第2学年4組理科学習指導案
平成18年10月20日(金)5限 指導者 坂井輪中学校 教諭 野上貴浩 1 単元名 化学変化と原子・分子−2章 物質どうしの化学変化− 2 単元の目標 化合,分解などの化学変化に関する観察,実験をもとに反応における物質の変化や量的 関係を原子・分子のモデルと関連づけて考えることを通して,化学変化が化学式や化学反 応式で表されることを理解し,おもな化学変化を化学反応式で表すことができる。また, 化学変化に関わるきまりを見いだす観察・実験を通して,結果を表にまとめたりグラフで 表したりする追究の方法を身につけることができる。 3 単元の評価規準 関心・意欲・態度 科学的思考 技能・表現 知識・理解 ①化学変化に興味・ ①化学変化について ①観察・実験などを ①原子の記号を身に 関心をもち,日常生 モデルを活用し科学 行い,基礎操作を習 付け,化学式で正し 活と関連づけようと 的に考察することが 得することができる く 表 す こ と が で き する。 できる。 る。 ②化学変化について ②実験・観察から結 ②観察・実験結果を ②化学変化と原子・ どのように変化する 果を導き出し,規則 表にまとめてグラフ 分子について,現象 か予想を考え,考察 性や法則性を考える に表し,規則性を見 の原理や法則を理解 しようとする。 ことができる。 いだすことができる し,知識を身につけ らる。 ることができる。 4 単元と生徒 (1)単元について 本単元では化学変化における物質の変化や質量保存の法則,定比例の法則など物質の質 量を扱い,これらの事象を原子・分子のモデルで説明できる見方や考え方を養うことがね らいである。 これまでに生徒は,小学校において,「ものの状態の変化」「水溶液の性質」「ものの溶 け方」,「ものの燃え方と空気」,中学校において「物質のすがたと状態変化」の学習の中 で,状態変化や化学変化についての学習をしてきた。小学校では,巨視的な見方を大事に しており,扱う化学変化の数も少ない。そのため,燃焼についてはすべて二酸化炭素が発 生するという誤った概念をもつ生徒もいる。 そのようなことを配慮して,ここでは巨視的な見方から微視的に化学変化を見ることが できるようにしていく。つまり,扱う化学変化の事象を増やし,化学変化の前後では原子 の結びつきが変わることによって性質が異なる別の物質が生じるという概念を正しく形成していくことを目指す。 また,この単元では化学変化の前後の質量に着目した定量実験がある。その実験結果を もとに表やグラフを駆使して,質量保存の法則や定比例の法則を見いだすことになる。な お,表やグラフの作成を苦手にしている生徒もいるのでじっくりと取り組ませ,科学的に 追究する方法を確実に身につけさせたいと考えている。 化学変化の学習は,光や熱,気体の発生など反応が激しいものも多く,生徒の反応もす こぶるよいので,生徒の主体的な探究活動を通して科学的に追究する態度も身につけさせ るようにしたい。 (2)生徒について NRT(全国標準学力検査)の実態では,大・中領域でみるとこの単元の学習内容の定 着度はほぼ全国比と同じか,上回っている。しかし,小問レベルでみると,理科の授業で 扱っている化学変化でも,異なる視点で問われると通過率が下回っていることがわかった。 つまり,これまで授業で学んだ法則や規則性をさまざまな事象に適応していく力,応用力 に弱さがあることがわかった。 生徒の実態アンケートをとってみた。「理科の授業が好きか」との問いには,90%以 上 の生 徒が “ 好き”,“ど ちら かと いうと 好き ”と 答えて おり ,そ の理由 につ いては 「実 験 など が楽 し い」「考 えた りす るのが 楽し い」 と答え てい る。 また,“ど ちら かとい うと 嫌い”“嫌い”と答えている生徒の理由は「法則,規則性がわからない」と言っている。 つまり,わからないもしくはわかりづらいということが嫌いな理由になっている。 また,「理科が得意か」という問いに対しては,かなりの数の生徒が“どちらかという と 不得 意で あ る”“不 得意 であ る”と 答え てい る。理 由に つい ては,「な ぜそ うなる のか を わか らな い」「 予想 する のが 難しい 」「 記号 や単 位がわ から ない 」など と答 えてい る。 このように考えると,理科の学習が実験などができると楽しいのだけれど,内容がわかり にくいといった問題があることがわかった。 また,普段の授業の様子からも教師の発問に対して積極的に発言する生徒も多いが,思 いつきの発言も多く,科学的な根拠をもって筋道を立てて考える力をつけることが課題で あると感じている。 このようなことから,理科の学習では,一人一人の生徒に学習内容を確実に理解させ定 着させる,学んだことを様々な事象に適応できる力をつけさせることが重要課題であるこ とがわかった。また,理科の本来の魅力は,問題探究する楽しさであると思うので,理科 が好きだという生徒の気持ちを大切にし,探究する力を確実につけていきたいと考えてい る。 5 指導の構想 (1)自ら考え,現象を説明するための力を向上させるために ①一人一人にカラーの原子・分子モデル(シート)を用意する。 ②一人一人が原子・分子モデルを用いて化学変化を考える時間を確保する。 ③グループ活動を通して,互いの考えを交換する場を設定する。 ④授業で扱う化学変化を原子・分子モデルで扱うようにする。 (2)グラフや表の技能を向上するために ①一人一人が実験結果をまとめることができる実験シートや思考を促すためのワーク
シートを用意する。 ②実験から見いだすきまりを明らかにして実験を行わせる。(金属の酸化実験) ③観察・実験を行う際のグループ活動や考察における話し合い活動を計画的に行い, 仲間同士による互いの教え合いの場を設定する。 (3)基礎・基本の確実な定着と応用力の向上を図るために ①基礎・基本的な内容を確認する学習プリントや小テストを行う。 ②授業で扱った法則や規則性をもとに解決できる応用力を問う問題演習を行う。 ③原子・分子モデルを使用したパフォーマンステストを行う。 6 指導と評価の計画(全11時間) 時 ○ねらい 評価規準(B) 評価の観点 十分満足できる 努力を要する 間 おもな学習活動 【評価方法】 関 思 表 知 (A) (C)への指導 1 ○化合について興 化合の実験を進 化合の実験を進 実 験 の 方 法 を 支 味をもち実験する んで行い,ワー ん で 行 お う と 援 し , ワ ー ク シ ことができる。 クシートに書く し,ほかの金属 ー ト へ の 記 述 を ことができる。 の反応にも関心 促す。 ①鉄と硫黄の化合 【観察・ワーク ○ ○ を示す。また, 実験 シート】 ワークシートに まとめることが ②水素と酸素の化 できる。 合実験(演示) 2 ○化合についてモ 原子モデルを活 モ デ ル を 活 用 そ れ ぞ れ の 物 質 デルを使い説明す 用し,化学変化 し,反応につい に つ い て の つ く 本 ることができる。 について説明す て 説 明 が で き り を 助 言 し , モ 時 る こ と が で き る。 デ ル に つ い て つ ①原子モデルを活 る。 ○ くることを促す。 用し,二つの化合 【観察・ワーク についてモデルで シート】 考える。 ○燃焼について興 金属と酸素など 味をもち実験する の実験を進んで ことができ,実験 燃焼について進 行おうとし,ほ 実 験 方 法 を 助 言 の結果についてま んで実験するこ かの化学変化に し , 質 量 を は か とめることができ とができる。ま ついても関心を る こ と を 指 示 す る。 た。結果をワー 示している。 る。 クシートに記入 また,質量につ 3 ①スチールウール することができ ○ ○ いても結果を測 の燃焼実験 る。 定することがで
【観察・ワーク きる。 4 ②燃焼についての シート】 ○ 説明を聞く ○化学変化による 化学変化の前後 前 後 の 様 子 の 変 物質の質量変化に の物質を測定す 化 に つ い て 観 察 ついて理解するこ 化学変化による る実験を,進ん す る こ と や , 前 とができる。 質量の変化につ で行おうとし, 後 の 質 量 変 化 に いて,進んで実 注意深く測定や 注 意 す る こ と を 5 ①石灰石とうすい 験を行うことが ○ ○ 観察ができる。 指示する。 塩酸による気体発 できる。 生実験 【観察・ワーク シート】 ②金属と酸素の化 ○ ○ 合実験 6 ③質量の変化につ 質量の変化につ ○ 化学変化による 変 化 の 結 果 に つ いて実験結果より いて考えること 質量変化につい い て , 気 を つ け 考える。 ができる。 て,実験結果か て 観 察 す る こ と 【ワークシート】 ら結論を導き出 を促す。 ④「質量保存の法 ○ す こ と が で き 則」についての説 る。 明を聞く。 ○金属と酸素の化 化合の実験につ 金属と酸素の化 実 験 の 方 法 に つ 合について一定の いて進んで実験 合の割合につい い て 助 言 す る 。 割合で化合するこ を行うことがで て進んで実験を ま た , 結 果 に つ とを理解すること き,表やグラフ 行い,意欲的に い て 表 に 記 述 す ができる。 に表すことがで 結果をまとめる る こ と を 指 示 す 6 ①銅と酸素の化合 きる。 ○ ○ ことができる。 る。 実験 【観察・ワーク ②マグネシウムと シート】 ○ ○ 酸素の化合実験 化合の割合を実 7 ③化合の割合につ 験結果から考え ○ 表 や グ ラ フ よ グラフや表より, いて考える。 る こ と が で き り,化合の割合 数値を導き出し, 8 ④化合について一 る。 について結論を 割 合 に つ い て 説 定の割合で化合す【ワークシート】 ○ 導き出すことが 明する ることについて説 できる。 明を聞く。 ○化学変化を化学 化学変化を,化 そ れ ぞ れ の 物 質 反応式で表すこと 化学変化を化学 学式を与えられ の 化 学 式 を 教 え
ができる。 式を使って式に ずに化学反応式 る 。 ま た , 化 学 表すことができ で表すことがで 反 応 に つ い て 助 9 ①化学反応式で表 る。 ○ ○ きる。 言を行う。 す活動 【ワークシート】 10 ②化学反応式につ ○ い て の 説 明 を 聞 く。 11 ○学習についての 化学反応につい 後 日 , テ ス ト 直 まとめを行うこと 化学変化につい て,変化や実験 し ノ ー ト の 作 製 ができる。 ての知識を身に 方法,結果など を 行 わ せ , 補 充 つけることがで の知識を身に付 を行う。 ① プ リ ン ト を 行 きる。 ○ けている。 う。 【単元テスト】 7 本時の計画 (1)本時のねらい 鉄と硫黄の化合や酸素と水素の化合について,原子・分子モデルのシートを用いてそれ ぞれの化学変化を表現できる。 (2)本時の評価規準 【科学的な思考】 原子・分子モデルを活用し,化学変化をモデルで表すことができる。 (3)本時の指導の構想 前時まで,鉄と硫黄の化合について実験を行い,化学変化前後には性質の異なる別の物 質になっていることを確かめるとともに,原子・分子モデルを導入し,その化学変化を表 す学習を行ってきた。また,これまで生徒はドルトンの原子説を学び,原子が別の原子に なったり,なくなったり,新しく生まれたりしないことなどを学んできている。 本時では,それらの学習をふまえ,生徒が「水の合成」について原子・分子モデルを用 いて正しく表現することをねらいとする。 生徒が原子・分子モデルを活用し現象について正しく表現する力を身につけさせるため に以下の手だてを講じることとする。 ①水の合成の演示実験を行い,化学変化でできる物質を全体で確認する。 水の合成実験は激しい爆発をともなうので,生徒の興味・関心を引くだろう。現象の派 手さもあるが,化学変化の前後の物質の性質の違いに着目させ,水が水素と酸素によって できるんだということを実感を伴いながら確認したいと考えた。
②一人一人の生徒が原子・分子モデルシートを用いて,水の合成の化学変化を表現する 課題を提示する。 一人一人の生徒がモデルシートを使用して水の合成モデルを考えることによって,じっ くりと考えたり,操作したりする時間を設定する。また,クラス全体で同じ原子・分子モ デルシートで化学変化を表現しようとするので,共通のモデルで思考でき,また正しいモ デルの形をもとにそれを表現する練習を繰り返しできるなど習熟が図れると考えた。 ③一人一人の生徒が考えたモデルを持ち寄って,望ましいモデルを1つ決定する話し合 い活動を行う。 一人一人の生徒が考えた水の合成のモデルを持ち寄って,望ましいモデルを作成する活 動を行うことによって,モデルの不備な点を互いに気づいたり,修正したりすることをね らっている。つまり,化学変化の前後で原子の種類や数が変化していないことや分子とい う存在の基本単位を,生徒同士の話し合いの中で確認し,意識することを期待している。 (4)本時の展開と評価 学習活動・内容 教師の 働きかけと 予想される生 徒の反応 指導上の留意点◇と評価■ ☆ ○ 前 時 の 実 験 結 果 前時の学習について聞く。 ◇ 化 学 変 化 の 前 後 で 性 質 が についてふり返る。 前回の学習を振り替えさせる。 変 化 し て い る こ と を 強 調 す る な ど し て , 前 回 の 学 習 を 発問 確 実 に ふ り 返 る こ と が で き 「前回の実 験から分かったことは何 で るようにする。 すか。」 ■ 前 時 の 学 習 内 容 を ふ り 返 ☆鉄と硫黄が化合して硫化鉄になる。 ることができる。 ☆ 塩 酸 に 入 れ る と く さ い 気 体 が 発 生 し た。 ☆モデルを使い,化学変化を表した。
○
Fe +○
S →○
Fe○
S 本時の課題を提示する。 ○ 演 示 実 験 を 観 察 ◇ 水 素 と 酸 素 の 量 に 注 意 す する。 指示 る。 これから,水をつくる実験を行います。 教卓の近くに集まりなさい。 ◇ ユ ー ジ オ メ ー タ ー , 合 成 バ ッ グ の 二 つ を 活 用 し て ,ア 教卓の近くに寄らせる 演示実験を行う イ 水素と酸素を入れる ウ 点 火 す る と ど う な る か 簡 単 に 予 想 さ せる。(何ができるか) ※ 水 の 存 在 を 確 か め る 方 法 を 確 認 す る ◇塩化コバルト紙 (塩化コバルト紙) 青→赤で水の存在 エ す ご い 音 が 出 る か も し れ な い こ と を ◇ 反 応 時 は 危 険 な の で , 離 告げる。少し下がらせる。 れるように指示する。 オ 水の合成の反応を見せる ◇オージオメータの使用後 ☆ 爆発に驚く。 →合成バックで行う。 ☆ 水が上に上がることに気づく ○ 水 素 と 酸 素 の 化 ◇ 分 子 を 必 ず つ く る こ と に 合 に つ い て モ デ ル 発問 注 意 さ せ る 。 ド ル ト ン の 原 を使い考える。 今,見た「 水素と酸素の化合をモデ ル 子説を確認する。 ワ ー ク シ ー ト に 記 を使い表し てみよう。自分のワーク シ ◇ 分 子 に つ い て の 助 言 を 机 入 ートに書き込んで下さい。」 間巡視で行う。 ◇ ワ ー ク シ ー ト に 記 入 で き ☆
○
H○
H+○
O○
O→○
H○
O○
H な い 生 徒 に は 化 学 式 を 助 言 ☆○
H○
H+○
O○
O→○
H○
O○
H する。○
H○
H○
H○
O○
H ■ ワ ー ク シ ー ト に 変 化 を 記 ☆○
H○
H+○
O →○
H○
O○
H 入することができる。 ■ モ デ ル を 使 い 説 明 す る こ とができる。 ◇ 早 く で き た 生 徒 に は , 発 展 と し て 炭 酸 水 素 ナ ト リ ウ ム の 分 解 に つ い て 考 え さ せ る。 ○ モ デ ル を 使 い 班 ◇ 班 で の 話 し 合 い で , こ れ 内で話し合い 指示 ま で 学 ん だ 原 子 ・ 分 子 の 約 班内でどの ように表現するとよいか を 束を強調する。 話 し 合 っ て 下 さ い 。「 こ れ だ 」 と 思 う ものを班の 中で決定して下さい。発 表 ◇ 話 し 合 い で は , 班 員 が 一 をしてもらいます。 番 理 解 で き る も の を 選 ぶ よ うに促す。 ○班別の発表 ◇ プ ロ ジ ェ ク タ ー を 活 用 す 指示 る 各班の選ば れた人は前に出てきて発 表して下さい。 ■ モ デ ル を 使 い 説 明 す る こ とができる。 (発表方法) ○ 班 ○ ○ で す 。 私 た ち の 班 は ,・ ・ ・ ・ のよう に考えまし た。理由は・ ・・だか らです。 ○まとめ ☆