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高炉スラグ微粉末 3000 の置換率を変えたコンクリートに関する一実験

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Academic year: 2022

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(1)

表1 使用材料の諸元

高炉スラグ微粉末 3000 の置換率を変えたコンクリートに関する一実験

日鉄住金高炉セメント(株) 正会員 ○岩井 久 日鉄住金高炉セメント(株) 正会員 大塚 勇介 日鉄住金高炉セメント(株) 正会員 前田 悦孝 日鉄住金高炉セメント(株) 正会員 檀 康弘

1.目的

近年,構造物の大型化に伴い,マスコンクリートに適した低発熱型高炉セメント B 種が普及しつつあり,

高炉セメントの素材である高炉スラグ微粉末(スラグと略す)についても比表面積3000cm2/g(LBSと略す)

がJIS規格化(JIS A6206)されるに至っている.しかし,LBSを混和材として用いたコンクリートの性能を 確認した事例は少ない。そこで,普通ポルトランドセメント(Nと略す)に対しLBSの置換率を変えたコン クリートについて,断熱温度上昇,圧縮強度,自己収縮ひずみを確認した.

2.試験概要

使用材料の諸元を表1に示す.Nは共通とし,LBSは石こうを添加してSO3=0,2,3.5%と変えて用いた.

また,性能比較のため同一Nに同一産地のスラグ(比表 面積3800cm2/g)を置換した試製高炉セメントB種(BB と略する)を準備した.試験配合の結合材種を表2に示 す.スラグ中のSO3量を2%に調整したLBS(LBS-2)を 用いてスラグ置換率を40~70%まで変えた水準,スラグ 置換率を50%に一定とし,LBSのSO3量を変えた水準お よび試製BBの計7水準である.細骨材は海砂(玄界灘 産)と砕砂(福岡県古賀市産)を,粗骨材には砕石(北 九州市門司区産)を用いた.混和剤は標準形AE減水剤 を用いた.

コンクリート配合は共通で,単位結合材量300kg/m3,W/C55%

とし,スランプ10.0±2.0cm,空気量4.5±1.0%,コンクリート

温度 20±1℃を目標値とした.断熱温度上昇試験は,空気循環

式試験機を用い,日変化量1℃以下を終了条件とした.強度試 験は,標準養生での圧縮強度(JIS A1108)を測定した.自己収 縮試験1)は,角柱(10×10×40cm)供試体を用い,埋込みひず み計により測定した(20℃封緘養生).

3.試験結果

3.1 断熱温度上昇特性

図1に終局断熱温度上昇量を示す.スラグ分量と上昇量には 相関が見られ,スラグ分量が増加するほど上昇量が下がる.

キーワード 高炉スラグ微粉末3000,スラグ置換率,断熱温度上昇量,圧縮強度,自己収縮 連絡先 803-0801福岡県北九州市小倉北区西港町16番地 日鉄住金高炉セメント株式会社 TEL093-588-1051

密度 比表面積 SO3 備考

(g/cm3) (cm2/g) (%)

N 3.12 3220 2.07 市販品 LBS-0 2.91 3070 0.03 石こう添加無し LBS-2 2.91 3140 2.04 石こう添加品 LBS-3.5 2.91 3190 3.55 石こう添加品

BB 3.03 3470 2.07 スラグ置換率 42.5%

結合材の組合せ N+(LBS-2)40% N+(LBS-2)50% N+(LBS-2)60% N+(LBS-2)70% N+(LBS-0)50% N+(LBS-3.5)50% BB

実質スラグ量(%) 38.6 48.2 57.9 67.5 50.0 46.9 41.0

結合材 SO3(%) 2.06 2.06 2.05 2.05 1.04 2.81 2.07

表2 試験配合の結合材種類

43.9 42.8

39.0

34.0 44.4

40.3 45.2

y = -0.3475x + 58.362 R² = 0.9349 30

35 40 45

35 40 45 50 55 60 65 70

Q∞(℃)

結合材中のスラグ分量(%) LBS-2

LBS-0

LBS-3.5 BB

図1 断熱温度上昇量終局値 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑917‑

Ⅴ‑459

(2)

LBSのSO3量をBBと同じ2%にした場合,BB同等のスラグ置換率で上昇量がBBより約1℃低下し,置換

率60%では約6℃低下した.また,スラグ中のSO3量が多いほど上昇量が下がる傾向を示した2).これらか

ら,BB中のスラグの比表面積を小さくすることで,終局断熱温度上昇量は低下するものの,スラグ中のSO3

量および置換率を上げることが効果的であると考えられる.

3.2 圧縮強度

圧縮強度試験の結果を図 2 に示す.LBS-2 の置換率を40~70%まで変化させた場合,置 換率の増加に伴い圧縮強度は直線的に低下し,

材齢28日以降では,置換率40%と 70%の間 に約 7N/mm2の強度差が生じた.また,結合 材中のスラグ分量が BB 同等である置換率

40%において BB の強度を下回っており,ス

ラグの比表面積の違いが強度発現に影響した ものと考えられる.LBS の SO3量を変えて,

置換率を50%で一定にした場合,結合材中の

SO3量が1.0~3.0%程度の範囲ではSO3量の違

いで差は無く,既報 2)と同様の結果となった.ただし,今回は標準養生のみでの結果であるため,打込み温 度,養生温度が及ぼす影響について検討する必要があると考える.

3.3 自己収縮ひずみ

図3に凝結時間始発を基点にした最大膨張 ひずみ(材齢1日前後で膨張側に計測された ひずみ)および材齢毎の自己収縮ひずみを示 す.図中の破線は,BB の最大膨張ひずみお よび材齢 91 日での自己収縮ひずみを示して いる.置換率に着目すると,置換率40%で収 縮が最も大きく,BB をやや超える結果であ った.材齢 28 日までは置換率 50~70%の間 に大きな違いはなく,材齢91日では40~60%

の間で高置換率ほど収縮が小さくなる傾向が

見られた.また,結合材中の SO3量が多いほど膨張ひずみが大きく,材齢 28 日までその傾向が続いている

2).しかし,材齢 91日では大きな差は見られなかった.BB の結果も加味すると,初期膨張はスラグの置換 率や比表面積の影響は小さく SO3量の影響が大きいと考えられる.材齢 91日までの自己収縮についてはス ラグの比表面積を小さくすることに加え,置換率を上げることが,その低減に有効であると考えられる.

4.まとめ

混和材にLBSを用いたコンクリートについて断熱温度上昇量,圧縮強度および自己収縮を確認した.その 結果,断熱温度上昇量は置換率とSO3量の影響が大きいことを確認した.強度発現については,スラグの比 表面積と置換率が影響すると考えられる.自己収縮については,置換率が最も大きく影響すると考えられる.

今後,打込み温度,養生温度の影響を確認する必要がある.

【参考文献】

1) 日本コンクリート工学協会:コンクリートの自己収縮委員会 報告書,2002.9

2) 二戸信和ほか:高炉セメントの発熱と収縮に及ぼすスラグ粉末度とSO3の影響,コンクリート工学年次 論文集,Vol.30,No.2,pp121-126(2008)

11.0 12.2 12.0 18.9 19.4 19.4 33.2 34.3 33.3 41.1 41.1 39.9 45.4 44.9 44.1

0 10 20 30 40 50

1.04 2.06 2.81 SO3(%)

91d 56d 28d 7d 3d LBS置換率50%

SO3(%) 15.2

13.3 12.2

10.0 8.7 24.4

21.4 19.4

17.7 16.4 40.1

36.7 34.3

30.7 29.8 46.6

43.4 41.1

38.6 36.3 49.9

47.2

44.9 43.5 40.1

0 10 20 30 40 50

40% 50% 60% 70%

BB LBS置換率

縮強度(N/mm2)

SO3=2.05~2.07%

図2 圧縮強度

-100 -80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100

30 40 50 60 70

ひずみ(×10-6)

LBS置換率(%) 最大膨張

7d

28d

91d

SO3=2.05~2.07%

-100 -80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100

0 1 2 3 4

結合材中のSO3(%) BB最大膨張

BB:91d

LBS置換率50%

図3 自己収縮ひずみ 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑918‑

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参照

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