一一一相愛大学、相愛女子短期大学学生の
学園生活に対する意識の比較一
A Study on the Making of the Life−Consciousness of Young Women −A Comparative Study on the Making of life Consciousness of the College Students, at Soai Junior & Senior Colleges一 (PART ll)長 野 孝 男
滝 省 治
諸 言 我々は先に行った「女子学生の生活意識について(その1)」における研究から、相愛大学 学生の生活意識についての全般的な傾向を知ることができた。これは音楽を専攻する学生はそ の専門性故に日常生活においても一般的な女子学生とかなり異った学園生活を送っているとい う仮説の検証を目的とした研究であり、音楽を専攻することに対する強い専門意識の存在が明 らかにされた(1)。しかし予備的な調査であり、比較を試みた対象者との生活意識の差を深く堀 り下げることはできなかった。本研究は、この調査結果を基礎に相愛大学の音楽専攻学生の学 園生活に対する意識をより明確に把握しようとする試みである。 一般的に大学での専攻の役立ち方は二種類に分けて考えられる②。一つは職業教育として役 立つ専攻、他方は教養として役立つ専攻である。この観点からみると音楽の専攻は前者に入る。 近年、女性の専攻分野が拡大してきている。しかし全体としてみると、教養として役立つ、人 文・社会・家政等の専攻者が多い。今回は音楽専攻に対する比較に女性の専攻者が多い人文学 科を選定した。そこで同一の地に存在する相愛女子短期大学の国文科の学生に調査を依頼した。 短期大学という特性が加わることを考慮に入れ、検討を加えたい。 本 論 近年、産業構造の変化、都市化の進展、生活水準の向上、高学歴化の進展等、我々をとりま 63く社会そのものが大きく変化している(3)。当然その中で生活する我々も社会変化の影響をまぬ がれない。まして将来をになう青年は意識するしないにかかわらず、この変化の影響を最も敏 感に感じとり行動に移す。こうした流動的な社会に生きる青年の意識を扱う調査研究では、ま さに「現代の青年の意識」を測る尺度が重要となる。現代青年の意識と行動を把握しようと試 みられた数多くの調査研究との対応を考えながら調査を進める必要があろう。また上述の社会 変化に伴って出現した青少年の体力問題、余暇の善用等の問題は現代社会の大きな課題となり つつある。本研究はこうした問題認識に立ち以下の目的を持ち検討を試みる。
1 目
的 1 相愛大学音楽専攻学生と相愛女子短期大学学生との学園生活に対する意識の差異、及び 同一世代の青年との生活意識の差を検討する。皿 研 究 方 法
1 調査解発:昭和57年9月中旬∼10月中旬 2 調査対象:相愛大学音楽学部4年生(85名)、同1年生(74名)、相愛女子短期大学国文 科2年生(85名)、計244名。相愛大学1年生では男子学生8名の結果を得たが、今回の分析で は女子のみを対象とした。相愛大学音楽学部学生のうちわけは表1の通りである。 表1 音楽学部学生の専攻別人数潭…面嫌.一で・・春駒細管副“課オ・痂 藤器f[E酬音楽学
年年 −﹂優 3り白27
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3 調査内容:学園生活に関する13の項目よりなる調査用紙を作成した。内容は以下の通り である。なお○内の番号は項目番号である。 ① 入学目的ω・②現在の生き方と将来の生き方について④・③平日、休日の余暇時間につ いて(6)・④一日の勉強時間について・⑤生活満足度について㈲・⑥サークル・クラブ活動につ いてω・⑦価値観・興味の対象についてω・⑧働く意味について(s)・⑨就職について・⑩余暇 のすごし方について(9)・⑪余暇活動の内容u)・⑫体力について㈹・⑬スポーツの好嫌につい て{10〕 4 結果の整理:2次元クロス集計を行ないX2検定を行う。この際、桝の中に5以下の度数 が出現した時は、尤度比法を用いたX2検定を行ない(5)、2×2、四分表分析においてN≦21 の時、あるいは桝の中の度数が小さい時にはフィッシャーの直接検定法を行う(11)。 64皿 結果と考察
1 学園生活の状況と女子学生の生き方 まず初めに相愛大学音楽専攻生と相愛女子短期大学国文科学生の入学目的をみよう。図1は 両者の大学への進学目的を比較するものである。ここで相愛大学学生は大学生活に親しみ、相 愛大学の学生としての集団規範(group norm)を身につけているであろう4年生(N =85) のみを扱っている。第1項目の自立・就職を入学目的とする回答に差はみられなかったものの、 (o/o)0000000087654321
* *** ** ■鞭大学4年(N・…85) [=コ相愛女子短期大学(N=85) ** o ①自立・就職 ②教養を③だれでも大学④専問追求⑤人との触れあ のため 磨く へ行くから のため いを持ちたい 図1 大学への進学目的 註)*一5%1eve】**一1%leve1***一〇.1%1eve1有意義 第2項目以下、すべての項目に有意差が認められた。相愛短期大学学生が相愛大学生より高い 比率を示した目的項目は教養を磨くため、だれでも行くから、人との触れあいを持つの項目で ある。逆に相愛大学学生が相愛女子短期大学学生よりも高い比率を示すのは専門を持ち、自分 なりに追求していきたいという専門性の項目であっt。これらは前回の結果と一致するもので あり、さらに相愛女子短期大学学生が教養、人との触れ合い等、女子学生の一般的な入学目的 を示すことが認められた。以下の考察において、繁雑さを避けるため相愛女子短期大学の名称 を単に短大と述べる。 ではそうした入学目的を持った学生が現在どのような生活を送っているのであろうか。生活 時間に目をうつそう。学生の本分である勉学時間(授業を除く)と余暇時間を図2に示した。 勉学時間・余暇時間いずれも0.1%水準の有意差が認められた。これは音楽専攻生と短大生の 生活時間の連関を示すもので、勉学時間で0.57、平日の余暇時間について0.42、休日では0.34 の連関係数を得た。図から勉学時間の多いものは音楽専攻生、少ないものは短大生、また余暇 時間では逆に多いものは短大生、少ないものは音楽専攻生と見ることができる。このように音 楽専攻生は、余暇時間が比較的少なく、勉学時間を多く持つ傾向が認あられる。しかし、より 多くの比較対照データを得たい所である。 65(%) 50 40 30 20 10 勉学時間*** Cr=o,570 ○一相愛大学音楽専攻4年 ロー相愛女子短期大学国文科2年 乎日の余暇時間*** Cr=o,421 休日の余暇時間*** Cr=o.344
HU LT H”
1時間未満 1時間∼ 2時間∼ 3時間∼ 4時間以上 3時聞未満 3時間∼ 4時間∼ 5時間∼ 6時間以上 5時間未満 5時間一 7時間∼ 9時間∼ 11條ヤ以上 義 意 有d
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学︶ 勉注 2 図 ごく最近の意識構造の変動を扱った研究では、1973∼1978年の5年間という短期間に非常に 大きな変化が認められたことを報告している(12)。それは青年層における「あそび」「私的自由 志向」の広がりを指摘するものであり、生き方においては私生活中心の考え方が青年の中に強 く支持されるようになってきているとするものである④。相愛大学生、短大生の生き方を見よ う。図3−1、2が両者の生き方を示すもので、3−1図が現在の生き方、3−2図は将来に おける生き方である。差のみられた項目は現在の生き方の第2項目のみであった。 これは生 活享受、すなわち現状に甘んじ与えられた範囲で自分の生活を楽しむとする項目である。短大 生は音楽専攻生に比較すると私生活中心の方向に行きるものが多いといえる。けれど将来にお いては差が認められず図から短大生のそれが減少していることが分かる。このことは、今現在 (%) 60 50 40 30 20 10 ***■相歎学
□鞭階隠鰍学
。 ①自分のやりた②生活享逸 ③逃避安逸④よりよい祉⑤現状保持 ⑥達観修養 いことを楽しむ 会の実現を めざす 図3−1 現在の生き方;***一〇,1%level有意義 66(o/o) 60 50 40 30 20 10 o ①自分のやり たいことを 楽しむ
■相愛大学
割相愛女子繍大学
②生活享受 ③逃避安逸④よりよい社 会の実現を めざす 図3−2 将来の生き方 ⑤現状保持 ⑥達観修養 の短大生における「遊び」指向の強さとその態度に自ら期間を定めている姿勢を示すもので はないだろうか。では彼女達は何に興味を持っているのだろうか。シュプランガーの考えた6 つの価値類型をもとにしたオールボートの価値・興味項目、(理論型、経済型、審美型、社会 型、権力型、宗教型)について考えよう。成人の興味は安定性があり、さらに獲得された興味 や価値は選択力を持ち、その興味に適合した行為を導くと考えられている(13)。図4に相愛大 生・短大生の興味の対象を図示している。両者の各興味型についての差は認められなかった。 (%) 60 50 40 30 20 10 o 理論型■樋大学
□鞭女子短甲学
経済型 審美型 祉会型 図4 興味の対象 権力型 宗教型 能力と興味の相関は高く、音楽専攻生に審美型の興味を持つ者が多いと考えたがこれは検証で きなかった。 2 生活満足度について 図5は生活満足度の結果を示すものである。生活満足度については東京都が昭和51年に行っ た大都市青少年の生活一価値観調査の項目を使用した。この調査は項目に対する満足1から不 満足5の数値の一つを選択する評定尺度法を回答法としたもので本調査も同様に行った。今回 は標本数が少ないことで満足、やや満足を「満足」、やや不満、不満を「不満」とし、「どちら でもない」を加え3段階で分析した。なお図では「どちらでもない」の反応を除き、全体的な 6790 80 70 60 50 40 30 20 10 9旧 いまの住まいには
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満足 不満足 図5−2 異性の友入関係 NN N NN
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N NNN C) 一一T N NX”., * Nl. 」 不満足 生活程度には 満足 不満足 図5−3 余暇時間量 政治のあり方 *π紳且一
奔 ’ ’ ’ ノ ! ノ ! 一 ノ ’ ! ノ ノ ! ! ノ ノ ∠ 満足 不満足 図5−4一
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二* 満足 不満足 図5−5 満足 図5−6 満足 不満足 図5−7 満足 不満足 図5−8 傾向を分りやすくしている。相愛大生、短大生の結果に東京都調査(15∼25才女子732名、以 下対照群と呼ぶ)の結果を加え検討する。 図5−1∼4は住まい、社会体制、生活程度、政治のあり方等、学園生活から多少離れた社 会生活全般に対する満足度を示している。住まい、社会体制に対しては相愛大生、短大生とも 対照群に比べ満足率が高く不満率は低い。生活程度の満足早には3群間に差がみられず、政治 6890 80 70 60 50 40 30 20 10 教育水準には 「* v\\\\
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一〇相愛大学音楽専攻4年(N=85)
⊂トー一Hコ相愛女子短期大学国文科2年 (Nニ85) △一一一『一’△比較対象群、15∼25才女子(N=732) 注)*一5%、**一1%、***一〇.1%Ievel有意差 学校の授業には駄♂
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**環i 授業時数には矧外\
率 授業以外での 先生との接触には 暫黛一一一『一曹価一 *﹁ ﹂ * 満足 不満足 図5−9 ヒ 満足 不満足 図5−10一 一
満足 不満足 満足 不満足 図5−11 図5−12 90 80 70 60 50 40 30 20 10 いまの学校に 通うことに\
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学校の規則には クラブ活動には r*“*x.***1 ’× *
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学校の雰囲気 * ﹁−*一1﹂ 満足 不満足 図5−13 満足 不満足 図5−14 し し し 満足 不満足 満足 不満足 図5−15 図5−16 のあり方では相愛大生、短大生とも対照群に比べ不満足の回答比率が少ないことが分かる。以 上の結果から、相愛大生、短大生とも社会生活に高い満足傾向を示す集団であると考えられ る。 図5−5、6は友人関係の満足率を示しており、同性に対しては相愛大生、短大生とも対照 群に比べ満足率が高い。また対異性では相愛大生が不満足に高い比率を示した。 69図5−7、8は余暇に対する結果である。余暇時間量では短大生が他に比べ満足率が高く、不 満率が少ない。また、余暇のすごし方では相愛大生が対照群に比べ不満率が高い点が理解され る。 図5−9∼16は学園生活に対する満足率を扱った項目の結果である。教育水準については短 大生が対照群に比べ満足率が高い。学校の授業に対する満足率は相愛大生と短大生とで異った 反応を示している。すなわち、相愛大生は満足率が低く、不満率が高い。一方短大生では対照 群に比べ満足率では差がみられないが低い不満率を示す。短大生は授業に対して満足傾向を示 すが、相愛大生は不満足傾向を示すようである。短大生はまた、授業時数について満足率が高 く不満率は低い。しかし授業以外での先生との接触に対する満足率は対照群より低くなってい る。今の学校に通うことでは3群間に差がみられなかった。学校の規則に対しては短大生は満 足率が高く、不満率は低い。この低い不満率は相愛大生にも認められることから、相愛大生、 短大生とも学校規則には満足傾向にあるようである。けれど、クラブ活動では、相愛大生、短 大生ともに統制群より満足率が低く、同時に高い不満率を示す。このことからクラブ活動に対 しては、相愛大、短大ともに不満足傾向を示すことが認められる。図5−16は東京都の調査に はない項目である。学校の雰囲気といった漠然とした項目に対する反応では、短大生は相愛大 生より満足率が高く、不満率が低いことが示されている。 近年、多くの大学でサークル・クラブ活動は非常に活発に行なわれており、学園生活に対す る満足度も、それらへの参加の有無によって (%) 80 70 60 50 40 30 20 10 図6 サークル・クラブ活動 _している。(N= 87) 一・一一していたがやめた。(N= 27) 一一一一一していない。(N=・119) /AX ti Nx ,ノ 、、、 1 ’N
il>)〈7N(d ,.
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i / N一一一一.一.一一L一一.一.> N N ’ 満足 どちらとも 不満足 いえない サークル・クラブ活動状況とクラブ活 動に対する満足度の関係 注)*一5%,***一〇.1%1eve1/
! がノ ノ//’
70 変化するだろう。サークル・クラブ活動状況 と図5−1∼16に示した学園生活の満足度の 項目をクロスさせ分析を試みた。有意な差が みられた項目はクラブ活動に対する満足度の 項目のみであった。図6はこの関係をみたも のである。クラブ活動をしているものはして いないもの、あるいは途中でやめたものに比 べクラブ活動の満足率が高く、又途中でやめ たものは、しているもの、していないものに 対して不満率が高い。当然の結果であるが、 途中でやめる者が全参加者のY4近くいること に注目したい。 3.余暇に対する考え方と余暇活動の内容 余暇開発センターが行った余暇活動に関 する調査(昭和53年)」では青年の余暇活 動の特質として、仲間が集まること、入念な準備をすること、必要なお金はけちらないこと、時間を多くかけること、などをあげてい る。以上の諸点を相愛大生、短大生について検討する。図7は以上の特質の比率を図示したも のであり、相愛大生、短大生の中央に上述の調査結果を掲載し、この結果を対照群として上か ら順に考察を進める。 余暇は誰 かと一緒 にすごす のがいい 相愛大学 n=83 79.5 20.5 一 20代青年 n二612 相愛女子 短期大学 n =84 68.6 31.4 Nx 83.3 16.7
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* 余暇は一 一一」 人ですご 一「 すのがよ ** い“
余暇は1「・ 軽に楽し めるもの をやるに かぎる。 できるだ けお金を かけずに 余暇をす ごすべき だ。 余暇時間 はできる だけ多い 方がいい 図7 相愛大学 n =84 58.3 41.7 N 20代青年 n二612 相愛女子 短.期大学 n =85 71.6 28.4 一 52.9 47.1 「*v﹁⋮﹂
準備や努 力が必要 でも奥行 きのある 余暇活動 をしたい 相愛大学 n := 84 20代青年 n =612 相愛女子 短期大学 n =85 33.3 66.7 x 53.0 47.0 1 * 「紳v
44.7 55.3 相愛大学 n =84 2◎代青年 n =612 相愛女子 短期大学 n =85 51.2 48.8 N 78.3 21.7 、詞.﹂
余暇を充 実させる にはお金 がかかる のも仕方 がない。 ***ノJ・限あれ 12.9 余暇のすごし方 注) *一590/, **一1%, ***一〇.1% 1evel有意義 余暇時間 は必要最 ばよい。 余暇活動において友人の存在を求める者の比率は相愛大生、短大生とも対照群より高く、ま た余暇活動の為の準備をいとわない者の比率も同様に高い。お金をけちらないとの観点では相 愛大生は対照群に比べ高い比率を示す。しかし余暇時間は多くなくともよいと回答する比率は 対照群より高い。さらに短大生に対しても差は認められ、相愛大生は、こと余暇時間量に限っ ては消極的であるといえよう。以上の結果をまとめると相愛大生、短大生は青年の特徴として 71上げられる余暇活動の特質をより多く示す集団であり、余暇積極派の多い集団と考えられる。 その中で余暇時間の差は、相愛大生が音楽の専攻生であり、図3に示されたように、余暇時間 の少なさに関連すると考えられる。 次に余暇活動の内容をみよう。表2は複数回答によって得られた各活動内容の比率を示した ものである。50%以上の選択率を持つ活動は買物、友達との交際、音楽、旅行等である。相愛 大生、短大生間で選択率の差がみられた活動のうち、相愛大生の比率が高いものは、学習研究 活動及び美術であり、反対に短大生の選択比率の高かったものは買物、テレビ、ラジオであっ た。 4.職業、就職に対する考え方 青年は仕事の意味として、抽象的な役割規定からとらえるのではなく、現実の生活を維持す るとか自分の能力をためすといった具体的な生活欲求に結びつく仕事の意味を考えるといわれ ている(8)。相愛大学音楽専攻生と短大生に仕事の意味を選択させた結果が図8である。両者に 差のみられたカテゴリーは「社会の一員としての役割を果たす」及び「個人の能力を発揮する ため」の2項目であり、音楽専攻生は個人の能力を発揮することを仕事に意味づけている。ま 生活を維持す るため。 社会の一 員として の役割を 果たすた め。 人としての当然のつ とめを果たすため。
t
個人の能力 を発揮する ため。 相愛大学 n二156 相愛女子 短期大学 n=142図8
35,3 23.7 12,2 28,8 t * N. N k *N S. 33.1 34.5 14.1 18.3 仕事の意味(第1位,第2位選択項目) 注)*一5%1evel有意義i就 相愛大学 n =63 79.4 25.4 17.5 専門性が生 かせる仕事 に限り *** 就労条件が 悪くても*** 望む仕事が みつからな くても *** 相愛女子 @ 短期大学。_81n鵬
79.0 642 図9 就職に対する考え方 注) ***一〇.1% leve]有意差 7210 20 30 40 50 60 70 80 90 l I 暉 1 ■ 1 1 1 5 専門的・技 解////////////////〃〃ノγ//〃靹 術的職業 1 *** 管理的職業
扮一*
荿ォ
囮相愛大学
m==コ相愛女子短期大学 事務 ***]
販売サービス励
1 図10 付く意志のある職種 注)*一5% ***一〇.1%level有意差 表2 高い関心を持つ余暇活動の内容の内容と比 の差の検定(複数回答,数値は%)愛含4
相を 4 ︵年 = 体−︶N 全大む 動 活 暇 余 買 物 友達との交際 寝 る 見るスポーツ するスポーツ テレビ・ラジオ 学習・研究活動 音映 楽画けいこごと
守手美
行芸術
65.2 78.7 25.8 13.2 (N ==159) 40.9 (N−15{) 37.3 7.8 62.3 37.7 24.2 54.5 25.4 20.1 相愛大学 4年生 N=一85 56.5 77.6 18.8 15.3 48.2 30.6 14.1 68.2 40.0 25.9 54.1 24.7 32.9 相愛女子 短期大学 N 一= 85 74.1 78.8 25.9 48.2 3.5 55.3 41.2 30.6 63.5 23.5 9.4 相愛大4 年一短大 80 間の有意 差 70 * 60 50 40 30* * 20 * 10 注)短期大学で実施した調査票には見る,するスポーツ の項目が含まれなかった。 *一5%level有意差 ﹁*−﹂ ト●相愛大1年女子(N二74) ○’t『一〇相愛大4年女子(N二85) △一一△対照群20−24才女子 (N=121)《ユ
/.\」 / , ℃ , 、 , 、 ’ ’ 、 へ ’ 、 ’ ーノ 、 ’ 、 △ 、 1i,. 自信あり 普通 不安 図11体力に対する意識 注)*一5%, **一1% ***一〇.1%leve1有意差 た、短大生は社会の構成員としての義務としての職業観を持つ者の割合が多く、積極的な就職 意志の表われとみることができよう。図9は就職意志のある者に対し、就職に対する考え方の 回答結果を図示したものである。相愛大学音楽専攻生は専門性を生かすことを中心に考えてい ることが分かる。また短大生は、就労条件が悪くても、または望む仕事がみつからなくても就 職したいと回答する者の比率が高い。相愛大学学生に比べ非常に積極的な就職意志を持つもの と考えられる。図10は就職意志のある職種の複数回答による選択結果であり相愛大生、短大生 間の差を比較するものである。相愛大音楽専攻生は専門的、技術的職業を選択するものが多く 73短大生は事務を職種として上げるものが多いことが分る。 5.体力に対する意識について 短大生に対し行った調査票には体力に関する項目が含まれなかった。ここでは相愛大1年と 4年生の結果とスポーツに関する世論調査(昭和51年)の結果とを比較する。図5は体力に対 する意識、自信がある、普通だと思う、不安がある等に関するこれらの結果である。自信があ るとする者の比率は1年一4年間で差があり、4年生に体力について自信があるとする者の比 率が高い。また不安があるとするものは1年、4年ともに対照群とした同世代女性の比率より 高い。相愛大生は体力に不安を持つ者の比率が高いことが明らかにされた。 IV 要 約 先行研究により相愛大学音楽専攻生が強い:専門意識を持つことが確認された。音楽専攻学生 の学園生活に対する意識を明確にすべく、相愛女子短期大学学生との比較を試みた。 結果を相愛大学音楽専攻生、相愛女子短期大学国文科学生の特徴として示す。 1.相愛大学音楽専攻生の特徴 専門追求を入学目的としたものが多く、学習11寺間は全般に多い。そして平日、休Eiとも余暇 時間の少ない者が多い。 生活満足度では、社会生活、同性の友人関係、学校規則には満足するも、クラブ活動、余暇 のすごし方、特に学校の授業等に不満を持つ。余暇活動では余暇積極派と呼べる者が多いが、 時間は多くとらない。就職は個人の能力を生かすことを考え、専門的職業に就くことを願う。 体力に不安を持つ者がやや多い。 2.相愛女子短期大学国文科学生の特徴 多くの女子学生と同じく一般教養を身につけることを目的として入学、学習時間は少ないが 余暇時間は多く持つ。現在の生き方としては「生活を楽しむ」とする者が多い。生活満足度は 高い。同性の友人関係、余暇時間、学歴、授業、学校の雰囲気等ほぼあらゆる学園生活の場面 に満足している。不満足な点はクラブ活動の実施と授業以外での先生との接触の少なさ等ごく 少数である。余暇活動は積極派が多い。就職については事務系を中心に非常に意欲的である。 参 考文.献 (1) 長野溜男(1980)女子学生の生活意識について一特に音楽専攻生の学生生活を中心に一相愛女子大 学・相愛女子短期大学研究論集音楽学部編 (2) 木村敬子(1975)現代女性の意識と生活73頁[.1木放送出版協会 (3)吉田昇氏(1978)現代青年の意識と行動24−44:頁日本放送出版協会 (4)東京都(1977・9月)大都市青少年の生活・価値観に関する調査文献(3)より引用、同文献166 頁、50頁 74
(5)安田三郎(1971)社会調査ハンドブック156頁191頁有斐閣双書 (6)総理大臣官房広報室(1966)青少年の余暇活動のための施設について文献(5)より引用 (7) L. E. Tyler (1965) The Psycho lo gy of Human Differences Appleton一一century−crofts New York (8) NHK放送世論調査所(1974)日木人の勤労観調査 文献(3)より引用 124頁 (9)余暇開発センター(1978)余暇活動に関する調査文献(3)より引用 135頁 (10)総理大臣宮房広報室(1976)スポーツに関する世論調査 133頁 134頁 (11)B.S.1ヴェリット.山内光哉監訳(1977)質的データの解析 16頁 新曜社(12)NHK放送世:論 調査所(1982)現代日本人の意識構造 236頁 (13)G.W.オールポート今田恵監訳 人格心理学上 297頁 75