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ホブ切り性能向上に関する基礎的研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

ホブ切り性能向上に関する基礎的研究

松岡, 寛憲

https://doi.org/10.11501/3132441

出版情報:Kyushu University, 1997, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第7章 ホプ切り用水溶性切削油剤の効果

一般の切削作業では水溶性切削油斉IJがかなり使用されているが, ホブ切りでは 工具摩耗と仕上げ面粗さなどの点から, 現在不水溶性切削油が専ら使用されてい る. 最近歯車の生産能率を高めるために, 高速, 重切削が行われることが多くな ってきているが, このような条件下では不水溶性切削油は引火の危険性3 ミスト

や煙による作業環境の悪化などが問題となる.

ホブ切りに冷却性能が優れている水溶性切削油剤を用いることができれば3 こ のような問題が解決するだけでなく, 熱膨張による精度低下も少なくなる. また 水で希釈するので経済的であり, 省資源となるなどの利点が考えられる. しかし,

水溶性は従来工具摩耗と歯面粗さのほか3 機械保善への悪影響の問題があり3 ホ ブ切りには用いられなかった.

最近は不水溶性と水溶性を比較する場合, 工具寿命, 仕上げ面粗さなどの一次 性能と作業性などの二次性能3 ならびに経済性, 省資源などの総合的判断が必要 になってきている. ホブ切りにおいて3 工具摩耗などの一次性能は現在のところ3 低速, 中速切削では潤滑性能に富む不水溶性が優れている場合が多いが, 高速切 削の場合は冷却能のよい水溶性が有利になる例が報告されている(7 6) (7 7 )

本章はホプ切りにおいて, 工具摩耗および仕上げ面組さで不水溶性に近い性能3 さらには勝る性能をもった水溶性切削油剤を開発することを目的として3 組成成

分の効果, 希釈倍率の影響, 界面活性剤と鉱油の濃度の影響, および合成油の効 果について, 舞いツール切削により調べた. 実験はまず水溶性切削油剤との比較 の基準として, 現在歯切り用不水溶性切削油として優れていると考えられる切削 油および水溶性油剤の切削性能のおおよその水準を知るために, 水溶性市販油剤

について行った. 次に系統的な水溶性試験油剤を製作し, 実験を行った.

7. 1実験条件

実験で対象とした歯車とホブの諸元は表6.1に示したものと同じで3 フライス 盤での舞いツール切削に置き換えた場合の実験条件は表6.2に示している. 本実

- 93 -

(3)

験では溝5mを切削したが, これは 実験の対象とした歯車14.7個分に 相当する. 被削材は焼きなました SCM4 1 5で , その成分と硬さを表 7 . 1に示す. 切削速度は4 7 , 63,

表7.1 被削材の化学成分と硬さ (水溶性切削油剤)

Kind

86, 117および159 m/minである.

7.2水溶性市販油剤の効果

まず水溶性切削油剤と比較の基準とするために, 現在歯切り用不水溶性切削油 として優れていると考えられる切削油を用いて実験を行った. 次に水溶性市販油 剤について実験を行った.

( 1 )不水溶性切削油

水溶性試油原液の基準とした鉱油, および歯切り用不水溶性として優れている と考えられる菜種油単体, 塩素化脂肪系油剤(塩素分 7見3 脂肪油分13児, さぴ止め 剤なし) , 有機モリブデン系切削油の比較実験を行った. 切削速度を変化した場

合の切れ刃の中央摩耗を図7.1(a)に, 中央摩 耗, 外周角部摩耗, および角摩耗のうちの最 大をとった最大摩耗幅を図7.1(b)にそれぞれ 示す. 中央摩耗は切削速度の増加につれて,

少し増加するが, 油剤による差異はあまりな い. 高速域では角摩耗が中央, 外周角部摩耗 よりも大きく, 最大摩耗になった. 角摩耗は 高速(159m/min)において激増するとともに油 剤による差を生じ, 鉱油と塩素化脂肪系油剤 がよく, 菜種油と有機モリブデン系切削油は 摩耗が大きくなった. 特に鉱油は, すべての 切削速度を通じて3 塩素化脂肪系油剤よりも

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(a)中央摩耗

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100 150

Cutting speed m/min

(b)最大摩耗

図7.1 不水溶性切削油の場合 の摩耗

(4)

角摩耗が少ないことは特徴的である. 極圧添加剤が含まれていない鉱油が3 切削 条件によっては摩耗を減少する場合もあり , このことは, 第6章の6. 2項の実験 結果からも確認できる.

(2 )水溶性市販油剤

ホブ切りにも使用できるとして, 市販されている水溶性切削油剤のうち3 添加 剤の種類と量を変えた国産3種類について実験した. それらの成分と性状を表7.2 に示す. 希釈倍率は10倍である. 切削速度を変えて実験した結果を図7.2に示す.

また比較の基準として不水溶性塩素化指肪系切削油の実験結果もあわせて示す.

各油剤とも切削速度が増加するにつれて, 中央摩耗は増加する傾向にある. 極 圧添加剤として塩素化パラフィン(塩素分4.5れだけが添加された油剤EE-5および 塩素化脂肪油と硫化脂肪油が添加された油剤HDE-1では, 切削速度117m/minまで は中央摩耗は増加するが, 159m/minでは減少する. しかし, 3種の市販油は塩素

表7.2 水溶性市販油剤の成分と性状

Item Fluids EE-5 HDE-l EP-3

JIS Wl class No.2 明'1class No.2 Wl class NO.l

Mineral oil 72 51

Chlorinated paraffin 9

Chlorinated fatty oil 35

Sulfurized fatty oil 30

Composition Anion active agent 10 6 18

( Percentage Nonionic active agent 7 17 23

by weight) Antiseptic Under 1 Under 1 Under 1

Antifoamer Under 1 Under 1

Water Remainder Remainder Remainder

Fatty oil content 43

Chlorine content 4.5 11.5

Sulfur content 3 .0

Undiluted Brown Dark red Yellowish brown solution transparency transparency transparency

Appe訂ance L

yeilRhot wish Diluted Milky Light brown

solution emulsion emulsion brown translucency Prope口y Specific gravity of undiluted

0.940 1 .048 0.960

solution (15 /40C)

pH 10 times dilution 9.50 9. 65 10.0

Surface (1te0n3 S

Nio/mn ) 10 times dilution 33.0 3 4.0 3 2.5

Load carrying capacity (MPa) 1.18 1.27 132 . Coefficient of合lction (μ) 0.13 0.13 0.1 4 10-3N/m = 1 dyn/cm, 1 MPa = 0.102 kgf/mm2

Fhu n同d

(5)

化脂肪系油剤に比べて中央摩耗は大きい.

一方, 角摩耗について, 油斉IJEE-Sおよび鉱 油と界面活性剤だけを含む油剤EP-3は, 切 削速度が増加するにつれて角摩耗は増加す る. 油剤EP-3は117m/minまでは角摩耗はあ まり大きくないが, 高速の1S9m/minでは摩 耗は急激に増加する. 両者とも, 高速領域 では塩素化脂肪系油剤より角摩耗は大きい.

油剤HDE-1は117m/minまでは摩耗は比較的 大きかったが, 1S9m/minでかえって減少し,

塩素化脂肪系油剤よりもよくなった. この ように高速において, 水溶性市販油剤の中 でも不水溶性油剤よりも性能のよい油剤が あることがわかった.

7.3 水溶性切削油剤の組成成分の効果 前節の水溶性市販油剤の実験から得た結

E

06

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0.3

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E

50 Cutting speed 100 m/min

150

(a)中央摩耗

EE-5

2.0

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6 Corner wear E 1.5

E ω

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E 1.0

E

斗司

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o 50

100 150

Cutting speed m/min (b)最大摩耗

図7.2 水溶性市販油剤 の場合 の摩耗

論として, ある程度多量の塩素化脂肪油,

硫化脂肪油が工具摩耗に効果があること, および少量の塩素化パラフィンでは効 果がないことがわかった. これを基に添加剤の種類別3 添加量別の効果, 希釈倍

率の影響などについて検討するため, 試験用切削油斉Ijを製作した.

試験油剤の成分と性状を表7.3に示す.

( 1 ) 比較の基準としては鉱油に界面活性剤だけを含むJIS W1種1号タイプの水 溶性油剤(試油No.1)を基準油とした.

(2 )脂肪油の効果を調べるため, 基準油に菜種油を10"'80%加えた試油No.2-1'"

No.2-8の比較実験をした.

( 3 )前節の実験で少量の塩素化パラフインは効果がなかったが, 不水溶性切削 油剤など一般の極圧成分として効果があるので3 これについても10 "'60見の間3

(6)

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表7.3(a) 水溶性試油の成分と性状

孟F一一旦哩竺!と

No l 2・1 2-2 2-4 2-6

Comopon sition

of original solution

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M ineral o il 80 70 60 40 20

10 20 40 60

23 24 24 24 25

4 3 3 3 3

1 1

10 11 11 11 11

8 9 9 9 10

FCaMttoy rtOIlH e content 10 20 40 60

C hlor ine content

Osorliugti

inoan l Brown Brown Same as Saπle as Same as

住ans p arency transparency left left left Appearance

10 t imes Memilukly sion Memilukly

sion Same as Sameぉ Same as

solution left left left

S

orpiegcininac lgsoalvu ittiy on of

0.891 0.897 0.904 0.911 0.920

(15/40C)

C o popn(eEr ∞mpl叫。aCte/slochMo) zUOoSn 10n

Inactivity lnactivity Same as Same as Same as

of (1) (1) left left left

pH (10 t imes dilution) 8.6 9.2 9.1 9.1 9.2

(1S0u(ru

fma0c1-3 ee Ns t/demzml ) uuoon n ) 30.5 30.5 30.5 30.5 30.6

Notes: 1. The w a y to use surface active agents was controlled in order that HLB required of emulsifyin g oil ín eac h fluid is different.

2. pH was obta ined w i t h glass electrode pH meler . 3. Surface tension was obtained with Du Noüy tenslometer.

2-8

80

25 3

12 9 80 Same as left

Same as left

0.929

Same as left

9.2 30.5

3-1 3-2 3-3 3-4 3-6

70 60 50 40 20

10 20 40 40 60

23 23 23 23 24

3 3 3 3 3

1

11 11 11 11 11

8 8 8 8 9

5 10 15 20 30

Brown Same as Same as Same as Same a s tra nsp紅encyleft left left left

Me milIklly si on Same as Sameぉ Same as Same as

left left left left 0.923 0.951 0.982 1.0 30 1.091

Inactiv ity Same as Same as Same as Same as

(1) left left left left

9.1 9.1 9.1 9.1 9.1

30.7 30.9 30.9 32.1 30.8

(7)

t工コ 亡ぬ

表7.3(b) 水溶性試油の成分と性状

亙ープ手当竺11f

4-1 4-2 4-4

Min eral oi l 70 60 40

SSU [ uElAfham

mce z AcnaId ckato v

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10 20 40

24 24 24

Como n p osition

of orig in al

I

No T ulA krkyel yEed OIl 4 4 4

solution 1 1 1

(Rado webiy ght) momc active ag ent

Ether series 11 11 11

Amide series 8 8 8

FSaIltltfy u oi l content 9 18 36

r content 2 4

sOorliugtiinoan l Reddish brown Dark brown Same as

tran sp aren cy tran sp aren cy left App earan ce

10 times Reddish brown Same as Same as

solu tion emu lsion left left

ho sonolEup1

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In activity Same as Same as

so lution of (1) left left

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S u.(tif1ma0c3ee r Ns t /dem

i n l sion

(10. times dilution) 30.5 30.0 30.0

ι

4-6 4-8

20

60 80

25 25

3 3

1 1

12 12

9 9

54 72

6 8

Same as Same as

left left

Same as Same as

left left

0.953 0.974

Same as Same as

left left

8.6 8.6

30.0 30 .2

(8)

添加量を変えた試油No.3-1--No.3-6の効果を調べた.

前節の実験でHDE-1は塩素化脂肪油と硫化脂肪油が加わったものであるの ( 4 )

単独の効果を調べるために硫化脂肪油を10--80見加えたもの(試油NO.4-1-- で,

No.4-8)の試験をした.

以上の各種の試験油剤の界面活性剤は可能な限り同種のものを同量使用した.

実験は水で10倍に希釈して行った.

脂肪油の効果 7.3.1

および159m/minで実験 117,

86 , 切削速度63,

脂肪油として菜種油を用いた.

および最大 切削速度を変化した場合の切れ刃の中央摩耗幅を図7.3(a)に,

した.

また原液における菜種油の添加量と摩耗幅の 摩耗幅を図7.3(b)にそれぞれ示す.

不水溶性の 中央摩耗幅には水溶性油剤の菜種油添加量の違いはあまり 外周切れ刃の中央摩耗は各切削速度において,

関係を図7.4に示す.

ほうが摩耗は少ない.

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100 150

Cutting s叩pe閃ed mηl/mi加n l

(a)中央摩耗

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117m/min 159m/min

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0 50

図7.4 原液菜種油添加量と摩耗幅の関係 (切削速度117m/minおよびlS9m/min) 菜種油添加油剤の場合の摩耗

m/min 150

Cutting speed 100

(b)最大摩耗 図7.3

99

(9)

影響がないようである. 角摩耗あるいは最大摩耗は159m/minの高度域で, 菜種油 添加量による差が非常に大きくなる. 菜種油添加の効果がはっきり出ている. 原 液における菜種油添加量40�80児は不水溶性とほぼ同じ程度の摩耗である. 実用 的には試油No.2-4の40犯でよい. 油性剤を含む油剤は3 高速ではその効果を発揮 することができないと考えられているが, 油性剤を比較的多く含む水溶性油斉IJが 摩耗を減少するのは, 159m/minの高速は, 水溶性の冷却能が支配する範囲となり,

その冷却作用により切削温度が上がらず, 水溶性油剤の油性剤の効く領域である からであろう.

7.3.2 塩素系極圧添加剤の効果

塩素系極圧添加剤として塩素化パラフィンをその量を変えて原液に添加した.

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0.4

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図7.5

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100 150

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塩素化パラフィン添加油剤の 場合の摩耗

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図7.6

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in undiluted solution .. "V

原液塩素化パラフィン添加 と摩耗幅の関係 (切削速度 117皿/minおよび159m/皿in)

(10)

切削速度に対する摩耗を図7.5に, 添加量に対する摩耗を図7.6にそれぞれ示す.

中央摩耗は各速度において, 水溶性塩素系試油のほうが不水溶性よりも大きい.

中央摩耗は菜種油添加油剤の場合とほぼ同じ大きさであるが, 試油No.3-4の中央 摩耗が159m/minで、117m/minよりかえって減少していることは注目される. 最大摩 耗は菜種油添加油斉IJの場合と同様に, 117m/minまではほとんど外周切れ刃に生じ,

水溶性が不水溶性より少し大きいが, 159m/minの高速域では, No.3-4とNo.3-6以 外は角摩耗が最大摩耗となり, 油剤による差が非常に大きくなって, 不水溶性よ りもよくなるものがある.

塩素化パラフィンの添加量の増加に伴って摩耗が小さくなる. 原液での塩素化 パラフィン添加量40%, 60児のものが159m/minにおいては, 不水溶性よりよい成績 を示した. 水溶性市販油剤で極圧添加剤として塩素系だけが添加された油斉IJには 摩耗が非常に大きいものがあった. このEE-5は試油No.3-1とほぼ同じ塩素量添加 であり, ほぼ同じ摩耗量である. 塩素量不足のためと思われる. したがって塩素 化パラフィンの場合3 少なくとも40児程度は必要であろう.

7.3.3 硫黄系極圧添加剤の効果

硫黄系極圧添加剤として硫化脂肪油を用いた. 実験結果を図7.7および図7.8に 示す. 外周切れ刃の中央摩耗は各切削速度において, 不水溶性のほうが少ない.

しかし水溶性試油No.4-4, No.4-6, No.4- 8(原液の硫化脂肪油添加量がそれぞれ 40, 60, 80先)は117m/minより159m/minの摩耗がかえって少なく, No.4-6, No.4-8 の159m/minの摩耗は不水溶性と同程度の摩耗幅となっている.

角摩耗あるいは最大摩耗は159m/minの高速域で, 硫化脂肪油の添加量の影響が 大きく現れている. 1 O� 20児添加では摩耗が大きいが, 40� 80見を添加すると不水 溶性よりかえって小さい. 最大摩耗で評価する場合, No.4-4, No.4-6, No.4-8は ほとんど同じ成績である. またコストの面からも3 硫化脂肪油40お添加のNo.4-4 がよし\ .

水溶性油剤において, 外周切れ刃の中央摩耗は本実験条件では3 切削速度117m /minまでは切削速度とともに漸増するが, 159m/minでは中央摩耗がさらに増加す

- 101 -

(11)

117m/min 159m/min

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原液硫化脂肪油添加量と摩耗幅の 関係

(切削速度1l7m/minおよびlS9m/min)

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図7.8 150

m/min

硫化脂肪油添加油剤の場合の 摩耗

100 Cutting speed

(b)最大摩耗 0

50

図7.7

L-

る油剤とかえって減少する油剤とがある.

角摩耗は切削速度とともに漸増 れに対して,

する傾向にある.

150 m/min 100

Cutting specd

中央摩耗が高速でかえって減少する原因に

試油No.2-4, No.3-4, およ びNo.4-4による溝Sm切削後 の中央摩耗

塩素化パ 図7.9 最適量の菜種油,

ついて検討した.

および硫化脂肪油をそれぞれ添加 およびNo.4-4の場 ラフイン,

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å 50 No.3-4,

した試油No.2-4,

切削速度に対する中央摩耗幅を代表例 合の,

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150 m/min -AH『

一O

--BAよOP oa L Pb

円u

c u これに対して, 摩耗の

として図7 .9に示す.

試油No.2-4, No.3-4, およ びNo.4-4による切削始めの 溝の仕上げ面粗さ

図7.10 影響を受けない切削始めの切削溝の仕上げ面

これは外周切れ刃の中 央部が切削した溝の底面の粗さを測定したも 粗さを図7. 10に示す.

(12)

のである. 切削速度に対する中央摩耗の傾向

と仕上げ面粗さの傾向は酷似している. 切削 1.5 始めの粗さは工具摩耗の影響が全然ないので,

油剤による粗さの差は切削温度と油剤の反溶 着性の差による構成刃先の付着状態の差が原 因と考えられる. したがって, 切削速度に対 する切削始めの仕上げ面粗さの傾向は, 実際 に削っているときの構成刃先の付着状態を観 察することはできないが, 構成刃先の成長と 付着状態の傾向と見てよいと思われ

る. 一方, 工具摩耗の代表的なもの として, 付着した構成刃先がせん断 されるときに, 工具材の一部を持ち

去ることによる凝着摩耗がある. こ の種の摩耗は, ある温度と圧力のも とで発生しやすく, あまり高温では かえって起こりにくい(7 8 )といわれ

ている. 高速の159m/minで、中央摩耗 が減少するのは切削温度と油剤の反 溶着性が影響して, 構成刃先の付着 が少なくなり, 凝着摩耗が起こりに くくなったためと考えられる. また,

中央摩耗と角摩耗は異なった挙動を 示すので, 摩耗の機構に違いがある と思われる.

図7. 11に各種添加剤別の最も摩耗 が少なくなった添加量における最大 摩耗を示す. 高速159m/minにおいて,

戸』戸』 o Center wear ロToþ comerpa口wear

lJ. Corner wear

NO.l

nu

cJ 1i

nU

同ω主E25話E3戸也君、少 Water

0 50 100 150

CUlling speed rnJmin

図7.11 最適量の各種添加剤別の 最大摩耗

表7.4 切削溝の仕上げ面粗さ (切削速度159m/min)

Cutting fluids Surface roug hness (Ryμm)

Additives Tesidti s nNg o Be1 1gt

l

in nning of Leng th of

flu cumng g roove cut 5m

1 9.5 22

2-1 2.0 4.5

2・2 3.5 9.0

Rape-s eed

2-4 3.0 8.0

oiI

2-6 3.0 10.2

2-8 2.0 11.0

3-1 3.5 10.0

3-2 7.0 9.0

Chlorinated

3-3 4.5 9.5

paraffin

3-4 3.0 6.5

3-6 6.3 7.1

4-1 1.4 4.0

4-2 1.8 5.5

Sulfurized 4-4 1.4 3.2

fatty oil

4-6 1.4 5.0

4-8 1.5 5.2

Water 19 34

Chlorinated fatty oil 19 3.0

Org anic molybdenum

12.2 5.0

type cutting oil

Dry (117mJmin) 10.5 23

- 103 -

(13)

水溶性試油No.3-4(塩素化パラフィン40%), No.4-6(硫化脂肪油60お), No.2-6( 菜 種油60お)は不水溶性より摩耗が少ない. 硫化脂肪油添加油剤はいずれも添加量40 -- 80見の範囲では, ほとんど同じ程度のよい成績を示すの で, 実用的には4 0見の No.4-4およびNO.2-4でよい.

表7.4に切削速度159m/minにおける切削溝の仕上げ面組さを油斉Ij別に示す. 水 溶性油斉IJは不水溶性に比較して, 仕上げ面組さは劣らず3 また切削溝の送りマー

クもはっきり観察される. 水溶性の中 では硫化脂肪油添加油斉IJが仕上げ面粗さは 最もよい. また肉眼的にも一番光沢がある. 工具摩耗と仕上げ面粗さから見て,

硫化脂肪油を40児添加した水溶性油斉IJ No. 4-4が最もよい.

7.3.4 希釈倍率の影響

水溶性切削油剤の希釈倍率は, 希釈液の潤滑性能, さび止め性能, および冷却 性能 に大きく影響を及ぼすと考えられる. また希釈倍率を高くしてもこれらの性 能 を維持することができれば, 作業性, 経済性3 省資源の点でいっそう有利とな る. 添加剤の希釈倍率の影響を調べる方法として, 水溶性油剤原液における添加 剤の添加量を変化させて, 希釈倍率を一定のまま用いる場合と3 原液における添 加量を一定にして, 希釈倍率を変化させて用いる場合が考えられる. 本項では3 希釈液にした時の添加剤濃度が同じとなるようにして, 多量の添加剤を含む原液 (高濃度原液)の高倍率希釈液と低濃度原液低倍率希釈液のどちらが摩耗が少ない かを調べた. ここ では 添加剤として, 各切削速度を通して よい成績を示した菜種 油あるいは硫化脂肪油を用いた. 希釈倍率は10倍を基準として変化させた.

水溶性油剤原液における添加量を一定(80%)にして希釈倍率を変化した場合と,

原液における添加斉IJの添加量を変化して, 希釈倍率を一定(10倍)にした場合にお いて, 希釈液中の添加剤濃度を 同じにして, 高濃度原液高倍率希釈液と低濃度原 液低倍率希釈液の比較実験をして希釈倍率の影響を調べた.

表7.3 に示すように, 比較の基準として は鉱油と界面活性斉IJ ( 約2 0 重量%)だけ を含む水溶性油剤(試油N0.1 )を基準油とした. 脂肪油添加油剤の希釈倍率の影響 を調べるため, 基準油に菜種油を重量で約10'"'"' 80見加えた試油No.2-1'"'"'No.2-8を

(14)

使用した. また, 硫化脂肪油添加油剤の 希釈倍率の影響を調べるため, 基準油に 硫化脂肪油を約1 0---80児加えた試油No.

4-1---No.4-8を使用 した.

試油No.2-8(原液の菜種油添加量が80 児)の希釈倍率をそれぞれ20倍, 40倍, お よび80倍に変化させて, 希釈液における 菜種油濃度がそれぞれ4見, 2見, および1お と等しい試油No. 2-4, No. 2-2 , および

No.2-1の10倍希釈液に対応させて, 比較 試験した. 希釈液中の菜種油濃度の変化 に対する切れ刃の中央摩耗幅と角摩耗幅 の変化を, 切削速度は63m/min, 86m/min,

および117m/minの場合について図7.12(a) に示す. 117m/min以下の速度領域におい

て, 摩耗は切削油剤の希釈倍率および原 液の菜種油濃度にあまり支配されない.

図7.12(b)に示す159m/minの場合におい

ては, 特に角摩耗に対して菜種油の量の 影響が大きく, 菜種油が多いほうがよく なっている. 希釈倍率の変化および原液 の菜種油濃度変化に対する摩耗の傾向は よく似ている. しかし希釈後の菜種油の 同一濃度のものどうしで比較すると, 低 希釈倍率10倍で原液の菜種油濃度を変化

EO.3 í v=63m/min

EO.2L _ -O- - """",--

� O. �0 '

rr�

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�0.3 r 1 v= 86m/min ê 0.2晶、ムームー一ーム

X I.V"�理主?・Q ---<ー=ーー一一

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@ 0 I I I I I I I I J .

�0.5 ち0.3504 召0.2

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01

o 1 2 3 4 5 6 7 8

Concentration of rape-seed oil in diluted solution .�

'l1= 117m/min

Concentration of rmdai p戸lueb t.叩ed巴凶sd

E

o il 0% 1% 2% 4% 8%

in diluted solution Cw 巴

cI a1

r1c r - NO.2-8 NO.2-8 NO.2-8 Water

Comer wear _ーゼト一一 80 tim出40 lÎmes 20 times NO.2・8 CwEeIa1r1巴r 一一�-- NO.l NO.2・1 NO.2-2 NO.2-4 10 times Comer

_ー -ò- ーー 10 !imes 11 0 times 11 0 !imes 11 0 tìmes wear

(a)切削速度63, 86, および117m/min

1.5

E E

ω

t 1.0

E O u

・0 tI:l

cu

505

Comer wear tゐ・唱

Center wear

召君、少

1 2 3 4 5 6 7 8

Concentration of rape-seed oil

in diluted solution

(b)切削速度159m/皿in

図7.12 菜種油添加油剤の希釈倍率 の影響

(表7.1の被削材を使用)

したものより, 高濃度菜種油の原液を高 倍率希釈したもののほうが摩耗は少なく3 希釈液中の菜種油濃度の低い2見以下の領域で3 この傾向が特に角摩耗に大きく出 ている. これは冷却速度, 界面活性剤の濃度, および鉱油の濃度などの差による

105

(15)

ものと思われる. 希釈液菜種油濃度が4見 では, 希釈倍率の影響は小さくなってい るが3 これは希釈倍率が接近するので,

差が少なくなっているものと思われる.

硫化脂肪油の場合) 117m/min 以下の速

度では, 摩耗は希釈倍率の変化と原液硫 化脂肪油濃度の変化に対して, 菜種油添 加油斉IJの場合と同様に, ほとんど同じで ある. 159m/minの高速では, 図7 . 13に示

1.5 E E 足Eω E 包E

o tA 1.O

.0 5

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532巴r

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0 1 2 3 4 5 6 7 8

Concentration of sulfurized fatty oil m

in diluted solution 70

I I I I

Waler No.4-8 No.4-8 No.4-8

Center

W巴ar

(80 times)(40 tirnes)(20 timcs)

NO.l No.4-1 No.4-2 No.4-4 No.4-8

(10Iimes) (JO times)(10 limes)(lO limes)(lO tim巴s)

すように, 希釈倍率あるいは原液の研し化

脂肪油濃度の変化によって摩耗が大きく 図7.13硫化脂肪油添加油剤の希釈倍率の影盟 (切削速度159皿/min)

表7.5 水溶性試油(界面活性剤, および低, 中, 高粘 度鉱油)の成分と原液, 10倍希釈液の性状

エ「一一J坦坦!1110

1 9 10 11

Miner a1 o il 80 80 80

Wat er 80

Co umqunpoBon snit ia

l on Su r AfamcAe Ton u肱arcaykucel

vu

v Se vuElaef E od a eEnoneait e ntl e t

23 23 24 25

sol of 4 4 2

(R ati o eb

ly g 1 1

w e ight)

[

Noni onic y a cuve agent

Et h er seri es 10 12 15 16

Amide series 8 6 7 6

Prkopineeれmieasdoc f vmii iner a l oil

1 S CO3S0It 0y C 77.0 6.6 482

Cha racter i stic

mrn2js 400(:

31.4 4.0 139

Aniline

po pi oint C(。OCC) ) 105 80 115

valu e of Flash point (OC. 240 154 290

conS tItu tlve

com posltlOn M e an m ole c ular w e ight 430 230 600

Ring analCysAis %

11.4 7.7 12.7

CN % 15.4 23.7 14.4

Cp % 73.2 68.6 72.9

Osorliugtiinoan l Br own Same as Light yell ow Yellow ish

br own A ppe訂anc e 住ansparency left transparency 甘ansparen cy

10 times em u

k

lysi on Same as Same as Same as

soluti on left left left

S onpegc

Iific gsroal viuty o of

n al solution 0.891 1.000 0.869 0.910

ROSO R

oIEl

』ItpH a nen10l y of (15 / 40C)

or Kin em ati c visc osity of

0.965 1.02

10 mtimm2e/s s soluti on 0.964

of 10 times 400C

soluti on

C of o popd(eEr ∞1pnla。alCte /sloc hlou) πE1o0S1 1 0n In activity Sameぉ Saロle as Same as

(1) left left left

pH (10 times diluti on ) 8.6 9.2 9.1 9.1

Sur t(ifm1a0ce

e3s Nt de/

i mnls

u) i it o

on

n 30.5 29.5 31.0 29.0

(10 times d illl ti on )

(16)

変わることも, 菜種油添加油剤の場合と同様である. 摩耗に対して有効であるの は希釈液中の硫化脂肪油濃度4児以上である. このことは3 希釈倍率変化の場合と 原液の硫化脂肪油濃度変化の場合とがよく一致している.

7.3.5界面活性剤および鉱油の濃度の影響

前項において, 希釈液中の添加剤濃度が同じならば3 高濃度原液高倍率希釈液 のほうが低濃度原液低倍率希釈液よりも摩耗は少ないことを示した. この理由に ついて考察すると, 摩耗の少ない高濃度原液高倍率希釈液では界面活性剤濃度お よび鉱油濃度が低いので, その影響が考えられる. ゆえにその各々が摩耗の増減 にどのように関与しているかを調べた. 鉱油を含まず, 水と界面活性剤だけを含 む原液(試油No.9, 表7.5参照)を製作し, 上記実験した試油の10倍, 20倍, 40倍,

および80倍希釈液の界面活性剤に同じになるように, 水で希釈して, 界面活性剤 単独の摩耗に対する影響を調べた. また, 鉱

油の濃度が摩耗に及ぼす影響を調べるため,

界面活性剤は他の試油とほぼ同じ量で, 鉱油 だけを含んでいる試油No. 1 (基準油)について 希釈倍率を変化して, その影響を調べた. 希 釈液界面活性剤濃度の変化に対する切れ刃の 中央 摩耗幅と角摩耗幅の変化 を 3 切削速度 117m/minの場

合について図 Ce nter wear fent巴r wロft_ー-0一- NO.9 -ゃ- No. l Comer ww { -4-N0.1

l_ー-C::r- --NO.9

7.14に示す.

ほとんどの場 合に, 中央摩

耗よりも角摩 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

�on.��ntr�tio� �� surface active agents % in diluted solution

耗が大きい.

切削速度63,

お よ び 8 6m /

図7.14 界面活性剤および鉱油の 濃度の影響

(切削速度117m/min)

- 107

2.0

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5 5 2

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(40 times)

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Water

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(4.5m) No.I (40 ti6..._---..u----一一一-Q\mロ)(m

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(8OM?S) 141m)l (?Mr

o 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

Concentration of surface active agents nt

in diluted solution 70

図7.15 界面活性剤および鉱油の 濃度の影響

(切削速度159皿/min)

(17)

mlnの図は省略しているが, 切削速度117皿/minまでは界面活性剤だけの試油No.9

は, 界面活性剤濃度約0.3犯と0.6犯で, 水100児より摩耗が大きく, 濃度2.3%までは 濃度増加につれて, 摩耗はそれよりわずかに減少している. 界面活性斉IJと鉱油か らなる試油No.1は, 水よりも摩耗が大きく, 概して3 活性剤だけのNo.9よりも摩 耗が大きい.

切削速度159m/minの場合は図7.15に示すように, 活性剤と鉱油の摩耗に対する 影響が非常に大きい. 活性剤の濃度の増加とともに中央摩耗も角摩耗も増加する ことから, 水溶性油剤中の供試界面活性斉IJは摩耗を大きくすることがわかる. 活 性剤と鉱油からなる試油No.lでは, 中央摩耗は活性剤だけの場合とあまり差はな いが, 活性剤濃度0.3--1.2%および鉱油濃度1--仰の範囲では, 角摩耗部において 刃先が大きく損傷する. この濃度範囲では, 鉱油の量が少ないため, 摩耗防止効 果が十分発揮できなかったものと考えられる. 高濃度原液高倍率希釈液(試油No.

2-8およびNo.4-8)が低濃度原液低倍率希釈液よりも摩耗は少ないのは, 希釈液中 の添加剤濃度は同じであるが, 界面活性剤が低濃度であるからである.

7.3.6 鉱油粘度の影響

基油とした鉱油の粘度が摩耗に及ぼす影響

について調べた. 前項の実験で使用した鉱油 は, 動粘度が31 . 4 m m 2 / s ( 40 oC )である(本実験 では中粘度鉱油と称する). この鉱油より低 粘度と高粘度鉱油の場合について, 鉱油と界

面活性剤だけからなる試油を作製して実験を 行った. 鉱油の粘度は, その組成によって複 雑に変化するので, 鉱油はパラフィン系で,

平均分子量を変えて粘度を変えた. このよう な粘度が異なる試油No.10, No.1, およびNo.

11について比較試験した. 図7.16に鉱油粘度 と, 中央摩耗, 角部摩耗, および角摩耗のう

E E

ω E 1.0

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50 100 500

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NO,10 NO.l Ño�iÏ

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) ( 鳴:1

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)

図7.16 鉱油粘度と愚大摩耗幅の 関係 (10倍希釈)

(18)

ちの最大をとった最大摩耗幅の関係を示す. 各切削速度において, 鉱油粘度の大

きいものが摩耗は小さい. 高速度で高粘度の効果が顕著である. 水溶性切削油剤 の冷却性能は原液粘度が小さいほうがよいという報告(7 9 )があるが3 ホブ切りは 断続切削を行うフライス削りの一種であるから切削油斉iJによる冷却は比較的有効 に行われるので, 鉱油粘度の高いものは主として潤滑性能を高めることによって 摩耗を減少させていると思われる. 鉱油粘度は異なるが, その10倍希釈液の粘度 は表7.5に示すようにあまり差はない. 希釈液の粘度に差はなくても, 原液鉱油 の粘度の違いによって潤滑性能に差が出ることがわかる. これはエマルションの 転相によって, 摩擦面では鉱油が連続相となり, 鉱油の粘度効果が出やすくなっ たものと考えられる.

7.3.7 合成油の効果

ホプ切りを対象としたこれまでの実験で, 水溶性油剤中の低3 中粘度の鉱油は 摩耗を大きくするが, 高粘度鉱油は摩耗を少なくすることがわかった. 水溶性油 剤に使用している鉱油よりも粘度および粘度指数が大きく, 高温安定性に優れ,

耐荷重能が高く, 難燃性であるなど, 鉱油に求め得ない特性を持っているものが あれば, これを基油あるいは添加斉IJに使用することによって, 水溶性切削油剤の 切削性能および作業性は一段と向上すると思われる. この鉱油にない特性を持つ ものとして合成油に着目した.

ポリグリコール系合成油は金属加工油や水溶性難燃性作動油などに使用され,

( 1 )高荷重下で優れた潤滑性を示す, (2)粘度-温度特性が優れている, (3)高 温安定性に優れている, (4)水に対し安定性があり, 相溶性がよい, (5)金属に 対し不活性であるなどの特性を持っているので取り上げた. またポリグリコール 類の特徴はそれ自身が水に可溶であることである. 実験に使用した合成油はポリ グリコール類で, ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルで ある. これも一種の界面活性剤であり, 7.3. 5節で示したように実験で使用した 界面活性斉IJは摩耗を大きくする傾向があるが, この合成油の摩耗への影響は明ら かではなく, 鉱油を基油とする水溶性よりも, 上記に挙げるような特性のため,

- 109 -

参照

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