ゼ ロ ー ダ
R○
( カ ペ シ タ ビ ン ) に よ る
Hand-Foot-Syndrome(手足症候群)
予 防 の た め の 看 護 支 援 プ ロ グ ラ ム の 開 発
森 本 悦 子* , 1 )
、井 上 菜 穂 美1 )
、加 藤 亜 沙 代2 )
1 )
聖 隷 クリストファー大 学 、2 )
聖 隷 三 方 原 病 院
1 . 研 究 目 的
ゼ ロ ー ダ○R
( カ ペ シ タ ビ ン 、 以 下 ゼ ロ ー ダ○R
) に よ る Hand-Foot-Syndrome(手 足 症 候
群 )(以 下 HFS)予 防 の た め の 看 護 支 援 プ ロ グ ラ ム 作 成 に 向 け た 基 礎 資 料 を 得 る こ と を 目
的 と し て 研 究 1 及 び 研 究 2 を 実 施 し た 。
2 . 研 究 方 法
研 究 1 は 全 国 の が ん 化 学 療 法 看 護 認 定 看 護 師 (以 下 が ん 化 学 療 法 看 護 CN)に 対 す る 質
問 紙 調 査 で 、2011 年 3 月 現 在 認 定 さ れ て い る も の の う ち 、氏 名 等 が 公 開 さ れ て い る 583
名 に 対 し て 行 っ た 。調 査 内 容 は ゼ ロ ー ダ○R
が 処 方 さ れ て い る 患 者・家 族 に 対 し て HFS 予
防 の た め に 現 在 実 施 し て い る 看 護 支 援 の 内 容 、 困 難 等 で 、 分 析 は IBM SPSS ver.18 を
用 い た 統 計 処 理 と 自 由 回 答 部 分 の 質 的 分 析 に よ り 行 っ た 。研 究 2 は 診 療 記 録 の レ ト ロ ス
ペ ク テ ィ ブ な 評 価 で 、H 市 内 の が ん 診 療 連 携 拠 点 病 院 に お け る ゼ ロ ー ダ○R
を 用 い た 治 療
を 受 け て い る 患 者 の 診 療 記 録 を 評 価 す る こ と に よ り 看 護 支 援 ニ ー ズ を 明 ら か に し た 。対
象 は ゼ ロ ー ダ○R
が 処 方 さ れ た 患 者 の 診 療 記 録 で 、ゼ ロ ー ダ○R
の 処 方 量 、投 与 ス ケ ジ ュ ー ル 、
有 害 事 象 の 発 現 時 期 ・状 況 な ど を 整 理 し 、診 療 記 録 ・看 護 記 録 の 内 容 分 析 を 行 っ た 。 本 研
究 は 大 学 と 研 究 協 力 施 設 の 倫 理 審 査 委 員 会 に よ る 審 査 を 受 け 実 施 し た 。
3 . 結 果
研 究 1 : 有 効 回 答 数 411( 回 収 率 69.8%) の う ち 所 属 す る 施 設 は 総 合 病 院 が 最 も 多 く
(69.8%)、 規 模 は 病 床 数 500~ 700 未 満 が 28.2%を 占 め た 。 ゼ ロ ー ダ○R
を 用 い た 治 療 は
97.8% の 施 設 で 実 施 さ れ て お り 、取 り 扱 う 診 療 科 は 外 科 を は じ め 多 岐 に 亘 っ て い た 。ゼ
ロ ー ダ○R
を 用 い た 患 者 ・ 家 族 へ の セ ル フ ケ ア 指 導 は 、 治 療 開 始 時 ・ 治 療 中 と も 約 9 割 が
実 施 し て い る と 回 答 し 、 指 導 担 当 は が ん 化 学 療 法 CN、 薬 剤 師 、 外 来 化 学 療 法 室 看 護 師
が 多 く を 担 っ て い た が 、開 始 時 と 治 療 中 を 較 べ る と 看 護 師 の 関 わ り は 増 加 傾 向 に あ っ た
が 薬 剤 師 や 医 師 は 減 少 し て い た 。HFS 予 防 の た め の 皮 膚 状 態 の 観 察 は 外 来 化 学 療 法 治 療
中 に 8 割 が 行 っ て い た が 、 施 設 内 の 基 準 が あ る の は 1 割 に 満 た ず 、 が ん 化 学 療 法 看 護
CN に よ る 個 別 面 談 が 実 施 さ れ て い る の は 3 割 に と ど ま っ た 。 ま た ゼ ロ ー ダ○R
内 服 中 患
者 へ の 看 護 上 の 困 難 と し て 、 看 護 体 制 や 看 護 師 自 ら が 抱 え る 業 務 の バ ラ ン ス 、 医 師 ・ 薬
剤 師 ら と の 連 携 、 医 師 ・ 薬 剤 師 ・ 看 護 師 間 の 情 報 共 有 等 が 明 ら か と な っ た 。
研 究 2:18 例 の 診 療 記 録・看 護 記 録 を 対 象 に 情 報 を 整 理 し た 。対 象 の う ち 16 例 は HFS
予 防 目 的 で ビ タ ミ ン 剤 、軟 膏 が 処 方 さ れ て い た 。15 例 は 単 剤 、3 例 は 点 滴 と の 併 用 療 法
で あ っ た 。 薬 剤 師 に よ る 服 薬 指 導 は 13 例 に 行 わ れ 、 継 続 介 入 は 1 例 で あ っ た 。 外 来 看
護 師 は 概 ね 院 内 共 通 の 評 価 表 を 用 い て 診 察 前 に 介 入 し 、医 師 は 骨 髄 抑 制 、 消 化 器 症 状 の
有 無 確 認 が 主 で あ っ た が 、両 者 と も HFS に 関 す る 記 載 は ほ と ん ど 見 ら れ な か っ た 。HFS
は 8 例 に 発 症 ( 発 赤 、 亀 裂 、 乾 燥 、 皮 む け な ど )、 う ち 2 例 は 休 薬・ 減 量 と な っ て い た
が 、9 例 が 不 明 で あ っ た 。 HFS 発 症 の 8 事 例 で も 、 CTCAE を 用 い た 評 価 や 写 真 に よ る
記 録 は な さ れ て お ら ず 、 症 状 の 程 度 や 経 過 は 不 明 で あ っ た 。
4 . 考 察
関 連 職 種 に 共 通 の HFS 評 価 ツ ー ル ・ 記 録 基 準の 作 成 に よ る 継 続 的 な 症 状 モ ニ タ リ ン
グ と 、 患 者 ・ 家 族 の セ ル フ ケ ア に 応 じ た 介 入 に 向 け た シ ス テ ム の 整 備 が 必 要 で あ る 。