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「普通の大学生」のための海外短期研修用英語自主学習教材開発の試み : 資料

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Abstract

  This is a preliminary version of a pre-visit English study material for non-English major students who plan to participate in short-term study abroad pro-grams, especially ones organized by their institutions. They usually do not have many opportunities to work on their English prior to their visits. Thus a quick English review is expected to be very useful. This material consists of 100 ques-tions to be answered by students.

     キーワード: 短期渡航 事前研修 非英語専攻 1.概要  本稿は,非英語専攻の学生が大学の研修等で海外に短期渡航するにあたり,事前準備の一 環として用いる英語教材作成の試みである。近年,各大学がグローバル化を急ぐ中,まず手 始めに短期渡航者を増加させようとする傾向があるが,単に数を追うのではなく相応の準備 教育とセットにして推進するのが好ましく,この教材はこうしたニーズに応えることを目指 している。  今回は,著者自身が過去に海外短期研修の引率をした経験を基に,100 の質問から成る教 材『普通の大学生が短期渡航前に練習すべき質問 100』を作成し,巻末に添付した。構成は, 1)自分自身についての質問,2)所属大学についての質問,3)日本についての質問,4)旅 行英語,の 4 部から成る。英語圏に限らずどの地域に行ってもたいてい話題になる事柄を集 めた。作成に当たっては,渡航前の 1,2 日で学生同士が自主学習として取り組むか,ある いは英語教員でない者が学生を指導する際に,簡単に使用できる内容になるように心掛けた。  これをたたき台として公開し,使用者からのフィードバックを得ながら,より良い教材に していきたい。

「普通の大学生」のための海外短期研修用

英語自主学習教材開発の試み

小 田 登 志 子

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2.目的  本稿は,下記のような条件を満たす教材を作成することを目標とする。  (1) 目指す教材像     a.短期渡航をする学生が渡航前の 1,2 日で取り組める分量であること。     b.大学主催の研修としての渡航に合った内容であること。     c.非英語専攻で英語があまり得意でない,いわゆる「普通の大学生」のレベルに 合った内容であること。1)     d.学生間の英語レベルの違いにある程度対応できる内容であること。     e.自主学習用の教材として使える内容であること。      f.英語教員でない者でも指導ができる内容であること。  ではなぜこのような内容の教材の作成を目標とするのか,その背景を述べる。近年,大学 教育のグローバル化と共に,各大学は海外研修の充実を急いでいる。まず手始めに,費用を 抑えかつ就職活動に影響を与えない短期の留学制度の充実を急ぐ大学が多い。2)      独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が行っている調査でも,協定等に基づく日本 人大学生の海外留学数のうち,一か月未満の短期渡航者が増加傾向にあることが分かってい る。同機構のサイトで公表されている 2004 年から 2013 年までのデータに基づき,一か月未 満の短期渡航者と一年以上の長期渡航者数を図 1 に示した。長期渡航者数がおおよそ横ばい で推移しているのと異なり,短期渡航者数は増加傾向にあることがわかる。  (2)  図 1 協定等に基づく日本人大学生の海外留学数 出典:独立行政法人学生支援機構(JASSO)ホームページ3)

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 著者が所属する東京経済大学でも,近年では「海外ゼミ研修」と呼ばれる 1 週間前後の海 外研修に,毎年 200 名以上の学生が参加するようになり,長期留学者数の伸び悩みとは対照 的な様相を見せている。図 2 に 2014 年度における海外派遣学生数を示した。全渡航者数 334 名中,3 週間以内の短期渡航が占める割合が 93%(310 名),5 か月間渡航した学生が 5 %(18 名),一年間渡航した学生が 2%(6 名)であり,ほとんどが短期渡航者であること がわかる。  (3)  図 2 東京経済大学 2014 年度学生海外渡航者数 334 名の内訳 出典:東京経済大学ホームページ4)

3 週間以内

93%

(310 名)

1 年間

2%

(6 名)

5 か月間

5%

(18 名)

 ここで一点,読者に注意を喚起したい。短期渡航が増えているのには,経済的負担が少な い,就職活動に支障がない,というよく語られる理由の他に,あまり英語力が要求されない という側面もあるのではないかと,著者は推測している。しかしこの点はどの大学も公には 言いにくいのか,あまり語られることはない。一年以上の長期渡航の場合は,TOEFL など で一定の英語力を要求されることが多く,学生の英語力があまり高くない大学では長期渡航 者数を急には増やしにくい。5)  では,増え続けるおそらくは英語がそれほど得意でない短期渡航者は,適切な渡航準備を 行っているだろうか。英語等の語学に関しては,著者が知る限り,そうとは言い難い。東京 経済大学でも,短期の海外研修に参加する学生は,事前の英語の準備をほとんど行っていな い。この点は,英語の試験等を通してある程度時間をかけて準備を行う長期渡航者と比較し て,大きな違いである。東京経済大学では「海外ゼミ研修」と呼ばれる一週間前後の海外研 修から帰国した各学生に対して,報告書を提出することを義務付けているが,ほとんどの学 生が「もっと英語を勉強しておくべくきだった」と書いている。また,東京経済大学のケー スに限らず,日本人学生一般の語学力不足のため,会話が深まらず,交流の相手が残念に思 う事例も報告されている。6)事前の英語学習に取り組むことは,交流を充実させ,「行った だけ」で終わらせないためにぜひとも必要であると考えられる。

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 また,最低限の語学力はリスク管理上でも重要である。忘れてはならないのは,短期渡航 者が増えるということは,それだけ準備不足の渡航者が増えるということでもある。語学力 が全てではないものの,一般的な傾向として,学生の語学力不足は安全上のリスクを増大さ せるとともに,引率教員の負担増加にもつながる。現在,多くの大学がグローバル化推進の ために短期渡航を推奨しているが,安易に数だけを追うのは危険であり,相応の教育とセッ トにして推進すべきであると著者は考える。  また,増加する短期渡航に対応するには,英語教員のみに頼るのではなく,他の科目の教 員や職員でも扱えるような英語事前準備の内容を考えることが重要であると著者は考える。 最近の海外研修はバライエティに富み,英語学習以外の目的で渡航する例も多い。そのよう な場合,英語学習は事前準備の計画に盛り込まれていないことが多い。東京経済大学でも, 「海外ゼミ研修」の内容のほとんどは経済・経営・文化面に関する現地視察が主な目的であ り,引率する教員は英語教員ではない事のほうが多い。事前の英語準備をする時間を取るこ とは難しく,時間があったとしても指導方法がわからず,教員が困ることもあるだろう。  そのような場合,学生が自分達で英語の準備をすることが望ましいが,一般の旅行会話集 は,英語教員である著者の目から見ても,非英語専攻の学生にはやや難しく,また分量が多 いので,学生の学習意欲は削がれがちである。加えて,一般の英会話集などは,旅行者をタ ーゲットとしているため,大学が主催する海外研修には必ずしもぴったりと合っていない内 容が多い。さらに「なんとなく読むだけ」で自主学習教材としてはあまり優れていない。そ もそも学生はお金を出してまで英語教材を買いたがらない。著者は 3 度ほど 2~3 週間の大 学主催の海外短期英語研修の引率をした経験があるが,学生は渡航前に英語を勉強すべきだ とは分かっていても,実際に英会話教材を利用して事前に学習する学生は,20 名中 2,3 名 程度だった。  以上のような様々な理由から,数日で取り組める手軽な分量で,大学主催の海外研修に合 った内容で,さらに英語力があまり高くない学生をターゲットとし,できれば学生間の英語 力の差にある程度対応できる英語教材があると便利だと考えた。そして,学生達に自主学習 させることができるか,あるいは英語教員でない者でも簡単に指導ができる内容であること が重要であると考えた。 3.質問のみのシンプルな構成  この教材は,よくある市販の英会話集などと異なり,学生に向けての質問のみで構成され ている。このような構成にした理由を以下に挙げる。  (3) 質問のみのシンプルな構成にした理由

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①学生自身の状況に合った答えを用意させるため。特に自分の事は答えが人それぞれ。 ②学生に事前に勉強させることが目的なので,答えを考えさせるため。 ③学生の英語力にはばらつきがあるので,自分の英語レベルに合った答えを用意させ るため。自分が暗記できる程度の簡単な言い方を準備するのがコツ。英語が得意な 学生は長く話せば良いし,英語が苦手な学生は単語の羅列でも良いので,黙らない でとにかく何か言うようにすることが大切。  特に③は重要である。渡航直前に新しい事をたくさん覚えるのは難しい。渡航直前の時点 で自分が使える英語は何か,それを使ってどのように言えるのかを確認をするという心構え で取り組むのが現実的であろう。おおよそ,自分が暗記できる表現が自分のレベルに合う英 語だと判断すると良い。文が言えない場合は,単語を並べるだけでも良い。学生はしばしば 辞書やウェブサイトに載っている表現を引用したがるが,現地で実際に自分が言えるかどう か考えて判断することが重要である。 4.教材の内容に関する補足  念頭に置いたのは,大学生グループが引率教員と共にホテルに泊まり,訪問先の人々と交 流を持つ東京経済大学の「海外ゼミ研修」のような渡航スタイルである。ホームステイでの 会話は考慮していない。  この教材に含まれる質問のほとんどは 2015 年 2 月および 2016 年 2 月に東京経済大学の主 催で行われた 2 週間の短期語学研修「豪マリオン・フリンダース地域交流プログラム」の渡 航事前研修で実際に使用した。この事前研修では 150 問あまりの質問を用意したが,帰国後 にアンケートを行って,学生から「役に立った」という回答が多かった質問をこの教材に取 り入れ,一部を加筆修正して 100 問の質問集として編集した。また質問を 100 問に絞った後, 東京経済大学経営学部「グローバルキャリア入門」の授業でタイに短期間渡航する予定のあ る学生を対象にして特別授業を行い,英語圏以外の地域に渡航する学生に対しても役に立つ 内容であることを確認した。  編集に当たって特に重視したのは安全面に関する事項である。大学主催の海外研修では, 旅行代理店によって旅の手配が行われる場合が多く,東京経済大学でも,渡航前には旅行代 理店による入念な説明が行われる。しかし,学生によっては,聞いても内容がよく理解でき ないことも頻繁にある。また,学生は頭で分かっていても,実際の場面で教えられたように 行動できない事も多い。事実,著者の経験では,海外で荷物を盗まれたり,キャッシュカー ドを紛失するなどのトラブルに遭遇した際,学生は自分で対処できず,日本人の引率教員に 真っ先に助けを求めていた。また,パスポートのコピーを安易に他人に渡すなど,危険な行

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為も見られた。リスクを軽減するためにも,安全に関する質問を学生に英語で実際にやりと りさせることは,非常に有効であると考える。 5.対象となる学生の英語力について  この教材の対象は,中堅大学の非英語専攻の大学生で,日本で育ち,英語があまり得意で はなく,海外渡航の経験が無いかあるいは極めて少ない,いわゆる日本の「普通の大学生」 である。高校生が使用することも十分可能である。英語専攻の学生や英語が得意な学生につ いては,市販の教材等が豊富にあるので,それらを参考にされたい。  一例を挙げると,東京経済大学の「豪マリオン・フリンダース地域交流プログラム」に参 加した学生の英語力は,自己申告で TOEIC 200 点~500 点ぐらいとばらつきがあったが, この教材を用いて,全員が自分なりの答えを言うことができた。教員は特に解説をしなかっ たが,学生達は小グループ内で教え合って,ほとんどの問題を自分たちで解決できた。彼ら の英語は必ずしも一般的な言い方ではなかったり,文法が間違っていることもしばしばある が,目標を「通じること」と低めに設定し,自分がなんとか言える方法を考えるほうが大切 であると著者は考える。実際,海外の多くの地域では,「意外とテキトー」(繁田奈歩  2016)7)な英語が使われていることが知られており,これは著者の経験とも一致する。 6.使い方  教員が印刷して配布するだけでも良いが,できれば学生に答えをノートに書き出させると 良い。また,学生同士で質問を出し合っても良いし,余裕があれば教員がいくつか質問をし てテストをしても良い。現地で話すことを念頭に置いて,何も見ないで大きな声で答えるこ とが大切である。本当に時間が限られている場合は,☆印をつけた最重要問題 30 問に絞っ て学習しても良いだろう。  この教材を利用した簡単な事前研修の一例を挙げる。2015 年 2 月および 2016 年 2 月に東 京経済大学の「豪マリオン・フリンダース地域交流プログラム」の渡航事前研修では次のよ うな方法を用いた。  (4) 教材の使用例 ステップ 1:学生に宿題として 100 の質問に対する自分の答えをノートに書き出させ る。 ステップ 2:学生を 4,5 名の小グループに分け,時間を与えてグループ内で答え合 わせをさせる。

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ステップ 3:答え合わせが終わったグループに対して,教員がいくつか質問を読み上 げ,学生が答える形でテストを行う。 要するに,教員は事前に質問を配布し,テスト時に質問を読み上げるだけなので,英語教員 でなくても十分に対応できる。単純な内容だが,やるとやらないのとでは大きな差があると 感じた。時間に余裕があれば,学生を一人ずつ呼んでテストしてもよいし,時間がなければ ステップ 3 のテストは省略しても良い。模範解答を与えなくて大丈夫だろうかと思う読者も いると思うが,模範解答を与えると,学生はそれが「正しい答え」だと思い込み,自分の英 語力に関係なくそれを丸覚えしようとするので,著者自身はあまり効果的でないと感じる。 7.注意を要する質問  参考までに,100 の質問の中で注意を要するものをいくつか挙げて解説を記す。どれも英 語が得意な学生にとってはごく当たり前の内容だが,筆者の経験から言うと,英語があまり 得意でない学生にとっては,小さな一言が現地でうまく通じるかどうかで英語を使う意欲は 大きく上がったり下がったりするので,そのような小さな一言が思いのほか重要である。ま た,安全に関する質問には全員が答えられるように確認することが重要である。

•(5)Where do you come from? / Where are you from?

日本から来ているとわかった後 Which part of Japan? などと話が進むことが多いが, Saitama(埼玉)と言っても聞いている人はわからないので,外国の人にわかる言い方を 考えることが必要である。It is next to Tokyo. などと一言添えると良い。

•(9)What school do you go to in Japan?

各大学とも,大学名の英語表記が定められていると思うが,相手に通じにくい場合も多い。 例えば,東京経済大学の場合,Tokyo Keizai University が正式な英語名称だが,Keizai と言っても相手にはわからない。“Keizai” means economy. と注釈を入れるか,場合によ ってはとりあえず Tokyo University of Economics などと言っても良いだろう。

•(11)Whatʼs your major?

大学名と同じく,各大学とも,専攻の英語名称が定められていると思うが,学生レベルの 交流の場合,大学が定めた通りに言うよりも,自分が何を勉強しているのか相手に分かる ように言うほうが良い場合が多い。例えば,東京経済大学コミュニケーション学部の学生 は,大学が定めたように Communication Studies と答えることが多い。しかし,たいて いの人は何を勉強しているのかよく理解できないので,もう少し具体的に English / pub-lic relations などと言えると良い。東京経済大学の現代法学部の学生は Contemporary

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Law と律儀に言わなくても,law と言えば良い。また law と言う時に,low(ロウ)と聞 こえないように,アメリカ式発音に倣って,アに近いオで「ロー」と言うと良い。また, 相手の学生が何を勉強しているのか理解するために,主な専攻の英語名をおさらいしてお くと良い。 •(14)Whatʼs up? 「どう?」という程度のよく使われる呼びかけだが,学校であまり習わないせいか,言わ れた日本人学生が沈黙して話が弾まない場面をよく見かける。Iʼm good. / Not much. な どと答えれば良い。このような小さなやりとりができると,英語が話せた気分がぐんと高 まる。

•(46)Do you plan to go to graduate school?

日本では特に文系の学生にとって大学院進学があまりメジャーな選択肢でないせいか,何 を聞かれているのかわからない学生が多い。キャリアアップを目指して進学する他国の学 生との違いを知る良い機会だろう。

•(48)How many courses do you take a semester?

なぜか course (科目)を理解できない学生が多い。日本の学生が fifteen などと言うと, 相手がのけぞるほど驚くことが多い。例えばアメリカでは学生が一学期に取る授業は 3, 4 科目が普通である。各国の大学制度の違いを知る良い機会だろう。

•(57)Do you like sushi? What do you eat at home?

Rice and miso soup. と答える学生が多い。食文化は必ず話題になる事柄で,中でも rice は発話する確率がとても高い。しかし r の発音ができないために lice(louse(シラミ)の 複数形)と言う学生が多い。発音は急には上達しないので仕方がないものの,できれば rice だけ練習すると良い。

•(63)What brings you here?

「何を持っていますか?」「何で来ましたか?」と勘違いしている学生が多い。my clothes, by airplane などおかしな返答をする学生が目立った。学生は Why did you come here? と質問されることを期待しているようだが,この言い方は来たことを責めているような感 じに聞こえる事もある。日本で店員が「今日はどのようなご用件でしょうか?」のように 言い,「今日はどうしていらっしゃいましたか?」とは言わないのと同じと考えれば良い。 •(78)(英語で言うと?)動くな!

学生のほとんどは Donʼt move! と言われることを期待しているが,Freeze! という言い方 をされる場合があることも念頭に置いておくとよい。1992 年にアメリカで起きた日本人 留学生射殺事件では,Freeze! と言われた日本人学生が動いたため撃たれてしまった。 •(89)(at a check in counter) Has anyone given you anything to take onboard with

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どうしてこの質問をされるのか理解できない学生が多い。知らぬ間に麻薬や爆弾の運び役 にさせられる危険性があることを十分認識すべき。また,スーツケースを自分で詰めたか, というような言い方で質問されることもある。

•(91)No liquid in your bag?

この手の否定を含む質問は,日本語の「はい」につられて yes と答える学生が多い。首 を横に振りながら no と言えるように練習すると良い。パーティに来るのか来ないかなど の確認でも,間違える学生がとても多い。混乱したら yes と言わずに right(あなたの言 う通り)と言うと良い。

•(94)(on board) What would you like to drink?

コーヒーがほしい場合は「コ」ではなく「カ」と言うつもりで「カァーフィ」と言うと良 い。機内は騒音が大きく,語尾はほとんど聞こえないので,最初の音が重要。「コ」と言 うと coke が出てくるだろう。このような簡単な英語がうまく通じると,その後の自信に つながる。  以上の記述には著者が実践した中で感じた主観的な感想が多々含まれているが,これらを 手掛かりとして,今後の体系的な研究につなげていきたい。 注 1 )「普通の大学生」の英語レベルを数値で表すことは大変難しいが,以下を参考にされたい。公 益財団法人日本英語検定協会(英検)では,英検 2 級を「高校卒業程度」,英検準一級を「大 学中級程度」と定めているが,実際の高校生・大学生の平均レベルはこれよりももっと低いも のと推察される。    • 公益財団法人日本英語検定協会「各級の目安」http://www.eiken.or.jp/eiken/exam/about/ (2016. 7. 26 閲覧)

   TOEIC を主催する ETS(Educational Testing Service)によると,企業が新入社員に期待 するスコアは TOEIC450 点―600 点である。また,2014 年度における,4 年生大学に所属する 学生受験者の平均点は 564 点,入社内定者の平均は 552 点,新入社員の平均は 507 点である。 しかし,これらの数値は TOEIC を受験した者だけを対象にした結果であり,TOEIC を受験 していない者を含んだ平均値はかなり下がるものと予測される。

   • EST「スコアの目安」http://www.toeic.or.jp/toeic/about/result.html(2016. 7. 26 閲覧)    • EST「Data and Analysis 2014」http://www.toeic.or.jp/library/toeic_data/toeic/pdf/data/

DAA.pdf(2016. 7. 26 閲覧)    さらに,上記の数値はすべて英語専攻の学生を含んでいるので,非英語専攻の学生のみを対 象とした数値はさらに下がると推測される。 2 )近年メディアでも短期渡航の増加についての報道をよく目にする。下の記事はそのような傾向 を示す例である。    •「留学,奨学金で後押し 大学,短期や語学も対象に 膨らむ費用負担に対応」 日本経済新

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聞電子版 2013/2/18    •「千葉大「6 学期制」導入 16 年度以降,短期留学促す」日本経済新聞電子版 2015/4/24 3 )独立行政法人学生支援機構(JASSO)ホームページで公開されているデータを基に著者が作 成した。「学生」とは大学生を指すが,2013 年度より高等専門学校および専修学校も調査の対 象になっている。    •「平成 25 年度協定等に基づく日本人学生留学状況調査結果」    http://www.jasso.go.jp/about/statistics/intl_student_s/2014/index.html(2016 年 3 月 16 日 閲覧) 4 )東京経済大学ホームページで公開されているデータを基に著者が作成した。同ホームページに よると,2014 年度の学生数は 6,612 名である。     •「2014 年度海外派遣学生数」http://www.tku.ac.jp/campus/exchange/kaigaihaken/(2016 日 3 月 11 日閲覧) 5 )民間団体による報告を見ると,TOEFL iBT のスコアが足りないために協定校への派遣留学者 数が伸びなやむのはかなり一般的な現象であるようだ。日本国内での TOEFL 事業を請け負 っている国際教育交換協議会(CIEE)では,TOEFL iBT よりも日本人学生にとっては受験 しやすいマークシート方式の TOEFL ITP のスコアを派遣先に提出することを推奨している。    •「協定校派遣者数を伸ばすために,大学は今,何をしなければならないか~TOEFL ITP テ ストで派遣数を拡大している大学のヒミツとコツ~」    http://cieej.or.jp/toefl/webmagazine/educators-report/140422/index.html(2016. 3. 25 閲 覧) 6 )Roth(1997)は,日本の高校生のホームステイの状況として,派遣された生徒との会話が続 かないため,ステイ先の家族が落胆するケースがあることを報告している。同じようなことは 大学生の海外派遣にも当てはまる。大学生を派遣する場合,相手側は一定の期待を持ち,社会 問題等についてディスカッションを期待することが多いが,日本人学生の英語力が追い付かな いことがしばしばある。Roth(1997)は高校生がステイ先の家族との会話の材料を準備する ために,自分のことについての英語表現や写真などをクリアファイルにまとめる活動を推奨し ている。似たような取り組みは一部の大学でも行われている。(2016 年 2 月法政大学 Stella Yamazaki 氏より寄せられた情報に基づく。) 7 )例えば,繁田(2016)は,インドのレストランで酒とつまみをひと通り注文した後,「メーン はレイター(Main-ha-Later)」というような英語まがいの表現でも通じたという逸話を紹介し ている。また,昨今ではいわゆる正統派の英語でない「世界の諸英語」(World Englishes)を 認めるべきだという主張も広がっている。(鳥飼 2014) 参 考 文 献 ETS(Educational Testing Service)「スコアの目安」

  http://www.toeic.or.jp/toeic/about/result.html(2016. 7. 26 閲覧) ETS(Educational Testing Service)「Data and Analysis 2014」

  http://www.toeic.or.jp/library/toeic_data/toeic/pdf/data/DAA. pdf(2016. 7. 26 閲覧) Roth, Joyce (1997) “Homestay Preparation: The Clear File,” The Language Teacher Issue 21.11:

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76-77. 国際教育交換協議会(CIEE)日本代表部 「協定校派遣者数を伸ばすために,大学は今,何をしな ければならないか~TOEFL ITP テストで派遣数を拡大している大学のヒミツとコツ~」   http://cieej.or.jp/toefl/webmagazine/educators-report/140422/index.html(2016. 3. 25 閲覧) 繁田奈歩(2016)「意外とテキトーなインド英語の世界」『日本経済新聞』2016 年 3 月 10 日電子版 鳥飼玖美子(2014)『国際共通語としての英語』講談社 東京経済大学「2014 年度海外派遣学生数」   http://www.tku.ac.jp/campus/exchange/kaigaihaken/(2016 日 3 月 11 日閲覧) 独立行政法人学生支援機構(JASSO)「平成 25 年度協定等に基づく日本人学生留学状況調査結果」   http://www.jasso.go.jp/about/statistics/intl_student_s/2014/index.html(2016 年 3 月 16 日閲 覧) 日本経済新聞「千葉大「6 学期制」導入 16 年度以降,短期留学促す」2016 年 4 月 24 日電子版 日本経済新聞「留学,奨学金で後押し 大学,短期や語学も対象に・膨らむ費用負担に対応」2016 年 2 月 18 日電子版 謝辞  本稿の執筆にあたり,東京経済大学国際交流課の職員の方々,2015 年 2 月および 2016 年 2 月に行われた「豪マリオン・フリンダース地域交流プログラム」参加学生の皆さん,およ び 2016 年度経営学部「グローバルキャリア入門」受講生の皆さんよりご協力を得た。この 場を借りてお礼申し上げたい。特に国際交流課職員のギャリー・オジェ氏および英語学習ア ドバイザーの糸久裕恵氏からは,英語の言い回しについて多くの助言を受けた。また,査読 者からも有益なコメントを頂いた。  この原稿を執筆した 2016 年 7 月に,バングラデシュの首都ダッカで飲食店襲撃事件が起 き,日本人 7 人を含む 22 人が犠牲となった。この事件を受けて,海外渡航に関する安全対 策に一層関心が集まるようになった。東京経済大学主催の海外渡航についても,語学を含む 安全面の事前研修に一層力を入れていきたい。

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~普通の大学生が短期渡航前に練習すべき質問 100~

<使い方とコツ> *自分の英語力に合わせて暗記できる程度の表現を考え、ぱっと反射的に言えるようにしましょう。 *Yes/No だけだと尋問のようになってしまいます。フレンドリーな会話になるように工夫しましょう。 *わからない場合や、答えに困る場合は、「知らない」「何と言ってよいかわからない」などと言えるように。 *国名や都市名を自分の渡航に合わせて変えましょう。 *ノートに自分の答えを書き出してみましょう。 *友達同士で質問を出し合ってみましょう。 *☆マークがついた 30 問は特に重要です。

<Talking about Yourself>

(1) What's your name?

☆(2) How do you spell your name? ☆(3) Does your name have any meaning?

(4) What's your date of birth?

(5) Where do you come from? / Where are you from? (6) Is this your first time to come to Australia? (7) What countries have you been to other than Australia? (8) What comes to your mind first when you think of Australia? (9) What school do you go to in Japan?

(10) What year are you in at university in Japan? ☆(11) What’s your major?

(12) What do you study in Japan? (13) How are you?

(14) What’s up?

☆(15) Tell me about your family. Do you have brothers or sisters? Do you have any pets? (16) Do you have any food allergies? Is there anything you cannot eat?

(17) What do you do for fun?

(18) What kind of sports do you like? Do you play or watch any sports? (19) What kind of music do you like?

(20) Do you have a Facebook account? (21) How long will you stay in Australia? (22) What will you do in Australia?

(23) What kind of movies do you like to watch? (24) Do you like Anime or Manga?

(25) How old are you?

(26) Is there anything you want to eat while you are in Australia?

(13)

(28) Do you want to buy any souvenir for your family and friends? (29) Do you smoke? Do you drink?

(30) Do you have a driver’s license? (31) Do you believe in any religion?

(32) What do you usually do on the weekends?

<Talking about your school>

☆(33) What was the name of your school in Japan? (34) How many semesters are there in one academic year? (35) May I ask how much the tuition is?

(36) How many students are there at your university? (37) What are the strong majors at your university? ☆(38) How long have you been studying English?

(39) Why do you think Japanese people are not very good at speaking in English? ☆(40) When does a new academic year start in Japan?

(41) Do you live on campus in Japan? (42) How do you go to school in Tokyo?

(43) Why did you choose to go to your university? (44) How old is your university?

☆(45) What's your plan after college? (46) Do you plan to go to graduate school?

(47) What kind of jobs do the students get after graduation? ☆(48) How many courses do you take a semester?

(49) Do students ask questions in class?

<Talking about Japan>

(50) What's the weather like in Japan now? (51) What is the population of Japan? ☆(52) What is the drinking age in Japan?

(53) What is the driving age in Japan? (54) What is the voting age in Japan?

(55) How much is an Australian dollar worth in Japan now?

(56) Does it snow in Tokyo? Is there any influence of climate change? ☆(57) Do you like sushi? What do you eat at home?

(58) How do you say "hello" in Japanese?

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(60) What is your house like in Japan? Is it small? Do you take your shoes off?

☆(61) What time is it in Japan now? What is the time lag between South Australia and Japan?

<Travel English>

☆(62) (at the immigration counter) What is the purpose of your visit to Australia? (63) (at the immigration counter) What brings you here?

☆(64) (at the immigration counter) How many days will you stay in Australia? ☆(65) (at the immigration counter) What’s the name of the school you will visit? ☆(66) (at the immigration counter) Where will you stay in Australia?

(67) (at the immigration counter) Have you been to Australia before? (68) Which airline did you take?

(69) How was your flight? Was there any delay?

(70) Was it a direct flight? Or did you have to transfer? ☆(71) How long did it take to fly from Tokyo to Adelaide?

(72) What’s your flight number from Adelaide? (73) (at a store) Hello. May I help you? ☆(74) (at a store) Cash or charge?

☆(75) (paying with a credit card) PIN or sign? ☆(76) (at a store) Do you need a bag?

☆(77) (at a fast food restaurant) 英 For here or to take away? 米 For here or to go? ☆(78) (英語で言うと?) 動くな!

☆(79) (英語で言うと?) もう一回言ってもらえますか?

☆(80) (英語で言うと?) コーヒーのスモールとこれ(例えばサンドイッチ)を持ち帰りで下さい。 (81) (英語で言うと?) Wifi のパスワードは何ですか?

☆(82) (英語で言うと?) このバスはフリンダース大学に行きますか?

(83) (英語で言うと?) the State Library にはどうやって行ったら良いでしょうか? (84) (英語で言うと?) すみません、お手洗いはどこですか?

(85) (食べ物などに関して) Help yourself. (86) (別れ際に) I’ll miss you!

(87) (at a check in counter) How many bags of luggage would you like to check in? (88) (at a check in counter) May I see your ticket and passport please?

☆(89) (at a check in counter) Has anyone given you anything to take onboard with you? (90) (at security check) Do you have a computer in your bag?

☆(91) (at security check) No liquid in your bag?

(92) (at an airport)Your boarding gate has been changed. Please proceed to Gate 27 immediately. (93) (at a gate) Please have your boarding pass and identification ready.

(15)

☆(94) (on board) What would you like to drink? (95) (on board) Cream and sugar in your coffee? (96) (on board) Would you like beef or chicken?

(97) (on board) Could you put your seat to the upright position? (98) (知らない人から)Can I have a copy of your passport?

(99)(知らない人から)Do you like coke? This is for you. It’s free! ☆(100)(英語で言うと?) 財布を盗まれました。警察に連絡したいのですが。

参照

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