• 検索結果がありません。

試作2002年中国・地域間産業連関表の修正とその応用分析

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "試作2002年中国・地域間産業連関表の修正とその応用分析"

Copied!
39
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

試作 2002 年中国・地域間産業連関表の修正と

その応用分析

金 澤 孝 彰

1.概論―本稿の位置づけ―

本誌前号掲載拙稿「2002 年度中国・地域間産業連関表の試作とその活用をめぐって」

(以下,

“前稿”)では,2002 年度を対象にした中国の(チベット自治区を除く)一級行政区レベル

での各地域内産業連関表を原資料とし,さらにそれらに付随する対他地域移出入データから

の組み替えで筆者なりに各一級行政区相互間部門別 OD 表を導き出したうえで,8 地域内生

17

部門にまとめあげての地域間産業連関表(非競争移入・競争輸入型,以下,“前稿試作表”)

を作成し,それに加えて同表を用いての諸分析に際しての“心得”として押さえておくべき

点についても述べた。したがって,本稿はその延長線上で,前稿試作表を用いての分析結果

の紹介とその含意について論じていくのが本来の筋である。

ところがその前に,前稿試作表のデータそのものを部分的に見直さなくてはならないとい

う,作表過程上の問題点が現れてきた

1)

。あらためて,こうした地域間産業連関表を異なる

地域間および同一地域内の経済波及効果分析のための一つの計量分析ツールとして位置づけ

るならば,まず同表作成過程での技術的トラブル発生を最小限にとどめておくことが求めら

れ,もしなにがしかの事由でのミス等,問題点が確認され得たならば初歩段階のうちに可及

的速やかにそれらを正すべきことは言を俟たない。この点で前稿試作表について,大きく言っ

て原資料として提供された地域内産業連関表での一部オリジナルデータの誤記と同表試作段

階での筆者による一部データ集計ミスといった二つの問題が生じていたのである。

地域間産業連関表の基本フロー表の中間取引部分は単純に言って地域間投入係数行列と部

門別総産出列ベクトルとの積から導き出されるが,このうちの地域間投入係数はさらに地域

間交易係数行列と地域順に各地の地域内投入係数を対角ブロック上に配置した投入係数行列

という二つの正方行列の積によって求められる。つまりこうした初歩的段階作業において原

資料データで誤記が確認されたり集計ミスが生じたりしていると,地域間交易係数と地域内

投入係数それぞれで部分的に誤差を孕むことになり,さらにこれら両者を掛け合わせて得ら

れる地域間投入係数では誤差が分散していき,ひいては地域間産業連関表を用いての分析に

*本稿は平成 23 年度和歌山大学経済学部研修専念制度による研究成果の一部である。

1) 筆者は 2011 年 12 月 15 日に名古屋大学大学院国際開発研究科での大学院招聘講義(研究会)で「地域

間産業連関分析の開発と応用―私家版 2002 年中国地域間産業連関表をめぐって―」と題して前稿の概要

を報告する機会を得た。その際に参加者のうち,藤川清史氏(名古屋大学教授)および叶作義氏(日本

アプライドリサーチ研究所研究員(当時),現在,上海対外貿易学院副教授)からいただいたコメントと

意見交換が本稿作成のきっかけとなっている。

(2)

際し,産業間・地域間での相互連関にかかわる評価および解釈に多かれ少なかれバイアスが

生じ得るのは想像に難くない。そこで本稿では,前稿既読者の中には中国経済に関する分析

のツールとして前稿試作表をすでに活用しているような事態もありうるという想定の下,上

述の見直しを迫られた 2 点それぞれにかかわるデータ修正プロセスを説明し,それにもとづ

いての地域間交易係数と地域内投入係数との再計算で求めた修正版 8 地域 17 部門地域間産

業連関表(以下,

“修正版試作表”)をあらためて本稿末の APPENDIX-1 に提示し,それをもっ

て,前稿試作表との差し替えとする。そして,この修正版試作表を用いての分析結果の一部

を紹介し,中国における地域経済関連政策への含意を考察していくことにしたい。

2.前稿試作表でのデータの問題点とその修正

あらためて前稿試作表作成にあたり原資料とした 2002 年度対象一級行政区レベルの地域

内産業連関表は,国務院発展研究中心の李善同グループ編による 2010 年発行『2002 年中国

地区拡展投入産出表』(以下,前稿同様に“バージョンアップ版”と表現)の方であった。

これは 2008 年国家統計局発行の『中国地区投入産出表 2002』(同様に以下,

“2008 年発行版”

と表現)を第 1 次全国経済センサス(2004 年実施)の結果にもとづきデータ修正し,さら

に対域外交易で純移輸出表示だったものを移出,輸出,移入,輸入額それぞれに分離・推計

したものである。

前稿試作表データの修正点の一つ目は,このバージョンアップ版について筆者が 2010 年

夏に北京で直接入手した同書付録 CD-ROM 収録データで,浙江省と福建省の粗付加価値関

連項目のデータすべてが明らかに誤記となっていたところにある。このことはすでに前稿

でもふれたが,その要点をあらためて整理するとほぼ以下の通りとなる。すなわち,同

CD-ROM に収録されていたこれら 2 省以外の他の一級行政区の地域内産業連関表では産業部門

全体で見た粗付加価値合計,すなわち分配面からとらえた域内総生産と,産業連関表を行方

向に見ての各産業部門の最終需要(消費+投資+移輸出)総額から移輸入総額を控除した支

出面評価の域内総生産とが数値的に一致していたのに対して,浙江と福建の 2 省にかぎり,

それらの照合の段階で明らかに数値のギャップが存在していた。なお,バージョンアップ版

での地域内産業連関表から求められる支出面評価の域内総生産は,浙江省が 8003 億 6700 万

人民元,福建省が 4467 億 5500 万人民元となり,これらの数値の方が第 1 次全国経済センサ

スにもとづく事後調整後の 2002 年度域内総生産額に合致したものになっていることも確認

できたことから,あらためて粗付加価値総額およびその構成要素となる各部門別の粗付加価

値項目の方のデータの方に非があることになる(尤も,浙江省の場合は付加価値部門各項目

いずれとも安徽省のデータそのものの誤記入であることは一目瞭然だったわけであるが…)。

ただし,前稿試作表作成の準備段階ではそれらが誤記であることを了解済みとしたうえで,

あえてそれらの数値に手を加えず,ペンディングした状態のままで浙江については東部沿海

(3)

に,福建については南部沿海にというようにそれぞれの 8 区分地域別で集計をとっての地域

間表データの推計を行っていたのである。

幸い,こうした 2 省の当該部分でのデータ誤記に関しては,前回拙稿完成後にバージョン

アップ版発行元の経済科学出版社(中国・北京)からあらためてこれらのデータを訂正した

修正版 CD-ROM が出たことで問題は基本的に解決したものと筆者はとらえている。筆者自

身,その修正版 CD-ROM の存在を知り

2)

,直接そのデータを入手したうえで,すべての一

級行政区の地域内産業連関表の基本フロー表に関する全データ項目(中間投入=中間需要領

域,最終需要領域,粗付加価値領域)について,表計算ソフト(筆者は Microsoft Excel を使用)

のシート上にすべてコピーし,さらにそれらに並行して貼り付けるかたちで筆者が保持して

いた方の CD-ROM に収録されている修正前データも同じくコピーした上で一斉に修正前後

の同項目同士のデータを突き合わせてみたところ,やはり浙江,福建の 2 省についてのみ内

生 42 部門別で見た粗付加価値各項目(固定資産減価償却,労働者報酬,生産税純額,営業余剰)

部分での数値のズレが確認でき,さらに修正版 CD-ROM 収録でみたこれらの 2 省での全部

門の粗付加価値項目総計額と支出面評価の(上掲)域内総生産との数値合致も再確認できた。

なお図表 1 は,前稿において第 1 次全国経済センサスにもとづく調整結果を反映させてい

ない 2008 年発行版と同結果を反映させているバージョンアップ版との各一級行政区別での

部門全体および内生 42 部門別で見た粗付加価値額のズレの程度について示した表で,上記

事情により「利用不可能(not available)」というニュアンスで“―”(ダッシュ)表示とし

ていた浙江,福建の 2 省に関してのみ,それぞれのデータ修正にもとづき,2008 年発行版デー

タに対するバージョンアップ版データの比率を再計算したものである。

次に,前稿発表後に発覚した修正点の二つ目,すなわち筆者によるデータ集計上のミスに

ついて言えば,これはオリジナルデータの出所となるバージョンアップ版地域内産業連関表

の内生 42 部門を 17 部門に圧縮統合する際に前稿で表示した際の対応表校正時の見落としと

いうケアレスミスと,その 17 部門区分表示でみたサービス部門と商業・運輸部門との間で

2) 上記注 1)での研究会で拙報告後,初対面だった叶氏から,当日の研究会に先立って前稿本文を国立

情報学研究所(NII)公式ホームページ内の学術情報ナビゲータ(CiNii Articles)よりダウンロードした

うえで予習感覚で閲読された折,氏自身が所持するバージョンアップ版付録 CD-ROM では浙江,福建両

省の粗付加価値データで思い当たるような誤記が見当たらないことで前稿に違和感を覚えた旨のコメン

トを受けた。幸いなことに当日は,筆者も叶氏もそれぞれの所有する CD-ROM を持参していたこともあ

り,その場でお互いの CD-ROM に収録されているデータを照らし合わせ,筆者持参の方の収録データに

問題があったことを双方で確認することができた。したがって本文での修正版 CD-ROM とは叶氏所持の

ものを指している。なお,筆者が所持していた方の修正前 CD-ROM の各一級行政区の地域内産業連関表

ではさらに,一部の地域に関して粗付加価値を構成する 4 項目の表示で配列に乱れが見られたが,修正

後 CD-ROM では全地域とも上段から固定資産減価償却,労働者報酬,生産税純額,営業余剰の順に統一

されている。そういう意味で,筆者が若干気にするのはいつどのタイミングでバージョンアップ版

CD-ROM データが改訂されたのかであり,考え方によっては,筆者は運悪く“外れクジ”を引いてしまって

いたと言えるのかも知れない。

(4)

浙江

福建

GDP

粗付加価値合計

粗付加価値合計

2008

年発行版

バージョンアップ版

比率

2008年発行版

バージョンアップ版

比率

産業全体(GDP)

81034714

80036700

0.988

47549107

44675500

0.940

農業

7203520

6852004

0.951

6763376

6647800

0.983

石炭採掘採選業

70070

73499

1.049

367457

353667

0.962

石油・天然ガス採掘業

0

0

0

0

金属鉱採選業

35824

35737

0.998

689905

645333

0.935

非金属鉱採選業

139336

141265

1.014

369109

357363

0.968

食品製造・煙草加工業

2774190

2398925

0.865

2000504

1632689

0.816

紡織業

4608818

4026665

0.874

756674

682024

0.901

服装、皮革・羽毛製品業

3167126

2780585

0.878

970361

984141

1.014

木材加工家具製造業

637622

595699

0.934

2126997

1925513

0.905

製紙印刷文教用品製造業

1737879

1782777

1.026

961191

867724

0.903

石油加工、コークス・核燃料加工業

441995

676846

1.531

224999

143004

0.636

化学工業

4842984

4824821

0.996

1813019

1725765

0.952

非金属鉱物製品業

1282950

1351097

1.053

623750

600320

0.962

金属精錬圧延加工業

792774

922115

1.163

730212

727019

0.996

金属製品業

1207706

1301135

1.077

572355

557374

0.974

通用・専用設備製造業

3962646

4191074

1.058

1487997

1491449

1.002

交通運輸設備製造業

1858482

1794170

0.965

585980

423148

0.722

電気機器製造業

2670370

2778607

1.041

657580

638587

0.971

通信設備、計算機その他電子設備製造業

1353534

1362805

1.007

1518365

1483338

0.977

計器・事務用機械製造業

846298

884858

1.046

528150

357371

0.677

その他製造業

783520

759720

0.970

421097

523841

1.244

廃品屑

728789

766869

1.052

729007

663758

0.910

電力・熱エネルギー生産供給業

2585177

2762042

1.068

1050650

994819

0.947

ガス生産供給業

24002

22156

0.923

66260

65712

0.992

水生産供給業

171215

174931

1.022

257542

245542

0.953

建築業

4254826

4496377

1.057

2773900

2280200

0.822

交通運輸・貯蔵業

3480852

2836565

0.815

4990313

3656096

0.733

郵政業

144611

119103

0.824

111446

99295

0.891

情報発信・コンピュータサービス・ソフト業

2235956

1945968

0.870

964253

695209

0.721

卸売小売業

9810081

7964620

0.812

4666922

3858215

0.827

宿泊飲食業

2261190

1872556

0.828

839637

800885

0.954

金融保険業

3104225

3475314

1.120

1894040

1382800

0.730

不動産業

1712370

3606343

2.106

1280882

1880900

1.468

リース・ビジネスサービス業

2453533

2203006

0.898

73633

135125

1.835

観光業

38740

39053

1.008

119793

174587

1.457

科学研究事業

380148

423107

1.113

68994

78894

1.144

総合技術サービス業

309188

319711

1.034

71347

201658

2.826

その他社会サービス業

620488

582560

0.939

594070

813642

1.370

教育事業

2182941

2320115

1.063

1010646

1264857

1.252

衛生・社会保障・社会福利事業

1214646

1312895

1.081

371188

629059

1.695

文化・体育・娯楽業

507204

704100

1.388

586078

754980

1.288

公共管理・社会組織

2396888

2554903

1.066

859430

1231798

1.433

注)筆者編集 

図表 1 浙江および福建両省での 2008 年発行版―バージョンアップ版対比(粗付加価値)

の 42 部門分類表示で見た一部の部門での集計判断ミスという 2 つのミスが重なったものと

なっている。このうち前者については,前稿掲示図表では 17 部門区分表示で商業・運輸部

門としたものに対応しうる内生 42 部門項目は交通運輸・貯蔵業だけとなっていたが,正確

には交通運輸・貯蔵業の他に卸売小売業も追加表記しての,図表 2 のように訂正しなくては

ならない。

また,後者については,筆者は試作表作成時点では 8 地域区分ごとに交通運輸・貯蔵業と

卸売小売業とを統合させて集計していたつもりであったが,事後的に表計算ソフト上で事実

上,卸売小売業を郵政業と混同しての部門統合の際のデータ集計を誤って行ってしまってい

たことが確認された。そこで,これら 2 地域の商業・運輸部門とサービス部門に関する行お

よび列の双方向において,あらためて部門統合時の当該部門間のデータ差し替えをともなっ

ての再集計作業を全面的にやりなおす必要が生じたのである。

(5)

42部門分類

17

部門分類

農業

農業

石炭採掘採選業

鉱業

石油・天然ガス採掘業

金属鉱採選業

非金属鉱採選業

食品製造・煙草加工業

食品製造

紡織業

紡織・アパレル

服装、皮革・羽毛製品業

木材加工家具製造業

木製製品

製紙印刷文教用品製造業

紙製品・印刷物

石油加工、コークス・核燃料加工業

化学製品

化学工業

非金属鉱物製品業

非金属鉱物製品

金属精錬圧延加工業

冶金・金属製品

金属製品業

通用・専用設備製造業

機械設備類

交通運輸設備製造業

交通運輸設備

電気機器製造業

電気・電子製品

通信設備、計算機その他電子設備製造業

計器・事務用機械製造業

その他製造品

その他製造業

廃品屑

電力・熱エネルギー生産供給業

 電力・ガス・水供給

ガス生産供給業

水生産供給業

建築業

建設業

交通運輸・貯蔵業

商業・運輸

卸売小売業

郵政業

サービス業

情報発信・コンピュータサービス・ソフトウェア業

宿泊飲食業

金融保険業

不動産業

リース・ビジネスサービス業

観光業

科学研究事業

総合技術サービス業

その他社会サービス業

教育事業

衛生・社会保障・社会福利事業

文化・体育・娯楽業

公共管理・社会組織

注)筆者整理

図表 2 修正版内生部門対応表(42 部門→ 17 部門)

以上,いくつかの数値面での問題点を確認したうえで原初データの訂正から,前稿での数

式展開に基づき各地域内投入係数および地域間交易係数を再計算し,さらにそれらを用いて

求められた修正版試作表(基本フロー表)は本稿末の APPENDIX-1 に提示する通りである。

なお,今般の修正にあたって,前稿試作表では総額として一行表示としていた粗付加価値部

分に関して,固定資産減価償却,労働者報酬,生産税純額,営業余剰の 4 項目別に分けて表

示することにした。

3.修正版試作表からの観察―地域間のつながりの把握を中心に―

筆者の修正版試作表を用いてのここでの関心は,端的に言えば同表の対象年度である

2002

年時点における中国国内の各地域間の経済的つながりの強弱の程度の把握である。こ

れは広大な国土空間における市場の一体化の可能性や経済活動の地域間差異にともなう格差

(6)

隣接他地域

非隣接他地域

北京天津 北部沿海

東北

東部沿海 西北

南部沿海 中部

西南

北部沿海 北京天津 中部

西北

東北

東部沿海 南部沿海 西南

東北

西北

北部沿海

北京天津 東部沿海 中部

南部沿海 西南

東部沿海 中部

北部沿海 南部沿海

北京天津 東北

西北

西南

南部沿海 中部

西南

東部沿海

北部沿海 西北

北京天津 東北

中部

北部沿海 東部沿海 南部沿海 西北

西南

北京天津 東北

西北

西南

東北

中部

北部沿海

北京天津 東部沿海 南部沿海

西南

西北

中部

南部沿海

東部沿海 北部沿海 北京天津 東北

注 )筆者整理。なお,各地とも配列に関して,隣接他地域(左欄)の場合,隣接する境界線の長いものから順に,非隣接地域(右欄)の場合は,

目測での各地域の平面白地図の重心間距離でみて短いものから順に配列している。

図表 3 8 地域それぞれにとっての隣接他地域・非隣接他地域

問題などといった,中国の地域経済構造についての筆者のかねてからの関心領域の一部分を

成している。地域間産業連関表を用いることで,経済活動のどのくらいの割合が自地域内で

取引されての閉じたものとして説明されるのか,そして自地域内で完結しないそれ以外の部

分が国内外を問わず他地域に流れていくものとして,また逆に他地域からの経済的波及を受

容するものとして,このような他地域との経済的な相互依存関係は他地域との地理的距離の

遠近とか隣接の有無によって強く影響されるものなのか(図表 3 参照),それとも距離的要

因以外に自地域および他地域がそれぞれに抱える個別の特殊事情が相互間での交易パターン

や生産誘発のパターンに差異や変化をもたらし得るものとして他にどのような要因があるの

だろうか,などといった問題意識について幾通りかの切り口でもって吟味検討することが可

能となる

3)

ここではそうしたもののうち,中間取引については産出乗数から,そして消費や投資といっ

た域内最終需要については生産誘発係数および生産誘発依存度から,それぞれ 8 地域相互間

の経済波及効果からみたつながり具合についていずれも各域内外での大小比較を通じて見て

いくことにする。ただし,その際,前稿 APPENDIX で表示した産出乗数の一覧表形式を参

考にしつつ,本論では産業部門について,考察対象 8 地域それぞれでの自地域内および他 7

地域との間の大まかな影響度合いの大小比較に重きをおき,表側記載の 8 地域分の産業部門

に関してはとりあえず内生 17 部門を一本化しての 1 部門とみなしたうえでそれぞれの地域

間のつながりの強弱をとらえていくものとする。

それではまず,各地域間の産出乗数に関して見ていくことにしよう。前稿でも述べたが,

地域間産業連関表から求められるレオンチェフ逆行列表の任意の一正方行列要素を

b

rs ij

と表

示した場合,これは表頭地域 s における産業部門 j で 1 単位の生産を行った際に,(同じく)

表側地域 r での産業部門 i で直接ないし間接的に誘発される波及効果を意味しており,表頭

地域 s での部門 j に関しての全体列和が同地域同部門についての産出乗数となり,自地域内

生部門のみへの生産誘発を示す域内産出乗数と自地域外内生部門への生産誘発を表す地域間

3) 他に直接技術基準または付加価値基準でとらえた地域間分業率の導出という切り口もあるが,これに

ついては叶・金澤[2012]を参照。

(7)

産出乗数に分かれる。これより,産出乗数は列方向に各地域への需要の広がりを示すことに

なるから,表頭地域の内生部門ごとで各地域間の経済的結びつきの強度比較を見ることがで

きる。

図表 4 では,前稿 APPENDIX で表示した表頭各地域の内生 17 部門別でみた域内外産出乗

数一覧を本論前節での文脈をふまえて再計算のうえで修正したものを,さらに 8 地域それぞ

れの自地域における部門別産出乗数を最上段に配列し,その下 7 段それぞれにその他地域別

での域外産出乗数を配列しなおしたものにしている。ただし,ここでの序列表示は,表側の

(自地域を含む)8 地域いずれについても上述のとおり産出乗数の列和値でもって内生 17 部

門を 1 部門に仕立てたうえで,さらに域外 7 地域に関しては表頭地域での全 17 部門の産出

乗数の単純平均値の大きい地域から降順配列させたものとなっている。なお,域外産出乗数

については一つの目安として 0.1 以上を域外産出乗数効果が相対的に高い相手地域と見なし

て網掛けを施している(ただし,本論では小数点第 2 位を四捨五入して 0.1 となる 0.95 以上

を示したケースも含めた)。

同表より,北京天津地域では,まず域内産出乗数の産出乗数全体に対する比重の高低を

17

部門別で見てみた場合,サービス業が一番高く(79.1%),また食品製造業が一番低くなっ

ている(67.3%)。そしてこの食品製造は全 8 地域を通じての 17 部門のなかでも最も低いも

のであった。次に,他地域への影響について産業全体を通じてみた場合,隣接する北部沿海

での産出乗数が最も大きく,東部沿海,中部,東北での産出乗数がそれに続いている。また

西南および南部沿海での産出乗数は部門全体で見ると,それぞれ 0.059 および 0.058 となっ

てともに数値的に低いが,部門別で見てみた場合,食品製造業で西南が 0.101,紙製品・印

刷物では南部沿海が 0.095 という高めの数値が出た。

北部沿海については部門別域内産出乗数の対地域全体でみた高低では,サービス業で一番

高い数値があらわれ(88.5%),交通運輸設備で一番低い数値があらわれた(76.4%)。他地

域への影響についていえば,中部での産出乗数が相対的に高く,東部沿海と東北がこれに次

ぐが,これら 3 地域はいずれも北部沿海にとって隣接地域である。また,17 部門別でみた

場合,これら 3 地域とは木製製品,機械設備類,交通運輸設備,電気・電子製品といった製

造業分野と建設業の各部門での産出乗数が相対的に高いことが確認できる。

東北に関して言えば,部門別域内産出乗数でみて,鉱業の対全地域比重が最も高く

(90.0%),紡織・アパレルで最も低い数値が出た(68.6%)。また他地域への影響に関しては,

隣接していない東部沿海での産出乗数がその他地域のそれよりも高くなっており,そのパ

ターンは部門別でみて紡織・アパレル,機械設備類,交通運輸設備,電気・電子製品であら

われている。あと,中部そして北部沿海での産出乗数が東部沿海に次いでおり,これら地域

では食品製造,紡織・アパレル,交通運輸設備の各部門において高い数値が出た。

東部沿海の場合,部門別域内産出乗数の対全地域比重は,サービス業で最も高く(90.5%),

(8)

北京天津

avr.

農業

鉱業

食品製造

紡織・アパレル

木製製品

紙製品・印刷物

化学製品

非金属鉱物製品

自地域内

1.700

1.597

1.320

1.788

1.800

1.860

1.659

1.825

1.755

1 北部沿海

0.145

0.181

0.105

0.267

0.193

0.142

0.146

0.180

0.157

2 東部沿海

0.133

0.097

0.048

0.120

0.206

0.164

0.125

0.122

0.116

3 中部

0.115

0.127

0.070

0.150

0.132

0.195

0.098

0.125

0.115

4 東北

0.095

0.091

0.056

0.111

0.087

0.157

0.083

0.123

0.095

5 西南

0.059

0.069

0.029

0.101

0.060

0.089

0.053

0.061

0.058

6 南部沿海

0.058

0.041

0.025

0.062

0.062

0.093

0.095

0.052

0.049

7 西北

0.047

0.052

0.043

0.056

0.052

0.055

0.040

0.068

0.055

列和

2.353

2.255

1.696

2.655

2.592

2.755

2.299

2.556

2.400

域内比重

72.3%

70.8%

77.8%

67.3%

69.4%

67.5%

72.1%

71.4%

73.1%

北部沿海

avr.

農業

鉱業

食品製造

紡織・アパレル

木製製品

紙製品・印刷物

化学製品

非金属鉱物製品

自地域内

2.032

1.760

1.898

2.233

2.292

2.079

2.166

2.213

2.134

1 中部

0.106

0.058

0.092

0.093

0.096

0.152

0.107

0.126

0.104

2 東部沿海

0.093

0.046

0.078

0.090

0.140

0.107

0.104

0.092

0.080

3 東北

0.082

0.053

0.068

0.072

0.073

0.099

0.071

0.105

0.081

4 北京天津

0.043

0.025

0.042

0.041

0.041

0.044

0.045

0.055

0.046

5 西南

0.041

0.025

0.037

0.043

0.037

0.051

0.041

0.048

0.042

6 南部沿海

0.036

0.019

0.031

0.031

0.036

0.052

0.038

0.039

0.033

7 西北

0.033

0.021

0.031

0.031

0.033

0.033

0.030

0.047

0.037

列和

2.466

2.007

2.278

2.634

2.748

2.619

2.602

2.726

2.557

自地域内比重

82.4%

87.7%

83.3%

84.8%

83.4%

79.4%

83.2%

81.2%

83.4%

東北

avr.

農業

鉱業

食品製造

紡織・アパレル

木製製品

紙製品・印刷物

化学製品

非金属鉱物製品

自地域内

1.934

1.660

1.487

2.159

1.875

2.003

2.031

2.120

2.090

1 東部沿海

0.097

0.047

0.038

0.064

0.402

0.068

0.093

0.077

0.071

2 中部

0.081

0.065

0.034

0.115

0.117

0.093

0.077

0.089

0.085

3 北部沿海

0.073

0.076

0.026

0.132

0.134

0.068

0.074

0.078

0.089

4 北京天津

0.038

0.024

0.018

0.034

0.041

0.032

0.047

0.046

0.038

5 西南

0.037

0.034

0.017

0.061

0.039

0.041

0.039

0.039

0.039

6 西北

0.036

0.025

0.017

0.041

0.044

0.035

0.035

0.056

0.043

7 南部沿海

0.035

0.020

0.014

0.033

0.080

0.031

0.036

0.030

0.028

列和

2.332

1.951

1.652

2.639

2.732

2.371

2.434

2.535

2.483

自地域内比重

82.9%

85.1%

90.0%

81.8%

68.6%

84.5%

83.5%

83.6%

84.2%

東部沿海

avr.

農業

鉱業

食品製造

紡織・アパレル

木製製品

紙製品・印刷物

化学製品

非金属鉱物製品

自地域内

2.053

1.617

1.761

2.136

2.391

2.273

2.302

2.154

2.118

1 中部

0.100

0.069

0.066

0.135

0.127

0.122

0.100

0.112

0.116

2 北部沿海

0.075

0.066

0.049

0.164

0.103

0.081

0.076

0.091

0.081

3 東北

0.055

0.037

0.039

0.069

0.053

0.065

0.052

0.081

0.062

4 南部沿海

0.044

0.023

0.031

0.040

0.053

0.051

0.048

0.061

0.050

5 西南

0.037

0.028

0.025

0.064

0.034

0.043

0.035

0.036

0.040

6 西北

0.033

0.020

0.027

0.035

0.044

0.036

0.034

0.051

0.044

7 北京天津

0.026

0.014

0.021

0.023

0.026

0.029

0.028

0.034

0.031

列和

2.423

1.874

2.018

2.667

2.831

2.700

2.676

2.621

2.541

自地域内比重

84.7%

86.3%

87.2%

80.1%

84.4%

84.2%

86.0%

82.2%

83.3%

南部沿海

avr.

農業

鉱業

食品製造

紡織・アパレル

木製製品

紙製品・印刷物

化学製品 非金属鉱物製品

自地域内

1.732

1.499

1.757

1.929

1.945

1.851

1.713

1.833

1.947

1 東部沿海

0.098

0.035

0.084

0.056

0.249

0.093

0.137

0.091

0.084

2 中部

0.064

0.041

0.074

0.080

0.064

0.065

0.068

0.071

0.091

3 北部沿海

0.055

0.052

0.044

0.114

0.054

0.054

0.155

0.061

0.053

4 東北

0.042

0.027

0.050

0.048

0.032

0.034

0.035

0.051

0.038

5 西南

0.039

0.028

0.040

0.057

0.031

0.039

0.067

0.041

0.047

6 北京天津

0.022

0.011

0.025

0.018

0.021

0.018

0.024

0.028

0.023

7 西北

0.019

0.012

0.025

0.023

0.021

0.017

0.020

0.029

0.028

列和

2.071

1.707

2.099

2.326

2.418

2.172

2.220

2.204

2.311

自地域内比重

83.6%

87.8%

83.7%

82.9%

80.4%

85.2%

77.2%

83.1%

84.2%

中部

avr.

農業

鉱業

食品製造

紡織・アパレル

木製製品

紙製品・印刷物

化学製品 非金属鉱物製品

自地域内

1.970

1.606

1.765

2.228

2.216

2.222

2.132

2.029

2.091

1 東部沿海

0.108

0.043

0.079

0.062

0.176

0.102

0.121

0.117

0.091

2 北部沿海

0.081

0.060

0.061

0.126

0.103

0.084

0.091

0.112

0.079

3 東北

0.051

0.034

0.040

0.057

0.050

0.053

0.051

0.075

0.050

4 西南

0.042

0.028

0.031

0.058

0.043

0.046

0.046

0.049

0.038

5 南部沿海

0.038

0.017

0.028

0.031

0.049

0.038

0.048

0.043

0.035

6 西北

0.036

0.021

0.030

0.035

0.037

0.034

0.038

0.057

0.041

7 北京天津

0.031

0.016

0.028

0.023

0.028

0.030

0.034

0.043

0.032

列和

2.356

1.826

2.062

2.619

2.702

2.609

2.560

2.526

2.457

自地域内比重

83.6%

87.9%

85.6%

85.1%

82.0%

85.2%

83.3%

80.3%

85.1%

西北

avr.

農業

鉱業

食品製造

紡織・アパレル

木製製品

紙製品・印刷物

化学製品 非金属鉱物製品

自地域内

1.783

1.531

1.536

2.087

1.932

1.901

1.969

1.987

1.876

1 中部

0.119

0.056

0.061

0.116

0.139

0.192

0.123

0.108

0.150

2 東部沿海

0.118

0.045

0.065

0.089

0.233

0.136

0.123

0.095

0.110

3 北部沿海

0.094

0.063

0.050

0.141

0.128

0.080

0.099

0.102

0.144

4 西南

0.064

0.038

0.035

0.079

0.058

0.095

0.075

0.066

0.074

5 東北

0.062

0.034

0.036

0.066

0.058

0.105

0.064

0.069

0.070

6 北京天津

0.046

0.021

0.030

0.038

0.050

0.053

0.054

0.049

0.048

7 南部沿海

0.044

0.019

0.023

0.039

0.066

0.084

0.045

0.039

0.042

列和

2.331

1.807

1.835

2.654

2.663

2.645

2.552

2.515

2.514

自地域内比重

76.5%

84.7%

83.7%

78.6%

72.6%

71.9%

77.1%

79.0%

74.6%

西南

avr.

農業

鉱業

食品製造

紡織・アパレル

木製製品

紙製品・印刷物

化学製品 非金属鉱物製品

自地域内

1.833

1.479

1.764

1.908

1.924

2.014

1.945

1.955

1.970

1 東部沿海

0.117

0.038

0.095

0.073

0.251

0.128

0.140

0.118

0.106

2 中部

0.099

0.047

0.076

0.082

0.131

0.127

0.111

0.117

0.110

3 北部沿海

0.072

0.043

0.061

0.081

0.110

0.081

0.087

0.092

0.084

4 東北

0.054

0.028

0.046

0.046

0.063

0.075

0.059

0.072

0.056

5 南部沿海

0.053

0.018

0.042

0.035

0.087

0.062

0.063

0.052

0.051

6 北京天津

0.052

0.019

0.054

0.037

0.050

0.059

0.059

0.063

0.056

7 西北

0.044

0.022

0.036

0.035

0.054

0.059

0.055

0.064

0.054

列和

2.324

1.696

2.176

2.297

2.671

2.604

2.519

2.532

2.487

自地域内比重

78.9%

87.2%

81.1%

83.1%

72.0%

77.3%

77.2%

77.2%

79.2%

筆者計算

図表 4 表頭各地域の内生 17 部門別域内外産出乗数 ( 修正版 )

(9)

冶金・金属製品 機械設備類 交通運輸設備 電気・電子製品 その他製造品 電力・ガス・水供給

建設業

商業・運輸

サービス業

1.834

1.703

1.766

1.716

1.607

1.439

1.842

1.688

1.700

0.187

0.124

0.124

0.087

0.093

0.085

0.211

0.090

0.097

0.169

0.168

0.201

0.150

0.140

0.068

0.158

0.120

0.097

0.156

0.107

0.137

0.076

0.081

0.070

0.160

0.083

0.069

0.125

0.086

0.160

0.059

0.053

0.055

0.122

0.090

0.058

0.069

0.052

0.067

0.046

0.044

0.036

0.069

0.052

0.050

0.063

0.051

0.077

0.079

0.051

0.030

0.061

0.049

0.047

0.070

0.040

0.045

0.031

0.031

0.039

0.065

0.032

0.032

2.673

2.330

2.577

2.245

2.100

1.821

2.688

2.203

2.150

68.6%

73.1%

68.5%

76.4%

76.5%

79.0%

68.5%

76.6%

79.1%

冶金・金属製品 機械設備類 交通運輸設備 電気・電子製品 その他製造品 電力・ガス・水供給

建設業 商業・運輸

サービス業

2.121

2.041

2.171

2.201

1.935

1.777

2.150

1.744

1.629

0.153

0.133

0.154

0.124

0.082

0.081

0.145

0.054

0.042

0.101

0.107

0.158

0.114

0.101

0.058

0.095

0.067

0.050

0.119

0.109

0.138

0.103

0.058

0.047

0.106

0.051

0.035

0.052

0.048

0.058

0.057

0.033

0.030

0.048

0.039

0.032

0.057

0.049

0.059

0.048

0.031

0.032

0.052

0.027

0.021

0.041

0.040

0.061

0.052

0.028

0.026

0.040

0.024

0.017

0.047

0.038

0.043

0.039

0.026

0.028

0.042

0.019

0.015

2.690

2.565

2.842

2.737

2.293

2.079

2.678

2.024

1.841

78.8%

79.6%

76.4%

80.4%

84.4%

85.5%

80.3%

86.1%

88.5%

冶金・金属製品 機械設備類 交通運輸設備 電気・電子製品 その他製造品 電力・ガス・水供給

建設業 商業・運輸

サービス業

2.108

2.038

2.234

1.951

1.698

1.701

2.153

1.782

1.789

0.088

0.108

0.143

0.134

0.074

0.045

0.083

0.067

0.054

0.093

0.085

0.117

0.084

0.057

0.047

0.106

0.055

0.053

0.071

0.064

0.075

0.064

0.047

0.037

0.113

0.044

0.056

0.044

0.044

0.056

0.058

0.034

0.023

0.042

0.033

0.030

0.043

0.039

0.055

0.038

0.027

0.022

0.046

0.028

0.030

0.048

0.036

0.045

0.034

0.027

0.028

0.047

0.024

0.023

0.034

0.038

0.054

0.066

0.028

0.018

0.035

0.026

0.022

2.527

2.453

2.780

2.431

1.993

1.921

2.626

2.059

2.056

83.4%

83.1%

80.4%

80.3%

85.2%

88.5%

82.0%

86.5%

87.0%

冶金・金属製品 機械設備類 交通運輸設備 電気・電子製品 その他製造品 電力・ガス・水供給

建設業 商業・運輸

サービス業

2.248

2.158

2.261

2.018

2.061

1.758

2.188

1.744

1.715

0.150

0.101

0.110

0.081

0.091

0.092

0.134

0.044

0.043

0.094

0.068

0.063

0.054

0.066

0.061

0.087

0.034

0.039

0.084

0.061

0.070

0.048

0.052

0.047

0.066

0.030

0.026

0.048

0.047

0.059

0.064

0.045

0.033

0.046

0.025

0.022

0.054

0.038

0.041

0.033

0.031

0.030

0.047

0.021

0.021

0.045

0.030

0.031

0.027

0.030

0.045

0.039

0.016

0.014

0.031

0.029

0.029

0.035

0.026

0.021

0.029

0.019

0.016

2.754

2.531

2.663

2.360

2.402

2.087

2.635

1.933

1.896

81.6%

85.3%

84.9%

85.5%

85.8%

84.2%

83.0%

90.2%

90.5%

冶金・金属製品 機械設備類 交通運輸設備 電気・電子製品 その他製造品 電力・ガス・水供給

建設業 商業・運輸

サービス業

1.789

1.679

1.675

1.584

1.664

1.617

1.904

1.533

1.526

0.076

0.090

0.208

0.120

0.080

0.050

0.087

0.067

0.052

0.078

0.057

0.105

0.045

0.048

0.049

0.086

0.036

0.033

0.046

0.041

0.041

0.034

0.037

0.031

0.046

0.030

0.045

0.036

0.036

0.135

0.026

0.025

0.028

0.042

0.039

0.023

0.042

0.033

0.063

0.029

0.027

0.026

0.045

0.026

0.025

0.022

0.024

0.026

0.037

0.022

0.016

0.023

0.018

0.016

0.024

0.016

0.022

0.017

0.015

0.019

0.023

0.010

0.009

2.112

1.977

2.276

1.892

1.918

1.838

2.258

1.758

1.727

84.7%

85.0%

73.6%

83.7%

86.8%

88.0%

84.3%

87.2%

88.3%

冶金・金属製品 機械設備類 交通運輸設備 電気・電子製品 その他製造品 電力・ガス・水供給

建設業 商業・運輸

サービス業

2.056

1.979

1.960

1.995

1.981

1.728

2.164

1.668

1.665

0.117

0.133

0.191

0.144

0.155

0.053

0.119

0.074

0.057

0.102

0.078

0.076

0.080

0.090

0.059

0.084

0.042

0.045

0.062

0.055

0.080

0.057

0.047

0.032

0.058

0.036

0.027

0.054

0.046

0.060

0.046

0.043

0.025

0.052

0.027

0.023

0.044

0.040

0.060

0.054

0.042

0.025

0.042

0.025

0.020

0.056

0.038

0.042

0.041

0.035

0.030

0.046

0.020

0.017

0.038

0.037

0.042

0.046

0.032

0.020

0.037

0.025

0.019

2.528

2.406

2.512

2.463

2.424

1.972

2.602

1.916

1.873

81.3%

82.3%

78.0%

81.0%

81.7%

87.6%

83.2%

87.1%

88.9%

冶金・金属製品 機械設備類 交通運輸設備 電気・電子製品 その他製造品 電力・ガス・水供給

建設業 商業・運輸

サービス業

1.835

1.790

1.674

1.852

1.695

1.678

1.844

1.607

1.527

0.122

0.154

0.177

0.158

0.107

0.055

0.185

0.069

0.057

0.105

0.166

0.198

0.176

0.134

0.060

0.133

0.078

0.065

0.093

0.103

0.092

0.114

0.081

0.050

0.156

0.050

0.052

0.065

0.075

0.095

0.076

0.050

0.032

0.089

0.043

0.035

0.062

0.074

0.106

0.073

0.045

0.034

0.082

0.044

0.033

0.046

0.060

0.061

0.072

0.046

0.030

0.055

0.039

0.033

0.040

0.052

0.061

0.075

0.044

0.026

0.050

0.027

0.024

2.367

2.474

2.465

2.597

2.201

1.966

2.594

1.958

1.826

77.5%

72.3%

67.9%

71.3%

77.0%

85.4%

71.1%

82.1%

83.6%

冶金・金属製品 機械設備類 交通運輸設備 電気・電子製品 その他製造品 電力・ガス・水供給

建設業 商業・運輸

サービス業

1.991

1.899

1.952

1.868

1.727

1.642

2.027

1.546

1.543

0.117

0.156

0.169

0.159

0.104

0.069

0.129

0.071

0.068

0.119

0.118

0.144

0.115

0.086

0.053

0.140

0.053

0.051

0.085

0.080

0.067

0.076

0.064

0.047

0.090

0.038

0.044

0.059

0.064

0.083

0.060

0.045

0.033

0.065

0.036

0.031

0.059

0.062

0.080

0.084

0.044

0.031

0.065

0.030

0.029

0.056

0.061

0.056

0.073

0.047

0.048

0.056

0.044

0.040

0.057

0.046

0.048

0.049

0.041

0.027

0.060

0.023

0.023

2.541

2.487

2.599

2.484

2.160

1.951

2.634

1.842

1.829

78.3%

76.4%

75.1%

75.2%

80.0%

84.2%

77.0%

83.9%

84.4%

(10)

食品製造で最も低かった(80.1%)。このうち,サービス業は全 8 地域を通じての 17 部門の

中で最も高いものでもあった。また,他地域との関係では隣接している中部での産出乗数が

総じて高く,それは電気・電子製品以外の製造業部門と建設業において顕著に見られる。あ

と,これまた隣接している地域であるが北部沿海でとくに食品製造と紡織・アパレルにおい

て産出乗数面でのつながりが確認できる。

南部沿海については,部門別域内産出乗数の高低比重はサービス業で一番高い数値があら

われ(88.3%),交通運輸設備で一番低い数値があらわれた(73.6%)。他地域における産出

乗数に関して言えば,東部沿海では紙製品・印刷物,電気・電子製品,交通運輸設備での,

北部沿海では食品製造と紙製品・印刷物での,そして中部では交通運輸設備類でのつながり

が確認できる。

中部に関しては域内産出乗数の高低は,部門別で見てサービス業で一番高い数値(88.9%)

が出たのに対して,交通運輸設備で一番低い数値が出た(78.0%)。また,他地域との関係

では特に東部沿海と北部沿海への相対的に強いつながりが確認されるが,うち前者の東部沿

海との関係では食品製造,非金属鉱物製品を除くすべての製造業分野と,後者の北部沿海と

の関係では食品製造,紡織・アパレル,化学製品,冶金・金属製品の各部門でのつながりが

相対的に大きいととらえることができる。

西北での各部門の域内産出乗数の対地域全体比重は電力・ガス・水供給が最も高く

(85.4%),交通運輸設備が最も低かった(67.9%)。また,他地域における産出乗数を見てみ

ると隣接する中部とは製造業全部門および建設業でつながりが相対的に深いことが確認で

き,それに次いで,隣接こそしていないが東部沿海で食品製造を除く製造業全般と建設業に

おいて同様のつながりが確認できる。また北部沿海とは隣接するが,紡織・アパレル以外で

のつながりはさほど強くないことが確認できる。

最後に西南についてみてみると,部門別域内産出乗数の対全体比重の高低でみて,農業で

一番高い数値が出ており(87.2%),紡織・アパレルで一番低い数値が出た(72.0%)。他地

域との関係では隣接していない東部沿海において鉱業および,食品製造を除く製造業分野,

そして建設業での相対的に強いつながりが確認でき,ついで隣接する中部とも食品製造を除

く製造業でのつながりが確認できるのに対して,比較的近接する南部沿海とのつながり度合

いは想定していたほどには高く現れてこなかった。

次に各地域の域内最終需要による生産誘発効果を見てみよう。APPENDIX-2 の①∼③は修

正試作表より導き出した,各最終需要項目別(農村住民消費,都市住民消費,政府消費,投

資,輸出)でみた生産誘発額,生産誘発係数および生産誘発依存度をそれぞれ掲示したもの

である。このうち,生産誘発係数は任意の地域で生じた最終需要項目 1 単位分が域内および

域外の産業部門にどの程度直・間接的に生産を誘発しているかを示すものであり,生産誘発

(11)

額をその表頭地域の消費,投資,輸出の総額で除すことで各最終需要項目別でみた生産誘発

係数を導き出すことができる。本文では,上掲の乗数効果のケースと同様に表側対象各地域

の内生 17 部門を列和して全産業部門を一括りにしたうえで 1 部門とみなし,表頭地域での

域内消費および投資によって生じた生産波及の強弱の程度を表示してみたものを図表 5 に示

した。なお,図表での自地域外の配列については,表頭地域の域内最終需要全項目の合計で

計測した各地生産誘発係数の大きさに応じての降順配列にしている。

同表では 0.1 を生産誘発係数の一定規模の大きさの判断の目安値とし,それ以上を生産誘

発効果が相対的に高いと見なすものとして,各地域での最終需要がどの地域により多くの生

産誘発をもたらしているかを見ることができる。まず域内最終需要項目別のうち政府消費に

関して言えば,北京天津地域が東部沿海と北部沿海に対して,また北京天津地域以外の地域

においても北部沿海と西北と西南の 3 地域がそれぞれに東部沿海に対してといったところで

0.1 以上を示したケースを除けば,他の都市住民消費,農村住民消費,投資項目のケースに

比べてみて他地域における政府消費による生産誘発効果は高くないことが分かる。

また,隣接地域あるいは非隣接地域での生産誘発の強弱の度合いに視点をおくと,地域ご

とで大まかに以下のように観察することができる。北京天津地域について見ると,北部沿海

としか隣接していないが,そこでの域内最終需要は西北以外の他地域での生産誘発に少なか

らず貢献していることが確認でき,これより,当該地域での消費需要や投資が他地域での生

産誘発における地理的隣接の有無および距離的遠近との関係性が薄いように受け止めること

ができる。つぎに北部沿海での域内最終需要の場合は東部沿海,中部,そして東北といった

ようにいずれも隣接している地域での生産誘発に貢献している。そして東北での域内最終需

要に関しては,隣接してない東部沿海と中部および隣接する北部沿海での生産誘発に貢献し

ている。

東部沿海での域内最終需要の場合,いずれも隣接している中部と北部沿海での生産誘発が

高い。これに対して南部沿海での域内最終需要については隣接している東部沿海と隣接して

いない北部沿海での生産誘発は確認できる。また,域内最終需要全体でみれば 0.094 という

ように僅差で 0.1 には達していないものの,投資で 0.132 と高い数値が出た隣接中部での生

産誘発効果も確認できる。

内陸部に関していえば,中部は隣接地域の中でも東部沿海と北部沿海について,また西北

は非隣接の東部沿海と隣接の中部,北部沿海および西南について,さらに西南は非隣接の東

部沿海と北部沿海および隣接の中部について,といったようにそれぞれの域内最終需要が他

地域の生産活動を促進していることが確認できる。

また,地域間産業連関表における生産誘発依存度からは,各地域の各産業部門における最

終需要項目別生産誘発額の構成比の地域間分布をみることができる。これは,任意の地域の

(12)

北京天津

域内最終需要全体

農村住民消費

都市住民消費

政府消費

投資

自地域

1.322

1.217

1.255

1.525

1.300

1

東部沿海

0.243

0.200

0.205

0.142

0.304

2

北部沿海

0.217

0.290

0.253

0.117

0.224

3

中部

0.152

0.173

0.159

0.083

0.170

4

西南

0.144

0.117

0.111

0.079

0.190

5

東北

0.121

0.136

0.133

0.080

0.128

6

南部沿海

0.092

0.093

0.098

0.054

0.102

7

西北

0.068

0.067

0.063

0.042

0.081

自地域シェア(%)

56.0%

53.1%

55.1%

71.8%

52.0%

北部沿海

域内最終需要全体

農村住民消費

都市住民消費

政府消費

投資

自地域

1.733

1.699

1.696

1.481

1.826

1

東部沿海

0.160

0.129

0.160

0.102

0.186

2

中部

0.135

0.114

0.117

0.061

0.169

3

東北

0.105

0.088

0.090

0.056

0.129

4

JJ

0.072

0.065

0.072

0.090

0.069

5

西南

0.064

0.060

0.060

0.046

0.072

6

南部沿海

0.059

0.047

0.055

0.029

0.073

7

西北

0.042

0.038

0.039

0.027

0.048

自地域シェア(%)

73.1%

75.9%

74.1%

78.3%

71.0%

東北

域内最終需要全体

農村住民消費

都市住民消費

政府消費

投資

自地域

1.667

1.504

1.505

1.682

1.835

1

東部沿海

0.153

0.172

0.197

0.073

0.151

2

北部沿海

0.132

0.172

0.175

0.066

0.117

3

中部

0.116

0.136

0.130

0.064

0.124

4

西南

0.067

0.073

0.072

0.041

0.073

5

JJ

0.062

0.059

0.062

0.060

0.064

6

南部沿海

0.058

0.066

0.070

0.027

0.061

7

西北

0.047

0.051

0.050

0.031

0.051

自地域シェア(%)

72.4%

67.4%

66.6%

82.3%

74.1%

東部沿海

域内最終需要全体

農村住民消費

都市住民消費

政府消費

投資

自地域

1.807

1.654

1.653

1.656

1.970

1

中部

0.123

0.134

0.130

0.052

0.139

2

北部沿海

0.113

0.151

0.157

0.047

0.103

3

東北

0.068

0.072

0.073

0.035

0.074

4

西南

0.063

0.067

0.067

0.034

0.069

5

南部沿海

0.062

0.056

0.062

0.025

0.077

6

JJ

0.042

0.037

0.039

0.030

0.049

7

西北

0.037

0.038

0.038

0.018

0.043

自地域シェア(%)

78.1%

74.9%

74.5%

87.3%

78.0%

南部沿海

域内最終需要全体

農村住民消費

都市住民消費

政府消費

投資

自地域

1.454

1.406

1.420

1.465

1.504

1

東部沿海

0.153

0.107

0.118

0.067

0.256

2

北部沿海

0.097

0.126

0.109

0.053

0.093

3

中部

0.094

0.091

0.085

0.040

0.132

4

東北

0.067

0.060

0.060

0.029

0.097

5

西南

0.062

0.067

0.062

0.034

0.076

6

JJ

0.044

0.035

0.038

0.037

0.058

7

西北

0.026

0.026

0.025

0.012

0.035

自地域シェア(%)

72.8%

73.3%

74.1%

84.4%

66.8%

中部

域内最終需要全体

農村住民消費

都市住民消費

政府消費

投資

自地域

1.685

1.592

1.591

1.609

1.809

1

東部沿海

0.158

0.137

0.153

0.071

0.200

2

北部沿海

0.121

0.153

0.151

0.051

0.112

3

東北

0.068

0.071

0.070

0.034

0.078

4

西南

0.065

0.069

0.067

0.032

0.073

5

南部沿海

0.062

0.057

0.062

0.024

0.077

6

JJ

0.048

0.043

0.046

0.035

0.057

7

西北

0.043

0.042

0.043

0.021

0.050

自地域シェア(%)

74.9%

73.6%

72.9%

85.7%

73.6%

西北

域内最終需要全体

農村住民消費

都市住民消費

政府消費

投資

自地域

1.421

1.310

1.276

1.374

1.540

1

東部沿海

0.172

0.154

0.184

0.099

0.194

2

中部

0.153

0.146

0.154

0.068

0.181

3

北部沿海

0.153

0.178

0.186

0.070

0.155

4

西南

0.096

0.096

0.099

0.057

0.107

5

東北

0.084

0.084

0.088

0.051

0.092

6

JJ

0.078

0.068

0.080

0.089

0.076

7

南部沿海

0.065

0.063

0.074

0.032

0.072

自地域シェア(%)

64.0%

62.4%

59.6%

74.7%

63.7%

西南

域内最終需要全体

農村住民消費

都市住民消費

政府消費

投資

自地域

1.424

1.354

1.302

1.309

1.579

1

東部沿海

0.182

0.136

0.192

0.127

0.228

2

中部

0.125

0.117

0.127

0.069

0.151

3

北部沿海

0.109

0.117

0.134

0.072

0.106

4

JJ

0.092

0.071

0.096

0.134

0.087

5

南部沿海

0.089

0.067

0.092

0.043

0.121

6

東北

0.073

0.067

0.074

0.057

0.081

7

西北

0.050

0.047

0.051

0.036

0.057

自地域シェア(%)

66.4%

68.5%

62.9%

70.8%

65.5%

筆者計算

図表 5 生産誘発係数(表側各地域 1 部門換算)

参照

関連したドキュメント

 地表を「地球の表層部」といった広い意味で はなく、陸域における固体地球と水圏・気圏の

うのも、それは現物を直接に示すことによってしか説明できないタイプの概念である上に、その現物というのが、

 中国では漢方の流布とは別に,古くから各地域でそれぞれ固有の生薬を開発し利用してきた.なかでも現在の四川

に関して言 えば, は つのリー群の組 によって等質空間として表すこと はできないが, つのリー群の組 を用いればクリフォード・クラ イン形

シートの入力方法について シート内の【入力例】に基づいて以下の項目について、入力してください。 ・住宅の名称 ・住宅の所在地

つの表が報告されているが︑その表題を示すと次のとおりである︒ 森秀雄 ︵北海道大学 ・当時︶によって発表されている ︒そこでは ︑五

本論文での分析は、叙述関係の Subject であれば、 Predicate に対して分配される ことが可能というものである。そして o

黒い、太く示しているところが敷地の区域という形になります。区域としては、中央のほう に A、B 街区、そして北側のほうに C、D、E