成人を対象とする新しいメタ認知尺度の開発
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第59巻 第1号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.59,No.1. 平成20年8月 August,2008. 成人を対象とする新しいメタ認知尺度の開発1 吉野 巌・懸田 孝一*・宮崎 拓弥*・浅村 亮彦**. 北海道教育大学札幌枚教育心理学第1研究室 *北海道教育大学旭川枚教育心理学研究室 **北海学園大学経営学部. DevelopmentofNewMetacognitionScaleforJapaneseAdults YOSHINOIwao,KAKETAKoichi*,MIYAZAKITakuya*andASAMURAAkihiko** DepartmentofEducationalPsychology,SapporoCampus,HokkaidoUniversityofEducation. *DepartmentofEducationalPsychology,AsahikawaCampus,HokkaidoUniversityofEducation ** FacultyofBusinessAdministration,Hokkai−gakuenUniversity. 要 旨 懸田・宮崎・吉野・浅村(2007)は,自己評定型の質問紙による「より一般的な」メタ認知尺度の開発を 試みた。しかし,この尺度は,説明率や信頼性係数がそれほど高くない,既存のメタ認知尺度との相関も高 くない,などの問題点があった。本研究では,このメタ認知尺度の表現・回答形式と質問内容を改訂し,よ り妥当性の高い尺度構成を試みた。410名の大学生を対象に,メタ認知の知識的側面に関する項目(23間) と活動的側面に関する項目(24間)の計47聞からなる質問紙調査を行い,側面ごとに因子分析を行なった。 知識的側面については「自分の能力に関する知識」,「学習場面での課題に関する知識」,「課題解決の方略に. 関する知識」,「日常場面での課題に関する知識」の4因子が抽出された。これら4因子は,懸田ら(2007) の3因子とは異なっていたが,先行研究で指摘されている下位要素(人に関する知識,課題に関する知識, 方略に関する知識)とほぼ一致しており,妥当性は高いと考えられた。活動的側面については「モニタリン グ(気づき感覚・予想)」,「コントロール(目標・計画)」,「反省的モニタリング」の3因子が抽出された。. これら3因子は,懸田ら(2007)とほとんど同じであり,先行研究で指摘されている下位要素(モニタリン グ,コントロール)ともほぼ一致していた。このように,本研究では妥当性・信頼性の高い尺度を構成でき たと考えられる。. メタ認知(metacognition)とは,自分自身の. である。一般に,メタ認知能力は小学校高学年頃. 認知活動の状態や特徴を認知・統制するシステム. から発達すると考えられており,メタ認知を有効. 1本研究の一部は北海道心理学会第49回大会(2007年)において発表した。. 265.
(3) 吉野 巌・腰田 孝一・宮崎 拓弥・浅村 亮彦. に働かせられる人は問題解決や学習を効率的に遂. 質問紙が開発されてきている(例えば,Schraw. 行できることが示唆されている(Swanson,1990. &Dennison,1994;佐藤・新井,1998)。この方. ;岡本,1992)。メタ認知は知識的な側面(メタ. 法は,短時間で多量のデータを測定・分析できる. 認知知識)と活動的な側面(メタ認知活動,メタ. 一方で,その得点が実際の問題解決遂行中の行動. 認知技能,メタ認知統制などと呼ばれる)からな. データとなかなか一致しないこと(Veenmanet. ると考えられることが多い(丸野,2007;. al.,2006),メタ認知(特にモニタリング)能力. Schraw&Moshman,1995;Veenmanetal.,. の低い参加者の自己評定データは正確性に疑問が. 2006)。また,各側面がいくつかの下位要素から. 生じること,などの欠点も指摘されている。また,. 構成され,多面的であるとも考えられているが,. これらの質問紙の多くは主に学習場面でのメタ認. それらのメタ認知知識やメタ認知活動がさらにど. 知知識やメタ認知活動を問うものである。しかし. のような下位要素からなるかということについて. ながら,メタ認知は学習場面だけではなく,広く. は,研究者間で様々な考え方がある。これら,メ. 問題解決場面で必要となると考えられる。した. タ認知の定義,構成要素,問題解決に与える影響. がって,より一般的な場面でのメタ認知能力が測. などについては,懸田・宮崎・吉野・浅村(2007). 定されるべきである。. に詳しくまとめているので参照してほしい。. メタ認知能力は個人差が大きく,また認知活動. そこで我々(懸田・宮崎・吉野・浅村,2007;. 吉野・浅村・懸田・宮崎,2006)は,インタ. の領域によって機能のしやすさが変わってくると. ビュー・自由記述型の方法や自己評定質問型の調. いう特徴がある(懸田ら,2007)。すなわち,メ. 査方法の長所と短所を考慮しつつ,自己評定型の. タ認知能力の個人差あるいは特定領域でのメタ認. 質問紙による「より一般的な」メタ認知尺度の開. 知機能の寄与の違いによって学習や問題解決の効. 発を試みた。この研究で,メタ認知能力の測定の. 率性に差異が生じる可能性が考えられる。メタ認. 対象は成人とすることとした。教育的応用のこと. 知能力の高い人が学習や問題解決をどのように. を考えると,子どもを対象とするメタ認知尺度の. 行っているのかを系統的に記述することができれ. 開発がより望まれるだろう。しかしながら,上述. ば,教授学習場面において,メタ認知能力の低い. のようにメタ認知能力は小学校高学年から発達す. 人に対してもメタ認知的気づきのある適切な指導. ると考えられるため,こうした年代のメタ認知能. をすることが可能となる。したがって,メタ認知. 力を安定的に測定するのは簡単ではない。また,. 能力の個人差を正確に評価する手法を開発するこ. メタ認知能力(モニタリング能力)が低い子ども. とが急務の課題であるといえる。. の質問紙への回答は,特にこうしたメタ認知に関. メタ認知能力を測定する代表的な方法には,課. する質問項目の場合,その信頼性が高いとは考え. 題解決中や解決後にインタビューを行い,その回. にくい。このような理由から,発達の観点からす. 答内容を“メタ認知的気づき’’の程度によって得. ると安定していると考えられる成人を対象とした. 点化するものがある(例えば,岡本,1992)。こ. 尺度をまず作成することとした。. の方法は,日常的・現実的な文脈の中でメタ認知. 質問項目の収集にあたっては,メタ認知の多面. 知識を測定できる一方で,データの採取・分析な. 性を考慮し,様々な問題解決状況でのメタ認知知. どに時間も労力もかかりすぎて使いにくいこと,. 識及びメタ認知活動の側面を網羅するようなもの. コーディングや得点化を客観的に行うのが難しい. とした。具体的には,三宮(1996)のメタ認知の. こと(信頼性の問題),メタ認知の一部の要素(特. 分類に基づき,知識的側面についての質問項目と. にメタ認知知識)しか測定していないこと,など. しては「人に関する知識」6項目,「課題に関す. の問題点がある。一方,別の方法として,自分自. る知識」7項目,「方略に関する知識」7項目の. 身のメタ認知知識やメタ認知活動を自己評価する. 計20項目,活動的側面としては「モニタリング_・. 266.
(4) 成人を対象とする新しいメタ認知尺度の開発. に関する10項目と「コントロール」に関する10項. 度」(活動的側面に対応する)の4尺度間すべて. 目の計20項目を収集した。各質問項目に対して5. の組み合わせで相関係数を算出したところ,活動. 件法での評定を464名の大学生に行ってもらい,. 的側面の尺度間では比較的高い正の相関が認めら. メタ認知の2つの側面それぞれについて因子分析. れた(γ=.388)が,知識的側面の尺度間ではほ. により尺度構成を試みた(主因子法,バリマック. とんど相関が見られなかった(γ=.141)。. ス回転)。その結果,それぞれ3つの因子が抽出. 以上のように,懸田ら(2007)のメタ認知尺度. されたが,説明率や信頼性係数はそれほど高くは. は,説明率や信頼性係数がそれほど高くないこと,. なかった。知識的側面の質問項目については,「効. 既存のメタ認知尺度との相関も高くないことか. 率的学習に関する知識」2項目(α=.67),「課. ら,いくつかの問題があると考えられた。第1は,. 題解決時の慎重さ」5項目(α=.49),「合理的. 質問の表現に関する点である。知識的側面に関す. 判断に関する知識」3項目(α=.34)の3因子. る質問項目では,知識がないのにその場で望まし. が抽出され(全体の説明率は23.55%),尺度とし. い回答を選択してしまう可能性をできるだけ排除. て計10項目が選定された。活動的側面の質問項目. するため,2つの異なる考えや意見を選択肢とし. については,「点検と修正」2項目(α=.42),「目. て用意し(架空の登場人物2者に異なる意見を言. 標と計画の設定」3項目(α=.39),「現時点で. わせ),自分自身の考えがそのどちらに近いかを. の状況理解」3項目(α=.40)の3因子が抽出. 問う形式としていた。しかし,この方法は設問内. され(全体の説明率は28.05%),尺度として計8. 容によっては問題解決的な推論を要求することに. 項目が選定された。知識的側面については,三宮. なってしまうなど直接的な自己評価ではなく,メ. (1996)の分類のような因子構造は得られず,ど. タ認知的知識としての回答の正確さに疑問が残っ. ちらかというと問題の領域や問題設定の状況ごと. た。このように間接的にメタ認知的知識を測定す. にメタ認知的な知識が構成されていることを示唆. るのではなく,ある特定のメタ認知知識を知って. するような結果であった。. いるかどうか,その程度を単純に評定させた方が. 我々(吉野・浅村・懸田・宮崎,2007)はさら に,この尺度の安当性を検証する1つの手段とし. よいのかもしれない。 第2に,知識的側面に関する質問項目,特に「人. て,既存のメタ認知質問紙(Schrawら,1994). に関する知識」の項目があまり適切でなかった可. との関連性を調べた。Schrawら(1994)の質問. 能性があることである。三宮(1996)によると,「人. 紙は,18の知識的側面に関する項目(宣言的知識. に関する知識」とは,自分の認知能力(得意・不. 8間,手続き的知識4間,条件つき知識6間)と,. 得意)に関する知識や自分を含めた人間一般の認. 34の制御(活動)的側面に関する項目(プランニ. 知の特性や傾向に関する知識であり,「個人内の. ング7間,情報管理方略9間,モニタリング7間,. 変動についての知識」(例.私は話すのは得意だが,. 修正方略5間,評価6間)からなっており,質問. 聞くのは苦手だ),「個人間の比較に基づく知識」. 項目が多く多岐にわたっていることから,メタ認. (例.AさんはBさんより論理的に話す),「一般. 知の多面性が反映されていると考えられる。これ. 的な人の認知についての知識」(例.一度に多く. らを全て日本語訳し(deCarvalhoFilho・楠見. のことを口頭で伝えても記憶に残らない)からな. (2006)の認識論的メタ認知尺度を参考にし,一. るという。懸出ら(2007)のメタ認知質問紙の「人. 部はそのまま用いた),懸田ら(2007)のメタ認. に関する知識」項目では,三宮の上記の分類に基. 知質問紙42項目とあわせて,87名の大学生に回答. づき,「個人内」に関する項目,「個人間」に関す. させた。懸田ら(2007)に含まれる「知識的側面. る項目,「一般的な人」に関する項目を2間ずつ. 尺度」と「活動的側面尺度」,並びにSchrawら. 用意していた。前述の質問表現に関わる問題点と. (1994)の「知識的側面尺度」と「制御的側面尺. も絡んでくるが,本質間紙では回答の信頼性を高. 267.
(5) 吉野 巌・腰田 孝一・宮崎 拓弥・浅村 亮彦. めるため,1人もしくは複数の架空の登場人物の. 人内変動に関する知識」4項目)および新規収集. 能力について客観的に問う内容としていた。しか. 項目(「一般的な人に関する知識」4項目)を,「課. しこの形式・内容だと,「個人内」と「個人間」. 題性質の影響」および「方略の有効性」に関する. に関する質問項目は,それらの本来の意味,すな. ものについては懸田ら(2007)の項目および新規. わち,自分自身の能力についての知識もしくは自. 収集項目を設定し,既存の尺度を利用した場合に. 分と他人の能力を比較した上での知識,を測定し. は,原則として表現をより具体的かつ理解しやす. ているわけではない。「個人内」の知識については,. いように変更することとした。さらに,懸田ら. Schrawら(1994)の質問紙のように,自分の各. (2007)では対立する二者の意見のどちらに近い. 種能力や得意不得意についてどの程度知っている. かを評価する表現であったのに対して,本研究で. かを単純に聞いた方がよいのかもしれない。また,. は示された状態に自身がどの程度近いかを評価す. 「個人間」の知識については,そもそもこうした. る表現に変更した。たとえば,知識10の表現は,. 質問紙で答えさせることに無理があり,より複雑. 懸田ら(2007)では「会話で議論する場合とメー. な問題状況を設定して回答させるかインタビュー. ルで議論する場合について,吉田君はメールの場. などで実際の知識を回答させるような工夫が必要. 合,書き手の意図や細かいニュアンスが伝わらな. だろう。. い可能性があると言っているのに対して,井上君. 第3の問題点は,質問内容の意図が必ずしも正. はどちらも大差ないと言っている。あなたの考え. 確に回答者に伝わっていなかった可能性があると. 方はどちらの意見に近いでしょうか」となってい. いうことである。いくつかの質問項目に関して,. るが,本研究では,「メールで議論する時,会話. 得られた因子に対して負の負荷量を示すものが. で議論する時に比べて,必ずしも書き手の意図や. あった。これは,実験者が想定した回答の選択肢. 細かいニュアンスが正確に伝わらない可能性があ. (メタ認知知識をもっているもしくはメタ認知活. ることを知っている」と変更し,評価法もそれに. 動を活発に行っていると考えられる選択肢)とは. 自身がどの程度近いかを判断する形式に変更し. 逆の方向に評定をするとその因子のメタ認知得点. た。このようにして項目を整理したところ,知識. も高くなることを意味しており,メタ認知の質問. 面に関する項目は23となった(表1参照)。なお,. 項目として妥当であるとはいえない。設定した問. 「人に関する知識」の「個人間の比較に基づく知. 題状況が複雑すぎたか身近ではなかったために,. 識」に関する質問項目は,作成に無理があると考. うまく回答できなかったと考えられる。. えられたことから今回は含めないこととした。. 本研究では,これらの問題を解決するため,懸. 活動的側面に関する項目としては,「モニタリ. 田ら(2007)の質問紙の表現・回答形式と質問内. ング」に関するものについては懸田ら(2007)の. 容を改訂し,より妥当性の高い尺度構成を試みる。. 項目を利用し,「コントロール」に関するものに ついては懸田ら(2007)の項目および新規収集項 目を設定し,既存の尺度を利用した場合には,原. 方 法 参加者 北海道教育大学,北海学園大学,藤女子大学,. 則として表現をより具体的かつ理解しやすいよう. に変更することとした。たとえば,活動3の表現 は,懸出ら(2007)では「問題集の問題を解いて. および札幌大谷短大の学生410名(男107名,女298. いて解くことができない難しい問題に出くわした. 名,不明5名)であった。. とき,あなたの感覚は次のAとBのどちらに近い. 項目収集および整理. でしょうか。A:その間題がなぜ難しいのかにつ. 知識的側面に関する項目として,「人に関する 知識」についてはSchrawら(1994)の項目(「個. 268. いてたいていの場合わからない。B:その問題が なぜ難しいのかについてたいていの場合分かる」.
(6) 成人を対象とする新しいメタ認知尺度の開発. となっているが,本研究では,「問題集の問題を. 結 果. 解いていて解くことができない難しい問題に出く. わしたとき,その間題がなぜ難しいのかについて. 不備があった回答を分析から除外したところ,. 分かる」と変更し,評価法もそれに自身がどの程. 分析対象となったのは知識的側面では402名,活. 度近いかを判断する形式に変更した。このように. 動的側面では398名であった。これらの結果から. して項目を整理したところ,活動面に関する項目. 主たる尺度項目を選定するために,知識的側面お. は24となった(表2参照)。. よび活動的側面ごとに因子分析を行った。. このデータを元に,知識的側面および活動的側. 手続き. 面に関する全43項目について,平均値および標準. 参加者は集団で調査に参加した。参加者は,収. 集された質問項目の内容に自分がどの程度あては. 偏差を算出した(表1および表2参照)。平均値. まるかについて5件法により自己評定を行った。. が4.0を超える,もしくは2.0を下回った項目は,. まず活動的側面に関する20項目について評定し,. 知識的側面に関する項目では8項目,活動的側面. その後,知識的側面に関する23項目について評定. に関する項目では3項目であった。これらの結果. した。. から主たる尺度項目を選定するために,知識的側 面および活動的側面ごとに因子分析を行った。. 表1 知識的側面に関する質問項目,その平均評定値と標準偏差 領域 細目. 項. 平均値. 目. 4. 私は,学業に関して,自分の得意不得意を知っている。. 1. 5. 2. 3. 1. 4. 1. 2. 1. 0 2. 1. 2. 1. 4 9 3. 4. 1. 0. 知識23. 4.59. 1. 知識22. 1. 82. 知識21. 3. 知識20. 3.29. 2. 4. 知識19. 0 1. 386214. 2. 知識18. 試験直前の対策として市販の問題集を使って勉強する時,問題を順番通りにやっていくと,解くのに必 要な公式や知識がだいたい推測できてしまうので,でたらめに並べ替えてから解いていった方がいいこ とを知っている。 数学の宿題をしていて解き方が分からない問題が出てきた時は,以前の記憶から類似した問題の解き方 方略 を探し,その方法で解いてみればいい,ということを知っている。 入学試験など,時間に制限がある重要なテストを受ける時は,自分が解けると思う問題から解いていく カ‘略 方がいいということを知っている。 社会科の勉強で重要な用語を十分によく理解するためには,その用語をいろいろな事柄と関連づけて覚 方略 えた方がいいということを知っている。 方略 面接を受ける時は,想定問答を準備しておいた方がいいということを知っている。 どこかに行く時,記憶に残っている道順でも念のため地図などで道順を確認する方がよいことを知って 方略 いる。 大学祭の運営費などのような,会計に関する打 合せをする時は,メモを取らずに議論に集中した方がよ 方略 いということを知っている。. 方略. 1. 3. 知識9 課題. 知識17. 0.96 O. 3. しY. 私は,勉強する時,自分にとってどんなことが最も重要か分かっている。 私は,自分の記憶力がどの程度なのかを分かっている。 私は,自分の理解力がどの程度なのかを分かっている。 人は一般的に,他人の成功を運のせいにしてしまいやすいということを知っている。 人は一般的に,弱みをつかれると勧誘に応じてしまいやすいということを知っている。 人は一般的に,小さな要求を受け入れるとだんだん大きな要求を受け入れてしまいやすくなると 知識7 一般人 とを知っている。 人は一般的に,自分だけのチャンス,あるいは,今だけのチャンスと思うと得をしたような気になると 知識8 一般人 いうことを知っている。 ワープロなどで文書や資料を作成する時,手書きの時に比べて誤字脱字が多くなりやすいことを知って いる。 メールで議論する時,会話で議論する時に比べて,必ずしも書き手の意図や細かいニュアンスが正確に 知識10 課題 伝わらない可能性があることを知っている。 知識11 課題 直前に携帯電話をかけた人にもう一度電話する時,発信履歴の画面を確認しないでかけると間違い電話 をする可能性が高くなることを知っている。 知識12 課題 何か新しいことを学ぷ時,事前に関連する事柄について知っておくと,学んだ内容を忘れにくいことを 知っている。 知識13 課題 ホームページに料理のレシピが載っている番組では,メモを取らずに講師の話に集中できるという利点 があることを知っている。 知識14 課題 グループで討論する時,仕切り役が複数いると意見がまとまりにくいことを知っている。 知識15 課題 スポーツの練習をする時,同じ時間練習するならば,休憩を入れない場合よりも休憩を入れた場合の方 が,上達が早いということを知っている。 インターネットを使っで情報を調べる時,それが正確かどうか確認するために図書館で本を調べればよ 知識16 謂蒜 方略 いということを知っている。. 04廻. 3. 個人内 個人内 個人内 一般人 一般人. こ ゝハノ. 知識2 知識3 知識4 知識5 知識6. 問. 35. 知識1ノ霊個人内. 質. 0.78. 3.32 1.52 3.77 1.25 2.94 1.38 4.26 1.01 3.71 1.39 3.11 1.32. 2.35 1.29. 3.77 1.27 4.72. 0.67. 4.19 1.14 4.59 0.85 3.44 1.32 4.10. 0.97. 269.
(7) 吉野 巌・腰田 孝一・宮崎 拓弥・浅村 亮彦. 知識的側面の項目について,主因子法,プロマッ. 3参照)。因子1は自身の能力に関する項目がほ. クス回転による因子分析を行った。最初9因子ま. とんどであるため「自分の能力に関する知識」,. で抽出されたが,因子負荷量の絶対値が3.1未満. 因子2は主に学習場面で有効な知識に関する項目. の項目を除外し,因子の解釈可能性を考慮して再. であるため「学習場面での課題に関する知識」,. 度分析を行ったところ,4因子が抽出された(表. 因子3は課題解決に有効な方略に関する項目であ. 表2 活動的側面に関する質問項目,その平均評定値と標準偏差. 雲量 領域 細目. 質. 平均値慧芸. 目. 項. 問. 8. 3. 0. 9. 0. 0. 1. 8. 1. 1. 1. 1 0. 1. 8 0. 1. 0. 0. 5. 1. 2 3 3. 1. 2. 5. l. 3. 3. 1. 1.28. 3.68. 2. 1. 7. 3.71. 2. 1. 7. 5. 3. 6. 1 3. 6. 2. 7. 1. 2. 1. 6. 3. 7. 3. 7. 3. 8. 2. 7 2. 1. 6. 1. 3. 0. 6. 1 1. 5. 3. 9. 1. 修正. 4. 活動20. 一hJ. 修正. 9. 活動19. 3. 修正. 4. 活動18. 2. 活動17. 計画 計画 計画. 4. 計画. 2. 活動14. 7. 目標. 2. 活動13. 8. 目標. 2. 活動12. 活動16. 2. 反省. 仲間うちで話をしていて,2つの異なった意見を比べる時,長所だけ(もしくは短所だけ)で比較す る。 何かに失敗した時,次に同じ失敗を繰り返さないようにするために,失敗の原因を考えるようにして いる。 何かに成功した時,次も成功しようとするために成功した理由を考えるようにしている。 かなり手間のかかる課題が課された時,課題全体を仕上げるまでの過程を10とし,それを1、2、3 ‥10と区切るように,課題全体を小さく分割している。 テスト勉強をする時,勉強を始める前に,今日はここまでできればよいというように,どこまでやる かについての具体的な目標を立てている。 楽器やスポーツのように,たくさんの練習が必要な時,練習をする前に,自分の目標となるイメージ を作り,それに近づけるように練習している。 他の人に読んでもらう文章を書く時,書き始める前に話の全体的な流れを考え,何を書くか計画を立 てている。 数学や理科の問題を解く時,解く前に正解できる見通しをもってから解くようにしている。 どこかの場所へ行く時,次に曲がるところにある目印を意識するようにしている。 料理を作る時,次の段取りを意識しながら調理するようにしている。 最初は成績が伸びていたが,その後成績が思ったほど伸びなくなった時,これまでとは違う勉強方法 を考える。 調べたことをみんなの前で発表していて時間が不足した時,時間内に終えられるようにアピールした い点だけに絞って話す。 あることについてインターネットで検索をしていて,ヒットした項目をいろいろ見てはみたが十分な情報 が得られなかった時,別の方法を取るよりもそのまま他のヒット項目の情報をさらに丹念に調べていく。. 活動11呂三 目標. 0. 活動10. 5. 反省. 活動15. 2. 活動9. 3. 点検評価. 8. 2. 活動8. 2. 活動4 活動5 活動6 活動7. 問題集の問題を解いていて,解くことができない難しい問題に出くわした時,その間題がなぜ難しい. 2. 気づき感覚 のかについて分かる。 予想 テストを受けた時,実際の点数を正確に予想できる。 何かについて調べて文章にまとめる時,実際に完成までにかかる時間を正確に予想できる。 予想 点検評価 初めて学ぶ科目の教科書を読む時,一度理解したところでも止しく理解できたかチェックする。 点検評価 テスト結果を受け取った時,結果の良し悪しを自分なりの基準で判断できる。. 3. 活動3. 0. 気づき感覚 学枚の講義を受ける時,自分はどこが分かっていて,どこが分かっていないか気づく。. 2. 4. 気づき感覚 期末試験などのテストを受ける時,簡単な問題と難しい問題の区別がつく。. 活動2. 0. 活動1吉;募. 表3 知識的側面に関する項目の因子分析結果 項目番号. 項. 目. 因子1. 因子2. 因子3. 因子4 1 2. 0. 5 1. 0. 3 6. 4 2 2. 0. 知識19 方略・テスト問題を解く順番. 5. 0. 知識15 課題・スポーツの練習. 8. 0. 知識16 方略・情報の調べ方. 9. 0. 知識12 課題・既有知識の重要さ. 0. 0. 0. 知識1 人・個人内・得意不得意. 8. 0. 知識3 人・個人内・記憶力. 仁U. 0. 知識4 人・個人内・理解力. 知識21 方略・面接準備 知識13 課題・料理番組の見方 1.03 3.06. 0.65. 0.51. 0.51. 0.38. 2. 270. 1.26 6.73. 9 4. 因子負荷量中の枠は尺度として選定した項目を示す。. 1.41 8.03. 3. α係数(選定項目のみで計算,選定項目全体で0.60). 2.26 16.65. 5 4. 固有値 説明率(%). 1 5 5 2仁U 2. 知識11 課題・携帯電話のリダイアル.
(8) 成人を対象とする新しいメタ認知尺度の開発. るため「課題解決の方略に関する知識」,そして. 目を選定したところ,全体として10項目が選定さ. 因子4は日常的な課題解決に有効な知識に関する. れた。選定した項目についてクロンバックの信頼. 項目であるため「日常場面での課題に関する知識」. 性係数を算出したところ,因子1の選定項目では. (因子4)と解釈された。説明率は因子1で. 0.56,因子2の選定項目では0.49,そして因子3. 16.65%,因子2で8.03%,因子3で6.73%,全. の選定項目では0.54であった。. 体で34.46%であった。それぞれの因子に対して 因子負荷量の絶対値が0.3以上の項目を選定した 考 察. ところ,全体として10項目が選定された。選定し. た項目についてクロンバックの信頼性係数を算出. 因子分析の結果,知識的側面は4因子,活動的. したところ,因子1の選定項目では0.65,因子2. 側面は3因子からなることが明らかとなった。知. の選定項目では0.51,因子3の選定項目では0.51,. 識的側面は「自分の能力に関する知識」,「学習場. そして因子4の選定項目では0.38であった。. 面における課題に関する知識」,「課題解決の方略. 活動的側面の項目についても,主因子法,プロ. に関する知識」,「日常場面における課題に関する. マックス回転による因子分析を行った。最初9因. 知識」であり,それぞれの信頼性係数は.65,.51,. 子まで抽出されたが,因子負荷量の絶対値が3.1. .51,.38であった。また,説明率は34.46%であっ. 未満の項目を除外し,因子の解釈可能性を考慮し. た。活動的側面は「モニタリング(気づき感覚・. て再度分析を行ったところ,3因子が抽出された. 予想)」,「コントロール(目標・計画)」,「反省的. (表4参照)。因子1は気づき感覚や予想に関す. モニタリング」であり,それぞれの信頼性係数は. る項目であるため「モニタリング(気づき感覚・. .56,.49,.54であった。また,説明率は28.26%. 予想)」,因子2は目標設定や計画に関する項目で. であった。. 他方で,懸田ら(2007)では,知識的側面およ. あるため「コントロール(目標・計画)」,そして. 因子3は振り返りなどの活動に関する項目である. び活動的側面ともに3因子からなる因子構造が示. ため「反省的モニタリング」と解釈された。説明. されていた。知識的側面は「効率的学習方法の知. 率は因子1で16.75%,因子2で6.41%,因子3. 識」,「課題解決の慎重さ」,「合理的判断の知識」. で5.10%,全体で28.26%であった。それぞれの. であり,それぞれの信頼性係数は.67,.49,.34. 因子に対して因子負荷量の絶対値が0.4以上の項. であった。また,説明率は23.55%であった。括. 表4 活動的側面に関する項目の因子分析結果 項目番号. 項. 因子1. 目. 因子3. 3 2 2 3 3 6. 0. 2. 2. 2. 2. 2. 8. 2. 活動14 コントロール・計画・文章作成の計画 0.01. 0.00. 活動9 モニタリング・反省的モニタリング・失敗の理由. 0.02. 0.01. 0.49. 0.54. ︵XU. 0.56. 仁8 U. 5.10. 2. 1.17. 1 5. 1.25 6.41. 2. α係数(選定項目のみで計算,選定項目全体で0.61). 2.23 16.75. 8. 固有値 説明率(%). 仁U. 活動10 モニタリング・反省的モニタリング・成功の理由. 因子負荷量中の枠は尺度として選定した項目を示す。. 9. 活動17 コントロール・計画・料理の段取り. 4. 活動12 コントロール・目標・目標の設定. 0. 0.09. 0. 0.07. 0. 0.04. 0. −0.09. 活動2 モニタリング・気づき感覚・講義の理解. −0.05. 0. 活動4 モニタリング・予想・点数の予想. −0.05. 0. 0.13. 0. 活動1 モニタリング・気づき感覚・問題の難易度の区別. 0. −0.05. 0. 活動3 モニタリング・気づき感覚・問題の難しさの理由. 因子2. 271.
(9) 吉野 巌・腰田 孝一・宮崎 拓弥・浅村 亮彦. 動的側面は「点検と修正」,「目標と計画の設定」,. 「現時点での状況理解」であり,それぞれの信頼. しれない。この結果は同時に,学習場面でのメタ. 認知知識と日常場面でのメタ認知知識はある程度. 性係数は.42,.39,.40であった。また,説明率. 独立であることをも示唆している。すなわち,学. は28.05%であった。. 習課題に関するメタ認知知識は学習に関する諸領. 本研究の因子分析の結果は,知識的側面では,. 域間ではある程度転移・応用が可能である一方. 懸田ら(2007)で得られた3因子とは大きく異なっ. で,日常的な問題状況へは転移・応用が難しいと. ており,「自分の能力に関する知識」,「学習場面. 考えられる。逆に,日常的な問題に関するメタ認. における課題に関する知識」,「課題解決の方略に. 知知識は他の日常的問題へと転移・応用が可能で. 関する知識」及び「日常場面における課題に関す. ある一方で,学習状況へは転移・応用が難しいと. る知識」であった。先行研究では,メタ認知知識. 考えられる。ただし,第4因子「日常場面におけ. が人に関する知識,課題に関する知識,方略に関. る課題に関する知識」は,構成する質問項目が「携. する知識という下位要素からなると考えられるこ. 帯電話の操作」と「料理番組の見方」の2種しか. とが多く,本研究で得られた第1因子が人に関す. ないこと,信頼性係数や説明率が高いとはいえな. る知識と対応し,第3因子が方略に関する知識と. いことを考えると,上述のような可能性はある程. 対応し,第2因子及び第4因子が課題に関する知. 度限定的にとらえておくべきであろう。. 識と対応すると考えられる。このように,本研究. で得られた因子構造は,これまでの先行研究で仮 定された下位要素と一致しているといえる。さら に,懸田らと比較して,説明率及び信頼性係数も. 活動的側面については,本研究の結果は懸田ら (2007)とほとんど同じ結果であり,三宮(1996) の分類とも類似していると考えられる。つまり, 「モニタ リング(気づき感覚・予想)」がモニタ. 高かった。一方,活動的側面については,先行研. リングに,「コントロール(目標・計画)」がコン. 究(例えば,Hofer,2004;三宮,1996;. トロールにそれぞれ対応する。本研究ではそれら. Schraw&Dennison,1994;Schraw&Mosh−. に加えて,コントロールとモニタリングのプロセ. man,1995)との類似性が高いことに加え,懸田. スを橋渡しするプロセスととらえることができる. らで得られた3因子のうち2因子はほぼ同じであ. 「反省的モニタリング」の因子も抽出することが. り,信頼性係数も若干高くなった。したがって,. できた。メタ認知が働く日常場面ではコントロー. 知識的側面及び活動的側面とも懸田らと比較して. ルとモニタリングが適宜交代して行われながら認. より信頼性の高い尺度を構成できたと考えられ. 知活動が進んでいくと想定される。例えば,算数. る。. の問題を解く場面では,問題を解いている過程で. 知識的側面については,特に課題に関する知識. 解き方が正しいかを点検(モニタリング)し,も. に関して,学習場面と日常場面という2種類の状. し間違いに気づいた場合には直ちに修正(コント. 況における知識の存在が示された。従来のメタ認. ロール)する。そして,これらのプロセスが繰り. 知尺度研究では,メタ認知知識に関する質問項目. 返される。これには,コントロールとモニタリン. は学習場面における知識が多く想定されていた。. グを橋渡しするプロセスが必要である。すなわち,. 本研究の結果は,人がより広範囲なメタ認知知識. 問題解決に成功したり失敗したりという経験をふ. をもっていることを示唆している。問題の領域や. り返ってモニタリングし(反省的モニタリング),. 問題設定の状況ごとにメタ認知的な知識が構成さ. どのような問題状況でどのような方略が有効で. れているものと推測される。このことは,懸田ら. あったか(なかったか)をメタ認知的知識として. でも指摘されていることであり,メタ認知が働く. 記憶することによって,次に同種の問題を解く時. 日常場面では,問題の領域や問題設定の状況に依. にプランニングの段階で適切な方略を選択するこ. 存して,様々なメタ認知知識が使用されるのかも. とが可能になるのである。従来の研究ではコント. 272.
(10) 成人を対象とする新しいメタ認知尺度の開発. ロールとモニタリングのプロセスは相互に関係す. 結びついていると考えられる(課題発見力とメタ. ることが暗に仮定されてはいたが,明示的にそれ. 認知との関連についてはButler(1998)に,批. らの関係を示してはいなかった。本研究の結果は. 判的思考とメタ認知との関連については田中・楠. 両プロセスの密接な関係を示唆するものといえる. 見(2007)で詳述されている)。これらの能力と. (懸田ら,2007)。. メタ認知能力との関係を実験的に検討し,メタ認. 本研究で構成された尺度は,懸田ら(2007)の. 知能力の高い人の課題発見や批判的思考の特徴を. ものよりも改善されたとはいえ,説明率や信頼性. 明らかにすることによって,メタ認知の促進によ. 係数は十分に高いものであったとは言えない。今. る効果的支援法を開発することができると期待さ. 後はこれらの尺度項目の検討を継続して行い,さ. れる。. らに精選することが必要であろう。また,今回選. さらに,メタ認知が影響を及ぼすのは直接的に. 定したメタ認知尺度の得点と他のメタ認知尺度の. は学習,思考,そして問題解決であると考えられ. 得点とを比較し,本尺度の妥当性を検討する必要. るが,これらの能力が間接的に関与する状況は非. がある(宮崎・浅村・懸田・吉野,準備中)。さ. 常に広いため,メタ認知能力の個人差あるいは機. らに,様々な認知課題のパフォーマンスと比較し,. 能しやすい状況を明らかにすることは,人の認知. 尺度の妥当性を検討することが求められる。例え. 活動全般の個人差を解明することや認知能力の向. ば,文章を理解し,そこで得られた知識に基づい. 上にも応用できる成果が期待できると考えられ. て問題を解決する課題を設定し,文章理解と問題. る。学習活動を含む様々な認知活動や教育活動へ. 解決の双方にメタ認知能力がどのように関与する. の支援に応用できる成果が期待できるだけではな. かを明らかにすることなどが考えられる。. く,認知活動に関する全体的理解が進展する。そ. 最後に,本研究で開発したメタ認知尺度の意義. して,大学生に求められる学習能力とメタ認知能. について述べておく。序でも述べたように,メタ. 力との関係が解明されることによって,求められ. 認知能力は個人差が大きく,メタ認知を有効に働. る学習能力の評価及び支援への応用も期待できる. かせられる人は問題解決や学習を効率的に遂行で. であろう。. きると考えられている。このメタ認知尺度によっ てメタ認知能力の高い人を抽出し,彼らの学習や 引用文献. 問題解決の特徴について系統的に記述することが できれば,教育実践において非常に有益であると 考えられる。例として,大学教育における応用研. 究の方向性について考えてみたい。現在の大学教. Butler,D.L.1998 A strategic contentlearning. approachtopromotingself−regulatedlearningby Studentswithlearningdisabilities.InD.H.Schunk andB.J.Zimmerman(Eds.),Se〃二regulaiedlearning:. 育の現場では,学生の特徴として,与えられた知. Fromteachingtose〃二rej7ectivepractice.NY:The. 識や技能の習得は得意である反面,自ら課題や問. GuilfordPress.pp.160−183.(シャンク,ジマーマン(編. 題を発見・設定し,その解決を計画し実行する能. 著),塚野州一(編訳)2007 自己調整学習の実践.. 力が不十分に感じられる。また,与えられた情報. 北大路書房,第8章). deCarvalhoFilho,M.K.・楠見孝 2006 日本人大学生. に対して批判的に考える姿勢に欠ける面が見られ. における認識論的メタ認知の構造.日本教育心理学会. る(追出,2001)。このような,自ら課題を発見. 第48回総会発表論文集,p.609.. し解決する能力(課題発見力)や情報を批判的に 捉え考える能力(批判的思考力)こそが大学生に. 求められる重要な能力であるといえるが,これら には自己の理解状況のモニタリングやプランニン. グが必須であるという点でメタ認知能力と密接に. Hofer,B.K.2004 Epistemologicalunderstandingasa. metacognitiveprocess:Thinkingaloudduringonline SearChing.Educationa1月げChologist,39,43−55. 懸田孝一・宮崎拓弥・吉野巌・浅村亮彦 2007 メタ認 知尺度開発のための予備的研究.北海道教育大学紀要 (教育科学編),58(l),279−293.. 273.
(11) 吉野 巌・腰田 孝一・宮崎 拓弥・浅村 亮彦 丸野俊一 2007 特集にあたって:「心の働きを司る『ヰ亥』 としてのメタ認知」研究一過去,現在,未来−.心 理学評論,50(3)(「メタ認知研究のその後の展開」特集 号),191−203.. 造田泰司 2001 日常的題材に対する大学生の批判的思 考一態度と能力の学年差と専攻差−.教育心理学研. 究,49,41−49. 岡本真彦1992 文章題の解決におけるメタ認知の検討. 教育心理学研究,40,81−88.. 宮崎拓弥・浅村亮彦・懸田孝一・吉野巌 準備中 メタ 認知能力質問紙作成の試み(4)一妥当性の検討−.日 本教育心理学会第50回総会発表論文集.. 三宮真知子1996 思考におけるメタ認知と注意.市川 伸一(編),認知心理学4 思考.東京大学出版会, pp.157−180.. 佐藤純・新井邦二郎1998 学習方略の使用と達成目標 及び原因帰属との関係.筑波大学心理学研究,20, 115124.. Schraw,G.,&Dennison,R.S.1994 Assessingmeta−. COgnitiveawareness.Contempora7TEducationa1 月汐Cゐ0わg)′,19,460−475.. Schraw,G.,&Moshman,D.1995 Metacognitive theories.Educationa1月町Cho10gyRevieu),7,351−371. Swanson,H.L.1990Influenceofmetacognitiveknow−. 1edgeandaptitudeonproblemsolving.Journalqf 且d〟C(7fわ〃α7月汐Cゐ0わg)′,82,306−314 田中優子・楠見孝 2007 批判的思考プロセスにおける メタ認知の役割.心理学評論,50(3)(「メタ認知研究の その後の展開」特集号),256−269.. Veenman,M.Ⅴ.J.,VanHout−Wolters,B.,&AfElerbach, P.2006 Metacognitionandlearning:COnCeptual. andmethodologicalconsiderations. ⊥β〟γ〃オ〃gl,3−14. 吉野巌・浅村亮彦・懸田孝一・宮崎拓弥 2006 メタ認 知能力質問紙作成の試み一項日収集と尺度構成−. 北海道心理学研究,p.60(北海道心理学会第53回大会 研究発表抄録).. 吉野巌・浅村亮彦・懸田孝一・宮崎拓弥 2007 メタ認 知能力質問紙作成の試み(2):Schraw&Dennison (1994)のメタ認知質問紙との比較.日本教育心理学 会第49回総会発表論文集,p.55.. (吉野 巌 札幌校准教授) (懸田 孝一 旭川校准教授) (宮崎 拓弥 旭川校准教授) (浅村 亮彦 北海学園大学教授).
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