• 検索結果がありません。

円柱背面の伝熱流動特性 (主流乱れのスケールと円柱径の影響)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "円柱背面の伝熱流動特性 (主流乱れのスケールと円柱径の影響)"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

円柱背面の伝熱流動特性 (主流乱れのスケールと

円柱径の影響)

著者

鳥居 修一, 布施 肇

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

35

ページ

13-19

別言語のタイトル

Heat Transfer and Flow Characteristics behind

Cylinders (Effects of Scale of Free-Stream

Turbulence and Cylinder Size)

(2)

円柱背面の伝熱流動特性 (主流乱れのスケールと

円柱径の影響)

著者

鳥居 修一, 布施 肇

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

35

ページ

13-19

別言語のタイトル

Heat Transfer and Flow Characteristics behind

Cylinders (Effects of Scale of Free-Stream

Turbulence and Cylinder Size)

(3)

円柱背面の伝熱流動特’性

(主流乱れのスケールと円柱径の影響)

鳥 居 修 一 , 布 施 肇 *

(受理平成5年5月31日)

HeatTransferandFlowCharacteristicsbehindCylinders

(EffectsofScaleofFree-StreamTurbulenceandCylinderSize)

ShuichiTORIIandHajimeFUSE

Anexperlmentalstudywasconductedonheattransferfromslightlyheatedcircularcylinders

incrossflow、Emphasiswasplacedonthecombinedinfluenceofthescaleoffree-streamturbu‐

lenceandthediameterofthecylinderontherateofheattransferattherearstagnationpoint・

Byusingahot−wireanemometer,spectrumanalysisoftheanemometersignalwithaFourierana‐

lyzerisemployedtoinvestigatetheseparatedshearlayerfOrmedbehindthecircUlarcylinder・The

Nusseltnumberattherearstagnationpointvarieswiththescaleratioofturbulenceandcylinder

diameter,althoughtheReynoldsnumberisthesame・Correspondingstreamwiseprofileofthe

separatedshearlayerisalsoinfluenced・Thelaminar-to-turbulenttransitionregionmovesinthe

streamwisedirectionbecauseofavariationofthescaleratio・Itwasdiscoveredthattheheattrans‐

fercharacteristicsbehindcylindersareaffectedbythescaleratio,andarecloselyrelatedtothe

streamwisemovementofthereglonoftransitiontoturbulenceintheseparatedshearlayer.

1 . 緒 = 一様流中におかれた鈍い物体のはく離流について は,古くから多くの研究成果が報告されている。例え ば円柱の場合,このような状況は低レイノルズ数領域 では熱線風速計,高レイノルズ数では熱交換器で見ら れ,その伝熱特性は熱設計上の必要‘性から活発に検討

されている(1)。特に高レイノルズ数でのはく離域の

熱伝達は物体前面と同様に重要であるので,後流の非 定常性や背面近傍の流体力学的挙動がかなり複雑では あるものの,主流乱れ強さ,ブロッケージ比の違いに よって円柱背熱伝達が大きく左右されることが実験に よってかなりの程度まで明かにされている(2.3.4)O レイノルズ数が1800以上では,渦形成領域の長さが 円柱径の違いによって変化することをBloor(5)が報告

し,Gerrard(6)はこれを主流の乱れのスケールの効果

と結びつけている。谷(7)によれば,Bloorの実験は主

流 乱 れ 特 性 を 一 定 に 保 っ て 行 な わ れ た も の で あ る の *鹿児島大学名誉教授 で,渦形成領域の長さの変化は乱れのスケールと円柱

径の大小関係,すなわち相対スケールだよって左右さ

れる。しかしながら,その違いによる円柱背面の伝熱 特性の変化については触れられていない。

Zijnen(8)は,層流はく離を起こすレイノルズ数領域

で円柱まわりの平均熱伝達係数に及ぼす主流乱れの強 さとスケールの両影響を検討し,双方を含めた整理相 関式を導いているものの,はく離流にさらされる円柱 背面熱伝達に及ぼすスケールの影響は明確でない。境 界層が乱流に遷移してはく離が生じる場合(乱流はく 離),はく離前の境界層やはく離後に形成される後流 の特性が主流の乱れ強さとそのスケールによって影響

されることをHinze(9)は指摘している。乱流はく離は

対象としているレイノルズ数領域が層流はく離の場合 と異なっており,またスケールの違いによる熱伝達の 変化については検討されていないので判断はしかねる が,先のZijnenの結果を含め,層流はく離による背 面熱伝達に及ぼす要因として主流の乱れのスケールも

(4)

aIIII

挙げられると考えられる。一方,布施ら('0)は,主流

乱れ強さをほぼ一定に保ち直径の異なる円柱を用いて 円柱後方岐点の熱伝達係数を測定した結果,その値は 円柱径の違いによって異なることを報告している。 以上の状況から,主流の乱れのスケールを変化させ て円柱後方岐点の熱伝達係数を直径の異なった円柱に ついて測定し,層流はく離を引起こすレイノルズ数領 域の円柱背面熱伝達に及ぼす円柱径と乱れのスケール の影響について検討する。 2 . 記 号

Cp圧力係数=(P-P。。)/(/,Uoo2/2)

, 円 柱 直 径 f 周 波 数 h 円 柱 ま わ り の 局 所 熱 伝 達 係 数 L 長 方 形 流 路 壁 間 の 距 離 N u ヌ セ ル ト 数 = h D / 入 P 角 度 β の 位 置 の 円 柱 表 面 圧 力 P。。円柱の影響を受けない主流の圧力 R e レ イ ノ ル ズ 数 = U o o D / 似 3.実験装置と実験方法 使用した実験装置の概略を図1に示す。遠心送風機 より送り出された空気は,ハニカムと金網で構成され た風洞内を通りその組合せを変えることによって乱れ が調整され,風洞吹出し口に取り付けた長方形流路(断 面:400mm(=L)×180mm)に導かれて,流路入口から 300mm下流に水平に固定された加熱円柱のまわりを流 れ外部へ放出される。

加熱円柱の構造については文献('1,12)に詳述してい

るので,ここでは要点のみを記す。伝熱実験用の円柱 はベークライト棒で作られている。円柱表面のみぞに 通電加熱用の抵抗細線(直径0.01mm)を螺旋状にまき, その表面をエポキシ系接着剤で覆った。さらに,外形 が完全な円になるように旋盤仕上げした後,表面を紙 やすりで磨いて作製した試験円柱は高精度の工具顕微 鏡によって真円度が確かめられた。円柱の表面温度は 0.03mm径のクロメル・アルメル熱電対で求めた。熱流 束一定を円柱表面で仮定しているものの,円柱を試験 流路に固定する両端付近は熱伝導損失のために軸方向 に温度勾配が現れる。軸方向の壁温は加熱円柱全長 180mmのうち円柱中央部約140mmで一定であったので, この部分を試験伝熱面とした。円周方向の壁温は,円 柱の端に固定した全周分度盤(l/10.の角度変化まで 読取り可能)を回転させて求めた。円柱表面温度の測

定値は体積発熱項を含む熱伝導方程式('3)(軸方向熱

伝導は無視)から算定したものと最大5%以内で一致 した。一方,円柱まわりの圧力測定は,0.5mmの小穴 を一個設けた加熱円柱と同じ直径の銅円柱を回転させ て行なった。 主流とはく離せん断層内の時間平均速度と速度変動 成分はI型プローブと定温度型熱線風速計を用いて測 定し,得られた出力信号を市販のFFT解析器で変換 してそのパワースペクトルを求めた。乱れの長さのス ケールとしては,主流方向の速度変動成分u'の自己

相関関数Ru、から求められた積分特'性距離A(9)を用い

自己相関関数=u,(t)u'(t+で)/│u,(t)'2 パ ワ ー ス ペ ク ト ル 時間 円柱前方岐点の表面温度 主流温度 角度βの表面温度 温度比=(T〃−Too)/(To−T。。) X方向の乱れ強さ=(u'2)1/2/U。。 主流の速度 X方向の時間平均速度 X方向の変動速度成分 主流方向の座標あるいは円柱中心から流れ方向 への距離 主流と垂直方向の座標あるいは円柱中心から流 れと垂直方向への距離 。a〃

⑥函″ru函

ufI

RStTTTTTUU,uX

Y ギリシャ文字 / , 流 体 の 密 度 〃 流 体 の 動 粘 ' 性 係 数 入 流 体 の 熱 伝 導 率 8 円 柱 前 方 岐 点 か ら 測 っ た 円 柱 ま わ り の 角 度 A主流の乱れのスケール=UooノRu・(て)dで て 時 間 遅 れ 実 験 装 置 図1 雨『

(5)

●■○口

●■○口

●■○口 ●■◎ロ ●■。p ●■0口 ●■◎ロ ●■0口 ●eロ 15 。■■ロ 8 ○□

□○

l0000 Re 円 柱 後 方 岐 点 の ヌ セ ル ト 数 20000 図2 90 ⑧(9 円柱まわりの壁温分布 Re=10000 鳥居・布施:円柱背面の伝熱流動特性 TypeBの壁温の最大値はTypeAに比べてかなり高 めである。両Typeともβ=110。∼120。付近に凹部が 現われた後,TypeAは円柱後方起点に向けて急激に 減少しているのに対して,TypeBのものはかなり緩 やかである。 これらにより,主流の乱れのスケールの違いによっ て 円 柱 背 面 の 熱 伝 達 に 変 化 が 現 れ る こ と が 認 め ら れ る。このような変化が現れる背景には,円柱まわりの 流れ,特に後流の様相が影響していることが考えられ るので,円柱まわりの圧力分布,円柱後方に形成され るせん断層の特性を検討する。 4 . 2 円 柱 ま わ り の 圧 力 分 布 図4はTypeAとTypeBの円柱まわりの圧力分布 図3

4.実験結果と考察 4 . 1 円 柱 後 方 岐 点 の ヌ セ ル ト 数 と 円 柱 ま わ り の 壁温分布 主流の乱れのスケールを変化させた場合の円柱後方 岐点のヌセルト数Nuをレイノルズ数Reとの関係で 図2に示す。ヌセルト数はレイノルズ数が大きくなる につれて増加し,A/Dの小さい場合の方が何れのレ イノルズ数においてもA/Dの大きい場合に較べて高 めである。以後,A/Dが1以下の結果をTypeA, それ以上のものをTypeBとする。これに対応する円 柱まわりの壁温分布をRe=lOOOOの場合について図3 に示す。図中の縦軸は角度βでの円柱表面と主流の温 度差を円柱前方岐点と主流の温度差で除したものであ る。円柱前面では,何れの結果も壁温は急激に上昇す る分布を示し,TypeAでは約90。付近にその最大値 が現れ,TypeBでは約lOO。付近で見られる。また, 0 8 180 1.0 0 /VD D=10mm D=18mm TypeA 0.8−0.9 ○ □ TypeB 1.6‐1.8 ● ■ /VD D=10mm D=18mm TypeA0.8−0.9 ○ □ TypeB 1.6.1.8 ● ■

(6)

-0.5

1.5 1.0 U U U U O g U g 8 6 6 6 8 8 8 8 Re=10000 、︾■ -1.0 0.5 目 1.0 @ 。。

ロ 図5円柱後方の速度分布(D=18mm,Re=10000) た 円 柱 に 形 成 さ れ る は く 離 せ ん 断 層 の 形 状 は ほ ぼ 同 じ である。両Typeのせん断層もレイノルズ数が増加す るにつれて厚くなり,その程度はTypeAの方が TypeBに比べて大きい。先に述べたように,得られ た円柱まわりの境界層は層流はく離しているので,は く離した直後のせん断層は層流となっている。流れが 層流から乱流へ遷移する際,これは一点で起こるので はなく,ある幅を持った領域内で起こる。以下では, せん断層内のパワースペクトルの測定結果から,せん 断層の乱流遷移を中心にその内部特’性を探る。 図7(a),(b)は,円柱の中心から0.4Dだけ下流 で測定したせん断層内中心付近の速度変動波形とその パワースペクトルであり,TypeB(D=18mm)でRe= 7000について示したものである。ここで,図7(b)の 縦軸の目盛は任意である。図7(a)の正弦曲線は層流 はく離して形成されるせん断層が乱流への遷移に先駆 けて発生する渦の放出波形であり,その周波数は図7 (b)のパワースペクトルの最大値の周波数に対応して いる。各X/Dで測定したはく離せん断層内パワース ペクトルの最大値の流れ方向の変化を3つのレイノル ズ数について図8に纏める。Bloor(5)は,図7(a)で 見られるような速度変動の比較的規則正しい波形に高 周波の波形が現われ始めた位置を乱流遷移の開始点, それが全体に現われた位置を乱流遷移の終了点と定義 し,この領域で流れは層流から乱流に遷移する,と述 べている。遷移領域を矢印で図中に示す。この場合, 90 0(9 円柱まわりの圧力分布 OB 86 日、 日︺ 図4 0.5 -1.5 180 0 0 1.0 0.5 Y/, をRe=lOOOOの場合について纏めたものである。両 Typeの圧力は前方岐点から約8=70.付近まで減少 し最少値に達した後,約8=90。付近まで回復し,そ の際,TypeAの場合よりもTypeBの方が高めに現 れ,後方岐点に向けて緩やかに減少している。先の壁 温分布の結果と同様,円柱背面の圧力分布もTypeA とTypeBでは違いが認められる。 はく離点は円柱表面上の摩擦応力分布を測定するこ とによって求めることができるが,本実験ではこれを 行なっていない。しかし,図より,はく離が圧力の最 小値からそれが上昇している領域(約8=90.付近ま で)に存在することは確かであるので,円柱後方に形 成される境界層が層流はく離していることは明らかで ある。従って,ここで取扱っているはく離は層流はく 離であることが確認できる。 4 . 3 は く 離 せ ん 断 層 の 形 状 と そ の 内 部 特 性 図5ははく離せん断層の形状を求めるために用いる 円柱後方の主流速度分布であり,D=18mmのTypeA

でRe=lOOOOのものを示している。安達ら('6)によれ

ば,各X/Dに対応する速度分布で,主流速度が極大 と 極 小 と な る Y / D の 位 置 が そ れ ぞ れ せ ん 断 層 の 外 側,内側境界であり,極大・極小値の間の領域がせん 断層である。実験ではこの方法をそのまま用いた。そ の際,問題となるのは速度の極大値と極小値が明確に 現れていない場合であるが,ここでは,速度が任意の X/DでY方向に沿って大きく変化する位置をせん断 層の境界とした。求めた両Typeのはく離せん断層の 形状を3つのレイノルズ数について図6に纏める。 Typeとレイノルズ数が同じであれば,直径の異なっ /VD D=10mm D=18mm TypeA0.8‐0.9 ○ □ TypeB 1.6‐1.8 ● ■ TypeA D=l8mm Re=10000 一一﹄一 0246802 ●●●●●●● 0000011 一一一一二一一一一一一一一I DDDDDDD oX/ △X/ □X/L のX/ ▽X/ ◇X/ △X/ 1 0

(7)

17 0 図8せん断層内パワースペクトルの最大値の変化 00.20.40.60.81.0 X/D (c)「 TypeA Re=7000 口 ロ − 6 b TypeA Re=10000 9 g o ロ TypeA Re=13000 0 0 9 ロ Q Q Q 9 0,=l0mm pD=18mm g g g Q p p 9 口 o q 9 9 口 ロ 9 9 口。 5 0 ローン Q0.5 湯 Q湯0.5 ○D=10mm □ID=18mm OD=l0mm pD=18mm 0 0 0 0 0 . 5 1 . 0 1 . 5 0 0 . 5 1 . 0 1 . 5 0 0 . 5 1 . 0 1 . 5 X / D X / D X / D ( a ) ( b ) ( c ) −6.0V O 50ms (a)渦放出周波数(b) 0 TypeB Re=13000 8 8 TypeB Re=7000 ■ ■ ー 。 ■ TypeBI

1

i

o

O

1

i

g

ロ 弓 5 日 ■ ■ U 8 W ■ 。 □ ■ ■ U U O U ■■ ■■ SOS 〆 Q0.5 >’ Q0.5 津 ●D=10mm ■D=18mm ●D=10mm ■ID=18mm ●D=10mm ■ID=18mm 0 0 0 0 0 . 5 1 . 0 1 . 5 0 0 5 1 . 0 1 . 5 0 0 . 5 1 . 0 1 . 5 X / D X / D X / D ( a ) f ( b ) ’ ( c ) f 図 6 は く 離 せ ん 断 層 の 形 状 上述の乱流遷移の開始と終了の定義には任意'性がある ので,遷移領域の幅に多少差異があっても問題はない であろう。両Typeとも遷移領域はレイノルズ数が増 加するにつれて上流側に移動し,同じレイノルズ数で はTypeBに比べてTypeAの方が円柱に接近して乱 流遷移を引起している。図9は,TypeA(D=10mm) でRe=13000のせん断層内パワースペクトル分布(図 8(c)に対応する)で,X/D=1.0のものである。パ ワースペクトルは低周波数から高周波数にかけて右下 がりの分布を示し,図7(b)で見られるようなピーク も現れていないことから,流れはこの位置で確かに乱 流に遷移していることが分る。はく離せん断層が乱流 6.0V |口一mm R]叩旧 匪匪 ○口︲Alop ○口 .□ 1.5 q目、1.0 − 〆 〔タコ 0.5 鳥居・布施:円柱背面の伝熱流動特性 00.20.40.60.81.0 XID (b),

0510

。︶画 。︶ぬ 0 0 00.20.40.60.81.0 X/D (aソ 0 0 . 4 k H z f パ ワ ー ス ペ ク ト ル 図 7 は く 離 せ ん 断 層 内 の 速 度 変 動 1.5 1.5 1.5 1.5 0 0 . 2 0 . 4 0 . 6 0 . 8 1 . 0 X/D (b)

0510

。︶画 Amg41 昨週一日一 00.20.40.60.81.0 X/D (c)

+lL

U1ppDp98

O5

LO

c︶⑳ 0 0 0 00.20.40.60.81.0 X/D (a)

1

.

0

の0.5

播品o

1.5 1.5 ●D=10mm ■D=18mm q、‐〆コ1.0 〔タコ 0.5 T y p e B I I I R-13000

- + ト ー

‐Q2■■a■

■ ● D = l O m m l I 1 ■ D = 1 8 m m TypeB(D=18 Re=7000 atXノD宮0.4 0 mm)

M ハ ハ

/ 、 ノ

1J

(8)

e●ロ 30 へ早期に遷移すれば,主流とせん断層間,せん断層と 死水領域間の運動量輸送が活発に行なわれ,せん断層 の渦度もより早く拡散する。せん断層がレイノルズ数 の増加によって厚くなった図6の結果はこれに対応し ていると思われる。運動量がせん断層の両側で活発に 交換されれば,それにともなって円柱後方の熱の拡散 も助長されるであろう。従って,レイノルズ数が同じ であっても,TypeAとTypeBで円柱背面ヌセルト 数に違いが現われたのは,円柱背面に形成されるせん 断層が層流から乱流へ遷移する段階の違いによるもの と考えられる。 以上の状況から判断して,主流乱れのスケールと円 柱径の大小関係によってはく離せん断層の乱流遷移は 異なり,これが円柱背面の伝熱特性に大きく左右する ことが分った。そこで,主流乱れの強さをほぼ一定に 保って円柱径の違いによる背面熱伝達を取扱った既報

の('0)の結果を再検討してみる。

図10は既報のヌセルト数の結果を図2のものと共に 纏めたものである。既報のD=14mmとD=10mmの結 果はそれぞれTypeAとTypeBのものとほぼ一致し ている。これに対応して,はく離せん断層の形状とパ ワースペクトルのピーク値の流れ方向の変化をレイノ ルズ数が7000の場合についてそれぞれ図11と12に示 す。両図中では,TypeAとBの結果としてD=18mm のものを再録している。D=14mmとD=10mmの双方の せん断層の形状とパワースペクトル分布は,それぞれ TypeAとTypeBのものとほぼ同じである。先の実 験では主流乱れのスケールを測定していないので断定 はしかねるが,乱れスケールは使用した円柱に比べて D=14mmのものでは小さく,10mのものでは大きかっ たものと考えられる。

1.5

20000 。︶ぬ 0 0

0,6kHz

f 図9X/D=1.0でのTypeAのパワースペクトル 100 Re=7000

-89::

PrBviousData eD=10mm

D

=

1

4

m

e Nu

-号

●合 50 ■TypeB(D=18mm) ●PIW池usDa極 (D=1.0mm) 0 5 0 0 0 1 0 0 0 0 Re 図10既存の実験結果との比較 0 0

畑③

図 1 1 は く 離 せ ん 断 層 の 形 状 ■ ■ ■ ■

0

Q

OS 1 . 0 1 . 5

畑⑥

1 0 1 s OS 0 一

| ’

TypeA(D=10mm)

Re=13000

atX/D=1.0

= へ ' 、 一 ∼ ﹄ ノVD D=10mm D二18mm TypeA 0.8.0.9 ○ □ TypeB 1.6‐1.8 ● ■

(9)

1.5

0 鳥居・布施:円柱背面の伝熱流動特性 1.5

0 19 O 0 . 2 0 . 4 0 . 6 0 . 8 1 , 0 0 2 0 . 4 0 6 0 . 8 1 0

X / D X / D

( a ) ( b )

図12せん断層内パワースペクトルの最大値の変化 次の問題は,主流の乱れのスケールAと円柱径D を変化させた場合,なぜ円柱背面の伝熱’性能はA/D の小さい方が良いのか,という点である。スケールが 円柱径に比べて小さい場合の主流乱れは,円柱前面に 形成される境界層に深く浸透し,せん断層の乱流遷移 を促進すると思われる。一方,スケールの大きな乱れ は,せん断層の全体的な変位を与える程度で,その遷 移に大きく影響することはない,先に述べたように背 面熱伝達ははく離せん断層の遷移と密接な関係がある ので,TypeAとTypeBでヌセルト数に違いが現わ れた図2の結果は上記の効果によって生じたものと考 えられる。 5 . ま と め 主流の乱れのスケールと円柱径の双方を変化させた 場合の円柱まわりの伝熱流動実験を行ない,円柱背面 熱伝達と後流について幾つかの知見が得られたので以 下に纏める。 (1)円柱後方起点の熱伝達係数は主流の乱れのス ケールの違いによって異なり,乱れのスケールと 円柱径の比で纏められることが認められる。すな わち,円柱背面熱伝達は乱れのスケールと円柱径 の大小関係によって左右される。 (2)はく離せん断層内の乱流遷移はレイノルズ数の 増加にともなって上流側へ移動し,その程度は TypeBよりもTypeAの方が顕著である。この 変化に対応して円柱後方岐点の熱伝達係数も異な ることから,円柱背面熱伝達ははく離せん断層内 の乱流遷移によって影響される。 文 献 l ) 2 ) 3 ) 4 ) 5 ) 6 ) 7 ) 8 ) 9 ) 10) 11) 12) 13) 14) 15) 16) Zukauskas,A・andZiugzda,J、,HeatTransferof aCylinderinCrossflow,(1985),97,Springer-Ver‐ lag・ Comings,EW.,ほか2名,1,t、EngChem"40−6 (1948),1076. Petrie,A、M・andSimpson,HC.,1,t.』・Heat MassTransfer,15−8(1972),1497. Boulos,M・IandPei,DC.T、,1,t.』、HeatMass Transfer,17−7(1974),767. Bloor,S、,J・FluidMech.,19−2(1964),290. Gerrard,JH.,J,FluidMech.,25-2(1966),401. 谷一郎,流体力学の進歩境界層,(1984),156, 丸善株式会社。 VanDerHeggeZijnen,BG.,Appl・Sci、Res.,A7 (1957),205. Hinze,J,0.,Turbulence,2ndEd.(1959),760, McGraw-HilL 布施・ほか2名,機論,57-536,B(1991),1416. 布施・ほか2名,機論,50-453,B(1984),1302. 布施・ほか3名,機論,51-470,B(1985),3392. 西川・藤田,伝熱学,(1982),6,理工学社 岡本・竹内,機論,41-341,B(1975),181. Goldstein,S、,ModernDevelopmentsinFluid Dynamics,(1964),632,Dover・ 安達・加藤,日本航空宇宙学会誌,23-256,(1975), 45.

参照

関連したドキュメント

振動流中および一様 流中に没水 した小口径の直立 円柱周辺の3次 元流体場 に関する数値解析 を行った.円 柱高 さの違いに よる流況および底面せん断力

So, the aim of this study is to analyze, numerically, the combined effect of thermal radiation and viscous dissipation on steady MHD flow and heat transfer of an upper-convected

 左記の3つの選択肢とは別に、ユーロ円 TIBOR と日本円 TIBOR の算出プロセス等の類似性に着目し、ユーロ円 TIBOR は廃止せ ず、現行の日本円 TIBOR

Amount of Remuneration, etc. The Company does not pay to Directors who concurrently serve as Executive Officer the remuneration paid to Directors. Therefore, “Number of Persons”

電気の流れ 水の流れ 水の流れ(高圧) 蒸気の流れ P ポンプ 弁(開) 弁(閉).

 東京スカイツリーも五重塔と同じように制震システムとして「心柱制震」が 採用された。 「心柱」 は内部に二つの避難階段をもつ直径 8m の円筒状で,

②上記以外の言語からの翻訳 ⇒ 各言語 200 語当たり 3,500 円上限 (1 字当たり 17.5

FLOW METER INF-M 型、FLOW SWITCH INF-MA 型の原理は面積式流量計と同一のシャ