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高度成長期に 建設された超高層建物の長周期応答特性と制震ダンパー補強 Retrofit of high-rise buildings subjected to long period ground motions

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Academic year: 2021

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高度成長期に建設された超高層建物の長周期応答特性と制震ダンパー補強

Retrofit of High-rise Buildings Subjected to Long-period Ground Motions

〇吹田啓一郎・五藤友規・北村有希子・岩田知孝・釜江克宏

〇K. Suita, T. Gotoh, U. Kitamura, T. Iwata, K. Kamae The response of high-rise buildings subjected to long-period ground motions are investigated. Two analysis model of high-rise buildings, one is 75m high and the other is 150m high, are designed according to early seismic design criteria in 1970s. The response to long-period ground motions estimated by four different source parameters and estimation methods are obtained from numerical analysis. The effect of retrofit by using buckling restrained brace type dampers are evaluated by numerical analysis and damage to the dampers are experimentally verified by dynamic loading tests.

1.はじめに 現在の超高層建物の多くは免制震装置により応 答を抑制する構造を取り入れ,建設地の地盤特性 を反映した強震動に対する応答を予測して安全性 を検証している.しかしわが国で超高層の建設が 始まった1970 年代頃(以下,高度成長期と呼ぶ) の設計では応答計算の入力波は少数の特定の記録 波に限定されており,主要構造体の塑性化に期待 した耐震設計が多く,設計の想定を超える地震入 力に対する余裕は少ないことが予想される.本研 究では想定東南海・南海地震の震源モデルと地震 記録を使って得られた,長周期成分が卓越し継続 時間が長いという特徴を有する強震動予測波を使 い,高度成長期の設計を模した超高層建物の動的 応答解析により応答を調べた.また制振ブレース の耐震補強による応答低減効果と制振ブレースの 損傷を解析ならびに実大実験により検証した. 2.超高層建物の地震応答解析 高度成長期の超高層の架構形式である外周構面 を短スパンの純ラーメン構造,コアに耐震ブレー スを配置した耐震構造を採用し,高さ 75m(21 層,1次固有周期 2.33 秒)と 150m(40 層,1 次固有周期4.58 秒)の2棟を 1970 年代の実設計 で最も多く採用された地震波,入力加速度レベル, 設計規範により設計した.鈴木・岩田,鶴来によ る想定東南海地震予測波,釜江,鶴来による想定 南海地震予測波から選んだ関西地域の112 波につ いて,材料非線形と幾何非線形を考慮した動的応 答解析により応答の時刻歴を得た.多くの地点で 層間変形角 0.005rad,塑性率 1.2 以下であるが, 一部に層間変形角0.01rad,層の塑性率 2.0,累積 塑性変形倍率 20 程度の設計規範を超える大きな 応答が,大阪湾沿岸などの地盤が軟らかい地点で 見られた. 3.制振ブレースの性能検証実験 検討に用いた超高層骨組に対して現在の設計 で使用されることが多い座屈拘束型の制振ブレ ースを追加し,応答が最大となる条件でも設計規 範以下に低減するのに必要な量を数値解析によ り調べ,元の骨組に対する水平耐力比 0.15 程度 の制振ブレースが必要であるとの結果を得た.こ の条件にあう制振ブレースを追加した 21 層モデ ルの地震応答解析からブレースの軸方向変形の 応答時刻歴を得,実大の制振ブレース試験体に対 してこの履歴挙動を再現する実験を行い,繰返し に対する性能を検証した.また既存建物の補強工 事における可搬性向上のために半分の長さに分 割して運搬可能な座屈拘束ブレースを考案し,こ れも同じ条件で載荷した.その結果,いずれのブ レースも,層間変形角0.01rad 以下に低減された 状態で,累積塑性変形倍率が大きい予測波による 応答を再現しても,この地震波を何度も経験して ブレースが破断するまでの入力回数は 26 回であ り,繰返しに耐える十分な塑性変形能力を保有す ることが確認された. 謝辞 (財)地域地盤環境研究所・鶴来雅人氏から 予測波データの提供を受け,新日本製鐵(株)・中 田安洋氏から実験用資材の提供を受けた.これら の支援と協力に謝意を表す.

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