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褐色細胞腫の臨床病態とカテコールアミン分泌動態の相関 : アドレナリン型とノルアドレナリン型に分類することの臨床的意義

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Academic year: 2021

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(1)

133 (38) 氏名(生年月日) 本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

イ トウ チ アキ

秋(昭和3

医学博士 乙等1037号

平成元年7月21日

学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者) 褐色細胞腫の臨床病態とカテコールアミン分泌動態の相関 「一Aドレナリン型とノルアドレナリン型に分類することの臨床的意義一 (主査)教授 出村 博 (副査)教授 浜野 恭一,細田 瑳一

論 文 内 容 の 要 旨

目的 最近,偶発腫瘤として発見されるものをはじめ,褐 色細胞腫の報告がふえているが,そこにみられる臨床 病態は一見複雑である.そこで,以下の問題点に答え ることを目的に本研究を行った.1)血中アドレナリン (A),ノルアドレナリン(NA)濃度,尿中A・NA, および代謝物のメタネフリソ(MN),ノルメタネフリ ン(NMN), vaninylmandelic acid(VMA)1日排 泄量は,それぞれ腫瘍マーカーとしてどの程度鋭敏か, 2)褐色細胞腫はどの程度明確にA型とNA型に分け られるか.そう分類することで臨床上意味があるか。 3)褐色細胞腫の患老は個々の症例で病臥がかなり異 なるのが特徴である.腫瘍内部におけるAとNAの代 謝に関して,症例間に差があるか.あるとすれぽ何と 関係があるか.メチオニン・エンケファリン(Met- Enk)やロイシン・ユンケファリン(Leu-Enk)が関与 している可能性はないか. 対象 最近7年間に内分泌外科で手術した褐色細胞腫患者 32例を対象とした. 方法 1)各症例の臨床経過,症状の検討.2)血中および 尿中カテコールアミンとその代謝物濃渡の測定.3)腫

瘍組織中AとNAの測定.4)Met-EnkとLeu-Enk

の免疫組織化学. 結果および考察

腫瘍マーカーとしては,尿中MNとNMN 1日排

泄量が最も鋭敏であり,32症例すべてそれによって診 断が可能であった.また,尿中MN 1日排泄量が1mg

以下でかつNMNが2mg以上のものをNA型とし,

それ以外のものをA型とすると,最も明瞭にA型21 症例とNA型11症例に分類できた, A型褐色細胞腫患者の特徴として,腫瘍の急激な壊 死がしぼしば起り,その時一過性に多量のホルモン放 出,激しい高血圧発作が認められた.一方NA型褐色 細胞腫患者の特徴として,副腎外に腫瘍が生じた4例, ならびに悪性例3例のすべてがNA型であった.

尿中AとMN排泄量およびNAとNMN排泄量

のそれぞれの相関係数が,0.54,0.61とあまり良くな いことからみて,腫瘍内部でのカテコールアミンの代 謝は症例により異なっていると考えられる.しかし, この代謝の程度および腫瘍中A・NAのturnover rate は腫瘍重量などの因子と相関を示さなかった. 免疫組織化学上,褐色細胞腫はすべてMet-Enkお よびLeu-Enkが陽性であったが,染色程度としてA 型にこの2者が強陽性を示す例が多かった,しかし, 腫瘍内部でのA・NA代謝との間に明らかな関係は指 摘できなかった. 結語

1)尿中MN・NMNは最も鋭敏な褐色細胞腫の腫

蕩マーカーであり,また臨床的に有用なA型・NA型 分類の基準となる.2)カテコールアミンの放出に抑制 的に作用するとされるエンケファリンがA型に多い ことは,褐色細胞腫の病態生理上興味深いが,臨症状 との明らかな関係までは今回の研究で指摘できなかっ た. 一735一

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論.文審査の要旨

褐色細胞腫はしばしぼ,高血圧や糖代謝異常を呈し,放置すれば心筋梗塞や脳出血に至る重篤な疾患である. しかし,臨床的には,複雑な病態の故に,その対処には困難な面がある.本研究では褐色細胞腫患者32例の臨 床経過についての詳細な分析,特に血中,尿中カテコールアミンおよび代謝物の濃度と排泄量の測定,メチオ ニン・エンケファリンとロイシン・エンケファリンの免疫組織化学的検査などが行われた. 検討の結果,①尿中メタネフリンとノルメタネフリンが最も鋭敏な褐色細胞腫の腫瘍マーカーであること, ②褐色細胞腫をアドレナリン型とノルァドレナリン型に分類することは臨床的に極めて有用なこと,③エンケ ファリン量はアドレナリン型に多いことなどが明らかにされた. 本論文の学術上の価値は高い. 主論文公表誌 褐色細胞腫の臨床病態とカテコールアミン分泌動態 の相関一アドレナリン型とノルアドレナリン型に 分類することの臨床的意義 東京女子医科大学雑誌 第59巻 第5号 397-408頁(平成元年5月25日発行) 副論文公表誌 1)両狽幅U腎褐色細胞腫の!治験一副腎皮質機能の 温存をはかる試み 内分泌外科 1(1):109-113,1984 2)いわゆる急性化膿性甲状腺炎の1治験例一小児 における頚部膿瘍の原因としての咽頭梨状窩 内痩の炎症一 束女医大誌 54(4):373-376,1984 3)最近の進歩を含めた薬物治療法の実際・慢性便

Medical Practice 4(10):1623-1628,1987 一736一

参照

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