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2 方 法 研 究 協 力 者 % % 27.8%44.8%17.3% 9.5%8.4%8.0%6.7% 5 手 続 き 質 問 内 容

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Academic year: 2021

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(1)

心理学に対するイメージ(2)

一般市民対象のオンライン調査より

大橋 恵

岩崎 智史

皆川 順

Image of Psychology (2)

: On-line Survey on Ordinary People

Megumi M. Ohashi, Satoshi Iwasaki and Jun Minagawa

要約 心理学を専攻していない一般市民が持つ心理学に対するイメージを調査するため、大学生対象の調査(岩崎・大橋・皆川、 印刷中)と同一の質問項目を用いて、オンライン調査を行った。その結果、心理学については難しく、脳研究とのかかわり が深く、数学的要素も強いが、実践的で楽しいというイメージが持たれていることがわかった。理系的なイメージが若い者 ほど強い、また、女性のほうが強いという差が認められた。また、心理学を学ぶとどのようなことができると思うかについ ても尋ねたところ、人の心を理解できるようになり、それを元にしたコミュニケーション力向上や他者サポート力向上が期 待されていることがわかった。さらに、若い年代の方が心理学への期待が大きいことが示された。 キーワード 印象、心理学教育、成人

目 的

 心理学は大学に入って初めて選択できる科目であり、心理学部や心理学専攻は現在も学生に根強い人気が ある。しかしながら、心理学については大衆的な本も多く出ており、テレビ番組で偏った視点から取り上げ られることも多いため、その内容が正確に理解されているとは言い難く、心理学専攻に入学する者の中にも、 たとえば、心理学を学べば人の心がわかるようになるというような誤解を持つ者が多いことが指摘されてい る(e.g., 工藤・鈴木・小林、2006;松井、2000)。実証科学を標榜する心理学においては研究法の一環と して実験法・統計法などの知識が必須であるが(e.g., 高野・岡、2004)、そのようなことはあまり知られて いないことが心理学教育上の問題として指摘されている(宮本、1994;和田、2004)。  心理学についてのイメージを調べた研究はいくつか見られるが(稲垣・中島・元末・芋阪、1968;工藤ら、 2006;楠見、2011;松井、2000;宮本、1994;高島・中村、2002;和田、2004)、一つ(楠見、2011)を 除き大学生・専門学校学生を対象とした調査であり、それ以外の一般市民が持つ心理学のイメージはほとん ど検討されていない。しかしながら、心理学は人の心についての学問である。心についての理解は社会での 経験を経て変わっていくため、「心理学」のイメージもまた社会での経験を経て変わっていくことが考えら れるため、大学生だけではなく一般市民について検討する意義があるだろう。  一般市民約2100名を対象に心理学リテラシーという視点から調査を行った楠見(2011)は、一般市民が、 心理学を科学全般と同程度に有用であると評価しており、科学全般と同程度に身近なものととらえられてい ることを示している。さらに、一般市民の約1割から2割が心理学に関してさまざまな側面について知識・ 理解があると自認しており、さらに3割前後がだいたい知識・理解があると回答している。ただし、インター ネット調査会社のモニターから得られたこのサンプルには、専門心理学の学習歴がある者が約7%、実験実 習の学習歴がある者が約8%含まれており、心理学に詳しい層が多めである点注意が必要だが、興味深いデー

(2)

検討の部分も多い。  本研究では、世間一般に流通している「心理学」のイメージについてとらえるために、一般市民が持つ心 理学に対するイメージを探索的に検討する。その際、心理学教育を受けた大学生との比較対照を視野に入れ たいと考えたため、心理学教育の効果を見るために心理学を専攻する大学生のもつ心理学イメージの学年差 などを横断的に検討した、岩崎・大橋・皆川(印刷中)と同一項目を用いて調査を行った。具体的には、心 理学という学問のイメージと心理学にできることに分けて、心理学について専門的に学習したことがない一 般市民がどのようなイメージを持っているのかを検討した。

方 法

研究協力者

 クロス・マーケティング社に委託して、全国に居住する同社の会員を対象にインターネット調査を行った。 実施は、2010年11月上旬、計画サンプルは800名であった。実際には、971名のデータが収集され、その うち、「心理学を専攻した」と回答した37名は心理学について専門的に学んだと言えると考え除外し、残り の計934名のデータを分析の対象とした。このうち、心理学という科目を学んだことがあると答えた者は 181名(19.4%)であった。  分析対象者の年代性別構成は表1に示した通りであり、男女比はほぼ半々であった。居住地は、大都市 27.4%、中都市27.8%、それ以外の市町村44.8%であった。都道府県としては、東京都(17.3%)、神奈川 県(9.5%)、埼玉県(8.4%)、大阪府(8.0%)、愛知県(6.7%)が上位5位であった。

手続き

 会員たちは、オンライン上においてある質問紙に各自アクセスして回答した。回答すると、ボーナスをも らえることが事前に説明されていた。

質問内容

 岩崎ら(印刷中)から自由回答を除外し、学歴・居住地・心理学学習歴に関する質問を加えた。具体的に は、「心理学のイメージ」を12項目で、「心理学にできること」を20項目で尋ねた(7件法)。項目は先行研 究で使用された項目を参考に、本研究のために作成した。さらに、心理学の諸分野について知っているかど うか及び関心の強さを尋ねた。 ᗐᩐ 䟸 ᖲᆍᖳ㱃ᵾ‵೩ᕣ ᗐᩐ 䟸 ᖲᆍᖳ㱃ᵾ‵೩ᕣ 㻔㻓௥ 㻔㻕㻓 㻋㻔㻕㻑㻛㻓㻌 㻔㻙㻑㻛㻖 㻋㻔㻑㻓㻗㻌 㻔㻕㻔 㻋㻔㻖㻑㻓㻓㻌 㻔㻚㻑㻔㻕 㻋㻔㻑㻓㻕㻌 㻖㻓௥ 㻔㻔㻚 㻋㻔㻕㻑㻘㻓㻌 㻖㻘㻑㻔㻖 㻋㻕㻑㻜㻜㻌 㻔㻔㻕 㻋㻔㻕㻑㻓㻓㻌 㻖㻗㻑㻛㻜 㻋㻕㻑㻙㻜㻌 㻗㻓௥ 㻔㻔㻛 㻋㻔㻕㻑㻙㻓㻌 㻗㻗㻑㻖㻙 㻋㻕㻑㻙㻚㻌 㻔㻔㻚 㻋㻔㻕㻑㻘㻓㻌 㻗㻖㻑㻜㻔 㻋㻕㻑㻙㻛㻌 㻘㻓௥ 㻔㻔㻘 㻋㻔㻕㻑㻖㻓㻌 㻘㻖㻑㻕㻚 㻋㻕㻑㻙㻜㻌 㻔㻔㻗 㻋㻔㻕㻑㻕㻓㻌 㻘㻖㻑㻙㻙 㻋㻕㻑㻘㻜㻌 䠭Ἰ䠯㻔㻓௥䛮䛵䚮㻔㻘ṋ䛑䜏㻔㻛ṋ䜘ᣞ䛟䚯 ⏠ᛮ ዥᛮ 表1 年代性別ごとの回答者数

(3)

結 果

心理学のイメージに関して

 心理学のイメージに関する12項目について、年代・性別ごとに平均値と標準偏差をまとめたものが表2 である。中央値は4であったので、心理学は難しく、脳研究とかかわりが深く、数学的要素も強いが、実践 的で楽しいという印象を全体的に持っていることが伺える。平均の高い項目は、大学生データとほぼ一致し ていた。 0 6' 0 6' 0 6' 0 6' ⏠         ዥ         ⏠         ዥ         ⏠         ዥ         ⏠         ዥ         ⏠         ዥ         ⏠         ዥ         ⏠         ዥ         ⏠         ዥ         ⏠         ዥ         ⏠         ዥ         ⏠         ዥ         ⏠         ዥ         ௥ ᚨ⌦Ꮥ䛵㞬䛝䛊 ᆀ㐠䛰Ꮥၡ䛭䛈䜑 ௥ ௥ ௥ ᚨ⌦Ꮥ䛵ᴞ䛝䛊 ᭍ᫍ䛮䛝䛬䛊䛬䚮䛪 䛑䜅䛯䛙䜓䛒䛰䛊 ᩝ⣌Ⓩ䛰こ⣪䛒ᙁ 䛊 ⌦⣌Ⓩ䛰こ⣪䛒ᙁ 䛊 ᚨ⌦Ꮥ䛵ᬧ䛊 ᐁ㊮Ⓩ䛭䛈䜑 ᐂびⓏ䛭䛈䜑 ༥䛊䜊ከ䛮䛑䛑䜕䜐 䛒῕䛊 ⬳◂✪䛮䛑䛑䜕䜐䛒 ῕䛊Ꮥၡ䛭䛈䜑 ⤣゛Ꮥ䛰䛯䛴ᩐᏕ Ⓩこ⣪䛒ᙁ䛊 㻔㻓௥䟺⮤⏜ᗐ㻕㻗㻓䟻 㻖㻓௥䟺⮤⏜ᗐ㻕㻕㻛䟻 㻗㻓௥䟺⮤⏜ᗐ㻕㻖㻗䟻 W ೋ ᖲᆍೋᕣ W ೋ ᖲᆍೋᕣ ᖲᆍೋᕣ W ೋ ࠔᆀ㐠࡝Ꮥၡ࡚࠵ࡾࠕ   QV     ࠔᐁ㊮Ⓩ࡚࠵ࡾࠕ   QV     ࠔᐂびⓏ࡚࠵ࡾࠕ   QV     ࠔ⬳◂✪࡛࠾࠾ࢂࡽ࠿ ࠈ῕࠷ࠕ       ࠔ⤣゛Ꮥ࡝࡜ࡡ   QV     㻘㻓௥䟺⮤⏜ᗐ㻕㻕㻛䟻 ᖲᆍೋᕣ W ೋ           表2 一般社会人の持つ心理学のイメージ(性別、年代別) 表3 「占いや夢とのかかわりが深い」との平均値の差の検定結果(年代別)

(4)

 心理学については、マス・メディアなどに取り上げられる非科学的なイメージが大きく影響することが先 行研究で指摘されている(高島・中村、2002;和田、2004)。そこで、非科学的心理学観の代表的な項目で ある「占いや夢とのかかわりが深い」と科学的心理学観と関連する項目への賛成度の差を検討した。心理学 へのイメージには年代差が見られたため、この分析も年代別に行った。その結果、30代以上では、「占いや 夢とのかかわりが深い」よりも、「地道な学問である」「客観的である」「数学的要素が強い」への賛成度が 有意に高かったが、10代ではこのような有意差は認められなかった(表3)。また、「文系的な要素が強い」 へよりも、「理系的な要素が強い」への賛成度の方が、どの年代でも有意に高かった(10代 (t 240) = 2.81, p < .0130 t228 = 1.88, p < .0540 t234 = 2.56, p< .0550 t228 = 2.49, p < .05)。  次に、性別・年代の影響をとらえるために、心理学のイメージ12項目について因子分析を試みた。まず、 心理学のイメージに関し予備的に行った分析において、「占いや夢とかかわりが深い」は共通性が0.2未満 と低かった。そのため、この一項目を除外した11項目について主因子法プロマックス回転を用いて探索的 な因子分析を行った。固有値の減衰状況および解釈可能性から4因子を抽出した(表4)。  第1因子は、心理学について、実践的で、脳研究とかかわりが深い学問であり、客観的で、数学的要素が 強いととらえる傾向を指すため、「実践的で客観的」因子と名付けた。第2因子は、心理学について、曖昧 でつかみどころがなく、難しく、文系的要素が強いととらえる傾向を指すため、「曖昧で難しい」因子と名 付けた。第3因子は、心理学について、暗くて、地道な学問であり、楽しくはないととらえる傾向を指すため、 「暗く地道」因子と名付けた。第4因子は、心理学について、理系的な要素と数学的な要素が強いととらえ ᐁ㊮Ⓩ䛭 ᐂびⓏ ᭍ᫍ䛭㞬 䛝䛊 ᬧ䛕ᆀ㐠 ⌦⣌Ⓩ ᐁ㊮Ⓩ䛭䛈䜑 㻑㻙㻚㻗 㻑㻔㻙㻕 㻐㻑㻔㻛㻜 㻑㻔㻛㻖 㻑㻗㻚㻚 ⬳◂✪䛮䛑䛑䜕䜐䛒 ῕䛊Ꮥၡ䛭䛈䜑 㻑㻙㻗㻚 㻑㻖㻘㻓 㻐㻑㻓㻗㻚 㻑㻔㻛㻙 㻑㻗㻕㻛 ᐂびⓏ䛭䛈䜑 㻑㻘㻙㻘 㻑㻔㻙㻜 㻑㻓㻘㻗 㻑㻔㻘㻙 㻑㻖㻗㻚 ⤣゛Ꮥ䛰䛯䛴ᩐᏕⓏ こ⣪䛒ᙁ䛊 㻑㻘㻗㻓 㻑㻕㻗㻙 㻐㻑㻓㻔㻘 㻑㻗㻓㻘 㻑㻖㻘㻜 ᚨ⌦Ꮥ䛵ᴞ䛝䛊 㻑㻗㻛㻗 㻑㻓㻙㻚 㻐㻑㻘㻓㻜 㻑㻔㻚㻗 㻑㻗㻙㻓 ᆀ㐠䛰Ꮥၡ䛭䛈䜑 㻑㻗㻓㻔 㻑㻖㻚㻘 㻑㻗㻔㻜 㻑㻔㻖㻕 㻑㻖㻚㻕 ᭍ᫍ䛮䛝䛬䛊䛬䚮䛪䛑 䜅䛯䛙䜓䛒䛰䛊 㻑㻔㻘㻖 㻑㻚㻕㻔 㻑㻖㻗㻛 㻑㻓㻘㻖 㻑㻘㻘㻓 ᚨ⌦Ꮥ䛵㞬䛝䛊 㻑㻕㻔㻚 㻑㻘㻘㻕 㻑㻕㻙㻛 㻑㻓㻛㻙 㻑㻖㻔㻗 ᩝ⣌Ⓩ䛰こ⣪䛒ᙁ䛊 㻑㻖㻓㻖 㻑㻗㻔㻕 㻑㻓㻖㻘 㻐㻑㻕㻔㻘 㻑㻕㻛㻘 ᚨ⌦Ꮥ䛵ᬧ䛊 㻑㻓㻔㻙 㻑㻖㻙㻕 㻑㻙㻗㻗 㻑㻓㻙㻙 㻑㻗㻖㻛 ⌦⣌Ⓩ䛰こ⣪䛒ᙁ䛊 㻑㻖㻓㻘 㻑㻔㻓㻚 㻑㻓㻖㻔 㻑㻛㻔㻔 㻑㻙㻙㻗 ᅂ㌷ᚃ䛴ㇿⲬ 㻕㻑㻔㻖㻘 㻔㻑㻘㻔㻜 㻔㻑㻓㻛㻙 㻔㻑㻓㻕㻗 ᐁ㊮Ⓩ䛭ᐂびⓏᅄᏄ䚭䛮䛴┞㛭 㻑㻗㻓㻛 㻐㻑㻓㻜㻓 㻑㻕㻜㻗 ᭍ᫍ䛭㞬䛝䛊ᅄᏄ䚭䛮䛴┞㛭 㻑㻖㻗㻗 㻑㻓㻙㻛 ᬧ䛕ᆀ㐠ᅄᏄ䚭䛮䛴┞㛭 㻑㻓㻖㻔 ᅄᏄ භ㏳ᛮ 表4 心理学のイメージ11項目の因子分析結果

(5)

る傾向を指すため、「理系的」因子と名付けた。  各因子について、因子得点を用いて、性別x年代の2要因の分散分析を行った。その結果、「実践的で客 観的」因子については、性別の主効果のみ有意であった(年代 F(3, 926) <1, n.s.; 性別 F(1, 926) = 6.84, p < .01; 交互作用効果 F(1, 926) = 2.12, p < .10)。これはすなわち、女性の方が男性よりも有意に心理学 に対して実践的で客観的だというイメージを持っていることを示す。  「曖昧で難しい」因子については、性別および年代の主効果は有意ではなかった(年代 F(3, 926) = 1.83, n.s.; 性別 F(1, 926) < 1, n.s.; 交互作用効果 F(1, 926) = 2.59, p < .10)。交互作用効果が有意傾向にある ため年代別に見てみると、40代において女性の方が男性よりも有意に心理学に対して曖昧で難しいという イメージを持つ傾向が見られた。  「暗く地道」因子については、性別の主効果および性別と年代の交互作用効果がともに有意であった(年 代 F(3, 926) < 1, n.s. ;性別 F(1, 926) = 6.64, p < .01;交互作用効果  F(1, 926) = 2.66, p < .05)。単純 主効果を検討したところ、10代及び50代では女性よりも男性の方が心理学に対して暗くて地道であるとい うイメージを有意に強く持っていたが、30代・40代ではこのような性別による差は認められなかった。  「理系的」因子については、性別と年代の主効果がともに有意であった(年代 F(3, 926) = 3.26, p < .05; 性別 F(1, 926) = 4.22, p < .05; 交互作用効果 F(1, 926) <1, n.s.)。女性の方が、男性よりも心理学 について理系的なイメージが有意に強かった。また、50代よりも10代の方が心理学について理系的なイメー ジが有意に強かった。

心理学を学ぶとできることに関して

 心理学を学ぶとできることに関する20項目について、性別・年代別に平均値と標準偏差をまとめたもの が表5である。中央値は4であったので、心理学を学ぶと人間を深く知ることができる、他の人たちの持つ 精神的問題を理解しやすくなる、人の心のケアに役立つなどの平均値が特に高いことから、人の心の理解、 それを元にしたサポートに期待が高いことが伺える。平均の高い項目は、大学生データとほぼ一致していた。  予備的な分析において共通性が0.30未満と低かった「他の人たちの持つ精神的問題を理解しやすくなる」 および「心理学は科学の一つであり、実験データなどを取り地道な作業を含む」を除いた18項目について、 主因子法プロマックス回転による因子分析を行った。その結果、固有値の減衰状況および解釈可能性から、 3因子を抽出した(表6)。  第1因子は、心理学を学ぶことで、嫌な相手ともうまく付き合えるようになり、人をうまく説得できるよ うになり、コミュニケーション技術が上がり、だまされにくくなるとと考えていることを示すため、「人づ きあい」因子と名付けた。第2因子は、心理学を学ぶことで、カウンセリングができるようになり、人の心 を理解しアドバイスができるようになり、人の心のケアや悩み解説ができるようになると考えていることを 示すため、「カウンセリング」因子と名付けた。第3因子は、心理学を学ぶことで、人の考えていることが 読めるようになり、相手の性格や次に相手がどう行動するかがわかるようになると考えていることを示すた め、「人間理解」因子と名付けた。  そして、因子得点を用いて、性別x年代の2要因の分散分析を行った。その結果、すべての因子について、

(6)

いて、10代(15歳から18歳)は他の年代よりも心理学にできることへの期待が有意に大きいことが示され た。

心理学の諸分野に対する認知度および関心度に関して

 最後に、心理学の諸分野に対する認知度および関心度についても分析した(表8)。まず、犯罪心理学・ 教育心理学・社会心理学よりも、認知心理学・発達心理学・臨床心理学に関して、「どんな分野かイメージ ᚨ⌦Ꮥ䜘Ꮥ䛼䛮䇿䇿 㻰 䟺㻶㻧㻌 㻰 䟺㻶㻧㻌 㻰 䟺㻶㻧㻌 㻰 䟺㻶㻧㻌 ⏠ 㻘㻑㻖㻛 㻋㻔㻑㻘㻚㻌 㻘㻑㻓㻙 㻋㻔㻑㻓㻕㻌 㻘㻑㻔㻕 㻋㻔㻑㻓㻔㻌 㻘㻑㻔㻓 㻋㻔㻑㻔㻕㻌 ዥ 㻘㻑㻗㻖 㻋㻔㻑㻕㻔㻌 㻘㻑㻖㻖 㻋㻓㻑㻜㻔㻌 㻘㻑㻖㻘 㻋㻔㻑㻔㻕㻌 㻘㻑㻕㻘 㻋㻔㻑㻓㻘㻌 ⏠ 㻘㻑㻓㻘 㻋㻔㻑㻙㻓㻌 㻗㻑㻙㻔 㻋㻔㻑㻕㻗㻌 㻗㻑㻙㻖 㻋㻔㻑㻓㻛㻌 㻗㻑㻘㻛 㻋㻔㻑㻔㻕㻌 ዥ 㻘㻑㻓㻓 㻋㻔㻑㻖㻚㻌 㻗㻑㻘㻘 㻋㻔㻑㻔㻘㻌 㻗㻑㻙㻛 㻋㻔㻑㻕㻓㻌 㻗㻑㻘㻗 㻋㻔㻑㻓㻕㻌 ⏠ 㻘㻑㻔㻕 㻋㻔㻑㻘㻓㻌 㻗㻑㻙㻙 㻋㻔㻑㻔㻚㻌 㻗㻑㻚㻓 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 㻗㻑㻗㻜 㻋㻔㻑㻔㻚㻌 ዥ 㻗㻑㻜㻘 㻋㻔㻑㻖㻙㻌 㻗㻑㻙㻘 㻋㻔㻑㻓㻗㻌 㻗㻑㻚㻗 㻋㻔㻑㻓㻛㻌 㻗㻑㻙㻙 㻋㻔㻑㻓㻔㻌 ⏠ 㻘㻑㻓㻓 㻋㻔㻑㻘㻔㻌 㻗㻑㻗㻜 㻋㻔㻑㻔㻓㻌 㻗㻑㻙㻓 㻋㻓㻑㻜㻜㻌 㻗㻑㻘㻔 㻋㻔㻑㻔㻓㻌 ዥ 㻗㻑㻚㻗 㻋㻔㻑㻕㻕㻌 㻗㻑㻘㻛 㻋㻔㻑㻓㻖㻌 㻗㻑㻙㻖 㻋㻔㻑㻔㻕㻌 㻗㻑㻘㻖 㻋㻔㻑㻓㻕㻌 ⏠ 㻗㻑㻜㻘 㻋㻔㻑㻘㻔㻌 㻗㻑㻘㻘 㻋㻔㻑㻔㻙㻌 㻗㻑㻘㻛 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 㻗㻑㻘㻓 㻋㻔㻑㻔㻕㻌 ዥ 㻗㻑㻛㻜 㻋㻔㻑㻕㻛㻌 㻗㻑㻚㻖 㻋㻔㻑㻓㻔㻌 㻗㻑㻛㻔 㻋㻔㻑㻓㻚㻌 㻗㻑㻙㻓 㻋㻔㻑㻓㻘㻌 ⏠ 㻘㻑㻔㻖 㻋㻔㻑㻗㻖㻌 㻗㻑㻙㻖 㻋㻔㻑㻔㻚㻌 㻗㻑㻙㻜 㻋㻓㻑㻜㻖㻌 㻗㻑㻚㻗 㻋㻔㻑㻓㻜㻌 ዥ 㻘㻑㻔㻗 㻋㻔㻑㻕㻘㻌 㻗㻑㻜㻙 㻋㻔㻑㻔㻔㻌 㻘㻑㻓㻕 㻋㻔㻑㻔㻓㻌 㻗㻑㻛㻛 㻋㻔㻑㻓㻚㻌 ⏠ 㻘㻑㻔㻓 㻋㻔㻑㻘㻓㻌 㻗㻑㻚㻓 㻋㻔㻑㻓㻜㻌 㻗㻑㻙㻚 㻋㻔㻑㻓㻕㻌 㻗㻑㻘㻜 㻋㻔㻑㻔㻓㻌 ዥ 㻘㻑㻔㻓 㻋㻔㻑㻖㻓㻌 㻗㻑㻜㻗 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 㻗㻑㻛㻙 㻋㻔㻑㻕㻓㻌 㻗㻑㻚㻜 㻋㻔㻑㻓㻜㻌 ⏠ 㻘㻑㻔㻓 㻋㻔㻑㻗㻜㻌 㻗㻑㻙㻜 㻋㻔㻑㻔㻖㻌 㻗㻑㻚㻛 㻋㻔㻑㻓㻕㻌 㻗㻑㻚㻜 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 ዥ 㻘㻑㻓㻗 㻋㻔㻑㻗㻔㻌 㻗㻑㻜㻜 㻋㻔㻑㻔㻓㻌 㻗㻑㻜㻖 㻋㻔㻑㻔㻙㻌 㻗㻑㻛㻚 㻋㻔㻑㻔㻖㻌 ⏠ 㻘㻑㻓㻓 㻋㻔㻑㻗㻙㻌 㻗㻑㻖㻗 㻋㻔㻑㻕㻖㻌 㻗㻑㻖㻔 㻋㻔㻑㻔㻛㻌 㻗㻑㻗㻘 㻋㻔㻑㻔㻔㻌 ዥ 㻗㻑㻛㻔 㻋㻔㻑㻖㻖㻌 㻗㻑㻘㻔 㻋㻔㻑㻕㻓㻌 㻗㻑㻗㻚 㻋㻔㻑㻕㻚㻌 㻗㻑㻖㻗 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 ⏠ 㻘㻑㻓㻘 㻋㻔㻑㻙㻓㻌 㻗㻑㻗㻚 㻋㻔㻑㻕㻛㻌 㻗㻑㻙㻓 㻋㻔㻑㻓㻛㻌 㻗㻑㻙㻜 㻋㻔㻑㻔㻙㻌 ዥ 㻗㻑㻜㻘 㻋㻔㻑㻖㻓㻌 㻗㻑㻛㻖 㻋㻔㻑㻕㻗㻌 㻗㻑㻛㻕 㻋㻔㻑㻕㻛㻌 㻗㻑㻙㻕 㻋㻔㻑㻔㻜㻌 ⏠ 㻘㻑㻔㻖 㻋㻔㻑㻘㻔㻌 㻗㻑㻘㻜 㻋㻔㻑㻔㻗㻌 㻗㻑㻘㻛 㻋㻔㻑㻓㻚㻌 㻗㻑㻘㻚 㻋㻔㻑㻓㻜㻌 ዥ 㻘㻑㻓㻛 㻋㻔㻑㻖㻓㻌 㻗㻑㻚㻚 㻋㻔㻑㻔㻚㻌 㻗㻑㻛㻗 㻋㻔㻑㻔㻜㻌 㻗㻑㻙㻜 㻋㻔㻑㻔㻓㻌 ⏠ 㻗㻑㻚㻙 㻋㻔㻑㻚㻓㻌 㻗㻑㻗㻜 㻋㻔㻑㻖㻙㻌 㻗㻑㻗㻚 㻋㻔㻑㻔㻘㻌 㻗㻑㻘㻘 㻋㻔㻑㻔㻛㻌 ዥ 㻗㻑㻚㻜 㻋㻔㻑㻕㻙㻌 㻗㻑㻛㻓 㻋㻔㻑㻓㻚㻌 㻗㻑㻚㻕 㻋㻔㻑㻕㻔㻌 㻗㻑㻗㻛 㻋㻔㻑㻔㻖㻌 ⏠ 㻘㻑㻓㻚 㻋㻔㻑㻗㻚㻌 㻗㻑㻜㻚 㻋㻓㻑㻜㻜㻌 㻗㻑㻛㻕 㻋㻓㻑㻜㻛㻌 㻗㻑㻜㻖 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 ዥ 㻗㻑㻛㻖 㻋㻔㻑㻕㻖㻌 㻗㻑㻜㻜 㻋㻓㻑㻜㻖㻌 㻘㻑㻔㻙 㻋㻓㻑㻜㻙㻌 㻗㻑㻛㻜 㻋㻔㻑㻓㻕㻌 ⏠ 㻘㻑㻔㻓 㻋㻔㻑㻗㻖㻌 㻗㻑㻙㻚 㻋㻔㻑㻔㻗㻌 㻗㻑㻚㻛 㻋㻔㻑㻓㻘㻌 㻗㻑㻚㻙 㻋㻔㻑㻓㻘㻌 ዥ 㻗㻑㻛㻜 㻋㻔㻑㻕㻙㻌 㻘㻑㻓㻓 㻋㻔㻑㻓㻓㻌 㻗㻑㻜㻜 㻋㻔㻑㻓㻜㻌 㻗㻑㻚㻖 㻋㻓㻑㻜㻖㻌 ⏠ 㻗㻑㻛㻔 㻋㻔㻑㻗㻙㻌 㻗㻑㻘㻙 㻋㻔㻑㻔㻙㻌 㻗㻑㻚㻚 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 㻗㻑㻘㻚 㻋㻔㻑㻔㻓㻌 ዥ 㻗㻑㻚㻜 㻋㻔㻑㻕㻖㻌 㻗㻑㻛㻕 㻋㻔㻑㻓㻕㻌 㻗㻑㻛㻗 㻋㻔㻑㻔㻕㻌 㻗㻑㻙㻙 㻋㻓㻑㻜㻘㻌 ⏠ 㻘㻑㻔㻔 㻋㻔㻑㻗㻓㻌 㻗㻑㻘㻘 㻋㻔㻑㻔㻙㻌 㻗㻑㻙㻚 㻋㻔㻑㻓㻗㻌 㻗㻑㻘㻙 㻋㻔㻑㻓㻖㻌 ዥ 㻗㻑㻜㻗 㻋㻔㻑㻕㻛㻌 㻗㻑㻚㻜 㻋㻔㻑㻓㻛㻌 㻗㻑㻜㻔 㻋㻔㻑㻓㻖㻌 㻗㻑㻚㻕 㻋㻔㻑㻓㻖㻌 ⏠ 㻗㻑㻙㻙 㻋㻔㻑㻘㻚㻌 㻗㻑㻓㻕 㻋㻔㻑㻖㻔㻌 㻗㻑㻔㻘 㻋㻔㻑㻕㻓㻌 㻖㻑㻜㻕 㻋㻔㻑㻔㻔㻌 ዥ 㻗㻑㻖㻙 㻋㻔㻑㻖㻕㻌 㻗㻑㻓㻓 㻋㻔㻑㻔㻗㻌 㻗㻑㻓㻜 㻋㻔㻑㻔㻙㻌 㻗㻑㻓㻘 㻋㻓㻑㻜㻖㻌 ⏠ 㻘㻑㻔㻘 㻋㻔㻑㻗㻘㻌 㻗㻑㻖㻖 㻋㻔㻑㻕㻘㻌 㻗㻑㻖㻚 㻋㻔㻑㻕㻕㻌 㻗㻑㻕㻓 㻋㻔㻑㻓㻜㻌 ዥ 㻗㻑㻙㻖 㻋㻔㻑㻗㻓㻌 㻗㻑㻖㻔 㻋㻔㻑㻓㻛㻌 㻗㻑㻖㻛 㻋㻔㻑㻔㻕㻌 㻗㻑㻕㻕 㻋㻓㻑㻛㻜㻌 ⏠ 㻗㻑㻙㻛 㻋㻔㻑㻘㻜㻌 㻗㻑㻕㻘 㻋㻔㻑㻕㻖㻌 㻗㻑㻓㻖 㻋㻔㻑㻕㻘㻌 㻗㻑㻔㻔 㻋㻔㻑㻕㻘㻌 ዥ 㻗㻑㻗㻛 㻋㻔㻑㻖㻚㻌 㻗㻑㻗㻓 㻋㻔㻑㻔㻚㻌 㻗㻑㻖㻗 㻋㻔㻑㻕㻙㻌 㻗㻑㻔㻛 㻋㻔㻑㻓㻜㻌 ⏠ 㻘㻑㻓㻗 㻋㻔㻑㻗㻙㻌 㻗㻑㻗㻗 㻋㻔㻑㻕㻙㻌 㻗㻑㻘㻓 㻋㻔㻑㻔㻔㻌 㻗㻑㻗㻕 㻋㻔㻑㻔㻘㻌 ዥ 㻗㻑㻙㻛 㻋㻔㻑㻖㻚㻌 㻗㻑㻚㻜 㻋㻔㻑㻓㻜㻌 㻗㻑㻙㻕 㻋㻔㻑㻕㻔㻌 㻗㻑㻗㻙 㻋㻔㻑㻓㻖㻌 ெࡡᚨࡡࢢ࢓࠿࡚ࡀࡾ 㻔㻓௥ 㻖㻓௥ 㻗㻓௥ 㻘㻓௥ ெ㛣ࢅ῕ࡂ▩ࡾࡆ࡛࠿࡚ࡀࡾ ெࡡ⩻࠻࡙࠷ࡾࡆ࡛࠿ㄖࡴࡾࡻ࠹ ࡞࡝ࡾ ┞ᡥࡡᛮ᰹࠿ࢂ࠾ࡾ ḗ࡞┞ᡥ࠿࡜࠹⾔ິࡌࡾ࠾࠿ࢂ࠾ ࡾࡻ࠹࡞࡝ࡾ ᚨࡡၡ㢗ࢅずᢜࡂࡆ࡛࠿࡚ࡀࡾࡻ ࠹࡞࡝ࡾ ௙ࡡெࡒࡔࡡᣚࡗ⢥♼Ⓩၡ㢗ࢅ⌦ ゆࡊࡷࡌࡂ࡝ࡾ ⮤ฦ࠿࡜ࡡࡻ࠹࡝ெ㛣࠾⌦ゆࡌࡾ ࡆ࡛࠿࡚ࡀࡾ ࢤ࣐ࣖࢼࢢ࣭ࢨࣘࣤᢇ⾙࠿୕࠿ࡾ ெࡡᝆࡲࢅゆỬࡌࡾࡆ࡛࠿࡚ࡀࡾ ࢜ࢗࣤࢬࣛࣤࢡ࠿࡚ࡀࡾࡻ࠹࡞࡝ࡾ ெࡡᚨࢅ⌦ゆࡊࠉ࢓ࢺࣁ࢕ࢪࢅࡌ ࡾࡆ࡛࠿࡚ࡀࡾ ࣈࣞࣆ࢒࢕ࣛࣤࢡ㸝≚⨝ᤒᰕ㸞ࢅ ⾔࠹ࡆ࡛࠿࡚ࡀࡾ ᚨ⌦Ꮥࡢ⛁Ꮥࡡୌࡗ࡚࠵ࡽࠉᐁ㥺 ࢸ࣭ࢰ࡝࡜ࢅཱིࡽᆀ㐠࡝షᴏࢅྱࡳ ᩅ⫩ሔ㟻࡚ᙲ࡞❟ࡗ ᐁ♣ఌ࡚ᙲ࡞❟ࡗ ெ㛣㛭౿ࡡᨭၻ࡞ᙲ࡞❟ࡗ ெ࡞ࡓࡱࡈࡿ࡞ࡂࡂ࡝ࡾ ெࢅ࠹ࡱࡂㄕᚋ࡚ࡀࡾ ࠷ࡷ࡝┞ᡥ࡛ࡵ୕ᡥࡂ௛ࡀྙ࠻ࡾ ࡻ࠹࡞࡝ࡾ 表5 心理学ができることについての認識(性別、年代別)

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できない」という回答が多かった。これは、応用的な分野の方が認知度が高いという意味ではないだろうか。 また、一般市民データにおけるこれらの分野の認知度は、心理学専攻一年次の学生(入学したもののまだ心 理学の授業を受け始めていない)よりも明らかに低かった。  つぎに、「どんな分野かイメージできない」人を除外して、分野x性別x年代を独立変数とし、各分野へ の関心の高さを従属変数にした3要因の分散分析を行ったところ(「関心がない」を1、「とても関心がある」 を5として、平均値を算出した)、分野の有意な主効果とともに、性別・年代との交互作用効果が有意であっ ᚨ⌦Ꮥ䜘Ꮥ䛼䛮䚮䇿 ெࡘࡀ࠵࠷ ࢜ࢗࣤࢬࣛࣤࢡ ெ㛣⌦ゆ 䛊䜊䛰┞ᡥ䛮䜈୕ᡥ䛕௛䛓ྙ䛎䜑䜎䛌䛱䛰䜑     ெ䜘䛌䜄䛕ㄕᚋ䛭䛓䜑     䜷䝣䝩䝏䜵䞀䜻䝫䝷ᢇ⾙䛒୕䛒䜑     ெ䛱䛦䜄䛛䜒䛱䛕䛕䛰䜑     ᐁ♣ఌ䛭ᙲ䛱❟䛪     ெ㛣㛭౿䛴ᨭၻ䛱ᙲ䛱❟䛪     ᩅ⫩ሔ㟻䛭ᙲ䛱❟䛪     䜯䜪䝷䜿䝮䝷䜴䛒䛭䛓䜑䜎䛌䛱䛰䜑     ெ䛴ᚨ䜘⌦ゆ䛝䚮䜦䝍䝔䜨䜽䜘䛟䜑䛙䛮䛒 䛭䛓䜑     ெ䛴ᚨ䛴䜵䜦䛒䛭䛓䜑     ெ䛴ᝆ䜅䜘ゆỬ䛟䜑䛙䛮䛒䛭䛓䜑     䝛䝱䝙䜥䜨䝮䝷䜴䟺≚⨝ᤒᰕ䟻䜘⾔䛌䛙䛮䛒 䛭䛓䜑     ெ䛴⩻䛎䛬䛊䜑䛙䛮䛒ㄖ䜇䜑䜎䛌䛱䛰䜑     ┞ᡥ䛴ᛮ᰹䛒䜕䛑䜑     ḗ䛱┞ᡥ䛒䛯䛌⾔ິ䛟䜑䛑䛒䜕䛑䜑䜎䛌 䛱䛰䜑     ᚨ䛴ၡ㢗䜘ずᢜ䛕䛙䛮䛒䛭䛓䜑䜎䛌䛱䛰䜑     ெ㛣䜘῕䛕▩䜑䛙䛮䛒䛭䛓䜑     ⮤ฦ䛒䛯䛴䜎䛌䛰ெ㛣䛑⌦ゆ䛟䜑䛙䛮䛒 䛭䛓䜑     䜯䜪䝷䜿䝮䝷䜴ᅄᏄ䛮䛴┞㛭  ெ㛣⌦ゆᅄᏄ䛮䛴┞㛭   ᅄᏄ භ㏳ᛮ 㻰 㻋㻶㻧㻌 㻰 㻋㻶㻧㻌 㻰 㻋㻶㻧㻌 㻔㻓௥ 㻓㻑㻕㻘 㼄 㻋㻔㻑㻔㻘㻌 㻓㻑㻕㻖 㼄 㻋㻔㻑㻔㻖㻌 㻓㻑㻕㻘 㼄 㻋㻔㻑㻔㻚㻌 㻖㻓௥ 㻐㻓㻑㻓㻙 㼅 㻋㻓㻑㻛㻜㻌 㻐㻓㻑㻓㻛 㼅 㻋㻓㻑㻜㻔㻌 㻐㻓㻑㻓㻜 㼅 㻋㻓㻑㻛㻙㻌 㻗㻓௥ 㻐㻓㻑㻓㻗 㼅 㻋㻓㻑㻛㻚㻌 㻐㻓㻑㻓㻘 㼅 㻋㻓㻑㻛㻛㻌 㻐㻓㻑㻓㻖 㼅 㻋㻓㻑㻛㻙㻌 㻘㻓௥ 㻐㻓㻑㻔㻙 㼅 㻋㻓㻑㻛㻗㻌 㻐㻓㻑㻔㻔 㼅 㻋㻓㻑㻛㻛㻌 㻐㻓㻑㻔㻗 㼅 㻋㻓㻑㻛㻚㻌 ฦᩋฦᯊ䛴⤎ᯕ 䚭ᖳ௥ 㻩 㻃㻋㻖㻏㻃㻜㻕㻙㻌㻃㻠㻛㻑㻕㻜㻖㻍㻍㻍 㻩 㻃㻋㻖㻏㻃㻜㻕㻙㻌㻃㻠㻙㻑㻔㻖㻛㻍㻍㻍 㻩 㻃㻋㻖㻏㻃㻜㻕㻙㻌㻃㻠㻚㻑㻜㻚㻘㻍㻍㻍 䚭ᛮื 㻩 㻃㻋㻔㻏㻃㻜㻕㻙㻌㻃㻟㻔 㻩 㻃㻋㻔㻏㻃㻜㻕㻙㻌㻃䠏㻕㻑㻚㻛㻚 㻩 㻃㻋㻔㻏㻃㻜㻕㻙㻌㻃㻟㻃㻔 䚭ஹபష⏕㻩㻃 㻋㻖㻏㻃㻜㻕㻙㻌 㻠㻕㻑㻗㻜㻜 㻩㻃 㻋㻖㻏㻃㻜㻕㻙㻌 㻠㻔㻑㻖㻘㻔 㻩㻃 㻋㻔㻏㻃㻜㻕㻙㻌 㻟㻔 ெ䛫䛓䛈䛊 䜯䜪䝷䜿䝮䝷䜴 ெ㛣⌦ゆ 䚭䠭Ἰ䠯㻍㻍㻍䚭㼓 㻃㻟㻃㻑㻓㻓㻓㻔㻏 㻃㻃㻃㻃㻃㻃㻃㻃㻷㼘㼎㼈㼜䛴᳠ᏽ䛭䚮㻘䟸Ề‵䛭᭯ណᕣ䛒䛰䛑䛩䛥䜈䛴䛱ྜྷ䛞ⱝᏊ䜘䛪䛗䛥䚯 表6 「心理学にできること」についての因子分析結果 表7 心理学にできることについての年代別平均値および標準偏差

(8)

ᗐᩐ 㻈 ᗐᩐ 㻈 ᗐᩐ 㻈 ᗐᩐ 㻈 ᗐᩐ 㻈 ᗐᩐ 㻈 䛯䜙䛰ฦ㔕䛑 䜨䝥䞀䜼䛭䛓䛰䛊 㻛㻙 㻋㻜㻑㻕㻓㻌 㻔㻕㻚 㻋㻔㻖㻑㻙㻓㻌 㻔㻕㻚 㻋㻔㻖㻑㻙㻓㻌 㻕㻓㻚 㻋㻕㻕㻑㻕㻓㻌 㻕㻕㻖 㻋㻕㻖㻑㻜㻓㻌 㻕㻗㻗 㻋㻕㻙㻑㻔㻓㻌 㛭ᚨ䛒䛰䛊 㻜㻕 㻋㻜㻑㻜㻓㻌 㻜㻕 㻋㻜㻑㻜㻓㻌 㻙㻗 㻋㻙㻑㻜㻓㻌 㻙㻙 㻋㻚㻑㻔㻓㻌 㻙㻜 㻋㻚㻑㻗㻓㻌 㻚㻕 㻋㻚㻑㻚㻓㻌 䛈䜄䜐㛭ᚨ䛒䛰䛊 㻔㻜㻙 㻋㻕㻔㻑㻓㻓㻌 㻕㻖㻔 㻋㻕㻗㻑㻚㻓㻌 㻔㻛㻔 㻋㻔㻜㻑㻗㻓㻌 㻕㻓㻛 㻋㻕㻕㻑㻖㻓㻌 㻕㻔㻖 㻋㻕㻕㻑㻛㻓㻌 㻕㻔㻛 㻋㻕㻖㻑㻖㻓㻌 ᑛ䛝㛭ᚨ䛒䛈䜑 㻕㻜㻙 㻋㻖㻔㻑㻚㻓㻌 㻕㻜㻗 㻋㻖㻔㻑㻘㻓㻌 㻕㻛㻘 㻋㻖㻓㻑㻘㻓㻌 㻕㻘㻜 㻋㻕㻚㻑㻚㻓㻌 㻕㻙㻓 㻋㻕㻚㻑㻛㻓㻌 㻕㻖㻙 㻋㻕㻘㻑㻖㻓㻌 㛭ᚨ䛒䛈䜑 㻔㻛㻕 㻋㻔㻜㻑㻘㻓㻌 㻔㻗㻕 㻋㻔㻘㻑㻕㻓㻌 㻕㻓㻗 㻋㻕㻔㻑㻛㻓㻌 㻔㻗㻛 㻋㻔㻘㻑㻛㻓㻌 㻔㻔㻛 㻋㻔㻕㻑㻙㻓㻌 㻔㻕㻕 㻋㻔㻖㻑㻔㻓㻌 䛮䛬䜈㛭ᚨ䛒䛈䜑 㻛㻕 㻋㻛㻑㻛㻓㻌 㻗㻛 㻋㻘㻑㻔㻓㻌 㻚㻖 㻋㻚㻑㻛㻓㻌 㻗㻙 㻋㻗㻑㻜㻓㻌 㻘㻔 㻋㻘㻑㻘㻓㻌 㻗㻕 㻋㻗㻑㻘㻓㻌 ᖲᆍೋ䟺⏠ᛮ䟻 㻕㻑㻜㻓 㻋㻔㻑㻔㻛㻌 㻕㻑㻚㻗 㻋㻔㻑㻓㻚㻌 㻖㻑㻓㻕 㻋㻔㻑㻔㻗㻌 㻕㻑㻙㻙 㻋㻔㻑㻓㻗㻌 㻕㻑㻙㻖 㻋㻔㻑㻓㻖㻌 㻕㻑㻙㻙 㻋㻔㻑㻓㻖㻌 ᖲᆍೋ䟺ዥᛮ䟻 㻖㻑㻓㻙 㻋㻔㻑㻔㻓㻌 㻕㻑㻜㻖 㻋㻔㻑㻓㻖㻌 㻖㻑㻔㻔 㻋㻔㻑㻓㻕㻌 㻖㻑㻓㻔 㻋㻔㻑㻓㻖㻌 㻖㻑㻓㻓 㻋㻔㻑㻓㻘㻌 㻕㻑㻜㻓 㻋㻔㻑㻓㻗㻌 ᖲᆍೋ䟺ධమ䟻 㻕㻑㻜㻛 㻋㻔㻑㻔㻗㻌 㻕㻑㻛㻗 㻋㻔㻑㻓㻘㻌 㻖㻑㻓㻙 㻋㻔㻑㻓㻛㻌 㻕㻑㻛㻗 㻋㻔㻑㻓㻘㻌 㻕㻑㻛㻕 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 㻕㻑㻚㻛 㻋㻔㻑㻓㻗㻌 ヾ▩ᚨ⌦Ꮥ ≚⨝ᚨ⌦Ꮥ ᩅ⫩ᚨ⌦Ꮥ ♣ఌᚨ⌦Ꮥ ⮣ᗃᚨ⌦Ꮥ Ⓠ㐡ᚨ⌦Ꮥ 㻩 ೋ ฦ㔕 ᖳ௥ 㻰 㻋㻶㻧㻌 㻰 㻋㻶㻧㻌 㻰 㻋㻶㻧㻌 㻔㻓௥ 㻖㻑㻙㻜 㻋㻔㻑㻕㻕㻌 㻗㻑㻓㻚 㻋㻔㻑㻓㻛㻌 㻖㻑㻜㻓 㻋㻔㻑㻔㻙㻌 ᖳ௥ 㻟㻔 㻖㻓௥ 㻖㻑㻘㻛 㻋㻔㻑㻓㻜㻌 㻖㻑㻜㻜 㻋㻔㻑㻔㻕㻌 㻖㻑㻚㻚 㻋㻔㻑㻔㻕㻌 ᛮื 㻔㻚㻑㻙㻜㻍㻍㻍㻍 㻗㻓௥ 㻖㻑㻙㻓 㻋㻓㻑㻜㻗㻌 㻗㻑㻓㻔 㻋㻔㻑㻔㻔㻌 㻖㻑㻛㻔 㻋㻔㻑㻓㻗㻌 ஹபష⏕ຝᯕ㻟㻃㻔 㻘㻓௥ 㻖㻑㻙㻚 㻋㻓㻑㻜㻔㻌 㻖㻑㻜㻖 㻋㻓㻑㻜㻓㻌 㻖㻑㻛㻔 㻋㻓㻑㻜㻕㻌 㻔㻓௥ 㻖㻑㻛㻕 㻋㻔㻑㻔㻛㻌 㻗㻑㻔㻖 㻋㻔㻑㻔㻖㻌 㻖㻑㻜㻜 㻋㻔㻑㻔㻙㻌 ᖳ௥ 㻟㻔 㻖㻓௥ 㻖㻑㻙㻓 㻋㻔㻑㻔㻔㻌 㻖㻑㻜㻚 㻋㻔㻑㻓㻖㻌 㻖㻑㻚㻛 㻋㻔㻑㻓㻜㻌 ᛮื 㻔㻜㻑㻚㻔㻍㻍㻍㻍 㻗㻓௥ 㻖㻑㻘㻜 㻋㻓㻑㻜㻘㻌 㻖㻑㻜㻙 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 㻖㻑㻚㻛 㻋㻔㻑㻓㻕㻌 ஹபష⏕ຝᯕ㻟㻃㻔 㻘㻓௥ 㻖㻑㻙㻛 㻋㻓㻑㻜㻙㻌 㻖㻑㻜㻛 㻋㻓㻑㻛㻜㻌 㻖㻑㻛㻗 㻋㻓㻑㻜㻖㻌 㻔㻓௥ 㻖㻑㻚㻘 㻋㻔㻑㻕㻚㻌 㻖㻑㻜㻙 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 㻖㻑㻛㻚 㻋㻔㻑㻔㻙㻌 ᖳ௥ 㻟㻔 㻖㻓௥ 㻖㻑㻚㻙 㻋㻔㻑㻔㻔㻌 㻗㻑㻓㻓 㻋㻔㻑㻓㻜㻌 㻖㻑㻛㻚 㻋㻔㻑㻔㻓㻌 ᛮื 㻛㻑㻚㻖㻍㻍 㻗㻓௥ 㻖㻑㻚㻓 㻋㻓㻑㻜㻜㻌 㻖㻑㻜㻗 㻋㻔㻑㻓㻚㻌 㻖㻑㻛㻕 㻋㻔㻑㻓㻗㻌 ஹபష⏕ຝᯕ㻟㻃㻔 㻘㻓௥ 㻖㻑㻚㻛 㻋㻓㻑㻜㻘㻌 㻖㻑㻛㻔 㻋㻓㻑㻜㻔㻌 㻖㻑㻛㻓 㻋㻓㻑㻜㻖㻌 㻔㻓௥ 㻖㻑㻚㻓 㻋㻔㻑㻔㻙㻌 㻖㻑㻛㻘 㻋㻔㻑㻔㻔㻌 㻖㻑㻚㻜 㻋㻔㻑㻔㻖㻌 ᖳ௥ 㻟㻔 㻖㻓௥ 㻖㻑㻘㻜 㻋㻔㻑㻔㻕㻌 㻖㻑㻛㻔 㻋㻔㻑㻔㻓㻌 㻖㻑㻙㻜 㻋㻔㻑㻔㻔㻌 ᛮื 㻘㻑㻖㻗㻍 㻗㻓௥ 㻖㻑㻙㻘 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 㻖㻑㻛㻛 㻋㻔㻑㻓㻓㻌 㻖㻑㻚㻚 㻋㻔㻑㻓㻖㻌 ஹபష⏕ຝᯕ㻟㻃㻔 㻘㻓௥ 㻖㻑㻚㻕 㻋㻓㻑㻚㻙㻌 㻗㻑㻓㻖 㻋㻓㻑㻜㻜㻌 㻖㻑㻛㻜 㻋㻓㻑㻜㻓㻌 㻔㻓௥ 㻗㻑㻓㻚 㻋㻔㻑㻖㻜㻌 㻗㻑㻕㻚 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 㻗㻑㻔㻛 㻋㻔㻑㻕㻕㻌 ᖳ௥ 㻟㻔 㻖㻓௥ 㻖㻑㻛㻖 㻋㻔㻑㻔㻗㻌 㻗㻑㻓㻗 㻋㻔㻑㻓㻓㻌 㻖㻑㻜㻖 㻋㻔㻑㻓㻛㻌 ᛮื 㻔㻑㻔㻗 㻗㻓௥ 㻗㻑㻓㻚 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 㻗㻑㻓㻔 㻋㻔㻑㻓㻚㻌 㻗㻑㻓㻗 㻋㻔㻑㻓㻙㻌 ஹபష⏕ຝᯕ㻟㻃㻔 㻘㻓௥ 㻗㻑㻔㻔 㻋㻓㻑㻜㻚㻌 㻗㻑㻔㻕 㻋㻓㻑㻜㻙㻌 㻗㻑㻔㻔 㻋㻓㻑㻜㻚㻌 㻔㻓௥ 㻖㻑㻜㻛 㻋㻔㻑㻖㻘㻌 㻗㻑㻙㻓 㻋㻔㻑㻓㻛㻌 㻗㻑㻖㻕 㻋㻔㻑㻕㻗㻌 ᖳ௥ 㻙㻑㻕㻓㻍㻍㻍㻍 㻖㻓௥ 㻖㻑㻙㻖 㻋㻔㻑㻔㻕㻌 㻖㻑㻜㻖 㻋㻔㻑㻔㻕㻌 㻖㻑㻚㻚 㻋㻔㻑㻔㻕㻌 ᛮื 㻔㻑㻗㻕 㻗㻓௥ 㻖㻑㻜㻜 㻋㻔㻑㻔㻚㻌 㻖㻑㻛㻜 㻋㻔㻑㻔㻓㻌 㻖㻑㻜㻗 㻋㻔㻑㻔㻖㻌 ஹபష⏕ຝᯕ㻕㻑㻓㻖 㻘㻓௥ 㻗㻑㻓㻓 㻋㻔㻑㻓㻚㻌 㻖㻑㻛㻙 㻋㻓㻑㻜㻘㻌 㻖㻑㻜㻖 㻋㻔㻑㻓㻔㻌 䚭䚭䚭䚭䠭Ἰ䠯䚭↋༰䚭㼑㻑㼖㻑 㻏㻃㻍㻃㼓 㻃㻟㻃㻑㻓㻘㻏㻃㻍㻍㻃㼓 㻃㻟㻃㻑㻓㻔㻏㻃㻍㻍㻍㻃㼓 㻃㻟㻃㻑㻓㻓㻔㻏㻃㻍㻍㻍㻍㻃㼓 㻃㻟㻃㻑㻓㻓㻓㻔 ♣ఌ ᚨ⌦ ≚⨝ ᚨ⌦ ⏠ᛮ ዥᛮ ⥪࿰ Ⓠ㐡 ᚨ⌦ ⮣ᗃ ᚨ⌦ ᩅ⫩ ᚨ⌦ ヾ▩ ᚨ⌦ 表8 心理学の諸分野への認知度および関心度 表9 心理学の諸分野への関心度(性別、年代別)

(9)

 そこで、分野別に性別と年代を独立変数とした2要因の分散分析を行った(表9)。その結果、発達心理学、 臨床心理学、教育心理学、および認知心理学に関しては、いずれも性別の主効果のみが有意であった。すな わち、女性のほうが、男性よりもこの4分野への関心が有意に高かった。一方、犯罪心理学に関しては、年 代の主効果のみが有意であった。多重比較(Tukey法、5%水準)の結果、10代が他の年代よりも犯罪心理 学に対する関心が有意に高かった。社会心理学への関心については、性別・年代による有意差が見られなかっ た。

考 察

 本研究では、心理学についてのイメージを一般の10代(15歳から18歳)及び大人に尋ねた。その結果、 全体的には、心理学は難しく、脳研究とかかわりが深く、数学的要素も強いが、実践的で楽しいという印象 を持っていることが示された。また、心理学については文系的イメージよりも理系的イメージの方が強く、 また理系的イメージを持つ度合いは若年層ほど高いことが示された。日本では心理学科は文科系学部におか れることがほとんどであるため、少し前までは心理学は文科系であるという認識で心理学科に進学し、統計 や研究法の必要性を知らず苦労するという話が後を絶たなかったが(宮本、1994;和田、2004)、徐々に心 理学という学問への理解が広まっていることが窺える。これは、近年は入学試験を受ける前にオープンキャ ンパスなどに出かけて実際に通学している学生や大学側の説明を受けることが多いため、心理学という学問 に関して正確な情報が得られやすくなっているからではないだろうか。  また、心理学にできることに関しては、人の心を理解できるようになり、それを元にしたコミュニケーショ ン力向上や他者サポート力向上が期待されていることが示された。特に、若年層にその傾向が強かった。一 般市民対象の調査(楠見、2011)によれば、心理学への接触については、大学時代の授業を除けば、やさ しい心理学の本の読書および心理学に関するテレビ番組の視聴が同程度の大きな重みを占めるという。20 代以上対象ではあるが、大学以外で心理学の情報を得る手段としてこの二者が大きいことを示すと思われる。 したがって、この結果は、心理学が大学以降で学ぶ科目であるため、まだ心理学という学問分野に触れてい ない若者は、大衆的な心理学の本やTV番組などから偏ったイメージを持ったのだろうと推察される。ただ、 その後30代40代になると、心理学を学んだ知り合いなどと接したり大学で心理学の概論を受けたりするこ とにより、個人の心を本当に理解することはなかなか難しいことが伝わってくるのではないだろうか。  最後に本研究の限界について述べる。本研究はインターネット調査会社のモニターが任意で調査に回答す るという方法を採用したため、調査協力者の偏りは否めない(e.g., 萩原、2001;佐藤、2006)。特に、現 代の10代は、携帯電話の使用者は多いが、パソコン使用者はあまり多くと言われている。そのため、本調 査への回答者は、自宅に適切にメンテナンスされたパソコンがある家庭の子どもという意味で少数派である 可能性がある。このような制限はあるものの、本研究では「心理学」という学問分野に対する世間一般での イメージを模索した。心理学の知識は私たちが生活する上で役立つことも多い。この結果を、今後の心理学 教育に活かしていければと思う。

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引用文献

萩原雅之(2001).インターネット調査の現状と課題 社会情報 11, 129-137. 稲垣知子・中島 誠・本吉良治・芋良阪二(1968).大学における心理学教育の問題 心理学評論, 11, 322-334. 岩崎智史・大橋 恵・皆川 順(印刷中).心理学に対するイメージ(1) 東京未来大学研究紀要 工藤与志文・鈴木健太郎・小林好和(2006).大学生の心理学に関する「素朴概念」 札幌学院大学人文学紀 要, 76, 1-16. 楠見孝(2011).市民の心理学リテラシー調査 日本心理学会第75回大会シンポジウム「心理学の社会への 貢献とは」発表資料 松井三枝(2000).はじめて学ぶ「心理学」に対するイメージの変化-「心の科学」受講前後の調査から-富 山医科薬科大学一般教育, 23, 63-68. 佐藤三穂(2006).インターネット調査の意義と問題点について 看護総合科学研究会誌,9-3, 59-64. 高野陽太郎・岡 隆(2004).心理学研究法 有斐閣 高島直子・中村延江(2002).美容専門学校生の心理学観(Ⅱ):1998年(五十嵐他, 1999)との比較 山 野研究紀要, 10, 59-66. 宮本邦雄(1994).女子大学一年次学生の「心理学」講義評価と「心理学」イメージ 東海女子大学紀要, 14, 121-129. 和田正人(2004).高等教育におけるマス・メディア接触の影響 ―心理学・社会心理学・教育工学・情報 教育へのイメージおよび興味・知識― 東京学芸大学紀要1部門, 55, 345-352.

参照

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