Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
№23:総義歯口蓋部へのジルコニア応用の有益性
Author(s)
和田, 健; 髙野, 智史; 田坂, 彰規; 上田, 貴之; 櫻井,
薫
Journal
歯科学報, 114(3): 294-294
URL
http://hdl.handle.net/10130/3328
Right
目的:上顎総義歯は,義歯の剛性や装着感の向上の ためにレジン床義歯ではなく金属床義歯が選択され ることが多いが,使用金属に対するアレルギー患者 には応用できない。そこで,総義歯口蓋部をジルコ ニア床とすることで患者満足度の高い義歯を提供で きる可能性に着目し,ジルコニア床の有益性につい て検討した。 方法:有歯顎者16名(男性10名,女性6名,平均年 齢25±2歳)に,レジン口蓋板(RP),ジルコニア 口蓋板(ZP),コバルトクロム口蓋板(CP)を装 着させ,「金気」,「食品付着」,「異物感」およびこ れらを総括した「総合的な装着感」の4項目につい て100mm-VAS により評価した(東京歯科大学倫理 委員会承認番号407)。また,食品付着性の客観的評 価として,引っ張り試験を行った。万能試験機にレ ジン(R),ジルコニア(Z),コバルトクロム(C) の試験片それぞれ2枚を上下に相対して固定し,術 者が5分間咀嚼したガム3.0g の唾液を拭き取り下 方の試験片に載せ,測定試料の厚みが1.0mm とな るまで圧縮後,上部試験台をクロスヘッドスピード 270mm/min にて40mm 上昇させ,その間に記録さ れた最大力(N)を食品付着性の指標とした。VAS 値 の 分 析 は,Friedman 検 定 後,Wilcoxon の 符 号 付き順位和検定を行い,Bonferroni 補正した。食 品付着性の分析は,一元配置分散分析後,Bonferroni 検定を行った(α=0.05)。 結果と考察:100mm-VAS による評価では,異物感 で RP-ZP 間,RP-CP 間,金気で RP-CP 間,食品付 着で ZP-CP 間,総合的な装着感で RP-ZP 間に有意 差を認めた。ジルコニア床は,レジン床より異物感 が少なく,総合的な装着感が高かった。一方,金属 床はレジン床より異物感が少ないが,金属独特の味 があり,ジルコニア床よりも食品が付着しやすいと 評価され,総合的な装着感はレジン床と変わらな かった。食品付着性の客観的評価では,R が21.4± 1.64N,Zが5.66±2.04N,C が18.9±2.32N で,R-Z 間,で,R-Z-C 間に有意差を認めた。 主観的評価,客観的評価ともに認められたジルコ ニアの低い食品付着性が,総合的な装着感の評価を 高めた要因のひとつであると考えられる。以上よ り,ジルコニアを総義歯口蓋部の床用材料として応 用することで,患者の満足度が高い義歯を提供でき ることが示唆された。