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道東地方小学校における毎月の肥満度測定による発育の基礎的研究と健康教育

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Academic year: 2021

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(1)Title. 道東地方小学校における毎月の肥満度測定による発育の基礎的研究と健 康教育. Author(s). 岡安, 多香子; 山田, 玲子; 西川, 武志; 荒島, 真一郎. Citation. へき地教育研究, 60: 119-122. Issue Date. 2006-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/1193. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 道東地方小学校における毎月の肥満度測定による発育の基礎的研究と健康教育. 道東地方小学校における毎月の肥満度測定による 発育の基礎的研究と健康教育 岡. 安. 多香子. 山. 田. 玲. 子. 西. 川. 武. 志. 荒. 島. 人,女子. 人)で,. 真一郎. (北海道教育大学札幌校). 生. .は じ め に. 人(男子. 年間以上の毎月 )。. の身長・体重の測定値が揃っている児童である(表. 発育の評価は集団の年齢毎の平均値を求め,個人が母 集団の中でどの位置にいるかで判断されてきた。私達は. 対象の体格は各学年とも文部科学省発行の学校保健統計 調査報告書 )の全国平均の. の範囲内にあった(表. )。しかし,測定終了年度の肥満度分布(表. 発育の個性差を踏まえて,児童・生徒の個々の身長・体 重を縦断的に解析してきた )。本研究では頻回の測定か. すように,肥満群の割合は. らその個人の現在の発育レベルを縦断的に評価し,従来. い割合であった。. )に示. %を占め,全国平均より高. の年一回の測定では見逃される季節変動等を,毎月測定 値の北大大型計算機による時系列解析により明らかにし た。. .方. 年間以上にわたる成長のパラメーターの季節変動. 法. 時系列解析について. パターンを求め,標準的な児童・生徒と肥満群の児童・ 生徒の発育における季節変動の差を明らかにし,学校保. 身体発育値から季節変動を抽出する際は,発育スパー. 健の現場に有用な肥満指導と健康教育の方法を考案する. ト・日内変化・測定誤差などの影響を少なくするため. 事を最終目標とする。また小規模校だから出来るきめ細. に,移動平均法に基づく時系列解析を用いて,. かい健康教育の実践に役立つ事が期待できる。今年度は. 期とする季節変動成分を求めた。 対象者のデータを. 肥満度の季節変動を中心に報告する。. (. 年を周. ,. ). に含まれる時系列解析,センサス局法(. .対. 象. )で処理した )。センサス局法では原時系列は循. 者. 環傾向成分(トレンド成分) ( )・季節変動成分(. 対象は道東地方に住む,. 年. 年生まれの小学 表. ( 小 小 小 小 小 小 計. ) (. ) (. ) (. ) (. )・. 不規則成分( )の つの成分からなっているが,ここ. 年度別対象者数 ) (. ) (. ) (. ) (. ) (. ). 計.

(3) 岡安多香子・山田. 表 身長(. ). 男子. 玲子・西川. 武志・荒島真一郎. 測定終年度 月時の身体的特徴(平均 (人数). 全国平均. ). 女子. (人数). 小 学. 年. ( ). ( ). 小 学. 年. ( ). ( ). 小 学. 年. ( ). ( ). 小 学. 年. ( ). ( ). 体重 (. ). 男子. (人数). 全国平均. 女子. (人数). 小 学. 年. ( ). ( ). 小 学. 年. ( ). ( ). 小 学. 年. ( ). ( ). 小 学. 年. ( ). ( ). 肥満度 (%). 男子. (人数). 全国平均. 女子. 年. ( ). ( ). 小 学. 年. ( ). ( ). 小 学. 年. ( ). ( ). 小 学. 年. ( ). ( ). 全国平均. 測定終了時の肥満度分布. %以上. 肥満度. 全国平均. (人数). 小 学. 表. 全国平均. %. %. %. 計. 小学男子. 肥 満 群. 小学女子 計( % ). ( %). ( %). %. 肥 満 度. ( %). %. ( %). %. ( %). %. 計. 小学男子. 非肥満群. 小学女子 計( % ). ( %). ( %). ( %). ( %). ( %). 肥満度の求め方. ではそれらの積を仮定する乗法モデルを用いた。 原時系列. 対象者の小・中学校の健康診断の身長,体重値をもと. なお,トレンド成分(. )は原時系列を移動平均によっ. て平滑化した成分であり,季節変動成分( )は. 才の肥満度を月別に計算した。肥満. に,個人別の ). 比. 度は村田光範 の性別年齢別身長別標準体重の算出方法. (原時系列とトレンド成分の隔たり)の中で 年間の周. により新しい係数(平成 年版)で総合計算ソフトに組. 期を持つ成分で,. 比の月別移動平均によって求めら. み込み計算した。その結果から,最終測定時肥満度. れる。不規則成分(. )は. 以上の肥満群と %未満の非肥満群に分けて比較した。. 比の中で季節変動成分以. 外のすべての変動が含まれる。 季節変動成分. (%)は,傾向成分を. とした比率. 肥満度. 実測体重 標準体重 標準体重. %. (%). で表現される。季節変動は分散分析により %未満水準 検定について. で有意性を検討した。 (%). (. ). 検定は (. または. ). のスタンダードバージョンを使い,. 一元配置の分散分析と多重比較, 独立サンプルの 検定, 二元配置の分散分析と多重比較,同等性の検定を行い, 有意差は. 以下を有意とした。.

(4) 道東地方小学校における毎月の肥満度測定による発育の基礎的研究と健康教育. .結. 高月は. 果. %) ,最低月は 月(. 有意性について. 体パターンと比較すると,前 者は. %)で,体重の. %,. の. %. %よりはるかに多かった。. より少なかったが,身長の. %)であっ ・身長の男女全. た。これを同時に解析した体重・. 時系列解析による肥満度の季節変動で有意差があった ものは, 人(. 月(. 月に高値,. 月に. 低値となる似たパターンであったが,身長は夏・冬に高 値,春に低値となり,他 項目とは異なるパターンを示 した。 次に,肥満群と非肥満群に分けて肥満度の季節変動パ. 肥満度の季節変動月平均について. ターンを比較した。男女全体では両群とも最高月が. 有意性のある人のみの肥満度の季節変動成分を月毎に 平均すると,男女全体では最高月が 月(. いで. %)と. 月(. 月(. %)次. %),最低月が. 月. 月で一致したが,. で,最低月が. %)非肥満群(. (. ,図. (. 月. 月に肥満群が. %)より有意に高かった. ) 。. %)であり,春・冬に高く,夏・秋に低くなる. (. パターンを示した(図 %),最低月は. (. )。小学男子では最高月は 月(. 月増加量. 月. %) ,小学女子では最. 時系列解析には. 年の測定値を必要とするため,学校. 現場で手軽に応用できるように,肥満度の毎月の増加量 図. 肥満度季節変動の平均的パターン. 。全体の最高月は を解析した(図 ). 䋦 ⢈ḩ ᐲ. 月(. 最低月は 月(. 㪈 㪈㪇. ో૕. 㪈 㪇㪇. 月(. %),. %),肥満群では最高月は. %) ,最低月は. 月(. 月(. 満群では最高月は. 㪈 㪇㪌. 月(. %),非肥. %),最低月は. %)であった。長期休みあけの. 月と. 月に肥満群が非肥満群より大きい季節変動増加を示 㪐㪌. したのが特徴的であった(. ) 。. 㪐㪇 䋴᦬. 䋶᦬ 䋵᦬. 䋸᦬ 䋷᦬. 䋹᦬. 䋱 䋰᦬ 䋱 䋲᦬ 䋲᦬ 䋱 䋱᦬ 䋱᦬ 䋳᦬. 図. 肥満度別月増加量の比較. 䋦 㪉. 䋪䇭䇭 㩷㩷㩷㩷䇭 㩷䇭 䇭䇭 䇭䇭䇭 䋪. 㪈㪅㪌 㪈 㪇㪅㪌. ⢈ḩ 㕖⢈ ḩ ో૕. 㪇 㪄 㪇㪅 㪌 㪄㪈 㪄 㪈㪅 㪌 㩷 㩷 㪋㪄 㪊 ᦬ 㩷 㩷 㪍㪄 㪌 ᦬ 㩷 㩷 㪏㪄 㪎 ᦬ 㪈 㪇㪄 㪐 ᦬ 㪈 㪉㪄 㪈 㪈᦬ 㩷 㩷 㪉㪄 㪈 ᦬ 㩷 㩷 㪌㪄 㪋 ᦬ 㩷 㩷 㪎㪄 㪍 ᦬ 㩷 㩷 㪐㪄 㪏 ᦬ 㪈 㪈㪄 㪈 㪇᦬ 㪈 㪄㪈 㪉 ᦬ 㩷 㩷 㪊㪄 㪉 ᦬. .考 図. 肥満度別肥満度季節変動月平均のパターン. 察. 有意者数について 道東地方の小学生では ). 道南地方の小学生 では. %に有意差がみられた。 一方, %に有意差がみられ,道東. に比べて道南は高い値であった。札幌の小学生を対象と した研究 )では. %に有意差がみられ,道東より少な. い値であった。 地域の特異性について 肥満度の季節変動の平均を地域比較すると,道東地方 は春・冬に高く, 夏・秋に低くなるパターンを示したが, 道南でも夏に低く,冬から春にかけて高いパターンで あった。札幌の小学生は春・夏に低く冬に高いパターン.

(5) 岡安多香子・山田. 玲子・西川. を呈し,地域差があった。. .参 考 文 献. 肥満群と非肥満群の比較. )岡安多香子,綾博子,小原真由美,岡部明子,荒島. 肥満度の季節変動を群別に比較すると,月平均の最高 月は肥満群・非肥満群とも. 武志・荒島真一郎. 月であり,最低月も両群と. 真一郎 児童・生徒の肥満に関する縦断的解析,学校 ,. 保健研究,. も 月であった。体重の季節変動に関しては,肥満群の. )文部省 学校保健統計調査報告書,大蔵省印刷局,. み夏休み中に季節変動が増加するという傾向があり,こ. 平成. ). ). 年度. 平成 年度,文部科学省,学校保健統計. れは長崎 ・東京 の報告と一致していた。肥満度の季. 調査報告書,財務省印刷局,平成. 節変動成分の月平均パターンに関してはこの傾向は見ら. ). (日本語). 年度 平成. 年版. 年度. プロシジャー. れなかった。しかし,毎月の増加量を群別に比較すると, 月と. 長期休みあけの. 月に肥満群に有意に大. )村田光範. ポケット・コンピューターによる肥満度 ,. きい季節変動増加が見られ,休み中の健康管理が肥満の. の計算について,小児科診療,. 予防に重要である事が示唆された。. )岡安多香子,向井田紀子,武岡道子,萩野悦子,西 川武志,荒島真一郎. 南北海道に住む児童・生徒にお. ける成長の季節変動, 学校保健研究,. .お わ り に. ,. )貝塚優子・大和田ゆかり・西川武志・荒島真一郎・. 道東地方の小学生. 人(男子. 人,女子. 人)の. 岡安多香子. 年以上にわたる毎月の肥満度を時系列解析して,次のよ. 札幌市小学生の身体組成・身長・体格指. 数 の 季 節 変 動 パ ター ン 研 究 , 学 校 保 健 研 究 , ,. うな結果が得られた。. )小林正子,竹本秦一郎,田原靖昭,田川宣昌,東郷 肥満度の季節変動が有意だった児童の割合は で,道南地方( 市(. %. 正美 小学生の肥満は夏休みに始まる,民族衛生,. %)よりも有意者が少なく,札幌. %)よりも多い値であった。. , )荒居和子,小林正子,田中茂穂,東郷正美. 小学生. における体重の季節変動と肥満度との関係, 民族衛生, 肥満度の季節変動は春・冬に高く,夏・秋に低くな. ,. る季節変動をとり,これまで報告されている他地域と は異なったパターンを示した。これは体重が特異なパ ターンをとったのにある程度関連性があると考えられ. .謝. 辞. 本研究の測定に際しては該当小学校の養護教諭の先生. た。. を初め生徒・教官・保護者の方に,また測定値の入力・ 夏休みや冬休みの後に肥満群の肥満度季節変動月増. 解析に際しては白戸聡子さんを初め研究室の学生さん. 加量が非肥満群より有意に増加していた事より,長期. に,多大な協力を得ました。この場をお借りして感謝し. 休みの不規則な生活等が肥満化に悪影響を与える事が. ます。. 推察された。 今回の小学生. 人の児童の肥満度変化を個別に時系. 列解析した結果は,肥満の早期発見法や発育の基礎的な データとしても大変意義深いと考えられる。現場の養護 教諭の協力の元に,その結果を児童・生徒とその親およ び教師にフィードバックし,児童・生徒を健やかに育て る教育と発育の基本的相互関係を深めて,無理のない肥 満対策とに役立てたい。今後も研究を継続し,例数や測 定項目を増やしたり,具体的な健康教育の施策も検討す る考えである。.

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参照

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