Title
Impacts of Water Deficit on Growth and Yield of Soybean under
Different Soil Types( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
Shakil Uddin Ahmed
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 甲第530号
Issue Date
2010-03-15
Type
博士論文
Version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/33671
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏 名(本(国)籍) 主 指 導 教 員 名 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 ShakilUddinAhmed (バングラデシュ人民共和国) 岐阜大学 教授 千 家 正 照 博士(農学) 農博甲第530号 平成22年3月15日 学位規則第3条第1項該当 連合農学研究科 生物環境科学専攻 岐阜大学 ImpactsofWaterDeficitonGrowthandYield OfSoybeanunderDi飴rentSoilTypes (異なる土壌条件下における節水管理がダイズの生 育と収量に与える影響) 主査 岐阜大学 准教授 副査 岐阜大学 教 授 副査 静岡大学 教 授 副査 信州大学 教 授 一照 智 俊 眞 正 和 村 家 屋 川 西 千 土 星 論 文 の 内 容 の 要 旨 ダイズは,植物油としての利用とか飼料産業など,広く消費される経済的に重要な作物 である.また,ダイズは,農業生態系の観点から,広大な耕地面積を占める伝統的に非碓 漑(天水)作物であると言える.現在,干ばつは作物の生産立と品質を抑制して世界的に 深刻な間席となり,とくに最近の全地球的気候変化で,この状況はより重大になっている. 特に水や土地の資源が不足する国では,限られた水で食料を増産することが将来の重要な 挑戦となることが予想される.このような水利用効率の向上が望まれている背景から,「節 水准漑」への関心が高まっている.不十分な用水に対処するには,完全な作物水分要求(蒸 発散)より少ない水分供給を行う「節水潅漑」の方法が,確漑用水畳を抑制する目標を達成 する重要な手段となる.潅漑地域は土壌タイプの特徴によっても類型化され,その土壌タ イプによって,浸透,有効水分の保持,および排水特性がかなり異なる.土壌タイプが異 なると,作物の総容易有効水分量が変化し,それによって,干天時において作物に水分ス トレスが発生す争時期に影響する.この効果は,水収支計算に基づいて節水櫛漑スケジュ ーリングに組み込まれる. 上記の背景から,岐阜大学の研究圃場(北緯35027\東経136044■)のビニールハウス(側 面は大気に開放)内で,以下の目的で,一連のダイズ(Gケd細別瓜工肋rr明の栽培実験を実 施した. (1)3タイプの土壌について,様々な水分欠損レベルがダイズ収tに与える影響を評価す る. 、(2)3タイプの土壌について,水分ストレスがSPAD値に与える影響や,水分ストレスと
窒素含有量及びダイズの収量との関係について評価する. (3)ある土壌(lncepdsol)において,異なった成長ステージにおける水分ストレスが,根 /地上部重比,水利用効率(m),収穫効率(アE)に与える効果について評価する. (4)ある土壌(Inceptkol)において,異なった生育ステージにおける水分ストレスが,根 粒形成,葉内妻索の含有生や,収穫量に及ぼす効果について評価する. 上記(1)及び(2)の実験は2007年の6月から11月に岐阜大学のビニールハウスで実 験を行った・第一因子は土壌タイプの相違であり,Inceptisol(clayloam),Ultisol(sandyclay), Andisol(sandyloam)の3つの土壌型に分かれる.第二因子は土壌水分管理の方法であり, 圃場容水生からの土壌水分欠損レベル(D)によって処理した.すなわち,土壌水分欠損量 が総容易有効水分量の0∼25%Pl),25∼50%甲2),50∼75%p3),75∼100%p4)の4レべル の試験区を設けた. (1)の研究成果:ダイズの総消費水量は,3種類の土壌タイプとも土壌水分欠損レベルが 増加するにつれて減少し,同じ土壌水分欠損レベルでは,hcept血1の総消費水量が最大と なり,次いでUltisol,Andisolの頗に大きくなった.単位面積当たりの穀物収量も,同じ土 壌水分欠損レベルに対してhceptisolが最大となり,次いでUltisol,Andisolの順に大きい. 収穫効率(}苫:単位消費水量当たりの収穫量)は,土壌水分欠損レベルによって強く影響 され,その値は3種の土壌型とも玖レベルで最大となった.しかし,ア苫の最大値は3種の 土壌間で有意な差が見られなかった・収量反応係数(ち:消費水量減少量に対する収穫減少 量の比)は,土壌水分欠損豊が総容易有効水分量の50∼75%(βjレベル)以下の場合は, hceptisol衛0.42)で最小となり,次いでUltisol(ち芦0.64),Andisol(ち=0・87)の順に小さく なる.以上のことから,3種の土壌タイプの中で,土壌組成が最も細かいbceptkolにおけ る節水菰漑が経済的な水利用の観点から最も有効であることが明らかになった. (2)の研究虎屋:3種の土壌タイプの下で,異なった土壌水分欠損レベルに対して,ダ イズ収量が,SCMR低窒素蓄積量と同様に,蒸発散,LAIに対しても有為な正の相関関係 があった.これらの結果から,水分ストレスによるん〟の減少に伴ってβrが小さくなり, その結呆,SCMR催と窒素含有量の減少を引き起こし,ダイズ収穫量が減少している.さ らに,菓内窒素含有量が最大に達する結実期に測定したSnlD値がダイズの収穫圭を予測す るのに最も適した時期であることを示唆していた.これらの結果から,窒素固定にとって 適した土壌タイプの選定基準が,水分ストレス条件下でのダイズ生産量の畢要な指標とな りうることを提案した. 上記(3)及び(4)の実験は,2008年6月から11月にかけて岐阜大学内のビニール ハウス内で実施した.供試土壌はbceptkolで,実験方法は1因子5水準9反復の無作為の 完全型試験である.すなわち,水分ストレスの処理として,土壌水分欠損量が総容易有効 水分量(E4研の0∼20%(朗,20∼40%(劫,40∼60%(j袖,60∼80%(功,80∼100%(ヱ初 の5水準の処理区を設けた.開花期(49DAS),結実期(77DAS),成熟期(140DAS)の3 段階の生育ステージでサンプリングし収穫量を除く各項目を測定した. (3)の研究成果:水分欠損レベルに反応してダイズ収穫tがムA′や給乾物重(瑚 と 同様に要水t(Cl砺砂 と有意な相関があった.これらの関係は,水分ストレスがC仲貿を 減じ,その結果,ムA′と乃〕βの減少によってダイズ収穫量の減少を引き起こしているこ七 示している.しかしながら,水分欠損レベルが仇処理区まで大きくなるにつれて,根/地上 部重比が増加し,m値やI官催も増加しているが,さらに水分欠損レベルがβ∫処理区に 達するとこれらの数値は減少している.この研究成果からβィの水分欠損レベルでアEが最 大値になり,最も有効で経済的な水利用が可能になることを明らかにした.この水管理(∂4) 下では,完全潅漑(βノ)下の最大収穫量と比較して単位面積当たりの収穫量は21%減少す るが,同じ収穫量を生産する?に必要な用水圭を18%抑制することができることを示すこ とができた.
(4)の研究成果:菓内窒素含有量は開花期および結実期において助試験区で最大とな った.ダイズ収穫量は,結実期の葉内窒素含有量と正の有意な相関(p<0.01)があった. 4.75mm径以上の根粒の総数は葉内窒素含有量と相関が見られなかったが,結実期,成熟期 における根粒数はダイズの収丑と正の有意な相関が見られたb<0.05).一方,結実期におい て4.75mm径未満の根粒の絵数は,菓内窒素含有生やダイズ収量と正の有意な相関b<0.01) があった.4.75mm径以上の根粒の総乾焼玉は葉内窒素含有土やダイズ収立と相関がなかっ たが,結実期における4.75mm径未満の根粒の総乾燥重は正の有意な相関があったb<0.05). 以上の結果から,結実期における4.75mm径以上の根粒よりも4.75mm径未満の根粒の総 数や総乾燥重の方が,有効に根粒菌感染しているかどうかを示すこと,圃場容水生に対し てヱ兄Iγの20∼40%に相当する水分欠損状態(上場 が,根粒菌と宿主の有効な共生関係と 根粒の形成にとって最も良い土壌水分状態であることを示唆している. 審 査 結 果 の 要 旨 ダイズは世界的に広く消排される経済的に重要な作物である.一方で、水資源が不足 する地域では,限られた用水で食料を増産することが重要な陳腐となり、「節水甜漑」へ の期待が高まっている.すなわち、作物水分要求丑(補充散)より少ない水分供給を行 う「節水渾漑」の方法が,寵漑用水丑を節減する有力な手段として注目されている.一 方で、雅漑地域の土壌タイプによって,水分ストレスの発生する時期や総容易有効水分 丑(mW)が異なり,節水効果も異なることが予想される。このような背景から,岐阜 大学の研究圃場のビニールハウス内で,以下の目的でダイズの栽培突放を実施し、節水 効果の商い土壌の特性と土壌水分管理、ならびにその影響要因について検討を行った。 (1)3タイプの土壌について,土壌水分管理がダイズ収丑に与える影響を評価するととも に、節水効果の高い土壌の特性について明らかにする. (2)3タイプの土壌について,水分ストレス下におけるSPAD(S7nDchlorophyllmeter 帽鵬ing)値と薬内窒素含有量及びダイズ収丑との関係を評価する. (3)節水効果の最も商い土壌(Inceptisol)において,水分ストレスが,根/地上部重比, 水利用効率(椚遁),収種効率(躇)に与える効果について評価する. (4)節水効果の最も高い土壌(hceptisoりにおいて,水分ストレスの違いが,各生育ステ ージの根粒形成,葉内窒素含有丑,収穫量に及ぼす影響について評価する. 上記(1)及び(2)の実験は-2007年の6月から11月に実施した.第一因子は土壌タイプで】 hceptisol(C]ayloam),UItisol(Sandyclay),Andisol(Sandyloam)の3つの土壌型に分かれる. 第二因子は土壌水分管理の方法で,圃場容水急からの土壌水分欠損レベルによって処理 した.すなわち,土壌水分欠損亀がWの0∼25%Pl),25∼50%p2),50∼75%pヨ), 75∼100%p4)の4レベルの試験区を設けた.
(1)の寧寧成果:ダイズの給消費水量、単位面租当たりの穀物収盈、収穫効率(王官:単位
消費水畳当たりの収穫丑)は,Inceptisol、Ultisol,Andisolの順に大きく,いずれの土壌 のY五億も土壌水分欠損金がWの50∼75%の時に最大となった.収丑反応係数(ち: 消費水盤減少丑に対する収穫減少丑の比)は,b00pt血l(ち司.42)で最小となり,粒度組 成が細かい土壌ほど節水龍漑の効果が大きくなることを明らかにした.(2)吟軽重威農:異なった土壌水分欠損レベルに対して,SCMR値が,集内窒素含有丑や
ダイズ収丑と有為な正の相関があり,水分ストレ不条件下でのダイズ生産量の重要な指 標となりうることを示した.さらに,集内窒素含有急が最大に達する結実期に測定した SCMR催がダイズの収穫丑を予測するのに適していること,さらに,窒素固定にとって 適した土壌タイプの選定基準となりうることを明らかにした. 上紀(3)及び(4)の実験は,2008年6月から11月に実施した.供試土壌は実験(1)で最も 節水効果の高いことが判明したhcep飽和1とした。実験方法は1因子5水準9反復の無作 為の完全型試験で,土壌水分管理として土壌水分欠損畳が mⅣの0∼20%(加,20∼40%(j適,40∼60%(加,60∼80%(功,80∼100%(ヱ通の5水準を設けた.開花期,結 実期,成熟期の各生育ステージで根粒の総数と塵丑、典内窒素含有丑等を測定した. (3)の研究虐塵:根/地上部塵比が最大となる水分欠拇レベル仇処理区において,m 値やア百催が最大となり,最も経済的な水利用が可能になった.この水管理(βィ)下では, 完全龍漑(♪′)下の鹿大収穫傲と比較して単位面繊当たりの収櫻亀は21%減少するが, 同じ収穫丑を生産するのに必要な用水丑をlさ%抑制することができることを示した. (¢の研究威畢:結実期における4.76mm径以上の根粒よりも4.76mm径未満の根粒の 総数や総重量の方が,薬内窒索含有畳やダイズ収丑と正の有為な相関が得られることか ら、4.75m径未柵の根粒が有効に根粒菌感染していること,さらに、卵塊容水急に対 してmⅣの20∼40%に相当する水分欠損状態が,根粒菌と宿主の共生関係にとって撮 も良好な土壌水分状憮であることを明らかにした. 以上,本研究は水資源制約下におけるダイズの`最適湘漑法について重要な知見を提供 し,熱術および温帯モンスーン気候下の乾季におけるダイズの収穫量を拡大し,世界の 食料供給に対して貢献できる重要な研究成果として評価される.故に,諦査香魚全負一 致で本独文が岐阜大学迎合腱学研究科の学位論文として十分価値あるものとして絡め た. \ 学位輸文の韮礎となる学術独文は以下の通りである. 1)Ahmed,ShakilUddin,Senge,MaBateru,Ito,Kengo,andAdomako,JolmThwiah, EvaluationofthePotentialitie80fDi鮎rentSo止TypeBtOⅥeldRe8POnSeOfSoybean underDeficitIrrigation、JourndoftheJapane8eSocietyofSoilPhy8ics Gnpress) 2)Abmed,ShkilUddin,Senge,M&Sateru,Ito,Ken即,andAdomako,JolmThwiah, E蝕ct$OfWaterStre8BOnSoilPlantAnalyficalDevelopment(SRAD)Chlorophyll Meterreading&nditJiRel&tion8hiptoNitrogenStatu8&ndGrainneldofSoybean
under Diffbrent Soi11サpe8,Journ且l of Rainwater Catchnent SystemB (血pre鎚)
3)Abmed,ShakilUddin,Senge,Ma8ateru,Ito,Kengo,andAdomako,JolmThwiah,The
E蝕ct of De丘citIrrigation on fbt/Shoot Rati0,Ⅵbter Uae E伍ciency and Yield
E伍ciencyofSoybean,JournalofRainwaterCatchnentSy8temS(血pre88) 4)Ab皿ed,ShakilUddin,Senge,MaB8teru,Ito,Kengo,andAdomako,JolmThwiah,
E蝕ctsofSoilWaterStre8SOnNodulation,LeafNitrogenAccumulationandGrain neld8tThreeDi鮎rentGrowthStagesofSoybean,JournaloftheJapaneBeSocietyof