サイレージの発酵品質と蛋白質のルーメン内分
解性に及ぼす牧草の刈取時期と添加物の影響
支 尼 瓦 爾 支 山 ・ 安 宅 一 夫 ・ 楢 崎
昇
酪農学園大学,江別市 069E
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Aniwaru AISAN
,
Kazuo ATAKU,
Noboru NARASAKIRakuno Gakuen University, Ebetsu, Hokkaido 069
キーワード:ギ酸,サイレージ,セルラーゼ,蛋白質分解性,乳酸菌
Key words : formic acid, silage, cellulase, protein degradability, inoculant.
要
約
開花初期と開花盛期のアルフアルファおよび出穂初 期 と 出 穂 盛 期 の チ モ シ ー を 用 い て , 無 添 加 ,Acremonium
由来のセルラーゼ(AC)0.01%添加,乳 酸菌 (LC)0.002%添加, AC+LC添加およびギ酸添 加(アルフアルファには0.5%,チモシーには0.3%) のサイレージを調製した.ACあるいはAC+LCの添 加によって,サイレージの発酵が活発になり,特にAC とLCの併用による相乗効果が認められた.ギ酸添加 は酸の生成を強く抑えた.CPに対する SIPとDIPの 割合は,原料草,サイレージのいずれもアルフアルファ の方がチモシーより高かった.アルフアルフアサイ レージのSIPの割合は,適刈りが遅刈りより高く,い ずれもギ酸添加によって低くなった.また,サイレー ジのDIPの割合は,両草種の遅刈りでAC添加により 増加した.緒
=
c:::a アメリカにおける乳牛に対する新しい蛋白質システ ムでは,粗蛋白質 (CP)は溶解性蛋白質 (SIP),分解 性蛋白質 (DIP)及ぴ非分解性蛋白質 (UIP)に分けら れている (ROEe
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;
1990).乳牛の生産を最大にし, 健康にするために, CPの給与量とともに, SIP, DIP, UIPのバランスが重要で、あるとされている(安宅; 1993).牧草の蛋白質はサイレージの調製中に植物の酵 素や微生物によって分解されることが知られている (McDoNALDe
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;
1991,大山;1970. 1971).しか し,サイレージのSIP,DIPおよびUIPに及ぼすサイ受 理 1996年2月16日 レージ発酵の影響に関する報告はほとんど見られな し可 サイレージの発酵を好ましい方向に制御するために 多くの添加物が研究されている.サイレージの添加物 は,乳酸発酵を促進して不良発酵を抑えるタイプと直 接不良発酵を抑えるタイプに分類され,それぞれ代表 的なものとして,乳酸菌,糖,セルラーゼなどとギ酸 があげられる(安宅;1986).そこで,本実験ではセル ラーゼ,乳酸菌および、ギ酸の添加が刈取時期の異なる アルフアルファとチモシーの発酵品質と蛋白質のルー メン内分解性に及ぽす影響を検討した.
材料および方法
材料草には酪農学園大学附属農場で栽培されたアル フアルファ(ユーノて) 1番草の開花初期(適刈り)と 開花盛期(遅刈り)および、チモシー(ホクセン) 1番 草の出穂初期(適刈り)と出穂盛期(遅刈り)を用い た.材料草は, 1994年6月21日(適刈り)と 7月4日 (遅刈り)に刈り取り,無予乾でサイレージを調製した. 材料草の成分は表1に示した.材料草は 1cmの長さ 表1 材料草の成分 水 分 WSC CP SIP DIP UIP (%)一(%DM)一一一一(%CP)一一一 アルフアルファ適刈り 79.7 8.0 16.5 40.4 8l.2 18.8 遅刈り 72. 5 9.3 13.5 35.5 78.9 2l.1 チモシー 適刈り 79.5 8.4 8.4 21.2 74.7 25.3 遅刈り 72.7 9.0 7.5 22.9 72.1 27.9 WSC:可溶性炭水化物, CP:組蛋白質,SIP:溶解 性蛋白質,DIP:分解性蛋白質,UIP:非分解性蛋白 質.れた.全体的に適刈りの方が遅刈りより低い値であっ たが,ギ酸添加では逆であった. 本実験で用いた各種添加物によるチモシーサイレー ジのpHの変化はアルフアルファとほとんど同;じで あった. 乳酸含量:乳酸含量は,両草種において,無添加で は低いが, LC (アルフアルファの遅刈を除く)およぴ ACの単独添加によって有意に高くなり (Pく0.05), LC+AC添 加 に よ っ て さ ら に 高 い 値 と な っ た (Pく 0.01).一方,ギ酸添加では最も低い値となった.また, 例外もあるが,適刈りが遅刈りより高い傾向がみられ fこ 酢酸含量:酢酸含量は,アルフアルファでは,適刈 りと遅刈りとも,無添加に比べ, LCとA Cの単独添加 およびLC+AC添加によって高くなり,適刈りで有意 差がみられた (Pく0.05).ギ酸添加では,適刈りで有 意に低下したが (Pく0.05),遅刈りではやや高くなっ た 一方,チモシーの適刈りで、は無添加に比べ,各処理 とも有意に低下したが (Pく0.01),他の処理聞に有意 差はなかった.遅刈りでは,無添加に比べ, LCとAC の単独添加によって有意に高くなった(Pく0.01). LC とA Cの単独添加では遅刈りが適刈りlこ比べて高い値 であったが,他の処理では逆に低い値となった. 酪酸含量:アルフアルファでは,適刈りと遅刈りと も無添加では多量の酪酸がみられたが, AC添加, LC+AC添加およびギ酸添加によってほとんどなく なり,適刈りでは有意差がみられた(Pく0.01). LC添 加では,適刈りでは有意に低下したが (Pく0.01),遅 刈りでは効果がなかった. 一方,チモシーでは,無添加の適刈りだけに多量の に切断し,所定の添加物とよく混合し, 1 Qの実験サイ ロに2反復して詰め込んだ.添加処理は新鮮材料に対 して,無添加,乳酸菌製品 (Lactobacilluscasei, LC ; 雪印種首株式会社)0.002%添加
,
Acremonium由来の セルラーゼ (AC;明治製菓株式会社)0.01%添加, LC+ACおよびギ酸添加(アルフアルファに対して 0.5%,チモシーに対して0.3%)とした.サイロは室 温 (18.7~26.80C) で 50 日開放置した後開封し,分析 にイ共した. 材料草とサイレージは600C
で24時間乾燥し,ウィ レ一式粉砕機によって1mmの 簡 を 通 る よ う に 粉 砕 したものを試料とした.水分と粗蛋白質は常法,可溶 性炭水化物 (WSC)はAnthrone比色法により定量し た(森本;1971).サイレージの発酵品質は新鮮物の純 水抽出液を用いて, pHはガラス電極pHメーターに より測定し, N H3-Nは水蒸気蒸留法,有機酸はか、ス ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー ( 島 津GC-14A型 , 検 出 機 : FID,カラム:1.6 mカ、、ラス製,昇温:120→ 1900C, 50C/分,充填剤:PEG 6000)により定量した.SIPと DIPはコーネル大学で、用いられている方法に準じて 測定し, UIPはCPから DIPを減じて求めた(
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al. ; 1990). 果 1.サイレージの発酵特性 アルフアルファおよびチモシーサイレージの発酵品 質をそれぞれ表2と表 3に示した. pH: pHは,アルフアルファでは,適刈りと遅刈り とも,無添加に比べ, ACの単独添加によって有意に低 下し(Pく0.05),LCとACを併用添加するとさらに低 くなった (Pく0.01).ギ酸添加でも低下の傾向がみら 結 アルフアルフアサイレージの発酵品質 表2 フリーク 評 点 総 酸 nーカプ ロン酸 iーカプ ロン酸 n- iパレ nパレ 酪 酸 リアン酸リアン酸 (%) 酪 酸 フ。ロピ オン酸 酢酸 乳酸 pH 水 分 適刈り 無添加 80.8ABab 4. 79BC 0 . 96Bb LC 80. 9ABab 4. 34ABb 2.11Cd AC 82. 6BC 4.18Aab 1.66cC LC+AC 82.1Bbc 3.90Aa 3.27De ギ酸 79.8Aa 4.47ABbC 0.18Aa SE 0.25 0.072 0.077 遅刈り 無添加 76.2ab LC 76.7b AC 75.9ab LC+AC 75.8ab ギ酸 74.5a SE 0.33 0.28ABb 0.02 0.42BC 0.03 0.91Cd 0.04 0.44BC 0.01 0.13Aa 0.02 0.020 0 34B 79C 75C 100D 18A 1.1 1.73Bb 2.6pC 2.63BC 3.73Cd 0.44Aa 0.131 0 0.01 0.02 0.010 nHVAHU ハ H v n H U A H U n H U 0 0 0 0 0.01 0 0 0 0.02 0 0.01 0 0.47B 0.02AO
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0.07A 0.045 0 0.05 0 0.01 0.01 0.012 (%) 1 0 a a a B b B q L A A A A A A R U A A-i
口 δ ハ U Q d つ ' u o d --1ioOQd つ 山 1.77Bb 2.00BbC 2.33BC 3.20Cd 0.51Aa 0.086 0.16 0.08 0.01 0 0 0.036 0 0 0.01 0 0.01 0 0 0 0.1 0 0 0.01 0.09 0.01 0.01 0.01 0.042 0.86 0.67 0.02 0.01 0.01 0.169 0.01 0 0.02 0.01 0 0 0.06 0.1 0.02 0.05 0.03 0.014 5.89BC 0.42Aa 0.17 5.33ABbC 0.67Aa 0.39 4.23ABb 0.81ABb 0.44 4.03Aa 0.67Bb 0.46 4.39ABb 0.23Aa 0.23 0.215 0.191 0.112 P <0.05 2 4 -ABC:異文字間P
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異文字問 SE:平 均 値 の 標 準 誤 差チ モ シ ー サ イ レ ー ジ の 発 酵 品 質 表3 フリーク 評 点 総 酸 n-カプ ロン酸 n- iーノTレ n-パレ トカプ 酪酸 リアン酸リアン酸ロン酸
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酪酸 フ。ロピ オ ン 酸 酢 酸 乳 酸 pH 水 分 ロ μ A A A A A A A A n H V 庁 i q 4 d Q U A U ・ 4 A n u q d t i -q L 1 ょ っ 山 口H v n H U A H U n H U A H U n H U ρ L hULU a B C c a c AAAA ロ u p し A A 噌E よ A A E u b u n U A A q t u q L q d つ ' U 円 i o O 門 i Q U F h d n e b o δ P O ﹁ D n・ J P O ﹁ D n d q , 山 1 i d せ っ d ハ U つ ム ワ μ ハ u n u -っ ' U H つ d A U A U A U 1 i 1 i つ 山 n U A U R U A A A A A A R U 守 l よ F L V R U ロ υ A A R u p h d 4 A O O Q u d せ 4 ‘ o O F h d ワ 山 1i ワ t n b ワ 白 1i 口 6 A せ A 性 門 i A り つ d ワ 山 14FhdTi ハ U FD つ d つ d q J d 吐 n U F I D A せ A44qUA4nU L U P し V F i v k u E ・o -n M a t o 内 しw n D n D ロ u o u n D K U L u n D a u 島 A A A A n U A B B A A d 4 PO つ d 1 i d せ 口 6 q L つ d T i ワ μ 口 δ A U つ μ 円 L 1 ょ っ u q L n U A U A せ F b F D d 吐 q U A U OO 口 6 0 0 口 0 0 0 円 i ワ ﹄ 門 i 門 i ワ tc
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l1A 0.32B 0.58C 0.14A 0.06A 0.019 アルフアルファおよびチモシーサイレージにおける蛋白質分解性 表4 ン モ チ アノレファ/レファU
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DIP(
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24.2 19.8 21.0 20.6 19.9 0.82 75.8 80.2 79.0 79.4 80.1 0.83 74.6BCd 64.0BbC 78.0Bd 61.6Bb 44.3Aa 1.99 25.2B 6.4A 5.5A 4.4A 4.4A 0.92 8.0a 8.9b 8.7ab 8.6ab 8.4ab 0.14 16.2 16.3 16.1 15.0 15.2 0.57 83.8 83.7 83.9 85.1 84.8 0.57 80.6B 79.0B 79.3B 77.5B 61.0A 1.01 13.2BC 10.3ABb 10.2ABb 8.7ABab 3.8Aa 1.02 17.2ab 17.0ab 18.6b 18.2b 16.5a 0.29 22.7ab 22.8ab 19.9a 21.6ab 23.1b 0.51 77.3ab 77.3ab 80.1b 78.5ab 76.9a 0.51 68.7B 69.2B 68.8B 65.5B 54.2A 0.82 b b a B B A A A つ 臼 1 E ム 門 , S1E ム 円 ノ 臼 -h d a A ﹃A q r u n x U F h U 8 4 A T i n υ 1i 7.7 7.8 8.0 7.8 7.3 0.15 19.6bC 19.2abc 16.6a 17.2ab 20.3c 0.52 80.4ab 80.8abc 83.4c 82.8bC 79.7a 0.52 74.0B 74.3B 72.2B 71.8B 61.8A 0.62 19.4B 18.7B 5.5A 5.6A 1.9A 0.95 13.8 14.1 14.5 14.8 13.9 0.31 適刈り 無添加 LC AC LC+AC ギ酸SE
遅刈り 無添加 LC AC LC+AC ギ酸SE
2
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蛋 白 質 の 分 解 性 アルフアルファおよびチモシーサイレージの蛋白質 の ル ー メ ン 内 分 解 性 を 表4に示した. N H3-N:全 窒 素 に 対 す る N H3-Nの 割 合 は , い ず れの草種および刈取時期(アルフアルファの遅刈りを 除く)においても,無添加に比べ, LCとACの 単 独 添 加によって有意に低下し (Pく0.05), そ し て 両 者 の 併 用添加によってさらに低くなり(
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く0.01), ギ 酸 添 加 で最も低くなった(
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く0.01).S
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CP
に対するS
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の 割 合 は , い ず れ の 草 種 と 刈取時期においても,ギ酸添加は他の処理より有意に 低 下 し た (Pく0.01). チ モ シ ー の 適 刈 り で は , 無 添 加 に 比 べLC+AC添 加 に よ っ て 有 意 に 低 下 し た (Pく 酪酸がみられたが, いはなくなった. フリーク評点:フリーク評点は,アルフアルファで は,適刈りと遅刈りとも ACの添加によって有意に高 くなり (Pく0.05),LCと併用するとさらに高くなっ た 一方,チモシーでは,適刈りの無添加では5点 と 最 も低かったが, LCの 添 加 に よ っ て 有 意 に 高 く な り (Pく0.05),AC添 加 お よ ぴLC+AC添 加 で は 100点 と 最 高 点 と な っ た (pく0.01). 遅 刈 り で も 添 加 物 に よって適刈りと同じように変化したが,適刈りほど顕 著ではなかった. *全窒素に対する割合(%) その他の処理では著しぐ低下ある0.05) .また, LC, LC+ACとAC添加聞に (Pく0.05) およびそれらとギ酸添加の聞に (Pく0.01)それぞれ有 意差がみられた. DIP: CPに対する DIPの割合は,アルフアルファ の適刈りで、は各処理問に有意差はなかったが,遅刈り では,AC添加で最も高くなり,無添加およびギ酸添加 よりも有意に高くなった
(
P
く0.05).また,チモシー の適刈りにおいてもアルフアルファと同様に処理聞に 差はなかったが,遅刈りのAC添加で最も高くなり, ギ酸添加との聞に有意差が認められた.考 察
サイレージの発酵品質に及ぽす乳酸菌添加につい て, MUCKe
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はアルフアルファ,寒地型イ ネ科牧草およびトウモロコシサイレージの約3分の2 が発酵改善に成功していないと述べている.本実験で は,サイレージの発酵品質をpH,有機酸組成および、 N H3-N比率で評価すると,アルフアルファの遅刈り に対して効果はなかったが,アルフアルファの適刈り とチモシーサイレージの品質改善に対して乳酸菌添加 の効果が認められた.本実験では,刈取時期の異なる アルフアルファとチモシーに対してACを 0.01%添 加すると,ほぼ確実に良質のサイレージができた.こ れに対し, LCとACを併用添加するとその効果はさ ら に 著 し く な っ た . こ の 結 果 は , ギ ニ ア グ ラ ス (BA YORBORe
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1993) での結果と類似している. 本実験のギ酸添加では,いずれの草種あるいは刈取時 期においても,酸の生成が強く抑制され, pHが低い, 良質のサイレージができた.これはアルフアルファの 2番草 (ATAKUe
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1995) での結果と類似してい る. 本実験において, CPに対する SIPとDIPの割合 は,原料草,サイレージのいずれにおいてもアルフア ル フ ァ が チ モ シ ー よ り も 高 い こ と を 認 め た . McDoNALDe
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は,草種による蛋白質の分 解性の差異は十分に明らかになっていないとしている が,アメリカ北東部酪農家で生産されたサイレージの デ ー タ は , ア ル フ ア ル フ ア サ イ レ ー ジ のDIPは 80~90% , SIP 45~60% に対し,イネ科牧草サイレージ ではそれぞれ 70~80% , 40~55% であり,いずれもア ルフアルファが高く (CHASE and PELL ; 1991),本実 験の結果はこれと一致している.刈取時期の影響では, 原料草はチモシーのSIPを除いて,適刈りが遅刈りよ りも高い値を示した.しかし,アルフアルフアサイレー ジでは, SIPとDIPの割合は,添加物にかかわらず適 刈りが遅刈りよりも高かったが,チモシーでは添加物 によって刈取時期の影響が異なった.添加物の影響で は,SIPの割合は,いずれの草種および刈取時期におい てもギ酸添加によって有意に低下した.ATAKUe
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(1995)は,アルフアルファ 2番草のサイレージにおい て,ギ酸添加は無添加より SIPとDIPの割合が有意 に低下することを報告しており,本実験の結果はこれ を支持している.一方,LCはチモシー適刈りで SIPを 低下させ, ACは,両遅刈りサイレージの DIPを増加 させたが,それ以外で効果は認められなかった.また, PITT and SHAVER (1990) は,蛋白質の溶解性は,植 物酵素,いわゆるプロテアーゼの作用によって起こり, 植物の収穫後,調製中に劇的に増加し,その程度は, 草種や貯蔵条件などによって左右されるとしている が,本実験ではこれを支持するような結果は得られな かった. 本研究において,サイレージの発酵を添加物を使っ て制御することによって蛋白質の分解性を変化させる ことができることが示唆されたが,さらに,これを牧 草の種類,刈取時期,水分,添加物との関連において 詳しく検討する必要があると考える.引 用 文 献
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