• 検索結果がありません。

サンプル&ホールド回路を用いた唾液分泌速度の測定装置

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "サンプル&ホールド回路を用いた唾液分泌速度の測定装置"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

原 著

〔吾略醤18第覇62過言〕

サンプル&ホールド回路を用いた唾液分泌速度の測定装置

東京女子医科大学 第一生理学教室(主任:渡辺宏助教授) シマ タニ ユウ イチ カタ ギリ ヤス オ

島谷祐一・片桐康雄

東京女子医科大学 口腔外科(部長:扇内秀樹教授) ア ベ ヒロ ユキ

阿 部 廣 幸

(受付 昭和62年3月16日)

Sample and Hold Circuit・based Equipment for Measurement of the Salivary Secretion

Yuichi SHIMATANI, Yasuo KATAGIRI and Hiroyuki ABE*

Department of Physiology(Director:Prof. Kosuke WATANABE), and*Department of Oral and Dental Surgery

(Director:Prof, Hideki OGIUCHI), Tokyo Women’s Medical College

1.Anew eguipment using a strain−gauge transducer was made for measurement of salivary secretion. With this system, the increasing volume of the released saliva could be continuously

measured up to 7ml with the accuracy of less than O.01ml, and displayed as a secretion curve on

aheat pen recorder.

2.The output of the transducer was processed via a‘sample and hold’circuit to transfer to secretion speed and simultaneously recorded on the heat pen recorder together with a secretion

curve. With this circuit, changes in secretion speed were expressed as secretion curves, or as bar

graphs at a unit time of the wide range from O.1sec to several min, namely the velocity of

secretlon.

3.With this system, we succeeded in recording some abnormal salivation on the clinical examination. This equipment is useful for functional diagnosis or confirmation of the therapeutic effects accurately, and wiU be useful gener公lly for the measurement not only of the salivary secretion but also of micro且ow rate and volume.

はじめに 唾液腺分泌機能が低下する多くの疾患が知られ ている.例えば分泌細胞の分泌能力を阻害して分 泌量を低下させるSjδgren病などの例や,分泌細 胞は正常であるが分泌経路に存在する機械的な障 害のために唾液の口腔内流出が防げられる唾石症 や導管狭窄・拡張症な:どの例が知られている.そ れらの疾患において問題となる唾液分泌機能とは 最終的な分泌量だけでなく分泌量の時間的な変化 として表わされるものであり,言い換えれば時間 的にみた唾液分泌パタrンである.そのような唾 液分泌の特徴を捉えるには,微小な分泌量変化を 二時的に連続して観察できるような装置が必要で ある.現在,臨床での機能検査は一般に数分単位 で唾液を採取し,量の測定や分析を行なうもので あり,分泌を連続記録して正確な分泌曲線を書か

(2)

せるための適当な装置は見当たらない.微小唾液 分泌量,分泌速度測定装置は今までにいくつか試 作,報告されており,例えば化学天秤と変位トラ ンスデューサーを組み合わせたものD,差圧式流 量計を用いたもの2),細管からの滴下数をカウン トするもの,光学的な記録法を用いたもの3)など その方法も様々である.しかしいずれも装置が大 がかりで調整しにくく扱いにくいものや精度の点 で問題があるなど,積極的に臨床検査に使用され ている例はほとんどない.それらの中で猪股ら〃) によるストレインゲージを用いた方法は最も手軽 で正確であり,時間精度を上げることにより臨床 検査用の実用装置としての応用にも適したものに なると考えられる.そこで我々はストレインゲー ジ法を応用して,治療現場での常用を目的とした 装置の試作を行なったのでその結果を実際の使用 例と合わせて報告する. 方 法 我々は張力測定用のストレインゲージ・トラン スデューサーを用いて分泌唾液の累積重量を継歯 的に測定した.図1および図2に装置と測定回路・ の概略を示す. 唾液腺開口部から口腔内に向けて流出した唾液 はテフロン製の管(内径1.5mm,長さ60cm)を 通って小型の容器(内容量8ml)に導かれる.容器 はストレインゲージ・トランスデューサー(日本 電気三栄45196A,アンプは1829)に固定してあり, 容器内に蓄積する唾液の重量は継時的に電圧に変 換され熱ペン書きレコーダー(日本電気三栄8 K20)に唾液分泌曲線として描画される.装置の装 着には予め管の容器側の先端が浸る程の蒸留水を 容器内に入れておき,図1中の二つのコックとシ リンジをもちいて管の中の気泡を完全に取り除い てから管のもう一端を唾液腺開口部に取り付け る.唾液の採取は今のところ耳下腺から行なって

いるので開口部への装着にはLashleyの二重

カップ法を用いているが,管の先端をカニューレ とすれば他の唾液腺からの採取ももちろん可能で ある.耳下腺の場合,被験者はイスに座った状態 で測定を行なっている.また後ほど述べるように, 耳下腺にかかる静水圧は分泌パターンに影響す る1このためトランスデューサーはエレベーター 式のスタンドに取り付けられ,耳下腺開口部の高 さに対する容器中の水位の高さ調節が容易に出来 るようにした. 猪股らは,トランスデューサーアンプの出力と して得られる電圧を差動アンプを用いて一定時間 毎にサンプリングし,分泌速度表現としてレコー ダーに並記させた.この方法は,従来の分泌曲線 を後から測定し直して分泌速度表現に置き換える といった手間を省くと同時に,より正確な分泌速 度を求めることができる簡便な方法である4).し かし,彼等の回路ではサンプリング中の分泌量変 化の様子までがそのまま描記されてしまうため に,データーとして大変見にくくなってしまうと いう欠点があった.この点を改良するためにサン プル&ホールド回路を使用した.この回路は入力 のアナログ信号を一定の時間間隔でサンプリン グ,測定し,その出力は次の測定が行なおれるま で直前の測定値のままホールドすることができる

霧、

超彊

Str置in gaugo Transdocer

⑪@

Data Recorder ↓

Pulse Genelator Transducer Amp. S&H Circuit Heat pen Recorder 図1 測定装置の模式図.

(3)

軽ち ぎ 自 ぎ ζ 監 。

誌 自

o 顧 , 冒 一 一 一 一 一 一 一 . 一 一 一 曹 一 一 一 一 一 一 一 一 一 , 一 一 一 一 一 一 一 一 囲 曹 一 . F 圏 F . 冒 一 冒 冒 一 一 冒 一 冒 一 贈 一 一 顧 , 冒 一 一 冒 一 一 , 卿 騨 ■ , 顧 馬へ αのト ミ 転 諏や ?ツ1 00££ 鳩 b 一》卜 、 『 o、 、 い 寸O 図o個 yo四 戸 ミ㍉ yow 覧o ミ ミ 一w卜 oo££ 、 :乳う O2 “ へ 銭 yo“ 、 o● h めσめ 単 R’ 鴨 09乙 ㍉ ≒、 へ 、 Σ田く Σレ乙 、 遵 .め コ専 oo££ 個d‘ 魁 oひめ 、 │ へ 05乙 田 へ 、 、 図1δ〈 沖乙 o噛 冨椅一 一ユ、 一Ψ卜 、 甑 9r ㍉ マ2 Xl 需 一 一 用 一 一 一 一 噂 願 「 一 , 一 「 甲 . 鱒 甲 一 一 一 層 響 ρ 一 一 ¶ 一 一 曹 冒 , 曹 冒 一 一 一 一 一 一

@ 8

o o 田 携 国

撃血b撃撃ャll

想曽

寸 のト・

目Q

、苺謎

慧巡

K慧

ミ・R ぼノ \丑ヨ

へQ

へ旨

eQ

尋○

狽∼N

《直

・夷

皆・P

亥・翼

慰鄭

}想 コ

り嗣

南夷

(1)狛

Q麟

H翻

区想

)K

誼ミ

回て

駆気

懸\

遡篇

蝦、

蕊\

Φわ

嚢室

余訳

撃夷・

亜穏

脚∈一り

仏ヨR

ミ…嵐丑

1墳誕

受鳳:密

南N{遙

ミ…畷

o

トヤ

N楓虞

もv蜘

o甑

N%疑

一一.一

(4)

という特徴がある.したがって,分泌の状態をサ ンプリング時間あたりの分泌量として観察でき る.本装置では1チップ型のサンプル&ホールド 回路(LF398)を2段直列に接続し,それぞれに時 間が数101nsecずれたサンプリングパルスを与え た.そして,この2つのサンプル&ホールドの出 力を差動増幅アンプで比較することによって単位 時間あたりの電圧変化量(すなわち分泌速度)を 棒グラフ表現で出力させた.この装置により,速 度データーの読み取り,検討が容易になり,分か りやすいデーターの提示が可能になった.さらに 回路に与えるサンプリングパルスの間隔を変える だけで0.5秒以下から数分におよぶ広範囲なス ケールで分泌速度変化を観察することが出来るよ うになり,従来の測定装置では不可避だったホー ルディング用コンデンサーの交換も不必要になっ た.サンプル&ホールド回路の使用により特に速 い分泌速度変化を高時間分解能で観察するのが容 易になったといえる.なお,この回路は日本電気 三栄(株)のポリグラフ366型のプラグインユニッ トの一つに組み込んで使用した.トランスデュー

サーアンプからの出力はデーターレコーダー

(TEAC MR−10)に記録し,後からの解析ができ るようにした. 結果と考察 本装置を用いた実際の記録例を図3Aに示す. 記録は健常な成人男子の耳下腺からのもので, 5%クエン酸の味覚刺激によって生じた反射性唾 液分泌の例である.全量で約4mlの唾液分泌が 生じているが,装置は約7mlまでの分泌を連続し て記録することができる.また図の下のトレース はサンプル&ホールド回路を通して分泌速度に変 換したものである.サンプリングパルスの間隔は 20秒に設定した.図3Bは増幅器の増幅率を上げ て同様の分泌曲線を拡大記録した例である.分泌 曲線が実はなめらかなものではなく,細かな変動 を含んでいるのが分かる.ここではサンプリング パルスの間隔を0.5秒にしてより細かい速度変化 が分かるようにしてあるが,分泌が断続的に生じ ている様子がよく分かる.この図が示すように, 本装置は0.01ml以下の分泌量変化を十分に弁別

A

]…

]一

且m置n

∴_一欝血

一_ムU]・・5・・/・㏄

30sec

C

コ0.亘皿重 置皿in 図3 耳下腺からの記録例.Aは5%クエン酸刺激 (st)によって生じた反射性唾液分泌曲線(上のト レース)とその速度表現(下のトレース),Bは同様 の反応を装置の増幅率とサンプリング周波数.を上げ て記録したもの.Cは無刺激時の固有分泌の記録. できる精度を有している.また分泌速度を平均的 に観察するか,局所的な変化をみるかによって, 同じ記録が全く異なった様相を示すこともわか る.精度についてはトランスデューサーの感度は これよりさらに1桁以上は高いのであるが,振動 ノイズなどのために,実用的な分解能は0.01ml程 度になると考えられる.一方図3Cは無刺激時の 固有分泌についての記録である.耳下腺からの固 有分泌量は普通非常に少なく0.01ml/minに満た ないが,本装置はこのように分泌速度が極端に低 いような場合にも十分に対応し,なめらかな分泌 曲線を描くことが可能である. ただし,測定に際してはいくつかの注意も必要 である.まず,これは他の装置の場合でも同様で あるが,装置側から耳下腺に加わる静水圧に注意 しなくてはならない.すなわち±10cmH20程度 の静水圧であっても唾液の流出パターンにかなり の影響を与えるのである5).特に理由のない限り

(5)

通常はOcmH20で測定を行なうのがよい.容器へ 唾液を導く細管の内径も考慮しなくてはならな い.なるべく内径が大きく長さが短く抵抗の低い ものを用いるべきである.被験者の姿勢も分泌パ ターンに影響する.常に同じ姿勢で測定を行なう 必要がある.次に本装置は高感度の張力トランス デューサーを用いているために,様々な振動の影 響を受けやすい.設置場所や測定環境として特に 静かな場所を選ぶように注意しなけれぽならな い. 次に本装置の具体的な適用についてであるが, 基礎実験にももちろん利用することができる.著 者らはすでに基礎実験として唾液分泌曲線の細部 を再検討するのにこの装置を使用している.そし てその結果,分泌曲線の細動に規則的なパターン が含まれることを発見し報告した5).本装置は唾 液分泌機能検査用として作製したものであり, 我々はすでに口腔乾燥症や導管拡張症などの患者 について,いくつかの興味ある知見を得た.その 1例を写真1および図4にあげる.この患者は右 耳下腺主導管部にじゅず状の拡張が認められ,そ の末梢側には卵円形の貯留嚢胞が認められる(写 真1).図4には左右の耳下腺からの分泌曲線を比

A

撃 ]一

二[[[「ヒロ_[__},一

B

L皿重量 図4 拡張症の患者からの唾液分泌曲線.5%クエン 酸刺激(st)に対するもの. Aは正常耳下腺(左側) からの記録.Bは拡張が認められた耳下腺(右側) からのもの. 較して示してある.正常な耳下腺(左)からの分 泌が刺激開始後短い潜時(約20秒)で始まり,4 分後には反射性唾液のほぼ全量(1.5ml)が耳下腺 外に流出しているのに対し,右耳下腺からの分泌 は4分たっても全く観察されない.これは分泌細 胞から分泌された唾液がすべて拡張部や嚢胞部に 蓄積してしまうためと思われ,患者が訴える口の 乾きや耳下腺部の痛みの原因と考えられ,具体的 な分泌機能の異常として捉えることができた例で ある. 写真1 耳下腺主導管拡張症の患者の超音波断層写真像.

(6)

結 語 1.本装置はストレインゲージ・トランスデュー サーを用いた唾液分泌量測定装置である.約7mI までの唾液分泌を連続的に測定可能で,0.01ml以 下の精度で唾液分泌曲線を描がくことができる. 2.分泌量/分泌速度変換回路を製作した.トラ ンスデューサーの出力変化を一定時間毎に棒グラ フ状に描記させるもので,単位時間は0.1秒から数 分の広範囲で設定でぎ,平均的,あるいは即時的 な分泌速度を表現することができる. 3.本装置による測定は,患者の自覚症状と客観 的な唾液パターンとを結び付けることによって, 症状への理解をより正確なものとする手助けにな り得る.また臨床処置による機能回復効果をより 具体的に確認,表現できるようになると期待され るものである.また本装置の適用範囲は耳下腺に 限られたものではない.他の分泌器管等で微小な 流量,流速の測定を必要とするものに広く利用出 来ると思われる. 稿を終えるに臨み,終始御指導と御校閲をいただい た渡辺宏助教授,有益な御助言をいただいた河西一秀 前教授,扇内秀樹教授に感謝申し上げます,また,回 路のプラグインユニット組込みに際し協力していた だいた日本電気三栄(株)の工藤重二氏に感謝致しま す. 文 献 1)塩野 博:味覚刺激による唾液分泌の生理学的研 究(第1編).新たに考案せる電気的唾液分泌量測 定装置.歯科,月報 35:157−165,1961 2)市川裕一郎:各種薬物投与による家兎唾液分泌速 度および血圧の変動について.歯科月報 37: 144−184, 1963 3)猪股孝四郎:微量液体の測定及びその記録装置の 試作.岩手医誌 27:494−497,1975 4)猪股孝四郎,玉川恭子,伊藤克之ほか:Strain gaugeを用いた簡便な耳下腺分泌量測定装置の 試作.Jpn J Oral Biol 24:553−557,1982

5)Shimatani Y, Abe H, Katagir三Y:Char− acteristics of the transient components in

human parotid salivation. J Nihon Univ Sch Dent 29:!7−26,1987

参照

関連したドキュメント

 トルコ石がいつの頃から人々の装飾品とし て利用され始めたのかはよく分かっていない が、考古資料をみると、古代中国では

(G1、G2 及び G3)のものを扱い、NENs のうち低分化型神経内分泌腫瘍(神経内分泌癌 ; neuroendocrine carcinoma; NEC(G3)

自動搬送装置 発情発見装置 分娩監視装置

工場設備の計測装置(燃料ガス発熱量計)と表示装置(新たに設置した燃料ガス 発熱量計)における燃料ガス発熱量を比較した結果を図 4-2-1-5 に示す。図

参照規格例 ISO 2909 ASTM 2270 ASTM D 2532 ASTM D 445 JIS K 2283 など. ● ワックス、レジンの温度

今回、新たな制度ができることをきっかけに、ステークホルダー別に寄せられている声を分析

運航当時、 GPSはなく、 青函連絡船には、 レーダーを利用した独自開発の位置測定装置 が装備されていた。 しかし、

実験に使用した装置を図 1 に示す。装置は照射容器,液相循環ライン,気相サンプリング ライン,ガス注入ライン等から成る。照射容器はステンレス製で,容量は