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木造混構造の構造設計事例 1. 構造設計事例の作成方針平成 23 年 5 月 1 日付けで 構造基準の合理化に伴う木造混構造に関する改正告示が施行されて 大きくは2 項目の合理化がなされた 具体的には平成 19 年国土交通省告示第 593 号 ( 以下 告示 という ) 第四号に規定する建築物として

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木造混構造の構造設計事例

2011 年 5 月 19 日

社団法人 日本建築構造技術者協会

技術委員会 木質系部会

○ c社団法人日本建築構造技術者協会 2011 (無断転載禁止)

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木造混構造の構造設計事例 1.構造設計事例の作成方針 平成 23 年5 月1 日付けで、構造基準の合理化に伴う木造混構造に関する改正告示が施 行されて、大きくは2 項目の合理化がなされた。具体的には平成19 年国土交通省告示第593 号(以下「告示」という)第四号に規定する建築物として「1,2 階RC 造-3 階木造の混構 造建築物」および「大規模平面を有する延べ面積3000m2 以下の2 階建て混構造(1 階RC 造-2 階木造)の建築物」が追加された。 前者の「1,2 階RC 造-3 階木造の混構造建築物」に関しては、構造計算の方法等は従来 より告示第四号に規定されている建築物と変わりがない〔図-1 参照〕。 後者の「大規模平面を有する延べ面積3000m2 以下の2 階建て混構造(1 階RC 造-2 階 木造)の建築物」に関しては、大規模平面特有の技術的課題に対する計算法が新たに規定 されることとなった〔図-2 参照〕。 後者の建築物に関しては、本則の構造計算だけではなく、特別な調査又は研究の結果に 基づき、当該建築物の振動特性を適切に考慮し、安全上支障のないことを確かめる構造計 算についても選択可能となっている。本則の構造計算(以下、①「簡易法」と呼ぶ)は、 鉛直構面および水平構面の設計用地震時応力の1.5 倍割り増し法である。また、特別な調査 又は研究の結果に基づく構造計算としては、②「水平構面略算法」と位置付けられる水平 構面の設計用地震時応力の1.5 倍割り増し法や、③「水平構面精算法」と位置付けられる水 平構面の設計用地震時応力のAi 分布型割り増し法が提案できる。さらに、平面形状が整形 でない④「平面的切欠きを有する水平構面」の場合は、応力集中部に特別な地震時応力割 り増しが必要と考えられる。 ①「簡易法」では、一般的な小規模木造混構造と概ね同様な構造計算方法であるが、木 造部分の水平構面の規模が大きくなることに対処して、一律に木造部分の鉛直構面および 水平構面の設計用地震時応力を1.5 倍に割り増す方法である。鉛直構面に関しては壁量を従 来の1.5 倍確保する必要がある。また水平構面に関しては、各階床位置の設計用地震時層せ ん断力に対応した水平震度を1.5 倍に割り増した水平面せん断力に対して床構面を設計す る必要がある。 ②「水平構面略算法」では、「簡易法」で必要な鉛直構面の地震時応力割り増しは不要 となるが、水平構面の地震時応力の1.5 倍割り増しは必要である。さらに、水平構面を支持 する鉛直構面の充足率が不十分な場合(0.75 未満)は、当該鉛直構面を支持点とできず、 スパンを拡大する必要がある。 ③「水平構面精算法」では、「水平構面略算法」で必要な水平構面の地震時応力の割り

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④「平面的切欠きを有する水平構面」に関しては〔図-3 参照〕、水平構面内の応力分布が 整形の場合と異なってくることから、平面的切欠きの大きさによって「切欠き応力集中部」 の水平構面の地震時応力をさらに 1.5 倍に割り増すことが必要である。 図-1 1,2 階 RC 造-3 階木造の混構造概念図 図-2 大規模平面を有する立面的木造混構造概念図 図-3 切欠きを有する水平構面の木造混構造概念図 以上の背景から、大規模平面に関する新たな構造規定の具体的な運用方法に関する構造 設計事例を作成することとした。 2. 設計事例の概要 以下には、3 種類の構造計算法に対応した構造設計事例、および「平面的切欠きを有する 水平構面」の場合に対応した事例の概要を示し、それら 3 事例の構造計算書の概要を示す。 ① 「簡易法」設計事例 学校教室棟で、一般的な教室を有する事例 2 階建て木造混構造:1 階 RC 造+2 階木造、延べ床面積: 1,950m2 平面規模:17.3m×56.4mの長方形平面で 7.3m×9.1mの教室を有する

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木造部構造計画:耐力壁形式の構造用合板耐力壁と筋違をバランスよく配置し、屋根面 大梁と柱を 1.82m間隔に配置した構造計画。 ② 「水平構面略算法」および③「水平構面精算法」設計事例 学校管理棟で、大きな空間の多目的室を有する事例 2 階建て木造混構造:1 階 RC 造+2 階木造、延べ床面積:1,890m2 平面規模:17.3m×54.6mの長方形平面で 7.3m×18.2mの多目的室を有する 木造部構造計画:耐力壁形式の構造用合板耐力壁をバランスよく配置し、屋根面大梁と 柱を 1.82m間隔に配置した構造計画。 ④ 「平面的切欠きを有する水平構面」設計事例 学校メディア棟で、平面的切欠きの事例 木造混構造:1 階 RC 造+2 階木造、延べ床面積: 580m2 平面規模:18.2m×18.2mの長方形平面で 2 階木造隅部に 9.1m×9.1mの切欠きを有する 木造部構造計画:耐力壁形式の構造用合板耐力壁を外周部にのみ配置した構造計画。

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設計事例 1 教室棟〔①簡易法の適用事例〕 1. 建築概要 建築場所 多雪地域、第 2 種地盤、地域係数 Z=1.0 主要用途 学校 延べ床面積 1951 ㎡ 構造種別 1階:鉄筋コンクリート造 2階:木造 (1階RC 部分ルート1相当) 高さ 最高高さ:10.3m 軒高:7.7m 2. 設計方針 (1) 適用基準 ・建築基準法 ・全体の検討 木造軸組工法住宅の許容応力度設計(日本住宅・木材技術センター 2008 年版) ・ブレース端部接合部の検討 木質構造設計規準・同解説(日本建築学会 2006 年版) (2) 構造計算ルート ルート1(許容応力度設計) (3) 構造計画概要 平面形状 56.42×17.29m の本建物は、上部が木造架構、下部が耐震壁付き鉄筋コンク リート造であり、2 階建て立面混構造である。屋根架構は大断面集成材を用いた一方向 山型ラーメン架構で、1.82m 間隔で配置する。架構の間を 1.82m 間隔に配置した母屋で つなぐ。鋼板屋根は、設計例であるため、垂木付きの野地板+ブレースの場合、t=24 以上の構造用合板の場合、垂木付きの野地板または構造用合板の場合の3ケースとす る。鉛直構面の耐震要素としては、外周、廊下、部屋間に筋交いまたは構造用合板を 配置する。 (4) 構造計算方針 告示第 593 号第四号ロの本文に示される方法(以下、「簡易法」と略す)に基づいて 構造計算を行う。したがって、鉛直構面の地震力を Co=0.3 に割り増すとともに、屋根 水平構面の地震力も同様に割り増して構造計算を行う。 地震力の算定において、1階の 2 階に対する重量比が 2 倍以上となるため、修正 Ai 分布を適用する。

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3. 平面図および断面図

平面図

1 階平面図

2 階平面図 断面図

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4. 伏図および軸組図 伏図 2 階伏図 軸組図 真壁、大壁:壁倍率5 大壁、真壁:壁倍率2.5 両側筋交い90x90:壁倍率 5

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5. 設計荷重 (1) 固定荷重 木造部分 部位 名称 材料 重量(N/m2) 材料に関する備考 各重量 合計 採用 屋根 屋根+天井 ガルバリウム鋼板t=0.4 60 アスファルトルーフィング940 220 野地板 t=15 60 すぎ 通気胴縁 36x45@455 15 すぎ 透湿防水シート 2 垂木 45x150@455 60 すぎ グラスウール 16kg t150 24 母屋 120x180@1820 65 べいまつ集成材 登り梁 150x500@1820 240 べいまつ集成材 天井GB-P t9.5 60 806 850 吊り材 束 120x120@1820x1820aveL=1.3m 23 梁 150x150@1820 50 すぎ 挟み板 2x180x30@1820 24 すぎ 照明器具 @1820 50 147 160 壁 外壁 板縦張り t=21 84 すぎ 目地打ち 15x75@210 21 すぎ 横胴縁 21x45@455 9 すぎ 透湿防水シート 2 インシュレーションボードt=9 40 杉樹皮ブローイングt=120 200 ポリスチレンシート 2 シナ合板パネル t=20.5 110 柱 150x150@1820 70 べいまつ集成材 538 570 窓 ガラスt=7 175 柱 150x150@1820 70 べいまつ集成材 245 260 内壁 GB-R t=9.5 60 構造用合板 t=12 70 横胴縁 45x45@455 18 すぎ GB-R t=9.5 60 208 220 間仕切り壁 GB-R t=9.5 60 構造用合板 t=12 70 縦胴縁 45x150@455 60 すぎ 構造用合板 t=12 70 GB-R t=9.5 60 320 340 単位重量 縦 横 枚数 面積 重量 N/㎡ m m 枚 ㎡ kN RF 屋根 850 58.8 19.69 1 1158 984 吊材 160 56.42 17.29 1 976 156 外壁 570 56.42 1.7 0.6 58 33 外壁 570 14.56 2.6 2 76 43 窓 260 56.42 1.7 1.4 134 35 窓 260 2.73 1.7 2 9 2 間仕切壁 340 7.29 3 10 219 74 内壁 220 39.6 2.7 2 214 47 窓 260 39.6 1.3 2 103 27 合計 1402 採用

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(2) 積載荷重 2 階床は前述の通り、10kN/m2 の中に含む。屋根には積載荷重を見込まない。 (3) 積雪荷重 垂直積雪量:1.0m 単位荷重:20N/cm./m2とする。 屋根勾配:16.7°→屋根形状係数μb:

μ

b

cos

(

1

.

5

×

16.7)

0.952

積雪荷重: 20×100×0.952=1904N/m2 2.0kN/m2 地震時積雪荷重: 0.35S=0.7kN/m2 (4) 風荷重 基準風速:30m/s 地表面粗度区分 Ⅲ H:建築物の高さと軒の高さの平均(=9.0m) Zb=5m、ZG=450m、α=0.20(地表面粗度区分Ⅲ) H>Zbのため、 Er=1.7(H/ZG)α=0.777 Gf:ガスト影響係数 粗度区分Ⅲ、H=9m より、Gf=2.5 E=Er 2 ・Gf=1.51 速度圧 q: q=0.6・E・V0 2 =815N/m2 風力係数 X 方向:B=17.44m、H=9m a=min(B,2H)=(17.44,18)=17.44m Y 方向:B=56.72m、H=9m a=min(B,2H)=(56.72,18)=18m

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層せん断力に寄与する風荷重 X方向 階 部位 高さ 高さの 面積 勾配 Cpe Cpi 風力 風圧力 風荷重 小計 合計 中心 m m2 ° 係数 N/m2 N N kN 1F 風上壁面 z=0.75~4.3 2.525 61.91 0.790 0 0.790 644 39885 39885 風下壁面 z=0.75~4.3 61.91 -0.400 0 -0.400 -326 20183 20183 60 2F 風上壁面 z=4.3~5 4.65 12.21 0.790 0 0.790 644 7866 z=5~6 5.50 17.44 0.821 0 0.821 669 11672 z=6~7 6.50 17.44 0.878 0 0.878 716 12479 z=7~7.7 7.35 12.21 0.922 0 0.922 752 9177 z=7.7~9 8.35 17.01 0.970 0 0.970 791 13454 z=9~10.3 9.65 5.67 1.028 0 1.028 838 4752 59399 風下壁面 z=4.3~7.7 59.30 -0.400 0 -0.400 -326 19332 z=7.7~10.3 22.67 -0.400 0 -0.400 -326 7390 26722 86 Y方向 階 部位 高さ 高さの 面積 勾配 Cpe Cpi 風力 風圧力 風荷重 小計 合計 中心 m m2 ° 係数 N/m2 N N kN 1F 風上壁面 z=0.75~4.3 2.525 243.90 0.790 0 0.790 644 157130 157130 風下壁面 z=0.75~4.3 243.90 -0.400 0 -0.400 -326 79511 79511 237 2F 風上壁面 z=4.3~5 4.65 39.70 0.790 0 0.790 644 25576 z=5~6 5.50 56.72 0.821 0 0.821 669 37961 z=6~7 6.50 56.72 0.878 0 0.878 716 40585 z=7~7.7 7.35 39.70 0.922 0 0.922 752 29838 133960 風下壁面 z=4.3~7.7 192.85 -0.400 0 -0.400 -326 62869 62869 風上屋根面 516.15 16.7 0.067 0 0.067 55 8099 8099 風下屋根面 516.15 16.7 -0.500 0 -0.500 -408 60441 60441 265 風荷重による層せん断力 X 方向 Y 方向 2F 86kN 265kN 1F 146kN 502kN (5) 地震力 地震時重量 単位重量 縦 横 面積 重量 N/㎡ m m ㎡ kN 2階 屋根+壁 1500 積雪 700 合計 2200 56.42 17.29 975.5 2146 1階 RC(積載含む) 10000 合計 10000 56.42 17.29 975.5 9755

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設計用地震力の算定 地域係数 Z 1 振動特性係数 地盤種別 第2種 算定 Tc (sec) 0.6 軒高 (m) 7.7 棟高 (m) 10.3 周期用高さ h (m) 9.0 木造部分高さ (m) 4.7 木造比 α 0.522 建物固有周期 T (sec) 0.227 振動特性係数 Rt 1.00 1階の 2 階に対する重量比が 2 倍以上となるため、修正 Ai 分布を適用する。また、 簡易法であるため、2 階木造部分の鉛直構面の地震力を 1.5 倍し、Co=0.3 とする。 修正Ai分布 2階設計用地震力計算用

階 Wi(kN) ΣWi'(kN) αi Ai Ci Q(kN)

2 2146 2146 0.333 1.38 0.413 887

1 4292 6438 1.000 1.00 0.300 1931

1階設計用地震力計算用

階 Wi(kN) ΣWi(kN) αi Ai Ci Q(kN)

2 2146 2146 0.180 1.59 0.317 681 1 9755 11901 1.000 1.00 0.200 2380 設計用地震力>風荷重なので、設計用地震力での検討を行う。吹き上げ等の検討は、 設計例のため、省略する。 6. 鉛直構面の設計 (1) 壁量の確認 必要壁量 Qi(kN) 必要壁量(=Qi/1.96)(m) 887 452.5 X 方向 通 Y1 Y2 Y3 Y4 耐震要素 大壁 合板 両筋 交い 真壁 合板 両筋 交い 真壁 合板 両筋 交い 大壁 合板 大壁 合板 両筋 交い 合計 単位壁倍率 N 2.5 5 5 5 5 5 5 2.5 5 壁長さ L(cm) 1456 1820 728 1092 1274 728 910 1274 1274 壁量 36.4 91 36.4 54.6 63.7 36.4 45.5 31.9 63.7 通ごとの壁量 127 91 100 141 460 > 453 Y 方向 通 X1 X2 X3 X4 X5 X6 X7 X8 X9 X10 X11 耐震要素 大壁 合板 真壁 合板 真壁 合板 真壁 合板 真壁 合板 真壁 合板 真壁 合板 真壁 合板 真壁 合板 真壁 合板 真壁 合板 大壁 合板 単位壁倍率 N 2.5 5 2.5 5 5 5 5 5 5 5 2.5 2.5 合計 壁長さ L(cm) 1456 728 728 728 728 728 1456 728 728 1456 728 1456 壁量 36.4 36.4 18.2 36.4 36.4 36.4 72.8 36.4 36.4 72.8 18.2 36.4 通ごとの壁量 36.4 54.6 36.4 36.4 36.4 72.8 36.4 36.4 72.8 18.2 36.4 473 > 453

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各構面の検定 X 方向 通 Y1 Y2 Y3 Y4 合計 壁量 127.4 91 728 1274 短期許容せん断耐力 Pa (kN) 249.70 178.36 196.20 276.46 剛性低減率 Ck 1 1 1 1 壁高さ H (m) 3.4 3.4 3.4 3.4 せん断剛性 K (kN/m) 11016 7869 8656 12197 39738 基点からの距離 X (m) 0.00 7.28 10.01 17.29 K×Y 0 57285 86644 210881 354809 K×(Y-Ys)2 878264 21392 10118 852663 1762438 ねじれ補正係数 α 0.992 0.999 1.001 1.007 ねじれ割り増し係数 Ce 1.000 1.000 1.000 1.000 地震力 QEJ (kN) 245.88 175.63 193.19 272.22 887 検定比 0.985 0.985 0.985 0.985 Y 方向 通 X1 X2 X3 X4 X5 X6 X7 X8 X9 X10 X11 合計 壁量 36.4 54.6 36.4 36.4 36.4 72.8 36.4 36.4 72.8 18.2 36.4 短期許容せん断耐力 Pa (kN) 71.34 107.02 71.34 71.34 71.34 142.69 71.34 71.34 142.69 35.67 71.34 剛性低減率 Ck 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 壁高さ H (m) 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 せん断剛性 K (kN/m) 2378 3567 2378 2378 2378 4756 2378 2378 4756 1189 2378 30916 基点からの距離 X (m) 0.00 3.64 10.92 14.56 21.84 30.94 34.58 40.04 49.14 52.78 56.42 K×X 0 12985 25969 34626 51938 147159 82236 95220 233723 62759 134174 880789 K×(X-Xs)2 1930284 2202826 734141 461465 105167 28549 88200 317249 2028179 701554 1855146 10452761 ねじれ補正係数 α 0.98 0.98 0.99 0.99 1.00 1.00 1.00 1.01 1.01 1.02 1.02 ねじれ割り増し係数 Ce 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 地震力 QEJ (kN) 68.23 102.35 68.23 68.23 68.23 136.47 68.23 68.23 136.47 34.12 68.23 887 検定比 0.96 0.96 0.96 0.96 0.96 0.96 0.96 0.96 0.96 0.96 0.96 (2) 層間変形角の確認 X 方向 通 Y1 Y2 Y3 Y4 QEJ (kN) 245.88 175.63 193.19 272.22 Dj (kN/m) 11016 7869 8656 12197 h (m) 3.4 3.4 3.4 3.4 γ1 (×10-3rad) 6.56 6.56 6.56 6.56 1/γ1 152.3 152.3 152.3 152.3 Y 方向 通 X1 X2 X3 X4 X5 X6 X7 X8 X9 X10 X11 QEJ (kN) 68.23 102.35 68.23 68.23 68.23 136.47 68.23 68.23 136.47 34.12 68.23 Dj (kN/m) 2378 3567 2378 2378 2378 4756 2378 2378 4756 1189 2378 h (m) 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 γ1 (×10-3rad) 6.376 6.376 6.376 6.376 6.376 6.376 6.376 6.376 6.376 6.376 6.376 1/γ1 156.8 156.8 156.8 156.8 156.8 156.8 156.8 156.8 156.8 156.8 156.8 よって、X、Y 方向ともに最大層間変形角で 1/150 以下となる。

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(3) 偏心率の確認 X方向 重心 yg (m) 8.645 剛性 壁 ΣDx (kN/m) 39738 剛性×距離 壁 Σ(Dx×y) (kNm/rad) 354809 基点~剛心 ys (m) 8.93 弾力半径計算用 壁 Jx 1762438 弾力半径 rex (m) 17.53 偏心距離 ey (m) 0.28 偏心率 Rex 0.02 判定 Rex≦0.3 OK Y方向 重心 xg (m) 28.21 剛性 壁 ΣDy (kN/m) 30916 剛性×距離 壁 Σ(Dy×x) (kNm/rad) 880789 基点~剛心 xs (m) 28.49 弾力半径計算用 壁 Jy 10452761 弾力半径 rey (m) 19.88 偏心距離 ex (m) 0.28 偏心率 Rey 0.01 判定 Rey≦0.3 OK 低減率 Fep 1 以上のように、両方向ともに偏心率は非常に小さく、0.3 を超えないことを確認した

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7. 屋根水平構面の設計 (1) 鉛直構面充足率の検討 X 方向 通 Y1 Y2 Y3 Y4 合計 支配面積 205.4 282.4 282.4 205.4 975.6 支配面積に応じた必要壁量 95.3 131.0 131.0 95.3 452.5 実際の壁量 127.4 91.0 100.1 141.1 459.6 充足率 1.34 0.69 0.76 1.48 1.02 Y 方向 通 X1 X2 X3 X4 X5 X6 X7 X8 X9 X10 X11 合計 支配面積 31.5 94.4 94.4 94.4 141.6 109.8 78.7 125.9 110.1 62.9 31.5 975.2 支配面積に応じた必要壁量 14.6 43.8 43.8 43.8 65.7 51.0 36.5 58.4 51.1 29.2 14.6 452.6 実際の壁量 36.4 54.6 36.4 36.4 36.4 72.8 36.4 36.4 72.8 18.2 36.4 473.2 充足率 2.49 1.25 0.83 0.83 0.55 1.43 1.00 0.62 1.42 0.62 2.49 1.05

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(2) 設計用地震力 X 方向 最大スパンは Y1~Y2,Y3~Y4 間である。 奥行き 56.42m、スパン 7.28m、固定荷重+積雪荷重 2200N/m2 、 C0=0.3、修正 Ai=1.38 なので Q=2200×56.42×7.28/2×0.3×1.38/1000=187.0kN qx=187.0/56.42=3.31kN/m Y 方向 最大スパンの X5~X6 間で設計する。 奥行き 17.29m、スパン 9.1m、固定荷重+積雪荷重 2200N/m2 、 C0=0.3、修正 Ai=1.38 なので Q=2200×17.29×9.1/2×0.3×1.38/1000=71.7kN qy=71.7/17.29=4.15kN/m (3) 水平部材の断面設計 水平構面に関しては、3ケースに対して検討する。 ①ブレース ②垂木なし(厚い合板の場合) ③垂木あり(杉板の場合、合板の場合) どれも勾配屋根として検討する。 ① ブレース ブレースの配置は、下図のように1.82m×3.64m ごととする。

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a) ブレースの必要断面 水平構面端部の単位長さ当たりの設計応力q に対し、ブレース引張軸力 Nbr は、 Nbr=qx×Lx/cosγ/cosθあるいは Nbr=qy×Ly/sinγ/cosθの何れか大きい値で ある。 Lx=1.82m Ly=3.64m、γ=63.4°かつ、Lx/cosγ=Ly/sinγ=Lbrace=4.07m、 cosθ=0.96 であるので、 X 方向:Nbr=qx×4.07/0.96=3.31×4.07/0.96=14.0kN Y 方向:Nbr=qy×4.07/0.96=4.15×4.07/0.96=17.6kN 従って、Y 方向のブレース軸力に対して設計する。M12(SS400、有効断面積: 144×0.75=108mm2)では、 σt=17.6×1000/108=163N/mm2 σt/ft=163/235=0.69 < 1 OK b) 小屋梁の断面検定 またこの場合、ブレースの取り付くスパンが3.64m なので、この間の曲げモー メントを計算すると、X 方向では、安全側の検討として、単純梁と考え、3.31× 1.82×3.642/8=10.0kNm のモーメントがブレースで支持された点の間の中央に 加わる。梁をB×D=150mm×500mm とすると、これにより追加される曲げ応力 度はΔσb=10.0×106/(500×1502/6)=5.3N/mm2となり、集成材のFb の 1/3 以下となる。 また、Y方向の荷重では、屋根勾配による分力を検討する。 となる。P は外力であり、簡易法では、屋根荷重に加わる水平震度は一律として考 えるので、どの小屋梁も同じ応力が生じる。2.2×0.3×1.38=0.91kN/m2の荷重が 加わっても問題のないように検討する。梁の支持点の距離(=柱の距離)7.28m に対し、単純梁で計算する(梁間隔は@1.82m)。 Mo=0.91×1.82×7.282/8=11.0kNm 梁 の 断 面は 150x500 であるので、σb=11.0×106/ (150×5002/6)= 1.76N/mm2となり、これを他の応力度、荷重組み合わせなどとともに考慮する必 要がある(応力組み合わせは省略する)。 P P/cosθ P/tanθ

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② 垂木なし(厚い合板の場合) 仕様規定では勾配屋根に関して、垂木なしの場合は提示されていないため、詳細計 算により算定する。合板は 24×1820×910 を用いることとする。大梁(合掌)のピ ッチは1820mm のため、母屋のピッチは 910 とし、ロの字の形状に釘を打つことと する。 鉄丸釘N75-@150 を採用し、接合部せん断耐力の検定を行い、必要耐力(4.15kN/m) が、許容せん断耐力(7.64kN/m)を超えないことを確認した。 鉄丸釘 N-75 太め鉄丸 釘CN-65 太め鉄丸 釘CN-75 @150 @150 @150 四周 四周 四周 屋根勾配 θ ° 16.7 16.7 16.7 面材 面材の種別 合板 合板 合板 材種 ベイマツ ベイマツ ベイマツ 厚さ t cm 2.4 2.4 2.4 面材のせん断弾性係数 GB kN/cm2 58.8 58.8 58.8 面材釘 仕様 鉄丸釘 N-75 太め鉄丸 釘CN-65 太め鉄丸 釘CN-75 弾性剛性 k kN/cm 6.51 8.78 10.13 降伏変位 δv cm 0.25 0.15 0.18 終局変位 δu cm 1.71 1.32 2.14 降伏耐力 ΔPv kN 1.62 1.31 1.85 面材釘配列 単位面積あたり2次モーメント Ixy cm2 2.51 2.51 2.51 単位面積あたり配列係数 Zxy cm/cm2 0.062 0.062 0.062 降伏終局比 Cxy 1.08 1.08 1.08 降伏耐力の計算 面材釘による降伏モーメント ΔMy kNcm/cm2 0.100 0.081 0.115 水平構面の降伏耐力 Py kN/cm 0.100 0.081 0.115 1/150時耐力の計算 面材釘による回転剛性 ΔK0 kN/rad・cm 14.6 19.1 21.5 水平構面 せん断剛性 KR kN/rad・cm 15.3 19.9 22.5 1/150時の耐力 P150 kN/cm 0.102 0.133 0.150 終局耐力から決まる 面材釘による 終局モーメント ΔMu kNcm/cm2 0.108 0.088 0.124 耐力の計算 塑性率 μ0 6.23 7.75 10.23 降伏変形角 Ry0 rad 0.0069 0.0043 0.0053 水平構面 終局耐力 Pu kN/cm 0.108 0.088 0.124 降伏変形角 Ry rad 0.0066 0.0041 0.0051 終局変形角 Ru rad 0.0440 0.0341 0.0564 塑性率 μ 6.71 8.35 11.06 終局耐力から決 まる耐力 0.2√(2μ-1)*Pu kN/cm 0.076 0.070 0.114 水平構面の許容せん断耐力 ΔQa kN/m 7.64 6.95 11.38 屋根構面が勾配であることにより、小屋梁に発生する応力に関しては、ブレースの 場合と同じである。 ③ 垂木あり(杉板の場合、合板の場合) 杉板の場合 仕様規定では、板材、厚さ9~15mm、幅 180mm 以上、鉄丸釘 N-50@150 で垂木 に打ちつけ、垂木45×45~90、500mm ピッチ以下、転び止めなし、勾配 30 度以

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下の場合、許容せん断耐力を0.39kN/m としている。詳細に検討を行っても必要耐 力を満足できないため、採用しない。 合板の場合 仕様規定では、合板、厚さ 9~15mm、鉄丸釘 N-50@150 で垂木に打ちつけ、垂木 45 ×45~90、500mm ピッチ以下、勾配 30 度以下の場合、転び止めなしで許容せん断 耐力を 1.37kN/m、転び止めありで 1.96kN/m としている。詳細に検討を行っても必 要耐力を満足できないため、採用しない。 (4) 水平部材接合部の設計 接合部は、ブレースの降伏耐力以上の許容耐力を持たせることとする。M12 (SS400)であるため、降伏軸力は 144×235=33840N=33.84kN である。 スパン間はボルト、外周はラグスクリューとし、ともにせん断方向に対して検討す る。従って、ボルトに対してはY 方向分力、ラグスクリューに関しては、X,Y 方向 分力に対して検討する。γ=63.4°なので、分力としては、X 方向 33.84×cosγ= 15.15kN、Y 方向 35.84×sinγ=32.0kN である。 ボルトの場合(Y 方向分力で計算:4-M16(2 列×2 本)) 主材 断面 D,B (mm) 500 150 材料 集成材 E85-F255 すぎ 応力 N (kN) 32.00 荷重継続期間影響係数、含水率影響係数 jKd,jKm 2 1 ボルト接合 ボルト配置 径,基準材料強度 d,F (mm), (N/mm2 ) 16 235 1列の本数、ピッチ ni,r (本/列),(mm) 2 80 列数,ピッチ m,s (列),(mm) 2 120 縁端距離 se (mm) 150 単位接合部 主材厚 l (mm) 150 繊維方向基準支圧強度 Fe (N/mm2 ) 19.4 基準材料強度/基準支圧強度 γ 12.11 降伏モード毎の接合形式係数 Ⅰ,Ⅲ 1 0.446 Ⅳ 0.303 決定モード、接合形式係数 モード、C Ⅳ 0.303 終局強度比 ru 1.2 せん断耐力(降伏、許容) py,pa (kN) 14.11 11.29 接合部(全体) ボルト本数/毎による耐力低減係数 jKn 1 終局せん断耐力 Puj (kN) 67.74 引張部分有効面積、引張基準強度 Aet,Ft (mm2 ), (N/mm2 ) 9600 16.8 割裂終局耐力 AetFt (kN) 161.28 せん断の有効面積、せん断基準強度 Aes,Fs (mm2 ), (N/mm2 ) 36900 3 せん断破壊終局耐力 AesFs (kN) 110.70 割裂またはせん断破壊による終局耐力 Puw (kN) 161.28 基準終局せん断耐力 Pu0 (kN) 67.74 靭性係数 jKr JA 1 設計用許容せん断耐力、耐力比 Pa,N/Pa (kN) 45.16 0.709 鋼板 材料強度、許容応力度(引張) Fpl,ftpl (N/mm2 ) 235 235

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ラグスクリューの場合(X 方向分力で計算:4-φ12 頭 19 L=110(2 列×2 本)) 主材 断面 D,B (mm) 150 150 材料 集成材 E85-F255 すぎ 応力 N (kN) 15.15 荷重継続期間影響係数、含水率影響係数 jKd,jKm 2 1 ラグスクリュー ラグスクリュー 径,基準材料強度 d,F (mm), (N/mm2 ) 12 235 接合 配置 1列の本数、ピッチ ni,r (本/列),(mm) 2 80 列数,ピッチ m,s (列),(mm) 2 100 縁端距離 se (mm) 150 単位接合部 主材厚 l (mm) 104 繊維方向基準支圧強度 Fe (N/mm2) 19.4 基準材料強度/基準支圧強度 γ 12.11 降伏モード毎の接合形式係数 Ⅰ,Ⅲ 1 0.452 Ⅳ 0.328 決定モード、接合形式係数 モード、C Ⅳ 0.328 終局強度比 ru 1.1 せん断耐力(降伏、許容) py,pa (kN) 7.94 5.82 接合部(全体) 主材、側材のヤング係数 Ei,E0 (N/mm2) 8500 205000 EiAi,E0A0 N 191250000 23184954 REA 0.12 ko,(EI)s (N/mm3),(N/mm2) 52.34 208718208 λ 0.0295 r,q -0.0930 0.0074 Φ,Ks ,(N/mm) 0.9907 21037 u,m 1.05 0.7279 Cg 0.96 ボルト本数/毎による耐力低減係数 jKn 1 終局せん断耐力 Puj (kN) 33.65 引張部分有効面積、引張基準強度 Aet,Ft (mm2 ), (N/mm2 ) 7072 16.8 割裂終局耐力 AetFt (kN) 118.81 せん断の有効面積、せん断基準強度 Aes,Fs (mm2 ), (N/mm2 ) 24128 3 せん断破壊終局耐力 AesFs (kN) 72.38 割裂またはせん断破壊による終局耐力 Puw (kN) 118.81 基準終局せん断耐力 Pu0 (kN) 33.65 靭性係数 jKr JA 1 設計用許容せん断耐力、耐力比 Pa,N/Pa (kN) 22.44 0.675 鋼板 材料強度、許容応力度(引張) Fpl,ftpl (N/mm2) 235 235 鋼板厚、巾 t,Bpl (mm) 6.0 135 有効面積 Aepl (mm2) 642 応力度、応力度比 σtpl (N/mm2 ) 23.60 0.100 ラグスクリューの場合(Y 方向分力で計算:8-φ12 頭 19 L=110(4 列×2 本)) 主材 断面 D,B (mm) 150 150 材料 集成材 E85-F255 すぎ 応力 N (kN) 32.00 荷重継続期間影響係数、含水率影響係数 jKd,jKm 2 1 ラグスクリュー ラグスクリュー 径,基準材料強度 d,F (mm), (N/mm2 ) 12 235 接合 配置 1列の本数、ピッチ ni,r (本/列),(mm) 2 80 列数,ピッチ m,s (列),(mm) 4 100 縁端距離 se (mm) 150 単位接合部 主材厚 l (mm) 104 繊維方向基準支圧強度 Fe (N/mm2) 19.4 基準材料強度/基準支圧強度 γ 12.11 降伏モード毎の接合形式係数 Ⅰ,Ⅲ 1 0.452 Ⅳ 0.328 決定モード、接合形式係数 モード、C Ⅳ 0.328 終局強度比 ru 1.1 せん断耐力(降伏、許容) py,pa (kN) 7.94 5.82 接合部(全体) 主材、側材のヤング係数 Ei,E0 (N/mm2 ) 8500 205000 EiAi,E0A0 N 191250000 23184954 REA 0.12 ko,(EI)s (N/mm3 ),(N/mm2 ) 52.34 208718208 λ 0.0295 r,q -0.0930 0.0074 Φ,Ks ,(N/mm) 0.9907 21037 u,m 1.05 0.7279 Cg 0.80 ボルト本数/毎による耐力低減係数 jKn 0.95 終局せん断耐力 Puj (kN) 55.75 引張部分有効面積、引張基準強度 Aet,Ft (mm2), (N/mm2) 7072 16.8 割裂終局耐力 AetFt (kN) 118.81 せん断の有効面積、せん断基準強度 Aes,Fs (mm2 ), (N/mm2 ) 42432 3 せん断破壊終局耐力 AesFs (kN) 127.30 割裂またはせん断破壊による終局耐力 Puw (kN) 127.30 基準終局せん断耐力 Pu0 (kN) 55.75 靭性係数 jKr JA 1 設計用許容せん断耐力、耐力比 Pa,N/Pa (kN) 37.17 0.861 鋼板 材料強度、許容応力度(引張) Fpl,ftpl (N/mm2) 235 235 鋼板厚、巾 t,Bpl (mm) 6.0 135 有効面積 Aepl (mm2 ) 642 応力度、応力度比 σtpl (N/mm2 ) 49.84 0.212

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ブレース接合部例 断面 A 矢視図 (5) 水平構面の曲げ縁応力伝達検討 屋根の縁応力はX5~X6 区間が最大スパン 9.1m であるため、この部位が最大となる。 床構面のせん断力Q(=q×奥行き D=71.8kN)の 2 倍の荷重が、スパン中央に加わる と考え、安全側に単純梁として計算する。 M=2×71.8×9.1/4=327kNm となる。奥行きD は 17.29m であるため、縁応力 T は T=327/17.29=18.9kN となる。 Ⅹ方向梁は150×150 であり、引張応力度はσt=18.9×1000/(150×150)=0.84N/mm2 と非常に小さく影響は少ない。 接合部には、引き寄せ金物(20kN 用、SH-D20、HD-B20、HD-N20 等)を用いることとす る。意匠上問題がある場合は、鋼板を側材としたボルトの 2 面接合の計算を行う。 8. 部材の断面設計(省略) 9. RC 造部の設計(省略) A ボルト4-M16 ラグスクリュー 4-φ12 頭 19 L=110 チドリ ボルト4-M16 PL-6 SS400 1-M12 X Y

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設計事例2 管理棟〔②水平構面略算法および③水平構面精算法の適用事例〕 1. 建築概要   ・建築場所 地震力 Z=1.0 多雪区域 1.2m   ・主要用途 学校   ・延べ床面積 1888 ㎡     ・構造種別 2階 木造 1階 鉄筋コンクリート造(ルート1相当の壁量を確保している)   ・高さ 10.294 m  ≦ 13.0m   ・軒高 7.7 m ≦ 9.0m 2. 設計方針   ・適用基準 建築基準法 木質構造設計基準・同解説(日本建築学会2006年版)   ・構造計算ルート ルート1 (許容応力度設計)   ・構造計画概要  平面形状 17.3m×56.4mの長方形平面を有する学校管理棟で、2階に特別教室やメディアセン ターが計画されている。耐震壁は、これらの機能に配慮しつつ構造用合板による耐力壁をバラン スよく配置する。屋根構面のスパンは最大18.2mとなる。   ・構造計算方針  屋根面に作用する地震力の算定は、告示第593号第四号ロに示される特別な調査研究結果に基 づいて構造計算を行うが、その中の②「水平構面応力の略算法」および③「水平構面応力の精 算法」を採用する。  地震力の算定において、1階部分の地震力算定用重量が2階木造部分の地震力算定用重量の2倍 を超えるため、1階部分の地震力算定重量を2階部分の地震力算定重量の2倍と見なして2階部分の 地震力を計算する。なお、1階はAi=1.0とする。(修正Ai分布)

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3. 平面図および断面図

建物の平面図および断面図を以下に示す。

1階平面図

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4. 伏図および軸組図 伏図は木造部分のみを示す。軸組は断面図参照。 21.84 21.84 10.94 21.84 12.74 3.64 14.56 14.56 14.56 5. 設計荷重 (1)固定荷重     2階木造部分  屋根:ガルバリウム鋼板仕上+アスファルトルーフィング 1.20 kN/m2  内外壁:構造用合板+仕上     1階RC部分    10.00 kN/m2 (2)積載荷重   屋根面の積載荷重は0とする。 0.00 kN/m2 (3)積雪荷重     多雪区域  1.20 m 20 N/cm/㎡ 2.40 kN/m2 3寸屋根勾配を考慮し μb=√(cos(1.5θ)) 0.952 θ= 16.69 → 2.28 kN/m2 地震重量算定用として0.35倍とする 0.80 kN/m2 → 0.80 kN/m2 したがって地震用重量= 1.20 + 0.80= 2.00 kN/m2 (4)風荷重    基準風速 V0= 30 m/s    地表面粗度区分     Ⅲ → Zb= 5 ZG= 450 α= 0.2     建築物高さと H= 8.997 m Gf= 2.5 ∵H≦10   軒の高さの平均値     Er= 0.777 E=Er2Gf= 1.51 q= 815.80 N/㎡ 伏図

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  風荷重の算定結果を以下に示す。   X方向:梁間方向に風を受ける方向   Y方向:桁方向に風を受ける方向 (5)地震力   地震用建物重量 単位重量 面積 Wi ΣWi (kN/㎡) (㎡) (kN) (kN) 2 2.00 944 1888.1 1888.1 1 10.00 944 9440.3 11328.4   1階部分の地震力算定用重量=11328kN>2階部分の地震力算定用重量の2倍=2×1888.1  より修正Ai分布を求めて地震力を算定する。すなわちα2=1888.1/(1888.1+2×1888.1)=0.33とする。   建物固有周期 T=h(0.02+0.01α)= 0.23 s   ここで h= 1/2×(軒高+棟高)= 8.997 m α= (8.997 -4.300)/ 8.997 =0.52    Z= 1.00 C0= 0.2 Rt= 1.00

階 ∑Wi(kN) αi Ai Z Rt C0 Z・Rt・Ai・C0 Qi(kN) 2 1888.1 0.33 1.38 1.000 1.00 0.2 0.276 521.5 1 11328.4 1.00 1.00 1.000 1.00 0.2 0.200 2265.7   地震荷重>風荷重より 鉛直構面および水平構面の検討は地震力に対して行う。 6. 鉛直構面の設計 (1)壁量の確認   耐震壁は構造用合板2枚張り(壁倍率5.0)を使用する。     設計用水平力= 521.5 kN     必要壁長= 53.2 m 梁間方向 通り X1 X2 X4 X5 X6 合計 壁長(m) 12.74 3.64 14.56 14.56 14.56 60.06 桁方向 通り Y1 Y2 Y3 Y4 合計 階 風上 風下 2 4.697 8.997 1.00 0.80 -0.40 -0.20 1.40 1142.13 54.6 256.5 292.9 292.9 1 4.3 4.3 0.79 0.63 -0.40 -0.20 1.23 1005.45 54.6 234.8 236.1 529.0 Cf*q (N/㎡) 見付幅 B(m) 見付幅 面積 (㎡) 風荷重 (kN) Qw(kN) Cpe Cpi 階 階高h(m) 当該高さZ(m) kz 風力係数Cf 風上 風下 2 4.697 8.997 1.00 0.80 -0.40 -0.20 1.40 1142.13 17.29 81.2 92.8 92.8 1 4.3 4.3 0.79 0.63 -0.40 -0.20 1.23 1005.45 17.29 74.3 74.8 167.5 Cf*q (N/㎡) 見付幅 B(m) 見付幅 面積 (㎡) 風荷重 (kN) Qw(kN) Cpe Cpi 階 階高h(m) 当該高さZ(m) kz 風力係数Cf

(25)

(2)層間変形角の確認 壁倍率 5.0  以下に示す通り、いずれの方向も層間変形角は1/150以内におさまっている。 壁量 横架材 天端高さ Ck 剛性 地震力 変形 層間 変形角 (m) (m) (kN/m) (kN) (mm) 梁間方向 60.06 4.500 1.00 19619.6 521.5 26.58 1/169 桁方向 76.44 4.500 1.00 24970.4 521.5 20.88 1/215 (3)耐震要素の断面設計 (4)耐震要素接合部の設計   (3)、(4)は仕様規定に従った耐震壁仕様とするため、検討は省略する。 (5)偏心率の確認  いずれの方向についても、以下に示す通り、偏心率は15/100以内におさまっている。  重心位置の算定 gx= 27.3 m gy= 9.1 m  剛心位置の算定 桁方向 Y Dx・Y ΣDx・Y (m) (kN・m) (kN・m) Y4 214.03 18.20 3895.38 Y3 214.03 10.01 2142.46 Y2 107.21 7.28 780.50 Y1 214.03 0.00 0.00 6818.35 749.31 梁間方向 X Dy・X ΣDy・X (m) (kN・m) (kN・m) X6 142.69 54.60 7790.76 X5 142.69 36.40 5193.84 X4 142.69 18.20 2596.92 X2 35.67 3.64 129.85 X1 124.85 0.00 0.00 15711.38 588.59  偏心率の算定 桁方向 gy ly ey rex Rex (m) (m) (m) (m) Y4 17725.84 Y3 177.43 9.10 9.10 0.00048 Y2 354.94 18.66 2.55E-05 Y1 17722.14 18258.21 梁間方向 gx lx ex rey Rey (m) (m) (m) (m) X4 111122.85 X3 13443.97 27.30 26.69 0.60667 X2 10293.04 21.06 2.88E-02 X2 18958.10 (㎡) (kN) (m) 26.69 ΣDx・(Y-ly)2 (㎡) ΣDy・(X-lx)2 ly=ΣDx・Y/ΣDx (kN) (m) 9.10 Dy lx=ΣDy・X/ΣDy Dx

(26)

7. 屋根水平構面の設計  屋根水平構面の設計は、鉛直構面の充足率が0.75以上であることを確認し、「水平構面略算法」 および「水平構面精算法」の2つの計算法にて検討する。 (1)鉛直構面充足率の検討  梁間方向はX2通りにおいて充足率が0.75未満となっている。その他はいずれも充足率を満足し ている。したがって、X2通りは屋根構面検討用の端部と見なさず、梁間方向は18.2mスパンとして 検討する。桁方向は、検討用屋根構面スパンは10.01mとなる。 梁間方向 通り X1 X2 X4 X5 X6 合計 屋根面積 31.47 157.34 283.21 314.68 157.34 944.03 地震力 18.25 91.26 164.26 182.51 91.26 547.53 必要壁量 1.86 9.31 16.76 18.62 9.31 55.87 壁長(m) 12.74 3.64 14.56 14.56 14.56 60.06 充足率 6.84 0.39 0.87 0.78 1.56 桁間方向 通り Y1 Y2 Y3 Y4 合計 屋根面積 198.74 273.27 273.27 198.74 944.03 地震力 115.27 158.50 158.50 115.27 547.53 必要壁量 11.76 16.17 16.17 11.76 55.87 壁長(m) 21.84 10.92 21.84 21.84 76.44 充足率 1.86 0.68 1.35 1.86 (2)略算法による屋根構面の設計  (2-1)地震力の算定  梁間方向   最大スパンはX1~X4、X4~X5、X5~X6の18.2mである。   略算法より、屋根構面に作用する地震力QはC0=0.3、修正Ai=1.38とし、 A w W C0 Ai Q (㎡) (kN/㎡) (kN) (kN) 157.34 2.00 314.68 0.3 1.38 130.4 qx=Q/L= 130.4 /17.29(m)= 7.54 kN/m 床倍率 3.85 相当  桁方向   最大スパンはY1~Y3の10.01m(=7.29+2.73)である。   略算法より、屋根構面に作用する地震力QはC0=0.3、修正Ai=1.38とし、 A w W C0 Ai Q (㎡) (kN/㎡) (kN) (kN) 410.74 2.00 821.48 0.3 1.38 340.3 qy=Q/L= 340.3 /56.42(m)= 6.03 kN/m 床倍率 3.08 相当

(27)

(2-2)水平部材の断面設計  ①鉄筋ブレースの場合 1.82m×1.82mの割付け、3寸勾配を考慮し、存在応力にて検討する。    T=qx×1.82m/0.96×√2= 19.99 kN      θ= 16.69 °(3寸勾配)    use 1-M12 A= 113 mm2 SS400    σt=T/A= 176.93 N/mm2 σt/fa= 0.75 <1.0 OK    接合部に作用するせん断力:1構面当り  Qd=T/√2= 14.14 kN  ②厚板構造用合板を使用する場合    合板は24×1820×910㎜、母屋ピッチを910mm、鉄丸釘N-75@150四周打ちにて   7.64kN/m(>7.54kN/m) 確保できる。 面材 面材の種別 合板 材種 ベイマツ 厚さ t cm 2.4 面材のせん断弾性係数 GB kN/㎝2 58.8 面材釘 仕様 丸釘N75 弾性剛性 k kN/㎝ 6.51 降伏変位 δv cm 0.25 終局変位 δu cm 1.71 降伏耐力 ⊿Pv kN 1.62 面材釘 Ixy cm2 2.59 配列 単位面積当たりの配列係数 Zxy cm/cm2 0.064 降伏終局比 Cxy 1.09 降伏耐力 面材釘による降伏モーメント ⊿My kNcm/cm2 0.104 の計算 水平構面の降伏耐力 Py kN/m 0.104 1/150時 面材釘による回転剛性 ⊿K0 kN/rad・cm 15.061 耐力 水平構面 せん断剛性 KR kN/rad・cm 15.061 の降伏耐力 1/150時の耐力 P150 kN/㎝ 0.100 終局耐力 面材釘による 終局モーメント ⊿Mu kNcm/cm2 0.113 から決まる 塑性率 μ0 6.217 耐力 降伏変形角 Ry0 rad 0.007 水平構面の 終局耐力 Pu kN/cm 0.113 降伏耐力 降伏変形角 Ry rad 0.007 終局変形角 Ru rad 0.043 塑性率 μ 6.217 終局耐力から 決まる耐力 0.2√(2μ-1)kN/cm 0.076 水平構面の許容せん断耐力 ⊿Qa kN/m 7.643 単位面積当たりの断面2次 モーメント

(28)

(2-3)接合部の断面設計   1)設計条件    主材ベイマツ集成材 J1 E105-F345 Fe= 25.4 N/mm2 l= 150 mm Ft= 24.6 N/mm2 h= 500 mm Fs= 3.6 N/mm2    鋼材 ボルト SS400 F= 235 N/mm2   2)単位ボルト接合部の降伏耐力Py 接合部形式係数 モードⅠ C= 1.00 モードⅡ C= 0.45 モードⅣ C= 0.33 ボルト直径 d= 20 mm 強度比 γ=F/Fe= 9.25 以上より降伏せん断耐力Pyは Py=C・Fe・d・l= 25232.78 N   3)単位接合部の設計用許容せん断耐力Pa P0=min(K0・Py、K0Kf・Pu0)= 20196.32 N 基準化係数 jK0= 1.00   ←クリープ特性に依存なし 安全係数 jKf= 2/3 単位接合部の終局 せん段力 Pu0=γu・Py= 30279.34 N 終局強度比 γu= 1.2 ←降伏モードⅣより 設計用許容せん断力 Pa=jKd・jKm・P0= 40392.64 N 荷重継続期間影響係数 jKd= 2.00 含水率影響係数 jKm= 1.00   4)必要ボルト本数の確認 必要ボルト本数 Qd/Pa= 0.35 本  → 2 -M20   5)接合部全体の設計 木材が割裂やせん断、引張等により破壊しない場合は、終局せん断耐力Pujを終局せん断耐力   Pu0とすることができる。 Puj=Kn・ni・γu・Py= 60558.68 N 低減係数 jKn= 1.00 i列のボルト本数 ni= 2 = 3 2γ l d

( )

− = + 1 3 2 2 2 l d

γ

(29)

したがって基準終局せん断耐力はPujで決まる。ここで基準せん断耐力P0を求める。 P0=K0jKfjKr・Pu0= 40392.64 N 靱性係数 jKr= 1.00 ← 木材せん断破壊なし、モードⅣ   設計用せん断耐力はPaを求める。 Pa=jKd・jKm・P0= 80785.28 N = 80.79 kN   以上より検定比を求める。 Qd/Pa= 0.17 <1.0 OK (2-4)水平構面の曲げ縁応力伝達検討  屋根の縁応力の算定と桁材の検討     屋根の縁応力は、最大スパン18.2mで最大となる。床構面のせん断力Qdの2倍の荷重がスパン    中央に加わった場合のモーメントは、18.2mスパンの単純梁として計算すると M=2×Qd×L/4= 1186.32 kN・m 縁応力=Qd'=M/17.29m= 68.61 kN σ=縁応力/150×500= 0.91 N/mm2   したがって外周梁の引張応力度は0.91N/mm2と非常に小さく、影響は少ない。    また、外周梁接合部のボルトについても2-M20とすれば、80.79kNとれるので上記のおさまり    で問題ない。 おさまり例

(30)

(3)精算法による屋根構面の設計  (3-1)地震力の算定   スパンの大きな梁間方向にて検討を行う。屋根構面のスパン18.2mを10分割し、屋根面の水平力  分布を計算する。 屋根面に作用する地震力は以下の式で求める。   これより屋根構面端部、中央部の水平力を求めると 端部 qx=Q/L= 117.3 /17.29(m)= 6.79 kN/m 床倍率 3.46相当 中央部 qx=Q/L= 91.0 /17.29(m)= 5.26 kN/m 床倍率 2.69相当 (3-2)水平部材の断面設計 いずれも端部の値にて検討する。  ①鉄筋ブレースの場合 1.82m×1.82mの割付け、3寸勾配を考慮し、存在応力にて検討する。    T=qx×1.82m/0.96×√2= 17.99 kN      θ= 16.69 °(3寸勾配)    use 1-M12 A= 113 mm2 SS400    σt=T/A= 159.24 N/mm2 σt/fa= 0.68 <1.0 OK    接合部に作用するせん断力:1構面当り  Qd=T/√2= 12.72 kN  ②厚板構造用合板を使用する場合    合板は端部で24×1820×910㎜、母屋ピッチを910mm、鉄丸釘N-75@150四周打ちにて

= = = n j j n i j j i W W 1 α 2 2 . 2 8 . 0 '= + i i i A α α ' 0 5 . 1 t i i j i W C Z R A A Q=

⋅ ⋅ ⋅ ⋅ ⋅ ⋅

B(m) L(m) w(kN/m2) Wi(kN) ∑Wi(kN) αi Ai' Ai Z Rt C0 1.5・Z・Rt・Ai・Ai'・C0 Qi(kN)

5 0.91 17.29 2.00 31.5 31.5 0.111 4.689 1.381 1.000 1.000 0.2 1.943 61.1 4 1.82 17.29 2.00 62.9 94.4 0.333 2.077 1.381 1.000 1.000 0.2 0.861 81.2 3 1.82 17.29 2.00 62.9 157.3 0.556 1.396 1.381 1.000 1.000 0.2 0.578 91.0 2 1.82 17.29 2.00 62.9 220.3 0.778 1.117 1.381 1.000 1.000 0.2 0.463 101.9 1 1.82 17.29 2.00 62.9 283.2 1.000 1.000 1.381 1.000 1.000 0.2 0.414 117.3

(31)

(3-3)接合部の断面設計   1)設計条件    主材ベイマツ集成材 J1 E105-F345 Fe= 25.4 N/mm2 l= 150 mm Ft= 24.6 N/mm2 h= 500 mm Fs= 3.6 N/mm2    鋼材 ボルト SS400 F= 235 N/mm2   2)単位ボルト接合部の降伏耐力Py 接合部形式係数 モードⅠ C= 1.00 モードⅡ C= 0.44 モードⅣ C= 0.26 ボルト直径 d= 16 mm 強度比 γ=F/Fe= 9.25 以上より降伏せん断耐力Pyは Py=C・Fe・d・l= 16148.98 N   3)単位接合部の設計用許容せん断耐力Pa P0=min(K0・Py、K0Kf・Pu0)= 12925.64 N 基準化係数 jK0= 1.00   ←クリープ特性に依存なし 安全係数 jKf= 2/3 単位接合部の終局 せん段力 Pu0=γu・Py= 19378.78 N 終局強度比 γu= 1.2 ←降伏モードⅣより 設計用許容せん断力 Pa=jKd・jKm・P0= 25851.29 N 荷重継続期間影響係数 jKd= 2.00 含水率影響係数 jKm= 1.00   4)必要ボルト本数の確認 必要ボルト本数 Qd/Pa= 0.49 本  → 2 -M16   5)接合部全体の設計 木材が割裂やせん断、引張等により破壊しない場合は、終局せん断耐力Pujを終局せん断耐力   Pu0とすることができる。 Puj=Kn・ni・γu・Py= 38757.55 N 低減係数 jKn= 1.00 i列のボルト本数 ni= 2 木材繊維方向の力を受ける場合の集合型せん断破壊に対する設計について検討する。割裂   またはせん断破壊により終局耐力Puwを求める。

Puw=max(Ft・Aet,Fs・Aes)= 482160.00 N

A =l×Σri = 3 2γ l d

( )

− = + 1 3 2 2 2 l d

γ

(32)

したがって基準終局せん断耐力はPujで決まる。ここで基準せん断耐力P0を求める。 P0=jK0・jKf・jKr・Pu0= 25851.29 N 靱性係数 jKr= 1.00 ← 木材せん断破壊なし、モードⅣ   設計用せん断耐力はPaを求める。 Pa=jKd・jKm・P0= 51702.58 N = 51.70 kN   以上より検定比を求める。 Qd/Pa= 0.25 <1.0 OK (3-4)水平構面の曲げ縁応力伝達検討  屋根の縁応力の算定と桁材の検討     屋根の縁応力は、(3-1)で求められた地震力を下図に示す様に18.2mスパンに与えること     で求められる。 M= 823.50 kN・m 縁応力=Qd'=M/17.29m= 47.63 kN σ=縁応力/150×500= 0.64 N/mm2   したがって外周梁の引張応力度は0.64N/mm2と非常に小さく、影響は少ない。    また、外周梁接合部のボルトについても2-M16とすれば、51.7kNとれるので上記のおさまり    で問題ない。 おさまり例

(33)

設計事例3 メディア棟〔④平面的切欠きを有する水平構面の適用事例〕 1. 建築概要 建築場所:多雪地域 主要用途:学校 延べ床面積:496.7 m2 構造種別:1 階 鉄筋コンクリート造, 2 階 木造 高さ:11.2 m( ≦ 13.0 m ) 軒高さ:7.7 m( ≦ 9.0 m ) 2. 設計方針 (1) 適用基準 ・建築基準法 ・木造軸組工法住宅の許容応力度設計 2008 年版(日本住宅・木材技術センター) (2) 構造計算ルート ルート1(許容応力度計算) (3) 構造計画概要 本設計事例は, 1 階:鉄筋コンクリート造, 2 階:木造の学校施設で, 2 階建ての立面混 構造の建物である。屋根架構は, ガルバリウム鋼板葺きの 3 寸勾配屋根を, 構造用集成 材の登り梁で支持したものである。2 階の木造部分が L 字型プランとなっており, その 交差部, すなわち平面的にみて建物が折れ曲がる部分では, 十分な水平剛性が求められ ることから, 屋根面は, 構造用合板(24 mm)を登梁および受材に N75 釘を直接打ち付 ける仕様(ピッチ150 mm 以下)とする。一方, 2 階の鉛直構面は, 外周に構造用合板(9 mm)を両側に配した壁で構成する。 (4) 構造計算方針 告示第593 号第四号ロに示される, 特別な調査研究結果に基づいて構造計算を行うが, その中の「平面的切欠きを有する水平構面の応力割増し」を採用する。1 階の鉄筋コン クリート造部分の重量が, 2 階の木造部分の重量の 2 倍以上となるため, 修正 A i 分布を 用いて地震力を評価する。このとき, 標準層せん断力係数 C 0 は, C 0 = 0.2 である。一方, 屋根面に対する構造計算では, 耐震要素の間隔が広く, 水平構面としての応答が大きく なることを勘案し, 水平構面の応力を精算法で算定するとともに, 平面切欠きによる応 力集中を考慮して当該部の応力をさらに割増して設計を行う。

(34)

3. 平面図および断面図 1F 平面図 2F 平面図 断面図 4. 伏図および軸組図 小屋伏図 2 階耐力壁伏図

(35)

軸組図 5. 設計荷重 本事例では, 二階の木造部分の構造計算結果を示すため, 修正 A i 分布の適用を前提とし て, 設計用荷重の算定は, 木造部分に対してのみ行う。また, 長期荷重に対する検定を省略 するため, 固定荷重および積雪荷重は, 単位面積当たりの重量として結果をまとめる。 (1) 固定荷重(柱, 梁・桁等の軸組材を含む) ・屋根面:1500 N / m2 ・内壁, 外壁:500 N / m2 ・窓:300 N / m2 (2) 積載荷重 屋根に対しては, 積載荷重を見込まない。 (3) 積雪荷重(多雪地域) ・積雪量:1 m(単位面積重量:20 N / cm / m2 ) ・屋根勾配:3 寸勾配 → 屋根形状係数 μb : = 0.95 ・積雪荷重 S : = 1900 → 積雪時短期:0.35 S = 665 700 N / m2

(36)

(4) 風荷重(基準風速、地表面粗度区分、見付け面積、水平力) ・基準風速:V 0 = 30 m / sec. ・地表面粗度区分:Ⅲ ・基準高さ H :( 11.2 + 7.7 ) / 2 = 9.45 m → ガスト影響係数 G f :2.5 ・鉛直分布係数 E r : = 0.785 ・高さおよび周辺影響による補正係数 E = E r 2 G f = = 1.54 ・速度圧 q = 0.6 E V 0 2 = 832 N / m2 ・受風面積(X・Y 方向共通):78.3 m2 ・風圧力Q w( C f = 1.2 ): = 78174 N 78.2 kN (5) 地震力 ・地震力算定用重量 部位 単位荷重 [ kN/m2 ] 面積 [ m2 ] 荷重 [ kN ] 地震力算定用重量 [ kN ] 屋根 1.5 335.8 503.7 外壁(階高の半分) 0.5 67.5 33.8 内壁(階高の半分) 0.5 30.9 15.5 窓(階高の半分) 0.3 31.7 9.5 562.4 ・修正A i 分布に基づく地震力の算定( 1F 重量 = 2F 重量 ) 階数 階重量 Wi [ kN ] Σ Wi [ kN ] αi Ai Ci QE [ kN ] 2 562.4 562.4 0.33 1.38 0.28 155.3 1 1124.8 1687.2 1.00 1.00 0.20

(37)

6. 鉛直構面の設計 設計荷重の算定結果より, 地震力>風圧力であったことから, 以降では地震力に対す る鉛直構面の検定結果をまとめて示す。 (1) 壁量の確認 ・鉛直構面の検定(許容応力度計算) 有効壁長 短期許容 保有耐力 必要耐力 [ m ] せん断耐力 [ kN ] [ kN ] [ kN ] Y1 63.7 124.9 Y3 36.4 71.3 X1 63.7 124.9 X3 36.4 71.3 196.2 155.3 0.79 X方向 Y方向 196.2 155.3 通り 検討方向 検定比 0.79 ・層間変形角の確認 両方向とも検定比 = 0.66 より, 層間変形角は, 1 / 150 0.79 = 1 / 190 rad. となるため, 規定の層間変形角を満足する。 ・令46 条関連の計算 有効壁量 必要壁量 充足率 判定 有効壁量 必要壁量 充足率 判定 100.1 37.3 2.69 OK 100.1 37.3 2.69 OK X方向 Y方向 (2) 耐震要素および接合部の設計 本事例では, 令 46 条ならびに昭 56 建告 1100 号に定められている壁の仕様および規定 の接合方法を満足しているため, 耐震要素およびそれらの接合部の設計は省略する。 (3) 偏心の検討 位置 [ m ] 有効壁長 [ m ] 計 位置 [ m ] 有効壁長 [ m ] 計 rex rey -7.28 63.7 -463.7 -7.28 63.7 -463.7 12.4 12.4 10.92 36.4 397.5 10.92 36.4 397.5 合計 100.1 -66.2 合計 100.1 -66.2 Rex Rey -0.66 -0.66 0.08 0.08 X方向 原点(Y2 - 1820mm) Y方向 原点(X2 - 1820mm) 原点からの距離 [ mm ] 弾力半径 原点からの距離 [ m ] 偏心率 以上より、偏心率はすべて0.15 以下であり, 偏心補正の必要はない。

(38)

7. 屋根水平構面の設計 屋根構面では, 24 mm の構造用合板を梁および受材に直接釘打ちした仕様を採用し, この短期許容せん断耐力は, 7.84 kN / m である。仕様は, 次の通りである。 単位長さあたりの 許容せん断耐力 面材の四周を鉄 幅45mm×45mm 梁側面に受材を 厚さ24mmの 丸釘N75を用い, 以上の受材を, 面 梁と受材の間隔 落としこみ, 受材 150mm以下の間 材の継ぎ目に沿う の上端から梁に 隔で梁組と受材に 形で落とし込み N75釘を斜め打ち 打ち付け 構造用合板 1000mm以下 7.84 kN/m 面材の種類 釘打ちの仕様 受材の仕様 間隔 梁組の接合仕様 ここでは, 水平構面用の設計地震力を算定し, この仕様が許容せん断力以下となるこ とを確認する。 なお, X・Y 方向の壁配置と仕様は同一となることから, Y 方向の構造計算結果を示す。 (1) 鉛直構面充足率の検討 屋根構面の設計では, 鉛直構面が支点となって水平構面の各区間が応答すると考える ため, その支点となる鉛直構面の当該区間の地震力に対する壁量充足率が 0.75 以上であ ることを確認する必要がある。本事例では, 外周耐力壁の壁線間隔(X1~X3)を支持ス パンとして, 充足率を確認する。 通り 負担面積 [ m2 ] 必要壁量 [ m ] 有効壁長 [ m ] 充足率 X1 165.6 24.8 60.1 2.42 X3 82.8 12.4 30.0 2.42 (2) 設計用地震力 設計用地震力は, 層せん断力評価を補正する形で, 次式によって算定する。このとき, 各重量は, 図のように支配面積毎に算定する。また, 本事例のような切り欠きを有する 建物では, 切り欠き部分の面積を加えた全面積に対する切り欠き割合が 1 / 6 を超える場 合, 当該区間の応力をさらに 1.5 倍して評価する。 2.2 0.3 , 0.8 2 fi i i i i i i Q A A W A

α

α

′ ′ =

= + −

(39)

X1-X2 質点 区間重量 Wi [ kN ] Σ Wi [ kN ] αi A'i Ai Qfi [kN] 3 43.5 43.5 0.21 2.95 1.38 53.0 2 80.7 124.2 0.61 1.31 1.38 67.4 1 80.7 205.0 1.00 1.00 1.38 84.9 X2-X3 質点 区間重量 Wi [ kN ] Σ Wi [ kN ] αi A'i Ai Qfi [kN] 6 43.5 43.5 0.35 2.00 1.38 36.0 5 40.4 83.8 0.68 1.22 1.38 42.3 4 40.4 124.2 1.00 1.00 1.38 51.4 本事例の交差部は, 全面積の 1 / 4 であり, これは全体の 1 / 6 以上であることから, X1- X2 における応力は, さらに 1.5 倍に割り増す必要がある。 ・X1-X2:max ( Q f i ) / 奥行き = 84.9 / 18.2 = 4.66 kN / m - 1.5 倍 → 6.99 kN / m ・X2-X3:max ( Q f i ) / 奥行き = 51.4 / 9.1 = 5.65 kN / m

(40)

(3) 水平構面の検定 以上で求めた, 単位長さ当たりの必要耐力は最大で, 6.99 kN / m である。一方, 水平構 面の許容せん断耐力は, 屋根勾配を考慮しても, kN / m であり, 検定比:6.99 / 7.36 = 0.95 < 1.0 → OK となることから, 屋根の仕様をすべて同一とすることで, 他の検定を省略する。 以下には, 参考として行った, ①鉄筋ブレースによる設計と, ②合板+落とし込み根 太で屋根水平構面を設計したときの結果を示す。 ①鉄筋ブレースによる設計 鉄筋ブレースの場合は, 図のように小屋組を構成することとし, 最大スパン 3.185 m ×3.185 m の区間に対して, 鉄筋ブレースを設計する。 このとき, 許容耐力時に鉄筋ブレースに作用する引張軸力 T は, T = = 30.1 kN SS400 を用いることとすると, 必要断面は, 30.1 1000 / 235 = 128 mm2 となり, ここで はM16(A = 201 mm2, Ae=0.75×201=150 mm2)を用いることとする。 ②合板+落とし込み根太 落とし込み根太の仕様における単位長さあたりの許容せん断耐力は, 最大でも根太間 隔340 mm 以下のときの 3.92 kN/m である。したがって, 上記の計算から, 単位長さ当た りの必要耐力は, 最大で 6.99 kN / m であるため, 採用できない。

(41)

(4) 水平構面の曲げ縁応力伝達検討 安全側の評価として, 各区間における必要耐力の最大値:6.99 kN / m が当該スパン全 体にかかったものとして, 最大せん断力:6.99×18.2 = 127.2 kN とする。さらに, このせ ん断力が, スパン全体に一様にかかった場合を仮定して, スパン中央での曲げモーメン トを算定すると, / 4 = 579 kN・m となる。このとき, 奥行きが 18.2 m であ ることから, 縁応力 T = 579 / 18.2 = 31.8 kN となり, 小屋梁(軒桁)の継手は, これ以上 の引張耐力を有している必要がある。 横架材同士の接合を鎌継ぎとし, さらにその両側に短ざく金物を取り付けた場合, そ の短期許容引張耐力が15.9 kN である。短冊金物の仕様は, 次の通りである。 短期許容 引張耐力 鎌継ぎ+厚さ3.2mmの短ざく金物2枚を用いて 双方の横架材に, それぞれM12ボルトで接合 したもの(Zマーク金物または同等品) 15.9 kN 接合部の仕様 これを踏まえ, 短ざく金物(両側)を上下 3 段掛けした仕様を, すべての継手に採用す ることで他の検定を省略する。 31.8 kN < 15.9 3 安全率 0.8 = 38.16 kN 8. 部材の断面設計(省略) 9. RC 造部の設計(省略) 10. 基礎の設計(省略) 11. 軒・けらば局部風圧の検討(省略) 以 上

参照

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