香 川 大 学 経 済 論 叢 第63巻 第 2弓 1990年9月 1-29
西独における持分法会計について
笠 井 敏 男
I は じ め に 西独では, EC 4号指令(個別財務諸表), 7号指令(連結財務諸表)及び8 号指令(会計監査人の資格)を国内法へ変換することを目的として,1
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が制定された。この主 要部分は,商法典に新設された第3
編「商業帳簿」に挿入され,1
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日から施行されている。ただし,経過規定により,個別決算書に関する規定に ついては,1
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日以後に始まる事業年度から,コンツェノレン決算書に 関する規定については,1
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日以後に始まる事業年度から初めて適用 されることになっている。新商法典において,会計及び監査に関する規定が旧 法に比べて大幅に改正され一新された。中でも重要な改正点として,連結会計 において,関連企業に対する資本参加の評価に持分法の適用が強制されたこと である。 そこで,本稿では西独連結会計における持分法について,規制内容を概観し, その会計処理について検討することにしたい。 II 持分法の意義 持分法とは,取得原価を基礎とし,被資本参加企業の自己資本の持分相応 額の変動に応じて資本参加勘定を修正する方法である。したがって,被資本参、 加企業の年度利益の持分相応額は,その発生の年に,コンツェルン損益計算書 に資本参加収益として引き継がれ,同時に資本参加勘定の帳簿価額を増額する。 逆に,年度損失の持分相応額は資本参加勘定の帳簿価額を減額する。また利益-2ー 香川!大学経済論叢 200 配当額は,利益発生の年にすでに年度利益の持分相応額が収益として計上され ているので資本参加勘定から減額すよ
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このように持分法は資本参加勘定の金額と被資本参加企業の自己資本とを直 接的に結び付け資本参加勘定を評価する方法であ£ 新しく設立された企業の場合,その企業に対する資本参加の取得原価と被資 本参加企業の貸借対照表上の自己資本の持分相応額とは一致する。しかし既存 の企業に対する持分を取得した場合または取得後の年度において持分法を適用 する場合,取得原価と被資本参加企業の自己資本の持分相応額は一致しない。 ここに,持分法を初めて適用する場合,資本参加勘定の帳簿価額と自己資本の 持分相応額を相殺することが必要であり,差額が生じる。この資本相殺差額は 次年度以降に償却(取崩)される。その結果,資本参加勘定の金額は,傾向的 に被資本参加企業の自己資本の持分相応額に等しい金額にな£ 持分法は,コンツェルン決算書だけでなく個別決算書においても適用可能で ある。しかし,西独立法者は,コンツェJレン決算書にだけその適用を強制して いる。コンツェノレン決算書に持分法を適用した場合,連結純資産及び連結損益 の額は,原則として全部連結をした場合と同一の結果となる。このことから持 分法は1
行連結(one-line-consolidaition)ともよばれる。持分法は全部連結を補 完するために適用される会計処理方法だということができる。 (1) 持分法会計に関する主なドイツ文献として次のようなものがある。 E ., Hartmann/W, Schuffenbauer,“Bilanzansatz von Beteiligungen nach der Equity-Methode", in: DB, 1975, S 701-705
H, Jonas,“Die Equity匂Methode",in: BFuP., 1981, S..550-568
E, Har町ms,/ K, Kuting,“Equity匂Accounting im Konzemabschluβin: BB.,
1982, S.2150-2161 H., Schafer, Bilanzieruη~g von Beteiligungen an αssoziierten Unternehmen nach der Equ#y-Methode, Frankfurt, 1982 H.., Havermann,“Die Equity-Bewertung von Beteiligungen", in: ZfbF, 1987, S 302-309 K, Kuting/H., Zundorf “Die Equity-Methode im duetschen Bilanzrecht", in: BB., Beilage7/ 1986 K, Kuting/H., Zundorf,“Die Praxis des Equity-Acc0unting
ヘ
in:BB., 1988, S.872-881 (2) H., Schafer, a. a.0, S 17 (3) H., Havermann, .a a..0, S.304201 西独における持分法会計について -3-凹 持分j去の適用範囲 持分法の適用対象については,商法典 311条 1項において,次のように規定 されている。 「コンツェルン決算書組入企業が,第271条 1項による資本参加を有する非 組入企業の営業政策及び財務政策に重要な影響を及ぼすときは(関連企業), 当該資本参加は,コンツェルン貸借対照表において適切な名称を付した特別 の科目によりこれを表示しなければならない。企業が他企業において社員議 決権の5分の 1以上を保有するとき,重要な影響を推定する。」 上記規定は,E C7号指令第 33条 1項をほぼ問ーの文言で引き継いだ規定で あり,英米の会計実務及び国際会計基準3号と同様に関連企業に対する資本参 加について持分法の適用を強制している。 そこで,まずはじめに,持分法の適用対象である関連企業の概念について考 察することにしたい。 1 関連企業に対する資本参加 (1) 関連企業の定義 関連企業の概念については,上掲の商法典331条 1項の規定より,次の 2つ の要件を満たしている企業である。 ① 連結企業が,その他の非連結企業に対する 271条 1項による資本参加を 保有していること。 ② 連結企業が,その他の企業の営業政策及び財務政策に重要な影響を事実 上与えていること。 以下
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つの要件について検討することにしたい。 ① 「資本参加」の保有 この要件は,連結企業が保有するその他の非連結企業の持分を貸借対照表上 回定資産の部の「資本参加」として表示していることを意味し r資本参加」の 表示内容については,商法典271条 l項において規定されており,それによる-4- 香川大学経済論叢 202 と r資本参加は,証券により表章されていると否とを問わず,他の企業に対す る持分であって,当該他企業との聞に継続的結合関係を確立することにより, 自己の営業活動に役立つことが定められているものをいう。疑いのある場合に は,持分が額面で資本金の
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を超えている場合,資本参加とみなす」と 定められており,この規定により r資本参加」は,r
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保有目的が長期であるこ と,②投資意図が,自己の営業活動(コンツェルン)に役立つことを目的とし ていることの2つの前提が与えられている他の企業に対する持分を意味すど; したがって,持分を一時的に保有してい場合及び単なる持分保有は r資本参加」 でなく関連関係(Assoziirungsverhaltnis)は存在しなく,被資本参加企業は関 連企業ではない。ただし,①保有目的,②投資意図のいずれの場合も,判定に 主観的要素が介在し,客観的に明確でない場合が多い。そこで,保有している 持分が20%
を超える場合には,上記2
つの前提は,与えられているものと推定 され,その保有持分は r資本参加」とみなされる。 ② 営業政策及び財務政策に対する「重要な影響」 「重要な影遣う(MaβgeblicherEinflus)概念は,関連企業に関する決定的メル クマールであるが,法律上,明確に定義されていない。これは r重要な影響」 は多種多様な形で存在し,ケース・パイ・ケースであり,明確な基準を示すこ とが困難であるためであ幻英米の会計実務,国際会計基準3号, EC4号指令 一 一 第17条,"EC7
号指令第一33条のPずわJにおいてむ関連査業めヌ7
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?lマ 三 ご7l/C -ー して「重要な影響」をあげている。 「営業政策及び財務政策に対する重要な影響」は,被資本参加企業の重要な決 (7) 定に資本参加企業が関与することを意味し;この概念を長年にわたり使用して (4) H Adler/W. During/K, Schmalz, Rechnungslegung und Prufung der Unte門zeh-men.5Aufl, Stuttgart, 1988, 271 Tz4ff
(5) r重要な影轡」は英語では(signifcantinfluence)であり,国際会計基準のドイツ語訳で は(beduetendemEinfluβ)が用いられていたが,法律では(erheblichemEinfluβ)が使用 されているが,これについては翻訳の問題であり,同義語であると解されている (H, Schafer, a. a. 0, S. 206)
(6) G., Gross/L Schruff/K, von Wysocki, Der Konzernabschluβ nach neuen Recht, , Dusseldorf, 1986, S.. 223
-5-いるアメリカの文献,実務では,-重要な影響」を与える手段として,次のよう な事例が示されてい£ 西独における持分法会計について 203 取締役会への代表派遣 経営方針決定過程への関与 重要な企業間取引 役員の人事交流 ① ② ③ ④ ⑤ 技術的依存性 (9) アメリカとほぼ同様の事例が示されている。 イギリスにおいても, ドイツでは英米と法体系を異にするために上の事例がそのままあて 会社法関係と経済関係 「重要な影響」の行使の手段として, の2つに分けて,次の事例が示されてい坑 しカ〉し, はまらない。 ドイツ文献では, 会社法関係 株主総会(社員総会)における議決権の行使(経営方針決定への関与) 監査役会への代表派遣 取締役会への代表派遣 取締役,監査役以外の管理者の交流 におけ また取締役会,監査役会への代表 派遣により直接的に行使することができる。例えば,資本参加企業の取締役会 重要な企業間取引 被資本参加企業の重要な財務依存性 被資本参加企業の重要な技術依存性 被資本参加企業への「重要な影響」の行使は,株主総会(社員総会) る議決権の行使により間接的に可能であり, ① ② ③ 経済関係 ① ② ③ ④
(8) AICPA APB.Opinion N 0.18, "The Equity Method of Accounting for investments in Common Stock", in: The Journal of Accountancy, 1971, P 63
(9) Institute of Chartered Accountants in England and Wales, SSAP No 1, Statement of Standard Accounting for the Results of Associated Companies, London, 1971, ~ 6 (10) H, Schafer, a. a.0, S..211
-6- 香川大学経済論叢 204 構成員が,同時に被資本参加企業の取締役会構成員である場合または監査役会 構成員である場合である。特に, ドイツでは監査役会は取締役会構成員の任免 権を有しており,また重要な決定は監査役会と協議しなければならなく監査役 会への代表派遣は「重要な影響」を行使する重要な手段である。 経済関係に関しては,大きなコンツェ1レンでは,すべての被資本参加企業に 取締役,監査役を派遣することが数の上からできない。そこで管理者を派遣す る。それ以外に,供給契約,信用契約等はそれだけで「重要な影響」を行使す ることはまれであり,通常,資本参加または付加的な契約協定と結び付いて行 使される。 「営業政策または財務政策に対する重要な影響」は,商法典311条l項により その可能性の存在だけでは十分でなく,事実上,行使されていなければならな い。この点,アメリカでは「重要な影響」の可能性だけが要請されておけ?相 違がみられる。また商法典290条における全部連結の場合の統一的指揮(Ein -heitliche Leitung)については可能性だけで十分であるのに対して持分法の適 用について,事実上の行使を定めているのは,法的不一致であると指摘する論 者もい
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「重要な影響」について抽象的定義だけでは,実際上判断をする場合に困難を 伴う。そこで推定規定が設けられ,議決権の20%以上の持分保有の場合,反証 可能で、ない限り,資本参加企業は「重要な影響」を行使しているものと推定さ れる。「重要な影響」を事実上行使していない場合には,これを反証しなければ ならない。その場合の事例として,EC
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号指令33条の議事録によれば,持分 法適用のための必要な情報が入手できない場合と資本参加による権利が行使で きない場合を例示してい公 また逆に, 20%未満の持分所有であっても i重要な影響」を事実上,行使し ていることが立証される場合には,その企業は,関連企業となり持分法が適用(ll) AICPA
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APB-Opinion No.18,
~ 17 (12) H., Havermann, a.. a. 0, S.303205 西独における持分法会計について 7-される。 なお,持分法の適用に関しても重要性の原則が適用され,関連企業に対する 資本参加であっても「コンツェルンの財産状態,財務状態,収益状況について の真実かつ公正な写像の伝達により重要性が乏しい場合にはJ(商法典
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条2
第1図 関連企業の決定プロセス 非逮結企業に対する連結企業の商法典271条1項の 意味における資本参加が存在するか 非連結企業の営業政策及び財務政策.に 対して重要な影響力が行使されるか 具体例 取締役,監査役の派遣 企業決定への参加 企業問の重要な取引契約 管理者の内部交流 専門情報の依存性 YES 持分法適用のために必要な情報を入手 することができるか YES 資本参加が商法典311条2項の意味 で重要で町あるか N O N O 持分法適用除外8- 香川大学経済論叢 206 項)持分法を適用する必要はないとされている。 上述した持分法の適用対象である関連企業の決定の手順を図示すれば,第1 (14) 図のようになる。 2 共同企業に対する資本参加 商法典
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条 l項により共同企業 (Gemeinschaftsunternehmen),すなわち, 連結企業と 1つまたは複数の非連結の企業に共同して指揮されている企業,に 対する資本参加については,比例連結 (Quotenkonsolidierung)を選択適用する ことが規定されている。そして,比例連結を選択しなかった場合には,持分法 を適用することが強制されると解されてい忠それは,共同企業の場合,通常, 関連企業としての営業政策及び財務政策に対する「重要な影響」の前提が与え られていること及び共同企業に対する資本参加の場合,持分法適用のために必 要な情報を入手することが可能であるとされるからである。 3 非連結子企業に対する資本参加 持分法の適用は,また連結禁止〔商法典295条)または連結選択権の行使(商 法典296条)に基づく非連結の子企業に対する資本参加についても考慮される。 商法典295条により,子企業の営業活動が他の連結企業の営業活動と相違す るために当該子企業を連結することによりコンツェJレン決算書の作成目的で、あ る適正な財務情報の開示ができない場合には,当該子企業の連結は禁止される。 この場合の非連結子企業に対する資本参加については,明確な規定により持分 法が適用される。また商法典296条において,次の場合,連結選択権が認めら れる。 ①厳しい,長期の制限により,企業の資産または経営に対する親企業の権 利の行使が実質的に阻害されている場合 ② コンツェノレン決算書作成のために必要な情報を入手するために過度の費 (14) G, Gross/L, Schruff/K, von Wysocki, a. a.0, S.225207 西独における持分法会計について 9-用を要する場合 ③ 子企業の持分を専ら転売を目的として保有されている場合 上記連結選択権の行使による非連結の子企業に対する資本参加については, 持分法を適用すべきかどうかについて,明確な規定がない。したがって,持分 法適用の前提が存在するかどうかが検討されなければならない。
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持分法の適用 日 資 本 相 殺 持分法を初めて適用する場合に i資本参加」の取得原価と関連企業の自己資 本の持分相応額は,多くの場合,一致せず,差額計算のために資本相殺が行わ れなければならない。差額は借方か,貸方かにより継続記入か,償却か,取崩 される。その結果 i資本参加」の計上額は,傾向的に関連企業の自己資本の持 分相応額に等しくなる。持分法における資本相殺は,全部連結における資本連 結(商法典3
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条)と重要な点において一致する。資本連結において,簿価法 と評価替法の選択が認められているのと同様に持分法においても簿価法(Bu -chwertmethode) と資本持分法(Kapitalanteilsmethode)の選択適用が認めら れている。 2つの方法は,自己資本の持分相応額と差額の取扱を異にするが, 貸借対照表総額と年度損益について同ーの結果を導く。 以下において,簿価法と資本持分法の2
つの方法について概説し,設例によっ て相違を明確にしたい。 [ 1 ] 簿 価 法 適用初年度の処理 (1) 資本参加の計上額 商法典3
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項1
号に規定する簿価法によると i関連企業に対する資本参 加」は,コンツエ/レン貸借対照表において帳簿価額で計上される。帳簿価額は 「資本参加」について計画外償却が行われない限り取得原価と一致する。それ では,取得原価とは何か,これについては,商法典2
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項において「資産208 それが資 を取得しこれを経営において利用するために行われる支出額であり, 産に個々に配分されるものをいう。付随費用及び事後的取得原価も取得原価に と規定されている。 含む。取得価格控除額は減額しなげればならない。」 上記規定より取得原価は,次のように整理することができる。 格 価 多 国 十守 取 +取得付随費 十事後的取得原価 -取得価格控除額 =取得原価 資本参加勘定の取得原価として,第三者から取得した場合,購入代価に付随 費用,例えば,公証手数料,株式取引税,購入手数料等を加算し,これに対し 取得するか否かを決定する準備の費用(例,評価鑑定の費用)は含まれない。 事後的取得原価として,増資,隠れた増資
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,追加 払込等があ8
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上のように算定された取得原価が,関連企業の自己資本の持分相応額と相殺 される。 香川大学経済論議 -10← 差額の計算 ① 相殺対象の自己資本 持分法を初めて適用する場合に,資本相殺により取得原価と関連企業の自己 資本の持分相応額とが相殺され,差額が計算される。取得原価と相殺される自 己資本は,全部連結の資本連結(商法典3
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条)の場合と同様に,関連企業の 貸借対照表貸方の最初に表示されている自己資本のすべてを含む。具体的に, (2) 次の項目から構成される。 引受済資本金 YEYA ) 資本積立金 (I
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) 利益積立金 -( ) Y E ' ム ( Dussel -年度損益 (16) E., Weber.Grundsatze ordnungsmaβ,iger Bilanzierung fur Beteiligz明gen dorf, 1980, S..19lff (V) 繰越損益 (IV)209 西独における持分法会計について 11-上記以外に,借方に表示される自己資本の修正項目及び消極的自己資本,例え ば, (I) 引受済資本金の未払込資本金 (II) 自己持分 (III) 自己資本により補填されない欠損金 等がある場合は,これを控除した後の自己資本額であど なお,関連企業の自己資本額に関して,関連企業がその年度決算書において, コンツェノレン決算書と異なる評価方法を適用している場合,持分法適用のため コンツェノレン決算書に適用された評価方法に従って関連企業の資産,負債を評 価することができる(商法典
3
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2
条5
項1
文)とし,統一的評価を強制せず企 業の選択に任せている。そして,評価修正をしない場合には,コンツェlレン附 属明細書に記載すべきこととされている(商法典3
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条5
項2
文)。このように 評価修正を企業の選択に任せたのは,資本参加企業が関連企業から評価修正の ための必要とする情報を確実に入手できないこと及び多額の費用を要すること 等を配慮、したためであるといわれる。 ② 相 殺 の 時 点 資本相殺の場合に, どの時点の取得原価と関連企業の自己資本の持分相応額 が相殺され,差額が計算されるかについては,商法典3
1
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条3
項において,次 の3つの時点の選択が認められている。 (ア) 持分の取得の時点 付) 関連企業のコンツェJレン決算書への初めての組入れの時点 わ)2
回以上にわたり持分を取得する場合,企業が関連企業となる時点 上記以外に,商法典導入法2
7
条2
項により,新規定(商法典)の初めての適 用時点もまた相殺の時点として選択することが認められる。 資本相殺は,本来, (ア)の持分の取得時点においてこれを行うべきである。し かし,持分の期中での取得その他の理由で, (ア)の持分の取得時に,資本相殺を 行うことが困難な場合が想定される。そのために仰を選択することが認められ ている。しかし,持分の取得時と関連企業としてコンツェノレン決算書に初めて (17) K, Kuting/H.,Zundorf, a. a 0, S 5-12 香川大学経済論叢 210 組入する時点との聞に時間的に大きく相違がある場合,例えば,関連企業が取 得の年度においては,重要性が乏しいために商法典311条 2項の規定により持 分法が適用されず,後の年度において関連企業の急激な成長のために適用義務 が存する場合に, (イ)を選択すると(ア)を選択した場合と比べて,資本参加の帳簿 価額,自己資本が変動し,したがって,差額も大きく相違する。さらに,取得 の年度においても,取得時点と期末の組入時点との聞に資本参加の帳簿価額, 自己資本は変動する。ここに時点の選択により会計政策的操作余地が認められ (18) る。 (ウ)は,持分の購入が
2
回以上にわたり取得され関連企業となる場合に,本来 は,持分の取得毎に,資本相殺を行うべきであるが,持分の取得が長期間にわ たり行われた場合,過去に遡って実施しなければならなし「この歴史的金額を (19) 確定することが困難でありまたは全く不可能である」ため,実務便宜性の観点 から関連企業となった時点に一括して取得したものとみなし,その時点で相殺 が認められる。 なお,選択した時点については,コンツェルン附属明細書に記載することが 定められている(商法典3
1
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条3
項)。 (3) 差額の処理 資本参加の簿価と自己資本の持分相応額との相殺により生ずる差額は,全部 連結と同様にその発生原因を分析し,秘密積立金については,関連企業の資産, 負債に配分しなければならない(商法典3
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条2
項1
文)。この配分は,関連企 業の資産,負債そのものがコンツェルン決算書に引き継がれないので,次年度 以降の継続記入と同様に,副計算の形で統計的に行われる。そして,この配分 後の借方または貸方差額の残額については,商法典3
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項3
文の規定によ (20) り商法典309条が準用され,借方差額については,営業権として解釈される。 簿価法において,明示化された秘密積立金と営業権は,簿価の構成要素であ (18) K, Kuting/H, Zundorf, a. a.0, S.5 (19) K, Kuting/H, Zundorf, a. a 0, S.6 (20) WirtκhaJtspr:立ifer-Ha目dbzμh1985/86,Band 1,1Dusseldorf, 1986, S. 399211 西独における持分法会計について -13 り 2つの金額をコンツェルン貸借対照表において区分表示することは不可能 であり,簿価と自己資本の持分相応額との差額は,コンツェルン貸借対照表に 内書かまたはコンツエルン附属明細書に記載しなければならない(商法典
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条1項 2文)。コンツェルン貸借対照表において内書する場合,秘密積立金と営 業権の区分表示は,法律上規定していなししたがって,総額で表示しなけれ ばならない。ここに,簿価法は,コンツェルン貸借対照表においてI1行連結」 として表示される。 貸方差額が生ずる場合,簿価法において資本参加の計上額はコンツェノレン貸 借対照表において,帳簿価額であり,コンツェルン貸借対照表において貸方差 額の表示は不可能であり,そのため,貸方差額はすべての場合,コンツェルン 貸借対照表において注記によらざるをえない。2
次年度以降の処理 持分法の適用初年度における借方差額のうち資産,負債に配分された秘密積 立金については,次年度以降,資産,負債の処理に応じて継続記入されるか, 償却されるか,取崩される(商法典3
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条2
項2
文)。営業権については,利益 積立金と相殺されない限り 4年間で償却するかまたは利用することが予想さ れる事業年度に計画的に償却しなければならない(商法典3
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項3
文)。ま た「資本参加」計上額は I次年度以降において関連企業の資本金に対して親企 業に属する持分に相応する自己資本の変動額で,増額または減額しなければな らない。資本参加による利益配当額を控除しなければならない。J(
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条4
項)。 よって,次年度以降における「資本参加」計上額は第1
表のように計算され る。(21) K, Kuting/ C, Weber, DeァKonzernabschluβnach neuem Recht, Stuttgart, 1986,
-14- 香川大学経済論叢 第1表簿価法による「資本参加」簿価の継続記入 当初計上額 正常な継続記入 異常な継続記入 [ 2 ] 資本持分法 1 適用初年度の処理 (1) 資本参加の計上額 取得原価 (+)関連企業の年度利益の持分 相応額 (ー)関連企業の年度損失の持分 相応額 (ー)関連企業よりの受取利益配 当額 (-)配分可能な差額の償却 (一)配分不能な借方差額(営業 権)の償却
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鴎 5項の(可能な)評 価替と3
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条の未実現損益消去 の損益影響額 (-)計画外償却 (+)評価増 (+)資本払込 (-)資本払戻 =資本参加の計上額 212 持分法の適用初年度において,商法典3
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項2
号に規定されている資本 持分法によれば,簿価法と異なり I関連企業に対する資本参加」は帳簿価額で なくて,関連企業の自己資本の持分相応額でコンツェルン貸借対関表に計上さ れる。そして,その場合の自己資本額は,関連企業の個別貸借対照表の金額で はなくて,関連企業の資産,負債,計算限界項目 (Rechnungsabgrenzungspos -ten),貸借対照表補助(Bilanzierungshilfen),特別項目を,資本相殺の基準と なる時点の時価で計上した場合に生じる金額(商法典3
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項3
文)である。 したがって,資本持分法を適用する場合,まずはじめに,関連企業のすべての 貸借対照表項目を時価で評価替をした貸借対照表を作成し,そこに表示される213 西独における持分法会計について ← 15-自己資本の持分相応額がコンツェノレン貸借対照表に計上される。それ故に,秘 密積立金の持分相応額がその中に含まれることになる。ただし,全部連結の資 本連結における評価替法を適用する場合(商法典301条l項4文)と同様に, 制限規定が設けられており,自己資本の持分相応額は,関連企業に対する資本 参加の取得原価を超えることはできない(商法典312条l項3文)とされ,そ の意味において,資本持分法は「制限付」の持分評価法"であるといわれと (2) 差額の処理 資本相殺により,上記関連企業の自己資本の持分相応額と関連企業に対する 資本参加の取得原価とが相殺され,資本参加の取得原価が自己資本の持分相応 額を超過する場合に生じる借方差額は,明文をもって,コンツェノレン貸借対照 表において区分表示するか,またはコンツェノレン附属明細書に記載しなければ ならないと規定されている(商法典312条1項4文)。借方差額をコンツェノレン 貸借対照表において表示する場合,借方差額が資本参加勘定の計上額に含まれ ていないため,コンツェルン貸借対照表において区分表示しなければならない。 借方差額は営業権としての性格を有しているところからコンツェノレン貸借対照 表の項目分類の基準となる商法典266条の規定より無形固定資産の営業権とし (23) て表示すべきだとされる。 営業権として表示する場合,持分法の適用から生じる営業権だけを区分表示 するか,全部連結,比例連結,その他すべての営業権を総括して表示するかに ついては,法文からは明確でないが,個々に区分表示すべきことが要請されて いないのですべての営業権を総括してlつの項目でコンツェルン貸借対照表に 表示することも認められると解されていど 資本持分法によると,簿価法を適用した場合の「関連企業に対する資本参加」 の計上額が r関連企業に対する資本参加」と営業権の二つに区分して表示され る。ここに,資本持分法による場合も,コンツェルン貸借対照表において「関 連企業に対する資本参加」に営業権を含めた総額で,したがって,簿価法によ
(22) G, Gross/L, Schruff/K., von Wysocki, a.a.0, S. 233 (23) (24) K, Kuting/H, Zundorf, a. a.0, S.7
-16ー 香川大学経済論叢 214 る場合と同額で計上し,営業権の金額を内書するか,内書の代わりに細目表示 あるいは貸借対照表の下に注記する方法も認められるとの指摘もあ公このよ うな表示方法では,簿価法と資本持分法は注記の記載内容が異なるだけであり, 簿価法による場合には,秘密積立金の持分相応額と営業権の持分相応額とが記 載されるのに対して資本持分法による場合には,営業権の持分相応額だけが記 載されることになる。 借方差額をコンツェノレン附属明細書に記載する方法を選択することも法律上 認められている。しかし,資本持分法による場合,この方法は連結技術的に不 可能である。なぜなら,コンツェルン貸借対照表の借方が営業権の金額だ、け少 なく計上されるからである。 また,借方差額については,全部連結に関する商法典
3
0
9
条の準用により積 立金と相殺することも認められている(商法典312条 2項 3文)。 なお,貸方差額については,商法典312条 1項 3文の制限規定より自己資本 の持分相応額は資本参加の取得原価を限度とするとされ,この規定を厳格に解 すると,資本持分法による場合,発生する余地はなi
1
1
2 次年度以降の処理 持分法の適用初年度において,資本持分法によれば,簿価法と異なり「営業 権」と「関連企業に対する資本参加」がコンツェノレン貸借対照表において区分 表示される。次年度以降の処理は r営業権」について積立金と相殺されない限 り,商法典3
0
9
条の規定が準用され,区分して償却される以外は,簿価法と同 ーの処理がなされる。 [設長{
j
M社は, Mコンツェルンの親企業であり,コンツェノレン決算書の作成義務が (25) Wirtschasρri(fer-Handbuch 1985/86, S. 402 (26) K, Kuting/H, Zundorf, a.. a 0, S. (27) この設例は,次の文献に記載されているものを一部修正したものである。 K,Kuting/ 日, Zundorf, a. a..0, S.7-10215 西独における持分法会計について 17 ある。
M
社は,1
9
9
1
年1
月1
日にE
社の持分の40%
を価額1
0
0
.
0
0
0
で取得し, これにより, M社は, E社に対して重要な影響を及ぼしている。M
社は,1
9
9
1
年1
2
月3
1
日にE
社の資本参加勘定に対して持分法を適用しコ ンツエ/レン決算書を作成する。持分法適用のために必要な資料は,次の通りで ある。 (1) 取得日におけるE
社の貸借対照表の金額及び時価 帳 簿 価 額 H寺 価 秘密積立金 固定資産 土 地 50.000 70.000 20.000 機 械 70.000 90,000 20.000 流動資産 160,000 引受済資本金 100,000 私宅 立 金 80,000 負 債 100,000(
2
)
取得原価と自己資本の持分相応額の相殺は,持分の取得時とする。(
3
)
機械勘定の秘密積立金は5
年間で均等額を償却する。(
4
)
営業権は4
年間で均等額を償却する。最初の償却はすでに取得の年に 実施されている。(
5
)
1
9
9
1
年にE
社の年度利益は,9
0
,0
0
0
である。(
6
)
1
9
9
2
年にE
社は年度損失4
0
,0
0
0
を計上し,積立金5
0
.
0
0
0
を取崩し,1
0
.
0
0
0
の未処分利益(
B
i
l
a
n
z
g
e
w
i
n
n
)
を表示する。 (7)M
祉は,1
9
9
2
年にE
社よりの資本参加収益3
6
,0
0
0
を受け入れする。1
9
9
1
年1
2
月3
1
日 1 簿価法 まずはじめに,資本参加の取得原価と関連企業の自己資本の持分相応額を 相殺する。-18- 香川大学経済論叢 資本参加の取得原価 関連企業の自己資本の 持分相応額 100,000 -72,000 28,00
。
216 相殺により生じた借方差額28,000の原因分析をし,関連企業に含まれている 秘密積立金を控除する。 差 額 土地勘定に含まれる秘密積立金 (20,000x
04
)
機械勘定に含まれる秘密積立金 (20,000x
0 4) 28,000 8,000 -8,000 12,000 控除後の残額12,000は,営業権として表示する。 上の計算を基礎として 1991年12月 31日の「関連企業に対する資本参加」の 帳簿価額は,次のように計算される。 資本参加の取得原価 年度利益の持分相応額 機械勘定の秘密積立金の償却 (8,000XO “2) 営業権の償却 (12,000 X 0,25) 100,000 (十)36,000 (一)1,600 (一)~盟 131,400 「関連企業に対する資本参加」の評価額は,1991年12月31日に総額で131,400 である。これ以外に取得原価と自己資本の持分相応額との継続記入された差額 は,コンツエ/レン貸借対照表に注記するか,コンツェルン附属明細書に記載し なければならない。 コンツェルン貸借対照表の注記は,次のように記載される。217 西独における持分法会計について
。
J 7 i 関連企業に対する資本参加 内 差 額 23,400 23,400は,最初の差額 28,000と機械勘定の秘密積立金の償却額(1, 600)及び 営業権の償却額 (3,000) の差額であるO 秘密積立金と営業権の償却は,次のように仕訳される。 (関連企業からの損益 4,600 (関連企業に対する資本参加 4,600 131.400 年度利益の持分相応額は,次のように仕訳される。 (関連企業に対する資本参加) 36,000 (関連企業からの損益) 36,000 その結果,コンツェルン損益計算書において「関連企業からの損益」は差引 きれ31,400と表示される。 上述の処理を連結精算表で示せば、次の通りである。 整 理 記 入 コンツェJレン 結合決算書 決算書 1仕日乞 方 貸 方 資 本 ~ 争Pζ 加 100,000 ① 100,000 関連企業に対する資本参加 ① 100,000③ 4,600 ② 36,000 131,400 関 連 企 業 か ら の 損 益 ③ 4,600 ② 36,000 31,4002
資本持分法 資本持分法の場合,貸借対照項目を時価で評価替をした第二商事貸借対照表 を作成し,これに表示されている自己資本の持分相応額が計算される。 設例では,評価替により自己資本は秘密積立金40,000だけ増加する。その結 果,相殺すべき自己資本の持分相応額は, 88,000となる。 資本参加の取得原価 100,000 評価替後の関連企業の自己資本の 持分相応額 (一)88,00020- 香川大学経済論議 218 12,000 この残額は,営業権を示し,簿価法の営業権と等しくなる。簿価法の場合, 営業権は「資本参加」の簿価に含まれるのに対して,資本持分法では,特別科 目でコンツェルン貸借対照表に表示される。 この数字を基本として,コンツェノレン貸借対照表における表示額の計算のた めに他の修正を必要とする。資本持分法の場合,コンツェノレン貸借対照表にお いて2ワの項目に分けられるので 2つの項目が毎年継続記入される。 関連企業の自己資本の持分相応額
8
8
,000 年度利益の持分相応額(
+
)
36,000 機械勘定の秘密積立金の償却 (一)1,600 122,400 「関連企業に対する資本参加」として,コンツェノレン貸借対照表において 122,400が表示される。これ以外に営業権が9,000(1991年に3000償却されて いる)表示される。 1991年12月31日のコンツェルン貸借対照表には,次のように表示される。 営業権 9,000 関連企業に対する資本参加 122,400 資本持分法の適用の場合,営業権の償却は「関連企業からの損益」科目で一 括して処理する。 資本持分法による処理を連結精算表で示せば,次の通りである。 整 理 記 入 コンツェ/レン 結合決算書 決算書 { 昔 方 貸 方 資 本 参 力日 100,000 ① 100,000 戸凸~ .. 業 権 ① 12,000④ 3,000 9,000 関連企業に対する資本参加 ① 88,000③ 1,600 122,400 ② 36,000 関 連 企 業 か ら の 損 益 ③ 1,600② 36,000 3,1400 │④ 3,000219 西独における持分法会計について -2]-1992年12月 31日 1992年12月31日の「資本参加」の評価額の計算の出発点は,各々継続記入 された前年のコンツェルン決算書に表示された帳簿価額である。しかし,持分 法はコンツェルン決算書にだけ適用され,個別決算書には適用されない。その ために,前年のコンツェノレン決算書に表示されている「資本参加」の帳簿価額 を修正する必要がある。 簿価法 (関連企業に対する資本参加)31,400 (利益積立金)31,400 資本持分法の場合は,前年の営業権の償却額を修正するために,次のような 修正仕訳が必要である。 (関連企業に対する資本参加)34,400 (利益積立金 31,400 (営業権 3,000 次に,利益配当の受入額については,前年に年度利益の持分相応額を計上し ているので,-資本参加収益」を「関連企業からの損益」に振替し,さらに,次 の処理をする。 (関連企業からの損益)36,000 (関連企業に対する資本参加)36,000 年度損失の持分相応額と秘密積立金の償却額を次のように処理する。 (関連企業からの損益)17,600 (関連企業に対する資本参加)17,600 当期の営業権の償却 (関連企業からの損益)3,000 営業権)3,000 簿価法による「資本参加」計上額は,次のように計算される。 前年の計上額 年度損失の持分相応額 受取配当額 131,400 (一)16,000 (一)36,000
22- 香川大学経済論叢 機械勘定の秘密積立金の償却 営業権の償却 簿価法による処理を連結精算表で示せば,次のようになる。 整 理 記 入 結合決算書 {昔 方 貸 方 資 本 参 力日 100,000 ① 100,000 関連企業に対する資本参加 ① 100,000④ 36,000 ③ 31,400⑤ 20,600 利 益 積 i】'1 金 ③ 31,400 関 連 企 業 か ら の 損 益 ④ 36,000② 36,000 ⑤ 20,600 資 本 参 加 収 益 36,000② 36,000 (-) 1 ,600 (一
)
L
盟
立
旦
,
800 コンツェJレン 決算書 74,800 31,400 20,600 資本持分法による「資本参加」計上額は,次のように計算される。 関連企業の自己資本の持分相応額 122,400 年度損失の持分相応額 (一)16,000 受取配当額 (一)36,000 機械勘定の秘密積立金の償却 (一)~盟堕
,
800 資本持分法による処理を連結精算表で示せば,次のようになる。 整 理 記 入 コンツェ Jレン 結合決算書 決算書 イ 昔 方 貸 方 資 本 参 力日 100,000 ① 100,000 営 業 権 ① 12,000③ 3,000 ⑥ 3,000 6,000 関連企業に対する資本参加 ① 88,000④ 36,000 ③ 34,400 ⑤ 17,600 68,800 利 益 容i 11 金 ③ 31,400 31,400I 関 連 企 業 か ら の 損 益 ④ 36,000② 36,000 ⑥ 3,000 20,600 ⑤ 17,600 資 本 参 加 収 益 36,000② 36,000 220221 西独における持分法会計について -23-回 線 現 損 益 の 消 去 持分法を適用する場合の未実現損益消去に関して,E C7号指令33条7項の 規定と一致して,商法典312条5項3文において,次のように規定されている。 「判断のため重要な実情が認められるか,入手可能である限り,未実現損益 の取扱については,
3
0
4
条を準用しなければならない。未実現損益は,親企業 に属する関連企業の資本金への持分相応額を消去することができる。」 この規定により,持分法を適用する場合にも,全部連結における未実現損益 の消去に関する商法典3
0
4
条の規定が準用され,原則として未実現損益の消去 が義務づけられる。ただし,持分法の場合には,関連企業の特異性を配慮して, 「判断のため重要な実情が認められ,入手可能である限り」という制限規定が 設けられている。すなわち,関連企業に対し資本参加企業は支配的影響力を行 使することができない。したがって,未実現損益を消去する際に必要である計 算資料を関連企業から入手できない場合がある。この場合には未実現損益の計 算が不可能であり,そのために未実現損益の消去をしないことが認められるの (28) である。 持分法を適用する場合の未実現損益の消去について,全部連結と同様にこれ を義務づけることは,理論的に問題があり,文献上批判的見解が多く見られど すなわち,持分法の適用対象である関連企業は,経済的単一体であるコンツェ ルンに属さない。商法典2
9
7
条3
項1
文によれば,コンツエ/レンに属する企業 は親企業と連結子企業だけである。その結果,関連企業または関連企業とコン ツェルン企業の取号│から生ずる損益は2
つの異なる経済的単一体からの取号│か ら生ずるものであり,未実現損益でなく実現損益である。したがって持分法を 適用する場合の未実現損益の消去は,単一体理論(Einheitstheorie)に反するこ (28) Wirtschajゆ夕立ifer-Handbuch1985/86,S.404(29) G, Gross/L, Schruff/K, von Wysocki, a a. 0, S..243
F, Sahner,“Zum Zwischen巴rfolgseliminierung beim Beteiligungsansatz at
equity" in:BB, 1988, S..1780
K D, Haase,“Zum Z研ischenerfolgseliminierung bei Equity-Bilanzierung", in:
~24 香川大学経済論叢 222 とになり未実現損益を消去すべきでないと主張する論者もい
8
(
:
これに対し, Schaferは単一体理論を拡張した結合体理論 (Verbundtheorie) の立場から結合損益 (Ve伽 nderg伽 is)を消去すべきことを主張す8
1
彼によ れば Iコンツェルン決算書の任務は,コンツエノレン,すなわちコンツェJレンの 企業グループの財産状態および、収益状態についての情報のみを提供することで はない。多分,コンツヱルン決算書はコンツェルン企業の財産状態及び収益状 態についての詳細な情報と関連企業の財産状態及び収益状態についての集約さ れた情報を提供しなければならない。」とし,この場合に親企業と子企業からな る「擬制的法的単一体」内部の供給と給付からの損益だけでなく,関連企業を も含めた「擬制的経済的結合体」内部の取号l
からのすべての損益を未実現とみ なし消去すべきであると主張する。 米実現損益を消去する場合,未実現損益が発生する内部取引の態様により, 消去方法を異にする。内部取引の態様として,次の3つに大別される。 ① 関連企業からコンツヱ/レンへの供給と給付(アップ・ストリーム) ② コンツェルンから関連企業への供給と給付(ダウン・ストリーム) ③ 関連企業相互間の供給と給付 全部連結に関する商法典3
0
4
条の準用規定により,内部取引の態様により次 (32) のように処理すべきだとされる。 アップ・ストリームの場合,供給と給付による資産がコンツェルン決算書に 引き継がれているので,未実現利益は資産を直接減額し,未実現損失は資産に 加算すべきだとされる。 これに対して,ダウン・ストリームの場合,関連企業の資産はコンツエ/レン 決算書に引き継がれないので,未実現利益は「資本参加」の計上額を減額し, 未実現損失は加算すべきだとされる。 関連企業聞の取引から生ず、る未実現損益については,これを消去すべきか, (30) K., Kuting/H, Zundorf, .a. a.0, S. 18 (31) H町 Schafer,a. a 0, S 181223 西独における持分法会計について 一-25 どのように消去すべきかについては,法的には未解決で、あるが,消去する必要 (33) はないと解されている。 また,持分法を適用する場合の未実現損益の消去に関して,全額消去すべき か,それとも持分相応額だけを消去すべきかが問題となる。これについて商法 典
3
1
2
条5
項において,持分相応額を消去する部分消去の選択が認められてお り,事実,多くの文献において,全部連結とは対照的に,関連企業の特別な状 態を考慮し,部分消去によるべきだとされz
i
ただし,持分法が非連結子企業に 適用される場合には,未実現損益の部分消去が単一体理論に矛盾するところか ら,子企業との取ヲ│から生ずる未実現損益は全部連結の損益にできるだけ近づ けるために全額消去すべきであるとされる。 V 持分法適用にともなう個別問題 1 被資本参加企業の多額の損失の取扱 被資本参加企業において,多額の損失が発生したために,その損失を「資本 参加」勘定に反映させると「資本参加」勘定の帳簿価額がマイナスになる場合 がある。この場合に,持分法をそのまま適用すべきか,それとも中止すべきか が問題となる。これに関して,法律上,明確な規定はない。 この問題について西独の多くの文献民)アメリカのA P B意 見 書 ぱ 等 を 参 考とし,そこで提示されていると同一の取扱を示しており I資本参加」勘定の 帳簿価額がマイナスとなった時点で,原則として,持分法の適用を中止し I資 本参加」勘定は備忘価額で表示し,関連企業における損失は,統計的に把握さ れ,その後関連企業が利益を計上した場合に,まずはじめに統計的に把握され (33) l-I, Schafer, a. a 0, S 296 (34) F, Shner, a a..0, S. 1783 l-I, Schafer, a. a..0, S 298 (35) Wirtschajtstr由!fer.flandbuch1985/86, S 405(36) R, Buhner / K, HilIe,“Ar.wendungsprobleme der Equity-Methode fur die Konzer -nrechnungslegung in d巴rEuropaischen Gemeinschaft
ぺ
in・wtg.1980, S. 261-266Wir航haftψriifer.flandbnιh1985/86, S. 405 (37) APB Opinion No..l8 paragraph 19i
26- 香川大学経済論叢 224 た損失と相殺し,統計的に把握された損失が利益により完全に補償されて後に, 再び持分法を適用すべきであるとする。 そして,投資者が関連企業の損失につ いて責任を負わなければならない場合,例えば,投資者が無限責任社員である 場合,契約により追出資義務が定められている場合,引受済資本金の未払があ る場合,債務保証をしている場合,後援声明(Patorona teserklarung)の発表を している場合に限り,例外的に, 「資本参加」勘定の帳簿価額がマイナスの場合 においても持分法を適用し, マイナス金額は,貸借対照表の性格により引当金 または債務としてコンツェ/レン貸借対照表の貸方に表示しなければならない。 また被資本参加企業が一時的な損失発生だけで次期に利益の計上が確実である (38) と見込まれる場合にも持分法をそのまま適用する。 2 決算日が相違する場合の持分法の適用 コンツェルン決算書は,商法典299条1項により,原則として親企業の決算 日に作成しなければならない。 しかし,最も重要なまたは過半数の子企業の決 算日に作成することも認められる。ただし,連結決算日が親企業の決算日と相 違する場合には, コンツェノレン附属明細書にその旨と理由を記載しなければな らない。 コンツェノレン決算書が, その作成目的である企業集団の適正な財務情報を開 示するためには,連結企業の個別決算書の決算日は, コンツェノレン決算書と同 ーの決算日であることが望ましい。両者が異なる場合には,連結企業はコンツェ ルン決算書の決算日をもって仮決算書(Zwischenabschluβ)を作成し,それを 基礎として連結しなければならない。ただし,決算日の差異が3ヶ月以内の場 合は,仮決算書の作成は必要でなく,連結決算日と差異のある連結企業の個別 決算書をそのまま連結することが認められている (299条2項)。 しかし,持分法に関しては,上記規定は適用されず,商法典
3
1
2
条6
項l
文 により 「関連企業の直近の年度決算書を各々基礎とする」 とし,連結決算日と (38) G, Fr允k,Rechnungslegungf
.
訟l'Beteiligungen nach der Anschajtung吉kostenmethode225 西独における持分法会計について 27ー 関連企業の決算日の差異が3ヶ月を超える場合であっても全部連結のように仮 決算書の作成は必要とされない。したがって,極端な場合,決算日の差異が, 12ヶ月に及ぶ、場合であってもそのまま持分法が適用されることにな
8
1
このように,決算日に差異がある場合に,持分法の適用と全部連結とでは異 なった取扱がなされるのは,関連企業と子企業に対する連結企業の影響力の相 違に原因があるためであり,持分法の適用に関して簡略化が認められてい8
1
次に,持分法を適用する場合に,コンツェノレン決算書の決算日に任意に作成 され,監査された関連企業の仮決算書を基礎とすることができるかどうかが問 題となる。仮決算書は,確かに年度決算書ではない。したがって ,312条6項1 文の規定に反することになる。しかし,コンツェノレン決算書の決算日に作成さ れた仮決算書が直近の年度決算書(312条6項1文)よりコンツェルンの財産状 態,財務状態,収益状態の適切な像(264条2項)を与えるときは,仮決算書に 基づき持分法を適用することについては,なんら問題はないと解されてい2
1
もちろん,この場合には,それ以後の年度において,継続的に仮決算書を基礎 として,持分法を適用しなければならないことはいうまでもない。 持分法が,関連企業でなく,非連結子企業に対する資本参加に適用される場 合には,商法典299条 2項の規定により,決算日の差異が 3ヶ月を超えるとき には,直近の年度決算書ではなく,仮決算書を基礎として持分法を適用しなけ ればならない。 3 コンツエルン損益計算書の表示 持分法の適用によりコンツェルン貸借対照表に表示される「資本参加」勘定 の帳簿価額は次年度に引き継がれる。この継続記入はコンツェルン損益計算書 にも関係する。コンツェルン損益計算書の表示について商法典312条4項にお いて「関連企業資本参加に属する損益は区分した項目で表示しなければならな (39) U., Maas,/W., Schuruff,“Untershiedliche Stichtage im kunftigenKonzernabschlβ?忍ine Stellnahme zur Transformation on Art..27 der 7.EG -Richtlinie-
ぺ
in:防争>g1985, S 6一-28 香川大学経済論叢 226 い」とだけしか規定されていなしその記載内容に関して明確でない。そのた めに,例えば,営業権の償却を含むことができるかどうかが問題である。持分 損誌を 1つの項目で総括表示することについてはコンツェノレン決算書の開示力 に大きく影響す坑例えば,持分法適用企業が多数あるコンツエルンの場合, 個々の企業では全く異なる処理がなされているにもかかわらず差額のみが表示 され,また持分適用企業が l企業の場合であっても全く異なる処理の混合をも たらす。例えば,資本持分法により生じる営業権を償却する場合に,この金額 はコンツェノレンの固定資産明細書(AnlagespIegel)またはコンツェルン附属明 細書に償却として表示される。それに対して,コンツエノレン損益計算書におい ては 1つの残額だけが表示され,これから償却額は計算されない。この問題 は秘密積立金の継続記入にも生じる。主らに,商法典
2
4
6
条2
項の総額主義, 商法典2
9
7
条2
項の明瞭性,概観性に反する。このことから,関連企業に対す る資本参加からの収益と費用を区分してコンツェノレン損益計算書に表示すべき セあると指摘する論者もいどしかし,明文をもって総括表示が規定されてい ることから,コンツェルン損益計算書においては,持分損益を「持分法からの 損益」または「関連企業からの損益」という 1つの項目で表示し,その詳細に ついては,コンツェJレン附属明細書において必要な補足説明をすべきであると (.¥1) される。 なお,コンツェノレン損益計算川書において,営業権の償却を商法典2
7
5
条2
項 の7
a
[無形固定資産及び有形固定資産並びに資産計上した営業活動の開業準 備及び拡張費に対する償却]に表示し,年度利益,年度損失,受取配当金だけ を「関連企業からの損益」に表示した場合には,コンツェノレン附属明細書に「持 分法の適用により損益計算書にどのような項目が表示されているか」を記載す べ き で あ る と さ れ 詑 (42) K, Kuting/H , Zundorf,“Die Praxis des Equity-Accountingぺ
in:BB 1988, S 878 (43) J E:, Harms,“Ausweisfragen bei d巴rBewertung at equity", in:BB 1987, S.938 (44) K, Kuting/H, Zundorf, a. a 0, S.879 (45) H , Schafer, a. a.0, S.3562乙7 西独における持分法会計について -29