危険運転をする健常高齢ドライバの
頭部 MRI 検査解析
― 平成 25 年度(本報告) タカタ財団助成研究論文 ―
研究実施メンバー
研究代表者
高知工科大学地域連携機構客員教授
地域交通医学研究室室長
朴
啓彰
研究協力者
高知工科大学地域連携機構教授
熊谷
靖彦
交通事故総合分析センター主任研究員
西田
泰
高知県警交通部運転免許センター
課長補佐
小松
祐輔
高知県警交通部運転免許センター
-運転適性検査主任
寺村 一彦
高知県指定自動車学校協会会長
山口
隆朗
高知県指定自動車学校協会事務局長
中澤
恵三
高知工科大学地域連携機構客員研究員
阿部
玲佳
高知工科大学地域連携機構客員研究員
大田
学
報告書概要
高齢ドライバ対策では,年齢では捉えられない高齢者の多様な個人差をどう扱うかが問 題となるが,我々は,「運転は脳がする.だから,脳を調べる」という視点から,MRI で直 接脳を調べることにより,交通事故に関わる高齢ドライバの脳内特徴量の抽出を試みた. 高知県自動車学校協会の協力のもと,高齢者講習を受けた高齢ドライバならび高知検診ク リニック脳ドックセンターの高齢受診者を研究対象とした.我々は,加齢や高血圧などの 生活習慣病・メタボリック症候群との高い相関性があり,健常者中高年者の約30%に出現 していると報告されている無症候性白質病変に注目した.すなわち,その存在を自覚して いないが,健常ドライバの脳組織に高頻度で存在する白質病変に対して,交通事故タイプ 別に統計学的解析を行い,白質病変と交差点事故との有意の相関性を認めた.特に,高齢 ドライバでは白質病変グレードに応じて,交差点事故との有意の高い相関性を認めた.また,安全運転に必須である注意機能を評価できる運転能力テスト(DAT: Driving Ability Test)
を新規開発し,白質病変ドライバの運転能力特性を調べると,DAT の成績低下と白質病変 との有意の関連性を認めた.さらに,高知県運転免許センターの協力のもとに,暗算計算 をしながら運転をするマルチタスク下での実車運転において,ステアリングエントロピー (ハンドル角のブレ)の増加と白質病変との有意の相関性も認めた.これらの知見より, 高齢ドライバの交通事故を引き起こす危険運転行動に対する,白質病変の有意の関連性が 示めされた.
目
次
危険運転をする健常高齢ドライバの頭部MRI 検査解析 第1 章 はじめに 1.1 研究背景・意義 1.2 研究方法・目的 第2 章 白質病変と交通事故の関連性について 2.1 はじめに 2.2 研究対象・方法 2.2.1 被験者 2.2.2 統計解析 2.2.3 白質病変の診断 2.3 結果 2.3.1 高齢ドライバ群と非高齢ドライバ群の白質病変頻度 2.3.2 高齢ドライバ群と非高齢ドライバ群の事故タイプ別頻度 2.3.3 高齢ドライバ群の白質病変グレードによる事故タイプ別頻度 2.3.4 非高齢ドライバ群の白質病変グレードによる事故タイプ別頻 度 2.3.5 白質病変と交通事故の関連性について 2.4 考察 2.5 結論 第3 章 白質病変と運転適性検査について 3.1 はじめに 3.2 研究対象・方法 3.2.1 被験者プロフィール 3.2.2 統計解析 3.2.3 DAT の仕様 3.3 結果 3.3.1 DAT カテゴリーと年齢変化 3.3.2 DAT の再現性 3.3.3 DAT の変数創出 3.3.4 DAT 変数と年齢・LA との相関性3.4 結論 第4 章白質病変と実車運転行動について 4.1 はじめに~大脳白質病変とハンドル角の振れの解析(ステアリン グエントロピー法)~ 4.2 研究対象・方法 4.2.1 実験協力者 4.2.2 走行コース 4.2.3 音声課題 4.2.4 計測項目 4.2.5 作業成績 4.2.6 車両状態量 4.2.7 操舵解析 4.3 結果 4.3.1 PASAT の正答率 4.3.2 PASAT の運転技能に与える影響 4.3.3 ステアリングエントロピーの解析 4.3.4 運転操作とステアリングエントロピーの関係 4.4 結論 第4 章 まとめと今後の課題 参考文献
第
1 章 はじめに
1.1 研究背景・意義 日本は人口の4 人に 1 人以上が 65 歳以上に達し,高齢者はもはや身体的弱者というだけで はなく,経済活動等でも重要な役割を期待されている.従って,高齢者が“生き生きと暮らせ る”ことは豊かな社会の必須条件であり,その積極的な社会参加を保障するモビリティの維 持・確保は不可欠である.公共交通手段の乏しい地方部では,これは安全・安心な自動車運 転の継続と同義である.車は水道・ガス・電気と同じライフラインと見なされ,高齢ドライ バの運転支援は,生活基盤支援にもなっている.一方,近年,交通インフラ(道路,車両) の整備や事故防止対策により,全体の交通事故死亡者数は減少したにもかかわらず,65 歳以 上のドライバ事故死亡者の割合はこの10 年間で 32.6%から 47.5%へ増加した.この状況を改 善するには,自動車の安全運転対策に高齢者の個人的な特性(ヒューマンファクター:意識 状態や脳活動,脈拍などの生体情報因 子)を適切に活用する必要があると考 えられる.図1 はともに健常者である A と B(ともに 65 才)の頭部 MRI 水 平断面画像を比較している.A は正常 な脳組織であるが,B は白質病変(矢 印)と脳萎縮(矢頭:脳室拡大や脳溝 開大)を認める.白質病変は,健常中 高年者の約30%に,脳萎縮は軽度なも のを含めると約半数以上に見られ,A のような正常所見は65 歳以上では数%にしかすぎない.同年齢の健常者であっても脳組織変 化には大きな個人差が存在する.すなわち,脳MRI データは個人の特性を反映する適切なヒ ューマンファクターである. 高齢ドライバの交通事故対策 の効果をさらに上げるには,この 高齢者特有のヒューマンファク ター対策が重要である.交通事故 総合分析センター(ITARDA)は, 事故に繋がるミスを操作・行動ミ ス,判断・予防ミス,認知ミスの 3要素に分類した.さらに,過去 の597 件の事故調査から 2,282 の ミスを抽出して,種々の事故予防 安全装置がどのミスを抑制でき るか詳細に解析した(図 2).この装置では抑制できていないことが分かる.従って,交通事故防止の抜本的対策には,「判 断・予測」が鍵になる. 判断・予測の能力は年齢と共に低下するが,個人差が大きい.我々は,健常中高年者にご く普通に見られる脳組織変化のうち,白質病変に注目した.白質病変は,年齢と共に出現頻 度は増え,広範囲の白質病変は脳卒中の再発や認知症の発症に有意の関連性が有ることが既 に報告されている.白質病変の広がりと高次脳機能の一つである遂行機能の反応速度遅延に も相関することが知られている.さらに,我々の先行研究である警察庁方式 CRT 運転適性 検査結果と白質病変との関連性を見た報告でも,白質病変はアクセル・ブレーキの踏み間違 え率と操作時間のバラツキに対して,有意の相関性を認めている.本研究では,脳ドック受 診者からと自動車学校にて高齢者講習を受けた高齢ドライバから被験者を募り,新規に開発
した運転能力検査(DAT: Driving Ability Test)の成績と被験者との対面による過去 10 年間の
交通事故歴聞き取り調査調から詳細な交通事故タイプ別頻度を求め,白質病変グレードとの 関連性を,高齢者グループと非高齢者グループで統計解析した. 世界全体では新興国が次々 にモータリゼーション時代に 突入しており,交通事故対策は 深刻な問題である.事実,WHO (世界保健機構)は,交通事故 による死傷は克服すべき重大 疾患と同格であり,死亡のみな らず QOL を加味した健康被害 を評価(障害調整生存年数)す ると 1998 年の 9 位から 2020 年には第 3 位になると警告し ている(図3). 高齢化は世界的な問題であり,日 本において高齢者の事故死 亡者数・事故件数が激増している状況は,明日の世界の姿である.世界に自動車・交通手段 を提供している日本こそが,高齢化社会における交通事故防止の抜本的対策を講じ,世界が 見習うモデルとなるべきである. 1.2 研究方法・目的 本研究では,健常高齢ドライバを頭部MRI 検査 による白質病変グレードでグループ分け して,①過去10 年間の交通事故歴,②注意機能を定量化する運転脳力テスト(DAT: Driving Ability Test)成績,③実車運転によるマルチタスク条件下のハンドル角エントロピー変化量 によって運転特性を評価した.被験者は,医療法人健会高知検診クリニック脳ドックセンタ ーの受診者と,高知県下の自動車学校において高齢運転者講習を受けた高齢ドライバから募 った.総計3930 名(男 2037 名,女性 1893 名,平均年齢 53.1±9.47)を対象に,上記①②③ の調査を行った.①は,3930 名,②は 3306 名,③は 33 名でおこなった.①について,過
去10 年間における交通事故歴は,医師による直接面談による聞き取り調査によって得られ た,医師による面談調査であるため,非常に信憑性の高い調査結果であると推測される.交 通事故歴は,詳細な事故タイプ別に分類(①駐車場内の非走行中の事故,②交差点内での事 故,③追突事故-追突されたケースは除外,④車線変更時の衝突事故,⑤走行中の単独事故, ⑥その他)した.MRI 検査は,1.5 テスラの超伝導型機種(日立メディコ ECHELON)を用 いてT1,T2 強調画像やフレア画像から白質病変を診断した.白質病変は,中高年者に高頻 度に認められ,加齢や高血圧などの動脈硬化性疾患と関連し,大脳白質に存在する微細な脳 血管網や血管内皮細胞の障害で生じた細胞間隙である.図1 で示されるように,脳 MRI(フ レア画像)検査では,高信号域として表示される.白質病変は,高信号域の広がりを以てグ レード別に4分類(G0-3)した.G0 は白質病変なし,G1 は片側のみ,G2 は両側,G3 は両 側かつ斑状に広がったケースとした.被験者 3930 名の年代別白質病変頻度より,白質病変 は健常中高年ドライバの約 30%に認められた.全年齢では,G0 は 70%,G1 は 8%, G2 は 25%,G3 は2%に見られた.年代毎では,G0 は減少し,G1,G2,G3 は増加した.G3 は65 歳以上で急激に増加した(図 4).
第
2 章 白質病変と交通事故との関連性について
2.1 はじめに 視覚認知の一つである視覚補間力(隠れているものを認知する能力,具体的には部分欠 損したアルファベット文字を見せて正答する視覚認知力)が軽度白質病変でも有意に低下 していることや1,2),警察庁方式CRT 運転適性検査から,信号の見落とし率ならび反応速 度の変動率の有意の上昇が白質病変に相関することから,安全運転に必要とされる瞬時の 予測,判断,ハンドル・アクセル・ブレーキ操作に至る一連の遂行機能に及ぼす白質病変 の影響,即ち交通事故と白質病変の関連性が推察された.脳ドック受診者を対象にして, 交通事故歴と白質病変との関連性を先行研究として調べたが,駐車所や車庫内での自損事 故等の「小さな事故」と走行中の衝突事故等の「大きな事故」に対して,白質病変は大き な事故のみに有意の関連性を示した 3).今回,脳ドック受診者に自動車学校での高齢者講 習の高齢ドライバも含めて,被験者数 3930 名とした大規模調査を行い,65 歳以上の個売 れ者群と65 歳未満の非高齢者群と比較して,事故タイプ別に白質病変との関連性を,多変 量ロジステック解析法を用いて調べた. 2.2 研究対象・方法 2.2.1 被験者 被験者は,一般ドライバと同質サンプリングと考えられる脳ドック受診者を対象としたが, 高齢被験者は自動車学校の高齢者講習の受講者からも募った.35 から 84 歳までの健常中 高年 3930 名(男 2037 名,女性 1893 名,平均年齢 53.1±9.47)を被験者に,過去 10 年間の 自動車事故歴の有無と白質病変グレードを照合した.65 歳未満の非高齢者 2979 名(男 1467 名,女性1512 名),65 歳以上の高齢者 951 名(男 570 名,女性 381 名)を対象に,白質病 変グレード頻度や事故タイプ別頻度を求めた.また,事故タイプ分類に対する白質病変ド ライバのグレード毎に,統計学的関連性を調べた.被験者全員に,本研究内容を文書にて 説明し,個人情報に対する秘密保持について十分な同意を得て本研究を行った. 2.2.2 統計解析 事故タイプ対する白質病変グレードによる統計学的相関性は,事故タイプ別の事故歴の有 無を目的変数にして,性別,年齢グループ,運転頻度,白質病変グレードを説明変数にし て,多変量ロジステック解析を行った.統計ソフトは,SPSS(ver16.0)を用いた. 2.2.3 白質病変の診断 MRI 機器は 1.5 テスラの超伝導型機種(日立メディコ ECHELON)を用いて T1,T2 強調 画像・フレア画像を同時読影し,複数の専門医によって白質病変を診断した.白質病変は 3 段階にグレード分類(G0, G1, G2,G3)した.G0 は全く白質病変なし,G1 は微細な点 状の片側病変(片側の大脳半球のみに存在する病変)である.G2 は,Figure1 に示す通り に左右の大脳半球に存在する両側病変となる.G3 は両側でかつ斑状や島状に融合した広範囲に広がる病変とした. 2.3 結果 2.3.1 高齢ドライバ群と非高齢ドライバ群の白質病変頻度 白質病変のグレード別頻度は,Figure 2 に表す.高齢ドライバ群では,G0 は 49%,G1 は13.4%,G2 は 27.3%,G3 は 10.3%である.一方,非高齢ドライバ群では,G0 は 78%, G1 は 7.5%,G2 は 12.73%,G3 は 1.7%である.
Figure 2 Frequency according to the grade of the white matter lesion. 2.3.2 高齢ドライバ群と非高齢ドライバ群の事故タイプ別頻度
事故タイプ別の頻度は,Figure 3 に表す.高齢ドライバ群では,事故無しは 85.6%,交
差点事故は 4.1%,追突事故は 3.4%,その他事故は 6.9%である.一方,非高齢ドライバ
群では,事故無しは 82.9%,交差点事故は 4.5%,追突事故は 3.9%,その他事故は 8.6%
である.
Figure 1 right; MR image of white matter lesions
(yellow arrows) is defined as grade 2 (G2). left ;
the sagittal image of the brain whose yellow line
indicates the section of the right MR image.
a
b
elderly drivers
non-elderly drivers
78% 49% 13.4% 27.3% 10.3% 7.6% 12.7% 1.7%
Figure 3 Frequency according to the accident types. 2.3.3 非高齢ドライバ群の白質病変グレードによる事故タイプ別頻度 65 歳未満の非高齢者 2979 名を対象に,事故なし,全ての事故,出会い頭や右折・左折 時の交差点事故,追突事故 (追突させられた場合は除く)の 4 種類の事故タイプに分けた場 合の白質病変ドライバの%頻度のグラフが図 4 である.交差点事故では G2 が,特異的に 高い頻度を表している.同様に,65 歳以上の高齢者 951 名の白質病変ドライバの%頻度が 図5 である.交差点事故で G2 と G3,特異的に高い頻度を表している. 2.3.4 高齢ドライバ群の白質病変グレードによる事故タイプ別頻度
a
b
elderly drivers
non-elderly drivers
85.6% 82.9%
6.9% 8.6%
4.1% 4.6%
2.3.5 白質病変と交通事故の関連性について 事故タイプに対して,白質病変ドライバのグレード分類別に,統計学的関連性を調べた. 事故タイプ別の事故歴の有無を目的変数にして,性別,年齢グループ,運転頻度,白質病 変グレードを説明変数にして多変量ロジステック解析を行った.その結果が表1である. オッズは,ある事象の起きる確率(P)と起きない確率(1-P)の比のことであり,2 つの オッズの比P/1-P がオッズ比である.仮にオッズ比 1.5 と示されれば,本報告例では, reference になる白質病変のない G0 に対して,各グレード別の白質病変が,当該事故歴で 1.5 倍リスクが高いという意味になる.非高齢者ドライバでは,全ての事故と交差点事故 でG2 が有意のオッズ比を示した.G3 では関連性が認めなかったが,そもそも 65 歳未満 では G3 のような広範囲な白質病変のケースが少ないためと思われた.全ての事故には, 交差点事故以外の事故類型も含まれるのか今後の検討課題であると考えている.高齢者ド ライバでは,交差点事故のみが有意の関連性を示し,G2 から G3 へグレードが大きくなる につれて,オッズ比が増えていた.高齢ドライバでは,白質病変と交差点事故との関連性 が顕著であると考えている.交差点事故は,追突事故など他の事故と比べて,前後左右の 車・バイク・自転車・歩行者に多方向・多対象に注意を振り分ける必要性があり,交差点 での安全運転には前頭葉機能がより一層関与していると考えられる.白質病変による前頭 葉機能低下が高齢ドライバでは如実に現れていると考えられる.一般的に,大脳のほぼ半 分量を占める前頭葉に白質病変が最も多く存在していると思われる.前頭葉の前頭前野に 注意機能や遂行機能の中枢があるとされている4).神経線維が密集している大脳白質内の 神経線維束解析の最新知見より白質病変と神経ネットワーク機能障害との関連性が注目さ れている5).さらに,先行研究のCRT 運転適性検査では,注意機能の低下と反応速度変動 率(バラツキ度)の増大が白質病変と有意に関連している事を報告している.これらより,
白質病変が他の事故分類より注意機能との関わりが大きいと推察される交差点事故との有 意な関連性を持つ理由を説明しているのかも知れない. 2.4 考察 交通事故総合分析センター(ITARDA)は,事故に繋がるミスを操作・行動ミス,判断・ 予測ミス,認知ミスの3 要素に分類し,過去の 597 件の事故調査から 2282 のミスを抽出し て,種々の事故予防安全装置がどのミスを補助できるか詳細に解析した.その解析結果か ら,操作・行動ミスはABS やブレーキアシストなどの,認知ミスは追突警報や車線逸脱警 報などの事故予防安全装置で補助できる一方,判断・予測ミスは既存の装置では補助でき ていないと報告した 6).従って,交通事故防止の抜本的対策には,この判断・予測ミス対 策が鍵になる.ところが,判断・予測は年齢と共に低下するが,個人差が大きい.この個 人差をどのように克服するかが問題であり,年齢以外のヒューマンファクターを見出すこ とは困難であった.ところが,MRI で観察される脳組織変化,代表例として白質病変は正 しく個人の特性を表すヒューマンファクターである.白質病変は,健常中高年者の MRI 所見では高頻度に認められるcommon finding であり,特に中年者の場合には,片側病変の G1 や両側病変の G2 であっても軽度なものがほとんどである.しかしながら,G2 のよう な軽度な脳組織変化である白質病変でも交通事故と言ったマクロの社会現象に大きく影響 するエビデンスが得られたことは,ヒューマンファクターを扱う人間工学にとって,極め て意義深いことであると思われる.脳MRI が人間工学の新たな研究ツールになり得ること を示した点で画期的であると言える. 本研究は脳ドック受診者からMRI データを得ているためのバイアスが存在している.す 表1 非高齢ドライバーと高齢ドライバーの白質病変グレードに対する交通事故のオッズ比比較 非高齢ドライバー(n=2,979) 高齢ドライバー(n=951) 事故分類 白質病変 オッズ比+ 信頼区間95% * 白質病変 オッズ比+ 信頼区間95% * 全ての交通事故 G0 reference G0 reference G1 0.813 0.540-1.225 G1 1.490 0.866-2.565 G2 1.817 1.388-2.378 G2 1.416 0.916-2.189 G3 1.292 0.617-2.705 G3 1.343 0.719-2.509 交差点事故 G0 reference G0 reference G1 0.737 0.317-1.717 G1 2.107 0.768-5.781 G2 3.663 2.457-5.460 G2 2.630 1.200-5.762 G3 1.741 0.524-5.787 G3 3.257 1.139-9.308 追突事故 G0 reference G0 reference G1 0.951 0.453-2.000 G1 0.689 0.223-2.126 G2 1.095 0.619-1.939 G2 0.595 0.237-1.491 G3 0.549 0.074-4.062 G3 0.751 0.236-2.393 *: 年齢・性別・運転頻度で調整されたオッズ比である。 赤い太字は:P<0.05を示す。
なわち,被験者が団体加入している公務員・銀行マン・教職員組合・警察等の組合保険加 入者とその家族であるため65 才未満がほとんどであり,限定された職種と年齢幅を考慮し なければいけない.このバイアスを解消するために,高知県警の協力のもと,高齢者講習 を受講する高齢ドライバから被験者を募り,脳 MRI データの収集を現在進めている.65 歳以上の高齢ドライバに対しても,64 歳以下の場合と同様に,白質病変と交差点事故との 有意の関連性が存在するのかを目下調査中である. 個々人の運転行動に関する情報量には下記の4 種類が考えられる.①車両センシング情 報: 車間距離・CAN データ(速度・加速度・ハンドル舵角など)・GPS 位置情報など,② 運転者の確認行動センシング情報: モーションキャプチャーセンサを用いた頭部や右足の 速度・角速度・位置情報と赤外線カメラによる両眼平均視線方向ベクトルや瞳孔・まぶた の開きの大きさなど,③生体系の センシング情報: 脳波,脳血流,心拍数,血圧,発汗量 など,④高次脳機能情報:注意機能や遂行機能などである.①-③の情報は,瞬時に変化し て膨大な情報量を生み出す.④の運転適性検査等から評価する高次脳機能情報は,そもそ も被験者の恣意性や体調によって大きなバラツキを生じさせる.すなわち,これらはいず れも変動する情報量であり,年齢という唯一のドライバ属性に立脚した個人の運転特性解 析を困難にしてきた.白質病変グレードは少なくとも数週間は変化しないと考えてよいの で,不変因子と見なせる.年齢に加えて,白質病変グレードを個人特有の不変因子として, 先述の変動する情報量を新たに分類することで,膨大かつ変動する運転行動情報量から個 人の運転特性を導き出せる可能性が考えられる.この分類化により,年齢に隠された個人 差を取り込むことが可能になり,交通事故リスク因子のセンシング技術開発が進展するも のと考えられる. 2.5 結論 第 2 章では以下の結論を得た. (1)過去 10 年間の交通事故タイプ別の事故歴と白質病変グレードとの関連性を多変量ロジ ステック解析にて求めた. (2) 65 歳未満の 2,979 名では、G2 で交差点事故のみが有意の高い調整オッズ比 3.663(95%CI: 2.457-5.460)を認めた. (3) 65 歳以上の 951 名でも,交差点事故のみが有意の高い相関性をしました.G2 で調整オ ッズ比2.630(95%CI:1.200-5.762)、G3 で調整オッズ比 3.257(95%CI:3.257-9.308)を認め、 グレードの増加ともに調整オッズ比も増加した. (4) 交通事故原因となるヒューマンファクターを解析する上で,脳 MRI は非常に有用な研 究手法ツールになり得ることが示された.
第
3 章 白質病変と運転適性検査について
3.1 はじめに 一般的に脳機能は年齢と共に低下する傾向にあるが,実は個人差が大きい.そのため一口 に高齢者の交通事故対策といっても,有効な対策の検討のためには,単に年齢よる運転能力 の低下を考えるのではなく,個人差を生み出す要因を考慮に入れた検討が必要不可欠である. そこで我々はこの個人差を生み出す要因として大脳白質病変に着目し,研究を行ってきた. 白質病変は脳組織において一般的に見られるダメージであるが,多くのドライバはその存在 に気付かないまま運転している. これまでに我々は白質病変と事故との関連(特に交差点事故)について報告した7).中で も我々は白質病変と遂行機能8-10)との関連について関心を持っている.なぜなら,ドライバ は事故を回避するために,アクセル,ブレーキ,ハンドル操作のような認知,判断,操作か ら構成されている遂行機能を使いながら,同時に注意も払わなければならないからである. 今回,我々は遂行機能のうち認知,判断,操作といった運転に関わる3 つの機能を調べるた め,コンピュータを用いたシンプルな新しいテストを開発した.本研究ではこのテストを用 いて白質病変と年齢を考慮しながら事故タイプとの関連について精査した. 3.2 研究対象・方法 3.2.1 被験者プロフィール 平成24 年 7 月から平成 25 年 12 月まで,高知検診クリニック脳ドックセンターで脳ドッ ク検診を受けた健常中高年者3306 名(男性 1821 名,女性 1485 名,平均年齢 53.48 歳)に 対して,十分なインフォームド・コンセントと同意のもとに脳ドックの高次脳機能検査の一環としてDAT(driving ability test)を施行した(表 1).表 2 は年齢別の事故タイプごとの
被験者の人数である. 表 1 被験者プロフィール N % 2471 74.7 835 25.3 1821 55.1 1485 44.9 477 14.4 2829 85.6 なし 1957 59.2 片側 327 9.9 両側 1022 30.9 なし 1656 67 片側 249 10.1 両側 566 22.9 なし 301 36 片側 78 9.4 両側 456 54.6 20–83才; 平均年齢, 53.48才; 中央年齢, 54才 60才以上 年齢 性別 運転頻度 白質病変 ほぼ毎日 分類 60才未満 60才以上 男性 女性 全年齢 週1~3回程度 60才未満 N % 192 5.8 192 5.8 131 4.0 42 1.3 142 5.7 164 6.6 105 4.2 31 1.3 50 6.0 28 3.4 26 3.1 11 1.3 表 2 被験者プロフィール(事故タイプ別) 事故タイプ 全年齢 交差点 追突 走行中の単独 車線変更 60歳以上 交差点 追突 走行中の単独 車線変更 60歳未満 交差点 追突 走行中の単独 車線変更
1.2.2 MRI 検査 大 脳 白 質 病 変 の 診 断 と グ レ ー ド 評 価 は ,MRI(日立メディコ ECHELON Vega 1.5T)の T1 強調画像・T2 強調画像・フレア画像を 用いて,専門医によって行われた.白質病変グレードは大脳半球の 両側に存在するか否かの2つで分類した(図 1).白質病変は事故デ ータを知らない二人の訓練された脳外科医によって判定された.二 人の意見が異なった場合は意見の一致を図るため再び判定した. 3.2.2 統計解析 交差点事故,追突事故,走行中の単独事故,車線変更時の事故の4 つの事故タイプと DAT の変数について,性別,運転頻度も考慮に入れながらロジスティックス回帰分析を行った. 全ての事故タイプで過去10 年間で事故に遭遇した場合を 1,遭遇しなかった場合は 0 とし た.性別は女性を 0,男性を 1 とし,運転頻度は少ないグループを 0,多いグループを 1 とし,2 値化された.説明変数はそれぞれ中央値で 2 分化された.被験者 3306 名は 60 歳 以上と 60 歳未満で 2 つのグループに分けられた.加えて,それぞれの年齢別のグループを 両側白質病変のありなしを基準として,1) 60 歳未満両側白質病変なし,2) 60 歳未満両側 白質病変あり,3) 60 歳以上両側白質病変なし,4) 60 歳以上両側白質病変ありの 4 つのグ ループに分けた. 3.2.3 DAT の仕様 運 転 者 の 交 通 事 故 リ ス ク を 検 知 す る た め ,Driving
ability test (DAT) を開発した.DAT は運転行動に関与す る認知,判断,操作を計測することができる.装置を簡 単に説明する.図 2 に示すように,青と赤のブロックが 中央に向かって上下左右から移動する.被験者はブロッ クが境界線に接触した瞬間に色ごとにボタンを押すよう 教示された.ブロックは単独ではなく,同時に複数出現 することもあった.ブロックの移動速度は詳細に検討さ れた予備実験で3 段階に設定された.検査時間は 3 分で あった.
操作,認知,機能を分類するためにボタンを押した瞬間のブロックの位置を計測した. また,判断の機能を分類するためにブロックの色とボタンの色が合っているかどうかを計 測した.測定基準を図 3 に示す.基準は速い反応,中間反応,遅い反応,認知ミス,判断 ミスの5 つに分類した.速い反応はブロックが境界線にさしかかる前にボタンを押した場 合である.中間反応はブロックの前側20%が境界線上にある場合である.遅い反応はブロ ックの後側20%が境界線上にある場合である.認知ミスはブロックが境界線を完全に通過 してからボタンを押した場合である.判断ミスはブロックの色を選択し間違えた場合であ る.それぞれの測定基準毎の反応数をカウントした. 3.3 結果 3.3.1 DAT カテゴリーと年齢変化 遂行機能のうち操作に関する遅い反応,中間反応,速い反応と認知に関わる認知ミスと 判断に関する判断ミスのそれぞれ5 つの変数について,年代別成績を図 4 に示す.遅い反 応は 30 歳代から 50 歳代まで上昇し,60 歳代で一定になった.認知ミスは 30 歳代から 50 歳代まで変化しなかったが,60 歳代以降で急速に上昇した.速い反応は年代が上がるにし たがって,徐々に増加した.対照的に,中間反応は年代が上がるにしたがって徐々に減少 した.判断ミスは年代間でほとんど変化しなかった.
3.3.2 DAT の再現性 DAT の再現性を確認するため検査実験を行った.実験は全部で 2 回行い,1 回目の後,1 年後に2 回目の実験を行った.被験者は 28 名であった. DAT のそれぞれ 6 つの変数について,1 回目と 2 回目の得点の相関分析の結果を図 5 に 示す.縦軸が 1 回目の得点,横軸が 2 回目の得点である.1 つの点がそれぞれ1人の被験 者の得点を表している. それぞれの変数について相関係数(r)と有意確率(p)を示す.速い反応では(r=0.531 p<0.01), 中間反応では(r=0.508 p<0.01),遅い反応では(r=0.438 p<0.01),認知ミスでは(r=0.628 p<0.01), 判断ミスでは(r=0.614 p<0.01)であった.いずれの変数においても 1%以下の有意水準であ r>0.4 で正の相関を認めたことから,再現性が確保された.
3.3.3 DAT 変数の創出 解析に使用するパラメータを表 3 に示した. 1 つの変数のみならず,それぞれの変数が相互 に影響していると仮定して,2 つ,3 つのパラメ ータの積も解析した.全体で22 の組み合わせか らなる変数を説明変数としてロジスティックス 回帰分析を行った.「速い反応」と「中間反応」 と「遅い反応」とは相反する変数であるため, 解析から除外した. 乗数 速い反応 中間反応 遅い反応 認知ミス 判断ミス 速い反応 × 中間反応 速い反応 × 遅い反応 速い反応 × 認知ミス 速い反応 × 判断ミス 中間反応 × 認知ミス 中間反応 × 判断ミス 遅い反応 × 認知ミス 遅い反応 × 判断ミス 認知ミス × 判断ミス 速い反応 × 中間反応 × 認知ミス 速い反応 × 中間反応 × 判断ミス 速い反応 × 遅い反応 × 認知ミス 速い反応 × 遅い反応 × 判断ミス 速い反応 × 認知ミス × 判断ミス 中間反応 × 認知ミス × 判断ミス 遅い反応 × 認知ミス × 判断ミス 3変数 2変数 表3 変数リスト 変数名 1変数
3.3.4 DAT 変数と年齢・LA との相関性 60 歳未満を表 4,60 歳以上を表 5 に示す.60 歳未満では両側白質病変なしグループにお いて追突事故で遅い反応と認知ミスの積の変数でオッズ比に有意差が認められた.一方, 両側白質病変ありグループでは有意差は認められなかった. 60 歳以上では両側白質病変なしグループにおいて追突事故で中間反応と判断ミスの積 の変数でオッズ比で有意差が認められた.交差点事故では遅い反応,遅い反応と判断ミス の積の変数でp 値では有意差が認められたがオッズ比では有意差は認められなかった.両 側白質病変ありのグループでは交差点事故において遅い反応と認知ミスと判断ミスの積の 変数においてのみオッズ比で有意差が認められた. 3.3.5 DAT 変数と事故分類との関連性 交差点の事故では60 歳未満で両側白質病変ありグループ,両側白質病変なしグループと もに有意差は認められなかったが,60 歳以上のグループでは両側白質病変のないグループ では交差点事故で遅い反応,遅い反応と判断ミスの積の変数でオッズ比には有意差は認め られなかったが,両側白質病変のあるグループでは交差点事故で遅い反応と認知ミスと判 断ミスの積の変数においてオッズ比に有意差が認められた. 下限値 上限値 下限値 上限値 下限値 上限値 下限値 上限値 速い反応 0.964 0.991 0.660 1.487 0.844 1.038 0.716 1.504 0.806 1.087 0.561 2.106 0.838 0.934 0.484 1.800 中間反応 0.444 0.853 0.567 1.283 0.428 0.859 0.590 1.250 0.079 1.879 0.930 3.795 0.793 1.091 0.568 2.098 遅い反応 0.385 1.197 0.798 1.795 0.762 0.944 0.649 1.372 0.094 0.558 0.282 1.104 0.608 0.843 0.438 1.620 認知ミス 0.482 0.860 0.564 1.311 0.095 1.376 0.946 2.001 0.984 1.007 0.508 1.994 0.280 1.452 0.738 2.854 判断ミス 0.958 1.011 0.679 1.504 0.569 1.112 0.772 1.601 0.117 0.589 0.304 1.143 0.465 0.786 0.411 1.501 速い反応 × 認知ミス 0.629 0.902 0.593 1.371 0.284 1.228 0.843 1.789 0.992 0.997 0.512 1.941 0.663 0.863 0.444 1.676 速い反応 × 判断ミス 0.205 1.295 0.868 1.933 0.472 1.144 0.793 1.650 0.718 0.886 0.461 1.705 0.868 0.947 0.495 1.809 中間反応 × 認知ミス 0.391 0.838 0.558 1.256 0.514 1.130 0.783 1.631 0.188 1.569 0.803 3.069 0.793 1.092 0.565 2.112 中間反応 × 判断ミス 0.983 1.004 0.674 1.497 0.281 1.225 0.847 1.771 0.803 1.088 0.562 2.104 0.757 0.902 0.471 1.729 遅い反応 × 認知ミス 0.993 0.998 0.653 1.526 0.039 1.495 1.020 2.190 0.489 0.786 0.397 1.557 0.957 0.982 0.503 1.917 遅い反応 × 判断ミス 0.307 1.232 0.826 1.838 0.205 1.268 0.878 1.8301 0.064 0.527 0.268 1.037 0.468 0.786 0.411 1.504 認知ミス × 判断ミス 0.520 0.875 0.581 1.316 0.596 1.105 0.763 1.601 0.274 0.690 0.355 1.341 0.612 1.183 0.618 2.264 速い反応 × ・認知ミス × 判断ミス 0.789 1.057 0.703 1.590 0.989 0.997 0.685 1.452 0.979 0.991 0.514 1.910 0.894 0.957 0.499 1.834 中間反応 × ・認知ミス × 判断ミス 0.268 0.795 0.530 1.193 0.455 1.149 0.797 1.656 0.107 1.734 0.889 3.385 0.241 1.478 0.769 2.839 遅い反応 × ・認知ミス × 判断ミス 0.865 1.036 0.688 1.561 0.391 1.178 0.811 1.711 0.400 0.751 0.386 1.463 0.777 0.910 0.473 1.749 オッズ比 95%信頼区間 両側白質病変なし 有意確率 有意確率 追突 オッズ比 95%信頼区間 有意確率 オッズ比 95%信頼区間 交差点 有意確率 オッズ比 95%信頼区間 交差点 追突 両側白質病変あり 表4 60歳未満 独立変数 下限値 上限値 下限値 上限値 下限値 上限値 下限値 上限値 速い反応 0.805 0.902 0.399 2.039 0.586 1.408 0.411 4.822 0.498 1.391 0.535 3.619 0.213 2.256 0.627 8.122 中間反応 0.815 1.105 0.477 2.558 0.519 1.470 0.455 4.743 0.869 1.076 0.448 2.587 0.490 0.666 0.210 2.110 遅い反応 0.039 0.429 0.192 0.959 0.596 1.432 0.379 5.404 0.456 1.411 0.570 3.489 0.613 1.321 0.449 3.884 認知ミス 0.681 0.830 0.342 2.015 0.750 1.245 0.323 4.809 0.175 2.786 0.635 12.233 0.789 1.193 0.327 4.354 判断ミス 0.758 0.882 0.396 1.962 0.205 2.357 0.627 8.864 0.506 1.335 0.570 3.127 0.985 0.990 0.361 2.714 速い反応 × 認知ミス 0.782 1.133 0.467 2.748 0.446 1.692 0.438 6.544 0.211 2.208 0.637 7.651 0.235 2.499 0.552 11.317 速い反応 × 判断ミス 0.268 0.636 0.286 1.417 0.283 2.070 0.549 7.808 0.277 1.689 0.656 4.348 0.374 1.683 0.534 5.309 中間反応 × 認知ミス 0.698 1.178 0.514 2.700 0.075 4.061 0.868 19.012 0.614 1.263 0.510 3.127 0.733 1.207 0.410 3.554 中間反応 × 判断ミス 0.720 0.862 0.384 1.935 0.021 6.092 1.313 28.253 0.851 1.082 0.474 2.470 0.911 1.059 0.389 2.880 遅い反応 × 認知ミス 0.059 0.442 0.190 1.030 0.941 0.951 0.248 3.651 0.325 1.863 0.539 6.434 0.785 1.196 0.331 4.326 遅い反応 × 判断ミス 0.025 0.396 0.176 0.889 0.394 1.779 0.472 6.699 0.102 2.317 0.847 6.339 0.579 1.357 0.462 3.984 認知ミス × 判断ミス 0.846 0.920 0.394 2.146 0.497 1.589 0.417 6.049 0.076 3.042 0.891 10.391 0.666 1.289 0.408 4.074 速い反応 × ・認知ミス × 判断ミス 0.919 0.957 0.409 2.239 0.520 1.547 0.410 5.834 0.107 2.755 0.804 9.441 0.379 1.773 0.495 6.355 中間反応 × ・認知ミス × 判断ミス 0.961 1.020 0.454 2.292 0.198 2.393 0.634 9.031 0.237 1.7701 0.687 4.559 0.333 1.764 0.559 5.568 遅い反応 × ・認知ミス × 判断ミス 0.233 0.608 0.269 1.376 0.236 2.538 0.544 11.848 0.048 4.382 1.013 18.959 0.385 1.7601 0.491 6.307 95%信頼区間 有意確率 オッズ比 95%信頼区間 独立変数 有意確率オッズ比 95%信頼区間 有意確率 オッズ比 95%信頼区間 有意確率 オッズ比 表5 60歳以上 両側白質病変なし 両側白質病変あり 交差点 追突 交差点 追突
認知ミスの積の変数でオッズ比に有意差が認められた.60 歳以上のグループでは両側白質 病変なしグループにおいて中間反応と判断ミスの積の変数でオッズ比で有意差が認められ た. 3.4 結論 安全運転に必要な認知,判断,操作の遂行機能を基に PC を用いながら,新たな運転能 力テストを開発した.コンピュータのモニター上で正方形の上下左右の4 辺に赤もしくは 青のブロックが到達した際の反応を測定することよって速い反応,中間反応,遅い反応, 認知ミス,判断ミスを測定し,15 の変数を提案した.我々は 3306 人の被験者から白質病
変のグレードを含むMRI の結果と DAT の変数データと事故歴を得て,事故タイプと DAT
の15 の変数との関連を調べた.その結果,我々は両側白質病変のある 60 歳以上のドライ
バにおいて交差点事故で,また年齢と両側白質病変とは関係なく追突事故において有意な 関連を見出した.
第
4 章 白質病変と実車運転行動について
4.1.1 はじめに~大脳白質病変とハンドル角の振れの解析(ステアリングエントロピー法) ~ 我々は,「脳の老化」のサインと考えられている白質病変と交通事故との関連性について 既に報告している.しかしながら,白質病変が実車運転に及ぼす影響はまだ調べられてい ない.今回,白質病変がある高齢ドライバと白質病変がない若者ドライバを対象に,運転 中に暗算計算をさせるマルチタスク条件下での危険運転行動とハンドル操作を評価して, 白質病変が運転行動・技能に与える影響を検討した. 4.2 研究対象・方法 4.2.1 実験協力者 今回我々は,脳ドック受診者の中から MRI 画像により,白質病変の進行度を調べた. 日本脳ドック学会ガイドラインに準拠して,白質病変を5 段階のグレードに (G0,G1,G2, G3,G4) 分類した.G1 は片側病変であり,G2 から両側病変となる.高齢者の白質病変 G0 の人 11 名[年齢 63.9±6.8(平均±S.D), 月毎の運転頻度 19.6±10.4(平均±S.D)],そ の対象群同世代で白質病変G2 の人 13 名年齢 68.3±6.0 (平均±S.D), 月毎の運転頻度 20.8 ±10.4 (平均±S.D)],および 20 代の G0 の人 9 名年齢 23±4.5 (平均±S.D), 月毎の運転頻 度 12.4±12.7 (平均±S.D)]計 33 名の人を実験協力者に選んだ.実験協力者は全員男性で ある.なお,実験協力者に対しては,実験を行う前に,十分な事前説明を行った後に,実 験参加への同意を書面にて得ている. 4.2.2 走行コース 実車実験は,高知県警察本部交通部運転免許センター内で行われた.Figure 1 は運転免 許センターコースの全体図(第1 回目実験で使った走行コースを赤い矢印で示す)である. START から始め,矢印に従って運転し,再び START に戻るとコースの一周である.ここ で,高齢ドライバによる事故が多いと言われている右折,一時停止,優先通行,交差点を 含むようにコースを設定した.なお,中央にある片側2 車線道路同士の交差点には,信号 機が設置された.実験時は,2 車線の道路においては,左側を通行するよう実験協力者に 指示した.また,速度制限を設け,直線部分の速度は 30km/h とした.実験中は実験協力 者に走行コースを知らせ.ために,目印としてパイロンをコースに置いた.Figure 1. Diagram of the designated route at the testing center. 4.2.3 音声課題
本研究では,マルチタスク負荷条件に,PASAT(Paced Auditory Serial Addition Test)とい
う暗算計算負荷を用いた.PASAT とは,Figure 2 に示す通り,音声による作業であり,音 声で一桁の数字が連続的に提示され,数字を聞いた直後に先に聞いた数字と加算して解答 する作業である.数字は 3 秒ごと(PASAT-3),もしくは 2 秒ごと(PASAT-2)に提示され,注 意散漫を誘導する効果がある11). ただし,予備実験を行ったところ高齢者にとって,運転中の課題としては難易度が高く, 途中で諦める傾向が見られた.そこで,本研究では高齢者に対して負荷が大きくなりすぎ ないように解答が一桁になるように調整して提示した.
Figure 2. Flow of paced auditory serial addition test.
最初に,設定されたコースにPASAT が無し,あるいは有りの条件下で走行練習を行った.
試験ではPASAT 無 → PASAT 有 → PASAT 無 → PASAT 有の順で合計 4 周の走行
を行った.ここで,PASAT 音声課題は 3 秒ごとにランダムに数字が発声され(PASAT-3), 車内オーディオで放送した.コース内の信号機は,予め設定された時間間隔で点灯させた. 4.2.4 計測項目 一般に,ドライバの安全運転を計測する手法としては,各種のイベントによる主観的評 価と,作業成績や生体信号による客観的評価の2 種類に大きく分けられる.今回,作業成 績として,ステアリングエントロピー法によるハンドル操作をメインタスクの成績と,暗 算課題のサブタスクの成績の2 種類を用いた.以下に各回実験の計測項目について述べる. Speaker 2 2 1 4 5 3 4 Answer ・・・ ・・・
4.2.5 作業成績 運転を正確に行っているかを調べるために,実際の運転試験を担当している高知県警の 運転試験教官に採点表に従って運転技能の採点を行って頂いた.採点は,運転技能の各項 目について,運転ミスの大きさによってそれぞれ4,2,1 点をつける.また,重大な運転 ミスは別途記載した.なお,運転ミスを起こした場所も記録するようにしている. 採点基 準は被験者によって差が生じないようにしていた. 採点基準は本実験用に独自に作成し たものであり,実際の運転免許試験等で用いられているものとは必ずしも一致しない. 4.2.6 車両状態量 走行中のハンドル角を解析することで,白質病変ドライバの運転特性を調べることにし
た.Figure 3 に示している株式会社 ATR-Sensetech が開発したオブジェ(Objet)を使用し
た.実験 で使用したセンサは 6 軸加速度センサであり,X, Y, Z 軸の加速度と,X, Y, Z 軸の角速度を計測することができる.実験は Figure 3 (a)に示している車用センサを車体 に固定し,地面に対する車両の回転角を計測し,Figure 3 (b) に示しているハンドル用セン サをハンドルの中心に固定しハンドルの回転角を計測した.Figure 4 に各センサを試験車 に貼り付けた位置を示す. (a) (b)
Figure 3 Objet used in the experiment: (a) Used for car and (b) Used for handle
Figure 4 Positions of the Sensors in the Car
Objet (b)
4.2.7 操舵解析 PASAT 有の場合,車に対しての操作が粗くなると考えられる.たとえば,あるカーブに おいて,普段運転する時に綺麗に曲がることができるのに対して,注意力を分散された時 ふらつきが生じることを考えられる.本研究ではステアリングエントロピー法を用いて操 舵に現れるふらつきの大きさを評価する.ステアリングエントロピー法により,運転時の 負荷の度合いを評価することが可能である12).ステアリングエントロピー法とは,運転者 の操舵の滑らかさを,時系列舵角データから計算される情報エントロピー値として数値化 するものである.例えば,計測したデータの時間間隔は50ms の場合,これに対して 3 つ のデータの平均値を求めると,人間の最短制御間隔とされる150ms 毎の舵角値を得る.こ こで,あるn 時点に着目し,過去 3 点の舵角を用いて(n-1)を中心とする 2 次テイラー展 開によりn 時点の予測舵角値θp(n) を算出する.θp(n) と実際 n 時点の舵角値θ(n) の差 を予測誤差e(n) とする(Figure 5). t 150ms 150 ms 150ms
Figure 5 Prediction Errors in Steering Entropy Method
実験協力者に無負荷状態で数分間走行してもらい,e(n)の度数分布を得る.この分布に おける 90% タイル値αを算出する.ここで,運転操作が滑らかであればある程,得られ た度数分布は中心への鋭さが増した形になり,α値も小さくなる特徴がある.このαは各 個人の運転特性の基準を示す値であり,以降,同一実験協力者に負荷が与えられた際,算 出の基準として用いる.このα値に基づき,度数分布を9 つのセルに分け,各セルに入る 割合 P1, P2, ・・・・, P9 を求め,エントロピー値を次の式で計算される.
エントロピー値=-ΣPi Log9 Pi (i=1~9)
負荷以外はまったく同じ条件で実験協力者に走行してもらい,同様に得られる度数分布 データと無負荷状態で求められたα,セルに基づき,負荷のエントロピー値を算出する. 通常,負荷を加えると,実験協力者のハンドル操作は滑らかさを欠き,度数分布は鋭さを 欠いた形状となり,エントロピー値は増大するという特徴がある.Figure 6 は高齢者と若 n-3 n-2 n-1 n θ(n-3) θ(n-2) θ e(n) θ(n) θp(n) Steering angle
者の比較の一例である.若者の方は,予測誤差の度数分布図のシャープさが大きく,ハン ドル操作は高齢者より滑らかであることを表している.
Figure 6 Comparisons of Young and Elder’s Subjects 4.3 結果
4.3.1 PASAT の正答率
まず,実験群ごとのPASAT の課題遂行能力を比較するため,それぞれの実験群における
PASAT の正答率を比較した.その結果,正答率は 20 代群から G0 群,G2 群にかけて減少
していたが,有意差は認められず,群間で有意差は認められなかった(Data not shown).
4.3.2 PASAT の運転技能に与える影響 次に,PASAT の運転行動に与える影響を調べるため,それぞれの実験群ごとに PASAT あり条件となし条件を比較した.Figure 7 に示すように,危険運転については 20 代,G0, G2 のどの群においても,PASAT なし条件に比べて PASAT あり条件では,5%水準で有意に 増加していた(2 標本 T 検定: t = −3.277, P = 0.011; t = −3.785, DoF = 10, P = 0.004; t = −3.891, DoF = 12, P = 0.002).しかしながら,重大危険運転(Figure 8)においては,G0 と G2 群にお いて PASAT なし条件に比べて PASAT あり条件で,5%水準で有意に増加していた(2 標本 T 検定: t = −5.220, DoF = 10, P < 0.001; t = −7.666, DoF = 12, P < 0.001). -2000 -100 0 100 200 200 400 600 800 1000 1200 e(n) Fr eq ue nc y young elder
Figure 7. Normal operation errors (*: p<0.05, and ** and *** p<0.01).
Figure 8. Critical operation errors (* and **: p<0.001).
次に,危険運転と重大危険運転それぞれについてPASAT あり条件となし条件の差を実験 群ごとに比較した. Figure 9 に示すように,危険運転においては,20 代群と G0 群の間と, 20 代群と G2 群の間で,5%水準で有意に増加していた(2 標本 T 検定: t = −2.275, DoF = 18, P = 0.035; t = −2.180, DoF = 20, P = 0.041).次に,重大危険運転(一時停止の見落とし)につ いて Figure 10 に示す.重大危険運転では,20 代群と G0 群間において,0.05%水準で有意 に増加しており(2 標本 T 検定: t = −2.217, DoF = 18, P = 0.040),G0 群と G2 群においては 0.05%水準で有意に増加していた(2 標本 T 検定:t = −2.083, DoF = 22, P = 0.049). -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 20s G0 G2 No PASAT PASAT Group N or m al ope ra tion e rr or s * ** *** -1 0 1 2 3 4 5 6 20s G0 G2 No PASAT PASAT Group C rit ical o per at io n er ro rs * **
Figure 9. Differences in normal operation errors with and without PASAT (* and **: p<0.05).
Figure 10. Differences in critical operation errors only for temporary stop with and without PASAT (* and **: p<0.05). 4.3.4 ステアリングエントロピーの解析 次に,PASAT のステアリングエントロピーに与える影響について検討した.まずは右折 時のステアリングエントロピーについて検討した. Figure 11 に示すように,20 代,G0, G2 のどの群においても PASAT なし条件に比べて PASAT あり条件において右折時のステア リングエントロピーが0.05%水準で有意に増加していた(2 標本 T 検定:t = −4.314, DoF = 8, P = 0.003 < 0.01; t = −6.533, DoF = 10, P < 0.001; t = −6.426, DoF = 12, P < 0.001). 0 1 2 3 4 5 6 7 8 20s G0 G2 N or ma l o pe ra tio n e rro rs Group
*
**
-1 0 1 2 3 4 20s G0 G2 Subjects' groups C ritic al o pe ra tio n e rro rs*
**
は,Figure 12 に示すように,20 代群と G0 群の間で,20 代群と G2 群の間で 0.05%水準で
有意に増加していた(2 標本 T 検定:t = −2.102, DoF = 18, P < 0.05; t = −2.507, DoF = 22, P =
0.020).
Figure 11. Steering entropy values with and without PASAT for right turns (*: p<0.01; ** and ***: p<0.001).
Figure 12. Ratios of steering entropy values for right turns (* and **: p<0.05).
次に左折時のステアリングエントロピーについて検討した.Figure 13 に示すように 20
代,G0,G2 のどの群においても PASAT なし条件に比べて PASAT あり条件において左折
時のステアリングエントロピーが 0.05%水準で有意に増加していた(2 標本 T 検定: t =
−6.825, DoF = 8, P < 0.001; t = −5.933, DoF = 10, P < 0.001; t = −14.491, DoF = 12, P < 0.001).
次に,PASAT なし条件に対する PASAT あり条件における左折時のステアリングエント ロピーについて検討したところ(Figure 14),20 代群と G0 群の間で,20 代群と G2 群の間で 0 0.4 0.8 1.2 1.6 20s G0 G2 No PASAT PASAT * Group St ee ring e nt ropy v al ue s ** *** 1 1.2 1.4 1.6 1.8 20s G0 G2 * Group R atio s o f e ntr op y v alu es **
0.05%水準で有意に増加していた(2 標本 T 検定: t = −3.769, DoF = 18, P = 0.001; and t = −3.318, DoF = 20, P = 0.003).
Figure 13. Steering entropy values with and without PASAT for left turns (*, ** and ***: p<0.001).
Figure 14. Ratios of steering entropy values for left turns (* and **: p<0.01).
2.3.2.4 運転操作とステアリングエントロピーの関係 次にステアリングエントロピーと危険運転の関係を調べるため,回帰分析を行った. Figure 15 に示すように,PASAT あり条件においては右折のステアリングエントロピーと 危険運転の線形回帰の決定係数は0.119 であった.一方,Figure 16 に示すように,PASAT なし条件においては右折のステアリングエントロピーと危険運転の線形回帰の決定係数は 0.028 であった.このように PASAT なし条件にくらべて PASAT あり条件においてステアリ 0 0.4 0.8 1.2 20s G0 G2 No PASAT PASAT * Group St ee ring e nt ropy v al ue s ** *** 1 1.2 1.4 20s G0 G2 * Group R at ios of e nt ropy v al ue s **
Figure 15. Diagram of regression analysis for the turn-right driving with PASAT.
Figure 16. Diagram of regression analysis for the turn-right driving without PASAT. 4.4 結論 運転技能について運転以外のタスク(PASAT)が求められる条件では 20 代,G0,G2 の どの群においても危険運転が増加した.一方,重大危険運転については若年群では有意に 増加しておらず,高齢者群においてのみ有意に増加していた.このことから,一時停止標 識の見落としのような重大危険運転は通常の危険運転と比較してより白質病変による影響 を受けやすいのかもしれない.また,運転技能の結果と同様に,ステアリングエントロピ ーのようなハンドル操作に関する機能についても PASAT あり条件となし条件で有意差が
N
orm
al
ope
ra
tion
errors
Observed values Linear lineSteering entropy values
Steering entropy values
N
orm
al
ope
ra
tion
errors
Observed values Linear line認められた.このことから,運転以外のタスク(PASAT)によって粗く危険な運転が引き 起こされると考えられる. また,ステアリングエントロピーは若年群と高齢群を比較すると,右折時,左折時の両 方で有意差が認められた.しかし,白質病変のあり群(G0)となし群(G2)を比較すると 右折時のみ有意差が認められた.右ハンドルの車では左折時より右折時に曲率が大きくな る.そのため,より曲率の大きい右折時において白質病変のステアリングエントロピーに 対する影響が顕著に見られたと考えられる.これは白質病変のある高齢ドライバのスムー ズでないハンドリングを反映していると思われる. 以上のことから,高齢者における白質病変は危険運転の増加やステアリングエントロピ ーの増加と関係しており,運転技能を低下させている要因となっていると考えられる.
第5章
まとめと今後の課題
研究代表者が兼務する高知検診クリニック脳ドックセンターでは,受信者の多くは公務 員や金融マン等のホワイトカラーであり,65 歳以下がほとんどある.因って,本研究課題 の研究対象となる高齢ドライバ被験者を集めるために,高知県警察ならび高知県指定自動 車学校協会の全面的な協力を得て,高知県下の県指定自動車学校11 校から高齢者講習を受 講した高齢ドライバから被験者を募っている. 平成25 年 2 月末までに,84 名の被験者を集め,頭部 MRI データならび運転適性検査デ ータを収集した.残り214 名(計 300 名)の高齢ドライバのデータは,平成 25 年度内に収 集する計画である.これらのデータから脳(Brain)と運転行動(Driving Behaviors)に関する高 齢ドライバ用のデータベース(BDB-DB)を構築する. 謝辞 本研究につきましては,タカタ財団から研究助成を受けました.茲に深く感謝致します. 被験者募集に対して,医療法人健会高知検診クリニック脳ドックセンターの全面的協力と, 特に 65 歳以上の健常高齢ドライバの募集には下記の自動車学校から積極的な協力を得る ことができました.茲に深く感謝致します. 研究協力参加の自動車学校一覧 高知県自動車学校 高知中央自動車学校 高知自動車学校 東部自動車学校 須崎自動車学校 四万十自動車学校 宿毛自動車学校安芸自動車学校 南国自動車学校 高知ニュードライバー学院 新土佐自動車学校 参考文献 1) 朴啓彰, 姜銀来, 王碩玉「視覚補間力と無症候性白質病変との関連性」福祉工学シンポ ジウム講演論文集, 2009 Sep:pp.209~210
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3) 朴啓彰, 片岡源宗, 永原三博, 熊谷靖彦「健常人の大脳白質病変と運転挙動との関連性
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