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学内研究消息
講演会
平成4年10月28日(水)午後4時 視聴覚室 技術管理における知讃マップ 一 Knowledge Mapping in Technology Management 一 ミシガン技術大学教授 Prof. Karol I. Pelc ミシガン科学技術大学教授 カルロ・ペルツ氏の講演はこれまでの技術管理論 (Technology Management)と工業経営(Engineering Management)の種々の 研究分野の中でどのような関連があるかを「知識マップ」という考え方で整理し, 今後の技術管理論でどのような研究が必要になるかを示唆したものである。 (文責:黒川 晋) 平成4年11月30日(月)午後1時 大合併教室 変革戦略期における企業コミュニケーション日本IBMの場合
日本IBM株式会社 広報推進部長 亀田 登 氏
広報宣伝部副主任 沼 啓介 氏 世界的なエクセレント・カンパニーとして認められてきたIBMも組織の肥大化, ダウンサイジングへの対応の遅れなどから,企業変革を余儀なくされている。日本 IBMも,小回りのきく組織へのリストラクチャリングを進めていくなかで,企業コ ミュニケーションがこれまで以上に重要になっている。 特に減益という逆風下における社長交代,組織構造の改革という大きな動きによ る社内外の心理的動揺を健全化する,あるいはこれを好機として新しい風を吹き込 む機能を,出版会社ではないかといわれるほど多種多様な印刷媒体や綿密にデザイ ンされたVTRなどが効果的に実現している。 (文責:奥村哲史)142 彦根論叢第281号
平成4年11月30日(月)午後2時 陵水会館会議室 社会システムの考え方 関西学院大学 中野秀一郎 教授 中野秀一郎氏の報告で,社会システム論の基本的な諸概念の概括的な紹介が行な われた。氏は,「システムー機能分析」の基本的論点として,①何をシステムの単位 とするか②設定された部分=単位が,どういう関係をもつか③まとまりとしてのシ ステムがどういう性質をもつか,の三点をあげられ,こうした議論が,戦後の日本 社会の分析や,ポストモダン型議論とどうかかわりうるのかも検討された。これを 巡って,活発な議論が展開された。 (文責:鈴木正仁)学内研究消息 143
研究会
平成4年11月4日 (水)午後1時30分 情報処理センター会議室 ハンガリー国営企業の民営化と労使関係の現状 藤村博之 助教授 1992年秋,ハンガリーとクロアチア(旧ユーゴスラビア)において,旧社会主義 企業の民営化に関する調査を行った。今回の報告は,その時に収集した資料の一部 を整理分析したものである。 同じ社会主義企業とはいえ,ハンガリーとクロアチアでは民営化の基本方針に大 きな違いがある。ハンガリーが国家を最大株主として,とりあえず「株式会社」に 転換しているのに対して,クロアチアではできるだけ従業員が最大株主になるよう に株式の売却を進めている。両者の差は,クVアチアが労働者自主管理というソ連 型とは違う経済体制をとっていたことから出ていると思われる。 旧社会主義企業の民営化に当たって,両国の企業は余剰人員の削減に取り組んで いる。そこでとられている骨貝削減の方法は,わが国企業がとる雇用調整の方法に とてもよく似ていた。それらを列挙すると以下のようになる。①退職者のあとを補 辛しないという自然減,②早期年金化,③希望退職。クロアチアでは希望退職まで で対処できているようであるが,ハンガリーでは指名解雇が多数発生していた。 雇用調査において興味深い点は,希望退職を募集すると,経営陣として残ってほ しいと思うような優秀な人からやめていくことであった。わが国企業でも,希望退 職を募集する場合,優秀な人をいかに残すかが難しいといわれる。国境や体制を超 えて,共通した悩みが存在することに驚かされた。 平成4年12月2日(水)午後3時 情報処理センター会議室 管理会計における管理可能性原則の適用について一共通費の配賦を中心に一
頼 誠 助教授 管理会計では,理論と実務の“かい離”がしばしば指摘されている。その理由は, ①実務で観察されている事象が理論では認識されていないため,②実務上,理論で とりあげられている技法や理念が活用されていないため,であると考えられる。② の例として,例えば責任会計上,大前提とされてきた「管理可能性原則」がある。144 彦根論叢 第281号 けれども,管理会計実務ではこの原則が形骸化していると思われる証拠が散見され る。例えば「本社費・共通費の配賦」は,この「原則」によれば否定されるのであ るが,実務では配賦されていることが少なくない。 Merchantは,管理不能要因をタイプ別に分類し企業間で業績に管理不能要因の 効果を反映させることに関して差があること,およびその理由を指摘している。配 賦のベネフィットの方がコストよりも大きければ「配賦」が行われるという解釈は 他の研究者によっても行われている。 Merchantの研究は米国企業を対象としたものであったが,管理可能性原則を適 用しにくい理由は,組織構造・コントロール方法の相違にも求めることができよう。 Campbellや加護野氏の研究に基づき,日本企業がもっていると言われる特徴は管 理可能性原則に反する実務を解釈するためのヒントを与えてくれると私は考える。 最後に,共通費の配賦以外の管理会計技法への「原則」の適用を調査すること, さらに管理会計技法に影響する諸要因の関係を分析することを提案した。