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官僚制組織の意義(下)

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Academic year: 2021

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(1)官僚制組織の意義(下) 斎 目 第二節. 藤. 美. 雄. 次 官僚制組織の歴史的特質と意義. 1 . 個体的理念型としての官僚制概念 2. 合法的支配の近代的意義 3. 近代国家と政治権力 4. 官僚制組織と近代資本主義 5. 官僚制化の動向とその歴史的基調 第二節. 官僚制組織の歴史的特質と意義. I • 個体的理念型としての官僚制概念 ウェ. ーバ ー. の官僚制組織の概念がす ぐれて特殊近代的な性格をもつのは、. 彼がこれを定式化するにあたって、 その合理的諸特質を、 明示的にせよ、 暗 黙のうちにせよ、 殆んどつねに、 前近代的な支配や行政システムの諸形態と の対比において強調していることにてらしても明らかであろう。 かくて今日、 この概念は必ずしも行政や経済経営の組織にかぎらず、 およそあらゆる種類 の近代的フォ. ー. マル組織に多かれ少なかれ 一 般的に妥当する普遍性をもって. はいる。 しかしそれは歴史的にはす ぐれて特殊性概念の性格をおびており、 さればこそ、 その理念型の構成がポヂチプな意義をもつのである。 マ. ー. チンデ ー ル(D. Mertindale)は、 この理念型の意義を、 歴史的資料を. 科学の 一 般的認織に活用するための特殊な概念的f段たる点に求めたが、 こ. -171 (5432)-.

(2) こで童要となるのが、 いわゆる. 「. 要素的理念型」と. 12). であろう。 まず要素的理念型とは、 たとえば、 ウェ ィスティ. ー. 「. 個体的理念型」の区別. ー バー. の行為類型のカズ. ク(Kasuistik)にもその典型的な例がみられるように、 それ自体. としては、 特定の具体的な歴史的内容は何ら含まず、 ただ単に、 その 一 般的 な形式性のみを規定するにとどまるところの、 本来的に抽象的で非歴史的な 131. 一般概念であって、 その意味で社会学的により基本的な類型概念といわれる。 それに対して個体的理念型は、 あらかじめカズィスティッシュに編成される 要素的理念型をふまえはするも、 認識主観の 一 定の価値関心にてらしてその 意味がうかび出される歴史的個体を認織の対象とする点で概念的にはより歴 141. 史的で具体的な性格の類型概念であろう。 もし佐藤慶幸教授がいうように、 「 ウェ. ー. バ ー が本来的に用いる理念型とい. う用語は、 社会学的基本概念…………ではなく、 それ自身、 歴出的概念の本 151. 質に根ざしたもの 」 であるならば、 それ が すぐれ て 個 体 的 理 念 型にあ たることはいうまでもない。 し か し こ の 場 合 も、. ひとたび. 一. 義的 な 概. 念の定式化がなされれば、 それはいわば概念的に自立化して、 そこに示され ている 一 定の諸特徴を要素的に含むあらゆる社会現象に、 それぞれの程度に 対応して普遍的に適用することが可能であろう。 かくて個体的理念型も、 そ の因果帰属を可能にするために、現実をそれにかけて比較し、測定するための 甚準として活用するならば、それによって個々の実在の特性の把握にも有用な 分析的概念として、 社会科学的研究において高度の索出的意義をもってくる。 かくて理念型が多かれ少なかれ、 歴史的概念であると同時に分析的概念で あるというのは、 かかる要素的理念型と個体的理念型との相互移行において、 対象の. 「. 意味」を複眼的に浮び上らせることを可能にするからであるが、 そ. れが、 「 対象の意味を索出するために、 主体によって構成がなされる」という 161. 理念型の本質に根ざすのはいうまでもない。 ウェ. ー バー. かる理念型として構成されている。 さればこそ、 「 ウェ 制』は、r合法的支配』の 一 形態であるが、 同時にその. - 172 (5433) -. の官僚制の概念もか. ー 『. バ ー における. 『. 官僚. 理念型』は特殊歴史.

(3) 的なr近代官僚制』 を対象にしたr個体的理念型』であるとともに、r要素的 理念型』として、r家産官僚制』、『カリスマ官僚制』等のさまざまな『官僚制』 の諸形態の意味を照し出すことによって、 意味を、. さらにふたたび、r近代官僚制」 の (7). 明確なコントラストにおいて明らかにすることを許すことになった」. との指摘がなされるのである。 注) 1) Don Martindale, Sociological Theory and the Ideal Type, in L. Gross ed., Sympos­ ium on Sociological Theory, 1959, P. 69. 2)たとえば湯浅赳男教授がこれを明快に指摘しているほか(湯浅赳男著 、 官僚制の 史的分析 、 前掲書、 30-31頁) と. 「. 、. 佐籐慶幸教授は. 「. 社会学的に基本的な類型概念」. 社会学的に歴史的な類型概念」という用語で両者を区別しており(佐藤慶幸. 著 、 官僚制の社会学 、 昭和41年 、 llO頁)、 青山秀夫教授も 要素的純型」と. 「. 「. 複合型」ないし. 著、 マックス ・ ウェ. ー. 「. 要索型」ないし. 「. 個性型」の区別を試みられている(青山秀夫. バーの社会理論、 前掲書、100-101頁)。. 3) 佐藤慶幸著 、 上掲書 、 11l 頁. 4)湯浅赳男著 、 J:掲書、 26-27頁. .. 5) 佐藤慶幸著、上掲書、 11l 頁. 6)湯浅赳男著、上掲書 、 31頁.. 7) 同. 上、. 31頁.. 2. 合法的支配の近代的意義 次にウェ. ーバー. の官僚制組織の概念に内包されている特殊近代的な概念的. 要素に目を向けると、 まず第 一 にあげられるのが いうまでもなく、 この支配類型は、. 「 合法的支配」であろう。. 制定された諸秩序の合法性と、. これらの. 秩序によって支配の行使の任務を与えられた者の命令権の合法性とに対する 信念によって正当化されているが、 は、 この支配類型が、. Ill. その妥当が原理的に合理的でありうるの. 相互に関連しあう次の五つの諸観念の妥当にもとづく. - 173 (5434) -.

(4) <2). からに他ならない。. 1 . 任意の法が、協定または指令によって、合理的な — 目的合理的また は価値合理的な(あるいはその双方の) 要求を掲げて、制定されうるという観念。. —. 志向をもって、また次のような. すなわち、少くとも当該団体の成. 員によってそれが遵守され、また通常は、 さらに、その団体の勢力圏(領域 団体の場合にはその領域)内で、その団体秩序によって重要であると宣言さ れた 一 定の社会関係に入り、またはそこで社会的に行為するひとびとによっ ても、遵守されるべきであるという要求である。 2. すべての法は、その本質上、抽象的な、通常は意図的に制定された諸 規則の体系であり、司法は、これらの諸規則の個々のケ. ー. スヘの適用であり、. 行政は、 団体秩序によって定められた利益を、法規則の限界内で、また、一 般的な形で示されるような諸原理 ――— 団体秩序において是認されており、あ るいは少なくとも非認されていないような諸原理 — にしたがって、育成す ることであるという観念。 3. したがって、典型的な合法的ヘル、すなわち 発する. ―. したがって命令する. —. 「. 上司」は、彼が指令を. 場合、彼自身もまた非人格的な秩序に服. 従しており、彼はその指令をこの非人格的な秩序に準拠させているのだとい う観念。(このことは、「官吏」ではないような合法的ヘル、例えば選挙制の大 統領についてもあてはまる。) ― 4. 服従者は、一→ーよく使われる言い方にしたがえば― -f中間としてのみ、. また、「法」に対してのみ服従するのだという観念。(社団の仲間、 ゲマインデ の仲間、教会成員として、 国家にあっては市民として。 ) 5.. 3の点に照応して、団体仲間は、彼らがヘルに服従することによって、. ヘルのペルゾ ー ンに服従しているのではなく、右の非人格的な秩序に服従し ているのであり、したがって、この非人格的秩序によってヘルに与えられた、 合理的に限界づけられた、 ザッハリッヒな管轄権の簡囲内においてのみ、服 従の義務を負うのだ、という観念がおこなわれている。. - 17 4 (5435) -.

(5) ウェ. ーバー がこの合法的支配を合理的支配ともよぶのは、. それが必然的に. 合理的な近代官僚制と結びつくがゆえにではない。「官僚制は合法的支配の唯 (3). ーの型ではない」 というウェ ーバーの言明にはっきりとこれがあらわれてい る。 したがって、. この場合にはむしろ、. 合法的支配自体に合理性がみられ、. 逆に それが官僚制の合理性の重要な 一 因をなしているという考え があるとみ 14). るべきであろう。 かくてわれわれはここに、 れる根拠を問う必要に直面するが、. 合法的支配自体に合理性がみら. アルブロウ(M. Albrow) が それにあた. るものとして上記の諸観念の中から導き出すのが、. この支甘じ類型を支える正. 15). 当性概念の、 次の三つの特徴である。 1. かかる概念には、. 種々の目的や価値を法典のなかに定式化することが. できるという観念が含まれていること。 行政(. 2. そこでは法典の抽象的な諸規則は個々の事例に適用されるが、. administration)は その法秩序の枠内における利益の追求であるということ。 3. このようなシステムの下では、 職員の職責は特定範囲の課業に限定さ れるということ。 ウェ. ーバー がこれらの特徴の それぞれを合理的とみなす理由としてあげら. れるのが、. そこに含まれている次の二つの要素、. さいの意図」 と まずウェ. 「. すなわち. 「. 規則を立案する. 161. 規則の適用に含まれる手続」 の二点である。. ーバ ー は、. 規則を、. にある(技術的規削)か、. その立案の意図が諸目的の達成を助けること. 価値の実現にある(規範) かぎりにおいて、. らを合理的とよんでいる。 しかしこのように、. それ. その立案の意図にてらして、. これらの規則を「合理的」 とよびうるばかりでない。 規削を特定の事例に適 用する手続についても「合理的」という語を用いることができよう。 実際、 ウェ. ーバー. にとって、. 何らかの目的の達成や価値の実現のために制定された. 規則の適用手続は、 本来、. おのずから合理的であるが、 近代世界では それが. ますます進んでいるので、 技術的規則の場合にも規範の場合にも、 にあたっては、. その適用. 必要な技能をもった有資格者の雇用がさけられなくなってき. - 175 (5436) -.

(6) ている。 ア ルプロ ウによれば、 官僚制を論ずる さいに、 とりわけ ウェ. ー バー. の 念頭におかれていたのは、 ま さにこの種の合理性に他ならない。 かかる解釈をうらづけるのが、 官僚制の合理性の特殊な性格にふれた ウェ ーバ ーの次の二つの所説である。. まず 一 方で ウェ. ーバー. は. 「. 官僚制的管理は. 知織にもとづく支配を意味する。 これがそれをしてとりわけ合理的たらしめ 181. る基本的特徴である」と主張しながらも、 別の箇所では. 「. 官僚制的支配は推. 論的に分析しうる規則に抱束 されているという意味においてとりわけ合理的 191. である」とも述べている。 ア ルブロ ウによれば、 この明らかに異なる二つの 主張の両立の可能性は、 ウェ. ー バー. が近代的組織における規則の施行を、 専. 門家の処理する問題とみなしたと解する以外に見出しがたい。 かくてここに 「専門的職員によってな される規則の適用のこの手続が、 ウェ 官僚制の. r. ー. バ ー のいう. 110). 形式合理性』の核心にある」との主張があらわれてくる。. ちなみにここで、 「 形式合理性」と、 それに対謹 される概念である. 「. 実質的. 合理性」に言及しておくと、 まず後者は、 通常、 一定の目的や理想を前提と しており、 その合理性の度合いは行為の結果の価値実現の程度によってはか られる。 したがってこの場合には、 いかなる理想にてらしてみるかにしたが って、 同 一 の事態が異なった程度の合理性をもつ。 それに対して形式合理性 は、 そのような特定の目的や理想とは無関係に、 もっぱら. 「. 経過が 一 定の計. 画や基準にしたがって無駄なく行われる」という意味でいわれる場合の合理 1111. 性に相当する。 したがってこの場合には、 行為の過程の計算可能の程度によ ってその合理性の度合いがはかられる。 かくて形式合理性には計算可能性や 予測可能性、 更には安定性というような要素が出てくるが、 これらはま さに 官僚制組織において顕著にみられる特質と されているものに他ならない。 い ずれにしても ウェ. ーバ ーが、. 官僚制組織に関して、「規律」とともに、 専門的. 知識の役割を重視する態度をとるのは、 たとえば会計士の場合のように数量 的なものであれ、 法律家の場合のように論理的なものであれ、「正確な計算」 II�. が官僚制の合理性の重要な要素をなしているという見方にもとづいている。. - 176 (5437)-.

(7) かくて合法的支配に根ざす官僚制組織の合理性はすぐれて形式合理的なも のであるが、 アルプロウはそれを安易に問題の多い na. 「. 能率」という観念と同. 一視すべきでないという誓告を行っている。 第 一 に、 形式合理性は目標達成 の 一 つの必要条件ではありえても必ずしもその十分条件ではないのである。 第二に、 形式合理性は必ずしも実質的合理性を保障するものとはかぎらず、 むしろ現実には、両者の対立や離反がきわめて多く見られるからでもある。たと えば最とも完全な形式的制度が、 それに生命を吹き込む 目的や価値を完全に うちくだいているということは、 現実にはままあることであるし、 官僚が自 己のために国家における最高の地位をはくだつするかもしれないというウェ. 、. (1. ー バーの認識のなかにも、 それが事実上含まれている。 世界史の動向の基調を. 「. 合理化の増大」に見出すウェ ーバーの甚本的な歴. 史分析の視角に立つかぎり、 かかる合法的支配がすぐれて特殊近代的な存在 であるのも当然であろう。 実際、 上記の五つの諸観念にてらして明らかなよ うに、「支配」するのががヘルの人格ではなくて 「 法」であるということが、 合 法的支配の基本的特質であるとすれば、 それが社会一般に貰徹するには、 す. �c からの解放が、. ぐれてヘルのペルゾ ー ンに固執する前近代的な伝統的支 11&. そ. の歴史的前提として必要であろう。 もちろん、 伝統的支配やカリスマ的 支 配 においても、 「法による支配」は みられるであろう。 しかしここにいうウェ 法的、 合理的支配は、 法の. 「. ーバー. の支配類型の 一 つである合. 形式合理性」に立脚するかぎりでの支配類型で. あって、 そのかぎりで他の支配類型とも区別されるのである。 けだし、 この 支配類型は、 ひとびとが法規の妥当が正当であると偏じるところに成立する が、 その根拠は、 一般に是認されている制定規則にもとづいて、 合理的志向 をもって制定された 規制が妥当な手続にした がって、 即対象的に、 万人にひ としく適用されるという点でまさにその形式合理性のうちにみられるからで ある。 これに対して伝統的支配の場合には、 そのすべての諸形態を通じて、 「 形式. - 177 (5438) -.

(8) 的な法が存在しないという決定的に重要な事実」に加え、 「形式的な法の代り に、 行政や争訟解決において実質的な諸原理が支虻しているという事実」が ltn. 共 通にみられるばかりでない。 ウェ 支虻も、 ともに. 『. カ. すなわちかれらは、. ー バー. によれば、 「家父長制も、 家産制的. ー. ディ裁判」の諸原理にしたがって統治し、 決定する。. 一. 方では厳格に伝統に抱束 されているときに、 反面、 こ. の抱束が自由を許容するかぎり、 法的には非形式的で非合理的な、 個々のケ ースについての衡平や正義の見地にしたがって、 しかも llS. に入れて』統治し、 決定する」のである。 かくて ウ ェ. 『. 人のいかんを考慮. ーバー. は、 「家産制的支. 配の法典や制定法は、 すべていわゆる福祉国家の理念に満 されている。 すな わち、 社会倫理的諸原理と社会功利主義的諸原理との結合が支配的であり、 II●. およそ法の形式的厳格 さなどというものは、 すべて破壊 されてしまっている」 と指摘しているが、 そこには法の実質的妥当性と形式的妥当性との鋭い矛盾、 相克の関係が尖鋭に反映 されていることに注意が必要であろう。 かくてとかく倫理や道徳上の内容的価値と結びつき、 個 別主義的で機会王 義的な実質的合理性の原理に支配 されることによって、 支配者の主観や恣意 が介入してくる伝統的支配に対して、 合法的支配は、 その客観的な法秩序に もとづく没人格的な形式性において普遍主義的な性格をもち、 この普遍主義 としての形式合理性が、 社会の種々の制度的領域に広く 一 般的に貰徹して行 くことによって、 近代市民社会は、 それまでのどの社会とも巽なる独自の特 質をもった存在となってくる。 かくて近代市民社会は、 かかる合法的支配にもとづいて、 法の下における 個人の平等、 自由、 独立性 をその基本原理として成立する。 そして市場の自 由や企業の自由、 自由な労働、 契約の自由などの近代資本 主義経済の制度的 基盤も、 かかる市民社会においてはじめて確立 される。 その意味で近代市民 社会も、 したがってまたそれにもとづく近代資本主義経済秩序も、 法の形式 合理性にもとづく合理的支配に立脚する点において、 ま さに近代官僚制のそ れとその甚本原理を ひとしくしており、 さればこそ官僚制組織が、 種々の近. -178 (5439) -.

(9) 代的団体型式に適合的な形態として、 現代社会のあらゆる領域に広く進出し 20). てくることになるのである。. 注) 1) Max Weber,Wu G, a.a.O.,S.59. 世良晃志郎訳、 支配の諸類型、 前掲書、 10頁 . 2 ) Max Weber,Wu Ga.a.O.,SS.160-161. 世良訳、 上掲書、 13-14頁. 3 )世良晃志郎訳、 支配の社会学I、 前掲書、 35頁. 4 ) M.Albrow, Bureaucracy, 1970, PP.62-63. 5 ) M.Albrow,ibid., P.63. 6 ) M.Albrow,ibid.,P.63. 7 ) M.Albrow,ibid., P.63. 8) Max Weber,Wu G,a.a.O.,S .165.世良訳、 支配の諸類型、 前掲苔、 29頁. 9 ) Max Weber,Wu G, a.a .0.,SS.180-181. 世良訳、 支配の諸類型、 前掲書29頁 . 9) Max Weber.Wu G,a.a.O.,SS .180-181. 世良訳、 上掲書、 73頁 10) M.Albrow, op.cit.,P.63 .. 11) 青山秀夫著、 マックス ・ ウェ. ー バー. の社会理論 、 昭和40年、 130頁.. 12) M. Albrow, op.cit., P.65 . 13) M.Albrow,ibid., PP.63-64. 14) M.Albrow,ibid.,P.64. 15)湯浅赳男著、 官僚制の史的分析、 前掲書、 44頁 . 16)佐籐慶幸著、 官僚制の社会学、 前掲書、 50-53頁参照 . 17) M. ウェ. ー. パー著、 世良訳、 支配社会学I. 18)同. 上、 42-43頁.. 19)同. 上、 43頁.. 、. 前掲書、 42頁 .. 20)この近代市民社会の成立と官僚制組織の発展との関連については、 佐藤慶幸著、 官僚制の社会学 、 前掲書、 第 一 •章、 第四節、 ならびに、 同著、 現代組織の論理. と行動、. 1972 年 、. 第一•章、 に詳しい。. -179 (5440)-.

(10) 3 . 近 代 国 家 と 政 治権 力 合法的 支 配に根 ざ す 官 僚制組 織 は、組織と個人が人格的に 末 分 離 な前 近 代 的組織にくらべて、 機 能的に合 理的 であるという意味 で もす ぐ れて近 代的で あ ろ う。. 近 代社 会が、 か かる 官 僚制組織の末 曽 有の 発 展 によ っ て特 色づけら. れるのはいうま で も ない。. たとえば、 軍 隊 や 教 会、大 学な ど も、 か つ てそれ. らの組織が 独自にも っ ていたそれ ぞれのユ ニ ー ク な伝 統的色 彩 をうすめ、い ま や次 第 に、 最 大 限の 生 産 性 をめ ざ し てすべてが 画 ー 的に処理される没人格 11). な か んづく. 的な合理的規則にもとづく 運 営 にと っ て 代 られようとしている。. それが著るしいのは近 代的な資本 主義的大 企 業 であ っ て、そこでは所 有 と労 働の 分 離はいうにおよばず、 ト ッ プの 企 業 者 職 能の レ ベ ル で は、 営の分離」 や. 「. 「 所 有と経. 所 有 と 支 配 の 分 離 」 も 高 度 に 進 ん でいる。 また、組 織 全 体の構. 造 が 一 連の合 目的的な技 術的諸原理にもとづいて合理的に構 成されているの のはいうま で もない。. 更 に、 職 務規 律 の確 保も 、 最 大 限の生 産 性の 技 術的要. 件にで ぎ るだけ 従 業員を完 全 に適 合させる こ とを ね らいとして、彼らの 調教 を 試みる種々の規則にもとづいており、そのも っ とも 顕 著 な 実 例 が、 テ イ ラ - ( F. W. Taylor ) の. 「. 121. 科 学的管 理法」 の 運 動 にあらわれている。. もち ろ ん 、 歴 史 的には、 官僚制は新王 国 時 代 の エ ジ プ ト にま で さ かの ぼ っ \3). てその存 在の跡をた どる こ とが で き るが、 今 日 のように合理的な性格をもっ ものが、社会のすみずみにま で 広 く 一 般 化 して き たのは、 やはりそれ自体が 官僚制組織の 一 つ の典型 である 近 代 国家の成 立 以 来 の こ とであ ろ う。 近 代 憎家の成 立 と 近 代 官 僚制の 発達 の 不 可 分の関係は、 官僚制の概念の歴 史 的 生 成の沿 革 にもあらわれている。. ア ル プ ロ ウ に よ れば、絶対 主義統 一 国. 家と 市 民社会の緊 張 関係が 項 点に達 する18 - 1 9 世 紀の ヨ. ー. ロ ッ パ 大 陸 におい. て 発 生 し 、 市 民 革 命 の 挫 折 のな か で の プ ロ イ セ ン 官 僚制の近 代 化の過 程に対 応して成 熟してきた こ の概念の 当 初 の意味は、 ヨ. ー. ロ ッ パ 諸 国の辞典にそ れ. がは じ めて 集 録された際 の 定義にも 明 ら か な ように、い ず れも政 府 官 庁 、 官. - 180 ( 5441) -.

(11) (4). 吏 集 団 のもつ権威 、 権 力 に関わっ ている。 と く に 、. こ. の 概念の 淵 源とさ れ る. フ ランス の 哲 学者 ド ・ グ リ ム 男 爵(the Baron d e Grimm)の 1764 年 の 文 書によ れば、 重 農 主 義者 、. ド ・ グ ル ネ ( M · de Gournay)が 古 典的な政治形態分類論. に よる君 主制 ・ 貴 族制 ・ 民 主制に付 加 す べ き 新しい政治 形態を ' Bureaucra­ tie' という こ とばで 考えた場合の. こ. の 概念は 、 一 つ の 新しい支配者 集 団 によ. る統 治 方 法であり、 官 吏による単 なる権限 逸 脱 行 為 というよりは 、 統 治 の 自 己目 的 化 に 力 点 が おか れ ていた。 か く て. 「. 公 共 利益 の ために官職 があるの. では な く 、 官職 の ために 公 共利益 がある」 という 言 葉 にも象徴的な 如 く 、 官 僚制 の 概念は 、 絶 対主 義 統 一 国 家を確立 する過 程 に おい て 、 軍隊ととも に そ の使命の 一 翼 をになっ てf台 頭 し てきた 一 つ の 新 しい勢 力 と し て の 官 吏 集 団 に よる統 治 の 自 己目的化に対す る批 判 的概念とし て歴 史 に登場し てき た の であ ,s, る。 ウェ ー バ ーは こ の 絶 対主 義 の 下 に お け る官僚制を づ けた が 、. こ. 「. 後 期 家産官僚制」と 名. れ が近代官僚制 の 直接 の 前 身 たる こ とはい う ま でもない。 すで. に こ の 段 階 に おい て も 、 広範な 領 土 に対し て 、 君 主 の 下に 一 元 化さ れた統 一 的 な 統 治を確保 する技術的な必要 に 根ざ し て 、 そ れ は構 造 的 に は 高 度 に合理 化 の 展 開 をと げ て く る が 、な お そ の 項点には 家産的要素 の 支配 がみら れ る。 こ れ が近代的な 議 会 主 義 の 確立によっ て 止 揚さ れ ては じ め て 、 近代官僚制 が近 代国 家を支える行政装 置 と し て確立さ れ る こ とになる が 、 こ れ をウ ェ ー バー の 設定する法 の 発 展 段 階 に即 し てみると 、 次 の ように 、 その 最 終的な 第 四 段 階にあたる の である。 す なわち ウ ェ ー バー によ れ ば 、 法 の 第 一 の 発 展 段 階は 、 法 予 言 者による カ リ ス マ 的な法の 告 知 の 段 階 であり 、 第 二 は 、 法 名 望 家 による経 験 的な 法 の 創 造 と 発 見 の 段 階 であるの に対し て 、 世俗 的 な い し 神政政治権 力 による法 の指 令 の 段 階 が 第 三 段 階 である。 そして そ れ につ づ く 最 終段 階 が 、 1本 系 的な 法 の 定 立 と専 門 的な 司 法運 営 が 、 専 門 的 、 形 式 論 理的な法学的訓練をう け た 人 々 によっ て おこなわれる第 l団 段 階 である が 、 この 段 階 の 法を支配の 正 当 性 と し. - 181 (5442 ) -.

(12) 181. て 根拠づ け て い る 国 家 が近 代 薗 家 に 他 な ら な い 。. か く て 三 戸 公 教授 は 、 近 代 国 家 は 次 の 特徴 を も っ て 成 立 す る と 指摘 す る 。 すなわち. 「. (1) 立 法 に よ る 変 更 に 服 す る 行 政 秩 序 と 法 秩 序 、 (2) 立 法 に よ る 規 制. に し た が う 公 務 を 運 営 す る 行 政 装 置 、 (3) そ の 管 轄 権 の お よ ぶ 範 囲 内 に あ る す ふ つ う 出 生 と 同 時 に 市 民 権 を 獲 得 す る 一—- 、 お よ び そ こ で 生. べ て の個 人. 起 す る 行 為 に 対 す る 抱束 力 あ る 支配 、 そ の 範 囲 内 に お け る 正 当 な 実 力 の 行 使 、 ―― こ の 場 合 、 そ の 強 制 力 の 発 動 は 、 法 に も と づ い て 構 成 さ れ た 政 府 に よ っ て 是認 さ れ る か 命令 さ れ る 。 す な わ ち 、 そ れ は 制 定 法 に よ っ て お こ な わ れ る 。 つ ま り 、 法秩序 、 官僚 制 、 領 土 内 に お け る 強 制 的 管 轄 権 、 そ し て 正 当 な 実 力 191. 行 使 の 独 占 が 近 代 国 家 の 本 質 的 な 特徴 で あ る 。」 と 。 も っ と も 、 こ の 近代国家 も 市民社会の初期の段階で は 、 自 然法 の 予定調和 説 に根 ざ し て 一種 の 必 要悪 と み な さ れ 、 そ の 機 能 の 極 小 化 が要請 さ れ て い た こ と は 、 「 夜 警 国 家」 の 理 念 に も 明 ら か で あ ろ う 。 し か し な が ら 、 資 本 主 義 の 発 展 • 高 度 化 に 伴 っ て 、 種 々 の 内 在 的 な 矛盾 や 限 界 が尖 鋭 に 表 面 化 し て く る と 、 国 家 に よ せ ら れ る 期待 や要 求 も 増 大 す る と と も に 多種 多 様 と な り 、 こ れ が 国 家 理 念 の 変 貌 に も 反 映 し て 、 「 行 政 国 家」 や 「 福 祉 国 家 」 の 観 念 を 生 じ る に い た る 。 か く て 国 家 機 能 が拡 大 ・ 進 化 し て 、 政 府 の 経 済 的 権 力 と 企 業 活 動 へ の 介入 が強化す る に し た が っ て 、. ハ. イ エ ク ( F . H. Hayek ) や ミ. ー. ゼ ス ( L­. udw ig von M i ses ) ら の 自 由 主 義 経 済 学 者 を し て 、 自 由 企 業 制 度 に 対 す る 重 大 な 竹 威 と し て そ れ を お そ れ せ し め た ほ ど に 、 行 政 官 僚 制 の 肥 大 化 が顕 著 に み ら れ 、 二権分 立 の 制 度的基盤 を も ゆ り う ご か し か ね な い そ の 動 向 が大 ぎ な 注 110. 目 を あ び る に い た っ て い る 。 か く て ミ ル ( J. S . M i l l ) も 、 官 僚 制 を な に よ り も 自 由 と 民 主 主 義 の 敵 と し て 位 置 づ け 、 官僚 制 に よ る 社 会の 能 力 、 行 動 力 の 独 占 こ そ が 、 政 治 生 活 の た め の 無 能 力 を つ く る と し て 、 行 政 装 置 が能 率 的 に な れ ば な る ほ ど 、 国 民 の 才 能 が独 占 さ れ 、 統 治 す る も の も 統 治 さ れ る も の Ill). も と も に 官僚 制 の 奴隷 に な る と の 重 大 な 誓 告 を 発 し て い る 。 も ちろん. 「. た て ま え」 か ら い え ば、 ウ ェ. ー バー. - 182 ( 5443 ) -. の理念型 に も み ら れ る 如 く 、.

(13) 不 偏 不 党性 と 専 門 知 識 な ら び に 上 司 の 命 令 へ の 絶 対 的 服 従 を 基 本 的 属 性 と す る 官僚 に 固 有 の 任務 は 、 与 え ら れ た 課 題 を 上 司 の 命 令 や 規則 に し た が っ て 能 率 的 に 逐 行す る こ と に か ぎ ら れ て お り 、 達 成 す べ き 課題 そ の も の の 決定は権 力 斗 争 の 中 に 自 己 の あ か し を 見 出 す 政 治家 に 固 有 の 任務で あ る 。 こ の よ う な 両 者 の 明確 な 役 割 の 区 分 か ら お し ば か る と 、 全 体 と し て の 官僚 制 機構 も 、 そ の 政 治 的 主 人 公 の 意 思 を 忠 実 に 反 映 し て 機 能 す る 従順 な 用 具 と い う こ と に な る が 、 現 実 が こ の よ う な 「 た て ま え 」 ど お り の 純粋 な も の で な い と こ ろ に 大 き な 問題の源泉があ る の は周 知の 事実であ る 。 か か る ギ ャ ッ プに注目 し て 、 官僚 制 の 合 法 的 支 配 に お け る 重 要 な コ ン フ リ ク ト の 源 泉 と し て ウ ェ. ー. バー が. あ げ る の が 、 専 門 的 知織 に 根 ざ す 事 実 上 の 強 力 な 官僚 の 権 力 に 他 な ら な い 。 す な わ ち 行政任務が 多 少 と も 複雑化 し て く る と 、 多 く の場合、 そ の 政治的主 人 公 は技術的 な 運 用 上 の 渚 問 題 に つ い て た ち ま ち デ ィ レ ッ タ ン ト の 立場 に お か れ 、 専 門 知織 に 武 装 さ れ た 官僚 の 行 動 の 十 分 な 掌握 と 、 そ れ に も と づ く 適 切な コ ン ト ロ. ー. ル の 維持 が 困 雅 に な る 。 こ の よ う な 状 況 の 下 で は 、 そ の 政 治. 的 首 長 も 、 官僚 の 手 助 け な し に は 何 の 政 策 も 実践 で き な く な り 、 実 質 的 な 権 力 が 、 そ の 正 当 な に な い 手 を は な れ て 官僚 の 手 に に ぎ ら れ 、 官僚 が 事 実 上 の (IZ. 権 力 主体 に な る と い う 事態 も 生 じ て く る 。. こ の よ う な 事態 は 、 そ の 情 報 を も っ ぱ ら 配 下 の 官僚 に 依 存 し て い る 非 民 主 的 な 専 制 君 主 の 場 合 に は い っ そ う 深 刻 で 、 彼 ら は し ば し ば 実 質 的 に 官僚 の 思 う が ま ま の 存 在 に な っ て い る 。 し か し 、 一般 市 民 が容 易 に 行 政 府 の 政 治 的 首 長 に接近で き る 民 主 制 度 の 下 で も 、 や は り 官僚 に 対 す る コ ン ト ロ. ー. ル は同様 な. 因 難 が含 ま れ て い る 。 け だ し 「職務 上 の 機密 」 と い う 名 目 の 下 に 、 官僚 制 の 活動の最 と も 重要 な 部分 は 、 殆 ん ど 常 に 、 市民の 目 か ら さ え ぎ ら れ て い る か n�. らであ る。. しか し ウェ. バー. は 、 こ の よ う な 状況 か ら 直 ち に 完 全 な 官僚 支 配 が発展 し て. て い る と は 考え な い 。 け だ し 彼 は 、 こ の よ う な 傾 向 を 相殺 す る 作用 を も つ 別 の 傾 向 も 他 で は 存 在 し て い る こ と を 忘 れ な い か ら で あ る 。 第 一 に 、物 的 な 管 理. - 183 (5444 ) -.

(14) 手 段 を自ら保 有 し なな い官僚 は 、 封 建制 下 の官職 保 有者がもっ て い た自 律 性 と 権 力 の 多 くを失 っ て い る 。 第 二 に 、その 多 くが 有 産 階 級に属 し て い な い と い う 事 実も 、 免 職をお それる官僚 を し て 、その政 治的主人 公 の意向に対 し て 従順 な 存在たら し める大きな 力 と なる。 第 三に 、 も し も首 長が 昇 進をめ ぐ る官僚 どお し の激 し い内部競 争 に う まくつ け こ む こ と ができるならば、 その 戦 略的利点 11-0. は い っそ う 強 化される こ と にもなる 。. 更 に本来 、 官僚 制の発展 は次の点では 民 主 主義の 発 展 に寄与する 一 面があ る こ と も忘 れられ て はならな い 。 第 一 に 、. 一. 定の 学 歴 上の 資 格 や 公 開 試験な. どの客 観的基準にも と づく官僚制的な職 員 の採用は 、 官職を特権 階 級の専 有 から 解 放 し 、 こ の点では 、 社会的身 分の平準化 に寄与する 。 第 二 に 、 官 僚制 にお け る規則 や 権限の行使の没 人格性 は 、 法の F にお け る 万 人 の 平 等 と い う IIS. 民 主 主義の理 念 と も基本的に調 和 し て い る 。. し か し こ の 同 じ 条 件が場合によっ て は逆 の結 果 を 生 み 出 す こ と もある。 た と えば採用の 条 件 と し て 、 高 等教育機関の卒 業 資 格が要求される と い う こ と は 、 それだ け の 長 期の学 業 をつづ け る 資 力 のある者に有 利に 作用する。 その 意味では官僚制の 発展は真の意味での 機 会の平 等を破 壊 し 、 金権 主義体制の 肥 沃 な土 壌 と なる。. 同 様に 、. 没人格的な規則にも と づ く 権限の行使は 、 権. 力 者の恣 意 から個人を守るに し て も 、 人 民の 実質的な社会正義の要求が 、 こ U&. れらの規則の法形 式 主義によ っ て 容 易に挫 折され や す い 。. 近 代官僚制の下にお け る行政それ自体の民 主 化につ い て も ウ ェ 通 し は暗 い 。 ウ ェ. ー バー の定 式. 化する. 「. ー. バ ーの見. 民 主的行政」 の理念 型は 、 す ぺ て の. 集 団成 員 が行政 任務にたずさわる こ と ができ 、 官職 保 有 者の権 力 は 、 ひ ん ば ん な 交 替 や 選挙によっ て 極 小 化されるな どの 特 色 をもつ点にお い て 、 マ ル キ ス ト が 未 来 の 共 産 主義社会にお け る行政につ い て い だく 考 え 方 と 共 通する と こ ろ が 多 い が 、 か かる シ ス テ ム が 機 能 し う るのは 、 成 員 が 多 かれ少な かれ 同 ーの社会的地位をもち 、 その行政 任 務が 相 対的に安 定的で 単 純 な 、 ごく小 規 11�. 模 な 集 団 や 社会に か ぎられ て くる。. -184 (5445 ) -.

(15) すでにト ッ ク ビ ル (De Tocquevi I I e ). は 、 ウェ ーバーの 百 年 ほ ど 前 に、 合. 衆 国 の民 主 的 諸 制 度 の 分 析 にお い て、 行政が 過 度 に民 主 化さ れて、 官僚の地 位があま り にも 不 安 定 で 一 時 的であると、 彼 ら は 地 方 的な政治 ボスの思うが ままになり、 汚職と賄賂が制 度 化さ れた実践 になると指摘して い る。 し か し 同 時に、 彼 は連邦政府と その 行政府 へ の集 権化の傾向の中にも、 地 方 自 治 と 11$. ア メ リ カの 多 元 的政治 シ ス テ ム の脅 威 となる 全体 主 義 の危 険 を 見出して い る。 し か し、 すでに行政と政治の相対的 分 離が進 行 して い るウェ に は 、 こ のように、. 一. ーバ ー の時代. 種 の 無政府 状態に導く極 度 の民 主的分権化と、 官僚が. 絶対的権 力 を にぎる 全体主 義 シ ス テ ム との緊張 は 、 も は や現実的 デ ィ レ ン マ で は な かった。 なお そ こ にあるの は 、 能率 的な行政の機能にとって 不 可 欠 な ある程 度 の官僚制の自 律 性が その限 度 を 逸 脱 して 全体 主 義 につながる危 険 性 である 。 実際、 ウ ェ ー バ ーによ れ ば、 ひ とたび官僚の地位 が 強 固 になって 世 論 へ の依 存 が 少 くなってくると、 全体としての官僚制 は 深 く 社 会に根 を おろ II讐. して、 殆ん ど 不 壊の形 象とも い うべきものになってくる。. 第 一 に、 共 同 社 会 行 為 を 合理的に組織さ れた利益社 会 行 為 に転 移 さ せ る特 殊的 手 段 そのものたる 「官僚制化」 は 、 支配諸関 係 の. 「. 合理的 社 会関 係 化」. の手段 として、 官僚制的装 置 を 統 轄 するものにとって第 一 級の権 力 的手 段 と なる。 第 二に、 個々の職 員 も ひ とたび官僚制的 装 謹に編 入さ れ ると、 容 男 に そ こ か ら 脱出する こ とができな い 。 な ぜな ら 、 そ こ にお け る職業官僚 は 、 名 挙職 的 ・ 兼職的に行政を 司 る 「 名 望 家 」 と は 異 なって、 彼 の 全 物 質 的 ・ 観念的 生 存 を 挙げて その組織にお け る職務活 動 に結び つ け ら れ ており、 したがって、 その 機 構の存続に関する 全職 員 の 共 同 の利害に かたく結びつ け ら れて い る か ら である。 第 三 に被 支配者の 方も、 官僚制的支配装 置 が ひ とたび成立すると、 こ れ な しに は すます こ とができな い し、 こ れ を 他 のものによって取り替 え る こ と は できな い 。. け だ し 、 官僚制的支配装 置 は 、 専 門 的 訓 練 、 分業的専 門 化、 習 熟. - 185 ( 5446) -.

(16) し 見 事 にマ ス タ. ー. し た個々の機 能 へ の確たる志向な ど の諸要 素 の 計 画的な総. 合のうちに 立 脚 し ており、ひとたびその機 能が 停 止 し たり、 阻 止されると、 極 度の 混 乱が 生 じ 、 その混 乱を克服するために被 支 配者の 中 から即 席 の 代用物 を求める こ とは困 難 だ か らで あ る。 か くて政治体制 や 社会的変 化 の い か ん を 問 わ ず 、 ウ ェ 制は近 代 国家に ゆ る ぎ な き 存 続を ほ こ っ て い る。. ー バー にと っ て官僚. か か る官僚制組織の永 続的. 性 格 や 技 術的卓 越 性 は 、 た し か に 民 主的過 程に対する 一 つ の大 き な 脅 威 をな すで あ ろ う。. し か し こ こ にお い てもなお ウ ェ. ー バ. ー は、 直ちにそ こ から民 主. 的過程の破 壊と官僚の独 裁 がもたらたれると結 論する こ とをさけて い る。. け. だ し官僚の権力的地 位 は、その 不 可 欠 性 や その他の諸特質だけで 先 験的に き められ な い か らで あ る。. たと え ば 古 代 社 会の 奴 隷 もまた 社 会の 機 能 に と っ. ては き わめて 不 可 欠 な存 在 で あ っ たが、彼らは決 し て こ の こ とによ っ て政 治 的に支 配的な地 位 に 立 つ こ とはな か っ たので あ る 。 加 え て没 人格性と形 式合 理性が 官僚制 機 構の大 き な特 色 で あ ると い う こ とは、個人的忠 誠にもとづく 封建 的な団体秩序とは対照的に、その コ ン ト ロ. ー. ル の仕 方さ え 知る者で あ れ. ば、 い か なる 主 人 公の、 い か なる政 治的 ・ 経 済的な諸 目的のためにも、それ �11. は 容 易にその 機 能 を発揮すると い う こ とをものがた っ て い る。. し たが っ て官僚制は民 主 的に定められた諸 目的を達 成するためにも、その a�. す ぐ れた力を 発揮 し うるので あ る 。 む し ろ ブ ラ ウ が い うように、 民 主的諸 目 標も、現 代 社会で こ れを達 成するためには、それを 実 行するための官僚制的 な組織がなくては 不 可 能 で あ ると い っ てもよ い か も し れな い 。. され ば い たず. らに否定的な官僚制の固定観念に安住 し て、無益な慨嘆をくりか え すよりは、ポ ヂ チ プな経険的資 料にもとづく体 系 的 分 析 を通 じ て、 官僚制が 民 主的諸制 度のた めにその機 能 を 発揮 し うる現 実的な諸 条 件を探 究 する こ との方が重要であ ろ う。 ちなみに こ こ で注 目されるのが、民 主的国家における公務員の 機 能 に つ い て ア a,. ル プ ロ ウ のなす次の 三 つ の基本的立 場の 区 別 で あ る 。 すなわち 第 一 は 公務員が あ まりにも 多 くの権力を獲 得 し て き たので、彼らを本 来 の 機 能 に 戻 す 必 要が - 186 (5447)-.

(17) あ る とす る 立場、. 第 二は 公務員の権 力が絶えず 増 大 す る ことは避 け ら れ な い. ので、 公務員の権 力が思 慮 深 く 行使さ れ る ように監 視 す る ことが わ れ わ れの課 題 であ る とす る 立場 、 そして第 三 は 、 公務員が権 力 を手に入 れ る のは避 けられない ので、 公務員のサ ー ビスを 全 く 必要と し な い ような方 法を探 究 すべきであ る とす る 立場であ る 。 このうち で、 その現実的可能性と い う点でま だ しも当を得て い ると思 わ れ る のは、 最とも19世紀の関心に近い第 一の立場でもな け れば、 最ともラデ ィ カルな第 三の立場でもな い。 それは最とも正統的とい わ れ る 第二の立場であろう。 注 ) 1 ) N. P. Mouzel is, Organization and Bureaucracy, 1967. P . 18 2 ) ibid, P . 19 . 3 ) M. Weber, WuG, S.709. 世 良 訳 、 支 配 の 社 会 学 I 、 74 頁. .. 4) M. Albrow,op. cit. , PP. 16 - 17 . 阿 利莫 二 構 「 官 僚 制 概 念 の 成 立 と 展 開 ロ ッ パ に お け る 現 代 官僚 制 論 成 立 の 系 譜 」. ,. ヨ. 渓 内 謙 他編 、 現 代 行 政 と 官僚 制. 1974 年 、 4 頁 . 5 ) 阿 fiJ 莫 二 稿 、 同 上 、 4 頁 .. 6) 同 上 、 6 頁 な ら び に 4頁 . 7) M. ウ ェ. ー. パ ー 著 、 小 野 木 常 編 訳 、 法 社 会 学 ( 下 l 昭 和 34 年 、 368- 369 頁 .. 8 ) 三 戸 公 、 官僚 制 、 1973年 、 178 頁 . 9) 同 上 、 178- 179 頁 . 10 ) N. P. Mouzelis, o p . cit. , P30.. 1 1) 阿 禾I] 巽 二 稿 、 上 掲 論 文 、 15 . 12 ) N. P. Mouzelis,op. cit( , PP. 2 1 - 22 . 13) ibid. , P. 22 . 14) ibid. , P . 22 . 15) ibid. , P . 23 . 16) ibid. , P. 23 . 17) ibid. , P . 24 . 18) ibid. P.24.. - 187 ( 5448 ) -. ー. 上、.

(18) 19) ibid.,PP. 24 - 25 . 20 ) M . Weber, WuG. SS. 726 - 727 . 世 良 訳 、 支 配 の 社 会 学 I 、 115 - 116 頁 . 21 ) N. P. Mouzel is, op. cit. , P. 25 22) P. M. Blau, Bureaucracy in Modern Society. op.cit.,P. 19... 阿 利莫二訳、 現代社会. の 官僚 制 、 1959 年 、 137 頁 . 23 ) M.Albrow. o p . cit. , P. 110 .. 4 . 官 僚 制 組織 と 近代 資 本 主 義 政府や企業、 労 慟 組合に お ける官僚制組織の 発 展 が、 資 本 主 義 の 発 展 と密 接 な 関 連をもっ て い るの は い う までもな い 。. もち ろ ん こ こ で問題となるの は、. す ぐ れ て特殊歴 史 的な近代資 本主 義 の こ とであるが、 それとの関連でとりわ け注目される官僚制組織の大きな特 質 は 、 正確な 資 本 計 算 を 可能にする その 形式合理性であろ う 。 ち なみにウェ. ー バー. によれば、 資 本 計 算 を 主 観 的 意 Ill. 味関連とする営利的行 為が企業的行 為に他 な ら な い が、 近代資 本主 義 経 済 は、 その資 本 計 算が 最 高 度 の形式合理性をもっ てあ ら われ てくる こ とを基 本的特 <2). 質 と し て い る 。 もち ろ ん 、 それ は 一つに は 計 算技術自体の 発 展 、 すなわち 複 式簿 記による数 字の支配の完成ある い は 資 本 計 算 の 精 密 化によっ て支え ら れ るであろ う 。 しかし それとな ら ん で企業活 動 の実体的 過 程に お い ても正確な 資 本 計 算 を 可 能な ら しめる諸条 件の展 開 が 不 可 欠 であっ て、 こ の要請に こ た える意味で大きな意義 をもつのが、 官僚 制を構 造 原理とする体系 的 な 集 団 活 動 による計 画的な組織の運 営や経 営 活 動 の展 開 に 他 な ら な い 。 かく て 青 山 秀 夫 教 授が. 「. 経 営 の形式合理的なる官僚制機 構 は 、 それ自体が 131. 直接に資本計 算 の 最 高 度 の形式合理性の 条 件となっ て い る」 と指摘され て い るよ う に、 まず それ は 、 経 営 の 内 部原理と い う 点に お い て近代資 本 主 義の発 展 を支える大き な要素になっ て い る 。 もち ろ ん 青 山 教 授 によれば、 官僚制組 織に 高 度 の形式合理性がみ ら れるのも、 その 内 面 的本質たる デ ィ ス チ プ リ ン. - 188 ( 5449 ) -.

(19) 14). に 根ざすと こ ろ が 大 き い 。 け だし. 「. 経 営 勤 務 者が デ ィ スチプ リ ンを有し、 経 151. 営が機械の 如 く 動 く こ とが、 その計画的な運営を 可 能ならしめる」 からであ っ て 、 「実際にもし、 勤 務者が デ ィ スチプ リ ンを欠 くならば、 合理的計画の編 成 は 不 可 能であり、 仮に計画がみとめら れ た としても、 その実現はお ぼ つ か <61. な い 」のである。 更に、「 ディスチプ リ ンは即 対象的であり、そ れ がも た らす組 織 の 力 ないし分業の利 益はいかなる目的にも 奉仕しうる」のであるから、 そ の合理性が形式的である こ ともいうまでもない。 ウ ェ. ー バー. に と りわ け 好 都合な官僚制組織の特質と し てあ げている. 「. が近代資本 主義. 計算可能な規則」. 181. と 「 即 対象的な処理」 も、 かかる ディス チプ リ ン と 不 可分に関連しており、 されば こ そ、 そ こ に. 「. 機械の如 く」と形容さ れ る独特の機能 様式が出て き て、. 一 貫性と安定性が官僚制組織の活 動 を特色 づ け る こ ととなるのである。 マ ー ト ン (R.KMerton ) の. 一. が ウェ. ー. バ ーの理念型を 前提としてあ げている次 191. 連の長所も、 かかる官僚制組織の性格をよく示 している。. i l l職務上の接 触が、 規則によってあらかじめ定めら れ た 様式にもとづくも の に 大 1本かぎら れ る こ とによって、 原 擦が 最 小 限にくいとめら れ る 。 1 2)他人の行 動 が た やすく予測で き るし、 相互に確実な 期 待がもてるように なる。 (3) い ろ い ろ の 部 署 を 担当している人々が、 私的にどんな態度をいだいてい ようとも、 こ の形式性のおか げで、 彼らの相互 作 用 が容 易 になる。 (4)上 司 の行為も 部 下の行為も互いに承 認 している 一 連 の規則に抱束さ れ る が ゆえに、 部 下 は上役の勝 手な行為から守ら れ る 。 (5)手続について特 別な 措 置が 講 じ ら れ ている た め、 客観性がまし、「衝 動 が す ぐ行為となる」 こ とのないよう抑 制さ れ る。 かくて近代経営がその厖 大な成員の数にもかかわらず、 緻 密な資本計算に も とづく合理的計画にし た がって 、 複雑な内容をもつ経営活動を1本 系 的に展 開 し うるのも、 以上のような官僚制組織の機能 様式に負 うと こ ろ が 大 き い。 この 点からも近代経営においては多か れ 少なか れ 官僚制組織の 発 展 が 不 可 避. - 189 ( 5450 ) -.

(20) 的であ ろ う 。 青 山 秀夫 教授 に よ れ ば 、 国 家 機構 に み ら れ る 官 僚 制 的構 造 の 展 開 も 、 次 の II�. 諸 点 で 経 済 の 形 式 合理 性 の 発展 に 対 し て 重 要 な 意 義 を も っ て い る 。. 第 一 に 、 大 量 成 員 を 含 む 中 央 集 権 的 近 代 国 家 が 、 広 い 地域 に わ た っ て 、 持 続 的 に 治 安 を 確 立 し 、 近 代 的 大 規模 生 産 に 不 可 欠 な 市場 を 形 成 す る こ と 。 第 二 に 、 近 代 国 家 が 商 法 や 統 一 的 貨 幣 制 度 な どの 種 々 の 経 済 秩 序 を 創 設 ・ 保 証 · 維持 す る こ と 。 第 三 に 、 専 門 家 と し て の 近 代 的 官僚 は 、 国 家 の 計 画 的 ・ 合 理 的 な る 経 済 政 策 を 可能 な ら し め る こ と 。 第 四 に 、 国 家 の 活 動 が偶 然 性 、 恣 意 性 を 脱 却 し て 、 企 業 に と っ て あ ら か じ め 計算 し う る も の に な る こ と 。 以上の な かで も ウ ェ. ー バー. が も っ と も 重視す る の は 第 四 の 点 で あ っ て 、 青. 山 教授 は そ れ を 次 の 如 く 述 べ て い る 。「 近 代 国 家 の 国 家 活 動 は 、 国 民 に 公示 さ れ た 成 文 法 秩序 の 下 に 、 専 門 的 か つ 無 私 的 な る 官僚 に よ っ て 、 計 画 性 と 安 定 性 を も っ て 執行 さ れ る か ら 、 企 業 は 固 家 活 動 を 信頼 を も っ て 、 そ の 資 本 計算 に お り こ む こ と がで き る 。 近 代 的 工場 経 営 に 特徴 的 な 固 定 資 本 の 投 下 も 、 こ れ に よ っ て は じ め て 可能 と な る 。 実 際 も し 、 王 朝 国 家 ま た は 封建 国 家 に お け る よ う に 、 行 政 · 司 法 が伝 統 的 支. �e 者 の 恣 意 に よ っ て 無 軌 道 に 動 く 場 合 に は 、. 長 期 計 画 的 な る 企 業 活 動 は 困 難 と な り 、 … 営 利 は 専 ら 権 力 へ の 寄 生 や偶 然 の Ill). 投機 的 利 用 や に よ っ て 非 合 理 的 に 行 わ れ る で あ ろ う 。 」 か く て 官僚 制 的 な 構 造 原 理 に も と づ い て 展 開 さ れ る 体 系 的 な 国 家 活 動 は 、 市 場 経 済 の 外 部秩序 の 確 立 と い う 内 容 面 の み な ら ず 、 正 確 な 予測 を 可 能 に す る そ の確 実 な 機能 の 逐 行 と い う 形 式 的側 面 に お い て も 、 近 代 資 本 主 義 の 発展 に 重 要 な 貢 献 を な す の で あ っ て 、 こ こ に も 官僚 制 的構造 の も つ 形 式 合 理性 の き わ め て 重 要 な 制 度 的 意 義があ る。 プ ラ ウ も ほ ぼ 同 様 な 趣 旨 で 、 近 代 資 本 主 義 と 官僚 制 の 適 合 的 関 連 を 指 摘 し て い る 。 す な わ ち 、 「経 済 的危 険 を 合理 的 に 評価 す る こ と は 、 資 本 主 義 に お い - 190 (5451 ) -.

(21) ては 前 提 条 件であるが、 そ のためには、 競 争 市場 の 正 常 な 過 程が、 外 部 の カ によってむやみに妨 害さ れ な い こ とが必要である。 政治 的暴 君 の 恣意 的 な 行 為は経 済的得 失 の合理 的 な 計 算 をさまた げるし、 強盗、 海 賊 、 社会的擾 乱も こ れ を さ また げ る 。 したがって、 資 本 主 義 の ためには、 専 制支配 の 覆 滅 ば かりで な く 、 秩序と安定を維持 するにたる 強 力 な政府 をつ く る こ とが必要で あって、 資 本 主 義は こ の 場合、 政府の能率 的にして広汎 な 活 動 を奨 励 する 。 資本 主 義はまた政府 以 外の領域にも官僚制化をま ね き 入 れ る 。 企業が規模 を ひろ げた こ と、 また そ の結 果 、 多 く の 従業員が利 潤 原 則 に直接 左 右さ れ る 活 動 とは縁が な く な った こ とから、 能率 のために官僚制的 な 管 理 方 法をとり入 れる こ とがますます必要と な った 。 逆 に 巨 大 会社では、 もはや労 慟者は直接 知り合って い る使用者と個々に交 渉 するわ け にはゆか な い から、 彼 らは 複 雑 な 管 理 機 構をもった 大き な 組合に組織さ れ る こ とが必要に な る 。 」 かく て プ ラ ウは 「 寄 妙 に 思 わ れ るかもし れ な い が、 自 由企業制は政府 ・ 民 間 会社、 組合 IIZ. にお け る官僚制 の 発達をは ぐ く む の である」と指摘するの である。 しかし資本 主 義 の発 展と官僚制化の 間 にはかかる適合的関連ばかりでな く、 ネ ガ チ プ な 相 関 関 係もみら れ る こ とに注意し な け れ ば な ら な い 。 たと え ば 資本 主 義 の 高 度 化に伴って進行 する国 家 機能の 拡 大 ・ 進化は政府の経 済権 力 と企 業 活 動 へ の 介 入 の 増 大 を伴っており 、 「 混 合経 済 」. の概念にも明らか な 如 く 、. それは不 可 避的に資本 主 義 経 済 の 重 大 な 変 質 にも 通 じ てい る 。 更 に、. 経 営 の 内 部 原 理として の 官僚制組織の 発 展 も、 企業経 営に対して種. 種の重 大 な 諸問題を提 起 して い る 。 たと え ば 構 造 化の 程 度 のきわめて 高 い 官 僚制組織は、. 職位 の権限にもとづく 中央 集権的構 造 と 没 人格的 な 規則や規程. に支配さ れた画 ー 的 手 続や ル ー チ ン 、 更 には 高 度 の職能的特殊化によって断 片 化し、 部 品 化した労 働 な ど による 人 間 性 の 疎 外に加 え 、 成員の 間 に 強 く み られる安定性 へ の 志向や消 極性、 保 守 主 義、 そ れ にまた、 タ テ 型 の 構 造 に根 ざ す セ ク シ ョ ナ リ ズ ム な ど の 諸要因があ い まって、 組織の体 質 がきわ め て 非 伸 縮的で、 こ れが 可 変 的環 境と の 動態的均 衡 の維 持 にお い てきわめて大き な. - 191 (5452) -.

(22) 障 害となっているば か り でない。 成員の モ ラ. ー. ルの低 下 や 企 業 性および 革 新. の後退 という点にも 、 経 営 にとってと り わけ重大 な官僚制の逆 機 能 の発 現 が み ら れる。 加えて 、 現 代 人の価値観の変 化 や 外 部環 境の変 化 の 急 速 化 な ど の み ら れるであ ろ う。 加えて 、 現 代 人の価値観の変 化 や 外 部 環 境の変 化 の急 速 化 な どの 最 近の傾向も 、 か かる官僚制組織の内 在 的 限界 をいっそう尖鋭に表 面 化 させる大きな媒 介 的 契 機となってお り 、 最 近 にいち じ るしい組織 変 革 論の 台 頭 にも こ れが 反 映されている。 い ずれにしても 、 今 日 、 経 営 組織と環 境との 動 態 ら れた重要 な 課 題 となっている背 後には 、 高 度に官僚制 化された経 営 組 織 の 実 体があるといわ ね ばな ら ない。 更 に社会の 一 般 的 傾 向としてみても 、 政 府 の 活 動が 多 方 面 におよび、 多 数 の恩 給 受領者 や 年 金 生 活者を か かえた福 祉 国家の発 展 は 、 今 後の 資 本主義経 済 のよ り 高 度 の 発 展 にとって 必 ず しも 肥 沃 な土 壌とはな ら ない。 けだし こ の ような状 況の下では 、. 一. 般に危 険 負 担を好まない風 潮がみな ぎ り 、 安 全 性 や II�. 保 証 に対する強い官僚 的 固 執が 国 民 全 体を 支 配する か ら である。 いうまでも なく こ れ ら は 、 資 本 主 義の基本的原動 力である積 極 的イ ニ シ ャ チ ブ や 果 敢な 企 業者 精 神 の枯 渇を招き 、 徐 々 に自 由 企 業 制度 の 活 力を む しば む 大 きな原因 になるであ ろ う。 しかし、 こ れ ら の種 々 の問 題をは ら みなが ら も、 ウ ェ ー バ ーにとっては見通 し うる 未 来 はなお官僚制 一 色 に塗 り つ ぶされているといってけっ し て過言ではな い 。 たとえば、 「 と り わけ近 代 国家の 全 発 展 史 は 、 近 代 的な官僚制 度 と官僚 的 経 営と の歴 史 に帰着し、 同 様に近代 的な高 度 資本主義の全発展 史は、 経済経営の官僚制化 の 進 展 と 一 致する。 官僚制 的 支 配形態の 役 割 はいたると こ ろ で増 大 している。」 という ウ ェ. ー. バ ー の所 説にも 、 その 一 つの集 約 的 な 表 現がみ ら れるであ ろ う。. 注 ) 1 ) M. Weber , WuG, a.a. O . , SS. 64-64青山秀夫著、 前掲書 、 109-110頁. 2 ) 青 山 秀 夫 著、 上 掲 書、 1 14 頁 . 3 ). 同. 上、 143 頁 .. 4 ) デ ィ ス チ プ リ ン の 意 義 に つ い て は 、 斎 藤 美 雄 稿、 「 官 僚 制 組織 の 意 義 ( 上 ) 」 , 商. - 192 (5453) -.

(23) 経学叢 第51号 、 昭和50 年 2 月 、 176- 178 頁 を 参 照 さ れ た い 。 5 ). 青 山 秀 夫 著 、 前 掲 書 、 143 頁 .. 6 ). 同. 上 、 143 頁 .. 7) 同. 上 、 141 頁 .. .8 ) M.W e'de r,WuG,a.a.O.,SS.717- 718 . 世 良 訳 、 支 配 の 社 会 学 I 、 93 頁 . 9). R. K. Me rton,Soc ia l Theory a nd Soc i a l Structure ,1968 Enla rged Ed., P.294.. 10 ). 青 山 秀 夫 著 、 上掲 書 、 143 頁 .. 11 ) 同. 上 、 14 3- 144 頁 .. 12 ) P.M.Blau , Bu reaucracy in mode rn Society, op.cit., P . 38. 阿 利 菓 二 訳 、 前掲 書 、 35. 頁. 13 ) N.P.Mou zel is, op.cit., P.25. 14 ). マ ッ クス ・ ウェ. ー. バ ー 著 、 世 良 訳 、 支 配 の 社 会 学 I 、 35 頁 .. 5 . 官僚制化の 動 向 と そ の 歴 史 的基調 形式合理 的 な 合 法 的 支配に根ざ す 官僚 制 的構 造 の 展 開 は 、 そ の 機能が経営 の内部原理と し て あらわれ る 場合に も 、 市場経済 の 外 部 秩序 の 一 環をな す 国 家 の 統治行為 の う ち にあらわれ る 場合に も 、 と も に近 代 資 本 主 義 経済 の 重要 な客観的要請に根ざし て い る 。 し た がっ て 、 近 代 国家 の形成 の みならず、 近 代資本主義経済 の 発 展 にと っ て も 、 官僚制 的 な 構 造原理の 展 開 が重要 で あ っ て 、 こ こ に近 代 社会 の 発 達 を 支え る 官僚 制 の きわ め て 大きな歴 史 的意 義 があ る。 企業の成長 • 発 展に伴う経営組織 の 近 代 化 が 、 多分に官僚 制 化 の 過程 を 通 じ て なされ て き た という こ と も 、 す でに こ こ から容 易 に 予 想し う る と こ ろ で あろう 。 実 際 、 経済性を重要な 指 導 原理と す る 経営組織 で は 、 目 標 達成 の 手 段とし て の 組織 の 機能 的合理性 の 貫 徹が、 そ の 近 代 化 の 重要な 内 容をな す が、 その 不可欠 の 前提とし て あ げられ る の が組織と個人の 明確な人格 的分離 であ. - 193 (5454)-.

(24) ることは重要である。 け だ し 、 これを 可 能にする支配癸 型が 、 ウェ 正当的支配の カ ズ イ ステ ィ. ー. ーバー. の. ク にお い てみるかぎり 、 合法的支配をお い て 他. にはな い と い うと こ ろに 、 この支配癸 型の 、 組織の近代化にお い てもつきわ めて重要な 機能的意 義があるか ら に他な ら な い 。 かく て合法的支配の下にお い ては じ めて 可 能な組織 人格と個 人 人格 の 明 確な 区 分 に即 し てなされる経営 組織の機能的合理化の展 開 は 、 多 かれ 少 なかれ官僚制化の 方 向にお い てなさ れることになるであろう。 従来の経 営組織の 発 展 にお い て 、 水 平 的次元 にお ける 高 度の職能的特殊化の展 開 が 、 それによって 生 じ る 調 整 の ニ ー ド に媒 介 されて 、 垂 直的次元 における高 度 の 階 層 的構 造 の展 開 と結びつ い てあ ら われ ると い う 一 般的傾向がみ ら れるのも その具体的な 構 造 的 反 映に他な ら な い 。 かく て近代経営の体系 的 活 動 の 展 開 は 、 少 く とも それがある 一 定の段 階に達 するまでは 、 多 分にこの官僚制組織の 発 展 によって支え ら れてきたと い って もけっ し て過 言 ではな い 。 こ のように、 経 営組織の近代化が 、 多 分 に官僚制化の 過 程 を 通 じ てなされ てきたと こ ろに 、 官僚制が近代経営にお い てす ぐ れて内在 的な 存 在たるゆえ んがあるが 、 歴 史 的にみて それを 強 力 に推進 し てきた 一 つの重要な技術的要 ニ ブ. ゜. 因と し てあ げ ね ばな ら な い のが 、 産業革 命 以来の 生産の機 械化の 発 展 であろ. 第 一 に 、 生産の機 械化は 分業による協業の 一 つの大きな 直 接的契 機をなす のみな ら ず 、 所有と 労 働 の 分 離 を促 進 し 、 生産 手 段 の集 中化をうながす 点に お い ても 、 大 規模な協業が成立する制 度 的条 件 の確立に大きな貢 献をな し て い る。 第 二に 、 生産の機 械 化は 、 かっての技能伝 授 の機能の殆 ん ど唯 一 のにな い 手 であった親 方一 徒 弟 制 度 を 崩 壊 させ て 、 熟 練の機 械 へ の移 転によって 身 分 的に平 準 化された労 働者の直傭化 を 通 じ て 、 彼 ら を 直 接 に経 営権 力 の支配下 (11. におく が 、 こう し てもた ら される経 営 管 理機能の拡 大 ・ 強 化は 、 そのままに 経 営 の官僚制化の 大きな客 観的要因をな し て い る。. - 194 (5455 ) -.

(25) 第 三 に、. 機 械 の 性能の も つ 固 有 の 特 質 からして、. の 標 準 化や 画. ー. 化 をお しす すめ、. ルー. 生産 の 機 械 化は 活 動 様 式. チ ン 化された業務活 動 の 比 重を 高 め る. こ とによって、 官僚制組織 の 構 造に適合した 機能様 式 の 技術 的 条 件 の 形成を 促進する。 こ れら の 要 因にもとづいて、 近代 的 な 機 椛 制 大 工業においては、. 高度の機. 椛体系 の 発 展 と結び つ いて、 しばしば精緻な官僚制組織 の 形成が典型 的 にみ られ る 。 しかしも ち ろ ん 、 い。 け だ し、. 官僚制組織 の 発 展 は産業の 分 野 のみにか ぎられな. 多 かれ 少 なかれ経 済 性 へ の 配慮が重要な、. 体 活 動 であ る か ぎり、 れ る からであって、. 大 規模で持続 的 な 団. 社会 の あら ゆ る 分 野に お いて官僚制組織 の 発 展がみら こ れ がまさに現代社会 の 大きな特 色 をな してい る 。 かく. て 全体社会 の レ ベ ル でも、. かか る 官僚制化の 趨 勢が 顕 著 にな る と、. そ れが現. 代 人 の 生 活 様 式や社会 の 権 力 構 造 にいかな る 影 響 をおよ ぼしてい る かと い う こ とが 大きな問題となって種 々 の 論 壌をよびお こ して い る が、 なかでもとり わ け重 要な焦 点 の 一 つ が、 「 人 間 性 の 疎 外 」 をめ ぐ る 問題であ る こ とはい う ま でもな い 。 たとえば構 造 化の 程 度 の 高い集権的 な官僚制組織 の 下では、 き ゅ う く つ な 規則や面 ー 的 な手統によ る 抱 束 ともあいまって、 に制約されて、. 自 由な 活 動 や 自 t 性が極 度. 人 間 と して の 主体性 の 否 定が顕 著 であ る こ とは、. の指摘を待 つ までもない。 ときには成員達 ぱ 、. 多 く の 論者. 自 己 の な す 断 片 的な職務と、. 組織 全体 の 目 的 と の有機 的 な関連さえ 見 失っており、 労 慟が自 己 実現にと つ て無意味な 存 在 となって、 深 刻 な 方 向 性 の 喪 失 や ア ノ ミ. ー (anomy ) にお ち. ってい る とい う 事態もよく指摘 されて い る 。 こ の よ う な状 況 の 下では、 人 間 性を規定し、 自 己 を実現す る ための 本 質 的 活 動 であ る はず の 労 働が、. 入. 本来、 そ. の 甚 本的特性を 失い、 生 活 の 糧を 獲 得 す る 単 な る 手 段 にすぎないも の にな る ,2,. であろ う 。 マ ル ク スが 「 資 本論」 の 中 の 協業とマ ニ ュ フ ァ ク チ ュ ア ー 、 13). びに工場制 機 械 工業の 分 析で、 る の は、. なら. 生き生 ぎ と した箪 致 で 克 明にえがき出してい. まさしく こ の 産業におけ る 官僚制組織の 発 展 と そ れによ る 人 間 性 の. - 195 (5456) -.

(26) 疎 外状況 に 他 な ら な い 。 し か し 疎 外 の 基 本 的 源 泉 を 扱 う 段 に な る と 、 彼 の 論 議 が に わ か に 公式 的 な 調子 を お び て く る の は 、 彼 が産 業 生 産 の技術過程 を 構 成 し て い る 官僚 制 組 織 と 機 械 体 系 の 機 能 様 式 に 直 接 そ れ を 求 め る の で は な く 、 む し ろ 相 対 的 剰 余 価値 生 産 の 法則 の 下 に そ の 推進 力 と し て 貫 徹 し て く る 資 本 の論理に そ れ を 求め る か ら で あ ろ う 。 す な わ ち 、 資本主義的生産関係の下で 生 産 手段 の 所 有 か ら 疎外 さ れ て い る 労 慟 者 が機械 の 生 き た 付 属 品 に な っ て 官 僚 制 組織 の 下 に あ み 込 ま れ 、 労 働 の 生 産 物 に 対 す る 統 制 力 を 失 う の み な ら ず 、 労働過程 に 対 し て も 統制 力 を 失 っ て 疎 外 さ れ る の も 、 基 本的 に は 労慟 力 が商 品 と し て 販売 さ れ 、 資 本 の 支配 下 に お が れ る こ と に よ っ て 、 労慟 が 自 己 実現 の形態 で は な く な る こ と に そ の 真 の 原 因 があ る と さ れ る の で あ る 。 か く て 三 戸 公 教授 も 指摘 さ れ る 如 く 、 「協 業 、 分 業 、 機械 そ れ 自 体 が も つ 非 人 間 性、 反 人 間 性 、 疎 外性 は 、 資 本 の 非 人 間 性 、 反 人 間 性 、 疎 外 性 と な り 、 技 術 的 内 容 そ れ 自 体 か ら 生起す る 非 人 間 性 、 反 人 間性、 疎外性の 一切 は 、 資 本 な い し 141. 所 有 関 係 、 階級関係 か ら 生 じ る 疎 外 と し て 表現せ ら れ る 」 こ と に な る 。 こ の よ う な マ ル ク ス の 体 制 論的疎外論 に 対 し て 、 他方で は 資 本 の 独 自 の 機 能 と き り は な し て 、 産 業 化 の も つ 普遍的 な 特質 を 明 ら か に し よ う と す る 超体 151. 制 論 的疎外論 な い し 産 業 社 会 学的疎外論 が あ る が、 合理化 と い う 世 界 史 の基 調 に 根 ざ し て 進 展 す る 官僚 制 化 を 現 代 の 不 可避 的 な 宿 命 と み な し 、 こ の 官僚 制 組織 に よ る 人 間 の 自 由 の 抑 圧 に 疎 外 の 重 大 な 源 泉 を 見 出 す ウ ェ. ー バー. にと. っ て は 、 マ ル ク ス の よ う に 、 疎 外 か ら の 解放 に よ る 人 間 の 自 由 の 実現 を 社 会 主義社会の 成 立 に託す こ と は も と よ り で き る と こ ろ で は な い 。 け だ し 。 ウ ェ ー バ ー に よ れ ば、 官僚制化 は 体制 の い か ん を こ え て 現 代 の 産 業 社 会 を 貫徹す る 普遍 的 現 象 で あ っ て 、 能 率 的 な 生 産 や 合理 的 技 術 に 即 応 し た 近 代 的 な 経済 運 営 が重 要 で あ る か ぎ り 、 社 会 主 義 社 会 と い え ど も 、 合 理 的 な 官僚 制 機 構 が 不 可避 的 だ か ら で あ る 。 し か し こ の よ う な 官僚 制 組 織 を 貫 徹 し て い る の は 、 人 間 性 の 原理で は な く 能率 の 原理 で あ る が ゆ え に 、 そ こ で は 人 間 の 方 か ら 、 能 率 の 論理 や 生 産 碁 準 、 没 人 格 的 な 諸 目 標 へ の 同 調 を 余儀 な く さ れ て い る 。. - 196 (5457 ) -.

(27) こ こ に官僚制化の未来 に 関するウェ ー バ ー の 予 言 が 、 次の如くきわめて ペ シ ミ ス ティ ッ クなもの に なってくる理由 がある。 すなわち 「 生 命 のな い 機 械 は 気 の 抜 げ た 魂である。 機械の魂 からはまさしく気 が 抜 け て い ると い う こ の事 実 こ そ、 人 間 を仕事 に か り 立てる 力 、 そして 日 常 の 労 慟 生 活 を事 実 工場で み な れ る よ う に 支配的 に 規定する 力 を 、 機 棟 に 与 え て い るのである。 生 き て い る 機 械も もまた 気 の 抜 け た 魂である。 生きて い る 機 械 の役を演 じ て い るのは、 訓 練を 受 けた専 門 的労 慟の特殊 化 、 権限の区 画、 勤 務規則 お よ び 階 層 的 に 段 階 づ け ら れた服 従 関 係 を1半って い る官僚制組織である。 こ の 生きた機 械は、 あの死 ん だ 機 械と手を結んで未来の隷 従の容 器をつく り 出す 働きをして い る。 も し. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. も 、 純 技 術 的 に す ぐ れ た 、 す な わ ち 合 理 的 な 官僚 に よ る 行 政 と 事 務 処理 と が 人 間 に と っ て 懸 案 諸 問 題 の 解 決 方 法 を 決 定 す る さ い の 、 唯一 究 極 の 価値 で あ る と す る な ら ば 、 人 間 It 多 分 い っ の 日 に 力\ 古代工 ジ プ ト国 家 の 土 民 の よ う 161. に 、 力 なく 隷 従 に 順 応 せ ざるを え なくなるであ ろ う 。 」と。 こ う した疎 外現象も、 合 理化と い う ウェ 形 式 合理性と 実 質 合理性の ア ン チ ノ ミ. ー. ーバー. の基 本的視 角 か らす れ ば 、. の 一 つの 発 現としてとら え る こ と が. できるであ ろ う 。 木 田 融 男 教 授 に よ れ ば、 ウ ェ. ー バ. ー の社会 変 動 論 の第 一 の. 視 角 である客 観的過 程 の 合 理化は、 計 算 に 立 脚 した 可 測 性 に その本 質 をもつ が 、 近代 ヨ. ー. ロ ッ パ に お い ての み 合 理的資 本 主 義 が成 立 し え たのも、 そ れ に. とって 不 可 欠 な 合 理的な 科 学 ・ 技術と 合理的な法と行政と い う 前 提 条 件 が、 近代 ヨ. ーロ. ッ パ 市 民 層 に 内なる実 践 的倫 理として 作用するエ ー ス ト に もとづ. く 主体的 過 程の 合 理化 に よ って 内 面的 に 支 え ら れ た か ら である 。 すなわち プロテ ス タ ンテ ィ ズムの倫 理 に み ら れる ご とく、 カ リ ス マをもつ予言者 が 提. 会的利害 関 心 と結 合 し、 大 衆 の 日 常 的な世俗 的 禁 欲 と して心 深く浸透し、. そ. 示 する理念 が 大 衆 の 観 念的 ・ 内 的 ・ 心 理的利害 関 心 お よ び物 質 的 ・ 外的 ・ 社. の エ ー ト ス が、 非 合理的状態の 真 只 中 に 自 発 的な意志 に よ る組織的 ・ 計 画 的 な計算性を有する 合 理的経 営 を 生 じ さ せ 、 つ い に は意図せ ざる結 果 ではあっ た が 、 旧 社会を 「 突 破 」 し、 資 本 主 義 の精 神 として資 本 形成へと 作用し、 近. - 197 (5458)-.

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