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PAF に対する治療 :Systema+c review 慈恵 ICU 勉強会 2015 年 11 月 10 日 横田泰佑

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(1)

PAFに対する治療:Systema+c review

慈恵ICU勉強会

2015年11月10日

(2)

PAFとは?

・発作性心房細動(PAF) 薬物療法、非薬物治療の有無にかかわらず、7 日以内 (多くは 48 時間以内)に洞調律に復するものであり、心房 細動の長い慢性経過からみると早期の病期に相当する。 日本循環器病学会

・ICUで新規に発生したAF患者や、ERで初めてAFを指摘さ れた患者は、その時点でPAFかChronic AF(慢性心房細 動)かどうかは不明である。 →タイトルのPAF≒重症患者に新規に発生したAF

(3)

重症患者の

AFの分類

ERにおけるAF

・心外術後を除く

ICU患者のAF

・心外術後を除く

ICU患者の上室性不整脈

AFを含む)

・心外術後の

ICU患者のAF

*上記以外の

AF患者を非重症患者(病棟)とする

(4)

文献の検索方法

・2015年10月にPubMedを検索 ERにおけるAF →[emergency department]+[atrial fibrilla+on] ICU患者のAF →[atrial fibrilla+on] +[cri+cal care] ICU患者の上室性不整脈 →[supraventricular arrhythmia]+[cri+cal care] 心外術後ICU患者のAF →[cardiac surgery] +[atrial fibrilla+on] その他 →[AFの薬剤名]+[atrial fibrilla+on] 上記に加えて、過去の勉強会の資料等を参考に文献を検索。

(5)

目次

1.AFの一般論

2.ICU患者のAF(心外術後を除く)

3.ICU患者の上室性不整脈

(心外術後を除く、

AFを含む)

4.心外術後のICU患者のAF

5.AF全般に対する薬剤の有用性

(6)
(7)

AFのメカニズム

・発生原因 心房の構造的異常、 心房の電気生理学 的異常、またはその 組み合わせ。 自律神経系などの 外因性の要因も、多 くの場合で関与。 ・AFの病態生理は 完全には理解されて いない。

JAMA 2015;314:278-288

Circula+on 2014 ;130:2071-104 自動能の亢進etc. 虚血、肥大etc. 高血圧、 肥満etc. 自律神経系 活性化 炎症、 酸化ストレス レニン・アンジオテン シン・アルドステロン 系活性化 心房性頻拍 リモデリング 遺伝子変異

(8)

Acad Emerg Med 2012;19:1255-60 ・カナダ、アメリカ、イギリス、オーストラリアの救急医療団 体に、ERのAF(新規に発生したAFと再発したPAF)の治療に ついてメールで質問し、調査 ・回答率は、全体で40.5% ・調査結果はカイ2乗検定で、分析

ERにおけるAFの治療

(9)

*メトプロロールの注射薬は国内未承認。

レートコントロール

リズムコントロール

(10)

JSEPTIC簡単アンケート 第33 弾:ICU における不整脈の管理 (2014 年1 月実施) 回答者139名 日本の ICU ↓ β遮断薬、 Ca拮抗薬 以外は、 少数派

(11)

AFのガイドライン

・レートコントロール ClassⅠ:β遮断薬または非ジヒドロピチジン系Ca拮抗薬を用 いる。緊急時は静脈内投与し、血行動態不安定な場合は電 気的除細動を行う(B)。ClassⅡa:重症患者のレートコント ロールにアミオダロンの静脈内投与を考慮してもよい(B)。 ・薬剤によるリズムコントロール ClassⅠ:フレイカイニド(タンボコール、器質的疾患がない場 合)、dofe+lide、プロパフェノン(プロノン、器質的疾患がな い場合)、静注ibu+lideが第一選択(A)。ClassⅡa:アミオダロ ンの経口も可(A)。 Circula+on 2014;130:e199-e267 *AFに対するアミオダロンは、日本では、経口薬が肥大型心 筋症に伴う心房細動にのみ保険適応あり。

(12)

一般論のまとめ

・病態生理は完全に解明されていない。

ERでは、レートコントロール目的でジルチアゼム

とメトプロロール、リズムコントロール目的で

プロカインアミドとアミオダロンが多く使用される。

・日本の

ICUでは、AFに対して、レートコントロール

で推奨されている

β遮断薬とCa拮抗薬が主に使用

されている。

(13)
(14)

ICU患者のAFの一般論

ICU患者における新規に発生したAFを対象とし

たシステマチックレビュー(心外術後を除く)

・病因とアウトカムに関する

10研究、治療に関する

5研究をまとめている。

(15)

・危険因子

     

    ・発生率   

外傷 感染 既往 臓器 不全 敗血症性ショック 46%

(16)

術後

AF(心外を除く)に対する予防的薬剤

Ann Thorac Surg 2014;98:1989-97 肺癌術後に関する10研究のシステマチックレビュー *術式は開胸術またはVATS (プラセボor投与なし) (肺全摘)

(17)

・結果

:アミオダロンが最も有効

術後

AF 30.4%→9.6%に減少 (p < 0.001)

・副作用(低血圧と徐脈)は、アミオダロンと

Mgで少な

かった。

ジゴキシン以外予防効果あり

(18)

ICU患者のAFに対する治療

Crit Care Med 2008;36:1620-4

ICU患者における新規に発生したAFのリズムコント

ロールに関する

4つのRCTをまとめたシステマチックレ

ビュー(心外術後を除く)

1966~2006年 ,n=89

3研究で血行動態不安定患者を除外

・洞調律に戻るまでの観察時間:

1~24時間

(19)

・レートコントロールとして使用されるβ遮断薬とCa拮抗薬 は、リズムコントロールとしても効果あり

(20)

ICU患者のAFの予後

・コホート研究

・対象:

2日以上ICUに入室した患者1770人

(除外:心外術後と外傷患者)

・方法:

ICU入室してからの4日間を調査。

プライマリーアウトカムは、

AF(新規発生と再発)と

no AF患者の院内死亡率の比較。

Crit Care Med 2015;43:2104-11

(21)

・結果

AF vs no AF: 院内死亡率 30% vs 17% (p<0.001)

85%のAF患者に対して治療が行われた

→治療群

vs 非治療群 : 院内死亡率 29% vs 34%

(p=0.557)

新規発生AF7% 再発AF6%

(22)

ICU患者のAFのまとめ

ICU患者で新規に発生するAFの発生率は5~20%

程度。敗血症性ショックで高い。

・敗血症やカテコラミンの使用などが危険因子。

・肺癌術後の予防的薬剤はアミオダロンが最も有

効と考えられる。

・予後不良因子であるが、

AFの治療を行うことで予

後を改善できるかどうかは不明。

(23)

3.ICU患者の上室性不整脈

(心外術後を除く、

AFを含む)

(24)

ICU患者の上室性不整脈(SVA)の割合

・ヨーロッパの26のGeneral ICUの1カ月で、24時間以上ICUに在室し た患者, n=1341(76%が非術後患者) 上室性不整脈:8%(113人) → AF:6.5%(87人) 心室性不整脈:2%(30人) 刺激伝導系異常:2%(30人)

Am J Respir Crit Care Med 2008 ;178:20-5 AF AFL PSVT

(25)

ICUにおけるSVA

・敗血症性ショックと診断されて、

ICUに入室した

患者

71人中30人(42%)にSVAが新規に発生した。

Ann. Intensive Care 2015;527

・心外を除く胸部外科手術の術後の

SVAでは、

危険因子は年齢、心疾患の既往、肺切除の既往。

Heart Surg Forum 2014;17:E308-12

Mgは胸部外科手術の術後のSVAに対して、

予防効果はなかった。

Br J Anaesth 2011;106:785-91

(26)

ICU患者のSVAの予後

Anesth Analg 2007;104:880-6

・イスラエル

,General ICU ,前向き観察研究

・対象:術後患者と外傷患者を中心に、

1年間のICU

入室患者

611人

(除外:心外術後、最近胸部外科手術を受けた患者、

胸部外傷)

9% (52人)が新規に30秒以上続くSVAを発生

AF患者は6% (38人)

(27)

・結果:

No SVA vs New onset SVA

APACHE IIスコア 16

±8 vs 23±8 (P<0.05)

入院死亡率

18% vs 56% (P<0.05)

4年後の死亡率 35% vs 71% (P<0.05)

・New onset SVA52人中50人で治療が行われ、 45人で治療効果はあった。

(28)

Intensive Care Med 1994;20:42-4 ・スペイン ,RCT ・対象:SVAを伴い、かつ呼吸不全(急性呼吸不全or慢性呼吸不全の悪 化)のためにICUに入室した患者 ,n=30 (除外:SVAによる重症心不全患者) 
 ・方法 フレカイニド(n=15)2mg/kg iv → 1.5mg/kg/min div(1hour) ベラパミル(n=15)0.15mg/kg iv → 0.005mg/kg/min div(1hour) 
 ・結果:フレカイニド vs ベラパミル 洞調律復帰率 80% vs 33.3% (P<0.01) *フレカイニド投与群のうち11人で、ivにより洞調律になった

ICU患者のSVAに対する治療

(29)

・RCT ・対象:アデノシン投与後でもSVA継続する、心外を除く術後ICU患者 ,n=64 ・方法 ジルチアゼム投与群(n=30) HR110/min以下まで20mg iv → 10~20mg/h div エスモロール投与群(n=34) HR110/min以下まで12.5~50mg iv → 50~100μ g/min div 洞調律に戻るまでの観察時間は2時間 ・結果:ジルチアゼム vs エスモロール 2時間後の洞調律復帰率 27.3% vs 59.1% (P=0.067) Anesthesiology 1998;89:1052-9

(30)

・日本の単施設のICU,2006~ 2011年,後ろ向きコホート研究 ・対象:HR120/min以上かつ SVA(1時間以上)を発症した敗 血症患者 ,n=61 (除外:上室性頻拍の既往、 入室時SVA) *ランジオロールは、日本でし か使用されていない。 World J Crit Care Med 2015;4:251-7

(31)

・結果:ランジオロール vs コントロール 24時間後のHR 90±20 vs 109±18 (P<0.05) 24時間後の洞調律復帰率 69.7% vs 36.4% (P<0.05) HR145±14 HR136±21

(32)

ICU患者のSVAのまとめ

ICU患者におけるAFを含むSVAは、AF単独と同様

に敗血症や呼吸器疾患などが危険因子である。

・予後不良因子であり、

SVAの治療を行うことで予

後を改善できるかどうかは不明。

Ca拮抗薬より、Ic群抗不整脈薬とβ遮断薬の方が

有効の可能性がある。日本で開発されたランジオ

ロールも他の

β遮断薬と同じような効果があるかも

しれない。

(33)
(34)

心外術後の

AFのメカニズム

J Am Coll Cardiol 2008;51:793-801 ・手術因子 外科的心房傷害、心房 虚血、肺静脈孔、静脈カ ニュレーション、急性の ボリューム変化 ・術後因子 ボリューム過多、低血圧、 後負荷増加
 ・トリガー因子 心房性期外収縮、電解 質不均衡、自律神経系 の不均衡 ・炎症 ・酸化 ストレス 高血圧、 肥満 etc. 心房構造基質 心房電気生理学的基質 Postopera+ve Atrial Fibrilla+on

(35)

心外術後の

AFの一般論

・発生率 術後2~3日後をピークに起こる。僧帽弁の手術を受けた 患者では30〜50%、バイパス手術は約30%である。 心疾患で関連するのは、左室肥大、心不全、高血圧、心 筋梗塞、心膜炎、心筋炎、先天性心疾患である。 Cardiovasc Ther 2014;32:242-52 ・危険因子 高齢、sleep Apnea、不整脈既往、うっ血性心不全、上・下 大静脈カニュレーション、人工心肺長期化 Crit Care Med 2015;43:1477-97 危険因子として指摘されていた肥満患者のオッズ比は 1.12(95%CI:1.04-1.21;P=0.002)と、リスクは中等度だった。 Ann Thorac Surg 2013;96.1104-16

(36)

・スコットランド ,2001~2012年 心臓手術を受けた49264人のデータを解析 (除外:術前不整脈の既往) ・POAFと、死亡率・合併症・ICU滞在日数・入院中コストなど の関連を調査 ・結果:19%(9255人)に新規にPOAFが発生。

心外術後

AFの予後

Ann Thorac Surg 2014;98:527–33

(37)

←死亡率,再入院 率etc. POAFの方が全体 で高い POAFの死亡率の 調整オッズ比 2.04(P<0.001) ↓ 入院中のコスト 9000ドル増加(P<0.001)

(38)

心外術後の

AFに対する予防的薬剤

・第一選択は、β遮断薬。アミオダロンは、 β遮断薬が禁忌 のときに使用。ソタロールは毒性の増加と関連。 ・適切な予防→POAFを約50%減少できる

Crit Care Med 2015;43:1477-97

(39)

Anesth Analg 2015;121.861–7 ・double blind RCTの結果を再解析 ・対象:心臓外科手術患者363人 (除外:術前AF 精神疾患 腎不全 肝不全 etc.) ・方法 Mg 50mg/kg iv → Mg 50 mg/kg術中3時間持続静注(n=186) vs プラセボ(n=177) ・結果:AF発生率 Mg 42.5% vs プラセボ 37.9% (p=0.40)

(40)

心外術後の

AFに対する治療

・RCT ・対象:心外術後患者,HR100/min以上のAF/AFL(5分以上) ,n=30 ・方法 エスモロール:500μg/kg iv → 25〜50μg/kg/min div ジルチアゼム:0.25mg/kg iv →反応不良 0.35mg/kg iv ,5~15mg/h div Am Heart J 2000;140:176-80

(41)

エスモロール vs ジルチアゼム 6時間後の洞調律復帰率 67% vs 13% (p=0.03) 24時間後の洞調律復帰率 80% vs 66% (有意差なし) レートコントロールと副作用: 両群で有意差なし (HR<90)

・結果

(42)

・スイス ,心外術後ICU ,DCの成功率を検討 後ろ向き観察研究 ,2013~2014年 ・対象:新規に発生した心外術後AF患者(7日以内) ,n=72 (除外:慢性心房細動と上室性頻拍)

心外術後の

AFに対するカルディオバージョン

Crit Care Med 2015;43:2354-9

(43)

・結果:71%がDC直後に洞調律→24時間後の洞調律維持は23% 退院時:20%は薬剤介入なしに洞調律復帰       46%にアミオダロンが投与 ・200Jのショックが85%に施行

(44)

心外術後

ICU患者のAFのまとめ

・心外術後の

AFは、発生のメカニズムが一般的な

ものと異なり、発生率と死亡率も高い。

・心外術後の

AFの予防的薬剤で有効なのは、

β遮断薬で、次にアミオダロン。

・心外術後の

AFは、予防的薬剤に関する研究が多

く、治療薬は、

β遮断薬とCa拮抗薬が有効と考えら

れるが、推奨するほどの情報はない。

DCでは再発が多い。

(45)
(46)

抗不整脈薬の

AFに対する作用機序

・Ic群抗不整脈薬:Naチャネル遮断作用を有し、房室伝導 抑制と不応期を延長させる。副作用はリエントリーが大き くなり、Ic flutterになる。

日本循環器病学会 不整脈薬物治療に関するガイドライン (2009年改訂版)

(47)

抗不整脈薬の

AFに対する作用機序

・ β遮断薬:交感神経の緊張を減少させることにより、房 室伝導速度が遅くなり、房室結節不応が増加する。
 JAMA 2015;314:278-288 ・アミオダロン:Kチャネル・Naチャネル・Caチャネル遮断作 用を有し、交感神経ブロックとCaチャネルブロックで間接 的に房室結節に作用する。 ・Ca拮抗薬:洞結節・房室結節で主に働いているCaチャネ ルをブロックし、房室伝導抑制と同時に洞性徐脈をきたす。 ・Mg:Ca拮抗薬の作用の弱いものである。心拍数を下げる が、Ca拮抗薬の副作用である房室ブロックや徐脈、低血 圧をきたさない。 Heart 2007;93:1433–40

(48)

Ic群抗不整脈薬

日本循環器病学会

(49)

・mul+center ,double blind RCT ・対象:7日以内発症の非重症患者のAF ,n=75 ・方法 ピルシカイニド(150mg単回経口投与) vs プラセボ 洞調律に戻るまでの観察時間は90分 ・結果:ピルシカイニド vs プラセボ 洞調律復帰率 45% vs 8.6% (p < 0.01) *ピルシカイニドは日本と韓国でしか使われていない。 Conversion of Recent-Onset Atrial Fibrilla5on by a Single Oral Dose of Pilsicainide (Pilsicainide Suppression Trial on Atrial Fibrilla5on) Am J Cardiol 1996;78:694-7

(50)

・日本の単施設研究 ,2003~2007年 ・対象:ERで、DCを施行されたPAFかChronic AF患者 ,n=253 洞調律に戻るまでの観察時間は3時間

J Cardiol 2009;53:35-42 ・ランダムに ピルシカイニドor シベンゾリン iv *1st DCと2nd DC は同じエネルギー

(51)

・結果:ピルシカイニド vs シベンゾリン 洞調律復帰率 42% vs 77% (p<0.01) ・DC後のPAF→シベンゾリンの方がピルシカイニドより有効 洞調律に復帰した群は、 AFの持続時間が短い

(52)

・スペイン ,single blind RCT ・対象:ERで48時間以内に新規に発生したAF患者 ,n=150 (除外:EF<35% うっ血性心不全 腎不全 etc.) ・方法 アミオダロンとフレカイニドとプロパフェノンを、それぞれ 2mg/kg iv (8時間以内にAFが停止しない場合には1mg/kg追加) Am J Cardiol 2000; 86: 950-953

(53)

・結果:フレカイニド vs プロパフェノン vs アミオダロン 8時間後の洞調律復帰率 82% vs 68% vs 42% (P<0.001) 12時間後の洞調律復帰率 90% vs 72% vs 64% (P=0.008) *プロパフェノンは、国内では静注薬は未承認。 ・副作用:3剤で有意差なし

(54)

β遮断薬

・prospec+ve ,open label RCT ・対象:ER でHR100>かつ1時間以内に新規に発生したAF or PAF ,n=50 (新規発生のAFは全体で60%程度) ・方法 ジルチアゼム投与群(n=26) 0.25mg/kg iv後HR100>のときは0.35mg/kg iv追加 → HR90< 5mg/h ,HR90~120 10mg/h ,HR>120 15mg/h div エスモロール投与群(n=24) 0.5mg/kg iv後HR100>のときは0.5mg/kg iv追加 → HR90< 0.1mg/kg ,HR90~120 0.2mg/kg ,HR>120 0.3mg/kg div

(55)

・結果 24時間後の洞調律復帰率 42% vs 39% (P=1.0) 24時間後のHR 86±12 vs 91±14 (P=0.3) 平均累積投与量 131±89 mg vs 9627±1888 mg ・AFに対する治療に差はない。 エスモロールの方が、コストがかかる可能性がある。 ・ジルチアゼム vs エスモロール

(56)

・RCT ・対象:ERでAFまたはAFLを呈する患者 ・ジルチアゼムとメトプロロールのレートコントロール率(目標HR<100)を比較 30分間、収縮期血圧と拡張期血圧と心拍数を調査 
 ・結果:ジルチアゼム vs メトプロロール 5分後のレートコントロール率 50.0% vs 10.7% (P<0.005) 30分後のレートコントロール率 95.8% vs 46.4% (P <0.0001) ・2群間で低血圧(収縮期血圧<90 mmHg)と徐脈(HR <60)に対する有意差は なかった。 J Emerg Med 2015;49:175-82 Dil5azem vs. Metoprolol in the Management of Atrial Fibrilla5on or FluDer with Rapid Ventricular Rate in the Emergency Department

(57)

アミオダロン

Chest 2009;135:849-59

AFの治療薬に関するRCTとメタ解析をまとめた

システマチックレビュー

・アミオダロンに関しては、

7研究をまとめている

(心外術後ICU1 ,ICU2 ,ER2 ,非重症患者1 ,不明1)

(58)

・新規に発生した

AFを対象とした研究で、アミオダロン

は経口薬と静注薬ともに洞調律復帰率が高い

・経口薬は肺合併症などの副作用が問題

静注薬の副作用は、静脈炎・徐脈・低血圧

(59)

Ca拮抗薬

・香港 ,open label RCT ,2004~2006年 ・対象 ERでHR>120かつ48時間以内に新規に発生したAF患者 ,n=150 (除外:うっ血性心不全 ペースメーカー患者  植え込み型除細動器患者 etc.) ・方法:ジルチアゼム・ジゴキシン・アミオダロンを静脈投与した群 を1:1:1で割り付け プライマリーアウトカムは、24時間以内にHR<90に達すること Crit Care Med 2009;37:2174-9

(60)

・結果:ジルチアゼム vs アミオダロン vs ジゴキシン 24時間後のレートコントロール率 90% vs 74% vs 74% (p<0.0001) 24時間後の洞調律復帰率 34% vs 36% vs 24% (p>0.05) ・ジルチアゼムは入院期間を短縮

(61)

・double blind ,cross over ,RCT ・対象:HR120>かつ収縮期血圧100mmHg以上の非重症患者 n=17(AF5 ,AFL10 ,AFとAFL2) ,除外:心不全  低血圧 etc. ・方法:ジルチアゼムかベラパミルをボーラス後、8時間持続静注 Pharmacotherapy 1997; 17:1238-45 ・結果:ジルチアゼム vs ベラパミル 平均HR 96±11 vs 97±9 (有意差なし) ・副作用:ベラパミルで3人低血圧

(62)

・1995~2005年の9のRCTをまとめたメタ解析 (ER3 ,ICU1 ,非重症患者2 ,不明3)          (方法)

Mg(マグネシウム)

Am J Cardiol 2007;99:1726-32 (観察時間)

(63)

Mgはレートコントロールとリズムコントロールの両方

の治療で有効。死亡に関する報告はなし。

Mg投与

血清

Mg濃度↑

↓ 

洞調律に復帰、

というわけではない

(64)

・1996~2006年 10のRCT (ER3 ,ICU2 ,心外術後ICU1 , 非重症患者3 ,不明1) ・対象:7日以内に新規に AFを発生した患者 ,n=515 ・MgSO4投与量:1.5~5g 観察時間:1~24時間

(65)

結果 ・レートコントロール(HR<100になる割合) Mg + ジゴキシン vs プラセボ 58.8% vs 32.6 (p<0.001) Mg vs Ca拮抗薬 or アミオダロン 21.4% vs 58.5% (p<0.001) ・リズムコントロール Mg + ジゴキシンまたはibu+lide vs プラセボ 25.3% vs 19.3% (p=0.61) Mg vs Ca拮抗薬 or アミオダロン 36.2% vs 18.2% (p=0.17) ・Mgの副作用(flushing ,+ngling ,dizziness)は17%の患者にみられた。

(66)

J Crit Care 2015;30:1349-58 ・結果 低Mg血症(0.7mmol/ L以下) ↓ 死亡リスク増加 (オッズ比 1.85,95%CI1.31-2.60; I2=0) ・Mgの治療は、アウ トカムと関連なし 1975~2014年 のICUの研究 心外術後を除外

(67)

ジゴキシン

・リバロキサバンとワーファリンを比較した

RCTである

ROCKET-AFでジゴキシンは多く使用されていた。

そのデータをコックス比例ハザード回帰モデルを使用し

て解析。

・対象:非重症の

AF患者14171人

(Chronic AF 81% ,PAF 18% ,新規に発生したAF 1%)

Lancet 2015;385:2363-70

(68)

・結果

37%(5239人)にジゴキシンは投与されていた。

ジゴキシンが投与された群で、総死亡率、血管

系疾患による死亡率および突然死の頻度が高

かった。

(69)

レートコントロール薬の比較

・目的:AFのレートコントロール薬が予後を改善するかどうか ・対象:台湾の国民健康保険研究のデータベースを使用し、 退院時にAFと診断された患者。ERやICU患者の割合は不明。 ・方法:β遮断薬かCa拮抗薬かジゴキシンが投与された群と未 治療群を調査。臨床エンドポイントは、全死因の死亡率。 Circula+on 2015;132:1604-12

(70)

・結果 追跡期間は4.9±3.7年、死亡率は32.7%(88263人) β遮断薬とCa拮抗薬:死亡率減少 ジゴキシン:死亡率増加 サブグループ解析やpropensity matching後も結果は同じ

・ β遮断薬が最も死亡リスクを減少させ る。

(71)

薬剤のまとめ

Ic群抗不整脈薬:ガイドラインの推奨通りフレカイニド

とプロパフェノンの洞調律復帰率が高いが、副作用の

問題がある。

ピルシカイニドの洞調律復帰率は高くはなく、予防効

果を含め有効性が高いかどうかは不明。

β遮断薬:メトプロロールよりエスモロールの方が洞

調律復帰率も高く、レートコントロールに適する。

・アミオダロン:洞調律復帰率が高く、レートコントロー

ルでも使用できるが、副作用の問題がある。

(72)

薬剤のまとめ

Ca拮抗薬:ジルチアゼムとベラパミルでレートコント

ロールに差はないが、ジルチアゼムの方が洞調律復

帰率が高く、低血圧も少ない。

Mg:レートコントロールとリズムコントロールの両方で

使用できる。血清

Mg濃度とリズムコントロールに関係

はないが、低

Mg血症のICU患者は、死亡リスクが上昇

する。

・ジゴキシン:

AFに対して使用すると、予後不良の可能

性がある。

(73)

私見

・日本の

ICUでは、新規に発生したAFに対して、リズム

コントロール目的で薬剤を投与することは少ないのか

もしれない。

しかし、

AFの治療薬は、日本では未発売の薬剤や、

静注薬が未発売の薬剤もあり、日本でしか使用されて

いない薬剤もある。さらに、アミオダロンも日本では保

険適応の関係で使用に制限がある。

そのため、一概に海外と比較することは難しいかもし

れない。

(74)

私見

・レートコントロールに関しては、ジルチアゼムより

β遮

断薬の方が有効な可能性があるが、コストの問題は無

視できない。

・リズムコントロールに関しては、第一選択として使用

する薬剤は決まっていない。

しかし、低

Mg血症のICU患者は、予後不良の可能性が

あり、

ICUでAF+低Mg血症の患者をみたら、まずMg投

与、というスタンスでもいいかもしれない。

・心外術後以外にも、

AFが発生しやすい手術での予防

的薬剤に関する研究に期待したい。

参照

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