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(1)

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〈研究紹介〉

ISSN 0285‑2861

~~-a 宇宙科学研究所

1 9 9 6 . 7 N o 1 8 4

鹿 児 島 宇 宙 空 間 観 測 所 の ミ ュ ー セ ン タ ー に 設 置 さ れ る M-V ロ ケ ッ ト の 慎 型 ( 蝿 影 前 山 勝 則 )

X線 の 観 測 か ら ガ ン マ 線 の 観 測 へ

宇 宙 科 学 研 究 所 高 橋 忠 幸 - は じ め に

2000 年 の 2 月 に 鹿 児 島 宇 宙 空 間 観 測 所 か ら 打 ち 上 げ

が 予 定 さ れ て い る ASTRO-E 衛 星 は r あ す か 」 に 続 〈 日 本 で 5 番 目 の X 線 天 文 衛 星 で す 。 私 た ち は こ の 衛 星

を 使 い . こ れ ま で に く ら べ て r よ り 高 い エ ネ ル ギ 一 分 解 能 』 と 『 よ り 広 い エ ネ ル ギ 一 範 閥 』 と で 『 よ り 深 い

宇 宙 』 を , 探 ろ う と し て い ま す 。

ASTRO-E 衛 星 に は . 三 つ の 装 置 の ひ と つ と し て 硬 X 線 検 出 器 (HXD) が 搭 載 さ れ ま す 。 HXD は . こ れ ま で 日

本 の 衛 星 で 行 わ れ て き た X線 に 対 し て , lO keV か ら 600 keY と い う 高 い エ ネ ノ レ ギ ー の X線(硬 X線 ) か ら ガ ン 7 線 に か け て の エ ネ ノ レ ギ ー 領 域 で こ れ ま で の 衛 星 よ り ー 桁

以 上 も 感 度 の よ い 観 測 を 行 う こ と を め ざ し て い ま す 。

ガ ン マ 線 Ii , X 線 に 比 べ て 物 質 に 対 す る 透 過 カ が 大 き し ま た X 線 の よ う に 鋭 を 使 っ て 集 光 す る こ と が 難 し い の で , 十 分 な 有 効 面 積 を 得 る た め に は , ど う し て

も 重 い 検 出 器 が 必 要 で す 。 こ れ ま で 日 本 の 衛 星 は , き び し い 重 量 制 限 の た め に 大 き な 検 出 器 , 重 い 検 出 器 を

載 せ る こ と が で き ま せ ん で し た 。 M-V ロ ケ ッ ト に な り ,

1. 5 トンを超える衛星の打ち上げができるようになって,

はじめて r より広いエネルギ一範囲』に向かつて一歩 ふみだすことができるようになりました。

ここでは,私たちが,現在開発を行っている HXD に ついて話をします。

・大気E事実験にあけくれた年月

1987年から, 1996年に宇宙科学研究所に移ってくる まで,私は東京大学理学部において釜江教授や大学院 の学生とともに.ガンマ線検出器を作り,大気球をつ かって持ち上げる実験を繰り返していました。直径l仰 m もの大気球を用いると 1 トン位の重きの検出器を 高度40km と,大気の影響をさけることのできる高度ま で持ち上げる事ができます。実験を始めたきっかけは 1987年に爆発が確認された超新星 1987 A て1 爆発によ って作られた不安定な重元素が崩唆するときに出るガ ン 7線を直接測定しようとするものでした。その後,

パJ レサーや活動銀河核などガンマ線の領域まで放射が

みられる天体の観測を行いました。最初の 6 年間はブ

ラジノレで,残りは三陸から,宇宙科学研究所の大気球

(2)

グループのみなさんに助けていただきながら笑験を続 け,これまでに,私がかかわった大気球の数は 10機に もなります。 HXDはこうした気球実験を通じて改良を 続けてきた装留が元になったものです。

・重い検出器

低いエネ Jレギーの X 線と物質との相互作用は,光司Z 吸収と呼ばれる過程が主であるため,天体からの X 線 を数十ミクロンのl写さのシリコンなどで止めて.その エネルギーを測定することができます。エネルギーが 高くなり. lOOkeV をこえてガンマ線の領域lこはいると

コンプトン散乱と呼ばれる包子との散苦しが主体となり ます。光子はコンプトン散乱を繰り返しながらエネル ギーを失い.設終的に光電吸収を起こしてとまります。

したがってガンマ線を止めるためにはそれなりの物質 症が必聖書となります。 HXDのように密度6.7g/叫とい う重い物質を検出器に使っても 1 em の厚きでは 600 keY で16%程度をとめる事ができるくらいです。

.しっかりとシールド

気球や衛星を使って観測を行う場合,観測器の間関 にはガンマ線の他,陽子や中性子などがいろいろな方 向にたくさん飛び回っています。それに対して.私た ちが観測しようとする天体からのガンマ線の数は非常 に少ないので,感度の高い観測を行うためにはまわり からのじゃまな信号(パックグラウンド)を効率よく落

としてやらなければなりません。そのためには y ール ドが必要です。また,画像を作る事ができない場合に は.ガンマ線が入ってくる方向を限るためのコリメー タが必要です。検出器の場合と悶じように X 線では,

鉛のような原子番号の大きな材質で適当な厚きのシ ノレドを作ってやることで,比較的簡単にパ, 7グラウン

ドを洛とす事ができます。ところがガン 7線の領域で は‘ パンクグラウンドの光子は/ーノレドてす致活しきれた 後,抜けてしまう場合が多くなり,全部止めてしまお うとすると,必要な y ーノレドの重きが X 線の場合に比

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図 1 A S T R O - E の H X Dの 断 面 図 と 上 か ら 見 た 図 。 1 6 本 の 井 戸 型 フ ォ ス ウ イ ッ チ カ ウ ン タ と 2 0本 の ア ン チ シ

ー Jレ ド か ら な る 。 井 戸 の 中 に は シ リ コ ン 検 出 器 の た め の フ ァ イ ン コ リ メ ー タ が 装 着 さ れ て い る 。

べ て 非 常 に 箆 く な り ま す 。 一 方 で , 重 い シ ノ レ ド を 作

る と , 今 度 は 宇 宙 空 間 を 飛 ん で い る 陽 子 や 中 性 子 が y - } レ ド を 燐 成 し て い る 物 質 の 原 子 核 と 衝 突 し て , 被 反 応 、 を 起 こ し . ヵ ・ ン ? 線 を 何 個 も 放 出 し ま す 。 こ う し て 出 て き た ガ ン マ 線 の エ ネ ノ レ ギ ー が 観 測 し た い エ ネ ノ レ ギ ー 領 域 に 重 な る の で , シ ー ル ド が パ y ク グ ラ ウ ン ド iJJ ? に

な っ て し ま う の で す 。

こ の よ う な 状 況 で 効 率 よ く パ y ク グ ラ ウ ン ド を 減 ら す

た め に , こ の シ ー ノ レ ド 自 体 も ; 放 射 線 検 出 器 に し て し ま う 方 法 が と ら れ ま す 。 シ ー ノ レ ド で ガ ン マ 線 な ど が 反 応 し て , エ ネ ル ギ ー を 失 っ て 外 に 抜 け 出 る よ う な 事 象 を ア ク テ ィ プ に 検 出 し て 取 り 除 い て し ま お う と い う わ け で す 。 こ う す る 事 で 必 要 な ン ー Jレ ド の 厚 さ を 最 小 に す

る こ と が で き る の で す が , そ れ で も ン ー ノ レ ド が 全 体 の 重 さ の ほ と ん ど を し め て し ま い ま す 。

. A S T R O ・Eの 硬X線 倹 出 器 C H X O l

私 た ち は 気 球 実 験 を 通 じ て , パ ッ ク グ ラ ウ ン ド を 低 減 fじ す る 工 夫 を 続 け て き ま し た 。 そ の 集 大 成 が , 図 1 に 示 す 「 井 戸 型 フ ォ ス ウ イ ッ チ カ ウ ン タ J と 呼 ば れ る も

の で す 。 井 戸 ~ 7ォ ス ウ イ ン チ カ ウ ン タ で は ン ー ノ レ ド

部 を 井 戸 裂 に 加 工 し , そ の 中 に 検 出 部 を 埋 め 込 も 、 構 造 に な っ て い ま す 。 こ の 装 置 で は 小 さ な 検 出 部 が , そ の ほ と ん ど の 立 体 角 を ア ク テ ィ プ な ン ノ レ ド に よ っ て 鴎

ま れ る た め に , 従 来 の も の に 比 べ て パ ッ ク グ ラ ウ ン ド を 除 去 す る 性 能 が 圧 倒 的 に す ぐ れ て い ま す 。

A S T R O - E の H X Dで は ン ー ノ レ ド 部 を S G O , 検 出 部 を

G S Oと い う . 共 に こ れ ま で 使 わ れ た 事 の な い ? 若 皮 の 高 い ン ン チ レ ー タ で 作 り ま す 。 そ の 二 つ を 一 体 化 し た も の を 一 本 の 光 電 子 地 借 管 で よ み だ し ま す 。 が ン 7線 が

ン ン チ レ ー タ 内 で エ ネ ノ レ ギ ー を 失 っ た 擦 に 発 生 す る 光 弘 光 電 子 増 f音 管 を 使 っ て 電 気 信 号 に 変 え て 測 定 す る こ と で . エ ネ / レ ギ を 測 定 す る 司 王 に な り ま す 。 S G Oと ,

G S Oと で は 発 生 す る 光 の 減 衰 時 間 が 巽 な り ま す の で , 信 号 の 形 を 電 気 的 に 調 べ る と , ガ ン マ 線 が 検 出 部 に 入

っ た 事 象 だ け を 拾 い だ す Z Fが で き ま す 。 鋭 品 111エ ネjレ ギ 一 範 囲 は 5 0 k e V か ら6 0 0 k e V 怨 度 で す 。1 7 . ド の ユ ニ y ト

だ け で は 大 き な 面 積 を 得 る 事 が で き ま せ ん が , こ の ユ ニ y ト を 図 の よ う に 並 べ て し ま う 本 て 二 低 ノ も , 7 グ ラ ウ

ン ド の 特 徴 を 維 持 し た ま ま 額 械 を 広 げ る 事 が で き ま す 。 ひ と つ の ユ ニ y ト の 検 出 部 か ら 信 号 が あ っ た と き 周 り

の ユ ニy ト に 信 号 が な い 事 を 確 認 す る こ と が で き る の で , ひ と つ だ け 動 か す よ り も さ ら に パ y ク グ ラ ウ ン ド を

下 げ る こ と が で き ま す 。 還 さ は 1 ユ ニy ト が 約5 kg ,

全部て'16のユニットとその周りを取り閤む 20本のシー

ノレドや電子回路をあわせると装置全体では 200 kgに近

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図 3 BL Lac 天体 Mkn421 から観測されたフレア。光 は Rband (650nm). X 線は ASCA の SISO 検出器. TeV は Whipple チェレンコフ望遠鏡の結果。 X 線. TeV とも にこれまでで.最も明るい観測のひとつ。

時の光度曲線です。驚くべきことに光 .X 線そして TeV

(

1012 e V) のガンマ線と J3桁にもおよぶ波長範闘で,同時 に変動が起こっていることがわかりました。これは非常 に高いエネルギーにまで加速された電子の数がある瞬

間に一斉に培えたこと."X線は最も高いエネノレギーを 持つ電子が出すシンクロトロン放射. TeV はそれと同 じ電子が可視光の光子をコンプトン散乱で叩き上げた ものとして説明できます。こうした現象を.よりきち んと説明するには,数十keYから数百 keYというエネル ギー領域での感度の高い観測が是非とも必要です。

・おわりに

HXDは純国産の検出器です。これを ASTRO-E に搭 載するためには,東京大学の釜江研究室や牧島研究室,

宇宙科学研究所.理化学研究所,大阪大学舷物理セン ター.高エネルギ一物理学研究所なと\様々な背景を 持つ研究者チームがメーカーの方々と協力しながら日 夜開発にはげんでいます。本研究は, もともとは加速 器を用いて高エネルギ一物理実験をしていたチームが X 線グノレープの協力を得て,ここまで発展させてきた ものです。宇宙科学と高エネノレギ一物理学というよう な二つの巨大科学の交流がこうした笑験を通じて.よ

り緊'$なものになるとよいと思います。

(たかはし・ただゆき) い ill きになリます。

ASTRO-E には,マイクロカロリメータと X 線 CCD

カメラに多層薄膜望遠鏡を組み合わせた O.5keVから 10 keY の X 線を観測する装置が搭載されます。これらの 装置と組み合わせて広いエネルギ一範囲を連続的に観 測するために,厚さ 2 om というこれまでにない厚さのシ リコン検出器が 2 層. JOkeVから 60keV程度の硬 X 線の 検出のため. GSO シンチレ タの上に置かれます。非 常にパ y クグラウンドの低い環境の中で動作するシリコ

ン検出器と GSO"" ンチレータとの組み合わせて1 は. 10keVから 600keV までの範囲を感度よく測定する とI~になります。

・より高いエネルギーへ

ガンマ線は.光や X 線で観測するのに比べて.よ I) 高密度で高 j品の部分,たとえばプラ y クホールの中心 に近い場所からの放射を観測する事ができます。また,

より向いエネ Jレギーで観測を行うことによって.これ まで見えなかった天体が新たに見えて来る事が期待さ れます。図 2 は NGC4945 というセイ 7 アート 2 ID!銀河 の X 線からガンマ線にかけてのスベクトルです。 X 料l では「き'んがJ 衛星ですでに観測がされており.非?古 に )9i い吸収のかかったスペクトノレが観測されていまし た。これをガン 7線衛星 rCGROJ で観測してみると,

ガンマ総て二最も明るい活動銀河校のひとつであるこ とが発見されました。このように厚い物質によって隠 され X 線領域では暗いけれどもガンマ線領域では輝 いているような天体がまだ沢山存在して.感j支の高い ガンマ線検出 w を待っていると思われます。

・より広いエネルギー範囲へ

天体の中には電波から X 線,そしてガンマ線と,広 い範囲にわたってエネルギーを放射するものがありま す.こうした天体は宇宙の巨大な加速器が関与してい ると考えられています.図 3 は Mkn421 という変動の激 しい活動銀河絞のひとつがJ995年にフレアを起こした

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8 月 3 日仕) 午前 10時~午後 4 時 30分 宇宙科学研究所

(神奈川県相模原市由野台 3丁目 1 径l 号) 宇宙実験・Wl.i則 7 I) ーフライヤ (SFU) 関 係展示,月・惑星探査ロポット.大気球,

M-V ロケット展示,宇宙科学の将来計画,

水・プチロケ'/ t-,インターネ y トの実 演. MUSES-B'LUNAR-A衛星の公開,

他に映画会, ミニミニ宇宙学校,スタン プラリー等も実施します。

宇宙科学研究所庶務課企画広報係 電話 0427-51-3911 内線 2205 公開

閉会せ先 日時 喝所

-**……**-………m時ヲ

~宇宙科学研究所一般公開~

お知らせ

発令写月日 氏名 異動車項 現{旧)取等

(所内昇任)

8. 7. 1 轟回事弘 システム研究呆助 ンステム研究呆助

教授 手

*教官人事異動

*研究会・シンポジウム

アストロダイナミクスシンポジウム

日時 平成 8 年 7 月 15 日(月)- 7 月 16 日(刈 場所 宇宙科学研究所本館 2 階会議場

第29 回月・惑星シンポジウム

日時 平成 8 年 8 月 8 日嗣 -8 月 10 日仕) 場所 宇宙科学研究所本館 2 階会議場 問合せ先:宇宙科学研究所研究協力諜共同利用係

TEL 0427‑51‑3911 (内線 2234 , 2235)

~ *平成 8 年度第一次大気球実験報告

例崎 A副l 平成 8 年度第一次大気球実験は 5 月

t哩凹) 30 日から 6 月 7 日まで三陸大気球観測所

で行われた。今期実施した実験は B30 型気球による成 層圏大気のクライオサンプリング H牛であった。気球 は 6 月 6 日早朝放球され.その飛初および液体ヘリウ

ムを使った大気採取装置の動作は極めて順調であり,

高度 34km から順次 1 km 毎の大気の採取が正常に行われ

ていた。しかし,実験装置を回収するため,酒田 i中の 海上でパラシュートにより降下させたが,パラシュー

ト本体およびゴンドラの一部は回収できたものの.か んじんの採取した大気が入っている容器を発見するこ

とができなかった。気球実験でのみ取得できる成層圏 の貴重な大気であり,分析と解析を担当する大気研究 者諸氏が期待して待っていたものであったので,大変 残念な結果となってしまった。原因は良〈検討し,次

回から万全を図りたい。

なお,今期の気球実験に先立ち.岐阜で第 20 回 ISTS (宇宙技術と科学の国際シンポジウム)が開催されて

いたが,そこに参加したフランス CNES に所属する気 球基地の所長の Faucon 氏夫妻およびスウェーデンの宇

宙観測基地 ESRANGE のロケット 気球部門責任者 Kemi 氏が,帰路三陸大気球観測所を訪問された。世界

的には例の少ない山間部の気球基地を興味深〈見学さ れるとともに,相互の気球技術について熱心な討議を 行い,三陵の風物および食事を堪能して帰られた。

(矢島信之)

*奥国文部大臣視察来所

6 月 24 日(月)奥田文部大臣が本所を視察された。同 行は中西審議官.早田研究機関課長,所側は西問所長,

松尾企画調重量主幹以下が対応。概要説明ののち昼食を はさんで所内をご案内。折よくクリーンルームに勢揃

いしていた MUSES-B , LUNAR-A グ3 フライトモテソレ,

PLANET-B の熟練造モデルを間近で見ていただくこと ができた。 r ょうこう」管制室では観測の成果と国際協 力の雰閤気を.深宇宙管制室では遥かなる深宇宙探査

機運用の現場を(ここは急拠スケジュー Jレに組み込ん だのであるが,ここでも折よく「あすか J が入感) .と 短時間の中でバランスよくご視察頂けたと思う。

公務ご多忙の中.誠にありがとうございました。内 之語Iiの発射場.臼閏の深宇宙局なども含めてまたのご 来所を心からお待ちいたしております。(松尾弘毅)

4‑

(5)

「あすか」の見た暗黒物質

東京大学理学部牧島一夫

まるて'透明人間みたいに,重さはあるが見えない物 質一一宇宙には.そんな謎の「暗黒物質」が存在する らしい。存在するどころか,その暗黒物質は宇宙の物 質の 9 割近くを占め, 日常おなじみの「見える物質J は, じつはゴミみたいなものらしい。このショッキン グな話は, 50年以上も料学者を悩ませてきた。

暗黒物質は,どんな電磁波て'も検出できない。そん なものがなぜ認識できるかというと.暗黒物質の作る 重力が r 見える物質J に影響を及ぼすためである。た とえば,太陽系やその近くでは,暗黒物質の証拠は乏 しい。ところが視野を広げ,銀河系の全体やよその渦 巻き銀河を眺めると.事情は一変する。 j品巻き銀河の 中心部には多くの星が集まり,明るく揮いている。も

し質量も銀河の中心部に集中しているなら,渦巻き銀 河の回転速度も,外側ほど退くなっているだろう。こ れは惑星の公転速度が,太陽から離れるにつれて遅く なるのと同じ理屈である。ところが多くの渦巻き銀河 て二実測された回転速度は,なんと中心から端までほ とんど一定である。これは暗黒物質の作る大きな球が 個々の銀河を取リまいていることを意味する。

i立が集まって銀河を作るように,銀河も数十ないし 数百個が集まり,銀河聞という集団を作る。銀河団の 内部の広大な空間には,銀河が点在するとともに.数 千万 -1 憶 fir という超高温の電離ガスが充満し.その は星の質量をしのぐ。このガスは X 線を放射するた め, X 線観測の絶好の対象となる。図に「あすかJ で みた銀河団の例を示した。このように X 線の画像から ガスの広がりが.また X 線スペクトノレからガスの温度 がわかると.ガスを銀河団につなぎ止めるのに必要な 重力の強さがわかり,その源としての総質量が計算で きる。こうして過去 15年にわたる X 線観測を通じて.

銀河団には星とガスの和より l 桁も多い質量が含まれ ることがわかってきた。すなわち,銀河だけでなく.

銀河団にも大量の暗黒物質が存在するのである。

では.銀河と銀河固め暗黒物質はどんな関係なのだ ろう。( A) 暗黒物質は銀河団の内部に滑らかに分布し.

その一部を切り取って銚めたものが銀河の暗黒物質に すぎないのだろうか。それとも, (B) 銀河聞には銀河 団の暗黒物質があり.またその中の個々の銀河には.

それらに固有の暗黒物質が付随しているのだろうか。

これは,暗黒物質の正体にかかわる重大な問題だが,

未解決のままた'った。そこで登場したのが「あすか」

である。「てんま J や「ざんがJ は優れた X 線スベクト ノレ機能をもち.アインシュタイン衛星やローサット衛 星は, X 線の織jUtに優れていた。しかし.両方の能力

を兼備しているのは r あすか」が訟初である。

「あすか J で観測を重ねた結巣.上の( B) が正解 らしいとわかってきた。たとえば図の「ろ座」銀河団 では X 線放射が銀河団の全体に大きく広がるととも に,その中心にある 2 つの符円銀河のまわりで.一段 と強くなっている。これらの惰円銀河は.自分たちの 暗黒物質をもつため,そこでは重カが強まり,結果と して銀河団の平均よりずっと多くの高弘ガスが引きつ けられたらしい。いいかえると,時!日物質は銀河団の 全体に希薄に広〈分布すると同時に.倒ノマの銀河の周 闘では.暗黒物質の密度が格段にI.::;くなっているので ある。こうした特徴は ra苦虫物質の階層構造」と呼ば

れている。

では,銀河に付随する暗黒物質と.銀河団に付鎚す る暗黒物質は司同じものだろうか。残念ながら.これ は現時点では不明である。たとえば銀河の周リの暗黒 物質は,舷融合を起こすに3'£らなかった多数の IIゎ、泉 (補色わい長)から成り,銀河団の i府県物質は.未知 の重い紫粒子から成るのかもしれない。あるいはそう

した素粒子が.二つの娯なるさ~Im スケー Jレで分布して いるのかもしれない。答は今後の研究にかかっている。

(まきしま・かずお)

(a)

(b)

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銀 河 巳 旬 筒 ' 1 る 崎 県 物 質 銅 河 団 の 瞳 果 物 質

( a ) r あすか J GIS 装 . X 線 マップ。 X 線放射は銀河団の全体を満たすとともに,

中 心 の ニ つ の 銀 河 の 周 辺 で 強 く な っ て い る 。

( b ) (a) の 2 本 沿

し た 結 果 , 暗 黒 物 質 が 二 つ の 異 な る ス ケ ー ル に 分 布 し て い る こ と が 発 見 さ れ た 。 こ の 図 は そ の 結 果

を 模 式 的 に 示 し た も の 。

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(6)

M-V事情

*ダミーロケット全機振動試験

振動試験というと搭載機器が振動環境に耐えられる かを調べる試験のイメージが強いと思いますが,この 全機振動試験とはロケット全体を振動させてロケット の動的な性質(固有振動モードと固有振動数)を調べ る試験です。 M-V型ロケットに搭載されている姿勢を 制御するシステムがロケットに生じた振動を姿勢変化 と勘違いしないように,また,姿勢制御によって大き な振動がロケットに発生しないように,あらかじめど のような振動が生じるか(園有振動モードと固有振動 数)をシステムに教えておく必要があります。これら の情報は計算によって推定されていますが,より精度 を上げるために実際のロケットを振動させてデータを とる目的でこの試験が計画されました。とはいっても,

いきなり本物のロケットを振るのはいささか臆するの で,予行演習として本物の M-V とほとんど同じ大きさ と重さを持つダミーロケットで今回試験を行いました。

ロケットは 140ton もの重さにも関わらず組立台上に あるときは手で振動させることができます。相模原で の予備試験では電磁加振機の低周波での能力に一抹の 不安があり人間加振機の登場も考えたのですが,幸い なことに整備塔の 5 階と 7 階に設置された電磁加撮機 で試験を行うことができました。ロケットはこの加振 機に棒で繋がれ,生じた振動をロケットの各部に貼り 付けたセンサで測定しました。

J 一郎助教授からの依頼で J 次郎教授が請け負った この試験は予想以上に(予想通りに?)大規模なもの になり,改修したばかりの整備塔の床や天井に穴開け

や溶接をすることは心苦しかったのですが,その甲斐あ って,組立オペレーション後に予定されている実機振 動試験に向け貴重な経験を積むことができました。

(峯杉賢治)

*M 帽 V-I 総合・地上系オベレーション

前号にて開始をご報告した M-V型ロケット第 l 号機 の総合・地上系オペレーションは, 6 月 10 日をもって,

概ね順調に終了した。折しも南九十卜|はこのオペの最中 に梅雨入りし,前半はかなりの雨に見舞われたものの,

幸いにして後半は好天に恵まれスケジュールも順調に 進行した。ダミーのロケットを用いて並行して行われ た全機振動試験の予行練習も,関係者の精力的な努力 のうちに順調に完了した。ダミーとはいえ,ランチャ に装着されて発射状態にセットされた M-V型ロケット は,整備塔との調和も見事で\均整のとれた姿をオペ 参加者の前に現し,打ち上げが間近であることを印象 づけていた。ダミーロケットは,オペ終了後に展示用 として M 台地に置かれている。 M-V型機として初めて KSC で行われるオペではあったが,オペレーション班 員も 150名を越え,久しぶりに KSC,町とも畳夜を分か たずにぎやかであった。 6 月 7 日の CN系総合試験も,

ほとんどトラブルなしに進行し,関係者各位の十分な 準備に感謝を禁じえない。姿勢基準部の処理部に若干 の調整を要する笛所が顕在化したことから,総合試験 後に行うはずであった制御アクチュエータを含むノズ ル部のモータ結合を,月末から開始される組立オペへ

と移動した。

次はいよいよ組立てオペ。さらなる緊張と期待が交 錯するものと思われるが,関係者のご尽力を願ってや まない。( )I I ロ淳一郎) 女 M-V-l 号機打上げについて

M-V-1号機は軌道上で大型アンテナ展開を初めとす る工学実験ならびにスペース VLBIによる電波天文観測 を実施する科学衛星 MUSES-Bを所定の軌道に投入す る事を目的としており,平成 8 年度夏期( 9 月 10 日) に鹿児島宇宙空間観測所から打上げを予定していまし た。しかし,機体の姿勢制御の基準となる慣性計測装 置 (IMU) の調整に時間を要することとなったため,

スケジュール維持が困難となり,平成 8 年度冬期に打 上げを延期することを決定しました。今後の具体的な 打上げスケジュール等については,検討のうえ決定し

ます。

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琴星のはじまり

北海道大学山本哲生

多様な太陽系天体の内でも.馨星はとりわけ特異な 天体である。惑星はほぼ同一平面内で.太陽を中心と する円に近い軌道を盛然と回っているのに対して,禁 星は天ZE の四方八方から無秩序にやって来るだけでな く,その軌道も一般に細長い精円である。 1 光年近い 太陽系の最来てから,放物線軌道に沿ってやってくる 響星も多数ある。また太陽に近づくにつれて,その姿 かたちを変え,頭の部分にコ?と呼ばれる大気を形成

し,数千万キロメータにもおよぶ長い尾を伸ばす.

普星のこのような特異な猿舞いもさることながら,

そのもっとも重要な特性は.それが太陽系の「化石J 天体であると言う点にある。響星の本体である絞には 約 461意年前に太陽系が形成されたころの記録が保存さ れている。伎は,表商が「氷J で糠われた 1000分の l

ミリ以下の小さな感粒子の集まりであると考えられて いる。盛の表面を覆っている「氷J の成分には,水だ けではなしもっと蒸発しやすい一般化炭紫やアンモ ニア,メタンなども含まれている。また墜には有機物 も多〈含まれている。

-lj量化炭素はすべての琴星で観測されているわけで はないが.これが氷になる温度は領氏?イナス 250 度

〈らいのきわめて低温て・ある。比較的蒸発しにくいア ンモニアにしても. 1男氏 7 イナス 100 度程度以上では 気化してしまう。いずれにせよ,普星核の氷の組成は.

主主皇の生まれた環境がたいへん冷たい環境であったこ とを示している。 46 億年前の銀河系の時銭星雲(分子 容)内の低温の1mが主主星の1mの「はじまり」である。

分子雲はきわめて低温であるため,自らの ill さを支 えきれず,収縮しながら分裂を繰り返し.その分裂片 の一つから,われわれの太陽系の母体となったガスと 塵からなる回転円盤が形成された。この回転円盤は原 始太陽系星雲と呼ばれる。惑星系形成の母体となるこ のような円盤は.他の星のまわりでも多数発見されつ つある。円盤の中では,やがてガス分子と盤粒子の分 維が進み,ガス分子に比べて重い盤粒子は, しだいに 円盤の中心蘭に集まり.Imに富んだ層が原始太陽系星 雲の中心箇付近に形成される。1mの層の密度が高くな ると.今度は1mの層自体が自分の重さを支えきれなく なり,多数の盛塊(微惑星)に分裂する。微惑星は互い に衝突・合体し,惑星へと成長した。これが現在の太

陽系形成論が描〈シナリオである。

ljj(始太陽から遠〈離れた領域では,成長時間が長く なるとともに,獲の五tが少なかったため.微惑星は惑 星サイズまで成長できない。原始太陽系星雲の外縁付 近の低温で形成された未成長氷微惑星が,差1'1量の「は じまり J であると,筆者らは考えている。海王星など の大惑星付近で形成された氷微惑星の中には,惑星に 接近したときにその重力によって軌道が曲げられ,太 陽から速く離れた領域に飛ばされるものも多数生じる。

これらは太陽から 1 光年近くも離れたはるか速くで太 陽系を取り囲む琴星の群(オールト雲)を形成した。

一方,海王星や冥王星より外側の領域で形成された 氷微惑星は惑星に接近することもなく,長い 1M]. 安定 に周囲し続ける。これらの中には現在まで生き銭って いる微惑星も多数あっても不思議ではない。

実際.この数年来,海王昼の外1fflJ に半径 100-400 キ ロメータの天体が30個以上発見きれてきた。最初にそ の可能性を指摘したアメリカの天文学者カイパーにち なんで,これらの天体はカイパーベルト天体と呼ばれ ている(実際はそれ以前に.イギリスの天文学者エッ ジワースが提唱していた L 観測できる明るさの制限か ら,池上観測から検出されているカイバーベルト天体 は,海王星のすぐ外i則のものに限られている。われわ れのモデルによると.現在までに観測されているカイ パーベルト天体は.微惑星群の内端の少数群落に属す る微惑星に過ぎない。より遠方にはもっと多くの微惑 昼が桜息し,もっとも集中している群落は太陽から 100 -200天文単位の距離にある。遠方のカイパーベルト天 体が観測されるにつれて,われわれの太陽系に対する 理解は.空間的にはもちろん.時間的にも太陽系の「は じまり J へと.より拡大してゆくことになるだろう.

(やまもと・てつお)

(8)

ーも 1 l A ' 5 i l .

再 び モ ス ク ワ へ

向 井 利 典

「なんだ,暑いじゃないか J 6 月 3 日夕方,空港に 降り立って向行の前沢さん(名大理学部)に話しかけ

たときの第一声である。 3 目前の e-mail では,昼間は 20 度筏度,夜は 10 度以下と舎いてあったのだが,夕方

というのに日本を出たときの昼間と同じぐらいではな

いか。モスクワは今度で二回目。最初は去年の 11 月中 旬.あのときは耳まで依る帽子なしでは外出できない

ほど寒かった。それに比べればはるかに快適。

訪問先のロシア宇宙科学研究所(I K!) は市の南はず れにある。更に南に下がった効外には高層アパートが

立ち並ぶベ y ドタウンがある。モスクワの人口は約 1 , 100 万,そのほとんどが郊外のベッドタウンに住んで

いて地下鉄で通勤する。前回のホテノレはそのベ y ドタ ウンの中にあって閑静であったが,今回のホテノレは逆

に研究所の北の方にあって,市の中心近くのため車の

騒音がうるさい。しかし, うるさいのは DK るまでの話 で.一杯飲めば関係ない。今回の方が一応レストラン

もこつあり,食事の心配はない。やはり.食べ物は重 要な選択肢である。また,近くにレーニン像も建って おり, (今回はできなかったが)次回の機会には周りを 散策する時間をもちたい。

前回はすべて送迎つきであったが,今回は 7 ランス CNES の Sauvaud (インターボール衛星搭載の電子観測

器の責任者)が一緒なので,自分達だけで地下鉄を利

用することにした。その方が街の雰囲気もわかる L , 人々の動きがよく見える。彼は今回で 20 回目ぐらいと いうので,安心していたが,それでも最初は戸惑った。

地下鉄の駅が二つのラインの交差している所にあり,

地下ホ ムの構造がちょっと複雑だったためである。

こちらは若い頃にロシア語に挑戦してみたことはあっ たのだが,釈の名前すらすぐには目に入ってこない。

なにしろ 6 番目の駅ということだけが頼りであって,

方向を間違えなかったのは同行者のお陰といわねばな らない。

モスクワの地下鉄は核戦争のときの y ェ Jレターにな るように作られたらしし異様に深い。地下プラット

7 オームまでのエスカレータの速さは日本の倍ぐらい で,すっと飛び乗る感じなのだが,前回は足早に歩い てきてそのままの速さでエスカレータの上を歩いてい く人が多かった。ロシア人は足早だなと思ったもので あったが,あれはやはり寒さのためであったようであ る。畷かくなってきたためか,今回そういう光景はあ

まり自にしない。地下道の決まった場所にはアコーデ イオン蝉きがいるが,なぜか顔ぶれが毎日変わる。般

の鞄の中のノレ プノレの並はいつも閉じぐらいなのだが。

l 年も経たないうちになぜ二度もモスクワに行くこ

とになったか。話は遡るが,去年の 8 月にインターポ ール衛星が打ち上げられた。打ち上げはそれまで何度

も延期されており.最近のロシア情勢からして予定通 りにいくとは誰も信じていなかったが,本当に上がっ

たのである。約 700km 北から南方に打ち上げられた衛星 がモスクワ上 ZE を通過するのが IKI の衛星観測オペレー

ション室の窓から見えたという。これで GEOT Al L 衛 星とその前年に打ち上げられていた米国の WIND 衛星

を併せて, ISTP (国際太陽地球系物理学)計画の衛星

群のうちの 3 倒がようやく揃うことになったのである a 祈りよく 9 月, IACG 会議が札械で聞かれ,第一回の国

際共同軍 JI.il IIJ キャンベーンの具体的な日伎が組まれた。

キャンペーンが始まって i ヵ月ほど経た昨年のJl月 中旬,初めてモスクワの IKI を訪れた。それまではlA CG などの国際会議で顔を合わす Galeev (I悶所長), Z e l e n y ; ( イ ン タ ー ポ ー ル 計 画 Project Sc 附llist: IKI 宇 宙 空 間 物 理 部 長 ) 等 , ご く 限 ら れ た 人 し か 知 ら な か っ た が ,

共 同 研 究 を や る に は ま ず 観 測 l 担 当 の 研 究 者 逮 と 顔 見 知 りになリ相手の考えを語解することが重要である.と

に か し そ れ ぞ れ の 初 期 i 観 測 デ ー タ を 見 せ て も ら い な が ら 多 く の 人 と 議 論 す る こ と が で き , と り あ え ず は 当

初 の 目 的 を 来 た す こ と は で き た 。 と は い え , こ の 時 の 鋭 測 デ ー タ は ほ と ん ど 生 の ま ま , 同 じ 衛 星 に 裕 載 し て いるIJI. Ut IJ 装 訟 の 結 栄 の 相 互 比 較 も 未 だ と い う 状 況 で :

ま し て 他 の 衛 星 と の 具 体 的 な 共 同 研 究 を 始 め ら れ る 状 態 で は な か っ た 。 寒 い 中 を ク レ ム リ ン に 案 内 し て く れ

た 大 学 院 生 が 6 月 初 め は 花 が 咲 い て カ ラ フ ル だ と 言 っ て く れ た の で . 二 回 目 の 訪 問 を そ の よ う に 設 定 し た

の で あ っ た 。

今 回 は イ ン タ ー ボ ー ル の デ ー タ 処 理 も 進 ん で い た 。

次 々 と 出 て 〈 る お も し ろ い 結 果 に 興 奮 し て 活 発 な Science の 議 論 が 丸 々 4 日 間 , 帰 国 使 の 出 発 3 時 間 前 ま で 絞 け

ら れ た 。 お か げ で も う 一 つ の 目 的 で あ っ た ク レ ム リ ン

の 再 訪 は で き な か っ た が r ロ シ ア に と っ て 初 め て の

CDAW( C o r r e l a t i v eDataA n a l y s i s Workshop)J は.

ISTP にとって重姿なステ y プとなるだろう。

(むかい・としふみ)

‑8‑

(9)

_, J. .

宍(~ k

~ 号 宙 訴 学 工 信 通 宙 宇 (7)

光 衛 星 開 通

~ 、I

徴 を 抽 出 し て

歪 ン ア 光 に 向 方 の そ , し 断 判 IJ 来 を 向 方 テ

ナ を 向 け ま す

。 こ の 時

, 同 じ 衛 星 の 通 信 系 も 一 緒 に

動 か し ま す

。 方 向 調 繁 は

, 大 ま か と 細 か

の 2 段 行 で 階

う の が ふ つ う で す

。 例 え ば 全 体 を 載 せ

た 2 軸 ル パ ン ジ

を 相 手 の 軌 道 情 報 を 基 に 動 か し た 後 . 受 信 ア ン テ ナ の

結 像 位 置

を 基 を 報 情 の そ , し 出 検 り 4 象 よ に 器 出 検 限 に

反 射 鏡 の 角 度 を 微 調 獲 す る と い う 方 法 が 採 ら れ ま す

ま た 送 傍 ビ ー ム に つ い て は . 非 常 に 細 く か つ 衛 星 が

お 互 い 動 い て い る た め に . 相 手 に 到 達 す る ま で の 時 間

遅 れ を 考 慮 に 入 れ て

, 先 回 り で 方 向 づ け す る 必 要 が あ

り ま す

。 例 え ば 静 止 衛 星 か ら 軌 道 高

度 l∞Ok m に 星 衛 の

送 る 場 合 . 最

大 4 00 0. 星 衛 の 分 自 た ま . す ま し り 回 先 ・ の

姿 勢 が 変 わ れ ば

, そ の 分 を 調 箆 の 補 正 角 度 に 入 れ る

必 要 が あ り ま す

。 こ れ ら の 理 由 か ら 光 衛 星 開 通 信 に は .

飛 朔 体 の 姿 勢 と 軌 道 の 情 報 が 不 可 欠 な た め

, 宇 宙 技 術

と 通 信 技 術 の 融 合 が 必 要 と な り ま す

。 ま た 光 ア ン テ ナ の 方 向 調 整 の 段 階 で

, 最 初 か ら ビ ー

ム を 細

< ま う に 手 相 , と く お て し ) 波 面 平 ち わ な す ( く

届 か な い 可 能 性 が あ り ま す

。 従 っ て 初 め は 太 い ビ ー

ム ( す な わ ち 球 面 波 ) て ' 送 っ て お き

, お 互 い に 受 信 を

確 認 し た 後

, ビ ー ム を 順 次 細 く し て い く 方 式 が 考 え ら

れ て い ま す

。 実 際 に 宇 宙 空 間 に 光 ビ ー ム を

飛 . は の lま た し 92 19 年 N

A S A / J P

L が 聞 の と 局 球 地 と オ レ リ ガ 機 査 深 星 木 の 最

初 で し ょ う ( た だ し 無 変 調 )

。 変 調 光 を 用 い た 最 初 の

例 は

, の 本 日 J V - S T E 問 の と 局 球 地 と 星 衛 に 変 i で 。 す 間

の デ ー タ 伝 送 用 に

. A S E で S X E L I て れ ら め 進 が 画 計 い

ま す . こ れ は リ モ ー ト セ ン シ ン グ 用 周 回 衛

星 T O P S

と 静 止 衛

星 S I M E T R A . で の も る れ わ 行 で 間 の 97 19 年 lこ 5 s p b M 0 て 定 予 る す 成 完 が 線 回 間 星 衛 の 衛 光 た eす ま 。

星 開 通 信 は

, 深 宇 宙 探 査 機 と デ ー タ 中 継 衛 星 の 聞 の 通

信 や

, れ ら え 考 が 用 応 も に ム テ ス m カ シ 星 衛 用 出 検 波 て い ま す

。 ( た か の

・ た だ し )

J~ 荷 調f.Jt;. 1

I

レ“ザ駆動電磁

:it t前biroll 通信は,人工術bi( 広くは宇宙飛測体) t i l j を , レ ー ザ 光 で 結 ぶ も の で す 。 こ れ に 対 し 電 波 に よ る

衛 星 開 通 信 は . ア メ リ カ の デ ー タ 中 継 衛 星 T D R S で 既 に 実 用 さ れ て い ま す 。 レ ー ザ 光 は 電 波 に 較 べ , は る か

に 高 周 波 数 な の で 広 千 作 成 伝 送 が 可 能 と な り . ビ ー ム 光 を 細 〈 で き る の で 受 信 電 力 を 増 加 し 装 置 を 小 形 化 で き

ま す 。 ま た . j也 上 の 光 無 線 通 信 に 較 べ , 大 気 に よ る l吸 収 ・ 放 置 し が 無 い と い う 条 件 の 良 さ も あ り ま す 。

初 期 に は レ ー ザ 光 jJ h 1 と し て , 気 体 レ ー ザ や 国 体 レ ー ザ が , 検 討 さ れ ま し た 。 し か し こ れ ら は 屯 波 シ ス テ ム

に 較 べ . 大 き な 利 点 を 見 い 出 せ ま せ ん で し た 。 そ れ が 再 び 注 目 さ れ た の は , 最 近 の こ と で す . そ の 技 術 的 要 因 は 地 上 で の 光 フ ァ イ パ 通 信 お よ び そ の 部 品 ( 半 導 体 レ ー ザ , 光 ダ イ オ ー ド . 光 地 中 前 払 等 ) の 進 歩 に , ま た 需 要 と し て は 衛 星 を 用 い た 大 量 デ ー タ 収 集 シ ス テ ム

や . 前 回 の r t~官 笠 通 信 」 で 説 明 し た LE01 .l:i.!li閉め通信 が あ り ま す 。

光 衛 星 fal 通 信 シ ス テ ム は 上 り 系 と 下 り 系 を 1 tot と し て , 織 成 さ れ ま す 。 図 は 典 型 的 シ ス テ ム に つ い て . 片

系 の み を 示 し ま す 。 送 信 側 で は , 半 導 体 レ ー ザ ダ イ オ ー ド に 順 方 向 電 流 を 流 し て 発 光 さ せ ま す 。 同 時 に , 送

る べ き 屯 気 信 号 で ダ イ オ ー ド 電 i1t を 変 化 さ せ る こ と に よ り , 出 力 光 を 変 化 さ せ ま す ( [ 直 接 変 調 L い わ ば 発 振 器 と 変 制 総 が 一 体 化 さ れ て い る わ け で す 。 こ の 光 を ,

光 ア ン テ ナ ( 一 位 の 望 遠 鏡 ) を 通 し ビ ー ム 状 に し て . 相 手 に 向 け て 送 り だ し ま す 。 受 信 側 で は . 光 ア ン テ ナ

で な る べ く 広 い 範 聞 の 光 を 集 め た f免 光 ダ イ オ ー ド で 電 気 信 号 に 変 換 し ま す 。 こ れ は 太 陽 電 池 と 同 じ で , 光

が 当 た る と 電 流 が 起 こ る 原 理 で す 。 ま た 感 度 を あ げ る た め に . 逆 バ イ ア ス を 強 く し て な だ れ 現 象 を 起 こ さ せ

る ダ イ オ ー ド (APD) が 多 〈 利 用 さ れ ま す 。 光衛!iJ. roll; 創 言 は i街l止 と い う 動 い て い る 物 ど う し で

上 述 の 光 送 受 信 を 行 う と こ ろ に , 光 7 ァ イ パ 通 信 と 呉 な る 特 徴 が あ り ま す 。 す な わ ち 受 信 仰 l で は 受 信 光 の 符

一一一一一一二て三三寸

先7 ンテナ戸

とと王r---L.!盟斗:

1 ̲ ̲ ̲ ̲IiJ動台

1邑気 (il 日 一ー+光信号

図 光衛星間通信システムの構成

一ー〉 伽'III ・駆動慣号

(10)

“ Experiences a tISAS"

S .M.P e t r i n e c

Iw i s hf

lfS

t to 山ank D r . Nishida 田d D r . Mukaif o r

glvmgme 出e o p p o r t u n i t yt oc o n d u c tr e s e a r c ha tISAS f o rt h ep a s ty e a r .Ib e l i e v et h a t I ' v el e a r n e dag r e a t d e a la b o u tt h ee n v i r o n m e n to ft h em a g n e t o s h e a t h

問gion a r o u n dt h e E a r t h ' s magnetosphe 陀, by using 山e

d a t ao b t a i n e dfromt h ei n s t r u m e n t sonb o a r dt h e

GEOTAILspaωcraft. wi 白 血 is data, I ' v eb e e na b l et o l e a r n about 白e l a r g es c a l ef l o wc h a r a c t e r i s t i c so ft h e

magnetoshea 出, a sw e l la st h er o l eo fm a g n e t i c fi 巴ld l i n e tension , Alfven waves , ando t h e rdynamic

pr'ωesses o ft h ep l a s m aw i t h i nt h i sr e g i o no fs p a c e .I h a v ea l s ob e e ne x t r e m e l yi m p r e s s e dw i t ht h eISAS

buildings 回d facilities, w h i c ha r ev e r y state-of- 由宇宙 t a n df

lfS

t ‑ r a t e

L i v i n gi nJ a p a nh a sbeenav e r yv a l u a b l eand

inte 陀sting experience, b e c a u s eo ft h e m加y mte 陀sling

p e o p l ew h i c hIh a v emet and 血e plac 回 I h a v ev i s i t e d .

百le t r a d i t i o n a lJ a p a n e s el a n d m a r k sa n ds i t e s giv 巴 one as e n s eo ft h el o n gc u l t u r eo fJ a p a n . However, l i v i n g a r o u n dISASIs o m e t i m e sh a d forgolte 目白 at Iwasn o t

m 白e U n i t e dS t a t e s . Th a t ' sp r o b a b l yb e c a u s e of 出e Denny's , M i s t e r Donuts , McDonalds , and t h e c o n v e n i e n c es t o r e sa n dc a r d同lerships. Im u s t admit,

出ough,出at a f t e rl i v i n gi nt h eISASl o d g ef o rn e a r l y one y回r a n dw a l k i n gdownsome of 出e s t r e e t s (e.g., N o r t hG a l a x yRoad beyond 出e 7 ‑ 1 1 store), Ib e l i e v e

that 血e t h i n g I ' v e miss 吋 the m o s ta b o u tt h eU n i t e d Sta 臨

時 space. However, I ' l l miss thingsaboutJapan

a sw e l l . I ' l l esμcially miss 血e 回se w i t hw h i c ho n e

can 甘avel 釦ywhere i目白 e coun 町y v i at h et r a i n sa n d

subways ,組 d n o th a v et ou s ea car. 百世S

IS

some 血ing 出 at s i m p l yc a n n o tb edonew i t h i no rb e t w e e nmost c i t i e si nt h e U.S., I ' v ea l s ob e e nq u i t ei n l p r e s s e d

由巴 promp lt1 ess o ft h et r a i n sa n d subways, w h i c ha r e a l w a y sont i m e . E x a c t l y ont i m e .My only ∞mplaint

a b o u t the 甘ains a n d subways, e s p e c i a l l ya r o u n dt h e

Tokyo 訂ea d u r i n gt h er u s h ‑ h o u r periods, i s ag 副 e l a c ko fs p a c e . Overall ,出 ough mys t a yw i t h i nJ a p a n

a n da tISASh a sb e e nav e r yi n t e r e s t i n g experience, w h i c hIw i l ln o tf o r g e t .

Th oughIh a v enowl i v e di nJ a p a nf o ra l m o s ttwo

ye 訂s, a n dh a v ev i s i t e dmanyp l a c e sw i t h i n Japan, I s t i l lh a v en o t s田n everything 血is c o u n t r yh a st oo f f e r . However, Ie x p e c ti nt h ef u t u r et obea b l et o o c c a s i o n a l l yr e t u r nt oJ a p a nf o r meetings, a n dt h e n w i l lc o n t i n u e 't oe x p e r i e n c emany of 出e p l a c e sa n d c u l t u r e of 血is c o u n t r y

Finally, I ' dl i k et ot h a n k m釦yother p e o p l ef o r m a k i n gmys t a ya tISAS more 叩~oyable. I ' d 回pecially

l i k e to 出ank T a d a sNakamuraf o rh e l p i n gmet og e t s e t t l e d in, f o rh i sh e l pw i t ha l lmyp r o b l e m sa n df o r

叩swe 出19 myc o n s t a n t qu 田tions. Also, I ' dl i k e to 白血1k t h es t a f fmembersa n d students, whow e r ev e r yh e l p f u l f o rs c i e n t i f i cd i s c u s s i o n sa sw e l la sf o ro f t e nj o i n i n g med u r i n gm e a l sa n do t h e rs o c i a la c t i v i t i e s . I ' da l s o l i k e to 白 e s e c r e t a r i e sf o ra l lo ft h e i rh e l p .Iw i s h e v e r y o n ea tISAS well, a n dIl o o kf o r w a r dt ob e i n g a b l et o visit 出is i n s t i t u t ea g a i nsomet i m e in 出efu 加reo

(COE 研究員, S.M. ペトリネック)

S h o r ta u t o b i o g r a p h y‑1wasb o r nandr a i s e di n

Bu 加10 , New めrk ( n e a rN i a g a r aF a l l s ) . 1 grad,叩ted i n

1988 ρ-o m t h eS t a t eU niνerSl砂 of NewY o r ka t Buj 拘10 , w i t haB a c h e l o r sd e g r e ei nP h y s i c s .B e c a u s e1 w,国 tired ofsno同 1 d e c i d e dt ogot og r a d u a t es c h o o la t UCLA , i n Lo s Angeles , C a l i f o r n i a .1r e c e i v e daM a s t e r sd e g r e e i nP h y s i c sa tUCLAi n 1990, andr e c e i v e daP h . D .i n

E包何 h andS p a c eS c i e n c e si n 1 9 9 3 . A f t e rw o r k i n ga sa p o s t ‑ d o c t o r a lr e s e a r c h e ra t UCLA , 1beganao n e ‑ y e a r JSPSp o s t ‑ d o c t o r a lp o s i t i o n‑ a tt h eS o l a r ‑ T e r r e s t r i a l

En νironment La b o r a t o r yi n Toyokawa , J a p a n .A f t e rt h e c o n c l u s i o noft h a t fellowship , 1t h e na c c e p t e daCOE p o s t ‑ d o c t o r a lp o s i t i o na t ISA 丘 My n e x ts t o p i s ao n e ュ y e a rp o s i t i o na tt h e Universi 砂 of Washington , i n Seattle ,

1ぬshington, w o r k i n gw i t hD .GeorgeP r a r k s

ISAS ニュース N o . 1 8 4 1 9 9 6 . 7 日N 0285‑2861

発行 宇宙科学研究所(文部省) ⑤ 229 神奈川県本 1 仲良原市 l士l 野台 3- 1-1 TEL0427‑51‑3911 TheI n s t i t u t eo fS p a c ea n dA s t r o n a u t i c a lS c i e n c e

・本ニュースに関するあ、 fm 合わせは,庶務課法規・出版係(内線 221 J)までお願 WJ たします。(無断転載不可)

-10 ー

参照

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