附属明細書の記載の会計帳簿との有無等に 限定した「監査」を強制するとの意見があるが, どうか」として会計専門家による「監査」の提案 がなされ,そして以下のような注が 1 から 8 まで 付されている 。 注1 この専門家「監査」を強制する会社から有 限会社を除くかどうかは,有限会社に有限 責任を認める根拠,対象会社の数,この 「監査」を強制する会社規模をはかる基準 (資本,総資産,負債,売上高,従業員数

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(c)昭和 61 年「商法・有限会社法改正試案」の 公表  昭和 61 年 5 月「商法・有限会社法改正試案」 が法務省民事局参事官室より公表され,最低資本 金制度,計算書類の商業登記所による公開,会計 監査人監査範囲の拡大のほか,その試案四 4 にお いて再び会計調査人の調査が昭和 59 年提案より も以下のように詳細に提案された13 「4 a 株式会社で会計監査人の監査を受けな いものは,その計算に関し会計調査人に よる調査を受けなければならない。ただ し,資本金 3,000 万円未満かつ負債総額 3 億円未満のものは,調査を省略するこ とができる。 b 一定の基準(例えば資本金 1 億円以上 又は負債総額 10 億円以上。)に該当する 有限会社で会計監査人の監査を受けない ものは,会計調査人の調査を受けなけれ ばならない。 c 会計調査人による調査は,「会社の貸借 対照表及び損益計算書が相当の会計帳簿 に基いて作成されていると認められるか どうか」(旧商法 33 条 2 項参照)を報告 することを目的とする。 (注)1 附属明細書をも調査の対象とすること については,なお検討する。 2 調査においては,相当の会計組織(帳 簿の備付け,確実な記帳の仕組み)が 備わっていることを確認し(商法 33 条 1 項参照),会計帳簿の記載について期 末における財産(資産及び債務)の実 在性と網羅性(貸借対照表項目)並び に期中における取引事実等との対応 (損益計算項目)が一応認められるかど うか(帳簿における資産・債務・取引 事実等に関する記録としての相当性) を吟味し(商法 33 条 1 項参照),会計 帳簿と貸借対照表及び損益計算書の記 載との間に重要な不一致がないことを 確認する。 3 調査に当たっては,突合(照合),説明 の聴取(質問)のほか,陳述書の徴収, 実査,立会,確認その他適宜の方法を 用いることができる(会計帳簿・書類 検討する機関として,「商法監査問題研究会」を 設置し,昭和 61 年 3 月に「商法監査問題研究会 報告書(以下:「報告書」という。)」が法制審議 会商法部会長に提出された11  「報告書」は以下の A 案,B 案,C 案とされて いる。 A 案は,公認会計士または監査法人による正規 の監査の範囲を出来る限り拡大しようと する案であり,制度上の問題はないが, 中小会社への拡大の可能性については, 会社側の経済的負担や監査担当者の数の 面から難点があるとされた。 B 案は,正規の監査を簡易化し計算書類の適法 証明の手続若しくは範囲を限定するか, または,正規の監査に比し程度そのもの を限定しようとするもので,限定の対象 によりさらに B1 案,B2 案,B3 案に分 かれる。 B1 案は,期末における会社の実地棚卸等の記 録を閲覧して,会計帳簿の記載の妥当性 を確かめ,特に必要と認めた場合に限り 実査・立会・確認等を行うとする手続限 定案である。 B2 案は,特に貸借対照表の重要項目(期末残 高)の妥当性を担保しようとする対象限 定案である。 B3 案は,「貸借対照表および損益計算書が相当 の会計帳簿にもとづいて作成されている と認められるかどうか」について報告す ることを目的とするが,その程度を全般 的に下げることを主旨としたいわば程度 限定案である。 C 案は,経理指導案ともいうべきもので,会社 の会計帳簿および計算書類が正しく作成 されるように公認会計士・税理士等の会 計専門家が証明者としてではなく会社の 会計組織の整備等に関して指導するとい う案である。  この報告書は C 案を現実的とする会計学者側 の認識に対し,B3 案の立場からする法務省の反 論が併記されるという形式がとられ,昭和 61 年 の商法・有限会社法改正案はこれらの検討を参考 としながら,程度限定といわれる B3 案を会計調 査人制度の基本的構想として提示された12

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2 会計参与制度

 株式会社は,定款の定めによって,会計参与を 置くことができる(会社法第 326 条第 2 項)。会 計参与は,公認会計士若しくは監査法人又は税理 士若しくは税理士法人でなければならないが(会 社法 333 条 1 項),大概,以下のような制度上・ 運用上の問題点が指摘されよう。 (1)会計参与の職務  会計参与は,その職務として,計算関係書類の 共同作成のほか,会社とは別に計算関係書類及び 会計参与報告を備え置き,これを株主や債権者に 開示する義務を負う。以下のような義務が特徴と してあげられる。 ① 計算関係書類の取締役との共同作成義務  会計参与は,取締役と共同して計算書類(貸借 対照表,損益計算書,株主資本等変動計算書,個 別注記表)及びその附属明細書,臨時計算書類並 びに連結計算書類を作成する(会社法第 374 条第 1 項,第 435 条第 2 項,第 441 条第 1 項,第 444 条第 1 項,会社計算規則第 91 条第 1 項)。 ② 不正行為等の報告義務  会計参与は,その職務を行うに際して取締役の 不正行為又は法令・定款に違反する重大な事実が あることを発見したときは,遅滞なく,株主(監 査役設置会社にあっては,監査役)に報告しなけ ればならない(会社法第 375 条第 1 項)。 ③ 計算関係書類について株主総会での説明義務  会計参与は,株主総会に出席し,株主から計算 関係書類について説明を求められた場合には,原 則として説明義務を負う(会社法第 314 条)。な お,取締役と意見を異にするときは,会計参与は 株主総会で意見を述べることができる(会社法第 377 条)。 ④ 計算関係書類及び会計参与報告の備置義務  会計参与は,株式会社とは別に 5 年間,計算関 係書類及び会計参与報告を備え置かなければなら ない(会社法第 378 条第 1 項)。ここに,会計参 与制度の特徴とも言うべき会社からの独立性が見 てとれる。 (2)会計参与の特質と運用上の課題  会計参与制度の特質と運用上の課題として次の ような点が指摘されている15 ①取締役・執行役と共に計算書類等を作成するも のであるから,基本的に第一次責任を負うこ の閲覧謄写をする権利及び会計に関す る報告を求める権利(商法特例法 22 条 2 項)並びに会社の業務及び財産の状 況の調査権(同条 3 項)を認める)。 4 調査人は,調査を通じて商法に即した 会計帳簿並びに貸借対照表及び損益計 算書が作成されているかどうかについ ての一応の検証をすべき相当の注意義 務を負う。この場合における心証の程 度については,「正規の監査」より低く 「一応の確からしさ」でよいものとし, 実際の調査の程度は,調査人がその注 意義務に従って判断し(調査の基準の 確立については,なお検討する。),そ の内容は,「調査の方法の概要」として 明らかにする。 5 報告書には,調査の方法の概要,調査 人の資格(会社の他の会計事務,例え ば,税務,計算書類の作成,会計帳簿 の記帳代行等をしたときはその旨をも) を記載し,その開示は,監査報告書と 同様に扱う(2(注)1 参照)。 6 会計帳簿及び貸借対照表・損益計算書 の作成責任は,取締役にある。ただし, 調査人が貸借対照表等の作成等に当た る場合の責任については,なお検討す る。この場合においても,調査人は, 少なくとも記帳の基礎となる原始記録 の作成に関与することはできない。 7 監査役監査との関係,監査役の監査報 告書の記載(商法 281 条ノ 3 第 2 項) との調査(c の報告を消極的表現,例 えば行った調査によれば指導すべき事 項は見当たらない等にすることの可 否),「監査ではない」旨の表示をする かどうか,過渡的に無条件の意見差控 えを認めるものとするかどうか等につ いては,なお検討する。」  このように,会計調査人の提案がな されたが,これらの影響を直接受ける 中小企業団体からの全面的反対を除き 各界意見は調査案を支持するものが過 半数であった14

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計参与として作成した計算書類の方が信頼性があ ると解釈すべきかどうか,会計参与の存在意義を 明確にしていく必要があろう19という意見もあ る。  今後,会計参与制度が普及していくためには, 責任問題の明確化と報酬に対する正当な評価がさ れるような改善が望まれる。

3 税理士法 33 条の 2 に規定する書面添付

制度

(1)税理士法による書面添付制度  税理士法 33 条の 2 に規定する書面添付制度は, 税理士法 33 条の 2 において,第 1 項および第 2 項において,それぞれ税理士のみが申告書に添付 することが可能な書面に関する規定が設けられて いる。  このうち,第 1 項に関する添付書面は,「税理 士又は税理士法人は,国税通則法第 16 条第 1 項 第 1 号に掲げる申告納税方式又は地方税法第 1 条 第 1 項第 8 号若しくは第 11 号に掲げる申告納付 若しくは申告納入の方法による租税の課税標準等 を記載した申告書を作成したときは,当該申告書 の作成に関し,計算し,整理し,又は相談に応じ た事項を財務省令で定めるところにより記載した 書面」(税理士法 33 条の 2 第 1 項)と記載されて おり,税理士が申告書を作成する場合に,計算 し,整理し,又は相談に応じた事項を財務省令で 定めるところにより記載するものであり,税理士 の重要な業務の一つである。前提条件が税理士の みが申告書を作成することであり,税理士の専門 性と責任の下に,申告書を作成するものであり, 会計専門家による関与度合が書面から明らかにな るという特徴があるが,第 3 者による保証行為に は該当しない。中小企業庁による実態調査20 よれば,第 1 項に関する添付書面の対象となる, 「決算書の作成に適用している会計ルールの構成 比は」,「税理士等に任せており不明」が 69.1% であり,書面添付制度が税理士の重要な業務であ ることがわかる。  また,第 2 項に関する添付書面は,「税理士又 は税理士法人は,前項に規定する租税の課税標準 等を記載した申告書で他人の作成したものにつき 相談を受けてこれを審査した場合において,当該 申告書が当該租税に関する法令の規定に従って作 と。 ②会計専門家としての責任となるので,それなり に注意義務も厳しくなること。 ③中小会社向けの会計基準が整備されてきてお り,また一方で会計参与のガイドラインが公表 されているが,会計参与の実務の熟成にはもう 少し時間がかかりそうなこと。 ④どの株式会社にも会計参与を置くことができる が,規模の大きな会社ほど設置の意味が実体的 に薄れるであろうこと。 ⑤費用効果の点で,会計参与の供給が心配される こと。責任ばかりが大きく報酬が少ないのでは なり手が少なくなる。 ⑥会計参与報告の法的内容は(会社法施行規則 102 条),会計参与自身の内部統制ないし牽制 も働く形になっており,一応の会計規則が整備 されているように思われるので,着手さえすれ ば一定の計算書類等の適正性は担保されそうな こと。  また,「第 6 回税理士実態調査」において,税 理士の会計参与の就任状況は以下のようになっ た16。すなわち,「就任している」2.0%,「今後就 任 す る 予 定 」1.4%,「 就 任 す る 予 定 は な い 」 90.5%「無回答」6.1% となっている。  税理士の会計参与の就任状況は 2% 程度,予定 を入れても 3.4% とほとんど普及していないこと がわかる。会計参与への就任を躊躇している税理 士が多数いるのである17  会計参与への就任を躊躇している理由は,責任 の重さと,中小会社の経営者の感覚で,会計参与 の職務を誤解して今まで通りの会計実務処理と同 程度との認識しかないとすれば,重い責任を負わ なければならない会計参与の職務の対価を正しく 反映させられない,対価に見合わない少額の顧問 料になる危険性があることも一因ではないかと思 われる18  また,そもそも論であるが,会計処理について 何らかのアドバイス等を公認会計士や税理士等が 行う場合,それは,専門家としての仕事であっ て,当然に信頼性のある処理がなされると思われ るのであり,会計参与という専門家が関与するこ とではじめて信頼性が確保されると考えるのは理 解しにくく,例えば,従来までの税理士がアドバ イスをした会計処理よりも,当該顧問税理士が会

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する制度を創設しようとしているのでございま す。税理士が税務書類を作成する場合におきまし ては,単に納税者の作成した決算書に基いて申告 書の作成のみの依頼を受ける場合もあり,また, 税理士が納税者の帳簿書類の内容に立ち入って課 税標準となる金額を計算し,これにより税務書類 を作成する場合もあり,その形態はいろいろと異 なっているのでありますが,この際,税理士が関 与した事項の範囲を明確にしてその責任を明らか にするため,税理士が所得税,法人税等の申告書 を作成した場合には,申告書作成に関して計算 し,整理し,又は相談に応じた事項を記載した書 面を申告書に添付することができることとすると ともに,その申告書について更正または決定する 場合において,その更正または決定の基因となる 事実が,その添付書面により税理士が計算し,整 理し,または相談に応じたものとされている事項 であるときは,税理士に対して意見を述べる機会 を与えることとし,これにより税務行政の円滑化 に資するとともに,税理士業務の向上をはかるこ とといたしているのであります。なお,この制度 により税理士に意見を述べる機会を与える措置の 有無と更正決定の効力との関係につきましては, 上述のような趣旨に鑑み,更正決定の効力に影響 を及ぼさないものと考えられるのでありますが, この際その旨を法分上明らかにすることとしてい ます。」26と述べている。  ここで,着目すべきは,税理士の関与形態には 様々なものあるが,「税理士が納税者の帳簿書類 の内容に立ち入って課税標準となる金額を計算 し,これにより税務書類を作成する場合もあ り,」27が,制度創設当時において,前提として想 定されていたことである。書面添付制度は,単に 申告書の作成業務に留まらず,申告書作成に際し て必要となる課税標準の算定のため,中小会社が 作成する帳簿自体の内容を調査することも考慮さ れて,制度設計がなされていたと思われる。  しかしながら,国側は「なお,この制度により 税理士に意見を述べる機会を与える措置の有無と 構成決定の効力に影響を及ぼさないものと考えら れるのでありますが,この際その旨を法分上明ら かにすることとしているのであります」として税 務行政庁の処分等に対しては,影響を及ぼさない ように法整備を行った28。第 24 回国会参議院大 成されていると認めたときは,その審査した事項 及び当該申告書が当該法令の規定に従って作成さ れている旨を財務省令で定めるところにより記載 した書面を当該申告書に添付することができる。」 (税理士法 33 条の 2 第 2 項)と規定されており, 税理士以外の他人が作成した申告書を,相談を受 けて審査した場合に税理士が作成し,署名するも のである。  第 2 項は他人が作成した申告書を審査するもの となっており,1980 年(昭和 55 年)の税理士法 改正により創設されたものである。このことか ら,第 2 項による添付書面は,審査という検証行 為による書面であり,契約に基づく保証業務では なく,計算書類等が法令の規定に従って作成され ているかどうかの意見であると思われる21。その ことから,「前記の保証業務要件のうち〈保証手 続の厳格性要件〉をどこまで満たしているかとい う疑問は残るが,保証業務としての形式要件は満 たしている。」22として,保証業務とする意見があ る。また,企業自身や顧問税理士が作成した申告 書を,別の利害関係のない税理士が審査すること で,「納税者に対する課税庁の信頼も向上するこ とになる」23という意見もある。  しかし,第 2 項が適用される自社または,顧問 税理士で申告書を作成し,最終確認のみ別の税理 士に依頼する割合は,中小企業庁による実態調 査24によれば,「決算書作成に適用している会計 ルール」は,「税理士等に任せており不明」が 67.3% とほとんどが顧問税理士等に任せっきり で,税理士法 33 条の 2 に規定する添付書面の対 象は,第 1 項に規定する,税理士が作成する添付 書面であると思われる。 (2)書面添付制度導入の背景  税理士法 33 条の 2(書面添付制度)の創設は, 税理士会が,税務監査の名目で,監査証明の必要 性を要望した経緯があり,税理士の既得権益の拡 大,つまり,税理士の業務拡張を意図してい た25  税理士法 33 条の 2 に規定する添付書面は,創 設時の第 24 回国会参議院大蔵委員会(昭和 31 年 3 月 27 日)の政府答弁では,「税理士が所得税, 法人税等の申告書を作成した場合に,その申告書 作成に関し,計算し,整理し,または相談に応じ た事項を記載した書面を添付することができると

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公共的な使命をもっている。この税理士の使命や 役割を考えるとき,税務の専門家として納税者の 信頼にこたえること,また,税理士の公共的使命 を全うすることの二面性を調和しながら,直面す る問題を解決する方法の検討が必要である。こう した観点からも,税理士法 33 条の 2 に規定する 書面添付制度が注目されており,添付書面の記載 内容の充実と,意見聴取制度の運用の充実が,求 められている。書面添付制度とは,税理士・税理 士法人(以下「税理士」とする)が作成した申告 書について,作成した税理士がどのような項目に ついて,どの資料を,どの程度確認して,どのよ うに検討・判断・調整したのかを記載した書面を 添付するものである。さらに,相談を受けた事項 等も記載します。書面添付はあくまでも税理士の 権利により提出するもので,その責任は税理士に ある。」30と記載されており,この書面添付制度は, 納税環境整備として,国,税理士,および納税者 のそれぞれの適正な納税権利を行使するために極 めて重要な意義を有するものである31  この制度は,税理士が税務の専門家として計算 等した事項を記載した書面を作成し,国税当局が 当該書面を尊重することにより税務執行の円滑化 等を図るという趣旨があり, 質の高い書面添付を 実践することによって,次のような効果が期待さ れる32 (a)税理士事務所にとって ①税理士法第 1 条にある税理士の使命の完遂につ ながる ②事務所の業務品質向上に役立つ ③関与先との信頼関係の強化に役立つ ④税理士の責任の範囲を明確化することができる ⑤税理士の社会的信用及び地位の向上に資する (b)関与先企業にとって ①計算書類の信頼性の向上につながる (税務当局や金融機関並びに取引先など社会か らの評価の向上に役立つ) ②財務会計力の向上 (適正な決算・申告により,自社の正しい経営 状況の把握ができ,より的確な対応策などを打 つことができる) ③税務調査の省略や効率化が期待できる 蔵委員会(昭和 31 年 5 月 29 日)の政府答弁で は,この書面添付制度と公認会計士の監査証明制 度との異同についての質問に対して,渡邊喜久造 大蔵省主税局長は「監査証明の制度と今度の書面 添付の制度とは性格が全然違ったものだと思って おります。監査証明の制度といいますのは,もう すでにご承知のように公認会計士が会社の経理を 監査して,これが正しいということを証明するわ けであります。今度の制度は,納税義務者にか わって,たとえば申告書の作成をした場合におい て,私はこういう程度の関与をしましたというこ とを示すだけでございまして,経理の監査という ものを証明するとかしないとかという問題とは全 然これは別個の話でございますので,われわれと しては,これは全然別個な問題だというふうに解 しております。」と答弁している。このように, 税理士会の意図とは裏腹に,会計士制度に配慮す る形で税理士の証明業務への参入は排除され た29  最終的に,当時の大蔵省により,日本税理士会 連合会が要望していた,税理士が税務計算書類, ないし課税標準又は税額の計算の適否について監 査証明をする,という構想は実現しなかったもの の,書面添付制度自体が,監査という保証業務を 行うことをわが国おいて,当初想定していたとい う事実は重要であると思われる。 (3)書面添付制度の意義とその効果  平成 27 年 6 月に日本税理士会連合会が作成し た「書面添付制度に係る書面の良好な記載事例と 良好ではない記載事例集」においては,以下の様 な記載がされており,書面添付制度が創設された 昭和 31 年当時と比べ,税理士の実務においては, 書面添付制度の役割における変化が見られる。  「税務の専門家である税理士を取り巻く環境は, 税制の複雑化や取引の国際化によって,急速に変 化してきています。税理士制度もそれに追随すべ く,幾度もの制度改正をしてきました。そのこと は,税理士業務を多様化させ,税理士のビジネ ス・チャンスを増加させましたが,一方で,税理 士の抱える問題を増幅させました。税理士は,税 理士法で規定されている権利において,その問題 を解決し,付随するリスクを適切に管理し,軽減 する必要がある。他方,税理士は,独立した公正 な立場で申告納税義務の適正な実現を図るという

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維持・強化するとともに,地域経済圏をベースと した企業や産業が,必要に応じ穏やかな集約化を 図りつつ効率性や生産性を向上させ,地域におけ る雇用や賃金の改善につながることが期待され る。こうした中,金融機関は,財務データや担 保・保証に必要以上に依存することなく,借手企 業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し (「事業性評価」),融資や助言を行い,企業や産業 の成長を支援していくことが求められる。また, 中小企業に対しては,引き続き,きめ細かく対応 し,円滑な資金供給等に努めることが求められて いる」33と記載している。  「事業性評価」が必要とされるようになった背 景は,企業の現状・実態を把握するには,事業の 内容を理解し評価することが不可欠にも関わら ず,金融機関等が主に行っている企業分析は,計 算書類等による「財務面」が中心で,「事業面」 はあまり評価対象とされていなかったためであ る。  「事業面」が評価対象とされていなかった理由 は,金融機関等における「格付」が計算書類等に 基づいた「定量的評価」が中心となっているから である。企業の事業内容や成長可能性等,評価す る人によって異なる結果が出る可能性のある「定 性的評価」は一律の基準を定めることが困難であ り,「定量的評価」を採用することには一定の意 味があると思われる。  しかしながら,企業は,過去から現在まで様々 な経営判断を行い,事業を継続しているのであ り,今後も適切な経営判断を行い,事業を継続し ていくことにより未来を築いていくのである。 従って,一定時点(決算)の計算書類の数値のみ で企業を評価・判断しても企業の全体像を捉えて いるとは言えない。つまり,企業の正確な情報を 確認するには,過去から現在そして未来の可能性 や見通しを見る多面的な視点を持つことが必要で あると思われる。  「事業性評価」について金融庁の事業者向けパ ンフレット「事業者の皆様へ 円滑な資金供給の 促進に向けて」においては,「事業性評価とは, 金融機関が,現時点での財務データや,担保・保 証にとらわれず,企業訪問や経営相談等を通じて 情報を収集し,事業の内容や成長可能性などを適 切に評価することを言う。金融機関が目利き能力 (c)意見聴取制度(税理士法第 35 条)について ①実地調査前に意見聴取の機会があるため,意見 聴取段階で疑問点が解消された場合には,実地 調査に至らない場合もある。 ②意見聴取における質疑等のみに基因して提出し た修正申告書については,加算税が賦課される ことはない。  この中で,税理士事務所にとっては,③関与先 との信頼関係の強化に役立つ,④税理士の責任の 範囲を明確化することができる,という 2 点によ り,関与先との信頼関係強化と,責任の明確化 を,関与先企業にとっては,①計算書類の信頼性 につながる②財務会計力の向上という 2 点が,書 面添付制度の効用として明記されており,中小会 社に対し,税務申告だけではなく,計算書類の信 頼性向上に貢献している,との認識を日本税理士 会連合会は有しており,書面添付制度本来の課税 当局への説明機能だけではなく,税務申告書に添 付されている計算書類等に関する信頼性向上につ いても,その効用が期待されていると思われる。

4「事業性評価」

(1)「事業性評価」導入の経緯  中小会社における事業資金の調達方法は,金融 商品取引法で資金調達が可能となる上場会社のよ うに直接金融ではなく,金融機関からの間接金融 が中心であり,金融機関は,計算書類の結果及び 内容,担保,経営者の個人保証を中心に,中小会 社に貸付を行ってきた。そのことが,内部留保及 び,資産の少ない中小会社にとって,資金調達が 大会社に比較して困難である原因の一つであっ た。  そこで,平成 26 年 9 月「事業性評価」という 評価方法が,金融庁の「平成 26 事務年度金融モ ニタリング基本方針(以下:平成 26 事務年度と いう。)」において初めて表記された。  金融庁は,「事業性評価」に基づく融資等につ いて,「金融取引・企業活動の国際化や,国内で は高齢化や人口減少が進展する中において,日本 の企業や産業が活力を保ち,経済を牽引すること が重要である。地域経済においては,人手不足も 見られる中,企業・産業の生産性向上を図ること が重要である。このため,グローバルな競争環境 の下で事業を展開する企業や産業が国際競争力を

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地域に密着した多くの地域金融機関については, 地域経済や地場の産業・企業の発展に貢献するこ とが自らの経営の健全性の確保にもつながる。そ うした国内で活動する金融機関については,営業 地域における顧客層のニーズを的確に捉えた商 品・サービスの提供を行うとともに,地域の経 済・産業を支えていくことが求められる。また, 担保・保証に依存する融資姿勢を改め,取引先企 業の事業の内容や成長可能性等を適切に評価(事 業性評価)し,融資や本業支援等を通じて,地域 産業・企業の生産性向上や円滑な新陳代謝の促進 を図り,地方創生に貢献していくことが期待され る。足元で,低金利競争や貸出残高増加の動きも 見られるが,産業・企業の生産性向上に貢献する ような競争を行うことが,地域経済の発展と自ら の収益基盤の安定につながるものと考えられる。 加えて,民間金融と公的金融がより補完的な関係 を構築することで,企業・経済の持続的成長と国 民の厚生の増大に貢献することが重要である。」37 と記載されており,平成 26 事務年度に記載の あった,「財務データや担保・保証に必要以上に 依存することなく」から「財務データ」という用 語が消え,また,「取引先企業について,財務内 容等の過去の実績や担保・保証に必要以上に依存 することなく,事業内容,強み・弱み及びその業 界の状況等を踏まえた融資やコンサルティング機 能の発揮に当たり・・・以下省略」38との記載に おける,「財務内容等の過去の実績」に対して, 「財務データ」の重要性について再認識され,担 保・保証については,これに依存する融資姿勢を 改めるべきであるという,一歩進んだ監督姿勢が みてとれ,平成 26 事務年度において示された 「財務データ」とは,具体的には,「財務内容等の 過去の実績」であったことが分かる。すなわち, 金融機関は融資に当たり,財務内容を無視して良 いというわけではなく,「財務内容の過去実績に 必要以上に依存しない」というのが,金融庁の示 す真意であることが分かる。つまり,「中小会社 の事業の内容,強み・弱み及びその業界の状況等 を踏まえて,その将来性を評価する,という点を 重視して,融資を実行していく体制を構築するこ とが事業性評価の具体的な内容といえるであろ う 39という指摘があるように,中小会社にとって 過去の計算書類の評価だけではなく,事業の中身 を発揮して,融資や助言を行い,企業や産業の成 長を支援することは,金融機関の果たすべき基本 的な役割である。金融庁では,金融機関がこうし た役割をしっかりと果たすよう,「事業性評価」 に基づく融資等を促していく。」34と記載があり, さらに,「『日本再興戦略』改訂 2014- 未来への挑 戦 -」においても,「金融機関による経営支援機 能の強化 ・企業の経営改善や事業再生を促進する 観点から,金融機関が企業の事業性を重視した融 資や,関係者の連携による融資先の経営改善・生 産性向上・体質強化支援等の取組が十分なされる よう,金融機関自らが今後の企業の本業支援や産 業の再生支援等に必要な機能や態勢及び経営体力 の一層の強化を図るよう努めるとともに,当局は 監督方針等の適切な運用を図る。」35と記載がある ように,「事業性評価」がわが国の重要政策の一 つとして位置付けられている。  金融庁は,取引先企業の適切な評価,解決策の 提案及び実行支援について,「中小企業について は,地域経済の活性化及び地域における金融の円 滑化などの観点から,(ⅰ)企業の状況に応じて, 円滑な資金供給や貸付けの条件の変更等に努めて いるか,(ⅱ)経営者保証に関するガイドライン の活用や平成 26 年 3 月の銀行法施行規則改正の 趣旨も踏まえたリスクマネーの提供等,適切な対 応を行うことができる態勢を整備しているか, (ⅲ)借手企業が経営課題を認識した上で,経営 改善,事業再生等に向けて自助努力できるよう, 必要に応じ,外部専門家や外部機関等と連携を図 りながら,財務面のアドバイスに留まらない,積 極的なコンサルティング機能を発揮しているか, (ⅳ)その他国際的・業態横断的な業務展開を通 じた知見に基づく,中小企業の成長・再生の支援 に向けた積極的な取組みが行われているか,検証 する。」36と「事業性評価」について,具体的な内 容を示している。  金融庁は,平成 27 年 9 月に「平成 27 事務年度 金融行政方針(以下:平成 27 事務年度という。)」 を公表し,「事業性評価」について,さらに深 まった見解を示している。  平成 27 事務年度においては,「金融機関のビジ ネスモデルは様々であり, 多様なビジネスモデル を有する金融機関が存在することは, 我が国にお ける金融業の厚みにつながるものである。他方,

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方向性を示している。  N 銀行では,「知財ビジネス評価書」を活用し た「事業性評価」による融資の取組みについて平 成 27 年に第 1 号案件として以下のものについて 取組んでおり,その概略は以下の通りである。 「知財ビジネス評価書」を活用した事業性評価に よる融資の取組みについて ~ N 銀行第 1 号案件~  N 銀行(頭取 〇〇〇〇)は,このたび K 精密 工業株式会社(本社 : 名古屋市北区)に対し, 「知 的ビジネス評価書」を活用して「事業性評価」を 行い,融資いたしましたのでお知らせします。 「知財ビジネス評価書」は,特許等の知的財産を 切り口に,第三者機関である評価機関が企業の事 業内容を評価するものであり,特許庁では「知財 ビジネス評価書」の普及と金融機関による活用を 促すため,評価書の作成支援事業を実施していま す。  当行では,地元企業の円滑な資金調達をサポー トするためこの事業に参画し,これまで 6 社の評 価書作成に取り組んでおります。今回,この「知 財ビジネス評価書」の分析結果が,同社の技術の 裏付けとして「事業性評価」を行うに大きな効果 があり,円滑に融資の検討を行うことができまし た。同評価書を活用した融資としては N 銀行で 初の案件となります。当行は,引続き地域の皆さ まのニーズを捉えた情報・サービスの提供を行っ てまいります。 【取組み案件の概要】 会社名 K 精密工業株式会社 所在地 N 市 K 区○○○番地 代表者○○○○ 設立 1970 年 7 月 業種特殊工業用機械部品製造 資本金 38 百万円 従業員 65 名 企業概要 機械部品を中心に航空機部品,工作機械部品, 一般産業機 器部品等,様々な精密部品加工を行っています。 なお,同社は,工業用ミシン向け装置「オート ボビンチェンジャー」(ボビンを自動交換する 装置),「下糸残量検出装置」,「目飛び検出装 置」に関する特許を取得しています。 を吟味して,その将来性を評価していくことが重 要であり,計算書類の信頼性向上と中小会社の将 来性の評価は,中小会社が適切に成長していくた めには,同時になされるべきである。 (2)「事業性評価」に関する事例検討 (a)N 銀行における事業性評価モデル(「知財ビ ジネス評価書」を活用した事業性評価による融資 の取組み)の例  N 銀行は,近年,積極的に「事業性評価」によ る融資に取組んでおり,その事例を概観すること は中小会社と金融機関との融資における現在の関 係性を明らかにする上で重要である。  中小会社は,日本の産業競争力やイノベーショ ンの源泉として大きな役割を果たしているだけで なく,地域経済にとっても極めて重要な存在であ る。中小会社の事業を発展させていく上で,地域 金融機関が中小会社の事業の実態をより深く理解 して支援することが重要だと考えられるものの, 金融機関にとって知財の観点を踏まえた事業の評 価を行うことは困難な状況にある。そのため,特 許庁では,中小会社の知財の活用を促進するため の様々な支援の一環として,平成 27 年度から 「中小企業知財金融促進事業」を通じて金融機関 に知財ビジネス評価書の提供を行ってきたところ である40  また,「知財ビジネス評価」とは,「知財権の金 銭価値評価ではなく,あくまで定性的な事業評価 であり,知財を切り口として中小会社等における 事業の実態や将来の成長可能性等について,理解 を深めるために行うものである。知財を切り口に 中小会社をみることで,その会社特有の技術やノ ウハウ等の特徴や強みを把握でき,それらが効果 的に活用されているか,(商品としての魅力につ ながっているか,競合からの模倣・代替品の脅威 を回避できるか,その結果キャッシュ・フローの 源泉となっているのかどうかなど)という点につ いて理解することができる。さらに,知財権に よって,競争優位性が確保される見通しがあれ ば,将来に向けてのキャッシュ・フローの確から しさや実現に向けて取り組むべきことを把握で き,金融機関は中小会社の成長に向けた支援を提 案することができる。」41と記載があるように,金 融機関に対して,融資における中小会社に対して の,「事業性評価」の重要性や金融機関の成長の

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に資するものと思われる。 (b)Y フィナンシャルグループの例  Y フィナンシャルグループにおいても,「事業 性評価」を積極的に取り組んでおり,その内容 は,以下になる46 ①事業性評価にかかる基本的な考え方  当社グループは金融仲介機能の質の向上と地方 創生への更なる貢献を図るため,「コンサルティ ング・ファースト」を行動指針に掲げてお取引先 の事業性評価や課題解決に積極的に取組んでい る。 (ⅰ)事業性評価の取組みの概要 ・目利き力の発揮(事業性評価) 地域経済や各業界の動向を踏まえ,お取引先と の強固なリレーションを通じた財務などの定量 面および事業の持続可能性や成長性の理解に基 づき,お取引先が抱える経営課題等を共有す る。 ・事業性評価に基づくお取引先への最適なソ リューション(課題解決策)の提案・実行支援 共有した経営課題等の解決に向けて,広域金融 グループが持つ情報・ノウハウ,および外部専 門機関等の知見を活かして,お取引先に応じた 最適なソリューションの提案・実行支援によ り,お取引先の競合優位性の確立・強化,労働 生産性向上等に貢献して行く。 ②事業性評価体制の強化 事業性評価体制を強化するため,平成 28 年 1 月に以下の組織改編を実施した。 ・融資機能とソリューション機能の統合 ・Y 銀行,M 銀行, K 銀行において,融資機能 とソリューション機能を融合し,「事業性評 価部」を設置。 財務データや担保・保証に必要以上に依存す ることなく,様々なライフステージにあるお 取引先の事業内容や成長可能性をより正確に 理解し,円滑な金融機能と共に適切かつ迅速 なソリューションを提案する。 ・お取引先に近い場所に銀行本部機能を設置 ・銀行本部の事業性評価実践機能を含むソ 〈知財ビジネス評価書を活用した融資の流れ〉 (出所)「『知財ビジネス評価書』を活用した事業性評価 による融資の取組みについて~当行第 1 号案件~」 News Letter(2015 年)を参考に筆者が加筆修正。 ① N 銀行は,融資の審査にあたり,特許庁から の受託事業者である M リサーチ & コンサル ティング株式会社に「知財ビジネス評価書」の 作成を依頼し,M リサーチ & コンサルティン グ株式会社は,特許庁指定の評価機関宛てに, 調査及び「知財ビジネス評価書」作成を委託す る。 ②評価機関は,調査対象となる企業に訪問したう えで,事業に関するヒアリングや実地調査等を 行う。 ③評価機関は,ヒアリングや実地調査等に基づき 「知財ビジネス評価書」を作成し,M リサーチ & コンサルティング株式会社を通じて,N 銀行 に送付する。 ④ N 銀行は,「知財ビジネス評価書」をもとに事 業の現状や見通し等を多面的に把握したうえ で,融資の審査をする42  さらに,第 2 号案件として,平成 28 年に株式 会社 A43,第 3 号案件として平成 29 年に株式会 社 B44にも取組んでおり,また,平成 29 年 3 月 現在,全与信先に占める割合では,「事業性評価」 に基づく融資を行っている与信先は,6.3%(1, 690 社),融資残高では,20.2%(3,485 億円)45 N 銀行が積極的に「事業性評価」による融資を進 めていることが分かる。  N 銀行のように,「事業性評価」による融資が, 中小会社において大いに活用されれば,計算書類 の信頼性向上と合わせて,企業が適切に評価され ることにより,担保,経営者保証に依存しない融 資が行われる可能性が高くなり,中小会社の経営

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よる地域企業に対する成長支援 ・国立大学法人 H 大学との包括的連携協力に 関する協定書の締結 ・「Y 夢づくり産業支援ファンド」による支援 ・「TA 成長支援ファンド」による支援 ・「Y ぎん知財評価融資制度」による支援 ・「H 県中小企業技術・経営力評価制度」を活 用した支援 ・F 県 信 用 保 証 協 会 と の 単 独 提 携 商 品「H NEXT」の取扱開始 ・お取引先の海外ビジネスを支援する「TB 建 長期固定金利型クロスボーダーローン」の実 行 ・YFG 海外ビジネスセミナーの開催 ・お取引先の成長支援に向けた外部専門機関と の連携 (ⅳ)創業支援 ・「女性創業応援 Y ㈱」の設立 ・日本初の銀行出資によるクラウドファンディ ング運営会社「Y ソーシャルファイナンス ㈱」の設立 ・女性の創業を支援する「M 女性活躍応援融 資~ IM ~」の取扱開始 ・日本政策金融公庫,F 県信用保証協会および Y コンサルティングによる創業者および第 2 創業者支援に関する業務提携 ・女性のための起業セミナー,IT 創業セミ ナー,創業スタートアップセミナーの開催 (Ⅴ)再生支援 ・中小企業再生支援協議会等と連携した支援 ・Y コンサルティングによる経営改善計画策定 支援 ・M&A 支援,事業承継支援  以上のことから,Y フィナンシャルグループに おいても,「事業性評価」について積極的に取り 組んでいることがわかり,金融機関においても, 積極的に中小会社の経営に資する行動をしている ことがわかる。その理由は,過去の計算書類の評 価や担保・保証だけでは,金融機関が貸付できる 中小会社が少なくなっていることも原因の一つで あると思われる。

おわりに

 現行の中小会社会計基準が,どのように普及・ リューション推進機能をお客様の直接的な接 点である地区に配置。 現場により近い本部体制にすることにより, 持続可能性や成長性を含むお取引先の事業実 態をより正確に把握し,事業性評価に基づく 金融機能発揮とソリューション提案のスピー ドと実効性を強化する。 ・持株会社による事業性評価機能の強化 ・Y フィナンシャルグループにおいて,グルー プ内銀行における融資関連の企画・統括機能 および産業調査機能を移管し,「事業性評価 部」を設置。 事業性評価の基礎となる産業別・業種別動向 分析等でグループ内銀行の事業性評価実践を 支援すると共に,融資戦略と営業戦略を融合 したグループ全体の事業性評価に関する企 画・統括を行う。 ③事業性評価に基づく取組み 平成 27 年度の事業性評価に基づく主な取組み は以下の通りである。 (ⅰ)事業性評価の取組み ・H 製作所,Y 〇〇〇○○○ E プラニングと の包括連携協定 ・Y 県および周辺地域における鉄道車両製造関 連企業に対する事業性評価と金融支援 (ⅱ)事業継続支援 ・企業調査レポートの作成による事業性評価の 強化 ・企業診断力養成講座,業種別事業性評価セミ ナーの開催 (ⅲ)成長支援 ・地方創生ビジネスマッチング(Y 県 H 市で 開催) ・Y 県 N 地区の市長および企業様に出展いた だき,グループ 3 行の支店長約 300 名が出展 企業の新たなビジネス・チャンスの創造や経 営課題の解決等を実施 ・ビジネスマッチングによるお取引先支援 ・自動車メーカー等と連携した「仕入れニーズ 発信型ビジネスマッチング」によるお取引先 支援 ・Y ぎん「食」のコラボグランプリの開催 ・M 産学官連携シーズマッチング会の開催 ・国立大学法人 Y 大学および Y 県との連携に

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〔注〕 1 稲葉威雄『大小会社区分立法に関する諸問題 -次期商法改正の課題-』別冊商事法務 73 号(1984 年)10 頁参照。 2 酒巻俊雄『大小会社の区分立法』学陽書房 (1985 年)12 頁参照。 3 稲葉・前掲(注 1)11 頁参照。 4 稲葉・前掲(注 1)10 頁参照。 5 酒井・前掲(注 2)13 頁参照。 6 酒井・前掲(注 2)13 頁参照。 7 青山米蔵「解説:大小会社区分立法」白鴎女 子短大論集 11 巻 2 号(1986 年)143 頁参照。 8 佐藤敏昭『監査役制度の形成と展望-大規模 公開会社における監査役監査の課題-』成文 堂(2010 年)221 頁参照。 9 齋藤孝一『会計参与制度の法的検討』中央経 済社(2013 年)21 頁参照。 10 齋藤・前掲(注 9)21 頁参照。 11 齋藤・前掲(注 9)22 頁参照。 12 齋藤・前掲(注 9)23-24 頁参照。 13 齋藤・前掲(注 9)24-25 頁参照。 14 齋藤・前掲(注 9)26 頁参照。 15 佐藤・前掲(注 8)232-233 頁参照。 16 日本税理士会連合会「第 6 回税理士実態調査 報告書」(2015 年)10 頁参照。 17 川崎雅己「中小企業会計と会計参与制度の導 入について」関西学院大学 経営戦略研究第 1 巻(2007 年)252 頁参照。 18 大賀祥充「「会計参与制度」考」広島修道法 学 28 巻 2 号(2006 年)35 頁参照。 19 松原正至「会計参与と中小企業会計」広島法 学 31 巻 1 号(2007 年)92 頁参照。 20 中小企業庁 中小企業実態基本調査(2016 年)390 頁参照。 21 河崎照行『中小企業の会計制度』中央経済社 (2015 年)287 頁参照。 22 河崎・前掲(注 21)287 頁参照。 23 川股修二『税理士制度と納税環境整備-税理 士法 33 条の 2 の機能』北海道大学出版会 305 頁参照。 24 中小企業庁・前掲(注 20)390 頁参照。 25 川股・前掲(注 23)270 頁参照。 26 昭和 31 年 3 月 27 日第 24 回国会参議院大蔵 委員会会議録第 13 号より。答弁者は,大蔵 定着していくかは,今後の活用状況を看視するし かないものの,税理士等会計専門家が,書面添付 制度を活用し,規模の大きな中小会社が会計参与 を導入していくようになれば,中小会計指針の展 開も可能性として十分に考えられる。例えば,税 理士法 33 条の 2 第 2 項「審査事項等を記載した 書面添付」の適用と会計参与の就任が考えられ る。A 税理士が C 社の会計参与に就任して,取 締役と共同して,計算書類を作成し,会計報告書 を提出する。D 税理士(A 税理士の補助税理士) が C 社と税務代理契約をして,A 税理士の作成 した C 社の税務申告書を審査して,審査した書 面を添付し,審査結果にかかる適正意見を記載す る。これは,法令遵守を維持できる書面添付制度 の活用であると思われる47。これに対し小規模閉 鎖会社は,中小会計要領を適用していくことが予 想されるといった意見 もある48  ところが,小規模閉鎖会社においては,そもそ も,会計参与制度自体がニーズに合致せず,ま た,監査の実行面及び費用面でも困難であるとい える。現行の会計参与制度が,中小会社及び税理 士等会計専門家の双方にメリットがあるような改 正が望まれる。とりわけ,今後,会計参与制度が 普及していくためには,責任問題の明確化と会計 参与報酬の確保や前記の D 税理士に対する審査 報酬の提供など49,報酬に対する正当な評価がさ れるような改善が望まれる50  一方で,既に中小会社の計算書類の信頼性向上 という観点からは,中小会社のニーズとコストに 合致した方法で税理士による信頼性付与が行なわ れ,保証協会の保証料率の割引や金融機関の低利 融資という形で中小会社の資金調達の円滑化に資 する取組みが行われており,公認会計士も積極的 に中小会社の計算書類の作成に関与し,税理士と 協働し,中小会社の計算書類の信頼性を向上さ せ,もってわが国の中小会社金融の円滑化に資す るべきであろう。また,「事業性評価」による中 小会社金融の円滑化にも,金融機関等及び税理士 等の活躍が期待される。今後,税理士等会計専門 家が,中小会社の計算書類の作成に積極的に関与 することで計算書類の信頼性を付与していくこと が重要であると思われる。

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mark.html (最終アクセス:平成 29 年 8 月 30 日) 46 株式会社山口フィナンシャルグループ「事業 性評価に基づく取組み 平成 28 年度の取組 み状況」(2016 年)1-5 頁参照。 47 川股修二「税理士制度と納税環境整備(9・ 完)北大法学論集 64 巻 6 号(2013 年)50 頁 参照 48 櫛部幸子『中小会計基準の課題と展望』同文 館出版(2016 年)188 頁参照。 49 川股・前掲(注 47)50 頁参照。 50 河崎・前掲(注 21)276 頁において,「「中小 会計要領」の普及にあたり,これらの制度の 一層の推進が望まれる一方,法制度であれ, 慣行的制度であれ,何らかの形で「中小企業 監査制度」の検討が今後の課題とされよう」 と述べている。 政務次官である山手満男政府委員。 27 山手・前掲(注 26) 28 川股・前掲(注 23)271 頁参照。 29 川股・前掲(注 23)271 頁参照。 30 日本税理士会連合会「書面添付制度に係る書 面の良好な記載事例と良好でない記載事例集 (2015 年)1 頁参照。 31 川股・前掲(注 23)280 頁参照。 32 日本税理士会連合会・前掲(注 30)1 頁参 照。 33 金融庁「平成 26 事務年度 金融モニタリング 基本方針(監督・検査基本方針)」(2014 年 a)2 頁参照。 34 金融庁「事業者の皆様へ 円滑な資金供給の 促進に向けて」(2014 年 b)3 頁参照。 35 閣議決定「日本再興戦略改訂 2014 -未来へ の挑戦-」(2014 年)18 頁参照。 36 金融庁・前掲(注 33)8-9 頁参照。 37 金融庁・前掲(注 34)12 頁参照。 38 金融庁・前掲(注 34)13-14 頁参照。 39 松崎堅太朗「第 5 章 経営者保証に関するガ イドライン-いわゆる「入口段階」での経営 者保証に過度に依存しない融資に関して-」 坂本孝司・加藤恵一郎編『中小企業金融にお ける会計の役割』中央経済社(2017 年)102 頁参照。 40 知財金融委員会「知財ビジネス評価のあり 方」(2017 年)1 頁参照。 41 知財金融委員会・前掲(注 40)1 頁参照。 42 名古屋銀行「『知財ビジネス評価書』を活用 した事業性評価による融資の取組みについて ~当行第 1 号案件~」 News Letter(2015 年) 1-2 頁参照。 43 名古屋銀行「『知財ビジネス評価書』を活用 した事業性評価による融資の取組みについて ~当行第 2 号案件~」 News Letter(2016 年) 1 頁参照。 44 名古屋銀行「『知財ビジネス評価書』を活用 した事業性評価による融資の取組みについて ~当行第 3 号案件~」 News Letter(2017 年 a)1 頁参照。 45 名古屋銀行「『金融仲介機能のベンチマーク』 の開示内容について」(2017 年 b)14 頁参照。

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参照

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