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令 和 元 年 度 修 士 論 文
アナログ回路試験用
マルチトーン信号生成アルゴリズムの比較と
クレストファクタ制御方式の研究
指導教員 小林 春夫 教授
群馬大学大学院理工学府 理工学専攻
電子情報・数理教育プログラム
柴崎 有祈子
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目次
第1章 序論 ... 4 1.1 研究背景 ... 4 1.2 研究目的 ... 4 1.3 本論文の構成 ... 4 第2章 マルチトーン信号 ... 5 2.1 概要 ... 5 2.2 マルチトーン信号の利用 ... 5 2.3 マルチトーン信号の問題点 ... 7 2.4 マルチトーン信号の最大振幅低減... 8 2.5 初期位相がすべてゼロのマルチトーン信号 ... 8 2.6 初期位相が乱数であるマルチトーン信号 ... 10 第3章 4つのクレストファクタ低減アルゴリズム ... 13 3.1 4つのクレストファクタ低減アルゴリズム ... 13 3.2 Newman 位相 ... 13 3.3 Kitayoshi 位相 ... 15 3.4 Schroeder 位相 ... 16 3.5 Narahashi 位相 ... 18 3.6 クレストファクタの比較 ... 20 第4章 初期位相設定方法の導出 ... 22 4.1 Narahashi 位相の導出 ... 22 4.2 4つのアルゴリズムの統一 ... 29 4.3 分母(N と N-1)の不一致 ... 32 第5章 クレストファクタ制御 ... 34 5.1 クレストファクタ制御の利用 ... 34 5.2 Newman 位相を応用した初期位相設定方法 ... 34 5.3 フィボナッチ数列と黄金比を用いた初期位相設定方法 ... 42 5.4 スペクトログラムの比較 ... 47 5.5 応用 Newman 位相の時間軸波形の並び替え ... 52 第6章 まとめと課題 ... 55 6.1 まとめ ... 55 6.2 今後の課題 ... 55 謝辞 ... 55 参考文献 ... 56 外部発表 ... 573
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第1章 序論
1.1 研究背景 近年、半導体の価格は下落しているものの、LSI の高集積化に伴って、集積回路テストに かかるコストは増大している(図 1.1.1)。したがって、テスト時間の短縮によるテストコ ストの削減により、半導体製品のコストを低減することができる。加えて、車載・医療用 LSI の需要の高まりや IoT (Internet of Things)の発展を受けて、LSI テスト品質の要求水準 も高くなっている。こうした背景から、低コスト・高品質を両立する LSI テスト技術が求め られている。 図 1.1.1 シリコンコストとテストコスト 1.2 研究目的 この論文では、テスト容易化によるテスト時間短縮を目的として、マルチトーン信号を用 いたアナログ回路テスト手法について検討した。 (1) 4つのクレストファクタ低減アルゴリズムを用いて生成されたマルチトーン信号を比 較し、それらが1つのアルゴリズムに統一できることを示す。 (2) 広帯域無線通信において、変調器の非線形歪みが周波数依存性を持つ場合のテストに、 クレストファクタを調整したマルチトーン信号を使用するテスト手法を提案する。 1.3 本論文の構成 まず、第2章でマルチトーン信号について述べ、第3章で4つのアルゴリズムを用いて生 成したマルチトーン信号のシミュレーション結果を示し、それらのクレストファクタ低減 効果を比較する。第4章では Narahashi 位相の導出を発展させ、4つのアルゴリズムを1つ の初期位相設定方法に統一する。第5章ではクレストファクタ制御手法を示し、第6章で本 研究のまとめを記す。5
第2章 マルチトーン信号
2.1 概要 マルチトーン信号とは、複数のトーン信号から構成される信号で、式(2.1.1)のように表 される[1]。 𝑠(𝑡) = ∑ Acos (2𝜋𝑓0𝑡 + 2𝜋(𝑘 − 1)∆𝑓0𝑡 + 𝜃𝑘) 𝑁 𝑘=1 (2.1.1) ただし、𝑁はトーンの数、Aは一つのトーンの振幅、𝑓0は基本周波数、∆𝑓0は隣接するトー ン間の周波数間隔、𝜃𝑘は各トーンの初期位相である。この論文では、図 2.1.1 に表されるよ うな、等振幅・等周波数間隔のマルチトーン信号を扱う。 図 2.1.1 トーン信号 2.2 マルチトーン信号の利用 マルチトーン信号は、線形システムの周波数応答を測定する際に、プローブ信号として用 いられる。例として、アナログフィルタの場合(図 2.2.1)を紹介する。シングルトーン信 号を使用する場合は、テスト時に入力する信号の周波数をスイープさせ、その出力を一つず つ測定する必要がある。(スライド p.6 を利用した記述に変える。)そうして得られた値を用 いて図 2.2.2 のボード線図を作成し、測定対象であるアナログフィルタの周波数特性を測 定することができる。 図 2.2.1 アナログフィルタの例6 図 2.2.2 周波数特性 しかし、1つの測定対象に対して、逐一周波数をスイープさせるシングルトーン信号をテ スト用信号として用いると、精度は高くなるものの、テストに膨大な時間がかかってしまう。 これに対して、複数の周波数をもつマルチトーン信号を入力信号として用いることによっ て、多少精度は劣るものの、テスト時間を大幅に削減することができる。例えば、1Hz から 1kHz の帯域の周波数特性を測る場合、単純に考えると、マルチトーン信号を用いるテスト は、シングルトーン信号を用いたテストの 1/1000 の時間で測定することが可能である。 また、もう一つの利点として、位相特性を測る場合があげられる。シングルトーン信号の 場合は、入力する際に信号の初期位相をモニターする必要があるが、マルチトーン信号にお いては、後述するように、入力信号の各周波数成分の位相関係が既知である。したがって、 入力する際のモニターは不要となり、テスト工程を省くことができる。
7 2.3 マルチトーン信号の問題点 マルチトーン信号の最大振幅は、基本的にトーン数𝑁とともに増大する。マルチトーン信 号を構成する各トーンが等振幅である場合、最大振幅は平均電力に対して、最大で 10𝑙𝑜𝑔10(𝑁)[𝑑𝐵]上昇する。これは、図 2.3.1 示すように、各トーン信号の初期位相すべてが 0(𝜃𝑘= 0)のときに起こる[2]。 図 2.3.1 初期位相𝜃𝑘= 0のマルチトーン信号(N=100) トーン数𝑁が大きい場合、このようなマルチトーン信号を使用してしまうと、ハードウェ アの設計にいくつか問題が生じてしまう。マルチトーン信号は、単一の伝送経路で𝑁個のト ーンを通すことが望ましい。等振幅のトーン信号において、伝送路の増幅器がマルチトーン 信号の最大振幅に対応するように設計されていないと、深刻な相互変調(IM)歪みが発生す る可能性がある。しかし、もし、増幅器がこのようなピークに対応するように設計されてい たとしても、図 2.3.1 のようなマルチトーン信号を入力してしまうと、各トーンあたりの増 幅度が小さくなるので、効率が著しく劣化してしまい、SN 比が低くなってしまう。 したがって、相互変調歪の影響を低減し、なおかつ高い SN 比をもつマルチトーン信号を 生成するためには、トーン数 N が大きい場合において、マルチトーン信号の最大振幅を低減 することが必要不可欠となる。
8 2.4 マルチトーン信号の最大振幅低減 等振幅・等周波数間隔のマルチトーン信号の最大振幅の低減効果は、主にクレストファク タやピーク対平均電力比(PAPR)の指標を用いて評価される。ここで、クレストファクタは 実効値に対する最大振幅の比として、PAPR は平均電力に対する包絡線電力尖頭値(PEP)の 比として定義される。PAPR はクレストファクタより 3.01[dB]低い[1]。 マルチトーン信号の最大振幅は、実効値とは異なり、各トーンの初期位相によって大きく 変動する。したがって、初期位相を適当な値に設定することにより、マルチトーン信号の最 大振幅、すなわちクレストファクタの低減が可能となるため、各種の初期位相設定法が検討 されている。この論文では、クレストファクタを指標として、初期位相設定法を比較してい く。クレストファクタの求め方を式(2.4.1)に示す[3]。 𝐶𝑟𝑒𝑠𝑡 𝐹𝑎𝑐𝑡𝑜𝑟[𝑑𝐵] = 20𝑙𝑜𝑔10[ 最大振幅(絶対値) 実効値 ] (2.4.1) 2.5 初期位相がすべてゼロのマルチトーン信号 ここでは、図 2.3.1 に示したような、各トーン信号の初期位相をすべてゼロにした場合の マルチトーン信号において、クレストファクタがどのような値になるかをシミュレーショ ンする。トーン数 N は 2 の累乗(N=2, 4, 8, …, 1024)、振幅はすべて1に正規化し、時間 軸は 0 から 8191 までの 8192 ポイントに設定した。図 2.5.1 はマルチトーン信号の時間軸 波形である。トーン数 N が増加するにしたがって、マルチトーン信号がインパルス信号のよ うな波形に近づいていることがわかる。トーン数 N とクレストファクタの関係性について は、図 2.6.2 にランダム位相の結果と共に示す。
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(a)2-tone (CF:6.02[dB]) (b)4-tone (CF:9.03[dB])
(c)8-tone (CF:12.0[dB]) (d)16-tone (CF:15.1[dB])
(e)32-tone (CF:18.1[dB]) (f)64-tone (CF:21.1[dB])
10 (i)512-tone (CF:30.1[dB]) (j)1024-tone (CF:33.1[dB]) 図 2.5.1 初期位相がすべてゼロのマルチトーン信号 2.6 初期位相が乱数であるマルチトーン信号 ここでは、各トーン信号の初期位相を乱数に設定した場合のマルチトーン信号において、 クレストファクタがどのような値になるのかをシミュレーションする。使用した乱数につ いては、[4]に記載されている平均 0、分散 1 の正規分布の乱数を種とし(図 2.6.1)、種に πをかけて−π ≤ 𝜃𝑘≤ 𝜋の範囲で生成された乱数を初期位相とした。 図 2.6.1 乱数のヒストグラム 図 2.6.2 は、ランダム位相のマルチトーン信号の時間軸波形である。トーン数 N は 2 の 累乗(N=2, 4, 8, …, 1024)、振幅はすべて1に正規化し、時間軸は 0 から 8191 までの 8192 ポイントに設定した。
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(a)2-tone (CF:4.92[dB]) (b)4-tone (CF:8.43[dB])
(c)8-tone (CF:9.47[dB]) (d)16-tone (CF:11.5[dB])
(e)32-tone (CF:10.9[dB]) (f)64-tone (CF:8.95[dB])
12 (i)512-tone (CF:13.8[dB]) (j)1024-tone (CF:16.5[dB]) 図 2.6.1 ランダム位相のマルチトーン信号 図 2.6.1 を見ると、トーン数 N が増加するにしたがって、マルチトーン信号の波形がラ ンダムノイズに近づいていることがわかる。次に、2.5 でシミュレーションしたゼロ位相と ランダム位相のマルチトーン信号における、トーン数 N とクレストファクタの関係を比較 したグラフを図 2.6.2 に示す。比較を簡単にするため、横軸はlogNとした。 図 2.6.2 トーン数 N とクレストファクタの比較 まず、ゼロ位相のマルチトーン信号については、トーン数 N が増加するにしたがってク レストファクタの値も大きくなっている。[3]より、クレストファクタは√𝑁に比例して増 大することがわかっている。 また、ランダム位相のマルチトーン信号については、ゼロ位相よりもはるかに小さいも のの、トーン数 N が増加するにしたがってクレストファクタも増大している。[5]のラン ダムパターンの位相でも同様に、クレストファクタは√𝑙𝑜𝑔𝑁に比例することがわかってお り、ゼロ位相、ランダム位相のマルチトーン信号では、クレストファクタは N とともに増 大してしまい、クレストファクタを適切に低減できないことがわかった。
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第3章 4つのクレストファクタ低減アルゴリズム
2.6 において、同位相・ランダム位相のマルチトーン信号のクレストファクタは、トーン 数 N と共に増大することを示した。これらをテスト信号として用いると、広帯域を1度に測 定する場合、SNR が悪くなり、テスト品質が低下してしまう。第3章では、トーン数 N が大 きくなってもクレストファクタを低減できる4つのアルゴリズムを紹介し、その低減効果 を比較する。 3.1 4つのクレストファクタ低減アルゴリズム 今回使用した4つのアルゴリズムのマルチトーン信号の基本式を以下に示す。 𝑠(𝑡) = ∑ cos (2𝜋𝑘𝑡 𝑇 + 𝜃𝑘) 𝑁 𝑘=1 (3.1.1) ただし、N はトーン数、k は周波数、T は周期、t は時間を表している。 Newman[6]、Kitayoshi[7]、Schroeder[8]、Narahashi[1]の4つの初期位相設定法におい て、初期位相位相𝜃𝑘は以下のように定義されている。 Newman 𝜃𝑘= 𝜋 𝑁(𝑘 − 1) 2 (3.1.2) Kitayoshi 𝜃𝑘= 𝜋 𝑁𝑘(𝑘 + 1) (3.1.3) Schroeder 𝜃𝑘= − 𝜋 𝑁(𝑘 − 1)𝑘 (3.1.4) Narahashi 𝜃𝑘= 𝜋 𝑁 − 1(𝑘 − 1)(𝑘 − 2) (3.1.5) これらの位相の導出については、4章で詳細に述べる。3章では、各初期位相を使用して 生成したマルチトーン信号のシミュレーション結果とクレストファクタの比較を示す。 3.2 Newman 位相 ここでは、3.1 の式(3.1.2)を各トーンの初期位相、トーン数 N を 2 の累乗(N=2, 4, 8, …, 1024)とした場合のマルチトーン信号について、シミュレーション結果を時間軸波形で 示す。振幅はすべて1に正規化し、時間軸は 0 から 8191 までの 8192 ポイントでシミュレ ーションを行った。14
(a)2-tone (CF:4.91[dB]) (b)4-tone (CF:6.02[dB])
(c)8-tone (CF:5.36[dB]) (d)16-tone (CF:5.17[dB])
(e)32-tone (CF:4.90[dB]) (f)64-tone (CF:4.67[dB])
15 (i)512-tone (CF:4.41[dB]) (j)1024-tone (CF:4.46[dB]) 図 3.2 Newman 位相の時間軸波形 3.3 Kitayoshi 位相 ここでは、3.1 の式(3.1.3)を各トーンの初期位相、トーン数 N を 2 の累乗(N=2, 4, 8, …, 1024)とした場合のマルチトーン信号について、シミュレーション結果を時間軸波形で 示す。振幅はすべて1に正規化し、時間軸は 0 から 8191 までの 8192 ポイントでシミュレ ーションを行った。 (a)2-tone (CF:6.02[dB]) (b)4-tone (CF:5.53[dB]) (c)8-tone (CF:5.04[dB]) (d)16-tone (CF:5.23[dB])
16 (e)32-tone (CF:4.79[dB]) (f)64-tone (CF:4.64[dB]) (g)128-tone (CF:4.63[dB]) (h)256-tone (CF:4.50[dB]) (i)512-tone (CF:4.42[dB]) (j)1024-tone (CF:4.47[dB]) 図 3.3 Kitayoshi 位相の時間軸波形 3.4 Schroeder 位相 ここでは、3.1 の式(3.1.4)を各トーンの初期位相、トーン数 N を 2 の累乗(N=2, 4, 8, …, 1024)とした場合のマルチトーン信号について、シミュレーション結果を時間軸波形で 示す。振幅はすべて1に正規化し、時間軸は 0 から 8191 までの 8192 ポイントでシミュレ ーションを行った。
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(a)2-tone (CF:6.02[dB]) (b)4-tone (CF:5.53[dB])
(c)8-tone (CF:5.04[dB]) (d)16-tone (CF:5.23[dB])
(e)32-tone (CF:4.79[dB]) (f)64-tone (CF:4.64[dB])
18 (i)512-tone (CF:4.42[dB]) (j)1024-tone (CF:4.47[dB]) 図 3.4 Schroeder 位相の時間軸波形 3.5 Narahashi 位相 ここでは、3.1 の式(3.1.5)を各トーンの初期位相、トーン数 N を 2 の累乗(N=2, 4, 8, …, 1024)とした場合のマルチトーン信号について、シミュレーション結果を時間軸波形で 示す。振幅はすべて1に正規化し、時間軸は 0 から 8191 までの 8192 ポイントでシミュレ ーションを行った。 (a)2-tone (CF:6.02[dB]) (b)4-tone (CF:5.60[dB]) (c)8-tone (CF:5.66[dB]) (d)16-tone (CF:5.16[dB])
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(e)32-tone (CF:4.71[dB]) (f)64-tone (CF:4.72[dB])
(g)128-tone (CF:4.49[dB]) (h)256-tone (CF:4.48[dB])
(i)512-tone (CF:4.45[dB]) (j)1024-tone (CF:4.47[dB]) 図 3.5 Narahashi 位相の時間軸波形
20 3.6 クレストファクタの比較 ここでは、シミュレーションで得られたクレストファクタの比較を行う。 まずは、2.5 で示したゼロ位相、2.6 で示したランダム位相の結果と4つのアルゴリズム の比較を図 3.6.1 に示す。横軸はトーン数、縦軸はクレストファクタである。今回は比較を 簡単にするために、横軸はlogNとした。ゼロ位相とランダム位相については、トーン数 N の 増加とともにクレストファクタが増加しているが、4つのアルゴリズムはトーン数 N が増 加してもクレストファクタを小さく抑えられていることがわかる。このことから、4つのア ルゴリズムは適切な初期位相を選択できており、クレストファクタ低減効果があるという ことを示すことができた。 図 3.6.1 クレストファクタの比較
21 次に、4つのアルゴリズムで生成したマルチトーン信号のクレストファクタのみにフォ ーカスして比較を行う。図 3.6.2 は、3.2 から 3.5 でシミュレーションした4つのアルゴリ ズムの結果を比較したものである。図を見ると、Schroeder 位相と Kitayoshi 位相の結果が 完全に一致していることがわかる。また、4つのアルゴリズムすべてに関してトーン数 N が 増加すると、クレストファクタが 4.5[dB]程度に収束するという傾向があり、クレストファ クタ低減効果はほとんど同程度であることがわかった。この理由については、4.2 で詳しく 述べる。今回のシミュレーションにおける最小値は、Newman 位相でトーン数 N=512 での 4.41[dB]であった。 図 3.6.1 4つのアルゴリズムのクレストファクタの比較
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第4章 初期位相設定方法の導出
3.6 で示したように、4つのアルゴリズムのクレストファクタ低減効果はほぼ同程度であ った。第 4 章では、Narahashi 位相の導出を手掛かりに、各アルゴリズムの初期位相設定式 の導出を行い、その類似性を分析する。 4.1 Narahashi 位相の導出 ここでは、初期位相設定方法を統一する上で Narahashi 位相の導出方法を[1]より引用す る。[1]においては、等振幅・等周波数間隔のマルチトーン信号の瞬時包絡線電力を求めた あと、PAPR を導出するとともに、PAPR を低減する初期位相設定法を代数的に導出している。 マルチトーン信号の基本モデルとして、次式で表される複素信号𝑉(𝑡)を考える。 𝑉(𝑡) = ∑ Aexp[𝑗{2𝜋𝑓0𝑡 + 2𝜋(𝑘 − 1)∆𝑓0𝑡 + 𝜃𝑘}] 𝑁 𝑘=1 = 𝐸(𝑡)exp(𝑗2𝜋𝑓0𝑡) (4.1.1) 𝐸(𝑡) = ∑ 𝑣𝑘(𝑡) 𝑁 𝑘=1 (4.1.2) 𝑣𝑘(𝑡) = Aexp[𝑗{2𝜋(𝑘 − 1)∆𝑓0𝑡 + 𝜃𝑘}] (4.1.3) ただし、𝑁は複素トーン数、Aは一つの複素トーンの振幅、𝑓0は基本周波数、∆𝑓0は隣接す る複素トーン間の周波数間隔、𝜃𝑘は各複素トーンの初期位相、𝐸(𝑡)は複素包絡線をそれぞれ 表す。𝐸(𝑡)は1 ∆𝑓⁄ 0の周期を有する。このとき、𝑉(𝑡)の複素包絡線電力𝐸𝑃(𝑡)、すなわち、𝑉(𝑡) の絶対値の2乗は式(4.1.4)で与えられる。 𝐸𝑃(𝑡) = |∑ 𝑣𝑘(𝑡) 𝑁 𝑘=1 | 2 (4.1.4)23 ここで、𝑣𝑘(𝑡)は図 4.1.1 に示すように、原点を中心とし、2𝜋(𝑘 − 1)∆𝑓0の速さで複素平面 上を回転する、大きさAの複素回転ベクトルであると考えることができる。 図 4.1.1 複素回転ベクトル ここで、式(4.1.4)の右辺を展開すると、式(4.1.5)のようになる。 𝐸𝑃(𝑡) = {∑ 𝑣𝑘(𝑡) 𝑁 𝑘=1 } ∙ {∑ 𝑣𝑘(𝑡) 𝑁 𝑘=1 } = ∑|𝑣𝑘(𝑡)|2 𝑁 𝑘=1 + 2 ∑ ∑ 𝑣𝑘(𝑡) ∙ 𝑁 𝑙=𝑘+1 𝑁−1 𝑘=1 𝑣𝑙(𝑡) (4.1.5) ただし、記号∙は内積を表している。ここで、𝑣𝑘(𝑡)と𝑣𝑙(𝑡)のなす角は、図 4.1.2 より、 2𝜋(𝑙 − 𝑘)∆𝑓0𝑡 + 𝜃𝑙− 𝜃𝑘であるので、𝑣𝑘(𝑡)と𝑣𝑙(𝑡)の内積は次のように表される。 𝑣𝑘(𝑡) ∙ 𝑣𝑙(𝑡) = 𝐴2𝑐𝑜𝑠{2𝜋(𝑙 − 𝑘)∆𝑓0𝑡 + 𝜃𝑙− 𝜃𝑘} (4.1.6)
24 図 4.1.2 𝑣𝑘(𝑡)と𝑣𝑙(𝑡)のなす角 また、式(4.1.5)の右辺第1項は、式(4.1.7)のようになる。 ∑|𝑣𝑘(𝑡)|2 𝑁 𝑘=1 = ∑|Aexp[𝑗{2𝜋(𝑘 − 1)∆𝑓0𝑡 + 𝜃𝑘}]|2 𝑁 𝑘=1 = 𝑁𝐴2 (4.1.7) 以上より、式(4.1.4)は次のように書き換えられる。 𝐸𝑃(𝑡) = 𝑁𝐴2+ 2𝐴2∑ ∑ 𝑐𝑜𝑠{2𝜋(𝑙 − 𝑘)∆𝑓 0𝑡 + 𝜃𝑙− 𝜃𝑘} 𝑁 𝑙=𝑘+1 𝑁−1 𝑘=1 (4.1.8) 次に、複素信号𝑉(𝑡)の PAPR を導出する。PAPR は定義より式(4.1.9)で与えられる。 𝑃𝐴𝑃𝑅 =𝑃𝐸𝑃 𝑃𝑎𝑣 (4.1.9) ただし、𝑃𝑎𝑣は𝑉(𝑡)の平均電力を表す。ここで、𝑉(𝑡)の𝑃𝐸𝑃および𝑃𝑎𝑣は次の式で与えられる。 𝑃𝐸𝑃 = max 𝑡 [𝐸𝑃(𝑡)] (4.1.10) 𝑃𝑎𝑣 = 1 𝑇∫ 𝐸𝑃(𝑡) 𝑇 0 𝑑𝑡 = N𝐴2 , T = 1 ∆𝑓 0 ⁄ (4.1.11)
25 したがって、PAPR は式(4.1.12)で与えられる。 𝑃𝐴𝑃𝑅 = max 𝑡 [ 𝐸𝑃(𝑡) N𝐴2 ] = max 𝑡 [ 𝑁𝐴2 𝑁𝐴2+ 2𝐴2 𝑁𝐴2∑ ∑ 𝑐𝑜𝑠{2𝜋(𝑙 − 𝑘)∆𝑓0𝑡 + 𝜃𝑙− 𝜃𝑘} 𝑁 𝑙=𝑘+1 𝑁−1 𝑘=1 ] = max 𝑡 [1 + 2 𝑁𝑃0(𝑡)] (4.1.12) ここで、𝑃0(𝑡)は式(4.1.13)に示されるように、周波数に関して独立な、N-1 組の総和項か らなることがわかる。 𝑃0(𝑡) = ∑ 𝑐𝑜𝑠 𝑁−1 𝑘=1 (2𝜋∆𝑓0𝑡 + 𝜃𝑘+1− 𝜃𝑘) + ∑ 𝑐𝑜𝑠 𝑁−2 𝑘=1 (2𝜋 ∙ 2 ∙ ∆𝑓0𝑡 + 𝜃𝑘+2− 𝜃𝑘) + ⋯ + 𝑐𝑜𝑠{2𝜋(𝑁 − 1)∆𝑓0𝑡 + 𝜃𝑁− 𝜃1} (4.1.13) 式(4.1.13)は、平均電力からの変動分を表している。したがって、𝑃0(𝑡)を最小にするよう な初期位相𝜃𝑘を求めればよい。しかし、このような初期位相を解析的に求めることは困難で あり[9]、トーン数が少ない場合においても、N が3以上では PAPR の最小値を与える初期位 相の組み合わせの解は得られていない。すなわち、式(4.1.13)の右辺すべての項を考慮して 解を求めることは困難であるため、𝑃0(𝑡)の部分項のみに着目して、初期位相を導出する。 このとき、3以上のすべての N に対して初期位相を一意に決定できるのは第1総和項のみ であり、他の項ではすべてのトーン信号の位相を決定できない。したがって、𝑃0(𝑡)の第1 総和項を最小化しうる初期位相を求める。この際、𝑃0(𝑡)の第1総和項には同一の周波数成 分∆𝑓0を有する cos の項が N-1 だけあるので、対称多相交流回路の起電力の瞬時値とのアナ ロジーにより𝑃0(𝑡)の第1総和項をゼロにすることができる。
26 対称多相交流回路の起電力の瞬時値がゼロになる原理について、三相対称交流回路を例 にとって説明する。三相対称交流回路は、Y 結線とΔ結線の2種類がある(図 4.1.3)。 図 4.1.3 対称三相交流回路 Y 結線の電源電圧、Δ結線の環状電流について、それぞれ複素数表示にすると次のように なる。 Y 結線 𝐸̇𝑈= 𝐸 𝐸̇𝑉= (− 1 2− 𝑗 √3 2) 𝐸 𝐸̇𝑊= (− 1 2+ 𝑗 √3 2) 𝐸 (4.1.15) Δ結線 𝐼̇𝑈𝑉= 𝐼 𝐼̇𝑉𝑊 = (− 1 2− 𝑗 √3 2 ) 𝐼 𝐼̇𝑊𝑈 = (− 1 2+ 𝑗 √3 2 ) 𝐼 (4.1.16)
27 これらのベクトルは、互いに 120°の位相差をもっており、Y 結線の電源電圧についてベ クトル図を書くと図 4.1.4 のようになる。 図 4.1.4 対称多相交流回路の起電力の瞬時値 したがって、三相対称交流回路の瞬時値波形は図 4.1.5 のようになり、瞬時値の和は常に ゼロとなることがわかる。 図 4.1.5 三相対称交流回路の瞬時値 このことから、初期位相を式(4.1.17)のように設定することで、図 4.1.6 のように各ベク トルのなす角が等しくすることができるため、N-1 組の総和である𝑃0(𝑡)の第1総和項をゼ ロにすることができる。 {𝜃𝑘+1− 𝜃𝑘} − {𝜃𝑘− 𝜃𝑘−1} = 2𝜋 𝑁 − 1 (4.1.17)
28 図 4.1.6 N-1=5 のときのベクトル図 次に式(4.1.17)を𝜃𝑘について解く。まず、式(4.1.18)とおくと、𝜃𝑘は式(4.1.19)で求めら れる。 𝜃𝑘+1− 𝜃𝑘= Ψ𝑘 (1 ≤ 𝑘 ≤ 𝑁 − 1) (4.1.18) 𝜃𝑘= 𝜃1+ ∑ Ψ𝑖 𝑁−1 𝑖=1 (2 ≤ 𝑘 ≤ 𝑁) (4.1.19) ただし、𝜃1は任意である。このとき、式(4.1.17)は以下のように書き換えられる。 Ψ𝑘− Ψ𝑘−1= 2𝜋 𝑁 − 1 (2 ≤ 𝑘 ≤ 𝑁) (4.1.20) 式(4.1.20)からΨ𝑖を求めると、 Ψ𝑖= Ψ1+ 2(𝑖 − 1) 𝑁 − 1 𝜋 (1 ≤ 𝑖 ≤ 𝑁 − 1) (4.1.21) となる。ただし、Ψ1は任意である。
29 よって式(4.2.19)および式(4.2.21)より、初期位相𝜃𝑘は次のように求められる。𝜃1および 𝜃2は任意である。 𝜃𝑘= 𝜃1+ ∑ {Ψ1+ 2(𝑖 − 1) 𝑁 − 1 𝜋 } 𝑁−1 𝑖=1 = 𝜃1+ (𝑘 − 1)Ψ1+ 2𝜋 𝑁 − 1∑(𝑖 − 1) 𝑁−1 𝑖=1 = (k − 1)𝜃2− (𝑘 − 2)𝜃1+ (𝑘 − 1)(𝑘 − 2) 𝑁 − 1 𝜋 (1 ≤ 𝑘 ≤ 𝑁) (4.1.22) 4.2 4つのアルゴリズムの統一 ここでは、4.1 で説明した Narahashi 位相の考え方を応用して、他の3つの位相設定方法 についても考え、それらが1つにまとめられることを示す。 まず、Narahashi 位相に関して、二階微分をとった結果について示す。ここでは、𝜃1= 𝜃2= 0とし、初期位相の式は𝜃𝑘= (𝑘 − 1)(𝑘 − 2)𝜋 (𝑁 − 1)⁄ とする。 図 4.2.1 Narahashi 位相の二階微分 このように、初期位相の二階微分が式(4.1.20)となることがわかる。 同様に、Newman 位相についても二階微分を調べる。
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図 4.2.2 Newman 位相の二階微分
図 4.2.2 より、Narahashi 位相と Newman 位相の二階微分は同じ値をとることがわかった。 (分母が N-1 と N で異なるが、同一であるとみなしてよい。これについては、4.3 に後述す る。よって以下では、二階微分の分母を M とおく。)
次に、Narahashi と Newman の初期位相の式が異なる原因を分析していく。Narahashi 位相 の基本式である式(4.1.22)を変形すると、次のようになる。 𝜃𝑘= (k − 1)𝜃2− (𝑘 − 2)𝜃1+ (𝑘 − 1)(𝑘 − 2) 𝑀 𝜋 = 𝜋 𝑀𝑘 2+ (−3𝜋 𝑀 + 𝜃2− 𝜃1) 𝑘 + ( 𝜋 𝑀− 𝜃2+ 𝜃1) (4.2.1) 𝜃𝑘= 𝜋 𝑀(𝑘 − 1) 2 = 𝜋 𝑀𝑘 2− 2 ∙ 𝜋 𝑀𝑘 + 𝜋 𝑀 (4.2.2) −3𝜋 𝑀 + 𝜃2− 𝜃1= −2 ∙ 𝜋 𝑀 𝜋 𝑀− 𝜃2+ 𝜃1= 𝜋 𝑀 (4.2.3) 式(4.2.1)と Newman 位相を変形した式(4.2.2)について、式(4.2.3)のように係数を比較 すると、𝜃1= 0かつ𝜃2= 𝜋 𝑀 となっていることがわかる。したがって、Narahashi 位相と Newman 位相の違いは𝜃1と𝜃2に設定する値のみである。Kitayoshi 位相と Schroeder 位相に ついても、同様に考えてみる。
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図 4.2.3 Kitayoshi 位相の二階微分
Kitayoshi 位相の二階微分は図 4.2.3 のようになり、Narahashi 位相、Newman 位相と一致 することがわかる。式(4.2.1)と Kitayoshi の初期位相式を変形した式(4.2.4)について、式 (4.2.5)のように係数比較すると、𝜃1= 2𝜋 𝑀⁄ , 𝜃2= 6𝜋 𝑀⁄ と設定されていることがわかる。 𝜃𝑘= 𝜋 𝑀𝑘(𝑘 + 1) = 𝜋 𝑀𝑘 2+ 𝜋 𝑀𝑘 (4.2.4) −3𝜋 𝑀 + 𝜃2− 𝜃1= 𝜋 𝑀 𝜋 𝑀− 𝜃2+ 𝜃1= 0 (4.2.5) Schroeder 位相については、式(3.1.3)においてマイナスがついているが、ベクトル図に おいて位相変化の方向が時計回りになるというだけであるので、ここでは絶対値をとって 考える。
32 図 4.2.4 Schroeder 位相の二階微分 図 4.2.4 より、Schroeder 位相の二階微分も他の初期位相設定法と同じ値を取ることがわ かる。また、式(4.2.1)と Schroeder の初期位相式を変形した式(4.2.6)について、式(4.2.7) のように係数比較すると、𝜃1= 0 , 𝜃2= 2𝜋 𝑀⁄ であることがわかる。 𝜃𝑘= 𝜋 𝑀𝑘(𝑘 − 1) = 𝜋 𝑀𝑘 2− 𝜋 𝑀𝑘 (4.2.6) −3𝜋 𝑀 + 𝜃2− 𝜃1= − 𝜋 𝑀 𝜋 𝑀− 𝜃2+ 𝜃1= 0 (4.2.7) 以上の比較から、4つの初期位相設定法は式(4.2.8)の Narahashi 位相の基本式において、 𝜃1と𝜃2の設定値を変えるだけで求めることができることが明らかになった。3.6 において、 4つのアルゴリズムにおけるクレストファクタ低減効果がほぼ同等であったのは、このた めである。 𝜃𝑘= (k − 1)𝜃2− (𝑘 − 2)𝜃1+ (𝑘 − 1)(𝑘 − 2) 𝑀 𝜋 (4.2.8) 4.3 分母(N と N-1)の不一致 4.2 において、二階微分した値の分母が、Narahashi 位相では N-1、他3つの初期位相設 定法においては N と異なっている。これについて、なぜ両者を同じ M とおいてよいかを述 べる。 まず、3つの初期位相設定方法(Newman、Kitayoshi、Schroeder 位相)について考える。
33 例として、Newman で N=6 のとき、位相は図 4.3.1(右)のようにベクトル図において、単位 円を6分割、すなわち N 分割している。したがって、二階微分の分母は N になる。 図 4.3.1 Newman 位相(N=6)の表(左)とベクトル図(右) これに対して、Narahashi の初期位相設定方法においては、N=6 のとき、位相は図 4.3.2 (右)のベクトル図において、単位円を 5 等分、すなわち N-1 等分していることから、二階 微分の分母は N-1 となるのである。したがって、分母の不一致は、𝜃1と𝜃2の設定値によって 単位円を分割する数が変化することで起こるため、4.2 において同じ M とおいても問題がな いことがわかる。 図 4.3.2 Narahashi 位相(N=6)の表(左)とベクトル図(右)
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第5章 クレストファクタ制御
5.1 クレストファクタ制御の利用 ここでは、広帯域無線通信において、変調器の非線形歪みが周波数依存性を持つ場合のテ ストに、クレストファクタを調整したマルチトーン信号を使用する手法の提案を行う。 近年、無線通信で使用される帯域幅はますます拡大している。たとえば、5G では 400MHz 以上、WiGig では 2GHz 近くの帯域幅が採用されている。直交周波数分割多重(OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式は、周波数利用効率や通信品質の高さか ら 5G や無線 LAN(Wi-Fi、WiGig)の変調方式として利用されている。しかし、ピーク対平 均電力比(PAPR)が高いため、信号伝達の際にデバイスの非線形性に影響を受けて相互変調 歪(IMD:Inter Modulation Distortion)が発生し、伝送特性が劣化してしまう。こうした 理由から、OFDM 方式における非線形歪みの周波数依存性が無視できなくなっており、伝送 特性を正確に把握することが重要になっている。従来の低コスト非線形テストには、2-tone IMD を利用した手法が存在する。しかし、この方法においては一度に限られた周波数しか試 験することができないため、広帯域をテストするためには回数を分けて測定する必要があ り、テストに時間がかかる。また、隣接チャネル電力比(ACPR : Adjacent Channel leakage Power Ratio)は標準で定義された変調波形を使用する必要があるが、規格に準拠した波形 を生成するのは非常に困難である。 第 5 章では、こうした問題を解決するために、クレストファクタ(波高率)を調節したマ ルチトーン信号を利用したテスト手法を提案する。変調波形のクレストファクタは、通信規 格によって異なる値を持っている。以下で説明する手法を用いると、実際の変調波形のクレ ストファクタと同じ値に調節された波高率を持つマルチトーン信号をテストに使用するこ とができる。これにより、従来方式よりも実用に近い試験が可能となるだけでなく、規格で 定義されている ACPR と同等の試験をすることもできるようになる。 5.2 Newman 位相を応用した初期位相設定方法 まずは、Newman 位相を応用してクレストファクタを調節したマルチトーン信号生成の方 法を示す。この方法では、式(5.2.1)のように Newman 位相に変数 C をかけたものを各トーン の初期位相として用いる。トーン数は N=1024、時間軸は 0 から 8191 までの 8192 ポイント に設定してシミュレーションを行った。 𝜃𝑘= 𝐶 ∙ (𝑘 − 1)2 𝑁 𝜋 (5.2.1)35 図 5.2.1 に刻み幅を 0.1 に固定し、C を 1.0 から 100.0 までと 1.0 から 50.0 までに変化 させる場合に得られるクレストファクタを比較したグラフを示す。クレストファクタの変 動域は、C を 1.0 から 100.0 まで変化させた場合はおよそ 4.5[dB]から 21[dB]までの 16.5[dB]、C を 1.0 から 50.0 まで変化させた場合はおよそ 4.5[dB]から 18[dB]の 13.5[dB] となった。刻み幅が同じ場合、C を変化させる範囲を広くすると、得られるクレストファク タの変動域が広くなることがわかる。 図 5.2.1 クレストファクタの変動域(C の範囲を変化させた場合) 次に、図 5.2.2 に、C を 1.0 から 100.0 まで 0.1 刻み、0.5 刻み、1.0 刻みでシミュレー ションした際に得られたクレストファクタを昇順に並べたグラフを示す。C の刻み幅を変え てもクレストファクタの変動域はおよそ 4.5[dB]から 21[dB]の間で変化せず、どの刻み幅 においても 6[dB]から 10[dB]の範囲で分解能が高いことが分かった。 図 5.2.2 クレストファクタの変動域(刻み幅を変化させた場合)
36 図 5.2.3 に、6.5[dB]以下の拡大図と 10[dB]以上の拡大図を示す。この図をみると、0.1 刻みにおいてクレストファクタの分解能が最も高くなっていることから、刻み幅を小さく するほど高い分解能を得られることが分かった。一方で、5.5[dB]以下と 16[dB]以上にお いて分解能が低くなってしまっていることもわかる。 (a)CF=6.5[dB]以下の拡大図 (b)CF=10[dB]以上の拡大図 図 5.2.3 刻み幅ごとの分解能の違い 図 5.2.4 に、C を 1.0 から 100.0 まで 0.1 刻みで変化させたときの、マルチトーン信号の 時間軸波形(左側の図)と極座標表示した各トーンの初期位相(右側の図)を示す。時間軸 波形については、振幅を1に正規化している。 (a)C=54.6 CF=6.01[dB] (b)C=93.5 CF=7.00[dB]
37
(c)C=20.6 CF=8.00[dB]
(d)C=53.4 CF=9.00[dB]
(e)C=5.2 CF=10.0[dB]
38
(g)C=8.0,72.0 CF=12.0[dB]
(h)C=95.7 CF=13.1[dB]
(i)C=13.3 CF=14.2[dB]
39 (k)C=76.8 17.2[dB] (l)C=32.0 CF=18.1[dB] (m)C=64.0 CF=20.1[dB] 図 5.2.4 応用 Newman 位相の CF 変動マルチトーン信号 図 5.2.4 を見ると、C を 1.0 から 100.0 まで変化させると、クレストファクタは 4.5[dB] から 21[dB]程度までの広い範囲で変動させることが可能であるが、クレストファクタが 15[dB]以上になると時間軸波形の質がかなり悪くなってしまっていることがわかった。ま た、波形の質が悪くなるにしたがって、マルチトーン信号の各トーンの初期位相は、限られ た値しか使用されないという傾向があるとわかる。
40 次に、クレストファクタが高くなって、マルチトーン信号に使用される初期位相の種類が 少なくなったとき、それらの位相がどのような順で出現しているのかを分析する。例として、 C=16(CF=15.1[dB])の場合について考えると、図 5.2.4 の(j)より 23 種類の初期位相が使用 されている。このマルチトーン信号で使用されている 1024 個の初期位相を単位円1周ずつ (2𝜋ずつ)にわけて表示すると、図 5.2.5 の結果が得られた。この結果から、1周目で半数 の初期位相が出現し、8周目にすべての初期位相が出現することがわかった。 (a)0 ≤ 𝜃𝑘< 2𝜋(1 周目) (b)2𝜋 ≤ 𝜃𝑘< 4𝜋(2 周目) (c)4𝜋 ≤ 𝜃𝑘< 6𝜋(3 周目) (d)6𝜋 ≤ 𝜃𝑘< 8𝜋(4 周目)
41
(e)8𝜋 ≤ 𝜃𝑘< 10𝜋(5 周目) (f)10𝜋 ≤ 𝜃𝑘< 12𝜋(6 周目)
(g)12𝜋 ≤ 𝜃𝑘< 14𝜋(7 周目) (h)14𝜋 ≤ 𝜃𝑘< 16𝜋(8 周目) 図 5.2.5 C=16 における初期位相の出現順
42 次に、図 5.2.6(左)に初期位相の値と k の関係、図 5.2.6(右)に初期位相と出現順の関係 を表したグラフを示す。図 5.2.6(左)の近似曲線の式を利用して初期位相を設定し、トーン 数 N=1024 で生成したマルチトーン信号の時間軸波形と極座標表示した初期位相が図 5.2.7 である。このとき、クレストファクタは 12.4[dB]であった。もとの C=16 におけるクレスト ファクタは 15.1[dB]であり、時間軸波形や初期位相の様子が異なることから、近似曲線を 利用した初期位相設定法ではクレストファクタの変動を再現できていないことがわかる。 初期位相の出現順については規則性の分析が不十分であることから、応用方法については 検討中である。 図 5.2.6 初期位相と k の関係(左)と初期位相と出現順の関係(右) 図 5.2.7 近似曲線で設定した初期位相のマルチトーン信号 5.3 フィボナッチ数列と黄金比を用いた初期位相設定方法 5.2 より、マルチトーン信号において使用される初期位相の値が減少すると、波形の質が 悪くなる傾向があることがわかった。そこで、極座標平面にまんべんなく初期位相が現れる ように、フィボナッチ数列や黄金比を用いて初期位相を設定する。 まず、フィボナッチ数列を利用した初期位相設定について説明する。式(5.3.1)で数列の はじめの2つの位相(𝜃1, 𝜃2)を決定する。A を様々に変化させることで、出現する位相の値 が変わる。 𝜃1= 𝜃2= 2𝜋 𝑁 × 𝐴 (5.3.1)
43 これを基準として、式(5.3.2)によってフィボナッチ数列の位相を生成する。 𝜃𝑘= 𝜃𝑘−2+ 𝜃𝑘−1 (5.3.2) 次に黄金比を利用した初期位相設定方法について説明する。こちらもフィボナッチ位相 同様に、式(5.3.1)において 1 つ目の位相(𝜃1)を決定する。そして、式(6.3.3)によって黄金 比位相を生成する。 𝜃𝑘= 1.618 × 𝜃𝑘−1 (5.3.3) 今回のシミュレーションにおいては、A を 1.0 から 100.0 まで 0.1 刻みで変化させた。ト ーン数は N=1024、時間軸は 0 から 8191 までの 8192 ポイントに設定してシミュレーション を行った。図 5.3.1 にフィボナッチ位相、黄金比位相で得られたクレストファクタの変動域 と Newman 位相の応用(6.1)で C を 1.0 から 100.0 まで 0.1 刻みで変化させたときに得ら れたクレストファクタの変動域を比較したグラフを示す。図を見ると、フィボナッチ位相も 黄金比位相も共に 10[dB]から 15[dB]までのおよそ 5[dB]の範囲でクレストファクタを高い 分解能で得られることがわかる。しかし、Newman 位相を応用した初期位相設定法では得ら れるクレストファクタの変動域は 4.6[dB]から 21[dB]までの 16.5[dB]であることから、こ の初期位相設定方式では 3 分の 1 程度の範囲のクレストファクタしか得ることができない ことがわかった。 図 5.3.1 クレストファクタの変動域の比較 図 5.3.2 では、フィボナッチ数列を利用して設定した位相を初期位相とするマルチトー ン信号について、時間軸波形(左側の図)と極座標表示した初期位相(右側の図)を示す。 ここでは、代表例として、10[dB]、11[dB]、12[dB]、13[dB]、14[dB]の結果を示す。また、 時間軸波形の振幅は1に正規化した。
44
(a)A=79.7 CF=10.1[dB]
(b)A=79.3 CF=11.0[dB]
45 (d)A=96.2 CF=13.0[dB] (e)A=97.3 CF=14.0[dB] 図 5.3.2 フィボナッチ位相のマルチトーン信号 図 5.3.3 では、黄金比を利用して設定した位相を初期位相とするマルチトーン信号につ いて、時間軸波形(左側の図)と極座標表示した初期位相(右側の図)を示す。ここでは、 代表例として、10[dB]、11[dB]、12[dB]、13[dB]、14[dB]の結果を示す。また、時間軸波形 の振幅は1に正規化した。
46
(a)A=29.7 CF=10.2[dB]
(b)A=42.0 CF=11.0[dB]
47 (d)A=4.2 CF=13.0[dB] (e)A=39.8 CF=14.0[dB] 図 5.3.3 黄金比位相のマルチトーン信号 図 5.3.2 と図 5.3.3 を見ると、Newman 位相を応用した初期位相設定方法で生成したマル チトーン信号(図 5.2.3)よりも、クレストファクタが大きくなっても時間軸波形の質があ まり変化せず、ランダムノイズに似た信号になっていることがわかる。また、極座標表示の グラフを見ても、Newman 位相の応用の結果と異なり、使用する初期位相はガウス平面にま んべんなく現れるように調整できていることがわかる。また、フィボナッチ位相と黄金比位 相の結果はほぼ同等である。 5.4 スペクトログラムの比較 5.3 において、極座標平面に出現する初期位相の数と時間軸波形の品質に何らかの相関が あることを示した。ここでは、信号品質を高く保ち、なおかつ、広いクレストファクタ変動 範囲を持つような初期位相設定法を考えるために、両者の違いについて更なる分析を行う。 Newman 位相を応用した初期位相設定方法とフィボナッチ数列を利用した初期位相設定方法
48 で生成したマルチトーン信号のスペクトログラムを比較する。スペクトログラムは、時間軸 波形をいくつかのセグメントに分けて、短時間フーリエ変換を行うことで作成することが できる。例として、図 5.4.1 に C=1における Newman 位相のマルチトーン信号を、図 5.4.2 に A=1 のフィボナッチ位相のマルチトーン信号の時間軸波形とスペクトログラムを示す。 今回は、1つのセグメントを 128 ポイント、オーバーラップを 64 ポイント(セグメント長 の半分)に設定して、計算を行った。 図 5.4.1 Newman 位相の時間軸波形(左)とスペクトログラム(右) 図 5.4.2 フィボナッチ位相の時間軸波形(左)とスペクトログラム(右) スペクトログラムは、横軸が時間を表し、縦軸が周波数を表しており、各点の色がその時 点における周波数の振幅を示している。図 5.4.1 のスペクトログラムを見ると、0[ms]に 1[kHz]程度の最も高い周波数が存在しており、そこから時間が経つにしたがって、周波数が 一定の傾きで低くなっており、Newman 位相のマルチトーン信号には周波数局在性が確認で きる。それと比較して、図 5.4.2 のスペクトログラムを見ると、時間軸全体に 0[Hz]から 1[kHz]までの周波数がランダムに存在しており、周波数局在性がないことがわかった。 次に、Newman 位相の応用とフィボナッチ数列を利用したそれぞれの初期位相設定方法に おいて、同じクレストファクタを持つ時間軸波形のスペクトログラムを比較し、波形の質が
49 異なる原因を分析する。図 5.4.3 にクレストファクタが 10[dB]、11[dB]、12[dB]、13[dB]、 14[dB]の5つの比較結果を示す。 (a-1)Newman 位相:C=5.2 CF=10[dB] (a-2)フィボナッチ位相:A=79.7 CF=10.1[dB] (b-1)Newman 位相:C=88.4 CF=11.0[dB]
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(b-2)フィボナッチ位相:A=79.3 CF=11.0[dB]
(c-1)Newman 位相:C=8.0 CF=12.0[dB]
51
(d-1)Newman 位相:C=88.4 CF=13.1[dB]
(d-2)フィボナッチ位相:A=96.2 CF=13.0[dB]
52 (e-2)フィボナッチ位相:A=97.3 CF=14.0[dB] 図 5.4.3 時間軸波形とスペクトログラムの比較 図 5.4.3 を見ると、Newman 位相を応用した初期位相設定方法によって生成したマルチト ーン信号のスペクトログラムには、周波数の分布に筋のようなものが確認できる。これは図 5.4.1 のスペクトログラムに表れている周波数局在性が形を変えて表れていると考えられ る。フィボナッチ位相を利用した初期位相設定方法によって生成したマルチトーン信号の スペクトログラムは、図 5.4.2 と図 5.4.3 において同じような分布が確認でき、Newman 位 相のものと比較すると周波数のランダム性が優れていることがわかる。また、スペクトログ ラムに周波数局在性がみられないフィボナッチ位相によるマルチトーン信号のほうが、 Newman 位相のものと比較して、時間軸波形の質が高くなっている。このことから、それぞ れの手法の基本形である図 5.4.1 と図 5.4.2 の周波数分布が時間軸波形の質に影響を及ぼ しており、基準信号における周波数分布のランダム性が優れている方が高い信号品質をも つということがわかった。 5.5 応用 Newman 位相の時間軸波形の並び替え 5.4 において、信号品質を高めるためには、スペクトログラムにおける周波数分布のラン ダム性が優れたものである必要があることを示した。したがって、広いクレストファクタ変 動範囲をもつ Newman 位相の応用で生成したマルチトーン信号のスペクトログラムにおいて、 周波数分布のランダム性を高めることができれば、高いクレストファクタを持つ、品質の高 い信号が生成できると考えた。 図 5.4.3 の Newman 位相のスペクトログラムにおいて、図 5.4.1 のスペクトログラムの形 が繰り返し、重なって表れているように見える。そこで、C=1.0、N=1024 の Newman 位相の マルチトーン信号について、時間軸波形の振幅値を k 個間隔でシャッフルした波形がどの ようなクレストファクタをもつのかをシミュレーションする。図 5.5.1 は k=1、図 5.5.2 は k=3、図 5.5.3 は k=5 のときの時間軸波形とスペクトログラム、周波数スペクトラムを示し たものである。
53 クレストファクタは、図 5.5.1 に示した基本波形の 4.47[dB]から変化しなかった。また、 スペクトログラムを見ると、図 5.5.2、図 5.5.3 のスペクトログラムは、図 5.4.3 の Newman 位相のスペクトログラムとは異なる変化を遂げていることがわかる。また、周波数スペクト ラムを比較しても、元のマルチトーン信号の原型がなくなってしまっていることから、時間 軸でのシャッフル方法は適切でないことがわかった。今後は、周波数軸上でのシャッフル方 法について検討する。 (a)時間軸波形 (b)スペクトログラム (c)周波数スペクトラム 図 5.5.1 k=1 のシミュレーション結果(CF:4.47[dB])
54 (a)時間軸波形 (b)スペクトログラム (c)周波数スペクトラム 図 5.5.2 k=3 のシミュレーション結果(CF:4.47[dB]) (a)時間軸波形 (b)スペクトログラム (c)周波数スペクトラム 図 5.5.3 k=5 のシミュレーション結果(CF:4.47[dB])
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第6章 まとめと課題
6.1 まとめ 本論文では、周波数応答試験におけるテストコスト削減のために、生成が比較的容易なマ ルチトーン信号を用いたテスト手法についての検討を行った。 まず、4つのアルゴリズムのクレストファクタ低減効果をシミュレーションによって評 価した。比較結果と初期位相設定方法の導出を用いて、4つのクレストファクタ低減アルゴ リズムが1つの基本式に統一できることを示した。 また、Newman 位相の応用、フィボナッチ位相、黄金比位相によって、マルチトーン信号 のクレストファクタを 4.5[dB]から 21[dB]の範囲で変動させる手法を提案した。これらの 手法を比較することで、信号品質と周波数局在性の関係を明らかにした。 6.2 今後の課題 クレストファクタ低減アルゴリズム [10]で示されているような周波数間隔が等間隔でないマルチトーン信号について もその性質を明らかにし、アナログ回路テスト手法への応用を検討したい。 クレストファクタ制御方式 本論文におけるクレストファクタ制御方式が、従来のテスト手法(2-tone IMD 等) と比較して、十分なテスト精度を持っているのかを検討していく必要がある。 また、現状では、あらかじめ各トーン数 N における C とクレストファクタの関係を 求めてから、所望のクレストファクタをソートする必要がある。今後は、クレストフ ァクタが変動することによる時間軸波形やスペクトログラムへの影響を分析し、パ ラメータを入力すると所望のクレストファクタが求まるような理論式の導出を行い たい。謝辞
本研究を進めるにあたり、大変丁寧なご指導をいただき、海外学会を含む外部発表の機会 を与えてくださいました群馬大学小林春夫教授、研究へのアドバイスや事務的サポートを してくださいました桑名杏奈助教に心より深く感謝いたします。また、有意義なアドバイ ス・ご指摘をくださった、(株)アドバンテスト浅見幸司氏、石田雅裕氏、小山高専久保和 良教授、本研究を審査していただきました群馬大学本島邦之教授に厚く御礼申し上げます。56
参考文献
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外部発表
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“Study on Multi-Tone Signals for Design and Testing of Linear Circuits and Systems”,
2nd International Conference on Technology and Social Science (ICTSS2018), Kiryu, Japan (April 18-20, 2018). [4] 柴崎有祈子、浅見幸司、桑名杏奈、杜遠洋、八田朱美、久保和良、小林春夫 「アナログ/ミクストシグナル IC 試験用マルチトーン信号の検討」 第79 回 FTC 研究会 栃木喜連川 (2018 年 7 月 20 日) [5] 柴崎有祈子、浅見幸司、桑名杏奈、杜遠洋、八田朱美、久保和良、小林春夫 「アナログ集積回路の設計試験用マルチトーン信号生成アルゴリズム 」 第70 回システム LSI 合同ゼミ、 東京工業大学(大岡山) (2018 年 10 月 27 日)
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International Conference on Mechanical, Electrical and Medical Intelligent System 2018 (ICMEMIS2018), Kiryu, Japan (Nov. 4-5, 2018).
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Takashi Oikawa, Nobukazu Tsukiji, Takashi Ida and Haruo Kobayashi Gunma University, ASO Corp. Tokyo, Japan
“Experimental Verification of Improved Nagata Current Mirrors”,
5th International Symposium of Gunma University Medical Innovation and 9th International
Conference on Advanced Micro-Device Engineering, Kiryu City Performing Art Center (Dec. 6, 2018).
[9] Yukiko Shibasaki, Koji Asami, Anna Kuwana, Kosuke Machida, Yuanyang Du, Akemi Hatta, Kazuyoshi Kubo and Haruo Kobayashi
“Study on Multi-tone Signals for Analog/Mixed-Signal IC Testing”,
5th International Symposium of Gunma University Medical Innovation and 9th International
Conference on Advanced Micro-Device Engineering, Kiryu City Performing Art Center (Dec. 6, 2018).
[10] 柴崎有祈子、浅見幸司、桑名杏奈、町田恒介、杜遠洋、八田朱美、久保和良、小林春夫、 「アナログ回路の短時間・高品質試験用マルチトーン信号の検討」
電気学会 電子回路研究会、東京 (2018 年 12 月)
[11] Yudai Abe, Takashi Ida, Jun-ichi Matsuda, Yukiko Shibasaki, Anna Kuwana, Haruo Kobayashi, Akio Iwabuchi
“IGBT Driver Design Using Multiple Peak Current Mirror Circuit”,
3rd International Conference on Technology and Social Science (ICTSS2019), Kiryu, Japan (May 8-10, 2019). [12] 阿部優大,井田貴士,築地伸和,柴崎有祈子,桑名杏奈,小林春夫,鈴木彰,轟祐吉, 柿木利彦,小野信任,三浦一広, 「温度変動に依存しないMOS 定電流源の検討」 電子情報通信学会集積回路研究専門委員会, LSI とシステムのワークショップ 2019, 東京大学 生産技術研究所 (2019 年 5 月 13 日)
[13] Akira Suzuki, Yukichi Todoroki, Tomoyuki Kato, Masanori Kusano, Nobuto Ono, Kazuhiro Miura, Kazuyuki Kawauchi (Jedat,Inc., Tokyo, Japan), Takashi Ida, Yudai Abe, Yukiko
Shibasaki, Anna Kuwana, Haruo Kobayashi (Gunma Univ., Japan)
“Practical Cell Based Analog Design MethodologyⅡ (AnaCell)”,
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[14] Takashi Hosono, Nene Kushita, Yukiko Shibasaki, Takashi Ida, Mayu Hirano, Nobukazu Tsukiji Anna Kuwana, Haruo Kobayashi (Gunma Univ.), Yoichi Moroshima, Hiromichi Harakawa, Takeshi Oikawa (ASO)
“Improved Nagata Current Mirror Insensitive to Temperature as well as Supply Voltage”, 5th Taiwan and Japan Conference on Circuits and Systems (TJCAS 2019 at Nikko), Nikko, Tochigi, Japan, (August 19-21, 2019).
[15] Yudai Abe, Takashi Ida, Jun-ichi Matsuda, Yukiko Shibasaki, Anna Kuwana, Haruo Kobayashi (Gunma Univ.), Akio Iwabuchi (Sanken Electric Co. Ltd.)
“IGBT Gate Driver Circuit with Power Loss Reduction by Current Source Control”,
5th Taiwan and Japan Conference on Circuits and Systems (TJCAS 2019 at Nikko), Nikko, Tochigi, Japan (August 19-21, 2019).
[16] Souma Yamamoto, Isam Ebisawa kuswan, Yudai Abe, Takashi Ida, Yukiko Shibasaki, Anna Kuwana, Haruo Kobayashi (Gunma Univ.), Akira Suzuki, Yukichi Todoroki, Toshihiko Kakigi, Nobuto Ono, Kazuhiro Miura (JEDAT)
“Stability Analysis of Temperature-Insensitive MOS Reference Current Source Circuit”, 5th Taiwan and Japan Conference on Circuits and Systems (TJCAS 2019 at Nikko), Nikko, Tochigi, Japan (August 19-21, 2019).
[17] Yukiko Shibasaki, Koji Asami, Anna Kuwana, Kosuke Machida, Yuanyang Du, Akemi Hatta (Gunma Univ.), Kazuyoshi Kubo (NIT(KOSEN), Oyama College), Haruo Kobayashi (Gunma Univ.)
“Study on Multi-tone Signals for RF/Analog/Mixed-Signal IC Testing”,
5th Taiwan and Japan Conference on Circuits and Systems (TJCAS 2019 at Nikko), Nikko, Tochigi, Japan (August 19-21, 2019).
[18] Isam Ebisawa Kuswan, Souma Yamamoto, Yudai Abe, Takashi Ida, Yukiko Shibasaki, Anna Kuwana, Haruo Kobayashi (Gunma Univ.), Akira Suzuki, Yukichi Todoroki, Toshihiko Kakinoki, Nobuto Ono, Kazuhiro Miura (JEDAT)
“Temperature-Insensitive MOS Reference Current Source Circuit and its Startup Circuit”, International Conference on Mechanical, Electrical and Medical Intelligent System 2019 (ICMEMIS2019), Kiryu, Japan (Dec 4-6, 2019).
[19] Yukiko Shibasaki, Koji Asami, Anna Kuwana, Kosuke Machida, Yuanyang Du, Akemi Hatta, Kazuyoshi Kubo and Haruo Kobayashi,
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“Crest Factor Controlled Multi-Tone Signals for Analog/Mixed-Signal IC Testing” 3rd International Test Conference in Asia, Tokyo (Sept. 2019).
[20] 山本颯馬, Isam Ebisawa Kuswan, 阿部優大, 柴崎有祈子,井田貴士,築地伸和,桑名杏 奈,小林春夫,鈴木彰,轟祐吉,柿木利彦,小野信任,三浦一広 「温度に依存しないMOS 定電流源の安定性解析とスタートアップ回路」 電気学会 電子回路研究会, 日本大学 理工学部 駿河台校舎タワー・スコラ (2019 年 12 月 19 日) [21] 細野 貴司, 平野繭, 井田貴士, 串田弥音, 柴崎有祈子, 築地伸和, 諸島洋一, 原川弘道, 及川武士, 桑名杏奈, 小林春夫 「温度及び電源電圧に依存しない改良永田穣電流ミラー回路」 電気学会 電子回路研究会, 日本大学 理工学部 駿河台校舎タワー・スコラ (2019 年 12 月 19 日)