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開殻系クラスター錯体集合体の機能化

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Academic year: 2021

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Title

開殻系クラスター錯体集合体の機能化( はしがき )

Author(s)

川村, 尚

Report No.

平成7年度-平成9年度年度科学研究費補助金 (基盤研究(A)(2)

 課題番号07555573) 研究成果報告書

Issue Date

1997

Type

研究報告書

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/288

(2)

はしがき 遷移金属原子間に化学結合をもつ多核錯体はクラスター錯体と呼ばれ、ここ30年 余りに渡って急速に発展してきた。本研究者らは、種々のクラスター錯体の物理化 学的性質、特に電子構造を明らかにすることを目的に、それらの電了・スペクトル、 電子スピン共鳴、電気化学的酸化還元電位などを調べてきた。これらの研究を通し て、クラスター錯体の金属原子間結合にかかわる電子は分極や非局在化し易くてそ の分布が柔軟であり、電磁場への応答の大きなものであると予測されるに至った。 この金属原子間結合にかかわる電子の分布の柔軟な性質を応用して、クラスター錯 体の結晶を利用した磁性、電気伝導性、光への応答等に機能を発挿する素材の開発 に向けて本研究を進めた。 クラスター錯体を応用した電磁場に応答する機能性素材を開発するためには、分布 の柔軟な金属原子間結合にかかわる電子を分子内ないし分子間で相互作用させ、大 きく拡がった電子的相互作用系を構築することが必要と考えられる。このような相 互作用系は、金属原了一間結合と配位丁の分子内相互作用ならびに配位了・問の分子間 相互作用により形成されると期待される。 本研究では、ロジウム複核錯体ならびにコバルト三核錯体を具体的研究対象として 取り上げ、金属原子間結合電子の配位子上への非局在化の量子化学計算に基づく評 価ならびに分光学的手法を用いた実験的評価、結晶構造解析に基づく配位子のスタ ツキングを調べ、電子的相互作用系を構築の要素となる相互作用を評価した。さら に、ロジウム複核錯体カチオンラジカル塩結晶の磁化率、電気伝導度、電子スペク トルを調べ、その配位子ならびにカウンターイオン依存性を調べ、これら物性を結 晶構造と比較した。また、分子内に2つあるロジウム原子間結合を配位子を介して 相互作用させることの可能な新しい骨格構造をもつ錯体が合成できた。合わせて、 遷移金属錯体触媒に関する研究ならびに第10族元素と第11族元素からなる複合 多核錯体に関する研究を進めた。 本研究を通して明らかに出来た点を要約すると以下のようになる: 1。ランタン形ロジウム複核錯体において、(1)金属原子間〆電子は軸配位子上 に大きく非局在化しており;(2)金属原子間∬電子は架橋配位子上に中程度に非 局在化し;(3)金属原了・問∂電子は殆ど金属上に局在していて、配位千上への非 局在化は殆どない。 2。大きな芳香族架橋配位子、2-OXy-4-methylquinolineanion、をもつロジウム複核 錯体カチオンラジカルにおける不対電子は、(1)金属原子間の反結合性∂軌道を 占め;(2)四つの架橋配位子上にそれぞれ11%ずつ非局在化している;(3) 非局在化に関与する配位ナ軌道は最高被占軌道と最低空軌道であり、両者が同程度 に寄与してる。 3。大きな芳香族架橋配位子、2-○Ⅹylquinolineanion、をもつロジウム複核錯体およ びそのカチオンラジカル塩の結晶において、(1)隣接分子の芳香族配位子は∬ス タッキング配置を取る;(2)カチオンラジカル塩結晶における芳香族配位子∬ス タッキング配置は、カウンターイオンならびに結晶溶媒に依存して多様に変化する。 4。2-Oxylquinolineanion 架橋配位子をもつロジウム複核錯体カチオンラジカル塩 において、不対電子密度の大きな炭素原子が隣接分子間で近接するような汀スタッ

(3)

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い吸収帯が長波長側に現れる。 5o2-Oxylquin01ineanion粂橋配位子をもっロジウム複核錯体カチオンラジカル塩 は半導体であり、電気伝導度はカウンターイオン等に大きくは依存しない。 6。ランタン形ロジウム複核錐体と塩化シリルとの反応により、2つのロジウム原 子間結合をもち、これらの結合が架橋塩素原子を介して相互作用できる骨格構造を 持つ新しい型のクラスター錐体が合成された。 7oコバルト三核錯体カチオンラジカル、[Co3Cp3(CPh)っ】+、における不対電子軌 道払金属原子・軸位炭素原子間冗反結合性の縮退した軌道であり、不対電子は軸 位のフェニル環方軌道にわずかではあるが非局在化している。 80第10族元素と第11族元素からなる新奇複合多核錯体の構造を明らかにした。 90白金触媒によるオレフィンシリル化反応中間体である平面四配位白金(ⅠⅠ)錯体が 単離し、この錐体が早い速度で単分子捻れ回転異性化反応していることならびにそ の活性錯合体構造が明らかにされた。 100白金ないしパラジウム錐体触媒によるアリル化合物の変換反応が幾っか新し く見出された。 この冊子はこれらの研究成果をまとめたものである。 研究組織 研究代表者 研究分担者 研究分担者 研究経費 平成7年度 平成8年度 平成9年度 計 研究発表 川村 尚 (岐阜大学工学部教授) 辻 康之 (岐阜大学工学部助教授) 海老原 昌弘 (岐阜大学工学部助手) 円円円円 千千千千 0 0 0 0 0 0 0 0 ′0 4 0 0 , , , ヽ 5 1 1 8 2

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