2011年度 化学Ⅰ-第1問-問5
【問題】
標準状態で10mLのメタンと40mLの酸素を混合し,メタンを完全燃焼させた。燃焼前後 の気体の体積を標準状態で比較するとき,その変化に関する記述として最も適当なものを 次の①~⑤のうちから一つ選べ。ただし,生成した水は,すべて液体であるとする。
① 20mL減少する。 ② 10mL減少する。
③ 変化しない。 ④ 10mL増加する。
⑤ 20mL増加する。
【正解】
① 20mL減少する。
【解説】
メタンの燃焼は,次の化学反応式で表されます。
CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O
化学反応式の係数は,それぞれの物質の変化量の比を表しています。通常は物質量
〔mol〕の比と考えることが多いですが,気体の体積〔L〕の比と考えることも出来ます。
メタンCH4と酸素O2は,1:2の比で反応します。酸素40mLが完全に反応すると考えた 場合,メタンは20mLが反応します。しかし,メタンは10mLしかないので,酸素40mLす べてが反応することはできません。つまり,未反応の酸素が残ります。メタン 10mLが完 全に反応すると考えた場合,酸素は20mLが反応します。
このとき,酸素は40mL-20mL=20mLが残ります。二酸化炭素は10mLが生成します。
水はすべて液体なので,気体の体積は0mLです。よって,反応後の気体は,酸素と二酸化 炭素の混合気体で,30mLです。反応前にはメタンと酸素の混合気体50mLがあったので,
20mL減少したことがわかります。
高校化学Net参考書 ~センター試験演習「化学Ⅰ」~ http://ko-ko-kagaku.net/center-kagaku1/