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Academic year: 2021

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クリッカーを使用した双方向授業の効果についての検討(第2報)

上岡 尚代1),橋本 和幸2),野田 哲由1) 神長 まどか1),田辺 達磨1),長谷川龍成1),大澤 裕行1) 了德寺大学・健康科学部1) 了德寺大学・教養部2) 要旨 本研究は,クリッカーと呼ばれる聴衆応答システムを通常授業及び試験対策授業に用い,その効果検証 を実施した.昨年実施した第1報では,クリッカーを使用した授業のメリットやデメリット,そして使用 するにあたって担当教員が配慮すべき事をあきらかにする目的で実施し,クリッカーを使用した授業が学 生の興味や積極参加を促す可能性があるという示唆を得た.本研究は第1報に続き更に被験者を増やして 信頼性を高めること,試験対策授業と通常授業でのクリッカー使用効果を比較すること,また妥当な問題 数を明らかにすることで,クリッカーを有効に使うための授業設計や必要な配慮について検討する事を目 的とした.クリッカーを使用した授業後のアンケート結果を,問題数の違いにより比較した結果,15問ク ラスは30問クラスに比べ「興味」「積極的参加」「理解度」「要点の印象化」「集中力の持続」のすべての項 目で高い値を示した.また,通常授業と資格試験対策授業では,通常授業の学生は妥当な問題数の希望と して21問以上を希望したものが多かったが,資格試験対策授業の学生は20問以下を希望する学生が多く, その授業の目的によっても求められる配分の違いがあることが示唆された. キーワード:聴衆応答システム(クリッカー),双方向授業,国家試験対策授業

Effectiveness of the Audience Response System as an Interactive Teaching Tool

Naoyo Kamioka1), Kazuyuki Hashimoto2), Tetsuyoshi Noda1),

Madoka Kaminaga1), Tatsuma Tanabe1),Tatsunari Hasegawa1), Hiroyuki Ohsawa1)

Faculty of Health Science,Ryotokuji University1)

Center of Liberal Arts Education, Ryotokuji University2)

Abstract 

The purpose of this research was to verify the effectiveness of the audience response system called, “clicker” for the regular and test preparation classroom activities. The first report conducted last year, the trial was to identify advantages and disadvantages of the clicker use in the classes; in addition, the report was to reveal what the professors ought to accommodate when utilizing the clicker. The classes employed the clicker showed an indication of interests as well as positive participation toward learning activities. The classes employed the clicker were surveyed. The 15-question class showed higher value in all “interest,” “active participation,” “understanding,” “summarizing impression” and “concentration” categories than the 30-question class. Moreover, the students in

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regular classes often requested more than 21 questions as reasonable. However, many students in the test preparation classes requested less than 20 questions. Hence, the proper numbers of questions were depended upon the types of the classes. Further trial would be required to determine whether or not the clicker utilization provided significant learning benefits.

Key Word audience response system (Clicker), Interactive teaching,exam measures class, Ⅰ . はじめに

近年、学校の授業において,アクティブラーニングと呼ばれる「教員と学生が双方向でコミュニケーショ ンをとりながら学生の能動的な参加を促す授業づくり」が推奨されている.具体的には,グループワーク やディベートのほか,クリッカーと呼ばれる聴衆応答システム(Audience Response System:ARS のこと.

「以後,クリッカーと言う)を用いた方法が導入され,その効果や問題点について検討されている1-6).クリッ カーとは,個々の学生に専用のリモコンを配布し,パワーポイントを用いた問題に対してリモコンのボタ ンを押して回答するシステムで,学生の回答はリアルタイムに集計され,結果がグラフでスクリーンに映 し出される.学生の理解度をその場で把握して授業に反映することができ,授業の質を高めるうえで効果 的な方法の一つとされている.昨年実施した第1報6)では,クリッカーを使用した授業のメリットやデ メリット,そして使用するにあたって担当教員が配慮すべき事をあきらかにする目的で実施し,クリッカー を使用した授業が学生の興味や積極参加を促す可能性があるという示唆を得た.本研究は第1報に続き更 に被験者を更に増やして結果の信頼性を高めること,授業形態を試験対策授業と通常授業でのクリッカー 使用効果を比較すること,また妥当な問題数を明らかにすることで,クリッカーを有効に使うための授業 設計や必要な配慮について検討する事を目的とした. Ⅱ.方法 1.使用した機器 ファインウッズ社製クリッカー nano 及び専用ソフト,コントローラー. 2.対象 医療系大学2年生の通常授業受講者35名及び,4年生の資格試験対策講座受講者91名,医療系専門学校で の通常授業の受講者1年生40名,2年生44名計210名とその授業を担当した教員4名(述べ9名)を対象と した. 3.調査方法

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た授業が通常の授業と比較して理解度が上がった.④クリッカーを使用した授業が通常の授業と比較して 要点が印象付けられた.⑤クリッカーを使用した授業は通常授業と比較して集中力が持続しましたか?⑥ クリッカーを使用した授業は90分間で何問程度が妥当ですか?の6問について五件法(5:そう思う 4: まあそう思う 3:どちらとも言えない 2:あまりそう思わない 1:そう思わない)で回答を得た. 更に,⑦クリッカーを使用した授業のどのような点にデメリット(マイナス面)を感じたか.⑧クリッカー を使用した授業は上記のほかどんな良い点(プラス面)を感じたか.の2問を自由記述とした. 2)調査方法2:担当教員のアンケート 各授業の担当教員にもアンケートを実施し回答を得た.質問項目は,①クリッカーを使用した授業が通 常の授業と比較して居眠りが少ない等,興味を持って聞く学生が多かった.②クリッカーを使用した授業 が通常の授業と比較して積極的に参加する学生が多かった.③クリッカーを使用した授業が通常の授業と 比較して学生の理解度を把握しやすかった.④クリッカーを使用した授業が通常の授業と比較して要点を 印象付ける効果が高かった.⑤クリッカーを使用した授業は,学生の集中が持続できた.の5問について 五件法(5:そう思う 4:まあそう思う 3:どちらとも言えない 2:あまりそう思わない 1:そ う思わない)で回答を得た.更に,⑥クリッカーを使用した授業は90分間で何問程度が妥当ですか?の質 問に対し,6択(1:10問以下,2:11 ~ 20問,3:21 ~ 30問,4:31 ~ 40問,5:41 ~ 50問,6: 51問以上)で回答を得た。そのほか、⑦クリッカーを使用した授業のどのような点にデメリット(マイナ ス面)を感じたか.⑧クリッカーを使用した授業は上記のほかどんな良い点(プラス面)を感じたか.の 2問を自由記述とした. 3)倫理的配慮 本研究は,了德寺大学生命倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号3027).授業開始時に研究 の趣旨及び内容,プライバシーの保護について,アンケートに回答及び提出を同意したものと扱う旨を説 明し実施した.

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Ⅲ.結果 1.学生のアンケートの結果 1)各質問項目の回答の割合 Ⅲ . 結 果 1 . 学 生 の ア ン ケ ー ト の 結 果 1 ) 各 質 問 項 目 の 回 答 の 割 合 そう思う 44% まあそう 思う 37% どちらと も言えな い 13% あまりそ う思わな い 4% そう思わ ない 2% 図1. 興味についての回答の割合 そう思う 47% まあそう 思う 34% どちらとも 言えない 14% あまりそ う思わな い 5% そう思わ ない 0% 図2.積極的参加についての回答の割合 そう思う 20% まあそう 思う 34% どちらと も言えな い 33% あまりそ う思わな い 10% そう思わ ない 3% 図3.理解度についての回答の割合 そう思う 27% まあそう 思う 36% どちらとも 言えない 27% あまりそ う思わな い 8% そう思わ ない 2% 図4.要点印象化についての回答の割合 そう思う 37% どちらとも 言えない 19% あまりそ う思わな い 7% そう思わ ない 5%

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問1.の「クリッカーを使用した授業が通常の授業と比較して興味が持てたか.」の質問に対しては, 210名中93名,44% がそう思う,77名37% がまあそう思う,27名13% がどちらとも言えない,9名4% があ まりそう思わない,9名4%がそう思わないと回答した.問2.の「クリッカーを使用した授業が通常の授 業と比較して積極的に参加できたか.」の質問に対しては,210名中99名(47%)がそう思う,71名(34%) がまあそう思う,29名(14%)がどちらとも言えない,10名(5%)があまりそう思わない,1名がそう思 わないと回答した.問3.の「クリッカーを使用した授業が通常の授業と比較して理解度が上がったか.」 の質問に対しては,210名中41名(20%)がそう思う,72名(34%)がややそう思う,69名(33%)がどち らとも言えない,21名(10%)があまりそう思わない,7名(3%)がそう思わないと回答した.問4.の 「クリッカーを使用した授業が通常の授業と比較して要点が印象付けられたか.」の質問に対しては,210 名中57名(27%)がそう思う,75名(36%)がまあそう思う,57名(27%)がどちらとも言えない,17名 (8%)があまりそう思わない,4名(2%)がそう思わないと回答した.問5.の「クリッカーを使用した 授業が通常授業と比較して集中力が持続したか.」の質問に対しては,77名(37%)がそう思う,68名(32%) がまあそう思う,39名(19%)がどちらとも言えない,15名(7%)があまりそう思わない,11名(5%) がそう思わないと回答した. 2)実施した模擬問題数によるアンケートの5要因の平均値の比較 問題数の異なる2群の比較を t 検定で行った結果,15問クラスと30問クラスでは,「興味(t=3.82, p<0.00017)」「積極参加(t=4.08,p<0.00006)」「理解度(t=3.70,p<0.00027)」「要点の印象化(t=3.94, p<0.00011)」「集中力の持続(t=4.09,p<0.00006)」の5つの要因についてすべて15問群が有意に高い値 を示した.

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3)実施した授業形態の違いによるアンケートの5要因の平均値の比較 実施した授業形態の異なる2群の比較を t 検定で行った結果,通常授業群と試験対策群では,「興味(t=-1.84,p<0.067)」「積極的参加(t=-1.67,p<0.097)」「理解度(t=-1.89,p<0.067)」「要点印象化(t=-1.67, p<0.096)」に項目において試験対策授業が10%未満の有意確率で試験対策授業が高い傾向があった. 4)授業形式の違いによる妥当な問題数の希望について 通常授業と試験対策授業での妥当な問題数の希望の質問に対する回答は,通常授業では21問以上を希望 する学生が total で42%と半数近く居たのに対し,試験対策授業では14%と少なく20問以下を希望する者 が84%と大半を占めた. 問 題 数 の 異 な る 2 群 の 比 較 を t 検 定 で 行 っ た 結 果 , 15 問 ク ラ ス と 30 問 ク ラ ス で は ,「 興 味 (t=3.82,p<0.00017)」「 積 極 参 加 (t=4.08,p<0.00006)」「 理 解 度 (t=3.70,p<0.00027)」 「 要 点 の 印 象 化 (t=3.94,p<0.00011)」「 集 中 力 の 持 続 (t=4.09,p<0.00006)」の 5 つ の 要 因 に つ い て す べ て 15 問 群 が 有 意 に 高 い 値 を 示 し た . 3 ) 実 施 し た 授 業 形 態 の 違 い に よ る ア ン ケ ー ト の 5 要 因 の 平 均 値 の 比 較 実 施 し た 授 業 形 態 の 異 な る 2 群 の 比 較 を t 検 定 で 行 っ た 結 果 ,通 常 授 業 群 と 試 験 対 策 群 で は ,「 興 味( t=-1.84,p<0.067)」「 積 極 的 参 加( t=-1.67,p<0.097)」「 理 解 度( t=-1.89, p<0.067) 」 「 要 点 印 象 化 ( t=-1.67, p<0.096) 」 に 項 目 に お い て 試 験 対 策 授 業 が 10% 未 満 の 有 意 確 率 で 試 験 対 策 授 業 が 高 い 傾 向 が あ っ た . 4 ) 授 業 形 式 の 違 い に よ る 妥 当 な 問 題 数 の 希 望 に つ い て n=210 10問以 下 17% 11~20 問 41% 21~30 問 24% 31~40問 14% 41~50問 4% 50問以上 0% 図8.通常授業の妥当な問題数の 希望 10問以 下 23% 11~20 問 61% 21~30 問 12% 31~40 問 2% 41~50 問 1% 50問以 1% 図9.試験対策授業の妥当な問題 数の希望 4.07 4.13 3.45 3.68 3.79 4.31 4.34 3.71 3.91 4.00 興味 積極的参加 理解度 要点印象化 集中力持続 通常授業 試験対策授業 図7.実施した授業形態の違いによるアンケート結果の比較 問 題 数 の 異 な る 2 群 の 比 較 を t 検 定 で 行 っ た 結 果 , 15 問 ク ラ ス と 30 問 ク ラ ス で は ,「 興 味 (t=3.82,p<0.00017)」「 積 極 参 加 (t=4.08,p<0.00006)」「 理 解 度 (t=3.70,p<0.00027)」 「 要 点 の 印 象 化 (t=3.94,p<0.00011)」「 集 中 力 の 持 続 (t=4.09,p<0.00006)」の 5 つ の 要 因 に つ い て す べ て 15 問 群 が 有 意 に 高 い 値 を 示 し た . 3 ) 実 施 し た 授 業 形 態 の 違 い に よ る ア ン ケ ー ト の 5 要 因 の 平 均 値 の 比 較 実 施 し た 授 業 形 態 の 異 な る 2 群 の 比 較 を t 検 定 で 行 っ た 結 果 ,通 常 授 業 群 と 試 験 対 策 群 で は ,「 興 味( t=-1.84,p<0.067)」「 積 極 的 参 加( t=-1.67,p<0.097)」「 理 解 度( t=-1.89, p<0.067) 」 「 要 点 印 象 化 ( t=-1.67, p<0.096) 」 に 項 目 に お い て 試 験 対 策 授 業 が 10% 未 満 の 有 意 確 率 で 試 験 対 策 授 業 が 高 い 傾 向 が あ っ た . 4 ) 授 業 形 式 の 違 い に よ る 妥 当 な 問 題 数 の 希 望 に つ い て n=210 10問以 下 17% 11~20 問 41% 21~30 問 24% 31~40問 14% 41~50問 4% 50問以上 0% 図8.通常授業の妥当な問題数の 希望 10問以 下 23% 11~20 問 61% 21~30 問 12% 31~40 問 2% 41~50 問 1% 50問以 1% 図9.試験対策授業の妥当な問題 数の希望 4.07 4.13 3.45 3.68 3.79 4.31 4.34 3.71 3.91 4.00 興味 積極的参加 理解度 要点印象化 集中力持続 通常授業 試験対策授業 図7.実施した授業形態の違いによるアンケート結果の比較

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2.担当教員によるアンケートの結果 1)各質問項目の回答の割合 担当教員による授業終了後のアンケートは,図の通り「興味を持って聞く学生が多かった.」「積極参加 積極的に参加する学生が多かった.」「理解度を把握しやすかった.」の3項目について高値をしめし,「要 点を印象付ける効果が高かった.」「集中力が持続できた.」はやや点数が下回った. 2)担当教員が考える妥当な問題数 「クリッカーを使用した授業は90分間の授業で何問程度が妥当ですか?」の質問に対する回答は,9名 の担当教員が全員「11 ~ 20問」と同様の考えを示した。 3)自由記述欄の回答 問7「クリッカーを使用した授業のどのような点にデメリット(マイナス面)を感じたか.」及び問8 「クリッカーを使用した授業は上記のほかどんな良い点がありますか.」の質問に対しては, 下記の通り回 答が得られた. 通 常 授 業 と 試 験 対 策 授 業 で の 妥 当 な 問 題 数 の 希 望 の 質 問 に 対 す る 回 答 は ,通 常 授 業 で は 21 問 以 上 を 希 望 す る 学 生 が total で 42% と 半 数 近 く 居 た の に 対 し , 試 験 対 策 授 業 で は 14% と 少 な く 20 問 以 下 を 希 望 す る 者 が 84% と 大 半 を 占 め た . 5 ) 自 由 記 述 欄 の 回 答 最 後 に ,自 由 記 述 の 問 7「 ク リ ッ カ ー を 使 用 し た 授 業 の ど の よ う な 点 に デ メ リ ッ ト( マ イ ナ ス 面 )を 感 じ た か .」の 質 問 に 対 し て は ,問 題 を 解 く ペ ー ス が 自 身 の ペ ー ス と 合 わ な い ,途 中 で 飽 き て く る ,画 面 上 に 出 て き た 問 題 を 印 刷 し て 配 布 し な い と ,誤 っ た 問 題 に つ い て 復 習 で き な い .な ど の 指 摘 が 挙 が っ た 。問 8 の 回 答「 ク リ ッ カ ー を 使 用 し た 授 業 は 上 記 の ほ か ど ん な 良 い 点( プ ラ ス 面 )を 感 じ た か .」の 質 問 に 対 し て は ,楽 し ん で 学 習 で き た , 一 体 感 が あ っ た , 他 の 学 生 の 理 解 度 を 把 握 で き る , な ど が あ げ ら れ た . 2 . 担 当 教 員 に よ る ア ン ケ ー ト の 結 果 1 ) 各 質 問 項 目 の 回 答 の 割 合 担 当 教 員 に よ る 授 業 終 了 後 の ア ン ケ ー ト は ,図 の 通 り「 興 味 を 持 っ て 聞 く 学 生 が 多 か っ た . 」 「 積 極 参 加 積 極 的 に 参 加 す る 学 生 が 多 か っ た . 」 「 理 解 度 を 把 握 し や す か っ た . 」 の 3 項 目 に つ い て 高 値 を し め し ,「 要 点 を 印 象 付 け る 効 果 が 高 か っ た .」「 集 中 力 が 持 続 で き た . 」 は や や 点 数 が 下 回 っ た . 4.8 4.6 4.0 3.3 3.8 興味 積極的 理解度 要点印象化 集中力持続 図10.教員のアンケート結果(平均値)

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表1.担当教員による自由記述の回答 デメリット メリット 操作に慣れていない為一方的な授業になった 学生が興味がもって授業に参加している 問題を解くスピードに差があり出来る学生を待 たせてしまう 全員一体となって授業を行っている感じがする 問題数が多いと授業を聞かなくなる学生がいる 全員参加の授業ができた クリッカーが不調だと授業が中断する 寝る子が居ない 問題数が多いと飽きてくる 通常授業の合間に使うと気分が変わってメリハ リがつく 個別対応が出来ない ゲーム感覚で取り組めるので授業が盛り上がる 人数が少ない授業では誰がどのクリッカーを 持っているか判定されてしまい恥ずかしいと感 じる学生が居る。 学生に楽しんで授業に参加してもらえる 速押しの競争をしてしまい真面目に回答しない 学生が居た 個々の学生が復習に繋げるのは難しい Ⅳ.考察と結論 本研究は第1報に続き,クリッカーと呼ばれる聴衆応答システムを通常授業及び試験対策授業に用い, その効果検証を実施した.一方向の知識の伝達授業は,教員の話術や経験により講義の出来上がりに影響 が出やすく,安定したレベルの講義を提供することができるクリッカーを使ったピア・インストラクショ ン形式の講義のニーズが高まっている1).ピア・インストラクション形式とは,ハーバード大学のエリッ ク・マズール氏が開発した大規模講義における学生の議論を組み込んだアクティブラーニング型の授業方 法のことである1),7).クリッカーを用いた授業についての報告が散見される中でも , その使用方法につい てはあらゆる見当がなされ,進化を続けている.本研究は第1報より被験者を増やし結果の信頼性を高め ること,授業形態を試験対策授業と通常授業でのクリッカー使用効果を比較すること,また妥当な問題数 を明らかにすることで,クリッカーを有効に使うための授業設計や必要な配慮について検討する事を目的 として調査を実施した.クリッカーを使用した授業後に行ったアンケート結果から,8割以上の学生が通 常授業に比較して,興味がもてた,積極的に参加できた認識していたのに対し,理解度があがった,要点 が印象化された,集中力が持続できた,の3項目については意見が分かれた。教員による授業後のアンケー ト結果も,興味,積極参加,理解度の把握の3項目については効果を実感しているものの,要点印象化や

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おすことにより,ドロップアウト率を下げることができると報告している5).担当教員は,クリッカーを 使用した授業を行う際,単に学生に問題を解かせて,その答え合わせをするのではなく,リアルタイムに 学生の理解度を把握し,理解度の低い問題に対しては繰り返し解説を行うなどの臨機応変な対応が必要で ある.妥当な問題数については,授業形式の違いによっても希望が異なり,通常授業では21問以上を希望 する学生が半数近く居たのに対し,試験対策授業では21問以上を希望する学生はわずかで,20問以下を希 望する者が大半を占めた。このように,試験対策授業においては,多くの問題を解くのではなく,各問題 について理解度を上げ,要点を印象づける為の解説を加えながら授業行うことがニーズに対応するひとつ の方法としてあげられる.また,担当教員が考える妥当な問題数は全教員が「11 ~ 20問」と同様の考え を示した.クリッカーを使用した授業のデメリット及びメリットからも,問題の量が多すぎると飽きると いう意見もあるため配分が多すぎるとその効果を下げてしまう可能性がある.また,90分の授業のなかで 多くの問題を解くためには1問に費やす時間が短くなる為に問題を解くペースを速めなければならなくな りペースについていけない学生が出てしまわない様十分な時間の配慮が必要となる.また,ゲーム感覚で 楽しみながら積極的に参加できる反面,ふざけて速押し競争したり,真剣に取り組めない学生が出ない様 に,担当教員は授業開始時にクリッカーを用いるうえでの効果や目的,そしてその効果を十分に得る為の 動機づけや書注意を行っておく必要性も示唆された.今後の課題は,ピアインストラクション形式のクリッ カーの使用の効果や,クリッカーを使用しない授業との学生の理解度や要点印象化が出来たかについて比 較検討することが必要であった. 【文献】 1) 伊藤圭一(2017)クリッカーを使った教養教育に関する一考察 . 豊橋創造大学短期大学部紀要 .34,(17-25). 11,161-168. 2) 篭谷隆弘(2009)授業応答システムと学習管理システムを活用した授業実践.仁愛大学紀要.人間生 活学部篇創刊号.83-88. 3) 柳澤幸江,鈴木敏和,藤澤由美子ほか(2016)クリッカーシステムを取り入れた管理栄養士国家試験 対策および管理栄養士教育向上に関する取り組み.和洋女子大学紀要.第56集,143-150. 4) 大日向浩,橋本眞明,真先敏弘ほか (2015)大学教育への双方向コミュニケーションツール「クリッ カー」の導入―資格試験対策授業への適用―.帝京科学大学紀要.11, 161-168. 5) 鈴木久雄,武貞正樹,引原俊哉ほか(2008)授業応答システム”クリッカー“による能動的学習授業 ―北大物理教育での1年間の実践報告―.高等教育ジャーナルー高等教育と生涯学習―16,1-17. 6) 上岡尚代,大澤 裕行,野田 哲由ほか(2017)クリッカーを使用した双方向授業の効果についての検討, 了德寺大学研究紀要,11,41-47. 7) 兼田真之,新田英雄(2009)クリッカーを用いたピア・インストラクションの授業実践,物理教育. 57-2,103-107.

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