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Manuka Oilの脂質組成

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Academic year: 2021

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(1)

石 川 博 美 *

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Hiromi Ishikawa

抄 録 ニュージーランドに広く分布する植物の

Manuka

は古くから民間薬として知られ,葉,花,樹 皮を煎じて飲んだ、り,皮膚疾患や内臓疾患に用いられている.また,

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などにも多く利用されている.

Manuka

は“Leptosupermone" を含有して おり,

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に抗菌的に作用することが報告されている.そこで、

Manuka

の葉や 樹皮から抽出した脂質の脂質含有量や脂質組成を検討した結果,葉に多くの脂質が含有されて おり,脂質組成,脂肪酸組成の変化もみられ,リン脂質も検出された. 〔緒論〕ニュージーランドに広く分布してい る植物の

Manuka (Leptospermum)

は古く から伝統的な民間薬として知られている.

Manuka

はフトモモ科の植物で日本で一般 的に知られている植物では,コアラの食用と しているユーカリの木が同一種族の植物であ り,その

Manuka

の副産物として,

Manuka

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Manukahoney

また

Manukat

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などが, ニュージーランドでは一般的に広く利用され ている.ニュージーランドの原住民であるマ オリ族の人々は,マヌカの葉,花,樹皮を煎 じて飲んだり,葉を利用した蒸気浴,樹皮の 浸出液を皮膚治療に 樹液を循環器系に用い たりしていた.

Manuka

には抗菌成分が含ま れていることから,その効用は腹痛,胃炎, 感冒などの内蔵疾患をはじめ,切り傷や火傷 などの皮膚疾患に さらにはアロマテラピー などと広範囲である 1) 2) 3) 4) 特に近年,抗菌成分が含まれているとして *いしかわ ひ ろ み 文 教 大 学 教 育 学 部 注目され,

Manuka

は“Leptospermone" を 含有しており,

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に抗菌的 に作用することが報告されている. また,

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についても抗菌的効果が 期待できるという報告5) もある. しかし,い ずれも

Manuka

の副産物についての研究で、ある. そこで、

Manuka

の葉と樹皮について脂質含有量 や脂質組成について検討したので報告する. 実験方法

1

)試料調製 ニュージーランドより入手した

Manuka

の 葉と樹皮より抽出した脂質を試料として用い た.

Manuka

の葉は酵素活性を防ぐために熱 湯に数秒くぐらせ乾燥させて用いた.葉,樹 皮 と も に 細 か く 粉 粋 し て ク ロ ロ ホ ル ム : メタノール (2 : 1,只)の溶媒を使用し,

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6 )らの方法に準じて抽出を行なった. すなわち,試料の

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倍料の

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溶媒を用い て

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時間振とう撹詳し漏液を分けとる.この 操作を 3回以上繰り返した後,漏液部分を混

(2)

ManukaOilの 脂 質 組 成 合 して 減 圧 下 で 溶 媒 を留 去 し,残 渣 を再 び, Folch溶 媒 に溶 解 させ,0.2容 の純 水 を用 い て 洗 浄 して,非 脂 質 成 分 と一 部 の糖 脂 質 成 分 を 除 去 後,再 び 減 圧 下 で 濃 縮 し総 脂 質 を得 た. 2)脂 質 の 分 画 Manukaの 葉 と樹 皮 よ り抽 出 した 脂 質 に つ い て,そ れ ぞ れ ア セ ト ン分 画 を行 な った.約 100mgの 脂 質 を含 む試 料 溶 液15mPを 窒 素 気 流 下 に て濃 縮 し,こ れ にアセ トン5m4と メ タ ノー ル性 塩 化 マ グ ネ シ ュ ウ ム を混 和 し,1時 間氷 冷 す る.全 液 を遠 心 して 上 澄 を 回収 し沈 殿 物 を冷 ア セ トン2祕 で 洗 浄 す る.こ の操 作 を2 回繰 り返 し,沈 殿 物 と上 澄 液 を そ れ ぞ れ に窒 素 気 流 下 に お い て 濃 縮 し,減 圧 下 で乾 燥 す る. こ れ ら をそ れ ぞ れ秤 量 し,上 澄 部分 か ら単 純 脂 質 を,沈 殿 部 分 よ り複 合 脂 質 を得 た. 3)脂 質 組 成 の 測 定 Manukaの 葉,樹 皮 よ り抽 出 し た 総 脂 質 の 分 子 種 と 分 画 し た 単 純 脂 質 と複 合 脂 質 の 分 子 種 を調 べ る た め に,一 次 展 開 お よ び 二 次 展 開 の 薄 層 ク ロ マ トグ ラ フ ィ ー(TLC)を 行 な っ た.展 開 溶 媒 と し て は,一 次 展 開 溶 媒 と して, 石 油 工 一 テ ル:ジ ・エ チ ル エ ー テ ル:酢 酸 (50:50:1),二 次 展 開 溶 媒 と し て は,ク ロ ロ ホ ル ム:メ タ ノ ー ル:ア ン モ ニ ア:水= (130:70:6:4),ク ロ ロ ホ ル ム:ア セ ト ン:メ タ ノ ー ル:酢 酸:水=(100:40:20: 20:10)の 溶 媒 で 展 開 し た. Tablel.ContentsofWaterandLipids inManukaLeavesandChips Water (%) Total lipids (%) Lipid (%) simplelipids complexlipids Leaves 9.7 23.9 75 25 Chips 7.7 0.7 70.6 29.4 4)脂 肪 酸 組 成 の 測 定 Jham6)ら の 方 法 に よ りそ の 構 成 脂 肪 酸 を メ チ ル エ ス テ ル 化 し た 後,そ れ ぞ れ の 脂 質 に 5%塩 酸 メ タ ノ ー ル を 加 え,100℃ 以 上 で1 時 間 以 上 加 熱 す る.加 熱 後,水 とヘ キ サ ン を 加 え3回 以 上 水 洗 い し,ヘ キ サ ン層 を 残 し ガ ス ク ロ マ ト グ ラ フ ≧ 一(GLC)で 分 析 を 行 な っ た.FID-GLC分 析 の 条 件 と し て は, PACKARD-5890型 ガ ス ク ロ マ トグ ラ フ ィー, カ ラ ム は ス テ ン レ ス カ ラ ム(2.5mmφ ×30) を 用 い,充 填 剤 は シ リ カ ゲ ルDB-23を 使 用, カ ラ ム 温 度 昇 温 の230℃:FID検 出 器 温 度2 50℃:キ ャ リ ヤ ー ガ ス は ヘ リ ウ ム で 分 析 を 行 な っ た. 実 験 結 果 お よ び 考 察 壌)Manukaの 水 分 と 脂 質 含 有 量 Manukaの 葉 と樹 脂 に 含 有 さ れ る 水 分 含 有 量 は 表 一1に 示 す よ う に 葉 の 方 が9.7%,樹 皮 に7.7%で あ っ た.総 脂 質 はManukaの 葉 は23.9%,樹 皮 は0。7%と 葉 に 比 べ て 樹 皮 の 含 有 量 が 少 な か っ た.ニ ュ ー ジ ー ラ ン ドで は Manukateaと し て 飲 用 さ れ て お り,日 本 の 煎 茶 や 紅 茶 等 に 含 有 さ れ る 総 脂 質 量 は 約5% ∼2 .5%で あ り,Manukaの 葉 の 脂 質 含 有 量 と 比 べ る とManukaの 葉 に 約5∼10倍 量 の 脂 質 が 含 ま れ て い た. 2)Manukaの 葉 と樹脂 の 脂 質 組 成 と収 量 Manukaの 葉 と樹 皮 の アセ トン分 画 によ る脂 質 区分 につ いて表 一1に 示 す よ うに,単 純 脂 質 区 分(主 に中 性 脂 質)は 葉,樹 皮 共 に 約70 %以 上 で あ り,複 合 脂 質 区 分(主 に リン脂 質) につ いては,葉,樹 皮 共 に 約25%以 上 含 有 さ れてお り,中 性 脂 質 が リン脂 質 の 約3∼4倍 量 含 まれ ていた.リ ン脂 質 の多 くは きわ め て不 安 定 で あ るため 中 性 脂 質 の 方 へ 多 少 は移 行 し た もの もあ るか も知 れ ない.葉 の方 に は比 較 的 多 くの リン脂 質が 含 有 されてい る と思 われる.

(3)

Fig.lThin-layerChromatogramof NeutralLipidManukaandChips Solvent:Petrolatumether/Diethylether/Aceticacid=60:40:1v/v CE:cholesterolester,TGariacylglyceride FA:freefattyacid,Ch:freecholesterol Sprayedwith50%HZSO, 3)中 性 脂 質 の 分 子 種 の 同 定 ア セ トン分 画 に よ り分 画 した 中性 脂 質 を, TLCに よ り一 次 展 開 を行 ない 図 一1に 示 す よ う な結 果 が 得 られ た.標 準 の 脂 質 と同 定 す る とRf値 が ほ ぼ 同 位 置 の ものが判 別 された. そ の た め よ りは っ き り と判 断 し同定 す る た め に,同 様 の操 作 で 脂 質 をTLCで 展 開 させ, 同位 置 に あ る ス ポ ッ トを薄 層 板 よ りけ ず り取 り,一 定 量 を 集 め,こ れ を そ れ ぞ れ の分 子 種 ご と に,ア セ チ ル 化,エ ス テ ル 化 した 後,T LCを 行 な いRf値 の 同 定 後 確 認 を行 な った. Manukaの 葉 に主 に含 有 されて い る分 子 種 はス テ ロイ ド系 が多 く,次 に トリア シル グ リセ リ ド (TG)コ レス テロー ル エス テ ルが 主 な 構 成 成 分 で あ り,少 量 の 遊 離 脂 肪 酸 が 含 まれて いた. ま た,樹 皮 の 方 に含 有 され て い る 中性 脂 質 は,葉 と同 じよ う に ス テ ロ イ ド系 が 多 く,つ い で コ レス テ ロ ー ル エ ス テ ル が 主 で あ り,少 量 の 遊 離 脂 肪 酸 と トリグ リセ ラ イ ドが 含 有 さ Fig.2Thin-layerChromatogramofProspholipids inManukaLeavesandChips Solvent;[(CH3)CHCH2]2CO=CH3COOH:H、0=45:25:5(▽/v) PA:Phosphatidicacid,PE:Phospahatidylethanolamine PC:PhosphatidylcholineLPC:Lisophosphatidylcholine Sprayedwith50%HMSO, れ て い た.ま た,原 点 近 く に糖脂 質 と,他 に 未 知 物 質 が 認 め られ た.ス テ ロ イ ド系 に つ い て は植 物 で あ る た め,植 物 特 有 の 多 くの ス テ ロ ー ル 類 が 含 有 さ れ て い る もの と思 わ れ る. 4)リ ン脂 質 の 分 子 種 の 同 定 複 合 脂 質 の分 別 に は,ま ず 一 次 展 開 を行 な い 図 一2に 示 す よ うな 結 果 が 得 られ た .こ れ らの ス ポ ッ トを各 リ ン脂 質 と判別 す るた め に, 標 準 リ ン脂 質 を薄 層 板 に付 け,試 料 と 同 時 に 展 開 さ せ 各 リ ン脂 質 の 単 離 検 討 を行 っ て,主 な もの を と り出 した.一 次 展 開 にお い て は, 主 にホ ス ファチ ジル コ リン(PC),ホ ス フ ァチ ジルエ タノールア ミ ン(PE)が 多 く含 有 され て お り,次 いで ホス フ ァチ ジ ン酸(PA)と リ ゾホス ファチ ジル コ リン(LPC)等 も判 別 で きた.こ れ ら をTLCの 二 次 展 開 で 展 開 させ た 結 果 を 図 一3に 示 す.Manukaの 葉 に お い て,標 準 リ ン脂 質 のTLCを 図 一3'に 示 す

(4)

ManukaOilの 脂 質 組 成 Fig.3Thin-layerChromatogramofProspholipidsinManukaLeaves lst:CHCI,:MeOH:NH,OH:H,0=65:35:3:2v/v 2nd3CHCI3=CH3COCH3=MeOH=AcOH=H20=10:4=2=2=1v/v PE:phosphatidylethanolamine,PC:phosphatidylcholine PA:phosphatidicacid,LPCaisophosphatidylcholine Fig.4Thin-layerChromatogramofProspholipidsinNlanukaChips lst:CHCI,:MeOH:NH,OH:HzO=65:35:3:2v/v 2nd:CHC1,=CH3COCH3=MeOH:AcOH:H20=10;4:2:2:1v/v PE:phosphatidylethanolamine,PC:phosphatidylcholine PA:phosphatidicacid,LPCaisophosphatidylcholine

(5)

よ う に,こ の標 準 脂 質 と ほ とん ど同 一 のRf 値 を示 す 場 所 に ス ポ ッ トを得 るこ とが 出来 た. ゆ え にManukaの 葉 に含 有 され て い る リ ン脂 質 はPC,PE,PA,そ して他 の3種 の含 有 量 よ り多 少 含 有 量 が 少 な い よ うだ がLPC も同定 さ れ 一 次 展 開 と ほ ぼ 同 一 の 結 果 が 得 ら れ た.ま た,同 様 にManukaの 樹 皮 に 関 して も二 次 展 開 を行 なった結 果,図 一4と 図 一4' に示 す よ う に,PC,PE,PA,LPCの ス ポ ッ トを 同定 す る こ とが で きた.ま た,こ こに は 示 して い な い が,2,3の 他 の リ ン脂 質 の ス ポ ッ トを見 付 け る 事 が 出来 た が,ま だ 同定 す る に は い た っ て お らず 明 証 す る こ と は 出 来 な か っ た が,Manukaの 葉,樹 皮 共 に リ ン脂 質 が 含 有 さ れ て い る事 は確 認 で きた. 5)Manukaの 葉 お よ び 樹 皮 の 脂 肪 酸 組 成 表 一2,3に 示 す よ う にManukaの 葉 や 樹 皮 の 脂 肪 酸 組 成 は ミ リ ス チ ン酸(C14:0) か ら ド コ サ ヘ キ サ エ ン 酸(C22:6)ま で が 構 成 脂 肪 酸 で あ っ た.Manukaの 葉 に は(n= 3)系 の α 一 リ ノ レ ン酸(C18:3)が 多 く 含 ま れ て お り30%以 上 で あ っ た.Manukaの 樹 皮 に は パ ル ミ チ ン 酸(C16:0),(n=6) 系 の リ ノ ー ル 酸(C18:2),オ レ イ ン 酸 (C18:1)が 多 か っ た.Manukaの 葉,樹 皮 共'に飽 和 脂 肪 酸 よ り も 不 飽 和 脂 肪 酸 の 量 が 多 く含 有 さ れ て お り.α 一 リ ノ レ ン酸 の 多 い 植 物 油 は シ ソ 油,エ ゴ マ 油,ア マ ニ 油 に 多 く 含 ま れ て お り,Manukaも 大 変 興 味 の あ る 植 物 で あ る. ま と め 1.Manukaの 葉 に含 まれ る 総 脂 質 は 約23% で あ る の に比 べ,樹 皮 は1%以 下 で あ っ. た. 2.Manukaの 葉 と樹 皮 の 総 脂 質 量 の 約%が 複 合 脂 質 で あ っ た. 3.Manukaの 葉 お よび樹 皮 に 含 有 さ れ て い る 中性 脂 質 は と もに,ス テ ロ ー ル 類,コ レス テ ロ ー ル エ ス テ ル が 多 く含 有 さ れ て お り,遊 離 脂 肪 酸 も含 まれ て い た. 以 上 今 回 は定 性 的段 階 で の 報 告 に な っ た が 現 在 定 量 的 な方 向 に 進 め てお り,ス テ ロ ー ル 類 を 明 らか にす る と と もに,脂 質 と抗 菌 性 の 関 係,リ ン脂 質 の す べ て を明 確 な もの にす る 所 存 で あ る.

(6)

ManukaOilの 脂 質 組 成 文 献 1)VassiliosM.Kapoulas,SofiaK. Mastronicolis,Z.Lebensm,Unters-Forsch.163,96-99(1977) 2)NALSomalN,ColeyKE,MolanPC. JRSocMedJan;87(1):9-12(1994) 3)K.L.ALLen,P.G.MolanandG.M. ReidJPham,Pharmacol.43:817-822 (1991) 4)D.J.Willix,P.C.MolanandC.G. HarfootJournalofApplied Bacteriology.73,388-394(1992) 5)N.G.porter,A.L.Wilkins,L. phytochemistry,50(3):407-415(1999) 6)Folch,J.,Lees,M.andSloane-stanly, G.A,:J.Biol,Chem.,226,497(1957) 7)G.N.Jham,F.F.F.Teles,L.G. Campos:JAOCS.59.3(1982)

参照

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