162 会報 1959 No.29 7月 北海道地理学会 目次 北海道の気候変化…奈良部理…162 地理学習指導の中心的問題点…榎本昌一…163 会報…166 北海道の気候変化(要旨) 奈良部理 1.気候週期について從来支配的な考え方とし て次の様な考え方がある。 (1)Bruckner週期 Conpean leaの水位変化から降水量の 増減を推定しその週期性を打出したもので 34.8±0.7年の週期を提唱した。 (2)太陽黒点の変翼 太陽黒点は11.12年毎に増減しその極大 のとき気温減少し最少のとき高温となる。 (3)観測時代後の気候要素 Wienの気温観測値Romeの降水量変化 によりその変移度と周期性が立証されてい る。 2.北海道の気候要素変化 函館,根室 札幌 旭川 網走の5ケ所につ いて1890~1950の60年間に 夏冬の 気温 年平均気圧 冬の積雪量につき極大. 極小をとって5地区を比較し その共通なも のを求めて見ると 次のような特性が認めら れる。 (1)気圧の高いとき 一般に北海道の夏気温が高 い傾向がある。 (2)但し夏気温が下る場含でも内陸部でわ 必ずしもその影響はなく海岸部で特に偏差が 大きくなる。 (3)冬の積雪は地域差が大きく気候変化解析の 材料としてはもつと別な面からの検計が必要 である。 3.函館に於ける気候要素間の関係 以上の5地点のうち特に函館について降水 量霜雪季節のDataを加えて累年毎の気 候状態を調べてみると (1)夏冬の気温の波は 一致してる場合が多い。 これは太陽活動及び大気状態のフラス マ イナスで共通の要因が仂いているとみなされる。 (2)気圧上昇の年は気温については極大または 極小つあらわれる公算が大きい。これは上層の Zonalの活動力が旺盛なるのと推定出来る。 (3)気圧の異常低下の場合には降霜降雪期間
163 の著しい延長.降水量、降雪量の増となって現 われ、低気圧及び前線の往来が相当頻繁なこ とと相まつて、現象の了解は出来る。 4.以上の点の総括 地点別及び函館での解析結果によって気温を 中心とし,他の気候要素を参考にして、1943 年の値を基準に極大型と思はれる年を列記して みると,次の様に配列される。 1894、1901、1906、1916、1924. 1933、1937、1943、1950. これは年差6±1、又はこの倍数の値で示され, 北海道では6年を週期とした週期が認められる。 これは黒点週期的な役割を果すとともに,ヨー ロツパで観測された週期に類似する型を示し 北緯40~50と辺における共通現象として認め ることが出来ると思う。 [昭和34.6.28 第9回総会にて発表] 地理学習指導の 中心的問題点 路図中心の授業展開 榎本昌一 ○「わかる」「覚える」「面白い」授業とするには どうすればよいか 私は永年教壇に立ってきているものであるが、 いつも生徒にわかる授業をしたいと念願してい る。わかれば生徒は覚えるし,覚えれば面白く なってくる。そうなれば生徒の態度も変り、学習 意慾が増すわけである。そうゆう次第であるから わかる授業はどうゆうようにすればよいか。これ については在来の授業は講義式が大半のように見 うけるのであるが、私はわかる授業という点から 反省の必要があると思う。わかるようにするた めには、どうゆう道を通るかは下の図式を参照 されたい。 即ち講義式は「耳による学習」という面だけで ある。これもわかる学習への一つの途であるが その他に地理授業では特にし「目による学習」、 それと同時に手による学習、即ち作業学習が必 要である。この3方面から学習を進めて行きた いものである。 ○耳による学習 これによる普通の授業形態は次のようなもの (A)議演式のもの―大学など (B)労作を析込んだ説話型式のもの ―普通の型 説話法には 1.数学の比較対照法2.帰納と