死に対する教師の態度
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(2) 果、校種、年齢、性別にその特徴が見られた。ま. かと考えられる。. た、優先順位の1位とされた教材選択でも、校種. これまでの学校教育は、「生」の側面からのアプ. 間に傾向の違いが見られ、小学校教員はr避けら. ローチが中心で、死にまつわる否定的要素を避け. れる死」を、中学校教員はr生命倫理」に関する. る傾向にあるといわれていた。しかし、今回の教. 教材を、特別支援学校教員は「死の準備」の教材. 材選択についての調査では、r避けられない死」に. を選択しやすいということがわかった。. ついての教材を多くの教師が選択していた。これ. 4.考察. は、本研究の調査対象者が、兵庫県内の公立学校. r死生観」、r死に関する経験」、r心理的発達」. 教師であり、14年前の阪神・淡路大震災を経験し. の関係を総合して考えると、「死に関する経験」は、. たこと、青少年のかかわる凶悪犯罪についての報. <死への関心>を高める。<死への関心>が高ま. 道を見聞きしたことで、「生命の大切さ」と同時に、. ると、それに伴って、<死への恐怖・不安>、< 死からの回避>など死に対する否定的な因子、及. r不可避的な死」を実感した結果からではないか と考えられる。. び人生に対する否定的因子である<解放としての. 校種別の教材選択において、死の概念が形成さ. 死>が高まる。この負の意味合いを持つ気持ちの. れたばかりの児童に、r避けられる死」やr死の解. 高まりは、心理的発達が進むことで、抑えること. 釈」について考える教材を選択した小学校の教師. が可能になる。あるいは、それとは逆に、r死に関. は、子どもの発達に合致した妥当な教材選択がで. する経験」により現れた死に対する否定的な高ま. きていると思われる。また、中学校の教師が、死. りを、時間をかけて消化していく過程で、心理的. への恐怖が低くなり、死への関心が高まると考え. 発達が進んでいくとも考えられる。く人生におけ. られる中学生に、よりよく生きることを目的とし. る目的意識>は、これらの動きと同時に高められ、. た、r死の準備」についての教材、生命尊重の視点. 自我同一性の実感につながる。教師の死生観はこ. に立って、自他の命のつながりをテーマとする「生. のような心理的な動きを通して変化していくので. 命倫理」についての教材を選択したことも生徒の. はないかと考えられる。. 発達に沿った教材選択をしていると言える。また、. 特別支援学校の経験のある教師と、経験のない. 特別支援学校の教師が「死の準備」、「避けられな. 教師を比較すると、<死への恐怖・不安>と〈死. い死」についての教材を選択したことは、r児童・. からの回避>の関係、<死への関心>と<死への. 生徒の死」を身近に感じ、死と隣り合わせに教育. 恐怖・不安>の関係、<解放としての死>と<寿. 活動を行うことで、「死」を日常から切り離すこと. 命観>の関係に大きな違いがある。特別支援学校. が難しくなった結果からではないかと考えられる。. の経験のある教師は、<死への恐怖・不安>は<. 教師は、学校教育におけるデス・エデュケーシ. 死からの回避〉と強い相関があるが、<死への関. ョンの担い手である。にもかかわらず、教師とい. 心>とは相関が見られず、<解放としての死>と. う職業が直接死を扱う仕事でないためか、日本で. <寿命観〉に相関がある。<死への恐怖・不安>. は、これまで、死に対する教師の態度の研究は、. と〈死からの回避>の強いつながりは、特別支援. 思索的に報告されるものが僅かにあるだけであっ. 学校の教師が、常に命の危険と隣り合わせに日々. た。今回、教師の死生観とr死についての経験」. の教育活動を行っていることがその要因であると. 及び「心理的発達」の関係、また死を扱った教材. 考えられる。また、不幸にも「生徒の死」を経験. の選択傾向が、はじめて実証できた。. したとき、これまで懸命に重度の障害と闘いなが. 主任指導教員 岩井圭司. ら生きてきた子どもの死を天寿とし、本来、人生. 指導教員 岩井圭司. に対する否定的因子である<解放としての死〉を. 肯定的なものとして捉え、その子どものr死後の 世界」の幸せにつなげようとしているのではない. 一135一.
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