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肥厚性皮膚骨膜症の皮膚病変における病理所見の解析

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Academic year: 2021

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肥厚性皮膚骨膜症の皮膚病変における病理所見の解析 

研究分担者  種瀬啓士(慶應義塾大学臨床研究推進センター)

研究分担者   石河  晃  東邦大学皮膚科  教授 

      

研究協力者:

新関寛徳  (国立成育医療研究センター皮 膚科)

A.

研究目的

肥厚性皮膚骨膜症(PDP)は、ばち指、長管骨骨 膜性骨肥厚、皮膚肥厚を3主徴とする遺伝性疾患 である。年齢とともに特に前額部および頭部の皮 膚の肥厚が顕著となるが、その機序については未 だ不明な点が多い。本研究においては、肥厚性皮 膚骨膜症患者の肥厚皮膚の病理組織標本を集積 検討することにより、皮膚が肥厚する機序を解明 することを目的としている。

B.

研究方法

PDP患者の肥厚皮膚の病理組織標本を集積し、す でに知られている主要な病理所見である、①真皮 の浮腫、②真皮のムチン沈着、③真皮の弾性線維 の変性、④真皮の線維化、⑤真皮内の肥満細胞浸 潤、⑥脂腺の過形成の程度を、病期毎に解析した。

(倫理面の配慮)

標本は全て匿名化し、患者の個人情報とは切り離 して解析を行った。

C.

研究結果

前額部の正常皮膚と比較して、検討を行った肥厚 皮膚の標本では、真皮の浮腫、ムチンの沈着、弾

研究要旨

本研究においては、肥厚性皮膚骨膜症患者の肥厚皮膚の病理組織標本を集積し、主要 な病理組織所見である①真皮の浮腫、②真皮のムチン沈着、③真皮の弾性線維の変性、④ 真皮の線維化、⑤真皮内の肥満細胞浸潤、⑥脂腺の過形成の程度を検討することにより、

皮膚が肥厚する機序を解明することを目標とした。前額部の正常皮膚と比較して、検討を行 った肥厚皮膚の標本では、真皮の浮腫、ムチンの沈着、弾性線維の変性、線維化、脂腺の 増生、肥満細胞の浸潤がいずれの症例においても認められた。初期病変においては浮腫や ムチンの沈着が強い傾向があり、病期の進行に伴って、弾性線維の変性、線維化、脂腺の 増生の所見がめだつ傾向が認められた。また、真皮の浮腫が強い部位ではより多くの肥満 細胞が浸潤している傾向が認められた。 

平成 29 年度厚 費補助金(難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政研究事業)) 

「肥厚性皮膚骨膜症の診療内容の均てん化に基づく重症度判定の策定に関する研究」  分担研究報告書

(2)

32 性線維の変性、線維化、脂腺の増生、肥満細胞の 浸潤がいずれの症例においても認められた。初期 病変においては浮腫やムチンの沈着が強い傾向 があり、病期の進行に伴って、弾性線維の変性、

線維化、脂腺の増生の所見が目立つ傾向が認めら れた。また、真皮の浮腫が強い部位ではより多く の肥満細胞が浸潤している傾向が認められた。

D.

考察

PDPは先天的素因により血中および組織中のプ ロスタグランジンE2(PGE2)が上昇することが 知られている。しかし、PGE2の上昇が皮膚の肥 厚に及ぼす影響については不明のままである。そ の一方で近年の報告より、PGE2が肥満細胞の遊 走や脱顆粒に関与していることが判明している。

本研究の成果と併せて、PGE2の上昇が肥満細胞 の活性化し、PDP特有の真皮の浮腫やムチンの沈 着がもたらされ、それらが続くことによって弾性 線維の変性、線維化等の所見が顕在化する可能性 が示唆された。

E.

結論

PDPの皮膚肥厚病変は、初期においては浮腫やム チンの沈着が強い傾向があり、病期の進行に伴っ て、弾性線維の変性、線維化、脂腺の増生の所見 が目立つ。また、肥満細胞の浸潤が特に浮腫に多 く認められ、病態形成に関与していることが示唆 される。

F.

研究発表

1. 論文発表

2. Tanese K, Niizeki H, Seki A, Otsuka A, Kabashima K, Kosaki K, Kuwahara M, Miyakawa S, Miyasaka M, Matsuoka K, Okuyama T, Shiohama A, Sasaki T, Kudoh J,

Amagai M, Ishiko A. Pathological characterization of pachydermia in pachydermoperiostosis. J Dermatol.

2015;42:710-4.

3. Tanese K, Niizeki H, Seki A, Nakabayashi K, Nakazawa S, Tokura Y, Kawashima Y, Kubo A, Ishiko A. Infiltration of mast cells in pachydermia of pachydermoperiostosis. J Dermatol. 2017;44:1320-1321

4. 学会発表

なし

G.

知的財産権の出願・登録状況(予定を含む。)

1. 特許情報

なし

2. 実用新案登録

なし

3. その他

なし

  

参照

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