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交通情報の視覚化に関する研究

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Academic year: 2021

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交通情報の視覚化に関する研究 

A Research on visualization of traffic information  1W143054-7 島田 達也  指導教員 長 幾朗 教授        Shimada Tatsuya

       Prof. CHOH Ikuro 

概要: 今日の情報デザインの多くは「文字」、「絵」「図」などの二次元で静的な表現に縛られているが、ロ ンドン市交通局が作成したダイアグラム型路線図は世界中の路線図を一変させた。いわゆる情報デザインとは、

数値、数量、方位、距離、面積、時間等の視覚化を反映したデザインを指すが、今日の世界各国の多くの路線図 がダイアグラムまたはジオグラフィックを用いて表されている。これらのインフォグラフィックスは人々に情報 を伝達する手段としてとても有用である。しかし、近年、日本の都市部の交通網は複雑化・多様化しつつあり、

それに伴い交通情報も複雑化しているが、未だこれらの情報の多くは文字表記として扱われている。本来動的で 可変であるはずの交通情報を静的な文字表記により表すのは適切なのであろうか。今後の情報デザインの課題と して、時々刻々と変化するリアルタイムな情報を、動的な情報としてインタラクティブに表現する必要がある。

本研究では、都市部の交通手段として多く使用される鉄道網に着目し、ユーザーの利用圏に合わせた交通情報を 動的な視覚情報として提示するダイナミックインフォメーショングラフィックスを提案した。 

キーワード:ダイアグラム、インフォグラフィックス、情報デザイン  Keywords: Diagram, Information graphics, Information Design  1.情報の視覚化 

 情報を視覚表現する方法としてインフォグラ フィックスが挙げられる。インフォグラフィッ クスとはここ数十年で生まれたinfomationと graphicsの造語であり、「インフォグラフィッ クス」または「インフォメーション・グラフィ ックス」と呼ばれる。インフォグラフィックス とは複雑な内容やイメージしづらい物事の仕組 みなどを、把握・整理し、視覚的な表現で他の 人に分かりやすく伝えるグラフィックデザイン のことを指す。現在ではインフォグラフィック ス に は ピク ト グ ラム 、 ダイ アグ ラム 、 チ ャ ー ト、グラフ、表や地図などが各一要素として含 まれている。かつて、インフォグラフィックス とは、「新聞や雑誌などのメディアが、それぞ れのニュース媒体に掲載するために作るダイア グラムのことを指していた。」[1]つまり、イン フォグラフィックスは、グラフィックデザイン のダイアグラムから始まり、視覚的に情報を伝 える手段として発達してきた。 

 ダイヤグラムやピクトグラムの概念を変えた のは、ナポレオンのロシア遠征の過程を表現し た シ ャ ル ル ・ ジ ョ セ フ ・ ミ ナ ー ル の

「1812-1813年ロシア戦役地図  」である。日本

では1960年代後半から1970年代に杉浦康平を 中心とするデザイナー達によってダイアグラムが 広がりを見せていった。従来の数字や数値、数

量の表記法とは異なる図や記号を用いて、これ らを示す手法は1920年代のオットー・ノイラー

トのISOTYPE等も起源と言われている。情報デ ザインの根源は、従来は抽象性や象徴性等のイ マジナブルな表現領域であった図や記号に数値 や数量等の定性を含めた事にある。また、これ らを情報デザインの先駆けとして採り上げまと めたのは、アメリカのエドワード・タフトであ る。タフトは定量的な情報の視覚化において

「Data-ink Ratio」という概念を提案した。 

 古くからダイアグラムは情報を図化し表現す ることで理解を促すための手法である。しか し、印刷技術とともに発達してきたダイアグラ ムは、紙や印刷技術の利点を効果的に引き出せ たが、一方それらの制約の中に縛られている。

印刷された図は、制作者の伝えたい情報を表現 したものであり利用者はその意図を解読する必 要がある。

 

2.情報デザイン 

 情報デザインとは「情報を、人が効率的かつ 1

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2 効果的に使えるような形で準備する技と知識」

である。情報デザインと他のデザインとの違い は、コミュニケーションの目的達成の過程で

「効率と効果」が重視される点である。適切な 情報を適切な時に適切な人に少しでも効果的か つ効率よく提示する必要がある。何か情報を伝 達する手段として情報デザインを用いることは 適切である。適切な情報を提示するために、情 報を分類し整理する方法が必要である。情報の 整理の仕方によって解釈や理解の仕方が異な る。リチャード・ソール・ワーマンは世の中に 存在する無数の情報は「Location(位置)」

「Alphabet(五十音順)」「Time(時間)」

「Category(カテゴリー)」「Hierarchy(階 層)」の5つの基準によって組織化できるとして いる。情報デザインとは世の中の複雑な事象を 整理し、対象に伝わりやすい形にして表現する ことである。しかし、今日の情報デザインは

「文字」、「絵」「図」など二次元で静的なも のの組み合わせの中に縛られている。 

 今後の情報デザインの課題として、時々刻々 と変化するリアルタイムの情報を、動的な情報 として、インタラクティブに表現する必要があ る。 

3.交通網の情報 

 交通情報は路線図をはじめに、日々その情報 提示方法の改善がなされてきた。しかし、GPS やインターネットの登場によってGoogleMapや 乗り換えアプリなどで情報を取得する事が主流 となっている。鉄道利用者が主に取得している 情報要素は電車の発着時間、乗換え時などの所 要時間、乗り換える駅、乗り換える路線などで ある。しかし、現状の乗り換えアプリなどはリ アルタイムな情報変化の表現に乏しい。また、

これだけ多くの人々が鉄道を利用しているのに も関わらず未だに交通情報は文字データで扱わ れるものが多い。鉄道利用者が最も必要として いる情報は鉄道利用者自身の周りのリアルタイ ムな交通情報である。交通情報の情報要素を動 的である交通情報を静的な文字表記などではな く、動的な情報として表現したい。 

4.動的な情報デザインの提案 

 本論文における提案の有用性及び情報デザイ ンの表現方法として有効的か実証するためにプ

ロトタイプを作成した。 

 プロトタイプは腕時計型のウェアラブルデバ イスで、円形のディスプレイ上のLEDを用いて 電車の進行具合がリアルタイムで表示される。

表す情報は普遍情報と可変情報に分けられ、普 遍情報の各路線の駅の位置関係や可変情報の電 車の現在位置や自分と目的地の時間的距離感な どを表した。このプロトタイプを用いて11人の 被験者にユーザビリティテストを行い評価し た。 

5.結論 

 結果と考察からプロトタイプの情報伝達の手 段の一つとして文字や数字データを使用しない 視覚情報として提示する情報デザインの有用性 は示された。本研究で交通情報の視覚化の有用 性は示されたが、一部数字や文字を用いたほう が分かりやすいという意見などがあり被験者に よって情報取得の難易度が異なっているため、

改善する余地がある。今後このような動的な情 報デザインの表現を鉄道だけでなく車や飛行機 などの交通情報にも用いたい。またGoolgeMap などの仮想の地理との複合などにより新たな情 報デザインの表現ができると考えられる。 

参考文献&図表: 

[1]木村博之 著「インフォグラフィックス情報をデザインする視点と 表現」 p8 

O.ノイラート・杉浦康平他 著「ダイアグラム・地図作成法」 

Edward,  R  Tufte「The  Visual  Display  of  Quantitative  Information 」  

ジャック・ベルタン著 森田 喬 訳「図の記号学ー視覚言語による情 報処理と伝達ー」 

図1­1 プロトタイプ  [2017,島田]

図11 プロトタイプ

参照

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