!30 氏名(生年,月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(48) カ トウ マ リ コ加藤満利子(昭和3
医学博士 乙第862号 昭和62年12,月11日学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)
透析低血圧の病態に関する研究 (主査)教授 杉野 信博 (副査)教授 太田 和夫,教授 降矢 榮論 文 内 容 の 要 旨
目的 低血圧を伴う長期透析患者数は,透析年数の延長と 共に漸次増加し,治療上の問題となるが,その病態は 依然として不明の点が少くない.本研究は,この問題 について,主として圧受容体反射機能,末梢血管反応 性ならびに末梢神経障害との関連を検討し,治療面と してα受容体刺激剤の効果を観察した. 対象および方法 対象は,透析歴1~15年の透析患者56名で,血圧値 により,低血圧,正常血圧,高血圧群に分類し,心不 全,糖尿病を合併する者は除外した.比較対象として, 神経変性疾患(Shy-Drager症候群等)8例と,健常者 13例について検討した. 1,圧受容体反射弓を中心とした自律神経機能,血管 反応性および末梢神経障害の評価. 1)Valsalva法は,心電図R・R間隔と観血的動脈圧 測定により得られる圧波形をpdygraphで記録した.また,orthostasis, clonidine test, cold pressor test
を施行し,圧受容体反射弓の検索を試みた. 2)血漿renin活性値,血漿aldosterone濃度, PE (血漿epinephrine値), PNE(血漿norepinephrine 値)の測定ならびに,AII(angiotensin ID負荷試験, NE(norepinephrine)負荷試験により末梢血管反応性 を検討した。
3)MCV(motor nerve conduction velocity):尺
骨,腓骨神経のMCVを測定した. 2.低血圧の治療面として,α受容体刺激剤である midodrine hydrochloride 1~4mg/日の経口投与の効 果を観察した. 結果および考察 1.透析患者の低血圧は,orthostasis, clonidine test, cold pressor testの結果では明らかな異常が認め
られなかった.Va璽salva法に対する反応低下は,神経 変性疾患患者の反応に類似しており,圧受容体機能の 異常を示唆するものと思われた. 2.末梢血管反応性は,外因性AII, NEに対し,低 下傾向を示した. 3.MCVは,低血圧例で他例に比べ遅延傾向が認め られた. 4.低血圧に対するmidodrine hydrochlorideの投 与は,本剤が体内でglycine解離後,活性体となり,持 続性のα受容体刺激作用を示すため,昇圧及び自覚症 状の軽減を認め,今後,治療への応用が期待される. 結語 透析患者の低血圧例では,圧受容体反射,末梢血管 反応性の異常が示唆され,これらが,低血圧の病因の 一要素を成していると考えられた. 一794一
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