第5章 クレストファクタ制御
5.4 スペクトログラムの比較
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(d)A=4.2 CF=13.0[dB]
(e)A=39.8 CF=14.0[dB]
図 5.3.3 黄金比位相のマルチトーン信号
図 5.3.2 と図 5.3.3 を見ると、Newman 位相を応用した初期位相設定方法で生成したマル チトーン信号(図 5.2.3)よりも、クレストファクタが大きくなっても時間軸波形の質があ まり変化せず、ランダムノイズに似た信号になっていることがわかる。また、極座標表示の グラフを見ても、Newman 位相の応用の結果と異なり、使用する初期位相はガウス平面にま んべんなく現れるように調整できていることがわかる。また、フィボナッチ位相と黄金比位 相の結果はほぼ同等である。
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で生成したマルチトーン信号のスペクトログラムを比較する。スペクトログラムは、時間軸 波形をいくつかのセグメントに分けて、短時間フーリエ変換を行うことで作成することが できる。例として、図 5.4.1 に C=1における Newman 位相のマルチトーン信号を、図 5.4.2 に A=1 のフィボナッチ位相のマルチトーン信号の時間軸波形とスペクトログラムを示す。
今回は、1つのセグメントを 128 ポイント、オーバーラップを 64 ポイント(セグメント長 の半分)に設定して、計算を行った。
図 5.4.1 Newman 位相の時間軸波形(左)とスペクトログラム(右)
図 5.4.2 フィボナッチ位相の時間軸波形(左)とスペクトログラム(右)
スペクトログラムは、横軸が時間を表し、縦軸が周波数を表しており、各点の色がその時 点における周波数の振幅を示している。図 5.4.1 のスペクトログラムを見ると、0[ms]に 1[kHz]程度の最も高い周波数が存在しており、そこから時間が経つにしたがって、周波数が 一定の傾きで低くなっており、Newman 位相のマルチトーン信号には周波数局在性が確認で きる。それと比較して、図 5.4.2 のスペクトログラムを見ると、時間軸全体に 0[Hz]から 1[kHz]までの周波数がランダムに存在しており、周波数局在性がないことがわかった。
次に、Newman 位相の応用とフィボナッチ数列を利用したそれぞれの初期位相設定方法に おいて、同じクレストファクタを持つ時間軸波形のスペクトログラムを比較し、波形の質が
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異なる原因を分析する。図 5.4.3 にクレストファクタが 10[dB]、11[dB]、12[dB]、13[dB]、
14[dB]の5つの比較結果を示す。
(a-1)Newman 位相:C=5.2 CF=10[dB]
(a-2)フィボナッチ位相:A=79.7 CF=10.1[dB]
(b-1)Newman 位相:C=88.4 CF=11.0[dB]
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(b-2)フィボナッチ位相:A=79.3 CF=11.0[dB]
(c-1)Newman 位相:C=8.0 CF=12.0[dB]
(c-2)フィボナッチ位相:A=47.0 CF=12.0[dB]
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(d-1)Newman 位相:C=88.4 CF=13.1[dB]
(d-2)フィボナッチ位相:A=96.2 CF=13.0[dB]
(e-1)Newman 位相:C=13.3 CF=14.2[dB]
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(e-2)フィボナッチ位相:A=97.3 CF=14.0[dB]
図 5.4.3 時間軸波形とスペクトログラムの比較
図 5.4.3 を見ると、Newman 位相を応用した初期位相設定方法によって生成したマルチト ーン信号のスペクトログラムには、周波数の分布に筋のようなものが確認できる。これは図 5.4.1 のスペクトログラムに表れている周波数局在性が形を変えて表れていると考えられ る。フィボナッチ位相を利用した初期位相設定方法によって生成したマルチトーン信号の スペクトログラムは、図 5.4.2 と図 5.4.3 において同じような分布が確認でき、Newman 位 相のものと比較すると周波数のランダム性が優れていることがわかる。また、スペクトログ ラムに周波数局在性がみられないフィボナッチ位相によるマルチトーン信号のほうが、
Newman 位相のものと比較して、時間軸波形の質が高くなっている。このことから、それぞ れの手法の基本形である図 5.4.1 と図 5.4.2 の周波数分布が時間軸波形の質に影響を及ぼ しており、基準信号における周波数分布のランダム性が優れている方が高い信号品質をも つということがわかった。