• 検索結果がありません。

電子政府:3. 地方自治体での事例3.2 電子自治体の構築に向けて-高知県の取組み-

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "電子政府:3. 地方自治体での事例3.2 電子自治体の構築に向けて-高知県の取組み-"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Special Feature ◆ 新情報ハイウェイの整備 ◆. 電子自治体の 構築に向けて. 高知県の課題,プロジェクトの背景  高知県においては,平成 9 年度より「高知県情報スー パーハイウェイ」を構築し運用している.この情報スー パーハイウェイは,基幹回線が 50Mbps ,基幹回線から アクセスポイントまでの支線が 1.5Mbps または 6Mbps か. −高知県の取組み−. らなる,ATM 技術をベースにした構築当時としては先進 的で高機能なネットワーク構成である.  情報スーパーハイウェイはこれまで,教育機関や市町 村など 3,300 を超えるユーザが接続するとともに,総合 防災情報システムなど 60 を超えるサービスに利用され ており,特に教育の分野では,平成 12 年度にすべての. 高知県 理事(情報化戦略推進担当). 公立小中高等学校や教育機関がインターネットに接続さ. 石川 雄章. の実証実験事業の基盤として活用されるなど,高知県の. [email protected]. 情報化の推進に大きく寄与している.. れるなど先進的な取組みが進められている.また,多く.  しかし,全国ブロードバンド構想の推進や総合行政 ネットワークの整備など情報化を取り巻く環境の変化や  平成 15 年度を目標として電子自治体の構築が求められて. 急速な技術進歩に伴い,情報スーパーハイウェイにさま. いるが,高知県においても情報化を推進していく中で電子自. ざまな課題が生じてきた.それは,1)ユーザ数の増加. 治体の実現に向けてさまざまな取組みを進めている.. や送信データの増大により通信速度が遅いこと,2)IPv6.  本稿では,1)情報化推進のための必要条件である基盤整. 等の新技術やブロードバンドに対応できないこと,3). 備に対する取組みである「情報ハイウェイの整備」 ,2)IT. 24 時間 365 日の保守運用が困難であること,4)総合行. を活用し利用者の立場に立った利便性の高い行政サービスを. 政ネットワークに対応できないこと,等である.. 提供するための取組みである「コミュニティデータセンター.  このため,より高速で大容量の新たな情報通信基盤を. の整備」,3)自治体の多くが抱えている課題である IT 調達 の適正化のための取組みである「IT 調達ガイドブックの策定」. 構築することになった.. の 3 つの取組みについて事例紹介させていただく.. プロジェクトの概要  現行の情報スーパーハイウェイのさまざまな課題の解 決を図るとともに,ブロードバンド時代に対応した新た な情報通信基盤を構築するため,高知県では平成 13 年 度に 「高知県次期情報通信基盤基本構想書」 (構想概念図: 図 -1 参照)を策定し,この中で以下のような整備にあ たっての基本方針を示した. ①すべての県民・企業が「いつでも,どこでも,格差な く」活用できる県民活用型 ② CATV ,ADSL ,無線等のアクセス回線を自由に選択で きる面的な広がり ③高速大容量で常時接続可能なブロードバンド化  現在この基本方針に基づき,平成 15 年度からの本格 運用に向けて新情報ハイウェイの構築を行っている.そ の際,利用者のニーズや技術変化に柔軟に対応できるよ う,サービスの調達にあたっては民間の通信サービスを 利用することとした.. 480. 44 巻 5 号 情報処理 2003 年 5 月. −1−.

(2) 3 .地方自治体での事例 3.2 電子自治体の構築に向けて. LGWAN 総合防炎 システムなど. Internet. 高知県庁. JGN. 南国オフィスパークセンター. 教育センター. 教育コンテンツ. 超高速コアネットワーク 超高速コアネットワーク (ギガビットクラス) (ギガビットクラス). ADSL アクセス回線 AP アクセス回線. FWA. 利用者. 数100M∼1G. 数100M∼1G. AP アクセス回線 ISP. CATV. アクセス回線. 超高速中継ネットワーク(ギガビットクラス) 超高速中継ネッ トワーク (ギガビットクラス ) AP AP. アクセス回線 ADSL. 利用者. アクセス回線 64k∼100M 企業. 利用者. 家庭. 高知工科大学. ADSL アクセス回線. AP アクセス回線 10M∼100M 市町村 行政機関. 1.5M∼10M. 3. 小中学校/高校. 図 -1 高知県次期情報通信基盤基本構想(概念図).  新情報ハイウェイの構成としては,幹線を 2.4Gbps の. ◆ 行政サービスの電子化について−コミュニテ ィデータセンター(CDC)の整備− ◆. 高速の 3 つのリングで構成し,県下全域で均一・低廉な 料金となるエリアごとにアクセスポイントを設置するこ ととしている.また機能的には,ISP や CATV を含めた民. 高知県の課題,プロジェクトの背景. 間への開放や,IPv6 など多様な技術にも対応するととも.  高知県では,行政分野の情報化は住民サービスの向上. に,利用者のニーズに合わせたセキュリティレベルの設. を最終的な目的とするものであり,県の取組みとともに. 定,民間サービスを利用することによる 24 時間 365 日. 住民と直接接することの多い市町村の情報化を推進する. の保守運用による安定稼働など,柔軟性・拡張性・信頼. ことが重要との認識から,これまで県が市町村の支援に. 性のある基盤として構築することとしている.. 取り組んできた.たとえば,県域ネットワークの整備を したうえで,メールアドレスや Web サーバの提供など運. 今後の展開. 用面でもきめ細かい支援を行い,さらには市町村が情報.  新情報ハイウェイは,平成 14 年度には県庁や教育セ. 化を推進するうえで有効活用できる国の補助事業や直轄. ンター,高知工科大学などの拠点施設および県内 53 市. 事業について,情報提供だけにとどまらず県が事業主体. 町村を 10Mbp から数百 Mbps の高速アクセス回線で接続. として積極的に参画するなどの支援を継続して行ってき. し,高知版電子政府の実現や教育の情報化を図っていく. ている.. とともに,平成 15 年度からは民間に開放することによ.  その結果,県とすべての市町村とが連携した総合防災. り産業振興や保健・医療・福祉などの情報化を推進して. 情報システムの構築および 560 すべての教育機関とのネ. いくこととしている.これにより,1 次産業や中山間地. ットワークの実現,さらには公立図書館ネットワーク,. 域の振興など,これまで情報化の取組みが遅れがちの分. 介護支援システムの構築など,各分野での広域ネットワ. 野においても,等しく情報化の恩恵が享受できる環境作. ーク型システムが構築され有効に活用されている. また,. りを目指している.. 県・市町村の専用線接続や市町村の庁内 LAN の整備もほ.  また,産学官民連携の下,新情報ハイウェイを活用し. ぼ終了している.. た実験・研究事業の展開や iDC(インターネットデータ.  一方,電子自治体の構築にはさらに大規模な追加投資. センター). ☆1. や地域 IX による新情報ハイウェイの高度. が必要となるが,各自治体が独自に構築・運用すること. 利用についても検討を行う予定である. ☆1. は財政面からも技術的にも困難であることから,県と市. iDC は,企業からサーバを預かり,その企業のインターネット事業を運用代行する施設.通常 24 時間 365 日稼働のインターネット接続環境を保証する. サーバの設置や管理,バックボーンへの接続,セキュリティ対策,データベースの保守など,インターネットサーバの維持管理サービスを総合的に提 供する(参照: 「高知県次期情報通信基盤基本構想書」 ) .. IPSJ Magazine Vol.44 No.5 May 2003. −2−. 481.

(3) Special Feature. 申請者 申請者. ポ ポ ー | タ ル タ サ ル  イ サ ト イ ト. 住民 住民. 企業 企業. コミュニティデータセンター コミュニティ・データセンター. 県 ⇔ 市町村 県⇔市町村. 認証システム 認証システム. LGWAN LGWAN. 汎 汎 用 用 受 受 付 付 シ シ ス ス テ テ ム ム. 県 ・ 市 市 町 町 村 村 民 間 サ ー | ビ ビ ス ス. 様式ダウンロード記載, チェック,認証. 各 各 種 種 の の サ サ ー ー ビ ビ ス ス 等 等. 各種情報提供. 県・市町 県・市町村 村職員用 職員用ポー ポータル タルサイト サイト. 受付・文書決裁 受付・文書決裁 審査.  各 担 当 各担当. 決済基盤 決済基盤. 図 -2 情報システム共同利用のイメージ図. 図 -3 CDC ステッカー. 町村が共同利用することによりコストを削減しつつ必要. 今後の展望. な機能を確保することが必要となっている..  高知県では,平成 14 年度の実証実験の成果を活用し た平成 16 年度からの本格稼働を目指して,平成 15 年度. プロジェクトの概要. には,運営組織のあり方や総合行政ネットワークへの接.  このような状況の中,高知県では,平成 14 年度に経. 続等の検討,ビジネスモデルの確立,市町村内部情報シ. 済産業省の実証実験事業(IT 装備都市研究事業を基礎と. ステムの標準化などに取り組む予定である.このため,. したコミュニティ連携を推進するデータセンターに関す. 平成 15 年度には県と市町村が中心となって CDC 機能(共. る研究・開発事業)を導入し,官民共同のコンソーシア. 同利用の仕組み)の運用を行い各種サービスの提供を継. ムを設けて,県,市町村および民間が共同利用できる汎. 続することで,県内における「電子自治体」の定着を進. 用受付システム等の構築,実験運用が始まっている.. めるとともに,申請や届出の利便性の向上を図る予定で.  この事業には,県内 53 市町村のうち平成 14 年 11 月. ある.. 現在で 46 市町村が参加しており,県民向けには電子申.  この事業が軌道に乗ることで,自治体の負担軽減はも. 請サービスや施設予約サービスなどのアプリケーション. とより,CDC や IC カードに関する新たな事業の創出,IT. を,また自治体向けには文書管理サービスなどのアプリ. の活用による既存産業の事業の高度化,さまざまなサー. ケーションをそれぞれ複数の自治体が共同で利用しての. ビスを享受できる県民生活の向上に大きく寄与するもの. 実証実験を進めている.また,民間利用に関するもので. と期待している.. は,IC カードを地域の診察券として使用できるシステム を構築し複数の医療機関の参加による実証実験等を行う. ◆ IT 調達ガイドブックの策定 ◆. ことにしている.  この実証実験を通し,県や市町村などが情報システム を共同利用する仕組み(イメージ図:図 -2 参照)を整. 高知県の課題,プロジェクトの背景. 備することにより,財務会計や給与計算等の自治体業務. 電子自治体の実現に向けて,今後短期間に行政による. のアウトソーシング,情報化への投資や IT 専門職員を. 多額の IT 調達が発生することが見込まれる.この際には,. 養成する負担の軽減等を図っている.また, 将来的には,. 限られた予算を適正に配分し,効率的な投資により,高. 民間事業者が利用して各種サービスを提供する仕組み. 品質でセキュリティの高いシステムの構築が求められる. も含めたビジネスモデルを構築し,地域における情報産. が,これは簡単なことではない.. 業の振興と IT を活用した豊かな生活の実現を目指して.  高知県では,従前から庁内システムで用いるコードや. いる.. テーブルの標準化と共通化による一元管理や,県が著作. 482. 44 巻 5 号 情報処理 2003 年 5 月. −3−.

(4) 3 .地方自治体での事例 3.2 電子自治体の構築に向けて. 情報化戦略企画. 評価と 廃棄・ 再活用. 管理と 監査. 運用と 保守. 基本計画立案, 評価および選択. 実施. 調達. ライフサイクル調達計画. 予算手続. 3. 図 -4 ライフサイクル調達プロセスフロー概念図. 権を有するモジュラーの活用等により重複投資を避ける. でのさまざまな判断を支援するチェックリスト等の作成. とともに,一定規模以上のシステム開発の業者選定に当. を視野に入れている.. たっては,稼働後の運用コストも含めたプロポーザル方.  これらの作成にあたっては,1)米国を中心とする先. 式を採用するなどより適正な調達に向けて改善を行って. 進諸外国の事例を参考にしたプロトタイプを作成し,. きている.. 2)これを高知県の現状に当てはめ調達プロセスのベン.  しかしながら,全庁のさまざまな部署で行われる大. チマーキングを行うことで高知県版の IT 調達ガイドブ. 小多数の IT 調達の実態をみれば,発注側である県の手. ック仮説版を作成し,3)さらに高知県のモデルプロジ. 続や要求仕様が標準化されておらず,1)調達するサー. ェクトに適用してその妥当性を確認しバージョンアップ. ビスの機能と品質が定性的にしか記述されていない,. を繰り返すといった方法を採っている.また, “使える”. 2)合理的な発注単位への分割が考慮されていない,そ. ガイドブックとするには,専門家のノウハウと現場職員. の結果,3)見積金額の妥当性の判断が難しい,4)プロ. の経験をすり合わせていくことが不可欠であるため,県. ジェクトの進捗管理,品質管理,成果の検収の判断が難. としては情報所管部署,契約所管部署が協力してこれに. しい,等の課題がある.. 携わり,専門知識を有するコンサルタントと共同作業で 事に当たっている.. プロジェクトのねらい,概要  高知県では,以上のような現状認識から,IT 調達プロ. 今後の展望. セスを洗い直し,システムのライフサイクル全体を通し.  職員がガイドブックの現実への適用スキルを身につ. てマネジメントする仕組みを構築するとともに,IT 調達. け,受注者側が適正調達の意義を十分理解した上で見積. に携わる全職員が拠り所とするガイドブックを作成する. 書やシステム関連ドキュメントの標準化に協力すること. プロジェクトに取り組んでいる.. で初めて本プロジェクトはその目的を達成することとな.  ガイドブックの記述の対象範囲は,システムのライフ. る.その意味で,新たな調達の仕組みが定着し継続的に. サイクルのすべてに渡り,現在のところのプロセスフロ. 改善が図られるよう,職員に対する研修,受注者側に対. ーは図 -4「ライフサイクル調達プロセスフロー概念図」. する十分な説明会の開催等を広く継続的に行うこと,平. に示すとおりである.プロジェクトの最終的なアウトプ. 成 14 年度の成果品であるガイドブックを洗練させると. ットとしては,IT 調達の基本理念を唱った「IT 調達方針」. ともに,活用ツールを充実させていく努力を続けていく. およびマニュアルとしての「IT 調達ガイドブック」が中. ことが必要であると考えている.. 心となるが,さらに現場でのガイドブック活用ツールと. (平成 15 年 3 月 27 日受付). して RFP 作成手順書(テンプレート)やプロセスの節目. IPSJ Magazine Vol.44 No.5 May 2003. −4−. 483.

(5)

図 -1  高知県次期情報通信基盤基本構想(概念図)

参照

関連したドキュメント

■使い方 以下の5つのパターンから、自施設で届け出る症例に適したものについて、電子届 出票作成の参考にしてください。

・難病対策地域協議会の設置に ついて、他自治体等の動向を注 視するとともに、検討を行いま す。.. 施策目標 個別目標 事業内容

今回、子ども劇場千葉県センターさんにも組織診断を 受けていただきました。県内の子ども NPO

里親委託…里親とは、さまざまな事情で家庭で育てられない子どもを、自分の家庭に

夜真っ暗な中、電気をつけて夜遅くまで かけて片付けた。その時思ったのが、全 体的にボランティアの数がこの震災の規

区部台地部の代表地点として練馬区練馬第1観測井における地盤変動の概 念図を図 3-2-2 に、これまでの地盤と地下水位の推移を図

生物多様性の損失は気候変動とも並ぶ地球規模での重要課題で

   また、不法投棄等の広域化に対応した自治体間の適正処理促進の ための体制を強化していく必要がある。 「産廃スクラム21」 ※