Title
メコンデルタにおける米の契約栽培の展開条件に関する研
究( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
HO LE CHUNG
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 甲第521号
Issue Date
2009-09-09
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/33662
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏 名(本(国)籍) 主 指 導 教 員 名 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 会 HOLECHUNG (ベトナム社会主義共和国) 岐阜大学 教授 荒 井 聡 博士(農学) 農博甲第521号 平成21年9月9日 学位規則第3条第1項該当 連合農学研究科 生物生産科学専攻 岐阜大学 メコンデルタにおける米の契約栽培の展開条件に関 する研究 主査 岐阜大学 副査 岐阜大学 副査 信州大学 副査 静岡大学 健 聡一雄 光 睦 井 井 藤 嶋 今 荒 加 小 授 授 授 授 教 教 教 教 論 文 の 内 容 の 要 旨 1986年ドイモイ政策採択以降、ベトナムは食糧増産を進め、1989年には米輸入国 から米輸出国に転じた。現在、ベトナムの米の輸出量は世界弟2位となっている。し かし、ベトナムの輸出米は低・中級米が多く、価格も低位に停滞している。そこで2000 年代に入り輸出米の品質が重視され、ベトナムの米輸出管理政策で米の契約栽培が奨 励され始めた。しかし、米の輸出市場が国営公司主導による政府間契約で引き続き行 われていることもあり、契約栽培による見取実績は少なく、株態となっていた。 そこで本論文では、ベトナム最大の米輸出地域であるアンザン省を中心としてメコ ンデルタにおける米の契約栽培の現状を明らかにし、その展開条件について考察を加 えた。アンザン省は、決機80号による良質米契約栽培計画面檀100万baのうち50 %を与えられているベトナム最大の米生産地域である。ここにおいて、2007年に国 家農村設計・計画研究所のホーチミン支所との連携により現地粥査を行った。 2007年1月に第一次調査として、,アンザン省・ロンスエン市に位置するアンザン 省農業農村開発局で、省の米契約栽培の展開状況について関係機関からインタビュー してた。また、省内での米の契約栽培の唯一成功事例とされている日系合弁A社によ るジャポニカ米の臭約栽培について、ヒアリング調査を実施した。 2007年5月には第二次調査として鱒、アンザン省農業農村開発局の協力により米 の契約栽培を行っている国営公司からヒアリングを実施した。そして、日系合弁A社 での契約栽培に閑係するジャポニカ米生産区域であるミホア郡において稲作農家から ヒアリングを実施した。調査農家数は稲作農家数は71戸で、内訳はジャポニカ米の
ー11-契約栽培農家35戸、ジャポニカ米の契約栽培を解約した農家10戸、一般米生産農家 25戸である。調査はロンスエン市植物保護局の協力により実施した。 上記の2度にわたる現地調査の鮨果、オリジナリティの高いデータが収集され、メ コンデルタにおける米の契約栽培の展開条件について明確化することができた。 その主要論点は下記の通りである。 1.米の契約栽培を奥励する決蟻80号(2002年)以降も、ベトナムの米生産・流 通・輸出管理は、国営公司が依然として政府間の契約により主に米輸出業務を行って おり、これは先行研究によって明にされてきた内容とほぼ同じであることが確認でき た。国営公司が、独自の良質米の輸出市場開拓に対してそれはど積極的ではないこと が、その理由となっている。 2.アンザン省を事例とした米の契約栽培の実態から、その展開条件を2点拝摘し た。第一は、高品質・運搬を義務づけつつ、買収価格でさしたるメリットがだせない 状況では、米の契約栽培の展開は難しく、良質米の市場開拓と平行し、有利販売を実 現するなど、契約内容を実体のあるもめにする必要があること、第二は、市場流通ル ートを用いた綾やかな協定から始まり、良質米の市場条件の成熟に対応して、徐々に 契約栽培の内容を固めていくことが必要であること、である。 3.アンザン省の米契約栽培で、唯一の成功事例とされている白系合弁A杜のジャ ポニカ米契約栽培事例分析から、その展開条件を考察した。すなわちA社が独自の販 売ルートを開拓しており、契約米の高値販売が実現していること、また徹底した栽培 管理指削こより品質が保たれていることなどを明確化した。そのため栽培管理、米出 荷業務などで農民の負担を増やしているが、それに報いうる内容になっていることな どを明らかにし、A社の契約栽培の条件を満たす内容となっており、現段階における メコンデルタで良質米の契約栽培の展開にも参考になることを示唆した。 4.メコンデルタにおける稲作農家のジャポニカ米生産への転換の意義を明らかにする ために、ジャポニカ米臭約栽培を11年間実施してきた稲作農家の経営分析を行い、次ぎ のような結諭を得ている。ジャポニカ米生産の場合は集約的生産管理労働が要求され、ま た、収穫後の品質管理も徹底することで相対的な高僧販売、高所得が実現しており、それ により一般米生産農家より専業農家率が高く保たれている。但し、作付回数増加七伴い、 ジャポニカ米生産で投下肥料畳も増加し、環境への配慮は今後の熱題となっている。さら に、商い収益性を背景に、雇用をともなった借地によるジャポニカ米の生産規模の拡大を 志向する鹿家層があらわれてきている。借地料はジャポニカ米の剰余の鴨囲内で形成され ており、一般米からジャポニカ米への転換と借地経営の展開の条件が形成されていること も明らかにした。 審 査 結 果 の 要 旨 2000年代に入りベトナムの米輸出管理政策において輸出米の品質が重視されるこ とにともない、米の契約栽培が奨励され始めた。.しかし、米の抽出市場が国営公司主 導による政府間契約で引き続き行われていることもあり、契約栽培による貝取臭練は 少なく、課題となっていた。そこで本論文では、ベトナム最大の米輸出地域であるア
-12-シザン省を中心としてメコンデルタにおける米の契約栽培の現状を明らかにし、その 展開条件について考察を加えた。主要静点は下記の通りである。 1.米の契約栽培を奨励する決強80号(2002年)以降も、ベトナムの米生産・ 流通・輸出管理は、国営公司が依然として政府間の契約により主に米輸出業務を行っ ており、これは先行研究によって明らかにされてきた内容とほぼ同じであることが確