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水理実験におけるハイドロフォンを用いた流砂量計測

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Academic year: 2022

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(1)

水理実験におけるハイドロフォンを用いた流砂量計測

財団法人建設技術研究所 正会員 ○小田 晃・長谷川祐治 京都大学大学院農学研究科 正会員 水山高久

株式会社ハイドロテック 野中理伸 筑波大学大学院農林工学系 正会員 宮本邦明

1.はじめに

近年、水系一貫の土砂管理を行うための基礎資料を得る目的で実際の河川において流砂量のモニタリング が各地で実施されている1) 。その中で、流砂が金属管等に衝突する回数から流砂量を間接的に推定する方法

(ハイドロフォン)が開発され、実用化に向けて検討が行われている2)

一方、水理実験における流砂量計測法として、水路から流出する土砂量をふるい等で直接採取する方法が ある。この計測方法は、砂もしくは砂と水を直接採取するため、時間変化が激しい流砂量、あるいは長時間 にわたる流砂量を計測する際には労力が多大である。また、

通常は下流端でしか流砂量を計測できないため、模型の途 中断面における流砂量計測が困難であった。

そこで、流砂量計測の簡素化と模型の途中断面における流 砂量計測を実現するため、本研究では水理実験におけるハ イドロフォンを用いた流砂量計測について検討した。今回 は、地形模型下流端での流砂量計測に、実験用に開発した ハイドロフォンを使用し、従来の土砂採取による流砂量計 測結果との比較を行ったのでその結果を報告する。

2.ハイドロフォンの概要 ハイドロフォンは流砂が金 属管に衝突する回数(以下、

Pulse)から流砂量を間接的に 推定する方法である。使用した 金 属 管 は 外 径 27.2mm 、 内 径 25.2mm の円形断面である(写 真―1)。Pulse の採取間隔時

間は 5sec に設定した。Pulse を入力するチャ ンネル(以下、ch)は感度毎に 4ch あり、各 ch は ch1 を基準として 4.7 倍ずつ感度が高く なるように設定した。

3.実験概要

ハイドロフォンによる流砂量計測を実施し た実験は表-1に示す4種類5ケースである。

いずれの実験も混合砂を使用している。実験 A・B・Cは洪水波形を対象とした実験であ り、実験Dは矩形断面水路(幅 1.0m・水路勾 配 1/80)の定流実験である。なお、実験Aは

キーワード 掃流砂量、ハイドロフォン、計測、実験、パルス

連絡先 〒300-2633 つくば市遠東 904-1(財)建設技術研究所 TEL 029-847-3781 FAX 029-847-3418

ハイドロフォン マイク

写真-1 ハイドロフォンの設置状況 表-1 実験条件諸元

河床材料

実験 実験種別 流量

(ピーク流量) 平均粒径 95%粒径

流 砂 が 衝 突 す る部分の幅 実験A-1

実験A-2 21.95ℓ /s 1.42mm 5.0mm 90cm

実験B 30.57ℓ /s 3.00mm 7.5mm 90cm

実験C

地形模型実験

37.8ℓ /s 2.85mm 10.0mm 45cm

実験D 矩形断面水路

実験

9.62ℓ /s

(定流実験) 1.30mm 4.0mm 59cm

0 5 10 15 20 25 30 35 40

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000

実験通水時間 (sec)

Pu ls e

0 10 20 30 40 50 60

流砂 量( 実 測 値 )   ( cm

3

/s )

ch4 実測流砂量 移動平均(300sec)

4.88    14.03    21.95  14.03     4.88     2.44  流量(㍑/s)

図-1

Pulse

と流砂量の比較(実験A-1)

土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月)

‑229‑

II‑115

(2)

同一の波形を2回続けた実験であり、

1波形目の実験をA-1、2波形目の 実験をA-2とした。模型下流端から 流出する砂はハイドロフォンによる Pulse との比較のため、ふるいにより 採取した。ふるいによる採取時間間隔 は3分~5分間隔である。

4.計測結果

4.1 水路下流端における Pulse と流砂 量の時間変化

図-1,2に代表的な Pulse と実測 流砂量の時間変化の比較図を示す。

Pulse の移動平均による線も示した。対象とした Pulse は ch3 であ る。移動平均の時間は実測流砂量の採取間隔と同じとした。図-1

(実験A-1)より、実測流砂量のピークと Pulse のピークがほぼ 一致しており、Pulse の流砂量変化に対する応答性は良好であるこ とが示されている。図―2(実験C)は実測流砂量がピークとなる 時期において、Pulse が減少する傾向となっている。ピーク前後に おいては流量が多いため金属管に衝突する砂の速度が増加し、また、

流出する砂の粒径も大きくなる。このために衝突音が大きくなり、

金属管内での残響音が長く残り、その間の Pulse が正確に採取でき なくなったと考えられる。

図-3に、実験A-1の ch3 における各 実測流砂量採取時と同じ時刻に記録した Pulse との関係を示す。Pulse の流砂量に対 する関係は直線で近似できる。

4.2 Pulse の合計数と総流出土砂量の関係 図―4に ch3 で記録した Pulse の合計数 と実測による総流出土砂量の関係を示す。

Pulse の合計数と総流出土砂量はほぼ比例 している。なお、実験Cは図-2に示すよう に実測流砂量のピーク時において Pulse が 極端に減少するためこの図からは除いた。

5.おわりに

ハイドロフォンを水理実験に使用し、

Pulse と実測流砂量の相関が良好であるこ

とが示された。Pulse から流砂量を推定する精度の向上のためには、流砂量が増加した場合でも確実に衝突音 を採取できるような感度の設定、もしくは残響音を吸収する工夫が必要と考えられる。今後は上記の工夫も 含めて、砂の粒径、流出する砂の速度等と Pulse の関係、複数の ch の使用、並びに模型の途中断面における 流砂量計測についても検討する。

参考文献

1)浦 真・下井田実・有澤俊治・村松道康・植野利康・横山康二・浜名秀治:与田切川における土砂流出モニタ リングについて(その1),平成 13 年度砂防学会研究発表会概要集,p.308-309,2001

2)水山高久・野中理伸・藤田正治:常願寺川津之浦下流砂防堰堤におけるハイドロフォンによる流砂観測,砂防学 会誌,Vol.55,No.3,p.56-59,2002

0 10 20 30 40 50 60 70

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000

実験通水時間 (sec)

Pulse

0 100 200 300 400 500 600 700

流砂量(実験値) (cm3/s)

Chan 3 下流端の流砂量 移動平均(180sec)

2.4  8.3   20.3 37.8 26.0 16.4 8.3        2.4 流量(㍑/s)

図-2

Pulse

と流砂量の比較(実験C)

(流砂量)= 1.0804×(Pulse) r2 = 0.923

0 5 10 15 20 25 30 35

0 5 10 15 20 25 30

Pulse(ch3)

流 砂量実 測値 (c m

3

/s )

実験A-1 (ch3)

図-3

Pulse

と実測流砂量の関係

(総流出土砂量)= 15.768×(Pulseの合計数) r2 = 0.9899

0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000 900,000 1,000,000

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 Pulseの合計数

総流出土砂量(cm3 )

実験A-2

実験A-1

実験B

実験D

図-4

Pulse

の合計数と総流出土砂量の関係

土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月)

‑230‑

II‑115

参照

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