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講
演
テ レ ビ ジ ョ ン に お け る デ ィジ タ ル フ レー ム メ モ リー
の 応 用 と特 殊 効 果†
伊
藤
豊*
1. ま え が き 近 年A/Dコ ン バ ー タ の 高 速 化,デ ィ ジ タ ルICメ モ リ ー の 高 性 能 化,低 廉 化 は 著 し く,テ レ ビ信 号 の デ ィ ジ タ ル 処 理 が 可 能 と な り,テ レ ビ 標 準 方 式 変 換 装 置(Tele-vision Standards Converter:以 下TSCと 略 記),フ レー ム シ ン ク ロ ナ イ ザ(Frame Synchronizer:FS),デ ィ ジ タ ル 特 殊 効 果 装 置(Digital Video Effect:DVE), デ ジ タ ル ス ト ロ ボ ア ク シ ョ ン(Digital Strobo Action: DSA),デ ィ ジ タ ル ノ イ ズ リ デ ュ ー サ(Digital Noise Reducer:DNR)な ど,フ レ ー ム ま た は フ ィ ー ル ド メ モ リ ー を 利 用 し た 各 種 単 体 機 器 が 製 品 化 さ れ,放 送 局 内 の シ ス テ ム の 簡 素 化,画 面 構 成 の 多 様 化,画 質 改 善 な どに 役 立 っ て い る. こ れ ら の 装 置 は,映 像 信 号 を デ ィ ジ タ ル 化 し て 一 時 メ モ リ ー に 記 憶 し,読 み 出 し た の ち ま た 元 の ア ナ ロ グ信 号 に 戻 す と い う過 程 に お い て, (1)画 質 はA/D,D/Aコ ン バ ー タ の 特 性(LPF,標 本 化 周 波 数,量 子 化 ビ ッ ト数)で 決 ま り,デ ィ ジ タ ル 化 した 後 の 信 号 の 蓄 積 や 処 理 の 度 数 に ほ と ん ど 無 関 係 で あ る. (2)デ ィ ジ タ ル 信 号 を メ モ リー す る の が 容 易 に で き, メ モ リ ー の 時 間 に 関 係 な く そ の 画 質 が 劣 化 し な い. (3)メ モ リー へ の デ ー タ の 書 き込 み と,読 み 出 しの ク ロ ッ クを 独 立 し て 制 御 す る こ と に よ り,周 波 数 変 換 や 位 相 変 換,ス ト ッ プ モ ー シ ョ ン な ど が 可 能 で あ る. (4)ラ イ ン 内 挿**,フ ィ ー ル ド内 挿**,ド ッ ト内 挿** で は 正 確 な 演 算 処 理 が 可 能 と な り,画 質 は 設 計 した と お り に な る. な ど の 特 徴 を 利 用 し た も の と い え る. 以 下,各 種 の代 表 的 な装 置 につ いて そ の動 作 概 要 を述 べ る. 2. フ レ ー ム メ モ リー の 応 用 2.1 フ レー ム シ ン ク ロナ イザ1)∼3) テ レビの 画面 合成(ミ キ シ ン グ や は め 込 み な ど)で は,局 外 か らの 入 力信 号(地 方 局,中 継 車,ヘ リ コ プ タ,宇 宙 中 継 な ど)は,従 来 同時 には 一 箇 所 しか 扱 え な い とい う制約 が あ っ た.こ れ は局 内 の 同 期 を 局 外 の それ に 同 期 結 合 させ る た め 同時 に は一 つ しか選 べ な い か らで あ る. フ レー ム シ ン ク ロナ イ ザ は,局 外 か らの 映像 信 号 を画 質 劣 化 な しに 局 内 の 同期 に合 致 す る よ うに,そ の 周波 数 と位 相 を変 換 す る も の で,こ れ を 複 数 台用 いれ ば,従 来 の 制約 は解 消 され て,ス タ ジ オ カ メ ラ と同様 に取 り扱 う こ とが で きる と 同時 に,従 来 の同 期 結 合 に伴 う数 々 のへ い 害 も解 決 で き る. 本装 置 の系 統 を 図1に 示 す. 入 力 映像 信 号 のバ ー ス ト***に 完全 に 同期 した3倍 周 波 数(3.58×3=10.7MHz)の ク ロ ッ クパ ル ス を 発 生 し,こ れ に よ りA/Dコ ンバ ー タに お い て,入 力 信 号 を 標 本化 し量 子 化(8bit)す る.映 像 信 号 の 各 画 素 のPCM デ ー タ は,1フ レー ム分 の容 量 を 持 つ メモ リー に,基 準 とな る ゼ ロ番 地 が 入 力 映 像 信 号 の フ レー ム単 位 で,常 に 同 じ位 置 に な る よ うに 遂 次 書 き込 まれ て記 憶 され る.こ こで 書 き込 む と い うこ とは,す で に記 憶 され て い た デ ー タを新 しい デ ー タに 置 き換 え る こ とを意 味 す る. 次 に,い った ん メ モ リー され た デ ー タを,局 内 の基 準 の 同期 信 号 よ り作 った ク ロ ックパ ル ス で読 み 出 して復 号 し,入 力信 号 の 同期 と は無 関 係 な 基準 同期 に結 合 した 映 像 信 号 に変 換 す る.す なわ ち,画 像 を記 憶 す る メモ リー を 中心 に,そ の メ モ リー上 で の 書 き込 み と読 み 出 しの動 作 を,お 互 い に独 立 して行 な わ せ る こと に よ っ て,周 波 数 と位 相 の変 換 が 達 成 され る.
†Application with Special Effects of a Digital Frame Memory to Television * 東 京 放 送 テ レ ビ本 部技 術 局 この 原 稿 は,昭 和54年 照 明学 会 全 国 大会 の特 別 講 演 を ま と めた もの で あ る.紹 介 者 編 集 理 事 山 根 幹 也 ** 内 挿:サ ンブ リ ング シ ス テ ム に お い て,サ ン プル 値 間 の失 わ れ て い る 情 報 を,相 関性 の あ る サ ンプ ル値 の合 成 に よ っ て補 間 す る 手 法 で,テ レビ信 号 を 画 像 処 理す る電 子 ズ ー ミン グや 方 式 変 換 な ど で 用 い られ る. *** バ ー ス ト:色 同期 信 号 で,水 平 帰 線 消 去 期 間 に挿 入 され て い る. ―8― Journal of the Illuminating Engineering Institute of Japan
テ レ ビジ ョンに お け る デ ィジ タル フ レーム メ モ リー の応 用 と特 殊 効 果 伊 藤 豊 769 図1 フ レー ム シ ンク ロ ナイ ザ の 系 統 図 (TBCは ス ーパFSの と き必 要) メ モ リー 素 子 はMOSタ イ プ のRAMで,容 量 と し て 1フ レ ー ム か ら,1フ ィ ー ル ドと 約1/2に 減 ら し,小 型,軽 量,低 廉 化 が な さ れ た も の も あ る, 2.2 ス ー パ フ レ ー ム シ ン ク ロ ナ イ ザ4)5) 近 年 ハ ン デ ィ カ メ ラ と3/4イ ン チ カ セ ッ トVTRを 用 い た ニ ュ ー ス 取 材 が 行 な わ れ て い る.3/4イ ン チVTRは 民 生 用VTRで,ジ ッ タ(時 間 軸 の ゆ れ)が 多 く放 送 規 格 を 満 足 し て い な い.こ れ を タ イ ム ベ ー ス コ レ ク タ(T BC)を 用 い て 規 格 に 合 致 さ せ て い る が,TBCはVTR と垂 直 同 期 を と る 必 要 が あ る た め,常 に 連 結 し て 使 用 せ ざ る を 得 な か っ た.ス ー パFSは,従 来 のTBCとFSの 両 方 の 機 能 を 持 つ も の で,こ れ を 局 側 に 設 置 す れ ば,中 継 出 先 で カ セ ッ トVTRに 収 録 し,再 生 し た ニ ュ ー ス は,TBCを 使 わ ず 直 接 マ イ ク ロ波 で 局 に 伝 送 し,た だ ち に 放 送 に 使 用 す る こ と が で き る.ハ ー ド と し て は,FS の 前 に イ ン タ リ ー ビ ン グ 再 生 の た め の ヘ テ ロ ダ イ ン機 能 を 有 す る(図1参 照). 2.3 静 止 画 伝 送6) FSの メ モ リ ー と,こ の メ モ リー へ の 書 き 込 み,読 み 出 し の 速 度 を 変 換 す れ ば,静 止 画 を 伝 送 す る こ と が 可 能 で あ る.図2は そ の 系 統 図 で あ る. 図2 静止画伝送 システム 送 信 部で は,カ メラな ど か らの 映 像信 号 をPCM信 号 に変 換 し,DPCMに よ り 帯 域 圧縮 した もの を1フ ィ ー ル ド分 のICメ モ リー に 書 き込 み,こ れ を た とえ ば,既 設 のMODEMな どを端 局 とす る公衆 電 話 回 線 や,VHF, UHFの 連 絡 無 線 回線 の帯 域 に 合わ せ て,読 出 し速 度 を 変 えて 送 り出 す. 受 信 部 で は,MODEMな どの 端 局 よ り得 られ たPCM 信 号 を 再 度 メモ リー に書 き込 み,標 準 テ レビの走 査連 度 に 合 わ せ て読 み 出 した の ち,さ らに 帯 域 圧 縮 復 調 器 を 通 して 帯 域 復 元を 行 な い,さ らに ア ナ ロ グ信 号 に戻 して 出 力 す る.し た が って 出 力 側 で は 伝送 回線 の伝 達 速 度 に 応 じて,一 定 時 間 間 隔 で 静 止 画 像 が 得 られ る. 2.4 テ レ ビ標 準 方 式 変 換 装 置6)7) カ ラ ー標 準 方 式 の変 換 に は,525/60と625/50の 走 査 方 式 の 変 換 と,NTSC,PAL,SECAM間 で の カ ラー方 式 の 変 換 が あ る.前 者 の走 査 方式 の変 換 では,ラ イ ン数 の 変 換,フ ィ ール ド数 の変 換 が 必要 とな り,通 常2∼3 フ ィー ル ドの メモ リー を要 す る.カ ラ ー方 式 の 変 換 は, 一般 に 入 力 信 号 を輝 度 信 号(Y)と 色 差 信 号(R-Y ,B -Y ,ま たはI,Q信 号)に デ コー ドし,そ れ ぞ れ 別 々 にPCM化 した の ち多 重 化 し,ラ イ ン変 換,フ ィ ー ル ド 変 換 を 経 てD/Aで 再 び色 差 信 号 と し,最 後 に カ ラ ーエ ン コー ダで 所 要 の方 式 を得 て い る. 図3は,625/50よ り525/60へ 変 換 す る場 合 の 内 挿 に よ る奇 ・偶 の 出 力 フ ィー ル ドを作 る二 つ の 方 法 を 示 し,LI1は 荷 重値 の 最 小 ス テ ップを1/4と し,出 力 ラ イ ンに 最 も近 い2入 力 ライ ンを そ の距 離 に 応 じて 荷 重 し, LI2は 荷 重 比 を1:1に 固 定 して合 成 す る方 法 で あ る. LI1は 静 止 画 像変 換 に優 れ て い るが,動 画 像 で は エ ッジ に く し状 の ひ ず み が 現 わ れ る.LI2は 若 干 の幾 何 ひ ず み が残 留 す る が,く し状 のひ ず み は 生 じな い 、 図3 フ レー ム 内 ライ ン内 挿 の 方 法 図4は 同装 置 の基 本 構 成 でY,R-Y,Y-Bは 別 個 に デ ィジ タ ル変 換 され,多 重 化 の の ち 入 力 に 同期 して順 次 三 つ の フ ィー ル ドメモ リー に 書 き込 まれ る.こ れ らか vol.63 No.12 ―9―
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照
明 学
会
雑 誌
昭 和54年 図4 適応形 フレーム内 ライ ン内挿方式 によ る方式変換装置の系統図 らそ れ ぞれ 画 面 上 の同 じ位 置 に 対 応す る1ラ イ ンず つ が 出 力 側 の 同期 信 号 に 同 期 して 順 次読 み 出 さ れ る. この よ うに 読 み 出 され た 信 号ABCは,同 一 フ レー ム に 属 す る2ラ イ ンず つ を 組 に して,二 つ の ライ ン内挿 回 路 に よ り奇 ・偶 の一 致 した 二 つ の 中 間 フ ィー ル ドD,E を 構成 す る.こ の と ぎ ラ イ ン内 挿 回路 は動 画 検 出 回路 に よ り内挿 モー ドLI1あ るい はLI2の いず れ か を 選 択 す る よ うに制 御 され る. 一方 ,動 画検 出回路は フィール ドメモ リーか ら1フ レ ー ム差 のあ る出 力 を 選 び,両 者 の レベ ル差 か らあ らか じ め 設定 され た し きい 値 を 超 え た と き,そ の 位 置 の画 素 を 動 画素 と し,こ の動 画 素 か ら特 定 の ア ル ゴ リズ ム よ り動 画 領域 を決 定 す る.こ の よ うに して得 られ たD,Eは 荷 重 合成 され 出 力 フ ィ ール ドFが 内挿 され る. 2.5 ノイ ズ リデ ュー サ8)9) 映像 信 号 の 周 波 数 ス ペ ク トル は 、 フ レー ム周波 数 で繰 り返 してい るの に 対 して,雑 音 成分 の ス ペ ク トルは 一 般 に 周波 数 軸 上 で 一 様 に 分 布 して い る.そ こで フ レー ム周 期 で繰 り返 す く し形 フ ィル タを 映像 信号 系 に 挿 入 す れ ば,信 号 成 分 に は 影 響 を 与 え ず,雑 音 成 分 だ け を減 衰 さ せ るこ とが で き る. 図5に 基 本 構 成 を示 す.こ の 回路 は1フ レー ム の遅 延 線 を有 す る再 帰 形 フ ィル タで,入 力 映 像 信 号 を フ レー ム 周期 ごとに 時 間 的 に平 均 化 す る回路 で あ る.こ の周 波 数 伝 達特 性 は 図6に 示 す よ うに,フ レー ム 同期 で繰 り返 す く し形 で,そ の 山 の 頂上 付近 は テ レ ビ映 像信 号 の スペ ク トル と一 致 し,映 像 信 号 成 分 に は ほ と ん ど影 響 を与 え な い.図5の ク ロマ イ ンパ ー タは,フ レー ム ご とに180°異 な る クロ マ信 号 の 位 相 を フ レー ム 間 で一 致 さ せ る もの で 図5 基 本 構 成 図6 一 次 再 帰 形 フ ィル タ の 周 波 数 半特性 あ る. 係数 器(1-K),(K)は 入 力映 像 信 号 と1フ レー ム 遅 延 信 号 の 両者 に 与 え る係 数 器 で,こ の値 に よ りS/N 改 善 特 性 が 変 わ る.図6の フ ィル タ の周 波 数 特 性 で 見 る な ら,Kを 増 大 す る と く し形 が狭 帯 域 とな り雑 音 の 抑 圧 効 果 が 良 好 とな る. しか し,こ の 回 路 は 映 像 信 号 を時 間 軸 上 で平 均 す る積 分 回路 と して 働 くた め,動 きの あ る部 分 に対 して 時 定 数 を持 ち残 像 効 果 が 現 わ れ る.す なわ ちS/N改 善 効 果 を 大 にす る と副 作 用 で あ る残 像 効果 も増 大 す る. こ の動 きの あ る 部分 の 残 像 効果 を 軽 減 す る のが 図5の 点 線 部 分 で あ る.減 算 器 出 力 の差 信 号 に は フ レー ム間 自 己相 関 の な い雑 音 成 分 と,信 号成 分 の フ レー ム間 で 変 化 した 差 分 が 得 られ る.前 者 は一 般 に 静止 部 分 で得 られ 振 幅 は 小 さ く,後 者 は 動 きの 部 分 で振 幅 が大 き い.し た が っ て差 信 号 振 幅 が 小 さい と き係 数Kを 大 き く,大 き い と き 係数Kを 小 さ くす れ ば,残 像 を軽 減 して効 果 的 にS/N を 改 善 で き る.ま た,ノ イ ズ の視 覚 特 性 を考 慮 して 残 像 軽 減 を 行 な う方 法 も発 表 され て い る. 3. 特 殊 効 果 へ の 応 用 デ ィ ジ タル 特殊 効 果 に 関 して は,縮 小,拡 大,画 面 割 りな どの 基 本 機 能 を 有 す るデ ィジ タ ル ビデ オ エ フ ェ ク ト 装 置(DVE)に,分 解 写 真 の効 果 の マ ル チ ス トロボ(別 名 マ ルチ フ リー ズ),ソ ラ ソゼ ー シ ョ ン 効 果 の スペ シ ャ ル デ ィ フ ェ ク トの 機 能 が 加 わ り,さ ら に ス トロボ ア ク シ ョン で代 表 され る軌 跡 表 示 装 置 が 出現 して,茶 の間 の 話 ―10―テ レ ビ ジ ョ ンに お け る デ イ ジ タ ル フ レ ー ム メ モ リ ー の 応 用 と 特 殊 効 果 伊 藤 豊 771 題 と な っ た こ と は 記 憶 に 新 しい. これ ら の い ず れ の 機 器 に お い て も,フ レ ー ム メ モ リ ー と,デ ィ ジ タ ル 信 号 と して の 性 質 を 巧 み に 利 用 した 手 法 が 用 い られ て お り,ま た 既 存 の ス イ ッ チ ャ ー と ミキ シ ン グ ・ア ン ド ・キ ー ヤ ア ン プ(MK-Amp.)と 組 み 合 わ せ て 多 様 な 効 果 を 生 み 出 して い る.本 稿 で は,現 在 用 い ら れ て い るDVEと ス ト ロ ボ 効 果 の 基 本 的 な 手 法 に つ い て 概 要 を 紹 介 す る. 3.1 デ ィ ジ タ ル ビ デ オ エ フ ェ ク ト (1)DVlEの 概 要10)11) 図7はDVEの 系 統 図 で,映 像 信 号 と コ ン ト ロ ー ル 信 号 の 流 れ を 示 し て い る.DVEは 標 準 のFSにDigital Video Processor:(DVP)を 付 加 す る こ と に よ り構 成 さ れ る.図7の 点 線 上 部 がFSで 下 部 がDVPで あ る. 映 像 入 力 信 号 は,入 力 の バ ー ス ト信 号 に 位 相 同 期 した 3倍 の ク ロ ッ ク(10.7MHz)に て デ ィ ジ タ ル 化 さ れ 、 8ビ ッ トの パ ラ レ ルPCM信 号 に な る.PCM信 号 は 通 次 に デ ー タは,水 平 方 向の 空 間 周波 フ ィル タ に は い り,垂 直 方 向 の場 合 と 同様 に,縮 小 に 伴 う内 挿 に よ って 折 り返 し雑 音 が 発 生 しな い よ うに,縮 小 サ イ ズ に 応 じて 高 周 波 成 分 が除 去 され る.フ ィル タの 出 力 は 水 平 内 挿 回 路 に は い り,必 要 とす る点 の デ ー タが 内 挿 に よ り作 られ る. これ らの デ ー タを 内挿 器 と連 動 す る ア ド レス(縮 小 の 度 合 いが 大 きい ほ ど変 化 が遅 い)で,バ ッ フ ァ メ モ リー に 書 き込 む こ とに よ り,バ ッフ ァ メモ リー 内 に 水 平 方 向 の 縮 小 した 画像 を得 る こ とが で き る.こ う して あ らか じ め 水 平 方 向 だ け縮 小 され た デ ー タを,メ イ ン メモ リーに 書 き込 む と きに,垂 直 の サ イ ズに 応 じた 垂 直 ア ドレス操 作 に よ り垂 直 の縮 小 が 行 なわ れ る.メ イ ン メ モ リーに は 水 平,垂 直 と もに縮 小 され た 画 像 が 書 き込 まれ る こ とに よ り,こ れ を 基準 の ス ピー ドで 読 み 出 した 後,D/A変 換 して縮 小 され た ア ナ ロ グ映 像 信 号 を 得 る こ と が で き る. 図7 DVE系 統 図 常 の動 作 あ るい は 拡 大 の場 合 に は,そ の ま ま メ イ ン メモ リー に書 き込 まれ るが,縮 小 の 場 合 にはDVP内 の 遅 延 グル ー プへ 送 られ る. 遅 延 グル ー プはOH(H:1走 査 線長),1H,2H, 3H遅 れ た 信 号 を 出 力 す る.こ れ らは 次 段 のY/C(輝 度 信 号/色 信 号)分 離 に 送 られ て,く し形 フ ィル タに よ りY成 分 とC成 分 に 分 離 され る.こ の と き折 り返 し雑 音 の 発 生 を防 ぐた め に,垂 直 方 向 の縮 小 率 に 応 じて カ ッ ト オ フ周波 数 が変 化す る空 間 フ ィル タが か け られ,高 い周 波 成 分 が 除去 され る. 垂 直空 間周 波 フ ィル タか らは,1Hず つ 時 間差 を もつ Y,C信 号が そ れ ぞ れ1組 ず つ 出 力 され,次 段 の垂 直 内 挿 に よ って,サ イ ズ,位 置 に 対 応 して,原 走 査 線 の情 報 か ら,そ の間 に 位 置 す る必 要 な走 査 線 を 作 り出す こ とが で き る. 拡 大 の 場 合 で も,水 平 方 向 は バ ッ フ ァ メ モ リ ー,垂 直 方 向 は メ イ ン メ モ リ ー で 行 な わ れ る こ と は 変 わ らず,バ ッ フ ァ お よ び メ イ ン メ モ リー に 書 き込 む と き に は,基 準 の ス ピ ー ドで 書 き 込 み,読 み 出 し時 に 読 み 出 し ア ド レ ス を 制 御 し て 拡 大 率 に 応 じ て ゆ っ く りデ ー タ を 読 み 出 し, こ の デ ー タか ら 内 挿 に よ り必 要 な 画 像 情 報 を 得 る こ と に よ り行 な っ て い る. 以 上 の コ ン ト ロ ー ル は,マ イ ク ロ コ ン ピ ュ ー タ か ら 出 力 さ れ る 基 礎 デ ー タ に 基 づ い て 行 な わ れ る.マ イ ク ロ コ ン ピ ュ ー タ は,ク ロ マ キ ー 連 動 な ど 外 部 か ら の 制 御 用 キ ー 信 号 の 寸 法 ,位 置 な ど の 基 本 デ ー タ を キ ー シ ェ ー パ よ り,あ る い はDVE付 属 の コ ン ト ロ ー ル 用 のA/D変 換 器 か ら 受 け 取 る.キ ー シ ェ ー パ は キ ー 信 号 の 大 き さ,位 置 を,垂 直 方 向 は 走 査 線 の 細 か さ で,水 平 方 向 は ク ロ ッ ク 間 隔 で 測 定 し,バ ス ラ イ ンを 通 じて マ イ ク ロ コ ン ピ ュ Vol.63 No,12 ―11―
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雑
誌
和 和54年 ー タ に送 出 す る.A/D変 換 器 は 寸法,位 置 に 対 応 す る DC電 圧 を受 け,こ れ を デ ィジ タル に変 換 した 後,同 じ よ うに バ ラ ンス ライ ン上 に送 り出 す. マ イ ク ロ コ ン ピ ュー タは,こ れ らの デ ー タを 受 け,水 平 ・垂 直 の た め の縮 小 比 率 と ア ドレス の初 期 値,そ の 他 必 要 な値 を希 望 す る効 果 に 従 っ て計 算 し,バ ス ラ イ ンを 通 じて 各 デ ー タ処理 回 路 お よ び 制御 回路 に送 り出 す. (2)DyEに よ る各 種 効 果6)10) (a)ス トップ モ ー シ ョン FSの メモ リーへ の 書 き込 み を 禁 止 す る と新 デ ー タは 書 き込 まれ ず,書 込 み 禁 止 す る直 前 に記 憶 され た デ ー タ が 何 回 も続 け て続 み 出 され,ス トップモ ー シ ョ ンが達 成 され る. (b)駒 止 め ス トップモ ー シ ョンの書 き込 み 禁 止 を 間 けつ 的 に行 な え ば駒 止 め が 得 られ る. (c)ク ロマ キ ー 連 動 に よ る 縮 小 図8に,ク ロス キ ー トラ ッキ ン グに よ る効 果 の一 例 を 示 す.ス タ ジオ カ メラが コ メ ンテ ー タ と背 後 の ブ ル ース ク リー ンを捕 え て い る.こ の ブ ル ー ス ク リー ン部 分 に リ モ ー ト信 号 を ス ク リー ンの 大 きさ に縮 小 して は め 込 む手 法 であ る. 図8 ク ロ マ キ ー ト ラ ッ キ ン ク 図8の(1)で は,ブ ル ー ス ク リ ー ン の 一 部 は カ メ ラ の 視 野 外 に あ り,縮 小 さ れ た 画 像 も こ れ に 対 応 し て 一 部 が 視 野 の 外 に 出 る よ う に マ イ ク ロ コ ン ピ ュ ー タ が 制 御 す る. 次 に カ メ ラが パ ン しス ク リ ー ン が 移 動 す る に つ れ,縮 小 さ れ た 画 像 は,自 動 的 に ス ク リ ー ンを 追 い か け る((2)の 状 態).さ ら に カ メ ラ が ズ ー ミ ン グ を し て ス ク リー ン を ア ッ プ す れ ば((3)の 状 態)、 内 部 の 画 像 も ス ク リー ン に 従 っ て 大 き く な る.さ ら に ズ ー ム ア ッ プ す れ ば,ス ク リ ー ン部 分 は 拡 大 し カ メ ラ の 視 野 い っ ぱ い に 広 が る が,こ の と き 縮 小 さ れ て い た 画 像 は 現 寸 と な り,結 果 と し て 取 りき りの 画 像 とな る. (d)縮 小 縮 小 の場 合 の 系統 は,図8で ク ロマ キ ー 信 号発 生器 が ワイ プ波 形 発 生 器(画 面 転 換 や は め込 み に使 わ れ る丸 や 菱 形 な どの 波形 発生 器)に か わ るだ け で,他 は ほぼ 同 じ で あ る.モ ー ドと して4:3モ ー ドと独 立 モ ー ドが あ る. 4:3モ ー ドは,ク ロマ キ ー連 動 と 同様 に マ イ クロ コ ン ピ ュー タが 入 力 キ ー信 号 の縦 横 の長 さを 計 算 し,長 い ほ うを 基 準 に して画 像 を 圧縮 す る.し たが っ てキ ー信 号 の短 い ほ うで は画 像 の 両 端 は 切 られ る こ とに な る. 独 立 モ ー ドの場 合 に は,縦 横 の 寸法 が 独 立 に変 化 す る の で,入 力 キ ー信 号 と画像 出 力 の ア スペ ク ト比 は 一 致 す る.縦 ・横 単 独 の 圧 縮 も この モ ー ドに な る. (e)拡 大 拡 大 の 場 合の 入 力 キ ー信 号 と画 像 との 関 係 は,入 力 キ ー 信 号 に 対 応 す る入 力 画像 の部 分 が 画 面 い っぱ い に 拡 大 さ れ る.拡 大 に お い て も4:3モ ー ドと 独 立 モ ー ド が あ る. (f)引 抜 き 引 き抜 きは縮 小 にお け る4:3モ ー ドの応 用 で あ り, キ ー信 号 と して,縦 また は 横 の い ずれ か 一 方 の ワイ ブ波 形 を使 用 す れ ば,そ れ ぞ れ 水 平 また は垂 直 方 向 に引 き抜 く(ま た は引 き込 む)こ とが で きる. (g)画 面 割 り(ス プ リ ッ ト) ス プ リ ッ トモ ー ドに は,さ らに細 か い 動 作 を 規 制 す る ダ ブ ル と ス トレ ッチ の モ ー ドが あ る. ダ ブル の 場 合 は,画 像 が ス プ リ ッ トされ て,両 側 に 移 動 して で きた 空 間 に は,両 側 か らの画 が連 続 して 表示 さ れ るの で,中 央 部の 画像 は画 面 上 二 重 に 現 わ れ る.ス ト レ ッチ モ ー ドに お い ては,中 央 部 は 画 像 の 切 断 面 そ の も の が 長 く引 き伸 ば され た 形 に表 示 され る.い ず れ の場 合 に も,キ ー 信 号 の 幅 と ス プ リ ッ トされ る長 さ との 関 係 は 同 じで,キ ー 信 号 の幅 だ け 水 平 あ るい は 垂 直 に ス プ リッ トされ,お の お の 独立 に あ る いは 両 方 向 同 時 に も可能 で あ る. (h)カ ー テ ン 効 果 画面 を 水平 方 向 に縮 小 して い くに 従 い,ち ょ う ど カー テ ンを開 い て い く ときに で き るひ だ の よ うな 明 暗 が 付加 され る効 果 で あ る.水 平 方 向 だけ 可 能 で あ る. (i)ミ ラ ー 効 果 図9に ミラー効 果 の た め の 系 統 図 と効 果 の例 を示 す. 原 埋 的 に は,DVEの 出力 をMKア ンプを 経 由 してDVE に 再 入力 す る こ とに よ って 得 られ る.す なわ ち一 度 入力 され た 画 像 は 次 々 と縮小 と移 動 が繰 り返 され る の で,図 に 示 した よ うに 数 多 くの画 像 が得 られ る. キ ー信 号 の 種 類 と動 作 モ ー ドを変 え る こ とに よ り,種テ レ ビ ジ ョ ン に お け る デ ィ ジ タ ル フ レ ー ム メ モ リ ー の 応 用 と特 殊 効 果 伊 藤 豊 773 図9 ミ ラ ー 効 果 図10 基 本 構 成 々 の ミラ ー効 果 が 得 られ る.(1)は 縮 小 と移 動 を 同 時 に用 いた 場 合 で,(2)は 縮 小 せ ず 移動 だ け を 用 いた 場 合 で あ る.図10に ミラ ー効 果 の一 例 を示 す. (j)ス ペ シ ャルデ ィフ ェク ト 映 豫 信 号 の デ ィジ タル デ ー タの 中 の 特定 ビ ッ トを 強 制 的 に0ま た は1と す る こ とに よ り,油 絵 風 あ るい は ソ ラ リゼ ー シ ョ ンに 近 似 した 効果 を得 る もの で,マ ル チ ス ト ロボ と と もにDVEの 一 機 能 と して 用 い られ る.ビ ッ ト 落 と しの具 体 的 な回 路 は,図7の 垂 直 内挿 のYとCの 回 路 にそ れ ぞ れ 設 け られ る.こ れ は デ ィ フ ェク ト画 面 を 作 る と き,Yデ ー タ の ビ ッ ト落 と し とCデ ー タの そ れ とで は,そ れ ぞ れ そ の効 果 が違 うた め,独 立 に行 な う よ うに して あ る.図11に その 効 果 例 を 示 す. 図11 ミ ラ ー 効 果 3.2 ス ト ロ ボ 効 果12)∼14) 53年1月,CBSテ レビか ら宇 宙 中 継 で 送 られ て きた ア メ リカ ンフ ッ トボ ー ルの 画 像 か ら始 ま った 移動 体 の 軌 跡 を残 す 特 殊 効果 は,A新 聞 に よ り 「ス ポ ー ッ 番 組 の 革 命」 と紹 介 され た の が き っか け と な り,各 放送 局 が 競 演 の形 と な っ た.そ の 画 面 効 果 は,ス チ ー ル写真 の ス トロ ボ に よ る多 重 露 出 の よ うな 画 面 が 得 られ,各 種 の ス ポ ー ツ番 組 や,ド ラマ,CMに 使 用 され て い る. そ の後,移 動 体 の軌 跡 が 重 な り合 っ て見 に く くな る欠 点 を補 う もの と して,分 解 写 真 風 に呈 表 す るマ ル チ ス ト ロボや ス トロボ効 果 の基 本 機 能 を 発 展 させ た ス トロボ シ フ ト効 果,ま た軌 跡 を古 い ものか ら順 次 消 して い く デ ィ ケー ス トロボ,軌 跡 に着 色 す る着 色 ス トロボ や,背 景 を 単一 の色 を 置換 す るバ ッ クカ ラ ー の機 能 を含 ん だ 新 しい 特殊 効 果 と発 展 して い る. ま た,こ の特 殊 効 果 では,ス トロボ効 果 を 得 る部 分 を 任意 に指 定 す るため マ ス ク機 能 が 必要 で あ り,そ の 方 式 に は,テ レス トレー タ,ラ イ トペ ン,ワ イ プ波 形,ま た 野球 ボ ー ル な どの特 殊 な ケ ー ス で は,自 動 追 尾 の 方 式 が 提 案 さ れ て い る.こ こ で はす で に 発表 され て い るス トロ ボア ク シ ョンの基 本機 能 を 中心 に述 べ る. (1)ス トロボ ア ク シ ョン12)14) 基 本 構成 を 図12に 示 す.主 要 な 部 分 は,画 面 中 の移 動 体 の 位 置 情 報検 出 回路 と,こ の検 出 され た 信 号 で移 動 体 の 画 像 信 号 を抜 き取 っ て順 次 多重 記 憶 す る1フ ィー ル ドの 画 像 メ モ リー とそ の 制 御 回路,移 動 体画 像 を 残 す 周 図12 ス ペ シ ャ ル デ ィ フ ェ ク ト 期 を 制 御 す る イ ン タ ー バ ル 信 号 発 生 器,マ ス ク 信 号 発 生 部 な ど か ら な る.こ れ ら の 画 像 処 理 は す べ て デ ィ ジ タ ル 的 に 行 な わ れ,入 力 の 映 像 信 号 は10.7MHzで サ ン プ リ ン グ さ れ,8ビ ッ トに 量 子 化 さ れ る. 移 動 体 の 位 置 情 報 を 検 出 す る 方 法 と して,Differen-tial.key方 式 とSelf-key方 式 の 二 通 りが あ る(図12のS 3).前 者 は ス ト ロボ 動 作 開 始 直 前 の 画 像 を 比 較 用 画像 メ モ リ ー に 書 き 込 み 静 止 画 と す る.こ の 比 較 用 背 景 画 像 よ り入 力 画 像 を 引 き 算 す れ ば,動 き の な い 同 一 絵 柄 の 部 Vol.63 No.12 ―13―
774 第63巻 第12号
照
明
学
会
雑
誌
昭 和54年 分 は0と な り,移 動 した部 分 は正 また は 負 の信 号 とな る の で,こ れ を 移 動 体 の 位 置情 報 と して 利 用 す る.Seif-key方 式 は,入 力画 像 その もの の 信 号 レベ ルか ら検 出す る方 法 で,背 景 の レベ ルが 移 動 体 に 対 し,正 また は 負 の 一定 方 向 で あ れ ば 移動 体 の完 全 な位 置 情 報 が 得 られ る. こ の よ うに して 得 られ た 位 置 情 報 は,1ビ ッ トの キ ー 信 号 とな り,マ ス キ ン グ回 路 の出 力 で 画 面 内 の必 要 な 部 分 だけ を抜 き取 り,1ビ ッ ト,1フ ィー ル ドの キ ー メモ リーに 記憶 され る.こ の と き,こ の キ ー 信 号 は イ ン タバ ル信 号 発 生器 か らの 制御 を 受 け,移 動 体 の 軌 跡 を 残 す時 間 間 隔(2nフ ィ ール ドごと)で1フ ィー ル ド(軌 跡 画 像 の書 き込 み 期 間)抜 き取 られ 記憶 され る. 画 像 メモ リー へ の書 き込 み 制 御 は,キ ー メモ リー 出力 と位 置情 報検 出 回路 か らの キ ー信 号 を 使 った 前 書 き,後 書 き制御 部 か らの信 号 で行 な わ れ,図12の ス イ ッチS1 がaに 接 続 され た と ぎ入 力 信 号 が 書 き込 ま れ,bに 接 続 され た と き画 像 メモ リーか らの 出 力信 号 が 再 書 き込 み さ れ る. 入 力信 号 の 書 き込 み は,イ ンタバ ル信 号発 生 器か らの 1フ ィール ドの 書 き込 み タ イ ミン グ期 間中 で,し か もキ ー メモ リーか らの 位 置 情 報信 号が な い 間,S1はa側 に ス イ ッチ ン グ され る こ とに よ っ て行 なわ れ る .一 方 この 書 き込 み タイ ミ ング期 間 中に,新 た な 位 置 情 報信 号 が得 られ れ ば キ ー メモ リー に書 き込 まれ る. 記 憶 され た 画 像 メモ リー上 の移 動 体 の 軌 跡 を再 記憶 さ せ るに は,書 き込 み タイ ミン グ期 間 中 で は,キ ー メモ リ ーか らの 位 置情 報 信 号 が あ る間 だ けS1をbに ス イ ッチ ン グす る.書 き込 み期 間 外(キ ー メモ リーへ の書 き込 み が イ ンタバ ル信 号 発生 器 で ラ イ トイ ン ヒ ビ ッ トされ て い る間)で はS1はbに 強 制 され,画 像 メモ リー全 体 を再 書 き込 みす る こ とで 内容 を 保 持 して い る. 画 像 メモ リーへ 入力 信 号 の 書 き込 み を毎 フ ィー ル ド行 なえ ば,1/60秒 単 位 の移 動 体 の 軌跡 が得 られ,間 欠的 に 行 な えば 任 意 の時 間間 隔 を 持 った軌 跡 が 書 き込 まれ る. 最 終 の合 成 画 面 は,こ の メモ リーか ら移 動 体 の軌 跡 を 読 み 出 し,書 き込 み に 使 用 した キ ー メモ リー か らの信 号 で ス イ ッチS2を 制 御 し,入 信 号 に は め込 む こ とに よ っ て 得 られ る. 軌跡 が 重 な り合 っ て書 き込 まれ る場 合,前 に書 き込 ま れ た 移動 体 信 号 を優 先 して 画面 に 残 す 方法(前 書 き) と,後 か らの 信 号 を優 先 させ る方 法(後 書 き)と が あ り,画 面 効 果 と してか な りの差 が 生ず る.ス イ ッチS1 S2の 制 御 に キ ー メモ リーか らの位 置情 報 信 号 を使 用 す れ ば,前 書 き と な り,位 置情 報検 出 回路 出 力 で キ ー メモ リー 出力 を 禁 止 す る こ とで後 書 きと な る.図13に 効 果 の 一例 を 示 す. 図13 ス トロボ ア クシ ョ ン (2)ス トロボ シ フ ト12)14) 移 動 体 の 位 置 が ほ とん ど変 化 しな い と き,移 動 体 を 順 次 水平 方 向 あ る いは 垂 直 方 向 に シ フ トして 残 し,そ の時 間的 な状 態 の 変 化 を 分 解 写 真 風 に 一 つ の 画 面 内 に残 す 方 法 であ る.図12の 画 像 メ モ リー お よび キ ー メモ リーの ラ イ トア ド レス を,移 動 体 の 書 込 み 周期 で 一 定 量(△Hま た は △の 変 化 させ れ ば 得 られ る. (3)そ の 他 の 効 果12)14) (a)軌 跡 画像 の 減 衰 画 像 メモ リー の 再書 込 み ル ー プに 減 衰 制 御 部(入 力 信 号 と画像 メモ リー 出 力 を 一定 の割 合 で合 成 す る回 路)を 挿 入 すれ ば,移 動 体 を 古 い ものか ら順 次 背 景 と置換 して い く効果 が得 られ る. (b)着 色 効 果 移 動体 に色 情 報 を任 意 の周 期 で合 成 す る効 果(着 色 ス トロボ)と,移 動 体 以 外 の部 分 を 色 信 号 で置 き換 え る 効 果(バ ッ クカ ラ ー効 果)が あ る. (G)パ ー トフ リー ズ ブ ラウ ン管 と ラ イ トペ ンに よ るマ ス ク信 号 発 生部 で任 意 の パ タ ー ンを メ モ リー し,こ の パ タ ー ンで,画 像 の一 部 だ け静 止 させ る効 果 で あ る。 (4)マ ル チ ス トロボ11)15) マ ルチ ス トロボ(マ ル チ フ リーズ と も呼 ば れ る)は, 入 力映 像 信 号 を1/4(縦 横 そ れ ぞ れ1/2),1/9,1/16に 縮 小 し,同 一 画 面 内 に 分 解 写 真 風 に呈 示 す る もの で,ス トロボ ア ク シ ョンで は,カ メ ラが パ ンや ズ ー ミングを し た時 に は 使 え な い とい う欠 点 を 補 う もの と して開 発 され た.し か し この 画 面 は,ス トロボ ア ク シ ョ ン とは違 った 効果 が あ り,音 楽 番 組 やCMに も多 用 され て い る. マ ルチ ス トロボ の 主 な 機 能 は下 記 の とお りで あ る. (a)コ マ数 に つ い て は,4,9,16の 三 とお りが 選 択 で き る. (b)各 コマ の 出 力 さ れ る順 序 は,左 上 か ら右 下 に順 次 出力 す るSEQUENCEモ ー ドと,任 意 の 順 序 で 出 力 す るTEN.KEYモ ー ドが あ る.テ レ ビ ジ ョ ン に お け る デ イ ジ タ ル フ レ ー ム メ モ リ ー の 応 用 と 特 殊 効 果 伊 藤 豊 775 (c)任 意 の 順 序 を あ ら か じ め メ モ リ ー に 記 憶 し て お き,こ れ を 読 み 出 して 使 用 す る こ と が で き る. (d)1コ マ ず つ 消 して い く こ と が で き る. 本 装 置 の 構 成 は,図7に 示 さ れ たDVE装 置 に 点 線 部 分 の 回 路 を 追 加 す る こ と に よ り達 成 さ れ る. マ ル チ ス ト ロ ボ で は,画 像 の サ イ ズ 連 続 縮 小,連 続 位 置 移 動 は 行 な わ れ ず,サ イ ズ に つ い て は3種 類,位 置 デ ー タ に つ い て は29種 類(4+9+16)だ け 必 要 で あ る の で,こ れ ら の デ ー タ は マ ル チ ス トロ ボ 回 路 内 のPROM に あ らか じめ プ ロ グ ラ ム し て お き,マ イ ク ロ コ ン ピ ュ ー タ と は 無 関 係 に,直 接 パ ラ ン ス ラ イ ン に フ ィー ル ドご と に 送 られ て 各 部 回 路 を 制 御 す る.図14に 効 果 の 一 例 を 示 す. 図14 マ ル チ ス ト ロ ボ 4. あ と が き 近 年,高 速 の デ ィ ジ タ ル 技 術 が め ざ ま しい 進 歩 を 遂 げ て い る が,放 送 技 術 の 分 野 で も 急 速 か つ 広 範 囲 に 利 用 さ れ て き て い る.現 在 で は 過 去 の ア ナ ロ グ 技 術 で は 不 可 能 で あ っ た フ レ ー ム,ま た は フ ィ ー ル ド メ モ リ ー を 利 用 し た も の が と く に 多 い.現 在 の 装 置 で も 左 右 反 転,ネ ガ ・ ポ ジ の 反 転,あ る い は2入 力,4入 力 で の 違 っ た 画 面 の 縮 小 合 成,さ ら に デ バ イ ス の 高 速 化 が 進 め ば,ロ ー テ ー シ ョ ンや 魚 眼 レ ン ズ 的 効 果 な ど も茶 の 間 に お 届 け で き よ う. カ メ ラ を 必 要 と しな い 画 像 生 成 の 分 成 で は,テ ス トパ タ ー ンや ネ ッ トマ ー ク,"お 待 ち く だ さ い"な ど の 静 止 画 は 実 用 化 さ れ て お り16),さ ら に コ ン ピ ュ ー タ と組 み 合 わ せ た 漢 字 デ ィ ス プ レ ー や グ ラ フ ィ ッ ク デ ィ ス プ レ ー は, す で に 選 挙 報 道 や ス ポ ー ツ,ニ ュ ー ス 番 組 で は お な じ み で あ る.さ ら に 最 近 で は コ ン ピ ュ ー タ 入 力 装 置 と し て, ラ イ トペ ン,デ ー タ ブ レ ッ トを 用 い,直 接 絵 を 画 く電 子 絵 画 装 置 が 発 表 さ れ て い る17).将 来,こ の 電 子 絵 画 は コ ン ピ ュ ー タ ア ニ メ ー シ ョ ン技 術18)や,大 容 量 磁 気 デ ィ ス ク メ モ リー と の 組 み 合 わ せ に よ り,ア ニ メ ー シ ョ ン 番 組 の 制 作 も 可 能 と な ろ う.テ レ ビ ジ ョ ン に お け る デ ィ ジ タ ル 技 術 の 応 用 は 夢 と 希 望 に 満 ち て い る. 最 後 に,発 表 の 機 会 を 与 え て く だ さ っ た 照 明 学 会 の 関 係 各 位,当 社 の 高 垣 常 務 取 締 役 な ら び に 菱 田 技 術 局 長 に 感 謝 の 意 を 表 す る. 参 考 文 献
(1) K. Kano, Y, Itoh, et al:J. SMPTE 78-Aug (1975) 129∼134 (2) 加 納, 伊 藤 ほ か: テ レ ビ 誌 29-9 (昭50) 714∼ 720 (3) 妹 川, 杉 本: 放 送 技 術 29-4 (昭51) 82∼92 (4) 鶴 田, 杉 本: テ レ ビ 誌33-4 (昭54) 277∼282 (5) 杉 本 ほ か: テ レ ビ 全 大 予8-2 (昭51) ( 6) 伊 藤: テ レ ビ 誌30-10 (昭51) 854∼860 ( 7) 衣 畑 ほ か: テ レ ビ 誌30-5 (昭51) 392∼398 ( 8) R.H. McMann, S. Kreinik, et al: J. SMPTE,
87-3 (1978) 129∼133
(9) 高 橋: テ レ ビ 誌33-4 (昭54) 296∼300 (10) 樫 木, 稲 葉: テ レ ビ 誌32-6 (昭53) 454∼462 (11) 杉 本, 樫 木: テ レ ビ 誌33-4 (昭54) 301∼310 (12) 磯 村, 伊 藤: テ レ ビ 誌32-9 (昭53) 789∼791 (13) J.K. Moor, A. Kaiser&H. W. Mahler: J.
SMPTE 87-10 (1978) 673∼676 (14) 磯 村: テ レ ビ 誌33-4 (昭54) 310∼315
(15) 杉 本 ほ か: テ レ ビ 学 会 現 業 技 術 研 資PBE 8-3 (昭53)
(16) 三 門, 徳 間: テ レ ビ 誌33-4 (昭54) 335∼338 (17) H.K, Regnir, L J. Erans: IEE Conference
Pu-blicatication 166 (1978) 9
(18) 沓 沢: テ レ ビ 誌33-4 (昭54) 331∼335
(受 付1979年6月21日)