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平成26年度厚生科学研究費補助金(難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業)
分担研究報告書
MRIを用いた気分障害の診断補助法についての実用化研究 分担研究課題:安静時fMRIを用いた診断アルゴリズム作成
研究分担者 飯高 哲也
名古屋大学 大学院医学系研究科 精神生物学 准教授
研究要旨
脳の非侵襲的計測法である機能的磁気共鳴画像(functional magnetic resonance imaging: fMRI) は、精神疾患のバイオマーカー候補として注目されている。本研究では安静時に撮像された fMRI の時系列データを元に、各脳領域間の活動の相関マトリクスを作成した。さらに得られたマトリク スのパターン解析により、患者と健常者を効果的に判別する手法を開発することが目的である。こ のために行列計算ソフトウェアである、Matlabに導入されているSupport Vector Machineを用い た判別方法を考案した。同一スキャナーで収集したデータから、性別と年齢をマッチさせた気分障 害群10名、統合失調症群10名、健常者10名の安静時fMRIデータを用いて2群の判別を行った。
その結果では、気分障害群と健常群では95%の精度(感度90%、特異度100%)を示した。また統 合失調症群と健常群では 100%の精度(感度100%、特異度100%)を示した。本研究結果は高精 度が得られたものの、データ数が少なく予備的な結果である。今後は他施設におけるデータを含め て数を増やし、特徴選択方法の改善や工夫を行う予定である。
A. 研究目的
未だ正確な診断方法のないうつ病、自閉症、
統合失調症など精神疾患の非侵襲的な診断技 術の確立は、精神医学のみならず脳科学全体 の悲願である。本研究の目的は、気分障害の 脳画像データベースを用いて、効果的な診断 補助方法を開発することである。効果的とは 脳画像データを元に、高い精度で患者と健常 者を分類することを意味している。またこの 他にも、気分障害と統合失調症の判別や、後 の治療効果を治療初期から判断できるような 手法を確立することも含まれている。
このために安静時fMRIデータを用い、脳内 の90か所の領域から得られた脳活動の時系列 データを解析した。90個の時系列データの領 域間相関係数をマトリクスとして表示し、そ のパターン解析を通じて患者群と健常群を高 い精度で判別することを目指した。一般的に2 群の判別には、機械学習理論を元にしたサポ ート・ベクター・マシン(support vector machine: SVM)などが多く利用されている。
本研究においても、科学行列計算ソフトであ る Matlab(Mathworks: http://www.math
works.co.jp)を用いたSVM解析を行った。今 回の報告ではSVMを用いて2群の判別を行う ための、fMRIデータ処理手順と名古屋大学で 取得したデータを利用した予備的解析結果に ついて述べる。
B.研究方法
被験者は性別と年齢をマッチさせた気分 障害(MD)群、統合失調症(SCH)群、健 常(CTL)群、それぞれ10名である(表1)。
患者群は全例服薬中である。
表1 各群の数、性別、年齢 臨床診断 数 性別
(M/F)
平均年齢 (SD) 気分障害
(MD)
10 2/8 37.9 (4.3) 統合失調症
(SCH)
10 2/8 36.9 (4.5) 健常者
(CTL)
10 2/8 36.7 (9.7)
それぞれの被験者 Image(EPI
研究に用いた。
の研究センターに導入されている Verio 3T
volumesを取得した。
スキャンの間はただ安静にしているように 指示された。
学部倫理委員会に承認されており、被験者に は書面による説明と同意を得たうえで行わ れた。
各 被 験 者 の 時 系 列
Statistical Parametric Mapping 8 (SPM8:
http://www.fil.ion.ucl.ac.uk/spm/
準脳空間に位置合わせし、形の異なるすべて の被験者の脳画像を同一空間で処理した。さ らにバンドパスフィルター(
などの処理を行ったうえで、時系列データを 標 準 化 さ れ た 脳 領 域 テ ン プ レ ー ト
(Automated anatomical labeling: AAL 基づいて
領域内ボクセルの 被験者において
タを得た。これらの処理は Assistant for Resting (DPARSF:
次に 90
(Pearson’s
し 、 さ ら に こ れ を 標 準 化 ( transformation
90 の脳領域間相関マトリクスとしてグラフ 化したものが
図1.気分障害群の平均相関マトリクス それぞれの被験者において
EPI)法で撮像
研究に用いた。撮像は名古屋大学脳とこころ の研究センターに導入されている
Verio 3T を 用 い て を取得した。
スキャンの間はただ安静にしているように 指示された。なお本研究課題は名古屋大学医 学部倫理委員会に承認されており、被験者に は書面による説明と同意を得たうえで行わ
各 被 験 者 の 時 系 列
Statistical Parametric Mapping 8 (SPM8:
http://www.fil.ion.ucl.ac.uk/spm/
準脳空間に位置合わせし、形の異なるすべて の被験者の脳画像を同一空間で処理した。さ らにバンドパスフィルター(
などの処理を行ったうえで、時系列データを 標 準 化 さ れ た 脳 領 域 テ ン プ レ ー ト
Automated anatomical labeling: AAL 基づいて90個の領域に区分した。
内ボクセルの信号値の
被験者において90個の脳領域の時系列デー タを得た。これらの処理は
Assistant for Resting (DPARSF: http://rfmri.org/)
90 個の数列に関して互いの相関係数 Pearson’s correlation coefficient
し 、 さ ら に こ れ を 標 準 化 ( transformation)した。得られた結果を
の脳領域間相関マトリクスとしてグラフ 化したものが次に示されている。
気分障害群の平均相関マトリクス において、Echo Planar
)法で撮像した機能的脳画像を 撮像は名古屋大学脳とこころ の研究センターに導入されている
を 用 い て, TR=2.5s
を取得した。被験者は課題を行わず、
スキャンの間はただ安静にしているように なお本研究課題は名古屋大学医 学部倫理委員会に承認されており、被験者に は書面による説明と同意を得たうえで行わ
各 被 験 者 の 時 系 列 脳 画 像 デ ー タ を Statistical Parametric Mapping 8 (SPM8:
http://www.fil.ion.ucl.ac.uk/spm/
準脳空間に位置合わせし、形の異なるすべて の被験者の脳画像を同一空間で処理した。さ らにバンドパスフィルター(0.01
などの処理を行ったうえで、時系列データを 標 準 化 さ れ た 脳 領 域 テ ン プ レ ー ト
Automated anatomical labeling: AAL 個の領域に区分した。
信号値の平均を取 個の脳領域の時系列デー タを得た。これらの処理はData P
Assistant for Resting ‒State fMRI http://rfmri.org/)を用いて行った。
個の数列に関して互いの相関係数 correlation coefficient
し 、 さ ら に こ れ を 標 準 化 (
)した。得られた結果を の脳領域間相関マトリクスとしてグラフ
に示されている。
気分障害群の平均相関マトリクス Echo Planar た機能的脳画像を 撮像は名古屋大学脳とこころ の研究センターに導入されている Siemens
, TR=2.5s で 198 被験者は課題を行わず、
スキャンの間はただ安静にしているように なお本研究課題は名古屋大学医 学部倫理委員会に承認されており、被験者に は書面による説明と同意を得たうえで行わ
画 像 デ ー タ を Statistical Parametric Mapping 8 (SPM8:
http://www.fil.ion.ucl.ac.uk/spm/)により標 準脳空間に位置合わせし、形の異なるすべて の被験者の脳画像を同一空間で処理した。さ 0.01−0.08Hz) などの処理を行ったうえで、時系列データを 標 準 化 さ れ た 脳 領 域 テ ン プ レ ー ト Automated anatomical labeling: AAL)に
個の領域に区分した。
平均を取り、各 個の脳領域の時系列デー Data Processing
State fMRI を用いて行った。
個の数列に関して互いの相関係数 correlation coefficient)を計算 し 、 さ ら に こ れ を 標 準 化 (Fisher’s Z
)した。得られた結果を90 × の脳領域間相関マトリクスとしてグラフ
に示されている。
気分障害群の平均相関マトリクス
21 Echo Planar た機能的脳画像を 撮像は名古屋大学脳とこころ Siemens
198 被験者は課題を行わず、
スキャンの間はただ安静にしているように なお本研究課題は名古屋大学医 学部倫理委員会に承認されており、被験者に は書面による説明と同意を得たうえで行わ
画 像 デ ー タ を Statistical Parametric Mapping 8 (SPM8:
により標 準脳空間に位置合わせし、形の異なるすべて の被験者の脳画像を同一空間で処理した。さ
) などの処理を行ったうえで、時系列データを 標 準 化 さ れ た 脳 領 域 テ ン プ レ ー ト
)に
、各 個の脳領域の時系列デー rocessing State fMRI を用いて行った。
個の数列に関して互いの相関係数
)を計算 Fisher’s Z
× の脳領域間相関マトリクスとしてグラフ
図2.統合失調症群の平均相関マトリクス
図3.健常群の平均相関マトリクス
図1〜3:
は、それぞれ
している。対角線のデータは同部位の相関(
= 1)であり、計算からは除いた。対角線の 上下半分のデータは相同である。対角線から 上半分のデータ(
行った。カラースケールは相関係数(
を示し、3
この相関マトリクス内のすべてのデータ を用いることは計算量からも非効率的であ り、得られた判別結果も芳しくなかった。そ のため相関マトリクスから、どのデータを抽 出するか(
大きな問題であった。そこで
ながら、判別結果が最大になる値を探した。
図4.健常
統合失調症群の平均相関マトリクス
健常群の平均相関マトリクス
:90 × 90 のマトリクスの縦と横 は、それぞれAALにおける
している。対角線のデータは同部位の相関(
)であり、計算からは除いた。対角線の 上下半分のデータは相同である。対角線から 上半分のデータ(4005
カラースケールは相関係数(
3群いずれも同じである。
この相関マトリクス内のすべてのデータ を用いることは計算量からも非効率的であ り、得られた判別結果も芳しくなかった。そ のため相関マトリクスから、どのデータを抽 出するか(feature selection,
大きな問題であった。そこで
判別結果が最大になる値を探した。
健常群と気分障
統合失調症群の平均相関マトリクス
健常群の平均相関マトリクス
のマトリクスの縦と横 における90の脳領域を示 している。対角線のデータは同部位の相関(
)であり、計算からは除いた。対角線の 上下半分のデータは相同である。対角線から 4005 個)を用いて解析を カラースケールは相関係数(
群いずれも同じである。
この相関マトリクス内のすべてのデータ を用いることは計算量からも非効率的であ り、得られた判別結果も芳しくなかった。そ のため相関マトリクスから、どのデータを抽 feature selection, 特徴選択)が 大きな問題であった。そこで2群間の差を見 判別結果が最大になる値を探した。
群と気分障害群の差分
統合失調症群の平均相関マトリクス
健常群の平均相関マトリクス
のマトリクスの縦と横 の脳領域を示 している。対角線のデータは同部位の相関(r
)であり、計算からは除いた。対角線の 上下半分のデータは相同である。対角線から 個)を用いて解析を カラースケールは相関係数(Z 値)
群いずれも同じである。
この相関マトリクス内のすべてのデータ を用いることは計算量からも非効率的であ り、得られた判別結果も芳しくなかった。そ のため相関マトリクスから、どのデータを抽 特徴選択)が 群間の差を見 判別結果が最大になる値を探した。
害群の差分
図4に見られるように気分障害群は、
よりも領域間相関が高い領域(青 が認められる。
図5.健常
図5に見られるように統合失調症群は、
群よりも領域間相関が低い る)が多い。
図6.気分障害群と統合失調症群の差分
図6に見られるように統合失調症群は気分 障害群よりも領域間相関が低い領域(赤で示 される)が多い。
各群の比較(
MD対SCH 効果量の絶対値を
まで変化させた(上限は比較する群により異 なる)。各効果量
領域間相関を抽出し、
SVM(C parameter = 1 を行った。
が高くなる効果量を決定した。
Matlab Toolbox トウェアの開発
ム社との共同で行った。機能概要
べると相関マトリクスによって表現される データを健常群と患者群の
図4に見られるように気分障害群は、
よりも領域間相関が高い領域(青 が認められる。
健常群と統合失調症
図5に見られるように統合失調症群は、
群よりも領域間相関が低い が多い。
図6.気分障害群と統合失調症群の差分
図6に見られるように統合失調症群は気分 障害群よりも領域間相関が低い領域(赤で示 される)が多い。
各群の比較(CTL
SCHの3種類)において、群間差の 効果量の絶対値を基準
まで変化させた(上限は比較する群により異 なる)。各効果量を閾値として
領域間相関を抽出し、
C parameter = 1 を行った。閾値を変える が高くなる効果量を決定した。
Matlab Toolboxを用いた
トウェアの開発はメディカルトライシステ ム社との共同で行った。機能概要
相関マトリクスによって表現される データを健常群と患者群の
図4に見られるように気分障害群は、
よりも領域間相関が高い領域(青
群と統合失調症群の差分
図5に見られるように統合失調症群は、
群よりも領域間相関が低い領域(赤で示され
図6.気分障害群と統合失調症群の差分
図6に見られるように統合失調症群は気分 障害群よりも領域間相関が低い領域(赤で示
CTL対MD、CTL
種類)において、群間差の 基準に、その値を
まで変化させた(上限は比較する群により異 を閾値としてそれを上回る 領域間相関を抽出し、その数値を用いて
C parameter = 1に固定)
閾値を変える過程で、
が高くなる効果量を決定した。
を用いたSVM
はメディカルトライシステ ム社との共同で行った。機能概要
相関マトリクスによって表現される データを健常群と患者群の2グループとして 図4に見られるように気分障害群は、健常群 よりも領域間相関が高い領域(青で示される
の差分
図5に見られるように統合失調症群は、健常
(赤で示され
図6.気分障害群と統合失調症群の差分
図6に見られるように統合失調症群は気分 障害群よりも領域間相関が低い領域(赤で示
CTL対SCH、 種類)において、群間差の
に、その値を0から2 まで変化させた(上限は比較する群により異 それを上回る 数値を用いて に固定)による判別 過程で、最も判別率
SVM解析ソフ
はメディカルトライシステ ム社との共同で行った。機能概要を簡略に述 相関マトリクスによって表現される グループとして
22 群 で示される)
健常
(赤で示され
図6に見られるように統合失調症群は気分 障害群よりも領域間相関が低い領域(赤で示
、 種類)において、群間差の
2 まで変化させた(上限は比較する群により異 それを上回る 数値を用いて による判別 最も判別率
解析ソフ はメディカルトライシステ 簡略に述 相関マトリクスによって表現される グループとして
C.研究結果
表3
入力し、SVM Leave‒one
およびPermutation Test
としてグループ判別に使うアルゴリズムを 選択する(今回は
来的には他のアルゴリズムも採用する)。解 析ボタンを押すことで、基準データおよび疾 患データをもとに
る。実行後
Permutation Test 数を指定する
Permutation
に て 算 出 さ れ た 正 解 率 に 対 Permutation Test
.研究結果 今回行った
は、以下のとおりである。
表2 気分障害群と健常群の判別結果
臨床診断
気分障害 健常
気分障害の診断精度:
感度=90% (効果量0.9
表3 統合失調症群と健常群の判別結果
臨床診断
統合 失調症
健常
統合失調症の診断精度:
感度=100% (効果量2.0
SVM を用いた判別方法により、
one‒out Cross Validation Permutation Test
としてグループ判別に使うアルゴリズムを 選択する(今回はSVM
来的には他のアルゴリズムも採用する)。解 析ボタンを押すことで、基準データおよび疾 患データをもとにSVM
る。実行後に正解率が表示される。
Permutation Testの際のランダム試行回 数を指定すると、LOOCV
Permutationを実行する。実行後、
に て 算 出 さ れ た 正 解 率 に 対 Permutation Testの結果が表示される。
今回行った2群の判別 以下のとおりである。
気分障害群と健常群の判別結果
患者 気分障害
健常
気分障害の診断精度:
%、特異度=
0.9、特徴量
統合失調症群と健常群の判別結果
患者 統合
失調症 健常
統合失調症の診断精度:
%、特異度=
2.0、特徴量
を用いた判別方法により、
ut Cross Validation( Permutation Testを行う。
としてグループ判別に使うアルゴリズムを SVMのみ対応するが、将 来的には他のアルゴリズムも採用する)。解 析ボタンを押すことで、基準データおよび疾
SVMとLOOCV 正解率が表示される。
の際のランダム試行回
LOOCV の設定をもとに
を実行する。実行後、
に て 算 出 さ れ た 正 解 率 に 対 の結果が表示される。
群の判別で最も精度が高い 以下のとおりである。
気分障害群と健常群の判別結果 判別結果 患者 健常者
9 0
数字は人数 気分障害の診断精度:
特異度=100%、精度=
80における
統合失調症群と健常群の判別結果 判別結果 患者 健常者
10 0
数字は人数 統合失調症の診断精度:
特異度=100%、精度=
8における結果)
を用いた判別方法により、
(LOOCV) を行う。判別方法 としてグループ判別に使うアルゴリズムを のみ対応するが、将 来的には他のアルゴリズムも採用する)。解 析ボタンを押すことで、基準データおよび疾
LOOCVを実行す
正解率が表示される。
の際のランダム試行回 の設定をもとに を実行する。実行後、LOOCV に て 算 出 さ れ た 正 解 率 に 対 す る 、
の結果が表示される。
精度が高い結果
気分障害群と健常群の判別結果 判別結果
健常者 1 10 数字は人数
精度=95% ける結果)
統合失調症群と健常群の判別結果 判別結果
健常者 0 10 数字は人数
精度=100% 結果)
結果
23 表4 気分障害群と統合失調症群の判別結果
判別結果 気分障害 統合
失調症
臨床診断
気分障害 9 1 統合
失調症 1 9 数字は人数
気分障害と統合失調症の判別精度:
感度=90%、特異度=90%、精度=90%
(効果量1.7、特徴量7における結果)
D.考察
今回の解析では患者群と健常群の比較で差 の効果量を計算し、その大きさによって特徴 選択を行った。判別精度は 2 群間の差の効果 量に伴って変化しており、効果量=0(マトリ クスの全部の数値をSVMで判別する)では精 度は60%(CTL対MD)、65%(CTL対SCH)、 70%(MD対SCH)であった。従って何らか の形で特徴選択を行い、SVMに代入する特徴 量を減らすことが判別精度を良くすることに つながる。本研究では単純に 2 群の差の効果 量を用いたが、それ以外にもSVMの判別重み 付け値などによる特徴選択が有効と考えられ る。
本研究では SVM を用いて高い精度が得ら れたが、各群の被験者数が極めて少ないこと が問題点である。各群10例という数は、同一 スキャナーで、性別と年齢をマッチさせたた めである。これにより実験環境や性別・年齢 の影響を排除した解析を行うことを最大の目 的とした。従って今後は被験者数を増やすと ともに、異なった実験環境・施設でのデータ 解析を行う必要がある。
最大の判別精度を示す脳領域間相関を同定
し、それを視覚化することで精神疾患の病態 を探る一助となる可能性がある。従来は脳賦 活や体積の差という形で発表されてきた脳画 像研究が、今後は最大判別率を示す脳領域間 結合を探る手法に変化する可能性があるだろ う。最も効果的なマトリクスを探し、その背 景にある脳生理学的変化を明らかにすること が将来的な目的である。これにより脳領域間 の相関マトリクスを精神疾患のバイオマーカ ーとして実用化することを目指したい。
E.結論
安静時fMRIによる脳領域間相関マトリクス を用い、SVMによる2群の判別を行った。そ の結果として、気分障害群と健常群は95%の精 度で、統合失調症群と健常群は100%の精度で 判別が可能であった。本研究はまだデータ数が 少なく、予備的な結果である。今後は被験者数 を増やし、多施設のデータを加えた解析を行っ ていく予定である。
F.研究発表 1.論文発表
Iidaka T, Resting state functional magnetic resonance imaging and neural network classified autism and control. CORTEX 63:55-67, 2015
2. 学会発表 なし
G.知的財産権の出願・登録状況(予定を含む)
1. 特許取得 該当なし。
2. 実用新案登録 該当なし。
3. その他 該当なし。