地域共同体への所属意識と言語変化
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(2) 向への変化は 住民の地域語への 態度の変化であ. る。. なぜ地域語への 態度が変化し. たかを見ることは、 言語変化の全体像をつかむのに 有用であ ると思われる。 そこ で、 地域 語 と新旧住民の 意識との関連を 見ることを目的として、 ビュ. Ⅰ. 998 年に. ン タ. イ. 一による予備調査を、 1999 年にとめおき 調査を実施した。 本稿は 1999 年の調. 査結果を中心に. 報告する。. 2. 調査地域の概要 土気地域は東京から 約 50キロ離れた千葉県干葉市緑区にあ. る。. かつては小さな. 城下町で主産業は 農業であ った。 1968 年まで山武郡に 属していたこの 地域には、 1969 年の千葉市に 合併され、 1972 年には房総 東線. これらを背景に、. (. 現在の外房線 ) が電化した。. この地域では 1969 午から 1972 年にかけて主に. 次の急激な変化が. まず人口の増加と. 起きた。. 構成住民の変化であ る。 表 1 は、 国勢調査の 1965 年の デ 一 タ を. 基点として土気地域の 人口の推移をまとめたものであ る。 1965 年の時点での を 仮に旧住民としたとすると、 その年までに 合計で ( または何倍 ). の 総数は. が新住民として. 住民. 1965 年の時点の旧住民の 何 %. 住んでいるかがわかる。 1965 午時点での土気の. 人口. 7242 人でこれを 1 として見ると、 人口流人が始まった 1975 年ころは、. 倍の新住民が、 1980 年までには. 約 1.45倍、 1985 年までに約. 2. 0. 倍、 1995 年までには. ・. 75 約. 3.8倍の新住民が流人してきたことになる。. 表1. n下段は 1965 年を基準に見た 場合の累計 ). 土気地域の人口の 増加. @. 万万 年口. 総数 ( 火 ). 1965 ( ㎝ 0). 7242. 増減 ( 火 ). 1970. 1980. 1975. 1985. 1990. 1995. ;S50). :S55). ;S60). (H2). (H7). 8252. 12712. 17799. 21873. 25930. 35050. 1010. 5470. 10557. 14631. 18688. 27808. (S45. 新住民の大量流入が 始まる以双は、 新住民は近隣の 町村の出身の 人で結婚のた めに移住してきた 人がほとんどで、 言葉の差をあ まり感じずに 地域文化に密着し た 生活を送る人 が 始まった. ( 以下、 「結婚 組 」とする ). が多かった。 しかし新興住宅地の 造成. 1972 年以降は、 住宅を求めて 移住してきた 一 ⅠⅠ 0 一. 人 (以下、 「住宅 組 」・とする ).
(3) が 多くなった。 以前とは移住の 目的も移住後の 生活スタイルも 異なる新住民が 大. 量に流入してきたのであ る。 第 2 点目は住民の 就業状況の変化であ る。 新旧住民の関係は 人数だけでなく 住民 の属性にも関わる。 表 2 は国勢調査の「産業、 従業上の地位、 男女別 15 歳以上就業 者数一行政区灯下 別 」に基づき、 土気全体の 15 歳以上の就業者数の 推移を示した ものであ る。. 表2. 土気全体の産業別就業者数の 推移 ". 叉" 年. 1965. 林業水産鉱業建設業製造業 狩猟葉養殖業. 1771. 0 I. 212. (火 ). 刑 窯業 穣 鱗葉不動運輸水道 産業通信業電気業ビス サ. 5579. 374. 41. 一休. 11. 203. 一公務 業. 2259. 81. 穐の. 総数. 0. 3536. 1970 i 1606 i. 1. 0@ i@ 3@ i@ 291@ i@1035@ i@ 461@ ,@ 46@ ,@ 26@ ,@ 265@ ,@ 12@ ,@ 427@ ,@ 101@ ,@ 2@ ,@ 4276@ ,. 1980. 1162. 3. 5. 8. 677. 1772. 1341. 248. 75. 562. 86. 1326. 578. 47. 7890. 1985. 983. 4. 4@. 7@. 958@. 2099@. 1861@. 324@. 86@. 608@. 105@. 2111@. 477@. 71@. 9788. 1990. 705. 2. 3. 7. 2327. 2395. 531. 714. 115. 3069. 516. 0. 12165. 1552. 229. *1965 年度の国勢調査では、 金融保険業と 不動産業を あ れ せて4 席. まず、 土気の伝統的な 産業でかつ地元に. と. 記録されている。. 密着した産業であ. る農業に着目すると、. 1970 年の時点では 全体の約 40% が農業に従事していたのが、. 1980 年には全体の 約. 15% とその割合は 以前の半分以下に、 1990 年には全体の 約 6% しか農業に従事して いないことになり、 以前は主な産業であ った農業に従事する 人の割合は急激に 減 少したことがわかる。 一方、 住宅数の増加、 都市化に伴って 増えると考えられる 産業は不動産業や サ 一 ビス業であ る。 不動産業は. 1980 年まで全体の 1% 未満の人しか 従事していなかっ. たが、 1985 年になるとその 数は急増し約 19 老に、 1990 年には 20% を越えるように なる。 サービス業は、 1970 年には全体の 10% 未満であ ったのが、 1980 年には全体 の約 17% 、 1990 年には 25 老を上回るようになる。. ・農業の割合の 減少、 サービス業、 不動産業の割合の 増加によって、 土気は地元 密着型の生活が 都市型の生活へと 変化し、 住民の多くは 土気以覚の場で 東京、 千葉方面での. ). 仕事を持つよ. う. ( 主には. になったことを 意味する。 これにより住民. と土着の生活は 希薄になったと 考えられ、 農業を基盤とした 社会が大きく 変化し --. Ⅰ. 11--.
(4) た 様子がわかる。. また、. 教育についても 変化があ. ことから学校の. った。 1969 年以前、. 土気は山武郡に 属していた. 教員は山武郡出身の 人が中心であ った。 これが、 千葉市への合併. や学区間の教員の. 交流政策により、 千葉の中心部からの 教員が配置されるよ. なり自然と都会からの. 教員が多くなった。. うに. これらは学校内での 言語環境に変化を. もたらしたと 思われる " 。. 以上の変化は、. 当然土気の新旧住民の 言語生活に影響を 及ぼしていると 思われ. る。. 3. 1999 年の調査 3Ⅱ. 調査の概要. 調査の概要は 以下の通りであ. 調査時期. 1999 年 8 月. 実施者・ :. 丸山. 目的. :. る"。. (執筆者 ). 1993 年の調査結果をもとに 選定した調査語彙の 接触・使用状況、 らから複数の. 言語集団、. これ. 各バループに 見られる地域語への 態度の変化. の 関連を見ること. 調査方 汝. 留め置き 法. 調査 地跣. 千葉市緑区土気地域全体. 対象. 土気に在住している た 新住民、. 成人男女で、 旧住民、 1975 年以前に土気に 移住し. 1976 年以降に移住してきた 新住民合計 300 名。. 回収率 79.7%)0. 回収状況. 300 通 中 239 通を回収. 質問内容. 語彙 10 語 (1993 年の調査結果で、 旧住民での使用率が 20% 以上で、. (. 旧. 住民、 結婚 組 、 住宅 1 組、 住宅 2 組で使用に有意差が 見られたものから 選んだ. (ゴ. ゼン・ ゴゼ ンサン、 タンクロ・. ガキ ドン、 トッポ グチ、 デエ ジン・ デェ. タ. ノクロ、 ヘソナ 、 ガキ・. ジンドン、. / - /. .. / -. ノ. p. サン、 ナゴ、 ボ ー コン、 ヤロウス・ ヤロ ウシ ) 、 地域語の接触・ 使用、 地域 語 、 地域共同体への 意識について 約 40 項目. 一 ⅠⅠ 2 一.
(5) 3.2. 分析方法. 本稿は話者の 地域語への接触と 意識との関連を 見るため、 まず、 話者の意識と 地域ごとの接触に 関連について 検定を行った。 調査 語 との接触についての 質問とは別に「土気のことは」を 日常生活で聞くか どうかについて、 「よく聞く」「ときどき 聞く」「たまに 聞く」「ぜんぜん 聞かない」 から選択式で 回答を得た。 この回答の結果と、 実際の状況 連があ るかどうかをみるため、. ( 調査 語 10 話 ). とに関. ㍗検定を行った。 調査語への実際の 接触について. は 、 「家族や近所で 使っている」「土気で 聞く」を「接触あ り」、 「土気で聞かない. が意味はわかる」「聞いてもわからない」は「接触なし」とした。 く. 聞く」「ときどき 聞く」「たまに 聞く」を「接触意識あ. を「接触意識なし」として. り」、. 接触意識は「. よ. 「ぜんぜん聞かない」. 検定を行った。 この結果、 調査語への実際の 接触 と話. 者の接触意識には 有意差が見られ、 関連があ ることがわかった。 次に土気地域で 起きた言語変化の 原因を推察するために、 意識調査の回答の 内 訳を住民グループから 見た。 住民グループは 1993 年の調査結果からは 地域語を切り 口とした場合、 複数に分 けられる. ( 図 lL 。. 旧住民. 新住民 住宅 組. 結婚 組 住宅 1 組. 住宅 2 組. (1975 年あ たり以前に移住 ) 図Ⅰ. (1975 年あ たり以降に移住 ). 住民グルーフ。. まず住民は大きく、 旧住民と新住民に 分けられる。 新住民は、 旧住民との結婚 のために移住したか. 的の違いで分かれる。. ( 結婚 組 ) 、. 住宅を求めて 移住したか. ( 住宅 組 ). という移住目. さらに住宅 組 はいつ土気に 移住したかという 移住時期で 傾. 向 が異なり、 さらに 2 つに分けることができるというものであ 4 つのグループの 地域語への接触状況について. る。. 回答の傾向に 違いを、 ウィル コク. スン の順位和検定で 見る。 調査 語 10 語は「家族や 近所で使っている」「土気で 聞く」. 「土気で聞かないが 意味はわかる」「聞いても 意味がわからない」から 一 113 一. 選択式で回.
(6) 答を得る。. 「家族や近所で 使っている」「土気で 聞く」を「接触あ. り」、 「土気で聞. かないが意味はわかる」「聞いてもわからない」は「接触なし」とした。 は 「よく聞く」「ときどき 聞く」「たまに 聞く」を「接触意識あ り」、. 接触意識 「ぜんぜん聞. かない」を「接触意識なし」とした。 検定の結果、 各語の接触状況の 傾向は各. グ. ノレープで異なることがわかり、 旧住民、 結婚 組 、 住宅 1 組、 住宅 2 組で分けられる. ことを確認したり。 以下、 話者の意識を 地域 語 との接触、 住民グループの 視点から見る。. 4. 結果 意識調査の項目は 大きく 2 つ、 地域語への意識と 土気での生活や 自己の属性に 対. する意識についての 項目とに分かれる。 地域語への意識では、. これまでの先行 研. 究 でよく議論されてきた 地域 詰め イメージ、 地域語への態度を 見る。 土気での生 活や自己の属性に 4Ⅰ. 対する意識では、. 話者の地域社会との. 関わり方を見る。. 地域語への意識と 地域語への接触. 4 ⅠⅠ. 地域語への印象. 地域 語 に対する印象についての 回答は表 3 の通りであ る。. 表3. 「土気のことば」のイメージ. (複数回答. 可). (火 ). そう, 思、. 68 14 70 34 25 111 57. 聞きなれている. 安心する 親しみがあ る ,むが通じ合う. 他 のことばで言 うと 微妙にちが. 思、 わない 132. ぅ. ぅ. 若い人は使わない 時代をさかのぼった 感じ きれいじゃない きつい 特に何も思わない. 213 158 193 202 117. 170 42 203 169 215. 85. Ⅰ. 24 58. その他. 5. 話者の地域 話 に対する印象と 接触意識と関連があ るかどうかを 見るために, 印 家に ついての各項目はあ てはまると回答したものを「そ ものを「そ. う 思わない」として、. う. 思. う 」、. 回答のなかった. 接触意識は「家族や 近所で使っている」「土気で 一 ⅠⅠ 4 一.
(7) 聞く」「土気で 聞かないが意味はわかる」「聞いてもわからない」の. クスンの順位和検定を 行った。 「聞きなれている」 る」 (. (. 「. 2d1)Ⅰ 1.73,pく 05) 「親しみがあ ・. 「, (1)=4.53,p. ( 「,. く. ・. る」 (. 「. OlL 、 「若い人は使わないか」. (が. 4 択でウィ. (1)二 6.22,pく OlL 、. クコ. 「安心す. ・. 2d1)二 5.67,pく 01) 、 「心が通じ合 ・. (. 「,(1)=2.1l,p. く. ・. 05L 、. う. 」. 「きつい」. d1)=1.93,p く 05) は、 接触意識との 差が有意であ る。 「他のことはで 言 うと微 ・. 妙にちが. ぅ. 」、 「時代をさかのぼった 感 凶 、. 「きれⅠ. ) じゃない」は 接触意識の差は. 有意ではなかった。 印象についての 項目は予備調査での 話者への. イ. ンタビュ一の. 結果を参考に 決定したが、 項目によって 結果が異なる。 4 Ⅱ.2. 地域語への態度. 地域 語 が地域で使われつづけるかどうかは、 家庭での言語環境だけでなく 教育での言語環境も. 学校. 影響する。 話者が教育現場での 地域語の使用をどの 程度望ん. でい るかを表 4 に示す。. これと接角 虫 意識と関連があ るかどうかを 見るために、 クラス. ヵ. ルータ. ォ. リスの. 順位和検定を 行ったが差は 有意ではなかった。 表4. 「土気のことば」について 学校への希望. (火 ). 積極的に使っ. 地域の文化として. てほしい. 介する程度がいい 41 12 16 51 120. 旧住民. 2. 結婚 組 住宅 1 組 住宅 2 組. 0. ム に 計 Ⅱ. 0 0 2. ヰ. 紹. 特にふれる必要 はな い. 26 7. 14 30 77. 4,2 土気での生活と 地域語への接触 地域に密着した 行事との関わりについて. 2 点質問した。. 一つは自宅での 葬儀への. 参加 " ほ ついてで、 もう一つは地元の 伝統的な祭りであ る「のぼりたて」について であ る。 この 2 項目はこれまでの. イ. ンタビュ一調査の 中で、 多くの話者が 話題にし、. そこから新旧住民の 態度の違いを 感じたものであ る。 4.2 Ⅰ. 葬儀への参加. 近所で自宅での 葬儀があ ったとき、 仕事を休んでも 参加するかどうかについて の 全体の回答は、 「仕事を休んでも 行く」が 124 名、 「時間があ れば行く」が 43 名、. 一 115 一.
(8) 「たぶん行かない」が 15名、 「わからない」が 32 名であ った。 各回答と「土気のこ とは」との接触意識と る 重ねて集計した 表 5 を見る。. 表5. 近所でお葬式があ ったとします。 自宅で行うお 葬式で、 料理作りや会場作り. の人が必要です。. あ なたはお葬式の. 手伝いに行きますか。. 家族や近所で 使っている. 土気で聞く. 42. 仕事を休んでも 行く 時間があ れは 行く たぶん行かない わからない. (火 ). 土気で聞かない 意味はわかる. 聞いても わからない. 45. 32. 5. 7. 21. 15. 0. 2 2. 3 6. 7 10. が. Ⅰ. 3 4. この回答の傾向に 違いがあ るかどうかを 見るために、 ・検定を行ったところ、. 「仕. 事を休んでも 行く」と「時間があ れば行く」の 差 、 「たぶん行かない」と「わから. ない」の差は 有意ではなかった。 「時間があ れば行く」と「たぶん 行かない」の 差 は有意であ った (X,(1) 二 2.17,p く 05) 。 上の 2 つと下の 2 つとで傾向が 異なり、 上 2 ・. つの方が土気の 言葉への接触が 多い。 各回答の内訳を 見る。 「仕事を休んでも 行く」の住宅 組は 40 劣弱、 「時間があ れ は 行く」は 60% 強 なのに対し、 「たぶん行かない」は 約 85% 、 「わからない」は. 90% 以上に達する。 土気のことはへの 接触の多少と 住民の葬儀への 関わり方の関 係 、 そして住民の 葬儀への関わりかたと 住民の移住理由と 関係がうかがえる。. 4.2.2. のぼりたての 日程への態度. 次に「のぼりたて」についてであ る。 のぼりたては 年 4-6回行われる神事で、. 日. 程は曜日に関係なく 農業の暦で決められる。 「のぼりたて」が 平日にあ たった場合、 サラリーマンなど 農業に従事していない 人は会社を休まなくてはならない。 これ までの調査では、 農 暦を守って「のぼりたて」を 実施するかどうかが 意見の違い として表れていた。 結果は 、 「もし日程が 平日になったら 週末などにずらしたほ がいい」が 27 名で、 「昔からの方法で 日程は変えないほうがいい」 ない」が 142 名であ った. (表 6)0. 一 ⅠⅠ 6 一. 19 名、. う. 「わから.
(9) 表6. のぼりたては 農暦 にもとづく神事ですが、 その祭りの日程の 決め方について. 意見があ りますか。. (火 ). 家族や近所で っている 使 土気で聞く わからない もし 農暦で 日程が平日に なったら週末などにずら. 土気で聞かない が 意味はわかる. 聞いても わからない. 20. 40. 50. 32. 12. 6. 7. 2. 昔からの方法で 行い日程 は 変えないほうがいい. 11. 6. 2. 0. その他. 14. 10. 12. 3. したほうがいい. 調査前は 、 「もし日程が 平日になったら 週末などにずらしたほうがいい」と「. 昔. からの方法で 日程は変えないほうがいい」とで 傾向が異なると 予想、していたが、 この 2 つの回答と「土気のことは」への. 接触の傾向の 差があ るかどうかを 見るため. に 検定を行ったところ、 実際の結果は 予想をはずれ、 差は有意ではなかった。. 「. わ. からない」と「もし 日程が平日になったら 週末などにずらしたほうがいい」. (. ㍗. (1)二 2.96,p く OlL 、 「わからない」と「昔からの 方法で日程は 変えないほうがいい」 ・. 0. ㍗ (1) 二 3.16,p く 01) の差は有意であ った。 傾向は「わからない」と 選択肢 2 つと ・. で 異なる。. 先 と同様に、 回答の内訳を 見る。 住宅組の割合は 、 「もし日程が 平日になったら 週末などにずらしたほうがいい」、. 「昔からの方法で 日程は変えないほうがいい」. では 20% 前後なのに対し、 「わからない」では 60% 以上であ る。 土気での伝統的な 神事であ った「のぼりたて」は、 住宅 組 にはすでにあ まり認知されておらず、. 「. の. ぼりたて」に 対する立場が 表明できない 状態であ ることがわかる。. 4.3 土気での生活や 自己の属性に 対する意識と 地域語への接触 次に上述の 2 点のように具体的ではない 質問のしかたで、 土気という地域とど. う. 関わりた いか をたずねる質問をした。 4.3 Ⅰ 1つ. これからの土気に 対する意見. めは「これからの 土気に対する 意見」であ る。 「のぼりたて」での 話者の意. 見に集約されていたのは、. 従来の地元の 方式で行 うか、 行わないのかということ. であ る。 そこで、 「のぼりたて」という と 考えた。. が 73 名、. 具体例を使わない 方法でこれを 質問したい. 結果は表 7 にあ るとおりで、 「昔からの土気の 良さを大切にして 欲しい」. 「新しく引っ 越してきた人にとっても 一 ⅠⅠ 7--. 土気はいつか「地元」になるから、.
(10) 新しい面も取り 入れていってほしい」が 106 名であ る。 この 2 つで、. 「土気のことば」. への接触の傾向に 差があ るかどうかを 見るため、 検定を行ったところ、. 差は有意. であ った (22(1) 二 3.98,p く , 01 八. 表7. これからの土気に 対する意見としてどちらが 自分の意見に 近 いか 土気で聞く. 27. 25. ヱ. 4. 7. 17. 26. 44. 19. 6. 7. 6. 7. 人にと. っても土気はいつか「地元」. になるから、 新しい面も取り 入れていってほしい どちらでもない. 次に回答の内訳を. 聞いてもわ からない. 家族や近所で 使っている 昔からの土気の 良さを大切に してほしい 新しく引っ越してきた. 土気で聞かない が 意味わかる. (火 ). 見る。. 「昔からの土気の 良さを大切にして 欲しい」の住宅組 め. 割合は 40% 強であ るのに対し、 「新しく引っ 越してきた人にとっても 土気はいつか 「地元」になるから、 新しい面も取り 入れていってほしい」は 60 拷を上回る。 新旧 の 違 い そして移住の 目的の違 いは 、 土気への期待の 違いでもあ り、 これが「土気 のことば」への. 4.4.2. 接触に関係していることがわかる。. 次世代への期待. 2 つのは、 次世代への期待についての. 質問であ る。 親の子どもへの 期待は、 自分. 自身がどうあ りたいか、 地域がどうあ ってほしいかを 反映していると. 項目に加えた。. 46 名、. 結果は「地域を 大切にして生きてほしい」が. 思い、 調査. 「地域にこだ れ. らず、 好きな世界で 生きてほしい」が 63 名であ った。 この 2 つについて、 「土気のことは」への 接触の傾向に 差があ るかどうかを 見る ために検定を 行ったところ、 差は有意であ った. (「. (1)二 2.98,pく 01) 。 「地域を大 ・. 切にして生きてほしい」と 考える人の方が「土気のことは」への. 表8. 接触が多い。. 次の世代に対する 意見として、 どちらが自分の 意見に近 いか 。. 地域を大切にして. 生きて. ほしい. 地域にこだわらず、 好き な 世界で生きてほしい どちらでもない. (火 ). 土気で聞かない. 聞いても. 家族や近所で 使っている. 土気で聞く. が 意味はわかる. わからない. 38. 36. 31. 15. 13. 16. 33. Ⅰ. 3. 6. 4. 一 ⅠⅠ 8 一. 4 5.
(11) 次に回答の内訳を 見る。 「地域を大切にして 生きてほしい」での 住宅組の割合は. 40% 強であ るのに対し、 「地域にこだわらず、 好きな世界で 生きてほしい」は 70% 以上になる。 先程と同様に 新旧の違 い そして移住の 目的の違 いは 、 土気への期待. の違 い でもあ り、 これが「土気のことは」への 接触に関係していると 言える。 この他、 将来も土気に 住み続けたいかという 項目 " ほ ついては検定の 結果差が有 意ではなかった。 旧住民の知りあ いとの関連を 見るには留め 置き 法 よりも参与 観 察の方法が適していると 思われた。. 5. まとめと課題 以上のデータから 次の 2 点が言える。 第 1 点は話者の地域社会への 意識と地域 語 との関連についてであ る。 話者の地域社会への 所属意識は話者の 地域語への接触 状況と相関があ ると言える。 この点は地域 詰め イメージ や 地域語への態度よりも 項目・として 有用であ. ると考えられる。 また項目の設定は、 すでに土気で 認知され. なくなっていた「のぼりたて」のような 設問よりも、 むしろやや抽象的な「地域 への期待」「次世代への 期待」の方が 有効であ ると言える。 やや抽象的な 設問は他 の 地域でも実施・ 比較が可能だという 点で有用であ ると言える。. 第 2 点は調査地域の 地域語の減退と 共通語化をもたらした 住民の地域語への 態度. 旧住民の回答の の 変化についてであ る。 調査結果の内訳は、 旧住民、 結婚 組 、 どのグループにも. 異なる考えを 持つ人がおり、 各バループの 中の多様,性を 示している。 それでも、 内訳は土気がもともと 地域密着型のタイプの 人が多かったこ. 地域文化に重きを 置いた社会であ ったことを示唆している。. と. また新住民の 回答の. 内訳は、 新住民は地域にとらわれない 価値観を持った 人の割合が大きいバループ であ. ることも示唆している。. 従来地域文化に 重きを置いた 地域に、 地域にとらわ. れない価値観を 持った人の割合が 大きいグループが 大量に流入したことが、 土気 を 地域 語 優位から共通語優位に. 変えたのではないかと 考えられる。. 話者の所属意識と 地域語への接触・ 使用との関連を 見るための調査項目の 有用. 性 、 地域社会への 所属意識の異なるグループの 大量流人と地域語の 急激な衰退と の 関連を検証するためには、 別の地域での 調査の必要があ る。 今後の課題であ る。. 一 119 一.
(12) 参考文献 1978. 平山輝男. 移住者 2 世の言語 -特に無アクセント 地域の場合. 国語学 114. 国. 語学会. 1995. 言語編集部. 『言語』. ハラルト・ハールマン 平山輝男池編著. 95.11別冊. 早稲田みか 訳. 変容する日本の 方言 1985. 言語生態系. 1992 現代日本語方言大辞典. 大修館書店. 明治書院. 1980 新旧住民の交流とアクセント. 堀口純子. 大修館書店. 文芸言語研究. 言語篇 5 、 筑波大. 学 国立国語研究所. 1974. 地域社会の言語生活 一 鶴岡における 20 年前との比較. 展開秀英出版. 秀英出版. 1985 移住と言語 文化受容とその 信州大学人文学部 Miloy,@Lesley@1979@Language@and@Social@Networks@in@Belfast@@ London:@BaSl 馬瀬 良雄. Blackwell Mj loy,ノ七 sley 980 Ⅰ. Ⅰ. Ⅰ. 1ノれ n 田ユ. age and SocialNetWorks 、 ノ 1 Ondon:Bas. Ⅱ. BIackWelI. 南雲 千歌. 1994 首都圏における 生活語彙の変化. 南雲 千歌. 1998 首都圏における 共通語化に見る 地域共同体の 流動化に伴. ( 筆者修士論文 ). 構造の変化,日本方言研究会第67 回研究発表会発表原稿 小野水一. 1984. 集. う 権威. 日本方言研究会. 方言研究の社会学的見地 - 「移住と言語」の 研究の視点から. ンピュータ利用による 統計的方法を 中心に一. コ. 方言研究年報、 27 、 広島大学 言. 話研究所. 岡野信子. 1984 移住のもたらす 言語状況. 方言研究年報、 27 、 広島大学言語研究. 前 月 真田信二、 ダニエル・ロンバ. 21-10 富永 茂. 1992. 方言とアイデンティティー. 大修館書店. 1996 都市化する地域社会の 社会言語学的研究. 塚田秀太郎 編. 1934 千葉方言山武郡篇. 一 Ⅰ 20 一. 渓水仕. 千葉県千葉方言刊行会. 『月刊言語』.
(13) 注 ". 千葉市企画調整局統計 謀 に問い合わせたところ、 昭和 50 年度 (1975 年度 ) に つ い ては干葉市による 国勢調査報告書は 刊行されておらず、 町丁別 産業別就業者数の (1999 年 4 月 6 日確認 ) 。 昭和 51 年度の干葉. 調査も行われていないとのことだった. 両統計 書 には・土気地域の 16歳以上の農業人口は 2709 人と記されている。 ただし、. これは「 1975 年農業 コ ンセンサス」の 集計結果であ り、 国勢調査によるものでは ない。 捌. これについては 別途調査が必要であ る。. 3)300 名を対象としたこの 量的調査は、 1998 年の 34 名を対象とした. イ. ンタビュ一に. よる予備調査にもとづいて 計画、 実施した。 の結婚 組は 、 1975 年を境に傾向が 異なるかどうかを 見るため、 同様の検定を 行った が 、 有意ではなかった。 ". この項目は高水. (1996) を参考にした。. ". この項目は高水. (1996) を参考にした。. 一 121 一.
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今日のセミナーは、人生の最終ステージまで芸術の力 でイキイキと生き抜くことができる社会をどのようにつ
自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から