212 (45) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
タケ ウチ シゲ コ竹内成子(昭和3
博士(医学) 乙第1292号平成4年7月17日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出老)
胃全摘術後の骨代謝障害に関する研究 (主査)教授 羽生富士夫 (副査)教授 伊藤 達雄i,村木 曲論 文 内 容 の 要 旨
目的 胃切除術後に骨代謝障害が生じることは知られてい るが,その病態はいまだ十分に解明されていない.そ の理由の1つは,骨代謝障害の計量的な診断法が確立 されていないところにある.本論文は,小口により考 案されたmultiple scanning X・ray photoden- sitometry法(以下MD/MS法)と, quantitative computed tomography法(以下QCT法)を用いて, 胃全摘術後症例について骨の定量的測定を行い,胃全 摘術後の骨代謝障害の病態を解明することを目的とし た. 対象 胃全摘術を施行後,4年から21年経過した54例を対 象とした. 検討方法 1.骨代謝障害に伴う症状の出現頻度を検討した. 2.血清カルシウム,リン,アルカリフォスファター ゼ値を,骨代謝異常がなく,胃切除術を受けていない 入院山郭50例を対照に比較検討した.3.第3腰椎の骨塩量をCTスキャンを用いてQCT
法により測定し,年齢との関係を男女別に検討した. また,藤井により報告されている日本人健常例のQCT 法による測定値と比較した. 4.第2中手背のレントゲン像をコンピューター処 理するMD/MS法より骨皮質幅指数,骨一等,皮質骨 密度を測定し,各々年齢との関係を男女別に検討した. また,小口により報告されている日本人健常例のMD/ MS法による測定値と比較した.さらに,骨皮質幅指 数,骨塩川,皮質骨密度の術後経過年数との関係を検 討した. 結果 1.骨痛および関節痛13.0%,腰痛25.9%,骨折 7.4%,う歯の増加を22.2%に認めた. 2.胃全摘術後では血清カルシウム値の低下,血清ア ルカリフォスファターゼ値の上昇を認めたが,血清リ ン値は変化なかった. 3.QCT法による胃全摘術後の一塩量:と年齢の関係 は,男性では健常例と差はなく,女性では60歳以上の 87。5%で健常例に比べ低下していた.4.MD/MS法による胃全摘術後の骨導量の変化
は,QCT法の結果と同様であった.皮質骨密度は男女 とも健常例より高値で,骨皮質幅指数はやや三値を示 した.また,骨皮質幅指数,骨塩量,皮質骨密度のい ずれも術後の経過年数と相関はなかった. 考察胃全摘術後の骨障害は,QCT法およびMD/MS法
の検討より,男性より女性で加齢による萎縮性変化が 強く,特に60歳以上の女性では顕著であることが判明 した.しかし,従来用いられているアルミ階段と中手 背のレンドゲン像によるmicrodensitometry法では, 骨粗籟症と骨軟化症の区別はできない.そこで,皮質骨密度の測定が可能なMD/MS法により両老を鑑別
した結果,胃全摘術後の骨代謝障害は,皮質骨密度が 高値を示すことより骨軟化症よりも骨粗髪症に近い変 化であることが示唆された. 結論 一846一213 胃全摘術後の骨代謝障害は,男性よりも女性,特に 60歳以上の女性で顕著であり,その病態は骨軟化症よ りも骨粗籟症に近い変化であることが示唆された.