小学校女性教員の保護者対応の不安に関する研究 : 子育て経験が及ぼす影響
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(2) 護者対応自信度」は高まる。保護者対応不 安尺度のr問い合わせ」r悩み相談」につい. ては、20代30代の不安度がほぼ同じであ り、30代で最も不安が高い結果であった。 40代から不安が大幅に低くなっていた。 (2)就業年数との関係. 就業年数11∼20年において「教職充実感 度」「保護者対応自信度」の両方が最も低か. った。また、就業年数11∼20年は、保護者 対応不安尺度において「間い合わせ」『悩み 相談」への不安が最も高かった。11∼20年. と21∼30年の差が非常に大きく、21∼30 年、31∼40年と経験を得るごとにその不安 は低くなる。「子育て役立ち観」については、. 就業年数11∼20年で平均得点が最も高く、 他の就業年数の層よりも「子育て経験は教 職より役立っ」と考えていた。 (3)子育て経験の有無との関係 保護者対応不安尺度のr間い合わせ」r保 護者対応」について子育て経験なし群の不 安が、子育て経験あり郡より高かった。「子 育て役立ち観」については、子育て経験あ り群の方が「子育て経験は教職より役立っ」 と考えていた。. (4)子育て経験あり群・なし群の群間比較 子育て経験の有無別に年代・就業年数で 比較した。「問い合わせ」「悩み相談」に年 代・就業年数の主効果があった。年代との 関係において、30代を除いて子育て経験な し群の不安が全体的に高かった。しかし子 育て経験あり群30代については、他の層に 比べてr間い合わせ」r悩み相談」への不安 が最も高かった。子育て経験なし群につい ては、20代の不安が最も高く、年代が上が るに従いその不安は低くなる。就業年数と の関係では、各群内で11∼20年のr間い合 わせ」r悩み相談」の不安が最も高くなって いた。特に子育て経験なし群11∼20年は、 他の層に比べて最も高い不安であった。r子 育て役立ち観」は、子育て経験の有無・就 業年数に主効果があり、特に子育て経験あ り群11∼20年が「子育ては教職に役立っ」 と考えていた。一方、子育て経験あり群11 ∼20年のr教職充実感度」は71%、r保護者 対応自信度」は60%で他の層よりも最も低. かった。r教職充実感度」r保護者対応自信 度」は全体的に子育てなし群が高かった。 【総合考察】 本調査の結果では、子育て経験の有無よ りも年代と就業年数が回答に影響していた。 特に就業年数が大きく影響しており、子育 て経験あり群・なし群ともに11∼20年の不 安が最も高かった。また、子育て経験あり. 群30代と就業年数11∼20年の層で保護者 対応自信度が低く、保護者対応不安が高い ことも特徴であった。子育て経験あり群30 代・就業年数11∼20年は、育児・子育ての 最中と推測される。「子育て役立ち観」にお いて高い数値を示していたことから、体験 を通して子育てが教職にプラスの影響を及 ぼすことを実感している時期と考えられる。 しかし、その意識は「教職充実感度」「保護 者対応自信度」の高まりやr保護者対応へ の不安」軽減につながっているわけではな かった。女性教員が抱えている困難には、 仕事と家庭の両立があり、厳しい状況にさ らされている(高島2011)。「子育て役立ち 観」の高さより「両立葛藤」の強さが大き く影響し「教職充実感度」「保護者対応自信 度」が低く「保護者対応への不安」が高い という結果になったと考える。また、就業. 年数11∼20年ついては、職務10年を経過 し、仕事の責任や負担が重くなる時期と考 えられる。より仕事に専念しやすい子育て なし群においては、職務上の悩み・困難が 増大する時期と推測される。しかし、周囲 のサポート体制は新卒時期より当然少なく、 自ら相談することも容易でない辛い状況が 生じやすい時期とも考えられる。子育て経 験なし群には、職務に専念するほど生じや すい仕事への困難が存在するものと考えら れる。以上のことから、子育て経験あり群・. なし群ともに30代・就業年数11∼20年の 小学校女性教員に乗り越えるべき大きな課 題があり、職場や社会においてこの時期の 小学校女性教員を支えるサポート体制やそ の改善策が求められる。. 主任指導教員 有園 博子. 指導教官 有園博子.
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