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3. 組織型診断が困難であった直腸未分化癌の一剖検例(第27回群馬消化器病研究会)

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Academic year: 2021

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第27回群馬消化器病研究会

日 時:平成 21年 1月 24日 (土) 午後 1時 10 ∼ 場 所:前橋テルサ 8階 ケヤキの間 当番世話人:蒔田富士雄(独立行政法人国立病院機構西群馬病院 外科)

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1.Lansoprazoleが 発 症 に 関 与 し た と 思 わ れ る col-lagenous colitis の2例 橋爪 真之,小畑 力,山田 俊哉 齋藤 秀一,木村 幸,佐川 俊彦 新井 弘隆,高山 尚,阿部 毅彦 (前橋赤十字病院 消化器内科) collagenous colitis(C.C.)は慢性の下痢症状を伴い,内 視鏡では異常所見に乏しいが, 生検で大腸被覆上皮直下 collagen band の 10μm以上の肥厚および,粘膜固有層へ の慢性炎症細胞浸潤を認める炎症性大腸疾患である. 今 回我々は, 当院で経験した lansoprazoleが発症に関与し たと思われる C.C. 2例について検討を行った. いずれも 数ヶ月以上の投与期間の後発症し, 薬剤中止後 1週間か ら 1ヶ月で症状は軽快,改善した.これまで,lansoprazole の報告は NSAID によるものと比べ少ないが, 逆流性食 道炎の治療や NSAID 潰瘍の予防のため, プロトンポン プ阻害剤の 用機会の増加に伴い, 今後症例数の増加が 予想される. 内視鏡的所見に乏しいことが多く, C.C.が 疑われる場合には, 診断確定のため積極的に生検を行う ことが重要である. 2.門脈ガス血症を伴った非閉塞性腸管虚血症(NOMI) の1例 中山 哲雄,野中 真知,富澤 琢 加藤 真理,奈良 真美,鈴木 秀行 竹澤 二郎,山田 昇司 (原町赤十字病院 内科) 森田 廣樹,荻原 博,笹本 肇 内田 信之 (同 外科) 横尾 英明 (同 病理) 【症 例】 89 歳女性 【主 訴】 心窩 部 痛 【既 往 歴】 なし 【現病歴】 高血圧, 高脂血症, 逆流性食道炎にて 当科通院中.2008年 5月中旬,突然心窩部痛,嘔吐を認め 当科受診. 腹部 US, 腹部 CT にて門脈内ガス像を認め, 外科コンサルト. 腸管壊死の可能性あるが, 高齢で手術 リスク高いこと, 壊死腸管範囲が不明なこと, 大量腸切 除の可能性もあることから, 保存的加療目的に当科入院. 【現 症】 体温 36.5℃, 血圧 73/35mmHg. 心窩部の自発 痛, 圧痛あり. 下痢あり. 【検査所見】 腹部 US: 肝内, 門脈に高輝度エコー多発. 腹部 CT : 肝左葉, 門脈本幹, 左骨盤上縁の 小 腸 壁 に 気 腫. 心 電 図 : 洞 性 徐 脈 【経 過】 禁食, 抗生剤開始. 夜から暗赤色の下血出現. 第 2 病日 : 体温 37.7℃, 腹痛は軽減したが下腹部 (正中∼左) に移動. 第 3病日 : WBC 15600, CRP 9.9 と炎症反応上 昇. US, CT にて腹水出現し緊急手術施行. Treitz 帯よ り 4500∼510cmの小腸が浮腫状で非連続性の壊死を認 め, 壊死腸管を切除し端々吻合した. 病理組織は非連続 性の小腸壊死で, 壊死部は粘膜上皮から粘膜下層まで, 血栓等の器質的変化は認めなかった. 術後経過は良好で 第 22病日に退院. 経過, 検査, 病理所見などから腸管壊 死の原因は低血圧によって誘発された NOMI と えた. 【結 語】 門脈ガス血症を伴う高齢患者であったが, 注 意深い経過観察により救命できた NOMI の 1例を経験 した. 3.組織型診断が困難であった直腸未 化癌の一剖検例 小畑 力,工藤 智洋,飯田 智広 河村 修,森 昌朋 (群馬大医・附属病院・消化器内科) 下山 康之,草野 元康 (同 光学医療診療部) 柿崎 暁 (同 肝臓内科) 坂元 一葉 (群馬大院・医・病理診断学) 症例は 58歳男性. 2007年 8月頃より 秘が出現した ため, 9 月に近医にて下部消化管内視鏡検査を施行した ところ直腸 (Ra-Rb) に 2型腫瘍を認めた. 当初生検では 悪性リンパ腫や内 泌細胞癌が疑われたが各種免疫染色 (ケラチン, LCA, クロモグラニン, シナプトフィジン, NSE,CD3,CD20,CD30,CD56)では全て陰性であり,最 終的に未 化癌と診断された. 本人・家族が他院にセカ ンドオピニオンを希望し転院した. 病理診断目的で生検を行ったところ, 免疫染色 (LCA, 191 Kitakanto Med J 2009;59:191∼206

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クロモグラニン, シナプトフィジン, CD3, CD20, CD30, EMA, S100) では全て陰性であり組織学上腫瘍細胞の起 源および 化の方向性は明らかでなく, 未 化な上皮性 悪性腫瘍かその他の間葉系腫瘍であるかの鑑別も困難と 判断され, 同院での最終病理診断は malignant tumor, small round cell typeであった.術前精査にて側方リンパ 節転移を認めたため, 術前化学放射線療法後に手術が予 定された. しかし, 12月上旬に行われた化学放射線療法 の効果判定の CT/MRI で多発肝転移の出現が確認され たため手術適応が無くなり, 全身化学療法目的に同月中 旬当科紹介入院となった.腫瘍マーカーは CEA・Ca19-9 は正常範囲内であったが, NSE が 61.1ng/mlと上昇して いた. 第 6病日に FORFILI (l-LV 200mg/m CPT-11 180mg/m 5-FU bolus 400mg/m 5-FU 持 続 静 注 2400mg/m ) にて化学療法を施行したが, その後腹部膨 満感が強くなり,第 22病日に腹部 CT を施行したところ 以前の CT と比較し,腹水貯留が著明であり,化学療法は 無効でかつ Performance Status 3-4と全身状態が著明に 不良となり, 治療方針は緩和医療となった. その後, 全身 状態は に悪化し第 33病日未明に死亡となった. 家族 から同意を得, 病理解剖を施行した. 病理解剖を行った ところ直腸 Rb領域を主体に 7.5× 5 cmの全周性 4型腫 瘍を認め, 直腸割面では粘膜下を主体に広がる黄白色充 実性の病変を認め, 前立腺へ直接浸潤していた. また, 肝 臓両葉に多発性転移を認め, 腸間膜全面が黄白色調の転 移巣で埋め尽くされていた. 組織学的には H.E 染色で は, びまん性に増生する腫瘍を認め, 好酸性顆粒状の胞 体と卵円形腫大核を有していた. 核はクロマチンが疎に 凝集し, 赤く明瞭な核小体を伴っていた. 巨核, 多核, 奇 形核が散見され, 裂像が高度に認められた. また, 広範 囲に壊死を伴っていた. 免疫染色では, ケラチンがごく一部で陽性であり肉腫 ではなく癌腫であると えられた. また, 免疫染色の LCA, クロモグラニン, シナプトフィジン, NSE, CD56 は全て陰性であり, 内 泌細胞癌や悪性リンパ腫は否定 的であった. 以上より最終的に未 化癌と診断した. 組 織型診断が困難であったが最終的に直腸未 化癌と診断 した 1剖検例を経験した. 直腸未 化癌は極めてまれで あり, 予後不良の症例が多い. 今後化学療法を含めた有 効な治療法の開発が望まれる. 直腸未 化癌について若 干の文献学的な 察を加えて報告する. 4.脱水・電解質異常・急性腎不全を呈した直腸絨毛腫 瘍の一例 清水 雄大,坂元 一郎,大木 孝 山田 達也,中村 正治,菅野 雅之 高他 大輔(独立行政法人国立病院機構 高崎病院 外科) 小川 晃 (同 病理) 【症 例】 76歳の男性で, 糖尿病でインスリン治療を受 けていた. 平成 19 年 12月に食思不振が出現, 平成 20年 5月になり血糖コントロールが悪化した. 近医で入院加 療を受けていたが, 腎機能障害も併発し, 当院へ転院と なった. 難治性の下痢も続いており, 入院時血液検査で は, Na 118.0mEq/L, K 4.0mEq/L, Cl 78.0mEq/L, BUN 137mg/dL,Cr 3.06mg/dL と著明な低 Na・Cl血症,腎機 能障害を呈していた.腹部骨盤 CT では,直腸に全周性の 腫瘍を認めた. 周囲への浸潤像やリンパ節腫大は認めな かった. 下部消化管内視鏡検査で, 直腸に全周性で の 高い隆起性病変を認めた. 表面構造はほぼ 一な絨毛状 で,粘液が多量に付着していた.EUSで,腫瘍による筋層 の破綻を疑わせる所見は認めなかった.生検では tubulo-villous adenomaであった. 大腸造影 X 線検査では, 直腸 RaRb 領域に apple core sign を認めたが, 腸管壁の伸展 性は保たれていた. 下痢は難治で症状に波があり, 連日 の補液・内服治療にも関わらず, BUN 161.8mg/dL, Cr 6.89mg/dL まで上昇する急性腎障害と, 血糖 500mg/dL 超の高血糖を来すこともあったが, 大量の輸液による脱 水の補正, インスリン投与で速やかな改善をみた. 以上 から,直腸絨毛腫瘍に伴って下痢・脱水・電解質異常・高 血糖をきたす Electrolyte depletion syndrome (EDS) と 診断し, 切除の方針とした. 精査で進行癌の所見を認め ず, 内視鏡下粘膜下層剥離術について検討したが, 全周 性の巨大腫瘍で, 術後の狭窄が懸念されたため, 外科的 切除の方針とし, 腹会陰式直腸切断術 D 2郭清を施行し た. 摘出標本の肉眼所見は, 径 150×90×25mmの巨大な 全周性絨毛腫瘍で, 腫瘍は軟らかく悪性の所見は認めな かった. 腫瘍を全割し検索したところ, 腫瘍表面はすべ て絨毛腺腫で覆われていたが, 深部に径 15×12mmの癌 を認め, 病理学的に tubular adenocarcinoma, well differ-entiated type (tub1), pSS, INFa, ly1, v1, pN0, sH0, sP0, cM0,fStageⅡと診断された.術後 6か月現在,下痢・電解 質異常・腎障害の再燃や, 癌の再発の徴候は認めていな い. 【 察】 絨毛腫瘍 villous tumorは, 肉眼的に隆 起性病変の大部 の表面構造が絨毛状ないし微細顆粒状 で, 割面および組織学的にも絨毛状構造を呈する腫瘍と 定義される. 大腸腫瘍の 0.8%, 大腸腺腫の 1.3∼3.4%を 占め, 直腸から S状結腸に好発し, 腫瘍径 5 cmを超える ものでは癌の併存率が 80%と高率であると報告されて 第 27回群馬消化器病研究会 192

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