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阪神 大震 災 と通 勤 及 び仕 事環 境 の変 化

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]23

〈 研 究 ノー ト〉

阪神 大震 災 と通 勤 及 び仕 事環 境 の変 化

阪神 大震災 か ら考 え る首都圏 の通勤 事情

佐 藤 孝 治

目 次

1.は じめ に 2.調 査結 果 の概 要

(1)「 企 業」調査 結果 の概要 (2)「 個 人」調 査結 果の概要

3.阪 神 大震 災か ら考 え る首都 圏の通勤事 情 ω 統 計 デ ー タに見 る首都圏 の通勤事情 (2)首 都 圏 にお け る通 勤事情 の問題点

資料:阪 神大震災 に関 す る企 業 ・従 業員 の調 査結 果 1.は じ め に

1995年1月17日 早朝,淡 路 島 を震 源 に発 生 した阪 神 大震 災(注一1)は, 0部 地域 で は震度7を 記録 す る大地 震 で あ った。6308人 の死者(消 防庁

調べ)を は じめ多 くの犠 牲者 を 出す と と もに,建 造物,鉄 道 や高 速道 路 な ど に関す る 「技 術 神話 」 を無惨 に も打 ち砕 いて しま った。 東 海道 ・山陽 新 幹 線 は20数 ヵ所 にわ た り高 架 橋 の落下,柱 部 の亀 裂 な どの被 害 を受 け た。 また,在 来 線 で もJR東 海 道 線,阪 急 電鉄 神 戸 線,同 伊丹 線 阪 神 電鉄 線 神戸 市 営地 下 鉄 線 神 戸 高速 鉄 道 東 西線 で,駅 ホ ー ムの倒壊, 高 架 橋 の落 下,ト ンネル中 間柱 の破壊 な どの様 々 な大規 模被 害 が発 生 し

た。 一 方,鉄 道 だ けで な く,神 戸 港 や高 速道 路 な どの物 流 の イ ンフ ラ も 破壊 され,分 断 され て しま った。 コ ンテナ貨物 港 と して は 日本最 大 の 神 戸港 の受 け た被 害 は極 め て深 刻 な もので あ った。

(2)

124商 経 論 叢 第31巻 第3号

C2Q3)

この よ うに,阪 神 大 震 災 は,大 都 市 を襲 う直下 型地 震 の恐 ろ しさ と , 情 報 通信 手 段 ・交通 手 段 ・ライ フ ライ ンを破壊 され た と きのハ イ テ ク近 代都 市 の脆 弱 さを我 々の眼 前 に突 きっ け た。『平 成7年 版 建 設 白書』に よ れ ば,阪 神 大 震災 の教 訓 と して,「阪神 ・淡路 地域 を襲 った直下 型 の地 震 は,木 造 密 集地 域 で発生 した市 街地 火 災,ラ イ フ ライ ンの機 能停 止 に よ る市民 生 活 へ の打 撃,交 通 網 の寸 断 に よ る国 内 外 の生 産活 動 へ の多大 な 影 響 等,我 々 の予想 を上 回 る大規 模 な被 害 を もた ら した。 この こ とに よ り,我 々 は,大 地 震,特 に直下 型 地震 はい つ,ど こで起 きるのか は現 在 の科 学 で必 ず しも予 知 で きる もので はな く,そ の規模 も我 々 の経 験 の範 囲 を超 え る こと もあ り得 る とい うこ とや,都 市環 境 国 内 外 の交 流 等経 済社 会 環境 の変 化 は・ ひ とたび大地 震 が 発生 す れ ば大 きな被 害 を招 く危 険 性 が あ る こ と」 を認 識 させ た と い うこ とが指 摘 され て い る。

阪神 大 震 災 と1995年 末 に発生 した高速 増 殖 炉 「もん じゅ」の ナ トリウ ム冷 却材 の漏 出事 故 に よ ってyI995年 は 日本 の 「技術 神 話 」が崩 壊 した 年 と して後 世記 憶 に残 され るだ ろ う。 しか しなが らa阪 神大 震 災 の被 害 実 態 を通 して,超 過 密 のハ イテ ク近 代 都 市 とな った 東京 や横 浜 な どの大 都 市を 直撃 す る 可能 性 の大 きい 首都 圏 の直下 型 地震 や関 東 大震 災 ク ラス の大 地 震 の被 害 を想 像 す るの は容 易 な こ とで はな い。 なぜ な ら,戦 後 の 50年 間 に人 口 の集 中・産 業 経 済 活動 の集積 な どの様 々 な要 因 に よって,

首都 圏 で は 日本 だ けで な く,世 界 中 の どの大 都 市圏 と も比較 で きな い ほ どに過 密 ・集 中が進 んで い るた め に,首 都 圏 にお け る これ らの地震 の被 害 の姿 は我 々 の想 像 を は るか に超 え た もの に な る可能 性 が 大 きい か らで あ る。

本 稿 で は,神 戸 市 内4区 の企 業組 織 ・従業 員 を対 象 にy阪 神 大震 災 後 の鉄 道 や道 路 な どの大規 模 な被害 発 生 の もとで,通 勤 及 び仕 事環 境 に生 じた変化 や情 報通 信 機 器 の利 用 状 況 な どを把握 す る ことを 目的 に実 施 し た調 査 の結 果 と大 都 市交 通 セ ンサ スや国勢 調 査 の デ ー タを分析 す る こ と を通 して,首 都 圏 の通 勤 の現状 と大地 震 の発生 時 に お け る交通 基 盤 破壊

(3)

{2Q2) 阪 神大 震 災 と通 勤 及 び仕 事 環 境 の変 化125

の問 題点 を検討 す る こと に した い。 本 稿 の構成 は次 の通 りで あ る。 第2 章 で は,神 戸 市 内 で行 った阪 神 大震 災 後 の企 業 及 び従 業 員 に関 す る実 態 調 査 の概要 を明 らか にす る。 第3章 で は,神 戸 に お け る調 査 の結 果 と通 勤 に関 す る統 計 デ ー タか ら予 測 され る首 都 圏 の通 勤事 情 の問題 点 な どを 主 に検 討 す る。

2.調 査 結 果 の概 要

(1>「 企 業 」 調 査 結 果 の 概 要

① 震 災 に よ る損 害 規 模

震 災 発 生 後 の 社 屋 の 損 害 に つ い て は,「 全 壊 」 が21.2%,「 半 壊 」 が 33.3%と な っ て お り,社 屋 に何 らか の 損 害 を受 け た企 業 が54.5%と 半 分 以 上 を 占 め て い た 。 一 方,交 通 ア ク セ ス に つ い て は,「 全 面 不 通 」 が 75.8%,「 部 分 不 通 」が24.2%と な って お り,本 調 査 に よ って も震 災 後 に は交 通 ア ク セ ス が ほ ぼ マ ヒ状 態 に 陥 っ て い た こ とが 明 らか に な って い る。

社 屋 の 回 復 ま で の 期 間 と して は,「1ヵ 月 以 上 」 が33.3%で も っ と も 多 く,次 に 「 未 回 復 の ま ま」 が15,2%と な って お り,約 半 分 の 企 業 が 震 災 発 生 後1ヵ 月 間 以 上 と い う長 期 間 の活 動 停 滞 や 機 能 マ ヒに 陥 っ て い た こ と,10月 末 の 時 期 で も7社 の う ち1社 の 社 屋 が 震 災 前 の 状 態 を 回 復 し て い な い こ とが 明 らか に な っ て い る。 一 方,交 通 ア ク セ ス に つ い て は, 回 復 す る ま で にEヵ 月 以 上 」 か か っ た とい う回 答 が84.8%で あ った 。

② 震 災 発 生 後 の 全 従 業 員 と の連 絡

地 震 発 生 後,従 業 員 全 員 と連 絡 が 取 れ た 時 期 と して は,も っ と も多

か っ た の が 「数 日後 」 で69.7%,次 に 「1週 間 後 」 が21.2%,「 当 日」 が

6.1%と な って い た 。 こ の 結 果 か ら,企 業 側 に と っ て,震 災 発 生 か ら数 日

間 は従 業 員 の 動 向 が 余 り よ く把 握 で きな か っ た こ とが 分 か る。 しか も,

1週 間 後 に や っ と全 員 と連 絡 が 取 れ た と回 答 した 企 業 が1/5も あ った と

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126商 経 論 叢 第31巻 第3号

C2p1)

い う こ と は,業 務 機 能 の 回 復 ま で さ ら に 時 間 が か か っ た で あ ろ う こ と を 想 像 さ せ る。 この 点 か ら も,緊 急 時 の 連 絡 体 制 を き ち ん と確 保 す る こ と が 業 務 機 能 の維 持 の た め に も重 要 な 課 題 とな る。

そ の 場 合,企 業 と従 業 員 と の 間 の 主 な連 絡 手段 と して は,「 電 話 」 と回 答 した の が90.9%と 多 く,「 従 業 員 自身 が 出 向 い た1が42 .4%,「 会 社 の ス タ ッ フが 見 回 った 」 が39・4%と な って い た 。 しか し ,神 戸 で は,多 少 の 混 乱 は あ って も電 話 回 線 が 生 きて い た か ら電 話 連 絡 が 可能 で あ っ た こ

と に留 意 す る必 要 が あ る。 震 災 後 の 非 常 時 に従 業 員 や 会 社 の ス タ ッ フが 車 を 使 用 して 動 き 回 る こ と で 連 絡 を 確 保 し よ う と す れ ば ,交 通 渋 滞 に よ っ て現 場 の 混 乱 を さ らに増 幅 させ て し ま う危 険 性 が あ り ,災 害 時 の 対 応 と して は問 題 が 残 る もの で あ る。

③ 業 務 遂 行 に お け る情 報 通 信 機 器 の 利 用

震 災 発 生 前,業 務 遂 行 の た め に 利 用 さ れ て い た 情 報 通 信 機 器 と して は,「 従 来 の 電 話 」 が100、0%,「 フ ァ ッ ク ス」 が90 、9%s「 携 帯 電 話 」 が 51.5%,「 パ ソ コ ン(含 む電 子 メール,パ ソコ ン通信)」 が48 .5%で あ っ た。

一 方 ,現 在,業 務 遂 行 の た め に,「 従 来 の 電 話 」 と 「フ ァ ッ ク ス」 が 100%,「 携 帯 電 話 」 が75 .8%,「 パ ソ コ ン」 が57.6%と な っ て お り,震 災 発 生 前 と比 較 して,携 帯 電 話 や パ ソ コ ンの 利 用 が 増 加 して い る。 そ の

う ち,携 帯 電 話 の増 加 は注 目 に値 す る伸 び で あ る。

な お,震 災 発 生 後 に役 立 っ た情 報 通 信 機 器 と して は ,「 携 帯 電 話 」 が 78.8%と も っ と も多 く,次 い で,「 従 来 の 電 話 」が66 .7%,「 フ ァ ッ ク ス」

が48・5%と な って い た 。震 災 な ど の 災 害 時 に 役 立 っ 機 器 と して 携 帯 電 話 表一1企 業 にお ける情報 通信機 器 の利用状 況

従来の電話 携帯電話 パ ソ コ ン フ ァ ッ ク ス

そ の他

震災前 33100.0 1751.E 1648.5 3090.9 412.1

災害時 22fi6.7 2678.8 26.1 164$.5 39.1

現 在 33100.0 2575.8 1957.fi 33100.0 39.1

(5)

(200) 阪 神大 震 災 と通 勤 及 び仕 事 環 境 の 変 化127

が高 く評 価 されて い る ことが分 か る。 この よ うな点 か ら,防 災 対策 と し て,情 報 通信 の機 能維 持 を考 え る上 で,有 線 系 と無線 系 のバ ラ ンスを図

る ことが重 要 な課 題 とな る。

④ 勤 務 制 度 に つ い て

震 災 発 生 前 に 導 入 さ れ て い た 勤 務 制 度 と して は,「 直 行 直 帰 制 」 が 33.3%,「 裁 量 労 働 制 」 が18.2%,「 フ レ ッ ク ス タ イ ム制 」 が15.2%と な って い た。 現 在,導 入 され て い る勤 務 制 度 と して は,「 直 行 直帰 制 」 が 33.3%,「 フ レ ッ ク ス タ イ ム制 」 が21.2%,「 裁 量 労 働 制 」 が18.2%と な っ て い る。「フ レ ッ ク ス タ イ ム制 」が 若 干 増 え て い る が,そ れ 以 外 の 勤 務 制 度 は ほ とん ど増 加 して い な い 。 阪 神 大 震 災 前 後 を 通 じて,企 業 の 中 で 「サ テ ラ イ トオ フ ィ ス制 」 や 「在 宅 勤 務 制 」 を 採 用 した と回 答 した企 業 は な か っ た。 こ の こ と は,通 勤 の 代 替 手 段 と して 情 報 通 信 技 術 を 利 用 しよ う と す る企 業 や テ レ ワ ー クを 導 入 す る と い う企 業 が ほ とん ど な か っ た こ と を意 味 して い る。

震 災 発 生 後 に採 用 さ れ た 一 時 的 な通 勤 対 策 と して は,「 自宅 待 機 促 進 」 が63.6%,「 直 行 直 帰 の 適 用 」 が30.3%,「 会 社 泊 ま り込 み 」 と 「裁 量 労 働 の適 用 」が27.3%,1… ホ テ ル室 の 取 り押 さ え」 と 「フ レ ッ ク ス タ イ ム の 適 用 」が212%,「 通 勤 バ ス確 保 」 が18.2%,「 サ テ ラ イ トオ フ ィ ス の適 用 」 が15.2%と な っ て い た。 一 方,こ の よ うな通 勤 対 策 が 正 式 な措 置 で あ る の か ど うか と い う点 に つ い て は,「 正 式 な 措 置 」で あ る と 回 答 した の が48.5%,「 管 理 担 当 者 の 裁 量 に よ る もの 」 が30.3%,「 両 方 」 で あ る と

した もの が21.2%で あ る。

⑤ 企 業 の 危 機 管 理 に つ い て

震 災 発 生 前 に 危 機 管 理 マ ニ ュ ア ル を 用 意 して い な か っ た 企 業 が

54.5%と 半 分 以 上 を 占 め て お り,「 地 震 を 想 定 し て い な い も の 」 が

33.3%,「 地 震 を 想 定 した もの 」が12.1%と な って い た 。半 分 以 上 の企 業

(6)

128商 経 論 叢 第31巻 第3号

(199)

が 危 機 管 理 に 対 す る用 意 を 全 く して い な か っ た こ と,地 震 を 想 定 した危 機 管 理 マ ニ ュ ア ル を 用 意 して い る企 業 は約10社 に1社 程 度 の 割 合 しか

な か っ た こ と が 明 らか に な って い る。

一 方 ,震 災 発 生 後 に 危 機 管 理 マ ニ ュ ア ル が 役 に立 っ た か ど う か と い う 質 問 に つ いて は,マ ニ ュ ア ル を 用 意 して い た企 業 の う ち 「あ る程 度 役 に 立 った 」 と回 答 した の が46.7%,「 不 確 か」 と 「ほ と ん ど役 立 た な か っ た」が そ れ ぞ れ20・0%,「 全 く役 立 た な か った 」が13 .3%と な って い る。

こ の 結 果 に よ って,危 機 管 理 マ ニ ュ ア ル に 対 す る評 価 が 二 分 され て い る こ と が 分 か る。

危 機 管 理 マ ニ ュ ア ル の 見 直 し に っ い て は,「 あ る 程 度 の 見 直 し」 が 39.4%・ 「全 面 的 な 見 直 し」が30 .3%と な っ て お り,約7割 の 企 業 が 危 機 管 理 マ ニ ュ ア ル の 見 直 しを 考 え て い る。 危 機 管 理 マ ニ ュ ア ル の 見 直 しの 重 点 と して は,「 状 況 の 迅 速 な 把i握」 が43.5%,「 従 業 員 の 安 全 確 保 」 が 30.4%7「 業 務 機 能 の維 持 」 が17 .4%と な って い る。

(2)「 個 人 」 調 査 結 果 の 概 要

① 震 災 後 の 損 害 規 模

震 災 発 生 後 の 家 屋 の 損 害 と して は,「 半 壊 」が35.4%,「 全 壊 」が8 .0%

で ・ 回 復 ま で の 期 間 は 「1カ 月 以 上 」 が も っ と も多 くて42 .9%f次 い で

「未 回 復 」 が36・7%と な っ て い た。 社 屋 の 損 害 につ い て は,「 半 壊 」 が 36・3%・ 「全 壊Jが8・8%と な っ て お り,回 復 ま で に 「1ヵ 月 以 上 」 と 回 答 した者 が56.9%で も っ と も多 か っ た。 通 勤 手 段 に つ い て は,「 全 面 不 通 」が61・9%・ 「部 分 不 通 」が32.7%と な っ て お り,9割 以 上 の 者 が 通 勤 手 段 の 被 害 を 受 け て い た 。通 勤 手 段 の 回 復 ま で に 「1ヵ 月以 上 」 と回 答 し た 者 が59.7%,「1ヵ 月 後 」 が23.4%,「2週 間 後 」 が7 、5%で あ った 。

② 震 災後 の勤務 先 との連絡

震 災発 生 後,勤 務 先 と連 絡 が取 れ る まで の期 間 につ いて は,「 数 日後」

(7)

0198)

阪 神 大 震 災 と通 勤 及 び仕 事 環 境 の変 化129

が53.1%,次 い で 「当 日」が46、0%と な っ て お り,震 災 発 生 か ら数 日間 ・ 勤 務 先 との 連 絡 が 取 れ な い者 が 多 か っ た こ と が よ く分 か る。 そ の場 合 の 主 な 連 絡 手 段 と して は,「 電 話 」が74.3%と 多 く,次 に 「従 業 員 自 身 が 出 向 い た 」 が27.4%で あ っ た 。

③ 震 災 後 に初 め て 出 社 を 考 え た 時 期

震 災 後 に 出 社 す る こ と を 初 め て 考 え た 時 期 と し て は,「 当 日」 が 47.8%,次 い で 「数 日後 」が42.5%,「1週 間 後 」が6.2%と な って お り・

震 災 の 当 日 に 出 社 を 考 え て い た 者 は5割 近 くあ っ た 。 しか し,実 際 に 出 社 で き た 時 期 と して は,「 数 日後 」が も っ と も多 くて51,3%,次 い で 「当 日」が27.4%,「1週 間 後 」が10.6%で あ っ た 。な お,震 災 後 の初 め て の 出 社 の 際 の 通 勤 手 段 と して は,「 マ イ カ ー 」が33.6%,「 歩 き」が31.0%,

「電 車 」 が18.6%,「 自転 車 」 が15.9%,「 バ スJがX1.5%,「 地 下 鉄 」 が 9.7%で あ っ た。 この よ う に,神 戸 で は震 災 の 直 後 で も 「 歩 き」(徒 歩)や

「自転 車 」 で 出 社 した 者 が5割 近 くあ っ た 。

④ 業 務 遂 行 に お け る情 報 通 信 機 器 の利 用

震 災 発 生 の 前,業 務 遂 行 の た め に利 用 して い た 情 報 通 信 機 器 と して は,「 従 来 の 電 話 」 が96.5%,「 フ ァ ッ ク ス」 が61.9%,「 パ ソ コ ン」 が 18.6%と な って お り,「携 帯 電 話 」 と回 答 した 者 は5.3%で あ っ た。現 在, 利 用 して い る情 報 通 信 機 器 と して はf「 従 来 の 電 話 」 が9s.5%,「 フ ァ ッ

ク ス」が73.5%,「 パ ソ コ ン」 が23.9%,「 携 帯 電 話 」が15.9%と な って お り,震 災 発 生 前 と比 較 して 「フ ァ ッ ク ス」 と 「 携 帯 電 話 」 の利 用 が か な り増 加 して い る。

表 一2個 人 に お け る 情 報 通 信 機 器 の 利 用 状 況

従来の電話 携帯電話 パ ソ コ ン フ ァ ッ ク ス

そ の他

震災前 10996.5 65.3 2118.fi 70fil.9 43.5

現 在 10996.5 1815.9 2723.9 8373.5 65.3

(8)

130商 経 論 叢 第31巻 第3号

(197)

一}一 』    ̲̲ 一{

」 電 車

一『 ㎜『‑ r̲̲̲

震 災 前7566.4

‑一 昌→T‑̲}『

震 災 後3631.9

一  一̲̲

L些 登⊥7465・5

2017.72421.21614 .2

̲̲一̲̲ ̲̲

}

1916.83127,43631.9

2118.62421.21210 .6

}一 一̲

⑤ 通 勤 手 段 に つ い て

震 災 発 生 前 の 通 勤 手 段 と して は,「 電 車」が66.4%,「 バ ス」が21 .2%,

「 地 下 鉄 」 が17.7%,「 マ イ カ ー 」 が14.2%,「 歩 き」 が8 .8%で あ っ た 。 輸 送 機 関 の 完 全 回 復 まで の 主 な通 勤 手 段 と して は,「 歩 き」 と回 答 し た者 が も っ と も多 くて35.4%,次 い で 「 電 車 」 と 「マ イ カ ー一 」 が そ れ ぞ れ 31.9%,「 バ スJが27 .4%,「 地 下 鉄 」 と 「自転 車 」 が そ れ ぞ れ16 .8%で あ った 。 神 戸 で は,次 の 章 で 検 討 す る よ うに ,神 戸 市 内 の 近 距 離 通 勤 者 が 多 い た あ に,公 共 交 通 機 関 が 大 震 災 に よ る被 害 で 不 通 の 状 態 に あ っ て も・「歩 き」 や ヂ自転 車」 な ど に よ って か な り対 応 す る こ とが 可能 で あ っ たQ

現 在 の通 勤 手 段 と して は,「 電 車 」 が65.5%,「 バ ス」 が21 .1%,「 地 下 鉄 」 が18.6%,「 マ イ カ ー 」 が10.6%,「 歩 き」 が8 .8%,「 自 転 車 」 が 3・5%と な っ て お り,ほ ぼ 震 災 前 の 通 勤 の 状 態 に 回 復 した と 言 え る だ ろ

う。

表一3通 勤 手段 の変化

 ロ      り  ‑r ‑‑

歩 き

懲!

191fi.8 43.5

108.8 4035.4 108.8

⑥ 通 勤 時 閻 に つ い て

震 災 発 生 前 の通 勤 時 間(片 道)と して は,「31‑60分 」が56 .6%と も っ と も多 く,次 い で 「30分 以 内 」 が20、4%,「s1‑90分Jが19 .5%と な っ て い た 。 こ の よ う に 通 勤 時 間60分 以 下 の 者 が 約75%を 占 め て お り

,

「120分 以 上 」 と回 答 した 者 は ゼ ロ で あ っ た。 この よ う に,神 戸 地 域 の 通 勤 時 間 や 通 勤 距 離 は首 都 圏 の 場 合 と比 較 して か な り短 い。

輸 送 機 関 の 完 全 回 復 ま で の 通 勤 時 間(片 道)と して は,「120分 以 上 」が

30.1%で も っ と も多 く,次 い で 「91‑120分 」が29 .2%,「61‑‑90分 」が

(9)

0196)

阪 神 大 震災 と通 勤 及 び仕 事環 境 の変 化131

24.8%で あ っ た 。 震 災 後 に は,通 勤 時 間60分 以 下 の 割 合 は15.1%に ま で 低 下 した 。 首都 圏 と比 較 して,神 戸 の よ う に 通 勤 時 間 が 短 い地 域 で も 震 災 後 の 交 通 機 関 の 混 乱 状 態 で は 長 時 間 通 勤 を 強 い られ た 人 た ち が 多

か った の が 実 態 で あ る。

現 在 の 通 勤 時 間(片 道)と して は,「31‑60分 」が54.9%と も っ と も多 く,次 い で 「61‑90分 」が22.1%,「30分 以 内 」が14.2%,「91‑120分 」 が6.2%と な って い る。通 勤 時 間60分 以 下 が 約7割 を 回 復 して お り,現 在 の神 戸 の通 勤 時 間 は震 災 前 の 状 態 に ほ ぼ 戻 って 来 て い る。

表一4通 勤 時間 の変化

}

一圓

震災前

 ‑ 30分 以 内31‑60分

2320.4冨56.6

‑一 87.1198.0

凹一 一 冊

61‑90分 91‑120分 120分 以 上

2219.5 43.5 oao.o

震災後 2824.8 3329.2 3430.1

現 在

1614.216254.9

1

2522.1 7s.2 000.0

3.阪 神 大 震 災 か ら考 え る首 都 圏 の 通 勤 事 情

(D統 計 デ ー タ に 見 る 首 都 圏 の 通 勤 事 情

① 大 都 市 交 通 セ ンサ ス

『大 都 市 交 通 セ ンサ ス:首 都 圏 総 集 版 』((財)運 輸経済 研究 セ ンター)に よ れ ば,1990年 の 首 都 圏 全 体 の 鉄 道 や バ ス な ど の 公 共 交 通 機 関 を 利 用 し た通 勤 ・通 学 者 は 約947万 人 で,近 畿 圏 全 体 の421万 人,中 京 圏 全 体 の 106万 人 と比 べ て み て,は るか に大 量 の通 勤 ・通 学 者 が 朝 夕 移 動 して い

表一5大 都市 圏 にお ける通 勤 ・通 学者総数(人/日)

通 野 通 学

首 都 圏 全 体 7,000.0273.9

一一

2,469,723 26.1

9,4fi9,750 100.0

近 畿 圏 全 体 3,052,00472.4 1,162,02827.6 4,215,032100.o 中 京 圏 全 体 634,39659.7 428,32540.3 1,062,721100.0

出 典;(財)運 輸 経 済 研 究 セ ン タ ー 「大 都 市 交 通 セ ンサ ス:首 都 圏 総 集 編 』,1992年3月

(10)

132商 経 論 叢 第31巻 第3号

0195)

る と い うの が 実 態 で あ る。そ の う ち,通 勤 者 を 見 る と ,首 都 圏 全 体 が700 万 人(73.9%),近 畿 圏 全 体 が305万 人(72 、4%),中 京 圏 全 体 が63万 人 (59・7%)と な って い て ・ 首 都 圏 と近 畿 圏 に お い て は通 勤 者 の 割 合 が7割 を 超 え て い る(表 …5参 照)。

一 方 ,都 心 を 着 地 とす る通 勤 ・通 学 者 は}首 都 圏(東 京都23区 着)が 約 596万 人,近 畿 圏(大 阪市 着)が 約172万 人 ,中 京 圏(名 古屋 市着)が 約66 万 人 と な って お りi首 都 圏,中 京 圏 の 通 勤 ・通 学 者 総 数 の60%強 が 東 京 都23区 ・ 名 古 屋 市 を 着 地 と して い る。 ま た,通 勤 ・通 学 者 総 数 に 占 め る 通 勤 者 の 割 合 が 首都 圏 全 体 で73.9%で あ る の に対 して ,都 心23区 へ の 通 勤 者 の割 合 が80.9%と な って い る こ とか ら も ,都 心 に 勤 務 地 が 集 中 し て い る こ とが よ く分 か る。 そ れ に対 して a近 畿 圏 の 通 勤 ・通 学 者 で は約 40%が 大 阪 市 を 着 地 と して い る だ け で あ り

,京 都 市 や 神 戸 市 な ど の 都 市 に 分 散 して お り,特 定 の 都 市 へ の 集 中 の 程 度 は 首 都 圏 や 中 京 圏 よ り も は

るか に低 い(表 一6参 照)。

表一6都 心 を蒲地 とす る通 勤 ・通 学者数(人/日)

1通 勤

首 都 圏

(23区 着)

4,819,973 80.9

1

近 畿 圏

(大阪 市着)

1,494,397 r

睡 霞

446.04$68.0 .

1,137,629 19.1

222,412 13.0

210,166 32.0

, 20ρ0U

740nUO

5 908617

1

556,214 140.0 出 典:同

首都 圏 の通勤 ・通 学 者総 数 は,近 畿 圏 の約2 .2倍i中 京 圏 の8.9倍 と な ってお り・ 大 都 市 の 中 で も際 立 って多 い。 これ は,東 京 圏 にお け る業 務機 能 の一 極 集 中 の も とで,首 都 圏 の1都3県 で創 出 され た雇 用 数 の急 激 な増 加 とい うこ とが 大 きな背 景 にな って い る。 この よ うな首 都 圏 特 に東 京 都 へ の勤 務 地 の集 中,都 心 部 の地 価高 騰 と住 宅 用 地取 得 の困 難 さ に よ る居 住 地 の外 延 化 は,首 都 圏 にお け る通 勤 ・通 学 の遠 距 離 ・長 時 間 化 を もた らす大 きな要 因 とな った。

(11)

(194) 阪 神 大 震 災 と通 勤 及 び仕 事 環 境 の変 化133

ま たi大 都 市 圏 に お け る通 勤 距 離 は,首 都 圏 で は21km以 上が53。1%

(372万 人),近 畿 圏 で は42.3%(129万 人),中 京 圏 が46.5%(29万 人)と な って い る(表 一7参 照)。特 に,首 都 圏 で は31km以 上 の 通 勤 者 が30.7%

と通 勤 者 全 体 の 約1/3弱(約215万 人)を 占 め て い る こ と か ら,遠 距 離 通 勤 者 が 非 常 に 多 い こ と が 分 か る。 そ の結 果,都 心 を 着 地 とす る通 勤 ・通 学 の 平 均 距 離 は,首 都 圏 で26km,近 畿 圏 で21km,中 京 圏 で20kmと

な って い る。

表一7大 都市 圏 におけ る通 勤距 離(1990年)

喪羅誕

出 典:(財)運 輸 経 済 研 究 セ ン タ ー 『大 都 市 交 通 セ ンサ ス1総 集 編 』 首 都 圏 及 び 近 畿 圏 ・ 中 京 圏,1992年3月

大 都 市 に お け る通 勤 時 間 は,首 都 圏 が ず ば 抜 け て 長 い。首 都 圏 で は60 分 以 上 の 通 勤 時 間 が58.9%(412万 人)を 占 め て い る の に対 して,近 畿 圏

で は48.3%(147万 人),中 京 圏 で は48.8%(31万 人)と 半 分 以 下 で しか な い(表 一8参 照)。 近 畿 圏 や 中 京 圏 で は片 道 通 勤 時 間 が60分 未 満 の 近 距 離 通 勤 者 が50%を 超 え て い る。都 心 を 着 地 と す る通 勤 ・通 学 の 平 均 所 要 時 間 は,首 都 圏 で68分,近 畿 圏 で60分,中 京 圏 で59分 と な って い る。

表一8大 都市 圏 におけ る通 勤時間(1990年)

首都圏 近畿圏 中京圏

畷肝

183,120 6.0

30‑59分

2,520,010 36.0

1,391,714 45.6

38 s:Ofi40⊥ ヱ 讐1望1 ̲

.1:'分

2,765,01 39.5

,089,565 35.7

×30,286 36.3

皿  一̲̲̲←,凹

120分 以 上

㎝ 

252,001 3.6

4 90‑119分

1,10s,004 15.8

305,200 10.0

‑F一

79,352 2.6

X3,322 2.1

一}

65,977 10.4

1」

出 典:同

(12)

134商 経 論 叢 第31巻 第3号

0193) 一・ 方

,首 都 圏 の通 勤 時 間 は,1980年 代 の10年 間 に次 第 に 長 くな っ た 結 果}通 勤 時 間 が60分 以 下 の 近 距 離 通 勤 者 が1980年 の45

.7%か ら 1990年 の4L1%に 減 少 し,75分 以 上 の通 勤 者 が 全 体 の 約35%を 占 め る よ う に な った 。そ の う ち,90分 以 上 の 通 勤 時 間 の 者 は

,1980年 の17.4%

か ら1990年 の19.4%に 増 加 した(表 一9参 照) 。 こ の こ と は,1980年 代 に お け る 首都 圏 へ の 人 口集 中 の結 果 で あ り ,通 勤 者 の 居 住 地 の外 延 化 や通 勤 混 雑 に 一 層 拍 車 を か け る こ と に な った 。

表一9首 都圏 の通勤時 間 の経年 変化(1980‑1990年)

一匿 悪

1:劃:llゴ 叢

出 典:表 一5と 同 じ

・!:・ 90‑119分 120分 以 上

36.9

‑一 巴+T‑一一 一^一 一一一̲.̲一一̲̲鴨一腸一一一} 

14.1

『 一 一

14.5

15.8

『}

3.3

37.8 3.3

39.5

一 一一 ト

ー一̲.⊥̲̲ ̲

̲ 3.6 一̲̲̲一

②1990年 国 勢 調 査

次 に,国 勢 調 査 の 通 勤 ・通 学 に 関 す る統 計 デ ー タに よ って 神 戸 市 と 首 都 圏 の 通 勤 ・通 学 者 の 動 向 を比 較 ・検 討 して み よ う 。

1990年 国 勢 調 査 の 結 果 に基 づ い て ,神 戸 市,東 京 都23区,横 浜 市,川 崎 市 の 「従 業 地 ・通 学 地 に よ る15歳 以 上 の 自宅 外 就 業 者 ・通 学 者 」に 関 す る デ ー タ を 通 勤 ・通 学 時 間 別 に 検 討 した 。 神 戸 市 を 着 地 と す る就 業 者 ・通 学 者 の通 勤 時 間 は,60分 以 下 が70 .0%,60‑89分 が22.1%,90 分 以 上 が7・8%と な っ て お り,今 回 の 調 査 結 果 と ほ ぼ 同 じで ,60分 以 下 の近 距 離 通 勤 者 が 圧 倒 的 に多 い こ と が 明 らか に な って い る

。 そ れ に 対 し て ・ 東 京 都23区 を 着 地 と す る就 業 者 ・通 学 者 は ,・!:・ 分 が33.0%と

も っ と も多 くて,30‑一一59分 が29 .2%,0‑‑29分 が20 .8%,90‑‑119分 が

13・4%・120分 以 上 が3 .fi%で,神 戸 市 と比 較 して遠 距 離 通 勤 者 の 割 合 が

大 き い(表 一10参照)。 横 浜 市 と川 崎 市 を 着地 と す る就 業 者 ・通 学 者 に っ

(13)

0192) 阪 神 大 震 災 と通 勤 及 び仕 事 環 境 の 変化135

いて は神 戸市 よ り も若 干小 さ いが,近 距 離 通勤 者 が6割 台 とい う大 きな 割 合 を 占めて い る。

表‐io従 業地 ・通学地 による 自宅外 就業者 ・通学 者 の通 勤 ・通 学時間

29分 以 下 30‑59分 60‑89分 90‑119分 120分 以 上

神戸市 270,70434.7 274,93235.3 172,41822.1 43,8045.6

X7,324 2.2

東京 都

23区

x,575,398 fi

2,217,308 29.2

2,507,152

×3.0

1,019,057

×3.4

269,420 3.6

横浜市 478,07234.4 449,16432.3

99,132 7.i

30,940 2.2

332,561 23.9

̲  124,205 /22・8

52,fi44 9.6

16,869

川崎市 203,77637.4 148,04927.1 3.1

̲̲̲一 一一 品 一

出典:1990年 国勢調査より作成

次 に,同 じ デ ー タ を 就 業 者 ・通 学 者 の常 住 地 域 別 に検 討 した も の が 表 一11で あ る 。 神 戸 市 を 着 地 とす る就 業 者 ・通 学 者 は,神 戸 市 内 の 他 区 を 常 住 地 とす る者 が41.2%,自 区 が31.1%,県 内 他 市 町 村 が22.5%,他 県 が5.2%と な って お り,市 内 に常 住 す る者 が72%に 達 して お り,他 県 か ら通 勤 ・通 学 す る者 の 割 合 は極 め て小 さ い 。 この こ とか ら も,神 戸 市 を 着 地 とす る通 勤 ・通 学 者 は近 距 離 型 で あ る こ とが 分 か る。 一 方,東 京 都 23区 を着 地 とす る通 勤 ・通 学 者 は,他 県 に常 住 して い る者 が38.8%(約 294万 人),東 京 都23区 内 他 区 が32。8%,自 区 が19.6%,多 摩 地 域 が

表一11従 業地 ・通 学地 に よる自宅外就 業者 ・通学 者の常住地

自市区町村

自市内他 区

神戸市 242,54231.1 321,39841.2

東 京都

23区

1,487,140 19.6 469,481

33.8

2,485,579 32.8

‑一 一一一 544,118

横浜市 39.1

璽 唾 喜

川 崎 市 1

県 内 他 市 区 町 村

174,958 22.5 fi72,536

8.9

267,824 19.3 161,500

他 県

080

V54 80700

QJOO409

2

2塾 ̲

108,658 7.8 88,663

16.3 出 典:同

(14)

136商 経 論 叢 第31巻 第3号

(191)

8.9%で,長 時間 通勤 型 で あ る。横 浜市 は市内常住 者 の割 合 が 大 き く ,川 崎 市の場 合 は県 内 他 市 区町 村 に常 住 す る者 の割 合 が比 較 的大 きい

。 一 方,東 京 都23区 内就 業 者 ・通 学 者 の常 住 地 別 の通 勤 時 間 を検 討 し た ものが 表一12で あ る。東 京 都23区 内 を着地 とす る就 業 者 ・通 学 者 は

, 東 京 都23区 内 が約397万 人,埼 玉県 が約100万 人s神 奈 川 県 が約96万 人,千 葉県 が約84万 人,多 摩地 域 が約67万 人 ,そ の他 地域 が約13万 人 で あ る。他県 か らの就 業者 ・通学 者 の通 勤 時 間 は,神 奈川 県 で60分 以 上 が83・6%・ 埼 玉県 で84 ・3%・ 千葉 県 でX2 .7%と な って い る.そ の うち, 90分 以 上 の 割 合 は,神 奈 川 県 が35.7%,埼 玉 県 が32 .9%,千 葉 県 が 30・9%で 凍 京 都 以外 か らの就 業 者 ・通 学 者 の通 勤 通 学 の長時 間 遠 距 離 化 が顕 著 で あ る。

̲̲̲1琴 一12東 京都23区 内就業者 ・通学 者の 常住 地別 の通勤 時間

L画 舜亜 童〜

一 一60‑89分一 ̲

1,663,207717

,12141 ,918.1

‑{一̲

1 90‑ll9分

120分 以 上 霰 都1・511:6563

F‑  ̲一

66,075 L7

s,sso O.2 東 京 都12,998

多 摩1.9

128>489 19.1

35fa,755 53.0

151,172 22.5

}一

23,120 3.4 神 奈 川10,477

県1.1

}… 一㎞ 開 一 一一一F曾一 一̲̲̲}.

埼 玉 県11:3219

146,759 15.3

459.63 47.9

一 一̲

68,752 7.2 138,147

13.8 516,014 .4

273,295 28.5 272.3$6

馴 一   27.1〜 「58,研2}

i

‑一+‑5.8

5Y,fi83

24.86 .1

一 一} 『

礫 県1:5211

一  一 ̲

136,818 16.2

437,$6fi 51.8

209.42

?4.8 そ の 他1:4255

㎞}一 一 一一…㎞̲̲閂̲

・..

2.9 1,763

14.fi ll:1・81

̲ζ ̲

fiO,533 44.9i

出 典1表 一loと 同 じ

最 後 に,神 戸 市,東 京 都23区,横 浜 市 ,川 崎 市 の ド常 住 地 に よ る15歳

以 上 の 自宅 外 就 業 者 ・通 学 者 」 に関 す る デ ー タ を通 勤 ・通 学 時 間 別 に検

討 した もの が 表 一13で あ る。 神 戸 市 に常 住 す る就 業 者 ・通 学 者 の 通 勤 .

通 学 時 間 は,60分 以 下 が71 .7%,60‑89分 が20 .5%,94‑119分 が

5.9%・120分 以 上 が1 ・9%と な っ て お り,神 戸 市 内 に居 住 して 市 内 に 通

(15)

X190)

阪 神 大 震 災 と通勤 及 び仕 事 環 境 の変 化137

勤 ・通 学 して い る者 の 割 合 が 大 き い こ と が 分 か る。 東 京 都23区 内 に常 住 す る者 の 通 勤 ・通 学 時 間 は,60分 以 下 が75,4%と 多 く,・1:'分 が 19.8%,90‑119分 が3.6%,120分 以 上 が1.2%で あ る。 横 浜 市 や 川 崎 市 で は長 時 間 通 勤 の割 合 が 神 戸 市 や 東 京 都23区 と比 較 して 大 きい 。

表一13常 住地 によ る自宅外就業 者 ・通学者 の通勤 ・通学 時間

29分 以 下 30‑59分 60‑89分 90‑119分 120分 以 上

神戸市 268,7733s.9 253,379 149,42420.5

42,857 5.9

14,416 2.0

東京 都

23区

1,551,059 35.1

1,779,994 40.4

873,629

157,674 3.fi

52,961 1.2

横浜市 482,73727.6 491,9432$.1 540,17fi30.9

193,617 11.1

41,999 2.4

川崎市 207,55731.4 204,72531.〇

201,128 30.5

38,434 5.8

8,319 1.3

出 典:表 一1⑪ と 同 じ

一 方 ,同 じ デ ー タ を就 業 者 ・通 学 者 の常 住 地 域 別 に検 討 した もの が 図 一14で あ る 。 こ の 表 を 見 る と,横 浜 市 や 川 崎 市 は ベ ッ ドタ ウ ンと して の 性 格 が 顕 著 で あ る(市 外 で就業 ・通学 がそれ ぞれ42.1%と55.2%)が,神 戸 市 は 東 京 都23区(90%)に 次 い で 常 住 地 で 就 業 ・通 学 して い る者 の 割 合 が 大 き い(77,4%)こ とが 分 か る。 こ の 点 か ら も,神 戸 市 は近 距 離 通 勤 者 が 多 い と い う こ とが 明 らか で あ る。

表一14常 住地 によ る自宅外就 業者 ・通学 者の就業地 ・通学地

神戸市

東京都 23区

自市区町村

33.3 1,487,140

33.7

出1典=

469,48 26.8

28.5

表 一10と 司 じ

町村

自市内他 区

県内他 市区

町村 他 県

,542 3

321,398 44.1

84,1fiO 11.5

80,897 11.1 ,140

.7 ,481 .8

2,485,579 5fi.3 544,118

31.1

1

117,523 2.7

13

325,471 7.4 235,541501,522

13.528.6

,257107,123

.5ilfi.2

78,840

11.L ‑285,99fi43.3

(16)

138商 経 論 叢 第31巻 第3号

0189)

② 首都 圏 にお ける通 勤事 情 の 問題 点

① 調 査結 果 か ら考 え る阪 神大 震 災

1995年1月 に発生 した阪 神大 震 災 に よ って,軟 弱 地盤 の上 に広 が る超 過 密 な 巨大 都市 が 直下型 地 震 に よ って激 しい地 震 動 に直撃 され る とい う 光 景 は現 実 の もの とな った。 今 回 の神戸 に お け る調査 結 果 で も明 らか に な って い る よ うにr阪 神 大震 災 に よ って神 戸 を中心 とす る兵 庫 県 南部 地 域 にお いて は・通 勤 ・輸 送 手 段 の寸 断,社 屋 や家屋 の損 壊 な どに よ って, 都 市機 能 が一 時 的 に マ ヒ した り,産 業 経 済活 動 が 著 し く停 滞 す る とい う

ことが生 じた。 それ らの損 害 の影 響 は極 め て深刻 か つ長 期 的 な もので あ る こ と も明 らか にな って い る。

阪神 大 震 災 の被 害 状況 は図 ・‑1の よ うにな ってお り,建 物,道 路,鉄 道,港 湾施 設 な どが 至 る所 で深刻 な被 害 を受 け た ことが 明 らか で あ る。

ここで・ 今回 の調査 結 果 を もとに して,阪 神 大震 災 が通 勤 や仕事 に与 え た影 響 や そ こか ら見 え て くる首 都 圏 の通 勤 事 情 の問 題 点 を考 え て み よ

う。

図一1阪 神大震災の被害状況

/へ4二 艶 蜘 ゼ ー、

・・… ・

も⑳

出 典:横 浜 市 『調 査 季 報 』No.123,1995年3月

(17)

0188)

阪 神大 震 災 と通 勤 及 び仕 事 環 境 の変 化139

◇ 神 戸市 の よ うに近 距離 通 勤 者 が過 半 数以 上 で,徒 歩 で通 勤 で きる者 の割 合 が比 較 的大 きな地域 で も,阪 神 大震 災 の発 生 後,企 業 に と って 全従 業 員 の動 向 を把握 す るまで数 日間 を要 した。 その こ とは,首 都 圏 の よ うに遠 距 離 ・長 時 間通 勤 者 が非 常 に多 い地 域 で は従 業 員 の動 向 を 把握 す るた め に,は るか に多 大 の時 間 や労 力 が必要 に な る こ とを意味 して い る。首 都 圏 直下 型 の地 震 に直撃 され て鉄 道,高 速道 路,幹 線 道 路 な どの交 通基 盤 が壊 滅 的 な打 撃 を受 けた場 合,首 都 圏 の企 業 や行 政 の機 能 は楽 観 的 に考 えて も数 週 間 か ら数 ヵ月 間 停止 して しま う可能 性 が大 きい。 そ の よ うな こ とが生 じれ ば,日 本 経 済全 体 や世界 経 済 に与

え る直接 的,間 接 的 な影 響 は図 り しれ な い もの で あ る。

◇ 神 戸 で は,近 距離 通 勤 が主 で あ った た め に,従 業 員 が線 路 の上 を3 時 間 近 く歩 いて 出社 す る とい う こ と も物 理 的 に可 能 で あ った。 しか

し,通 勤 距離 が 長 く,長 時 間通 勤 を 強 い られ て い る者 が多 い首 都 圏 で は,直 下 型地 震 に よ って交通 機 関が 寸断 され て しまえ ば,た ち ど ころ に大 量 の通勤 困難 者 が 発生 す るこ とが予 想 され る。 ま た,神 戸市 な ど の兵 庫 県 南部地 域 で は,阪 神 大 震 災後 に電 話 回線 が使 用 可能 な状態 で 残 り,携 帯 電 話 もか な り普及 して い た とい うこ と もあ って,企 業 な ど の従 業員 との電 話 連絡 や業務 連 絡 が 可能 で あ った。首 都 圏 で は中枢 管 理 機 能 を維 持 す る情 報通 信 基盤 に深 刻 な被 害 が生 じれば,政 府 機 関 や 地 方 自治 体 の情 報 通 信 ネ ッ トワー クや銀 行 な どの オ ン ライ ンネ ッ ト

ワー クが機 能 停 止 す る こ とにな る。

◇ 神戸 で は、 阪神 大震 災 後 の交 通 機 関 の混 乱状 態 の もとで,長 時 間 通 勤 が 著 し く増加 しただ けで な く,自 宅 が何 らか の被 害 を受 け た もの が 半 数 近 くを 占 めて い た ので,震 災 後 の初 出勤 まで に数 日か ら1週 間 か か った と い う者 が非 常 に多 か った。 東 京 都23区 内 で就 業 ・通 学 して い る神 奈 川,埼 玉,千 葉 各県 な どの常 住 者 は約300万 人 い るが,首 都 圏 直下 型 の地震 で交通 手 段 が壊 滅 した ら,こ の よ うな通 勤 ・通学 者 は 自宅 まで 徒 歩 で 片 道6〜10数 時 間 程 度 か か って しま う こ とに な るの

(18)

140商 経 論 叢 第31巻 第3号

0187)

で,実 質 的 に通勤 ・通 学 が不 可 能 で あ る。東 京都23区 を起 点 に考 え る と,多 摩 川 や 荒川 な どの河 川 が通勤 困難 者 の行 く手 を遮 る障害 と して 立 ち はだ か るこ とに な る し,主 要 道 路 の陥没 や渋 滞 な ど によ って前 に も後 ろに も進 む こ とが著 し く困難 に な る可 能 性 が あ る。 しか も,会 社 や官 公庁 の建 物 が無 事 で あ って も自宅 や周 辺 地域 に深 刻 な被害 を受 け て い るよ うな状 態 で は,通 勤 や通学 は ほ とん ど不 可 能 に な る 可能 性 が 大 きい。 そ の よ うな状 態 の も とで は,業 務 機 能 の維 持 は不 可能 で あ る し,経 済 や 産業 活動 は完 全 に停 滞 す る ことに な る と考 え られ る。(注一2)

◇神 戸 で サ テ ライ トオ フ ィス制 や在 宅勤 務 制 を導 入 した企業 が ほ とん どなか った の は,近 距 離通 勤 者 の多 さが大 きな原 因 の ひ とっ と考 え ら れ る。 首都 圏 の よ うに,居 住地 域 の外 延化 に よ って通 勤 の遠 距 離 ・長 時 間化 が進 ん で い る地 域 で は,地 震 の よ うな災 害 時 に は通 常 の勤 務 制 度 によ って は対応 で きな いだ ろ う し,神 戸 で取 られて い た よ うな 自宅 待 機 で は ほ とん ど意 味 が な い可 能性 が大 きい。 阪 神 大震 災 の教 訓 と し て,首 都 圏 の業 務 機能 や 中枢 管理 機 能 の維 持 の た めに は,情 報通 信 技 術 の利 用 によ る通 勤 の代 替(テ レワークの導入)や オ フ ィス機 能 の分 散

を真 検 に検 討 す る必 要 が あ る。

◇ 中枢管 理 機能 を一 ヵ所 に集 中 して お けば,建 物 の被 害 が全 くな くて も,交 通 基盤 や ライ フ ライ ンが破 壊 され て しまえ ば,そ の建物 に入 居 して い る企 業 の機 能 は完 全 に停 止 して しま う こ とにな る。 神戸 に お け る今回 の調 査 で,社 屋 の全壊 が1/5,半 壊 が1/3を 占 めて いた こ とか らも明 らか な よ うに,地 震 直後 に は企 業 活動 に も相 当 深 刻 な影 響 を与 え た し,復 旧 まで1ヵ 月以 上 の期 間が か か った。 この こ とか らも,業 務 機 能 の分 散 は危 機 管 理 の重 要 な課 題 と考 え られ るの で あ る。 しか

も,危 機 管 理 マ ニ ュ アル を用意 して い な い企 業 が過 半数 以上 もあ った よ うに,緊 急事 態 へ の対応 とい う点 で は問 題 を残 す もので あ った。 業 務 機能 の維 持 とい う ことを危 機管 理 の 中心 的 な課 題 と考 え る必 要 が あ る。 ア メ リカ にお け る危 機 管 理 の考 え方 で は,業 務 機能 の維 持 とい う

(19)

(186) 阪 神 大 震 災 と通 勤 及 び仕事 環 境 の変 化141

こ とが非常 に重 視 され て い る。

◇ 東 京 都 の調 査 で は,関 東大 震 災級 の地 震 が発 生 した場 合,自 宅 まで 徒歩 で9時 間 を超 え る 「帰 宅 困難 者 」 が約240万 人 に達 す る と予測 さ れ て い る(Ll本 経済新聞1996年1月13[糊 刊).同 記事 によれ ば・企 業 が 集 積 す る千 代 田区 で は人 口の10倍 の37万 人 の帰 宅困 難 者 が発 生 す る

が,同 区内 の事 業 所 で食 料 を備 蓄 して い るの は3割 のみ で,帰 宅 困難 者 の分 まで対 応 し きれ な い,と い うこ とが紹 介 され て い る。情 報 機 能, 中枢 管 理機 能 が集 積 す る 首都 圏 が被 災 す れ ば,影 響 は 日本 全 国 だ けで な く世 界 に も及 ぶ が,大 半 の 中小 企 業 は無 防備 で あ る こと も事実 で あ る。 防災 に強 い都市 の構 築,危 機 管 理 な どへ の対 応,情 報通 信 ネ ッ ト ワー クの複 線化 な ど,緊 急 かつ 必要 な こ とを きちん を検討 し具体 化 す る必 要 が あ る。

② 首 都 圏 の通 勤事 情 の問題 点 と課 題

人,モ ノ,金,情 報 のす べ て が東 京 に集 中 した東 京一 極 集 中 の もとで,

「今世 紀 末 か ら21世 紀 初 め にか けてM7級 の小 田原地 震(神 奈 川県 西 部 地 震)が 発 生 し,そ れ が現 在 直 前警 戒 態勢 に あ るM8級 東 海地 震 の引 き

金 を引 き,さ らにそ の結 果 と して 首都 圏直下 の広 域 が大地 震 活動 期 に入 る とい う シナ リオ」(石橋克彦著 『大地動乱の時代=地 震学者 は警告す る』)に あ る よ うに,首 都 圏 直下 の大 地 震 が続 け て発 生 す れ ば,そ れ らの被 害 は 阪 神 大 震災 とは比 べ もの に な らな い ほ ど大 規模 かっ深 刻 な もの にな る こ

とは明 らか で あ る。

阪 神 大 震 災 に よ る主 な企 業 の被 害 や各 地 の製 造 業 へ の影 響 にっ い て は,表 一15及 び表一16の 中 に明 らか に され て い るが,こ の よ うな首都 圏 直下 の大 地 震(M7ク ラス)が 発 生 した場合,地 震 動 に よ る建物 被 害等 が 極 めて大 き くな る と と もに,我 が国 の政 治,行 政 経 済 文 化 ・情 報 の 中枢 機 能 が集 中す る首 都 東 京 が大 きな被害 を受 けた ときに は,都 市 機 能 麻 痺等 によ る国民 生 活 や経 済 の混乱 によ って我 が 国 だ けで な く,国 際 的

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142商 経 論 叢 第31巻 第3号

(X85)

表一15 .阪 神 大震災 によ り影 響 を受 けた各 地 の製造 業(近 畿地 域 を除 く)

1,1.

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中 国

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出典;経 済 企 画庁 編 『平 成7年 地 域 経 済 レポー ト』

(21)

0184) 阪 神 大震 災 と通 勤 及 び仕 事環 境 の変 化M3

表一16阪 神 大震災 による主な企業 の被 害 と対策

1

轡 所

神 戸 製 鉄 所 の 高 炉 が2ヵ 月 以 上 停 止。 被 害 総 額1020億 円 。 95年13月 期 は,

禽雛 灘 灘 常の3分構 の非常愈

と 翻 轟継論

加 占川 と の 備 え と して 携 帯 電 話,2Bl バ イ ク な ど を1

川 崎 製 鉄

廠 殿 の見直し,轍 備

神 戸,西 宮 工場,岸 壁 が 損

羅 難黙・ 轄 霧 響鱗 羅 霧 嚢 雛鰹i

95年 末 に 休 止

川 崎 重 工 業

̲.̲̲̲̲.一̲̲̲一 一̲̲̲昌

藤 櫻 鷺 難 讐

神 戸1二場 の 岸 壁 が 損 壊 し,船 舶 建 造 を 香 川 ・坂 出 工 場 に 移

転 。 被 害 額120億 円 。95年3月[対 応 は 困 難 。 基 本 的 に 大 き な1 1見 直 し は し て い な い

期 決 算 で,80億 円 の 特 別 損 失

松 ド電 器 産 業

パ ソ コンなど情報 機器 の神戸 工場 で部分的 な損壊。 神戸港 の商品在 庫 な ど も合 わせ て36 億 円の被害。決 算 な どには影 響 な し

近 畿 圏 の 工 場 で,全 体 と し て 建 物,生 産 ラ イ ン な ど に 被 害 が 少 な く,社 内 防 災 マ ニ ュ ア

ル の 見 直 し程 度

藩 灘 劃雛樺鞭 哩 幽

災 マ ニ ュ ア ル の 見 直 し。 防1 を 考 え,コ ン ピ ュ ー タ ー の 型 化,分 散 化 を 積 極 的 に 進

る こ と に 自 社 ビ ル の 修 理,取 り壊 し な

ど で,95年3月 期 にll億 円 の 特 別 損 失 。96年3月 期 に は, 売 上 高 で 震 災 前 を 上 回 る1330 億 円 を 見 込 む

本 社 ビ ル と キ ャ ン デ ー 工 場 が 倒 壊 し,10億 円 の 被 害 。 バ レ

ン タ イ ン商 戦 の 減 少 も響 き, 96年1月 期 の 売 上 高 は 前 年 を 下 回 る 見 込 み

三宮地 区 の店が倒壊 。商 品在 庫 の損 失 を含 め507億 円の被 室 売上 高 は前年 実績比 で15 億 円 の減 少 見込 み。6000人規 模 の 出向 も

防 災 マ ニ ュ ア ル の 見 直 し。 空

撫 綾 金を・水冷式から冷1

今後,再 建 す る新工 場 は,耐 震性 を重視 した設計 に。従業 員,取 引先 の安否 が確認 しや す い地域 ごとの連絡 網 も整 備

段回一手星タ送衛プ輸コ渇リ

囑驚 耕 羅

発実フの害充,ど災を線な

(22)

144商 経 論 叢 第31巻 第3号 C183>

大 丸

JR西 日 本

阪 神 電 鉄

関 西 電 力

一̲̲̲̲̲̲

神 戸店損壊 。 商品破損 な どで 103億 円 の被 害。売 り場 が3 分 の1に,売 上 高 は前 年実績 か ら240億 円,経 常利 益 も13 億 円の減少 見込 み

山陽新 幹線 で落橋8ヵ 所。在 来 線 で も高架 や トン ネル 損 傷。 被害額1020億 円。95年3 月期 で513億 円の特別損 失

高 架 橋657本 の ほ か,車 両314 両 の う ち126両 が 損 傷 。被 害 総 額

は510億 円 。96年3月 期 の 当 期 損 益 で20億 円 の 赤 字 見 込 み 260万 件 の 停 電 。神 戸 ・東 灘 ガ ス タ ー ビ ン発 電 所 な ど 損 傷 。 被 害 総 額2300億 円 。95年3月 期 に767億 円 を 特 別 損 失 に

店階骨戸常鉄神非いのに高定間の予の性業壁震開内耐る面と︒す全壁置にに外設り春,をく来は段づ

早 期 地 震 検 知 警 報 シ ス テ ム

「ユ レ ダ ス」を8ヵ 所 に 設 置 。 高 架 の 橋 脚 な ど1万4800本 を,3年 か け て 補 強 す る 予 定

耐震性 の点検。検 車場 の集約 化

送電 鉄塔 の改修 な ど。 これ ま で 台 風 中心 だ った 防 災 態 勢 を, 地震 に も拡大

大 阪 ガ スi§ 詔誘 轡 艦 ヒ 嘲 翻

I

iを 特 別損失 と し,減 収減 益 に

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磁 箪 どに被割6。 。 億耐=翻 覆厩 翻

時 に即座 にガス供給 を停1L る新 基準 を導入。耐 震性 の い ポ リエチ レン管 も増 や

さ く ら 銀 行

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1兵 庫,大 阪 の170店 舗 の う ち ll9店 が 震 災 当 日 休 業 。1週 間 後 に 全 店 で 営 業 再 開 。 建 物 被 害 な ど43億 円 。 決 算 へ の 影 響 は な し

マ拠店応の支対時本害害︒災災定

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出 典:「 朝 日新 聞96年1月17日 朝 刊 」

に も大 きな影響 を及 ぼす お それ が大 きい。

首都 圏 にお け る通勤 問 題 とい う点 に限 って みて も,首 都圏 直 下型 の大 地 震 が発 生 した場 合 の影 響 は深 刻 な もの に な る と考 え られ る。 首都 圏 で は,近 畿 圏 の2倍,巾 京 圏 の実 に9倍 とい う通勤 ・通学 者 が朝 夕 の大 移 動 を行 って い るが,首 都 圏 で は東 京都 心 部 に勤 務 地 が 集 中 して い る こ と

が ひ とっ の特 徴 で あ る。東 京0極 集 中 の も とで,都 心 へ の勤 務 地 の集 中, 地価 高騰 と住 宅用 地 取 得 の 困難 さに よ る居住地 の外 延化 な ど に よ って,

首都 圏 にお け る通 勤 ・通 学 の 遠 距 離 ・長 時 間化 が もた らされ た が,通 勤 ・通 学 の混雑 が激 しくな る とい う問 題 だ けで な く,居 住 地 の外 延 化 は 防災 上 も都 市 の構 造 を極 め て脆 弱 な もの に変 え て しま った。 前 項 で も指 摘 した よ うに,東 京 都23区 を 目的地 とす る他 県 な どか らの通 勤 ・通 学

(23)

0182) 阪 神 大震 災 と通 勤 及 び仕 事環 境 の変 化145

者 は埼 玉県 が100万 人,神 奈川 県 が96万 人,千 葉県 が84万 人,多 摩地 域 が67万 人,そ の他 の県 が13万 人で,合 計 約360万 人 に達 して い る。

これ らの通勤 ・通 学者 の人 半 は,長 時 間通 勤 者 で あ る。

首都 圏 直下 型 の地 震 が発 生 して鉄道 や道 路 な どの交通 基 盤 が破 壊 ・寸 断 され た場 合,こ れ らの通 勤 ・通学 者 に対 す る深 刻 な影 響 は想 像 を絶 す

る もの で あ る。地 震 の発 生 す る時 間帯(午 前9時 頃か ら午後5‑6時 頃)に よ って は都 心 に取 り残 され る数百 万 人 の通 勤 ・通 学 「困難 者 」 が生 まれ る事 態,あ るい は反対 に在宅 の時 間帯 に地 震 が発 生 す れ ば出社 や 登校 が 不 可能 に な る とい う事態 が生 じる。 通勤 ・通学 圏 が 比 較 的狭 い範 囲 に限 られ て い る神 戸 で は部 分 的 に は 口∫能 であ った徒 歩 によ る通 勤 とい う こ と は,首 都 圏 で は遠 距離 ・長 時間 通勤 の た め に物 理 的 に不 可能 で あ る。 そ の よ うな事 態 が発 生 す れ ば,当 然 に も産 業 経済 活 動 はマ ヒす る し,首 都 東 京 は中枢 管 理機 能 や 首都機 能 を維 持 す る こ とが で きな くな る。

首 都圏 直下 型 の大 地震 に よ る産 業経 済 活動 へ の影響 をで き る限 り軽 減 す るため に,首 都 機 能 移転 の推 進 や高次 都 市 機能 の全 国 的 な代替 ・補完 体 制 の 強化 な ど に よ る多極 分 散 型 国 土 の形 成 や都 市 防 災 化 の推 進,オ

フ ィス機 能 の分 散 を 目指 す企 業 経 営,生 産 や物 流 システ ムの分 散 化 な ど を推 進 す る こ とが求 あ られて い る。 また,今 回 の調 査 結果 で も,携 帯電 話 が非 常 に高 く評 価 され て い た よ うに,有 線 と無線,地 上 回線 と衛 星 回 線 な どの多 様 な通 信手 段 の長 所 ・短 所 を踏 まえ た幅 広 い整 備 や育成 を行

う必 要 が あ る。

今 回 の調 査 結 果 で はs危 機 管理 マ ニ ュアル を用 意 して い る企 業 が5割 に達 して い なか ったが,阪 神 大 震 災 の経 験 を踏 ま えて,企 業 レベ ルで の 危 機 管 理 の あ り方 を全面 的 に見 直す べ きで あ る。 一 方,わ が 国政 府 の危 機 管 理 へ の対 応 に は非 常 に批 判 が多 か った が,米 ノー ス リッジ地 震 に お

け る連 邦 緊 急事 態 管理 庁(FEMA)の 役 割 な ど も踏 まえ て,緊 急支 援 体 制 の確 立 や行 政機 関 の オ フ ィス機 能 の分 散 に よ る政 府機 能 の維 持 な どを

図 る必 要 が あ る。

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