The Chemical Society of Japan
NII-Electronic Library Service
The Chemioal Sooiety of Japan
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ゆ化 学 は 好 き か 嫌 い カ
ー大 学 入 学 時 で の 調 査
宮 城 陽
(
1993
年5
月17
日 受 理)表
1
調査 人 員1 は じ
め にちか ご ろ
, 化 学
の教 師
の間
で 「化 学 嫌
い」 とか 「化 学 離
れ」 とい っ た言葉 が 交 わ さ れ る
こ と が多
い よう
に思
わ れ る。
これ は 「ちか ご ろ は, 以前
に比
べ て化 学 を 嫌 う 生 徒 が 多
い 」ま た は
「化 学
が好 き な 生 徒
が減
っ た」とい
う
こ と で あ る。
し か し,以 前
に比
べ て どのく
らい減
った
かを 示 す 具 体 的 デ ー
タ はな
いよ う
であ る
。 ま た
「
化 学 嫌
い 」は今後 も続 く
の であ
ろう
か。
そう
であ
れば
,将 来
にお い て比 較
さ れ る現 時 点
で のデ ー タ
が必 要
と なる。 こ の よ
う な 意 味
か ら, 大 学 入 学 時 (
すな
わ ち高 校 卒業 時 )
の学 生 を対 象
と し て 「化 学 が 好
きか嫌
い か」お よ
び
「その理由
」 につ い て調 査 し た
。調 査 対 象 集 団
調
査時 点
調
査時
期調 査 方 法
2 調 査 方 法 な ど
金 沢 大 学 教 育 学 部
小 学校 教 員 養 成 課 程
1 回 生 約 100 名 ( 表 1 )
*L。
入
学 直 後
の( 教養 部
で の) 化学
の最 初
の
授 業 時
。1989− 1993 年
の各 4 月
申2質 問 紙
に記
し た質 問 文
に対 し
て回 答 を 求
めた
’3。
3 調 査 結 果
「ど ち らか と
言 え
ば化 学
は好
き」 「ど ち ら か と言
え ば化 学 は嫌
い」 という 質 問文
に対 す
る回 答 結 果 は 表 2
の と おり
であ
っ た。好
き嫌
い の理由
の回 答 結
果 は 表3
のと お り で
あ
った 。
表 2
お よび 3
の内 容 を
まとめる と次
の よう
にな
る。
「好 き嫌
い」 お よ び 「そ の 理由
」の数 値
の調 査 年 度
によ る 「
ば
らつき
」は小
さい ものであ
っ た’
2。
お お
ま
か にい っ て「化学
が好
き」約 3 割 ,
「化 学
は 嫌い」
約 7 割
であ
っ た。年 度
’ 89 , 90 ,
91’
92’ 93
受 講者 数 (名 ) 高 校で鯀 列 (・・
畿
旦
14
74
26105
70
309774
269088
129288
12裏
2
「ど ち らか と言 え ば化 学が好き 」 学 は 嫌 い」に 対 す る 回 答 (% )「ど ち ら か と 言 え ぱ 化
年 度
卩 B9 ,
90,
9L’
92, 93 」 F
均化 学 が 好 き 363035344236
化学が嫌い
606762665858
表 3 化学が好 きな理由 (% ) :複 数 選 択
年 度
’ 89 , 90 ’ 9L ,
92卩
93 平 均実験が あ る から
706363638268
論理的だ か ら293429332330
自然 界の謎を解いてく れ る か ら 344323172328
暗記す ることが多く暗 記は得意
1203
】788そ の他 1592613534
表 4 化学が 嫌いな 理 由 (% ) :複 数選 択
Is
Chernistry
aPreferable
Subject
?Inquiry
to
Freshumen . Yo
MIYAGI
金 沢 大学 教 育 学 部教 授 理 学 博士
1
連 絡先]
920 − ll
金 沢 市 角 間 町 (勤 務 先 )。
年 度
,
89,
go,
田, 92 ’ 93
平 均実験が あ る か ら 603223 論 理 的 で な い か ら
315284
計算が多い か ら444367514550
暗記 的 だ か ら 373636322834 内容が複 雑 だか ら655764667565
化学記 号は 苦 手 472344583842その他 378304
化 学と教 育 4i 巻 II 号 (1993 年)
「
化 学 が 好
き」 の理 由
の第 1 位
は 「実験
があ
るか ら」で あっ た
。
「
実 験
があ る
か ら化 学
は嫌
い」は非 常
に少 な
かっ た。「
化 学
が嫌
わ れ る理由
」の中
で大
きな も
のは
「内 容
が複 雑
」( 65 % )
,「
計 算
が多
い」( 50 % ) ,
「元素記 号
は苦 手
」( 42 % ) ,
「暗 記 的
だ か ら」( 34 % )
の四つ であ
っ た773
N工 工
一
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( 括 弧 内 5 年 間 平 均 値 ) 。
4 感 想
「
好 き嫌
い」の数値
は調 査学 部 を 変 えれ ば 変 わ
る と思
わ れ る が, 好
き3 割 嫌
い7 割
は大 体 世 間 一
般
の好
みを 表
して い る の で は ない であ ろ う
か。
この数値
よ り も興 味
を引
か れ るの は,
「理 由
」であ
る。暗 記
が多
い か ら化 学
は嫌
わ れ る の で はな
い か と予 想 し た が
, こ れ は大
きな
理由
の一
つで は
あ
った
が, 最 大
の 理由
で は な かっ た。
最 大
の理 由
は 「内容
が複 雑
」 であ
っ た。
「複 雑
」 と は ど の よう
な こ とを 意 味 す る
の であ
ろう
か ?ま た
大
きな 理 由
の一
つ が 「元
素 記 号
が苦 手
」 であ
るこ とは 理解
でき るが ,
「
計 算
が多
い 」で あ る
こと
はや や 意 外
に思 わ れ
る。 な
ぜな ら
,高校
の化学
で出
てく
る計 算
は ほ と ん ど 四則 演 算
であ り , そ れ が 苦 痛
と な る ほ ど計 算
が多
いと
は思 え な
い から
であ
る。 こ れ らの ことにつ い て, さ ら に調
査 を進
める予 定
であ
る*4。*
1
調 査 集 団 をどのように選ぶ かによ り調 査結
果は かなり異なっ て くる と思わ れ る
。
「化学 嫌い」は文 学 部で は多 く,
理学部
で は 少 ないであろう。
しかし, そ の理学部
の中
でも化 学科と数 学 科と では 大いに 異 な る と思 わ れ る
。
工学部でも, 工業 化
学 科
と建
設工学 科で は異 なる であろ う。
教 育 学 部小学校 教 員 養成 課 程で は文 系理系のみ な らず 芸 術 (美 術 音 楽 )
系や体
育 系
な どい ろ い ろ の学習指 向の 学 生 を 幅 広 く含 んでい るの で
,
学 習の一
般的傾 向
を調べ るの に適 した集 団 と思 わ れ る。
*
2
た ま たま調 査 した 年 度の集
団に は化 学
の嫌
いな学 生が多か っ た と いうこと も あ り得 るの で, 5
年 間に わ たっ て調 査を繰
り返
し た。
*
3
「好き嫌い の理 由」の回 答 は 質 問 紙に記 載さ れ て い る項目の中か ら選ぶ方 法を用いた
。
事 前の予 備 調 査に おい て好き嫌い の理由を記さ せ
,
そ の結果 を利用 し て本 調査に おける好き嫌い の理 由の項 目を
作成
し た。*
4
余 白に 記 さ れ てい る感 想の中か ら,「複
雑
」や 「計算
」に関
す る代 表 的 な もの を拾っ て み る と次の よ うであっ た :P公式を
覚
え て も そ れをどう使えばよいか分
か ら ない 」「計 算の
意 味 する も の が 分 か ら ない 」「
い ろい ろ の法 則があっ て や や
こし く
計算
の し かたが分 か らない」 な どである。
こ れ を読
む と 「複 雑」 と 「計算」 は 関 係 が ある こと が分か る。
凾
第
41
巻第 10 号 665
頁の右 段 下から14
行 目に下 記のよ う な 誤 り が ご ざい ま し た。
訂正 し てお詫 びい た し ま す。
国
柴田
,
織田,
島 村で あ る。
目 次 を見る と,
化 学の口
柴
田, 塰
旦,
島 村である。
目次を見る と,
化 学の774
化 学と教育41
巻 II 号 (1993 年 )N工 工