技術論文
シカフィット
®
AMY-G7 の検体種別(血清,尿)
および外部精度管理試料の反応性に関する検証
今駒 憲裕
1)西尾美紀子
1) 1) 福岡市医師会臨床検査センター(〒 814-0001 福岡県福岡市早良区百道浜 1-6-9) 要 旨 患者検体(血清および尿)を用い,4,6 エチリデン-4-ニトロフェニル-α-D-マルトヘプタオシド(Et-G7-PNP)を基質と するアミラーゼ(AMY)の JSCC 標準化対応法試薬“シカフィット AMY-G7”の JCCLS-SOP に対する反応性比較を行った 結果,“シカフィット AMY-G7”は,膵型および唾液型アイソザイム構成比,あるいは検体種別(血清および尿)に関わら ず,JCCLS-SOP とよく一致した。一方,α-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)-β-D-ガラクトピラノシルマルトサイド(Gal-G2-CNP)および 2-クロロ-4–ニトロフェニル-α-D-マルトトリオシド(G3-CNP)では,血清検体と尿検体の相関性試験で傾き の異なる回帰直線が得られ,本試薬と同じ Et-G7-PNP を基質に用いた他社キットでは血清検体で高値傾向が認められた。 外部精度管理試料の反応性試験では,“シカフィット AMY-G7”以外の市販キットは,ヒト遺伝子組換え体(リコンビナン ト AMY)の添加により JCCLS-SOP とは反応性が変化することが確認された。具体的には Et-G7-PNP を基質に用いた他社 キットでやや高値,G3-CNP でやや低値(共に目標値±5%以内),Gal-G2-CNP で許容下限値を下回る結果となった。キーワード
シカフィット® AMY-G7,JSCC 標準化対応法,JCCLS-SOP,リコンビナント AMY,反応性
α-アミラーゼ(AMY)(EC3.2.1.1)は澱粉(及び 類多糖類)中の α-1,4-グルコシド結合を加水分解し グルコースを生成する酵素である。ヒト体液中には 膵型(P-AMY)と唾液腺型(S-AMY)の 2 種類のア イソザイムが存在する。これまで,AMY 測定試薬 として様々な合成基質が市販されており,基質によ り活性値が異なる結果,施設間差が生じていた。そ のため基準となる勧告法の制定が望まれていたが, 1998年,国際臨床化学連合(IFCC)より,4,6 エチ リデン-4-ニトロフェニル-α-D-マルトヘプタオシド (Et-G7-PNP: G7)を基質とする勧告法が公表され1), 2004年には日本臨床検査標準協議会(JCCLS)が IFCC勧告法を JCCLS-標準操作法(SOP)として認 証した2)。さらに 2005 年 10 月,同基質を用いた方 法が日本臨床化学会(JSCC)により,勧告法として 承認された3)。これにより,検量用 ERM で校正する ことで基質による測定値の差が是正され AMY 測定 における施設間差縮小が可能となった。しかし,実 際にはアイソザイム比率が P 型あるいは S 型優位と なる検体では,基質の違いによる測定値の差が存在 することが報告されている4)。また,外部精度管理 等で使用される試料においても基質により差を生じ ることがある。 今回,SOP と同じ測定原理を用いた「シカフィッ ト AMY-G7」の基本性能評価を行うにあたり,SOP を比較対照法とする各種 JSCC 標準化対応法試薬の 反応性評価を実施し,反応性の違いに関する原因解 析を行った。 I 材料および方法 1.測定装置 LABOSPECT 008(日立ハイテクノロジーズ)を使 用した。
2.試薬 JSCC標準化対応法試薬には,G7 を基質とするシ カフィット AMY-G7(関東化学:本試薬または G7-K)および AMY-EL(セロテック:G7-S)5),α-(2-ク ロロ-4-ニトロフェニル)-β-D-ガラクトピラノシルマ ルトサイド(G2)を基質とするシカリキッド-N AMY (関東化学:G2-K)6) ,2-クロロ-4-ニトロフェニル-α-D-マルトトリオシド(G3)を基質とするシカリキッ ド AMY(関東化学:G3-K)7)を使用した。また,比 較対照試薬として SOP を用いた。なお,各試料のア イソザイム比率を求めるため,P-AMY の SOP 暫定 法(P-AMY 暫定法)8)を使用した。検量は JSCC 標準 化対応法試薬では各社専用酵素キャリブレーターを, SOPおよび P-AMY 暫定法では JSCC 常用参照標準 物質(JCCLS CRM-001c)を使用した。 3.測定条件 各社指定の分析パラメータを適用した。 4.試料 患者血清および尿は検査終了後の廃棄検体を連結 不可能匿名化して用いた。 外部精度管理試料については,ベース血清にヒト プール血清を用いた平成 25 年度九州精度管理調査 試料 3 濃度(試料 1,2,3,但し,試料 1 および試 料 2 にはヒト膵型 AMY 遺伝子組換え体(Rec.AMY) およびヒト唾液由来 AMY を添加),福岡県月例サー ベイ試料 2 濃度(Lot105 および Lot305,但し Lot105 には Rec.AMY およびヒト唾液由来 AMY を添加), 福岡県検討用試料 2 濃度(S41-2 および S42-2,ただ し S41-2 にはヒト尿 AMY を添加)を使用した。 5.本試薬の基本性能 以下の方法で本試薬の基本性能評価を行った9)。 なお,精密さの評価基準としては AMY の精密さの 許容誤差限界(CVA)を用いた10)。 1)正確性 JCCLS CRM-001cを 5 重測定し認証値との比較を 行った。 2)精密性(ランダマイズ 2 回測定) 患者血清 50 検体を用いたランダマイズ 2 回測定 法により本試薬の精密性を確認した。分散分析によ る標準偏差の期待値(σ^)を求め,全検体の測定値 の平均値で割り,変動係数(CV%)を求めた。 3)同時再現性 L-コンセーラ I EX・II EX(日水製薬),リクイ チェック尿化学コントロール I・II(バイオ・ラッ ド)およびヒトプール血清を用い,20 重複測定した 各試料の平均値±標準偏差(SD)および CV%を求 めた。 4)日差再現性 L-コンセーラ I EX・II EX,リクイチェック尿化学 コントロール I・II を用いた。初日のみキャリブレー ションを実施し,その後はブランク補正のみで各試 料 1 日 2 回,1 ヵ月間測定を行い,各試料の平均値 ±SD および CV%を求めた。 5)検出限界 約 10 U/L の AMY 試料を生理食塩水で 10 段階希 釈した希釈系列試料について 10 重測定を行った。生 理食塩水と希釈系列試料の測定値の平均値±2SD が 重ならない最小濃度の平均値を,最小検出限界とし た。 6)希釈直線性 高値直線性試料を 10 段階希釈し各 2 重測定の平 均値が計算値の±3%以内となる最大濃度を直線性 上限とした。 7)共存物質の影響 干渉チェック・A プラス(シスメックス)および アスコルビン酸 1 容を 2 濃度(低濃度と高濃度)の プール血清の各 9 容と混合し,0 濃度添加を含む 6 段階希釈系列を作成した。それぞれ 2 重測定を行い, 添加 0 濃度の値に対し±5%以内を許容範囲内とし た。なお,各共存物質の最大濃度は,ヘモグロビン が 487 mg/dL,ビリルビン C が 20.9 mg/dL,ビリル ビン F が 19.5 mg/dL,乳びが 1,410 ホルマジン濁度, アスコルビン酸が 50 mg/dL とした。 6.相関性試験 1)SOP との相関分析 患者血清 325 例,患者尿 341 例を用い,各キット について SOP を比較対照法(x)とする相関分析を 行い,相関係数(r)および直線回帰式を求めた。 なお,標準化残差(残差を残差標準偏差(Syx) で割ったもの:SR)の±3(±3SR)を超えたものを 乖離検体とした。 2)P/T 比が 40~60%である検体の相関分析 アイソザイムの偏りによる SOP との反応性の乖離
を排除するため,全相関検体について AMY に対す る P-AMY の比率(P/T%)を求め,健常者に多い P/T% 40~60%の検体を抽出し相関分析を行った11)。 3)アイソザイム比率による反応性の検証 相関性試験の検体について P/T%を求め,AMY の 各キットと SOP の測定値の差との関係を検証し た12)。 7.外部精度管理試料の反応性 平成 25 年度九州精度管理調査試料 3 濃度,福岡県 月例サーベイ試料 2 濃度,福岡県検討用試料 2 濃度 について各 3 重測定し,正確さの許容範囲を SOP の 目標値±5%として,各キットの測定値の分布を確認 した13),14)。その際,各試料の P/T%についても計算した。 II 結 果 1.本試薬の基本性能評価 1)正確性 JCCLS CRM-001cの 5 重測定の平均値±95%信頼 区間は 347.7 ± 1.78 U/L で,CRM の認証値±拡張不 確かさ(348 ± 9 U/L)の範囲内であったことから, 正確性は許容された。 2)精密性(ランダマイズ 2 回測定) σ^は CV%として 1.5%であり,AMY の精密さの許 容誤差限界 CVA(4.2%)以下であった。 3)同時再現性 各試料の平均値±SD,CV%は,L-コンセーラ IEX (100.2 ± 0.69 U/L, 0.69%),L-コンセーラ II EX(242.2 ± 1.31 U/L, 0.54%),尿化学コントロール I(60.4 ± 0.49 U/L, 0.82%),尿化学コントロール II(175.8 ± 0.93 U/L, 0.53%)およびヒトプール血清(72.5 ± 0.33 U/L, 0.45%)であり,いずれも AMY の精密さの許 容誤差限界 CVA(4.2%)以下であった。 4)日差再現性 各試料の平均値±SD,CV%は,L-コンセーラ IEX (99.7 ± 1.11 U/L, 1.11%),L-コンセーラ II EX(239.9 ± 2.39 U/L, 1.00%),尿化学コントロール I(57.4 ± 0.91 U/L, 1.59%),尿化学コントロール II(167.5 ± 1.92 U/L, 1.15%)であり,いずれも AMY の精密さ の許容誤差限界 CVA(4.2%)以下であった。 5)検出限界 最小検出限界は,1 U/L であった。 6)希釈直線性 3,000 U/Lまで原点を通る直線性を認めた。 7)共存物質の影響 ヘモグロビン,ビリルビン C,ビリルビン F,乳 び,アスコルビン酸のいずれについても,最大添加 濃度まで影響は認められなかった。 2.相関性試験 1)SOP との相関分析 SOP(x)に対する各法の r および回帰式を Figure 1 に示した。SOP に対して,G2-K,G3-K では血清で 低値傾向,尿で高値傾向となったが,その傾向は特 に G2-K において顕著であった。G7-K および G7-S は血清,尿ともにほぼ一致した結果となった。G2-K,G3-K において血清 A,血清 B,尿 C の乖離が認 められた。一方,G7-K,G7-S では血清 B のみ乖離 が認められ,尿検体では乖離は認められなかった。 2)P/T 比が 40~60%である検体の相関分析 相関分析結果を Figure 2 に示した。G2-K では血 清で傾きが小さく(0.960),かつ切片が他に比べ大 きい(5.5 U/L)傾向が認められ,尿は全体的に高値 傾向であった。G3-K,G7-K および G7-S は血清,尿 ともにほぼ一致した結果となった。 3)基質別のアイソザイム比率に対する SOP との相 対差%との関係 G2-Kは,P 型優位になるほど高値となる傾向が認 められ,回帰式の周りのばらつきも大きかった。G3-Kでも同様の傾向が認められたが,その程度は G2-Kより小さかった。G7 基質では G7-S が血清で高値 傾向が認められたのに対し,G7-K ではほぼ一致し ており SOP との収束性が際立っていた(Figure 3)。 4)乖離検体の解析 Figure 1で乖離がみられた血清 2 検体と尿 1 検体 をセルロースアセテート膜電気泳動法で確認した結 果,血清 2 検体はいずれもマクロ AMY が疑われた。 また,尿 1 検体では,P-2 から(+)側にかけてブ ロードなバンドが認められ,同様にマクロ AMY の 可能性が示唆された(Figure 4)。 3.外部精度管理試料の反応性 各種外部精度管理試料の測定値について,SOP 値 を基準として各キット測定値を比較したものを Figure 5に示した。
1)平成 25 年度九州精度管理調査用試料 SOP測定値を目標値(100%)としたとき,Rec.AMY を添加した試料 1,2 では,G7 基質では 100.5~ 102.5%だったが,G3-K で 97.3~97.6%,G2-K では 93.0~94.6%と低値傾向を示した。一方,Rec.AMY を添加していない試料 3 では G7-K,G7-S,G3-K, G2-Kで各 102.2%,104.3%,103.2%,105.4%と若干 高めの傾向となった。試料 2 は試料 1 と試料 3 の等 量混合物であることから,Rec.AMY の添加量が増加 するにつれて G3-K,G2-K で活性値の低下傾向が確 認された。なお,各試料の P/T%は 40.3~45.0%で あった(Figure 5, A-1–A-3)。 2)福岡県月例サーベイ試料
Rec.AMYを添加した Lot105 では SOP の目標値に 対し,G7-K および G7-S は 98.5~101.9%と近似した 結果となった。G3-K は 96.9%とやや低値となったが SOP目標値±5%以内であった。一方,G2-K は 90.7% と大きく低値となった。Rec.AMY を添加していない Lot 305では,殆ど差がなかったが G7-S が 104.5%, G3-Kが 104.1%と若干高めであった。なお,各試料 の P/T%は 40.8~45.5%であった(Figure 5, B-1–B-2)。 3)福岡県検討用試料 ヒト尿由来 AMY を添加した S41-2 と AMY の添 加を行っていない S42-2 では基質の種類に関わらず ●Serum(n = 325) y = 0.914x + 8.0 r = 0.9951 +Urine(n = 341) y = 1.043x + 0.7 r = 0.9954 0 200 400 600 800 0 200 400 600 800 G2-K Ci ca L iq u id -N A M Y AMY-SOP ●Serum(n = 325) y = 0.962x + 4.1 r = 0.9987 +Urine(n = 341) y = 1.026x - 0.1 r = 0.9988 0 200 400 600 800 0 200 400 600 800 G3-K Ci ca L iq u id A M Y AMY-SOP (U/L) (U/L) ●Serum(n = 325) y = 0.981x + 1.8 r = 0.9998 +Urine(n = 341) y = 0.992x - 0.7 r = 0.9997 0 200 400 600 800 0 200 400 600 800 G7-K Cic a Fi t A M Y -G 7 AMY-SOP ●Serum(n = 325) y = 1.010x + 2.1 r = 0.9998 +Urine(n = 341) y = 1.011x - 0.6 r = 0.9996 0 200 400 600 800 0 200 400 600 800 G7-S AMY -E L AMY-SOP (U/L) (U/L) (U/L) (U/L) (U/L) (U/L) Serum A Serum B Urine C Serum A Serum B Urine C Serum A Serum B Urine C Serum A Serum B Urine C
Correlation of serum and urinary AMY measured by the JSCC transferable method using dedicated reagents from different suppliers and the AMY-SOP
100 ± 5%以内であったものの,G7-S が他法に比べて 104.8%と若干高めであった。なお,各試料の P/T% は 42.4~42.8%であった(Figure 5, C-1–C-2)。 III 考 察 G7-Kは,日常検査法として重要な正確性,精密 性,直線性,共存物質の影響等において十分な基本 性能を備えていた。特に,SOP との相関性および正 確性において,血清,尿の検体種別および P-AMY, S-AMYの構成比に係らず極めてよく一致した。 一方,SOP とは異なる G3 および G2 基質では, Figure 3に示すとおり P 型優位に反応することが明 らかとなり,その傾向は G2-K で顕著であった。し たがって,急性膵炎等により血清中の AMY が P 型 優位となる場合,あるいは耳下腺炎等で S 型優位と なる検体ではそれらの基質では SOP と乖離すること が示唆された。検体種別の面から検証するとき,G3-K と G2-K に お け る P/T% と SOP の 差 の 相 関 図 (Figure 3)の血清検体のプロットおよび尿検体のプ ロットは比較的重なっており,血清および尿検体に おける P/T%による反応性の差はさほどないように 見受けられる。しかし,Figure 1 に示すように実際 には相関の回帰式の傾きは検体種別で異なっており ●Serum(n = 110) y = 0.960x + 5.5 r = 0.9983 +Urine(n = 125) y = 1.022x - 0.1 r = 0.9975 0 100 200 300 400 0 100 200 300 400 G2-K CicaLiquid-N AMY AMY-SOP ●Serum(n = 110) y = 0.988x + 2.4 r = 0.9995 +Urine(n = 125) y = 1.013x + 0.4 r = 0.9994 0 100 200 300 400 0 100 200 300 400 G3-K CicaLiquid AMY AMY-SOP ●Serum(n = 110) y = 0.991x + 0.7 r = 0.9997 +Urine(n = 125) y = 0.990x - 0.5 r = 0.9996 0 100 200 300 400 0 100 200 300 400 G7-K CicaFit AMY-G7 AMY-SOP ●Serum(n = 110) y = 1.017x + 1.2 r = 0.9995 +Urine(n = 125) y = 1.008x - 0.0 r = 0.9995 0 100 200 300 400 0 100 200 300 400 G7-S AMY-EL AMY-SOP (U/L) (U/L) (U/L) (U/L) (U/L) (U/L) (U/L) (U/L)
Correlation of serum and urinary AMY (P-AMY/T-AMY × 100: 40–60%) measured by the JSCC transferable method
using dedicated reagents from different suppliers and the AMY-SOP Figure 2
特に G2-K で顕著であった。このことは次のように 推察される。 通常,検体中のアイソザイム比率は,P-AMY の半 減期が S-AMY よりも早いため,先に尿に排泄され ることにより,血清中の AMY はやや S 型優位であ り尿中の AMY はやや P 型優位となっている。従っ -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 0 20 40 60 80 100 Th e r el at iv e p er ce n ta ge d iff er en ce o f A M Y m ea su re m en t v a lu es (% ) Proportion of P-AMY (P/T%) ●Serum y = 0.111x - 3.9 +Urine y = 0.116x - 4.8 G3-K -30 -20 -10 0 10 20 30 0 20 40 60 80 100 Th e r el at iv e p er ce n tage d iffe re n ce o f A M Y m ea su re m en t v a lu es (% ) Proportion of P-AMY (P/T%) Serum B Serum A ●Serum y = 0.001x - 0.2 +Urine y = 0.008x - 1.8 G7-K Urine C -30 -20 -10 0 10 20 30 0 20 40 60 80 100 Th e r el at iv e p er ce n tage d iffe re n ce o f A M Y m ea su re m en t v a lu es (% ) Proportion of P-AMY (P/T%) Serum B Serum A Urine C ●Serum y = 0.013x + 3.5 +Urine y = 0.001x + 0.5 G7-S -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 0 20 40 60 80 100 Th e r el at iv e p er ce n ta ge d iff er en ce o f A M Y m ea su re m en t v a lu es (% ) Proportion of P-AMY (P/T%) Serum B Serum A Urine C ●Serum y = 0.270x - 10.5 +Urine y = 0.268x - 11.9 G2-K Serum A Serum B Urine C
The relative percentage difference of AMY measurement values between commercial reagent kits and JCCLS-SOP against proportion of P-AMY (P/T%) in serum and urine samples
X: Proportion of P-AMY (P/T%) = p-AMY(J)/T-AMY(J) × 100
Y: The relative percentage difference of AMY measurement values = {T-AMY(K) – T-AMY(J)}/T-AMY(J) × 100
T-AMY(J): total-AMY values using JCCLS-SOP, p-AMY(J): p-AMY values using JCCLS-SOP, T-AMY(K): total-AMY values using commercial kits. Figure 3 Serum B P/T(%)72% JCCLS-SOP 406.1 U/L G2-K 482.0 U/L G3-K 540.5 U/L G7-K 357.6 U/L G7-S 346.2 U/L Serum A P/T(%)42% JCCLS-SOP 459.4 U/L G2-K 556.9 U/L G3-K 697.6 U/L G7-K 445.2 U/L G7-S 1 3 ? (-) (+)(-) (+)(-) (+) ? 456.4 U/L Urine C P/T(%)81% JCCLS-SOP 251.7 U/L G2-K 214.5 U/L G3-K 223.0 U/L G7-K 240.4 U/L G7-S 242.7 U/L 1 2 3 4 6
AMY zymogram of deviated samples against JCCLS-SOP in correlation Figure 4
て,アイソザイムに対する反応性が S 型優位とされ る G7 基質に対し,P 型優位の性質を有する G3-K, G2-Kでは,検体種別により回帰式に差が生じるこ とになる4)。 一方,G7 基質である G7-K および G7-S は,いず れも SOP と近似した反応性を示したが,P/T%と SOP との差の相対%を比較すると明らかに G7-K の収束 性が良かった。また,検体種別の反応性については, 血清および尿 AMY の P/T%が 50%のときの“SOP と の差の相対%”を Figure 3 の各回帰式に代入して求 め,キット毎の血清検体と尿検体の差を計算したと ころ,同じ G7 基質ではあるが G7-S の 3.6%(血清: 4.2%,尿:0.6%)に対し G7-K では 1.2%(血清: −0.2%,尿:−1.4%)と小さかった。この理由につい てはキットに添加されている界面活性剤が関与して いる可能性がある。他の各酵素項目では SOP におい て自動分析装置の特性を考慮し,特に精密性の向上 を目的として TritonX-100 等の使用が認められてい るが,AMY のみ反応性を変化させるため界面活性 剤の使用が記載されていない2)。今回の検討結果か ら,界面活性剤による影響は尿 AMY ではほとんど なく,血清 AMY で認められる現象と推察される。 G7-Kおよび G7-S において差が認められたのは,使 用する界面活性剤の違いによるものと思われる4)。 また,G3-K と G2-K で見られた乖離検体 3 例(血 清 2 例,尿 1 例)および G7-K および G7-S で見られ た乖離検体 1 例では,いずれもマクロ AMY が疑わ れた。マクロ AMY は糖鎖の短い基質に対し親和性 が高いとも言われており,G7 基質に比べて G2-K お よび G3-K の活性が高値を示したのは,そのような 理由によるものと考えられる。しかし,マクロ AMY の反応性は必ずしも毎回同じ傾向を示すとは限らず, 280 300 320 340 Kyusyu EQA 2013
Sample 1(containing Rec.AMY)
SOP G7-K G7-S G3-K G2-K SOP G7-K G7-S G3-K G2-K SOP G7-K G7-S G3-K G2-K SOP G7-K G7-S G3-K G2-K SOP G7-K G7-S G3-K G2-K SOP G7-K G7-S G3-K G2-K SOP G7-K G7-S G3-K G2-K (U/L) 200 220 240 Kyusyu EQA 2013 Sample 2(containing Rec.AMY) (U/L) 70 80 90 Kyusyu EQA 2013 A-2 A-3
Sample 3(not containing Rec.AMY) (U/L)
320 340 360 380
Monthly EQA of Fukuoka Lot 105(containing Rec.AMY) (U/L)
P/T 45.5%
80 90 100
Monthly EQA of Fukuoka Lot 305(not containing Rec.AMY) (U/L) P/T 40.8% 330 350 370 390 EQA Sample of Fukuoka(prototype) S41-2(containing Urine AMY) (U/L) P/T 42.8% 90 100 110 EQA Sample of Fukuoka(prototype) S42-2(not containing Urine AMY) (U/L)
P/T 42.4%
P/T 45.0% P/T 43.8% P/T 40.3%
Target value by SOP Target value±5% A-1
B-2 B-1
C-1 C-2
Results of seven samples for three EQA obtained using reagent kits from different suppli
Rec.AMY: Recombinant human AMY
尿検体では逆に低値に乖離しており,G7-K および G7-Sでは血清マクロ AMY の 1 例で共に乖離がみら れる等,マクロ AMY は不明な点が多い。マクロ AMYは病態との関連性は少なく,臨床的意義も確 立していない。 今回,外部精度管理試料の反応性に関する検討を 行ったが,九州地区では外部精度管理試料を独自に 調製しており,その際マトリックス効果を回避する ためベース血清にはヒトプール血清を用いている。 Rec.AMY添加の影響について検証した結果,G2-K, G3-Kでは,Rec.AMY の添加量が増加するにつれて 低値傾向を示した(G2 < G3 < G7 = SOP)。先述の通 り,その 2 種類の基質はヒト血清では P/T%が偏っ たヒト血清で乖離する傾向にあった。しかし,Figure 5 の A-2 と C-2 の結果から明らかなように,P/T%がほ ぼ同じであるにも係らず G2-K と G3-K は全く異な る挙動を示したことから,Rec.AMY 添加試料におけ る反応性の違いは P/T%によるものではない。また, G7基質のキットの反応性はヒト血清と同等であった が,G7-K が SOP とほぼ一致した結果が得られたの に対し,G7-S では高値傾向が認められたことから, 同じ基質であってもキットにより反応性が異なる場 合があることが示された。したがって,外部精度管 理においては,結果の評価が特定の方法に不利益と ならないよう,あらかじめ反応性を事前確認してお くべきと考える。 IV 結 語 本試薬は日常検査法として十分な基本性能を有 し,SOP との相関性および反応性についても,検体 種別や Rec.AMY 添加の有無に係らずよく一致して いた。 AMYは基質により反応性が異なることは知られ ていたが,同じ基質を用いたキットであっても検体 種別(血清,尿),Rec.AMY 添加試料では反応性が 異なる場合があることが判明した。 外部精度管理においては,様々な基質のキットが 参加することになるため,添加物質が Rec.AMY で あっても試料の反応性を事前確認しておく必要があ ると思われた。 謝辞 本検討にあたり,ご指導下さいました福岡大学筑 紫病院 篠原克幸技師長に深謝致します。 本論文の要旨は第 63 回日本医学検査学会にて発 表した。 ■文献
1) Gerhard S et al.: “IFCC primary reference procedures for the measurement of catalytic activity concentrations of enzymes at 37°C,” Clin Chem Lab Med, 2006; 44: 1146–1155.
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Technical Article
Verification of the activity of amylase in serum, urine and EQA
samples measured using “CicaFit
®AMY-G7”
Norihiro IMAKOMA1) Mikiko NISHIO1)
1)Fukuoka City Medical Association, Clinical Laboratory Center(1-6-9, Momochihama, Sawara-ku, Fukuoka-shi, Fukuoka 814-0001, Japan)
Summary
CicaFit AMY-G7 is a reagent kit that was designed as a transferable method proposed by the Japan Society of Clinical Chemistry (JSCC) for the measurement of amylase (AMY) using 4,6-ethylidene-4-nitrophenyl-α-D-maltoheptaoside (Et-G7-PNP) as a substrate. The values of AMY activity in patient serum and urine measured using CicaFit AMY-G7 were compared with those obtained by the Standard Operating Procedure for the measurement of the catalytic concentration of AMY established by the Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards (JCCLS-SOP). The results obtained using CicaFit AMY-G7 were in good agreement with those determined by the JCCLS-SOP, regardless of variations in the proportion of pancreatic and salivary isoenzymes (P/T%) in each sample or sample type (serum or urine). For assays using α-chloro-4-nitrophenyl-β-D-galactopyranosylmaltoside (Gal-GCNP) and 2-chloro-4-nitrophenyl-α-D-maltotrioside (G3-CNP) as substrates, correlation analysis revealed a marked difference in the slopes of regression lines between serum and urine samples. Other kits employing the same substrate, namely, Et-G7-PNP, tended to give higher values for serum samples. The values of AMY activity in external quality assessment (EQA) samples measured using other kits differed from those obtained by the JCCLS-SOP when recombinant human AMY was added to the samples. Other kits using the Et-G7-PNP substrate gave slightly higher values and those using the G3-CNP substrate provided slightly lower values (within ± 5% of the target value for both), while those using the Gal-G2-CNP substrate gave values that were below the permissible lower limit.
Key words: CicaFit® AMY-G7, the transferable method proposed by the Japan Society of Clinical Chemistry, The Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards-standard operating procedure, recombinant human AMY, reactivity of amylase