298 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(88)ミッイシチサコ
三石知左子(昭和
博士(医学) 旧記1335号平成5年1月22日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
極小未熟児の身体発育に関する研究 (主査)教授 福山 幸夫 (副査)教授 武田 佳彦,大森 安恵論 文 内 容 の 要 旨
目的 出生体重1,500g未満の極小未熟児(VLBW)の身体 発育は,一般に小柄でかつ痺せている印象が強い.従 来の未熟児身体発育の追跡的研究では,発育,体格に 影響を及ぼす諸因子に関する検討が不充分であった. そこで本研究は,VLBMの身体発育の経年的推移と, 健常児の正常値へのcatch up状況を調査し,さらに身 体発育に影響を与える各種因子と体格特徴との関係に ついて検討した。 対象および方法 1984年10月より1987年3月までに母子総合医療セン ターで管理した単胎出生のVLBWで,修正36ヵ月齢 またはそれ以上追跡し,かつ先天異常,奇形症候群, 脳性麻痺,てんかん,重度の精神発達遅滞のいずれも 有しない51例を対象とし,身長・体重・頭囲・体格を 経時的に測定した.発育評価には昭和55年厚生省調査 による乳幼児発育パーセソタイル曲線を使用し,10 パーセンタイル以上の値に倒達した場合をcatch up とし,catch upした例数の全対象数に対する比率をcatch up率とした.体格については修正6ヵ月時
Kaup指数,修正36ヵ月時肥満度で評価した.身体発育 に影響を与える諸因子としては,出生体重(E群:< 1,000g=25例, V群:≧1,000g=26例),胎内発育状態 (SFD児:18例, AFD児33例),呼吸管理および初期栄 養状態を比較した. 結果 1)頭囲,体重,身長のcatch upの時期は,それぞ れ在胎40週,修正12ヵ月,修正18ヵ月であった.しか し修正36カ,月時の平均値は,3指標とも健常児の50 パーセンタイル未満であり,特に体重,身長は25パ一 塩ンタイルまたはそれ以下であった.体格は痺せ型の 児が有意に高率であった。 2)出生体重別:E群の体重catch up率は, V群に 対し,全期間を通じて有意に低率であった. 3)胎内発育状態別:SFD群の発育速度は修正12カ 月以降にAFD群のそれを上回る著しい促進を示し, growth spurtがAFD群に比し遅れて発来すると考え られた. 9 4)修正12ヵ月までにcatch upが認められなかった 例では新生児慢性肺疾患,初期栄養不良,出生体重 1,000g未満が有意に高率であった. 考察および結論 極小未熟児の身体発育を最低修正月齢36ヵ月まで追 跡した結果,全体としてcatch up傾向が強く見られた が,健常児の平均値には到達ぜず,特に超未熟児SFD 児のcatch upの遅れが著しく,出生体重,胎内発育, 新生児期合併症・栄養状態などが有意な生後発育の阻 害要因となっていた.このことより,出生より幼児期 にかけての未熟児独自の身体発育曲線の確i立の必要性 を強調した. 一932一299