Title
Postconditioning effect of granulocyte colony-stimulating factor
is mediated through activation of risk pathway and opening of the
mitochondrial KATP channels( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
鷲見, 将平
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学) 甲第883号
Issue Date
2012-03-25
Type
博士論文
Version
none
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/43050
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与要件 学位論文題目 審 査 委 員 鷲 見 将 平(岐阜県) 博 士(医学) 甲第 883 号 平成 24 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当
Postconditioning effect of granulocyte colony-stimulating factor is mediated through activation of risk pathway and opening of the mitochondrial KATP channels
(主査)教授 飯 田 宏 樹
(副査)教授 小 澤 修 教授 竹 村 博 文
論 文 内 容 の 要 旨
造血性サイトカインである顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte colony-stimulating factor, G-CSF)は心筋梗塞後の左室リモデリングを抑制し心機能を改善させるなど心筋保護作用を有すると 報告されている。また,G-CSF は心筋虚血による直接の損傷だけでなく再灌流障害も抑制すること が報告されている。一方,心筋梗塞後再灌流の際に短時間の虚血・再灌流を繰り返すことにより再 灌流障害などによる心筋障害を抑制し心筋梗塞サイズを縮小させ心機能を改善させることできる。 これをポストコンディショニング効果と呼ぶ。本研究の目的は,心筋梗塞後の再灌流直後に G-CSF を投与することによりポストコンディショニング効果と同様の効果を有する可能性があると推測し, これを検討しその機序を明らかにすることである。 【対象と方法】 対象は 2 kg から 2.5 kg の日本白色種ウサギを用い,30 分間の虚血再灌流後 2 日後に犠牲死させ 実験を行った。再灌流直後に経静脈的に生理食塩水を投与した群(control),G-CSF 10μg/kg を投 与した群(G-CSF),G-CSF+再灌流 5 分前 mitochondrial ATP-dependent K (KATP)channel 開口阻害 薬である 5-hydroxydecanoic acid(5HD)を経静脈的に投与した群(G-CSF+5HD),生理食塩水+5HD を投与した群(5HD),G-CSF+phosphatidylinositol 3(PI3)キナーゼ阻害薬である wortmannin を 投与した群(G-CSF+wortmannin),生理食塩水+wortmannin を投与した群(wortmannin),G-CSF+ nitric oxide synthase(NOS)阻害薬である L-NAME を投与した群(G-CSF+L-NAME),生理食塩水+ L-NAME 投与した群(L-NAME),G-CSF+MEK 阻害薬である PD-98059 を投与した群(G-CSF+PD-98059), 生理食塩水+PD-98059 を投与した群(PD-98059)において各群 10 羽ずつ合計 10 群にランダムに割 り振った。
各々において,心臓超音波検査による心機能,ミラーカテーテルを使用して循環動態の測定,心 筋梗塞サイズの測定,Western blot によって Akt,リン酸化 Akt,ERK,リン酸化 ERK,リン酸化 eNOS p70S6 キナーゼ,リン酸化 p70S6 キナーゼ,glycogen synthase kinase-3β(GSK3β),リン酸化 GSK3 βの解析を行った。
【結果】
血圧と脈拍数には, 各群で有意差は認められなかった。超音波検査では,48 時間後の心機能にお いて各群に有意差は認められなかった。G-CSF 投与群では他の群と比較して有意差をもって梗塞サ
イズが縮小した。収縮能の指標である+dp/dt, 拡張能の指標である-dp/dt は虚血前の各群で有意 差はなかったが, 再灌流 48 時間後において G-CSF 投与群では他の各群に比較し有意差をもって改善 した。
Western blot 解析では,Akt,ERK,p70S6 キナーゼ,GSK3βにおいては G-CSF 群と control 群と の間に発現に有意差はみられなかったが,リン酸化 Akt,リン酸化 ERK,リン酸化 eNOS,リン酸化 p70S6 キナーゼ及び,リン酸化 GSK3β が G-CSF 投与群において control 群に比較して有意な亢進が みられた。
【考察】
再灌流直後に G-CSF を経静脈投与することにより 48 時間後の心筋梗塞サイズが有意に縮小した。 G-CSF による梗塞サイズ縮小効果は,mitochondrial KATP channel 開口阻害薬である 5-HD,PI3 キナ
ーゼ拮抗薬である wortmannin,NOS 拮抗薬である L-NAME,MEK 阻害薬である PD-98059 をあらかじめ 投与することにより消失した。Western blot 解析においてリン酸化 Akt,リン酸化 eNOS,リン酸化 ERK,リン酸化 p70S6 キナーゼ,リン酸化 GSK3βが G-CSF 群において有意に亢進していた。これら のことから G-CSF による梗塞サイズ縮小効果は PI3 キナーゼ,Akt や ERK が活性化することにより eNOS,p70S6 キナーゼ,GSK3βのリン酸化が促進され,NO の合成,mitochondrial KATP channel が
開口することによりもたらされることが示唆された。 これらの機序はポストコンディショニングの際にも認められると報告されており,再灌流直後に G-CSF 投与を行うことはポストコンディショニングと同様の効果をもたらすと考えられた。 【結論】 本研究により G-CSF は,虚血再灌流障害から心保護作用を有することが証明された。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 申請者 鷲見将平は,ウサギ 30 分虚血・48 時間再灌流モデルを用いて再灌流時に G-CSF を投与 することにより,Akt,ERK,eNOS,p70S6 キナーゼ,GSK3βの活性化すなわち RISK pathway の活性 化と mitochondrial KATP channel 開口により,虚血再灌流障害を軽減することを明らかにした。こ
れらの知見は循環器病学の発展に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]
Shohei Sumi, Hiroaki Kobayashi, Shinji Yasuda, Masamitsu Iwasa, Takahiko Yamaki, Yoshihisa Yamada, Hiroaki Ushikoshi, Arihiro Hattori, Takuma Aoyama, Kazuhiko Nishigaki, Genzou Takemura, Shinya Minatoguchi: Postconditioning effect of granulocyte colony-stimulating factor is mediated through activation of risk pathway and opening of the mitochondrial KATP
channels